JP2017063167A - 積層セラミック電子部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】デラミネーションの発生を抑制することのできる積層セラミック電子部品を提供する。【解決手段】セラミック層5と内部電極層7とが交互に複数積層された積層セラミック素子1を備えており、積層セラミック素子1は、複数のセラミック層5の一部の層として、セラミック層5を縦断面視したときに、その主面に平行な方向に延びる細長形状の空隙6Aを有する多孔質セラミック層5Aを備えている。積層セラミック素子1が、電歪効果を発現する作動部9Aと、作動部9Aの外周部に配置された電歪効果を発現しない不動部11Aとを有しており、細長形状の空隙6Aが主として作動部9A内に存在している。【選択図】図1
Description
本発明は、積層セラミック電子部品に関する。
図2(a)は、従来の積層セラミック電子部品の例として、一般的な積層セラミックコンデンサを模式的に示す斜視図であり、(b)は、(a)のA−A線断面図、(c)は、(a)のB−B線断面図、(d)は、(c)におけるセラミック層内の一部分(破線で囲った部分)を拡大した概略断面図である。
積層セラミック電子部品100は、機能を発現する積層セラミック素子101と、この積層セラミック素子101の両端部に設けられた外部電極103とから構成されている。
積層セラミック素子101は、セラミック層105と内部電極層107とが多層構造体として交互に積層された構成となっている。ここで、図2(d)における符号106はセラミック層105に存在する空隙を表し、符号105aはセラミック粒子を表している。
例えば、積層セラミック素子101がコンデンサや圧電素子を構成するものであれば、積層セラミック素子101の内部領域は電歪効果を発現する動作部101aとなり、動作部101aの外周部は電歪効果を発現しない不動部101bとなる。
近年、普及の目覚ましい携帯型電子機器の分野において、上記のような積層セラミック素子1を有する積層セラミック電子部品が広く用いられている。
そして、この積層セラミック電子部品においては、さらなる小型化、薄層化が進められており、特に積層セラミックコンデンサについては、市場の要求に応えるため、一層の薄層化、多層化が進んでいるのが実情である。
このような積層セラミック電子部品では、動作時に積層セラミック素子1の不動部101bには電歪効果が生じないため、内部領域に位置する動作部101aと不動部101bとの間に歪が生じるようになり、積層セラミック素子1内において歪みが集中した部分にデラミネーション(符号D)が発生するという問題がある。
このような問題に対し、本出願人は、以前、セラミック層105上に形成された内部電極層107の周囲に緻密なセラミック層105を形成し、内部電極層107による段差の解消とともに、不動部101bの機械的強度を向上させることを提案した(例えば、特許文献1を参照)。
ところが、セラミック層105および内部電極層107がさらに薄層化され、内部電極層107の面積比率および積層数が増大した積層セラミック電子部品では、不動部101bを起点にして動作部101aに至る領域にさらにデラミネーション(符号D)が発生しやすくなっている。
従って、本発明の目的は、デラミネーションの発生を抑制することのできる積層セラミック電子部品を提供することにある。
本発明の積層セラミック電子部品は、セラミック層と内部電極層とが交互に複数積層された積層セラミック素子を備えている積層セラミック電子部品であって、前記積層セラミック素子は、前記複数のセラミック層の一部の層として、前記セラミック層を縦断面視したときに、その主面に平行な方向に延びる細長形状の空隙を有する多孔質セラミック層を備えているものである。
本発明によれば、デラミネーションの発生を抑制することができる。
図1(a)は、本実施形態の積層セラミック電子部品を模式的に示す斜視図であり、(b)は、(a)のA−A線断面図、(c)は、(a)のB−B線断面図である。(d)は、(a)における積層方向の中段付近(破線で囲った部分)を拡大した概略断面図である。
本実施形態の積層セラミック電子部品は、積層セラミック素子1と、積層セラミック素子1の対向する両端部に設けられた外部電極3とを有している。積層セラミック素子1は、セラミック層5と内部電極層7とを交互に複数積層して形成した多層構造体を成している。
そして、この積層セラミック素子1は、セラミック層5の一部の層として、セラミック層5を縦断面視したときに、その主面に平行な方向に延びる細長形状の空隙6Aを有する多孔質セラミック層5Aを備えている。この場合、セラミック層5の主面とは、セラミック層5が平板状を成す場合に対向する配置にある面積が他より大きい表面のことを言う。また、多孔質セラミック層5A内に形成されている細長形状の空隙6Aは、セラミック層5を縦断面視したときにおおかた多角形状を有しており、場合によっては短径方向の長さが変化したいわゆるひょうたん型の形状を成しているものが含まれている。なお、この空隙6Aはセラミック層5を平面視したときには、細長い空隙6Aが磁器5Cを介して縞状に並んだように見える状態となっている。
本実施形態の積層セラミック電子部品によれば、積層セラミック素子1内に上記した多孔質セラミック層5Aを備えていることから、積層セラミック素子1に焼成や熱衝撃試験などにより応力が発生してもこの多孔質セラミック層5Aが応力を緩和してくれるため積層セラミック素子1にデラミネーションが発生することを抑制することができる。
これは、細長形状の空隙6Aを有する多孔質セラミック層5Aでは、細長形状の空隙6
Aを有する部分が細長形状の空隙6Aを有しないセラミック層5の部分に比べて薄い(図1(d)においてt0、t1として表示している。厚みt1は空隙6Aの部分を除いたセラミック層5の厚みとする。)ことから、細長形状の空隙6Aが形成されているセラミック分層5a、5bの部分の弾性率が細長形状の空隙6Aを有しない部分のセラミック層5の弾性率よりも低くなっており、これにより多孔質セラミック層5Aを形成しているセラミック分層5a、5bが細長形状の空隙6Aの厚み方向に開くように変形しやすいためと考えられる。この場合、セラミック分層5a、5bを上側および下側へより均等に変形させるという点から、細長形状の空隙6Aは多孔質セラミック層5Aの厚み方向の中央部に設けられていることが望ましい。ここで、厚み方向の中央部とは、多孔質セラミック層5Aを厚み方向に3等分したときの中央の領域となる。このとき細長形状の空隙6Aの短径方向の平均長さは多孔質セラミック層5Aを厚み方向に3等分したときの中央の領域の平均厚みと同等かまたはそれ以下であることが望ましい。また、細長形状の空隙6Aの長径方向の長さは、短径方向の最大長さの3倍以上であることが望ましい。なお、空隙6Aの短径方向の平均長さは、細長形状の空隙6Aを長手方向に3等分した各部分の中央部における厚みの平均値のことであり、細長形状の空隙6Aの長径方向の長さは、当該空隙6Aの長手方向の最大値のことである。
Aを有する部分が細長形状の空隙6Aを有しないセラミック層5の部分に比べて薄い(図1(d)においてt0、t1として表示している。厚みt1は空隙6Aの部分を除いたセラミック層5の厚みとする。)ことから、細長形状の空隙6Aが形成されているセラミック分層5a、5bの部分の弾性率が細長形状の空隙6Aを有しない部分のセラミック層5の弾性率よりも低くなっており、これにより多孔質セラミック層5Aを形成しているセラミック分層5a、5bが細長形状の空隙6Aの厚み方向に開くように変形しやすいためと考えられる。この場合、セラミック分層5a、5bを上側および下側へより均等に変形させるという点から、細長形状の空隙6Aは多孔質セラミック層5Aの厚み方向の中央部に設けられていることが望ましい。ここで、厚み方向の中央部とは、多孔質セラミック層5Aを厚み方向に3等分したときの中央の領域となる。このとき細長形状の空隙6Aの短径方向の平均長さは多孔質セラミック層5Aを厚み方向に3等分したときの中央の領域の平均厚みと同等かまたはそれ以下であることが望ましい。また、細長形状の空隙6Aの長径方向の長さは、短径方向の最大長さの3倍以上であることが望ましい。なお、空隙6Aの短径方向の平均長さは、細長形状の空隙6Aを長手方向に3等分した各部分の中央部における厚みの平均値のことであり、細長形状の空隙6Aの長径方向の長さは、当該空隙6Aの長手方向の最大値のことである。
なお、細長形状の空隙6Aは、図1(d)に示すような領域を電子顕微鏡観察(例えば、5000倍)したときに、多孔質セラミック層5Aの磁器(結晶粒子)5Cの部分とは異なる色彩(磁器(結晶粒子)5Cは白色系、細長形状の空隙6Aは黒色系に映る。)を呈することから判定する。
次に、上記した積層セラミック素子1について別の表現をすると、この積層セラミック素子1は、図1(b)(c)に示すように、対向する外部電極3に交互に接続された複数の内部電極層7がセラミック層5を挟むように配置されている内部領域9と、この内部領域9を内側に閉じ込めるように配置されている外部領域11とから構成されているものとなる。
積層セラミック素子1が積層セラミックコンデンサや積層型圧電素子を構成するものである場合には、内部領域9は電歪効果を発現する作動部9Aとなり、外部領域11は内部領域9とは異なり電歪効果を発現しないことから不動部11Aとなる。
積層セラミック素子1が上記した作動部9Aと不動部11Aとから構成される多層構造体である場合には、細長形状の空隙6Aは主として作動部9A内に存在していることが望ましい。このとき、積層セラミック素子1内には、細長形状の空隙6Aの他に、縦断面視で円形状の空隙6が存在していることが望ましい。
つまり、この積層セラミック素子1を構成する不動部11Aには細長形状の空隙6Aがほとんど存在せず、縦断面視したときの形状として円形状の空隙6が存在していることが望ましい。
不動部11Aに円形状の空隙6が存在するような構造であると、不動部11A内にデラミネーションが発生してもデラミネーションの進展が空隙6に差し掛かったところで止まりやすく、これにより積層セラミック電子部品の信頼性の低下を抑えることができる。
ここで、細長形状の空隙6Aが主として作動部9A内に存在しているとは、細長形状の空隙6Aの単位面積当たりの個数を作動部9Aと不動部11Aとで比較したときに、作動部9Aにおける細長形状の空隙6Aの単位面積当たりの個数が不動部11Aにおける個数の10倍以上である場合を言う。
また、図1(b)(c)に示すように、積層セラミック素子1を積層方向に3等分し、上側領域を9a、中央領域を9b、そして下側領域を9cとしたときに、電歪効果を発現する作動部9Aを有する積層セラミック素子1においては、多孔質セラミック層5Aは積層セラミック素子1の積層方向の中央領域9bに配置されていることが望ましい。
電歪効果が発現する積層セラミック素子1の場合、積層セラミック素子1は積層方向に伸び縮みする挙動を採ることから積層方向の中央領域9bは上側および下側への応力が集中する部位となる。積層セラミック素子1の中央領域9bに細長形状の空隙6Aを有する多孔質セラミック層5Aを配置することにより、電歪効果が発現する積層セラミック素子1におけるデラミネーションの発生をさらに低減することができる。
この場合、多孔質セラミック層5Aは、図1(b)(c)に示すように、積層セラミック素子1の積層方向の中央領域9bの全層を占めるほどに含まれていても良いが、中央領域9bのさらに中央の1〜2層に配置されていても同様の効果を得ることができる。積層セラミック素子1に挿入される多孔質セラミック層5Aの層数を少なくすると、積層セラミック電子部品の耐熱衝撃性や誘電特性の向上を図ることができる。
積層セラミック素子1を構成するセラミック層5の材料としては、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛および二酸化チタン等から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物または複合酸化物が好ましい。
また、内部電極層7の材料としては、ニッケル、銅、パラジウムおよび銀から選ばれる1種の金属もしくはこれらの合金を適用することが好ましい。
また、セラミック層5の平均厚みとしては0.5〜3μm、内部電極層7については0.2〜2μmであり、また、セラミック層5および内部電極層7の積層数が100層以上と言った薄層、高積層のものに適している。
次に、本実施形態の積層セラミック電子部品を製造する方法について説明する。ここに示す製造方法では、セラミック層5の材料として下記に例示するチタン酸バリウムの代わりに、チタン酸ジルコン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛および二酸化チタンから選ばれる1種のセラミック材料を選択し、内部電極層7の材料として、銅、パラジウムおよび銀から選ばれる1種の金属もしくはこれらの合金を選択し、これらの組合せによって形成される種々の積層セラミック素子1にも適用することができる。
まず、セラミック層5の材料として、例えば、チタン酸バリウムを主成分とする誘電体粉末を準備し、これに有機ビヒクルを加えてセラミックスラリを調製し、次いで、ドクターブレード法またはダイコータ法などのシート成形法を用いてセラミックグリーンシートを作製する。
ここで作製したセラミックグリーンシートは焼成後にセラミック層5となるセラミックグリーンシートとして用いる。
一方、焼成後に多孔質セラミック層5Aとなるセラミックグリーンシートには、例えば、2枚のセラミックグリーンシートを有機樹脂を含む密着液によって貼り合わせた積層シートを用いる。
この場合、多孔質セラミック層5Aに形成される細長形状の空隙6Aの分布やサイズは、密着液の塗布面積によって調整する。
また、積層セラミック素子1を形成したときに、セラミック層5と多孔質セラミック層5Aとの間で静電容量などの基本特性の差が生じ難いという点で、セラミック層5および多孔質セラミック層5Aの厚みは同程度とするのが良い。この場合、積層シートを形成するためのセラミックグリーンシートとしては、セラミック層5となるセラミックグリーンシートの半分程度の厚みのセラミックグリーンシートを用いるのが良い。
次に、内部電極層7用にニッケルや銅を主成分として含む導体ペーストを調製する。次に、導体ペーストを用いてセラミックグリーンシートおよび積層シートの主面上に矩形状の内部電極パターンが複数個配置されたパターンシートを形成する。
次に、パターンシートを複数層重ねてコア積層体を形成し、次いで、このコア積層体の上下面に導体パターンを形成していないセラミックグリーンシートを所定の枚数だけ重ね、加圧加熱処理を行って積層セラミック素子1となる積層体を複数個有する母体積層体を形成する。
次に、この母体積層体を切断することにより積層体にする。次に、作製した積層体を所定の条件にて焼成することにより積層セラミック素子1を形成する。
次に焼成により得られた積層セラミック素子1の内部電極層7が露出した端面を含む両端部に外部電極3を形成し、必要に応じてニッケルめっき膜およびスズめっき膜を形成して積層セラミック電子部品を完成させる。
以下、具体的に積層セラミック電子部品を作製して本発明の効果を確認した。まず、セラミック層用の材料として以下の誘電体粉末を調製した。誘電体粉末の原料粉末として、チタン酸バリウム粉末、MgO粉末、Y2O3粉末およびMnCO3粉末を準備した。これらの各種粉末を、チタン酸バリウム粉末量を100モルとしたときに、MgO粉末を2モル、Y2O3粉末を0.5モル、MnCO3粉末を0.5モル添加し、さらに、チタン酸バリウム粉末100質量部に対して、ガラス粉末(SiO2=55,BaO=20,CaO=15,Li2O=10(モル%))を1質量部添加して誘電体粉末を調製した。
次に、湿式混合した誘電体粉末を、ポリビニルブチラール樹脂を溶解させたトルエンおよびアルコールの混合溶媒中に投入し、直径1mmのジルコニアボールを用いて湿式混合してセラミックスラリを調製し、ドクターブレード法により平均厚みが1μmのセラミックグリーンシートを作製した。
ここで、2枚のセラミックグリーンシートを密着液によって貼り合わせた積層シートも作製した。細長形状の空隙の割合は密着液の塗布面積を変えることによって調整した。細長形状の空隙を形成する密着液の塗布条件および細長形状の空隙を有する多孔質セラミック層の層構成を表1に示した。
次に、このセラミックグリーンシートおよび積層シートの一方主面に矩形状の内部電極パターンを形成してパターンシートを作製した。内部電極パターンを形成するための導体ペーストは、Ni粉末45質量%に対して、共材としてチタン酸バリウム粉末を20重量%と、エチルセルロース5質量%およびオクチルアルコール95質量%からなる有機ビヒクル30質量%を3本ロールで混練したものを用いた。
次に、作製したパターンシートおよび積層シートを組み合わせて全層で500層となるように重ねて仮積層体を形成し、次いで、形成した仮積層体の上下面にそれぞれ内部電極パターンを形成していないセラミックグリーンシートを重ね、加圧加熱処理を行って積層
セラミック素子となる積層体を複数個有する母体積層体を形成した。この後、この母体積層体を、レーザ切断機を用いて所定の寸法に切断して積層体を形成した。
セラミック素子となる積層体を複数個有する母体積層体を形成した。この後、この母体積層体を、レーザ切断機を用いて所定の寸法に切断して積層体を形成した。
次に、作製した積層体を大気中にて脱脂した後、水素−窒素の混合ガス雰囲気にて酸素分圧が10−8Paの条件にて1280℃で2時間の焼成を行い、積層セラミック素子を作製した。作製した積層セラミック素子のサイズは1005型に相当するものであり、そのサイズはおおよそ、0.95mm×0.48mm×0.48mmであった。また、セラミック層および多孔質セラミック層の平均厚みは0.7μm、内部電極層の1層の平均厚みは0.6μmであった。
次に、作製したコンデンサ本体の内部電極層が露出した端部に銅ペーストを塗布し、約800℃条件で加熱して外部電極を形成した。
次に、この外部電極の表面に、順に、電解めっき法によりNiメッキ膜およびSnメッキ膜を形成して積層セラミック電子部品を作製した。
次に、作製した積層セラミック電子部品について以下の評価を行った。
積層シートを用いて作製した積層セラミック電子部品にはいずれにも細長形状の空隙を有する多孔質セラミック層が形成されていた。また、密着液の塗布が無いかまたは積層シートを用いない領域には円形状の空隙が存在していることが確認された。細長形状および円形状の空隙の有無は、積層セラミック素子の断面を電子顕微鏡により観察して撮影した写真から確認した。
デラミネーションの発生率は、焼成後と350℃に加温した半田槽中に、作製した積層セラミック電子部品の試料を約1秒間浸漬させた後に実体顕微鏡により外観を評価することによって求めた。試料数は100個とした。
高温負荷試験は、125℃、印加電圧6.3Vの条件下で放置した後に絶縁抵抗を測定して求めた。試料数は30個とし、絶縁抵抗が106Ω以下となったものを不良として寿命を評価した。
積層セラミック素子中に多孔質セラミック層を有する試料(試料No.2〜4)は、多
孔質セラミック層を有しない試料(試料No.1)に比べて、焼成後および熱衝撃試験後のいずれにおいてもデラミネーションの発生割合が少なく、また、高温負荷寿命にも優れていた。
孔質セラミック層を有しない試料(試料No.1)に比べて、焼成後および熱衝撃試験後のいずれにおいてもデラミネーションの発生割合が少なく、また、高温負荷寿命にも優れていた。
この中で、細長形状の空隙を電歪効果が発現する作動部内に設け、不動部には円形状の空隙が存在するようした試料(試料No.3、4)では、デラミネーションの発生割合が23個以下に低減し、高温負荷寿命が25.3時間以上に向上した。
1・・・積層セラミック素子
3・・・外部電極
5・・・セラミック層
5A・・多孔質セラミック層
6・・・円形状の空隙
6A・・細長形状の空隙
7・・・内部電極層
9A・・作動部
11A・不動部
3・・・外部電極
5・・・セラミック層
5A・・多孔質セラミック層
6・・・円形状の空隙
6A・・細長形状の空隙
7・・・内部電極層
9A・・作動部
11A・不動部
Claims (4)
- セラミック層と内部電極層とが交互に複数積層された積層セラミック素子を備えている積層セラミック電子部品であって、前記積層セラミック素子は、前記複数のセラミック層の一部の層として、前記セラミック層を縦断面視したときに、その主面に平行な方向に延びる細長形状の空隙を有する多孔質セラミック層を備えていることを特徴とする積層セラミック電子部品。
- 前記積層セラミック素子が、電歪効果を発現する作動部と、該作動部の外周部に配置された電歪効果を発現しない不動部とを有しており、前記細長形状の空隙が主として前記作動部内に存在していることを特徴とする請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
- 前記積層セラミック素子内には、前記細長形状の空隙の他に、縦断面視で円形状の空隙が存在していることを特徴とする請求項2に記載の積層セラミック電子部品。
- 前記多孔質セラミック層は、前記積層セラミック素子における前記セラミック層の積層方向の中央領域に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれかに記載の積層セラミック電子部品。
Priority Applications (1)
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