JP2017062404A - 静電荷像現像用トナーセット、静電荷像現像剤セット、トナーカートリッジセット、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナーセット、静電荷像現像剤セット、トナーカートリッジセット、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 Download PDF

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諭 三浦
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【課題】黒色着色剤を含むブラックトナーによる黒画像に近い黒色度の黒画像が得られる静電荷像現像用トナーセットを提供すること。【解決手段】最大吸収波長λmaxが430nm以上490nm以下の範囲にあり、かつ、最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したとき、波長550nmの吸光度が0.3以上0.5以下、波長600nmの吸光度が0.1以上0.3以下であるイエロートナーと、最大吸収波長λmaxが520nm以上580nm以下の範囲にあり、かつ、最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したとき、波長470nmの吸光度が0.9以下、波長630nmの吸光度が0.4以下であるマゼンタトナーと、最大吸収波長λmaxが580nm以上720nm以下の範囲にあり、かつ、最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したとき、波長530nmの吸光度が0.8以下であるシアントナーと、を有する静電荷像現像用トナーセット。【選択図】図1

Description

本発明は、静電荷像現像用トナーセット、静電荷像現像剤セット、トナーカートリッジセット、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法に関するものである。
電子写真方式の画像形成は、一般に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナーを用いて色を再現する。また、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の3色のトナーを混ぜ合わせて合成色としての黒(以下、「プロセスブラック」とも称する)を再現することもある。
例えば、特許文献1には、「反射分光光度測定において、CIELAB表色系による色相角h*の値(h )が75.0〜120.0にあり、波長450nmにおける吸光度(AY450)が1.600以上、波長470nmにおける吸光度(AY470)が1.460以上、波長510nmにおける吸光度(AY510)が0.500以下にあるイエロートナー」が提案されている。
特許文献2には、「少なくともイエロートナー、マゼンタトナー、及び、シアントナーを用いてフルカラー画像を形成するフルカラー画像形成方法において、前記イエロートナーのみで形成したトナー画像の反射光が特定の関係式を満たし、前記マゼンタトナーのみで形成したトナー画像の反射光が特定の関係式を満たし、かつ、前記シアントナーのみで形成したトナー画像の反射光が特定の関係式を満たすことを特徴とするフルカラー画像形成方法」が提案されている。
特許文献3には、「少なくとも結着樹脂、顔料成分を含有する、マゼンタトナー、シアントナー、イエロートナーと黒トナーとからなるフルカラートナーセットであって、(a)イエロートナー、(b)マゼンタトナー、(c)シアントナーが特定の波長領域で特定の分光反射スペクトルを有することを特徴とするフルカラートナーセット」が提案されている。
特許文献4には、「少なくとも結着樹脂と着色剤を含有するイエロートナー粒子よりなるイエロートナーを用いたフルカラー画像形成方法であって、前記イエロートナーのみでトナー画像を形成したときに、前記トナー画像の反射光が特定の関係式を満たすものであることを特徴とするフルカラー画像形成方法」が提案されている。
特許文献5には、「少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するイエロートナーにおいて、縦軸を反射率(%)、横軸を波長(nm)とした分光分布図において、粉体状態のままのトナーとして求めた反射率が、波長500nmで15乃至20%の範囲であり、かつ波長600nmで75乃至80%の範囲であることを特徴とするイエロートナー」が提案されている。
特開2012−194567号公報 特開2010−2892号公報 特開2008−256761号公報 特開2008−146039号公報 特開2003−280278号公報
本発明の課題は、最大吸収波長λmaxが430nm以上490nm以下の範囲にあり、かつ、最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したとき、波長550nmの吸光度が0.3以上0.5以下であり、波長600nmの吸光度が0.3超えのイエロートナーと、最大吸収波長λmaxが520nm以上580nm以下の範囲にあり、かつ、最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したとき、波長470nmの吸光度が0.9以下であり、波長630nmの吸光度が0.4以下であるマゼンタトナーと、最大吸収波長λmaxが580nm以上720nm以下の範囲にあり、かつ、最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したとき、波長530nmの吸光度が0.8以下であるシアントナーと、を有する静電荷像現像用トナーセットに比べ、黒色着色剤を含むブラックトナーによる黒画像に近い黒色度の黒画像が得られる静電荷像現像用トナーセットを提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
最大吸収波長λmaxが430nm以上490nm以下の範囲にあり、かつ、最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したとき、波長550nmの吸光度が0.3以上0.5以下であり、波長600nmの吸光度が0.1以上0.3以下であるイエロートナーと、
最大吸収波長λmaxが520nm以上580nm以下の範囲にあり、かつ、最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したとき、波長470nmの吸光度が0.9以下であり、波長630nmの吸光度が0.4以下であるマゼンタトナーと、
最大吸収波長λmaxが580nm以上720nm以下の範囲にあり、かつ、最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したとき、波長530nmの吸光度が0.8以下であるシアントナーと、
を有する静電荷像現像用トナーセット。
請求項2に係る発明は、
前記イエロートナー、前記マゼンタトナー、及び前記シアントナーにより黒画像を形成したとき、前記黒画像の最大分光反射率が、400nm以上700nm以下の波長域において15%以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナーセット。
請求項3に係る発明は、
請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記イエロートナーを含む第1静電荷像現像剤と、
請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記マゼンタトナーを含む第2静電荷像現像剤と、
請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記シアントナーを含む第3静電荷像現像剤と、
を有する静電荷像現像剤セット。
請求項4に係る発明は、
請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記イエロートナーを収容した第1トナーカートリッジと、
請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記マゼンタトナーを収容した第2トナーカートリッジと、
請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記シアントナーを収容した第3トナーカートリッジと、
を有し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジセット。
請求項5に係る発明は、
請求項3に記載の静電荷像現像剤セットのうち前記第1静電荷像現像剤を収容した第1現像手段と、
請求項3に記載の静電荷像現像剤セットのうち前記第2静電荷像現像剤を収容した第2現像手段と、
請求項3に記載の静電荷像現像剤セットのうち前記第3静電荷像現像剤を収容した第3現像手段と、
を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
請求項6に係る発明は、
請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記イエロートナーによるイエロー画像を形成する第1画像形成手段と、
請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記マゼンタトナーによるマゼンタ画像を形成する第2画像形成手段と、
請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記シアントナーによるシアン画像を形成する第3画像形成手段と、
前記イエロー画像、前記マゼンタ画像及び前記シアン画像を記録媒体上に転写する転写手段と、
前記イエロー画像、前記マゼンタ画像及び前記シアン画像を前記記録媒体上に定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
請求項7に係る発明は、
請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記イエロートナーによるイエロー画像を形成する第1画像形成工程と、
請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記マゼンタトナーによるマゼンタ画像を形成する第2画像形成工程と、
請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記シアントナーによるシアン画像を形成する第3画像形成工程と、
前記イエロー画像、前記マゼンタ画像及び前記シアン画像を記録媒体上に転写する転写工程と、
前記イエロー画像、前記マゼンタ画像及び前記シアン画像を前記記録媒体上に定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
請求項8に係る発明は、
前記定着工程が、前記イエロー画像、前記マゼンタ画像及び前記シアン画像からなる黒画像を前記記録媒体上に定着する工程である場合、前記イエロー画像の画像密度をCinY(%)、前記マゼンタ画像の画像密度をCinM(%)、及び前記シアン画像をCinC(%)としたとき、CinY+CinM+CinC≦250(%)となるように、第1画像形成工程、第2画像形成工程、及び第3画像形成工程を実施する請求項7に記載の画像形成方法。
請求項1に係る発明によれば、最大吸収波長λmaxが430nm以上490nm以下の範囲にあり、かつ、最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したとき、波長550nmの吸光度が0.3以上0.5以下であり、波長600nmの吸光度が0.3超えのイエロートナーと、最大吸収波長λmaxが520nm以上580nm以下の範囲にあり、かつ、最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したとき、波長470nmの吸光度が0.9以下であり、波長630nmの吸光度が0.4以下であるマゼンタトナーと、最大吸収波長λmaxが580nm以上720nm以下の範囲にあり、かつ、最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したとき、波長530nmの吸光度が0.8以下であるシアントナーと、を有する静電荷像現像用トナーセットに比べ、黒色着色剤を含むブラックトナーによる黒画像に近い黒色度の黒画像が得られる静電荷像現像用トナーセットが提供される。
請求項2に係る発明によれば、前記イエロートナー、前記マゼンタトナー、及び前記シアントナーにより黒画像を形成したとき、前記黒画像の最大分光反射率が、400nm以上700nm以下の波長域において15%を超える場合に比べ、黒色着色剤を含むブラックトナーによる黒画像に近い黒色度の黒画像が得られる静電荷像現像用トナーセットが提供される。
請求項3、4又は5に係る発明によれば、最大吸収波長λmaxが430nm以上490nm以下の範囲にあり、かつ、最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したとき、波長550nmの吸光度が0.3から0.5の範囲であり、波長600nmの吸光度が0.3未満であるイエロートナーと、最大吸収波長λmaxが520nm以上580nm以下の範囲にあり、かつ、最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したとき、波長470nmの吸光度が0.9以下であり、波長630nmの吸光度が0.4以下であるマゼンタトナーと、最大吸収波長λmaxが580nm以上720nm以下の範囲にあり、かつ、最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したとき、波長530nmの吸光度が0.8以下であるシアントナーと、を有する静電荷像現像用トナーセットを適用した場合に比べ、黒色着色剤を含むブラックトナーによる黒画像に近い黒色度の黒画像が得られる静電荷像現像剤セット、トナーカートリッジセット、又はプロセスカートリッジが提供される。
請求項6又は7に係る発明によれば、最大吸収波長λmaxが430nm以上490nm以下の範囲にあり、かつ、最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したとき、波長550nmの吸光度が0.3以上0.5以下であり、波長600nmの吸光度が0.3超えのイエロートナーと、最大吸収波長λmaxが520nm以上580nm以下の範囲にあり、かつ、最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したとき、波長470nmの吸光度が0.9以下であり、波長630nmの吸光度が0.4以下であるマゼンタトナーと、最大吸収波長λmaxが580nm以上720nm以下の範囲にあり、かつ、最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したとき、波長530nmの吸光度が0.8以下であるシアントナーと、を有する静電荷像現像用トナーセットを適用した場合に比べ、黒色着色剤を含むブラックトナーによる黒画像に近い黒色度の黒画像が得られる画像形成装置又は画像形成方法が提供される。
請求項8に係る発明によれば、前記定着工程が、前記イエロー画像、前記マゼンタ画像及び前記シアン画像からなる黒画像を前記記録媒体上に定着する工程である場合、前記イエロー画像の画像密度をCinY(%)、前記マゼンタ画像の画像密度をCinM(%)、及び前記シアン画像をCinC(%)としたとき、CinY+CinM+CinC>250(%)となるように、第1画像形成工程、第2画像形成工程、及び第3画像形成工程を実施する場合に比べ、耐擦性が向上した黒画像が得られる画像形成方法が提供される。
イエロートナーのブロードな吸収スペクトル及びシャープな吸収スペクトルを示す図である。 本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
<静電荷像現像用トナーセット>
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーセット(以下、単に「トナーセット」とも称する)は、幅の広い吸収スペクトルを有するイエロートナーと、幅の狭い吸収スペクトルを有するマゼンタトナーと、幅の狭い吸収スペクトルを有するシアントナーと、を有する。吸収スペクトルとしては、縦軸を吸光度、横軸を波長として表されるものを採用する。
以下では、幅の広い吸収スペクトルを「ブロードな吸収スペクトル」と表記し、幅の狭い吸収スペクトルを「シャープな吸収スペクトル」と表記して説明する。
各色のトナーの吸収スペクトルの詳細は、以下の通りである。なお、各色のトナーの吸収スペクトルは、各トナーをベタ画像として形成したときのベタ画像の吸収スペクトルである。測定方法については後述する。
イエロートナーは、最大吸収波長λmaxが430nm以上490nm以下の範囲にあり、かつ、最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したとき、波長550nmの吸光度が0.3以上0.5以下であり、波長600nmの吸光度が0.1以上0.3以下である。この波長と吸光度の関係は、本実施形態のイエロートナーがブロードな吸収スペクトルを有することを表している(図1の「本実施形態」で表される吸収スペクトル参照)。一方、イエロートナーがシャープな吸収スペクトルを有するとは、最大吸収波長λmaxが430nm以上490nm以下の範囲にあり、かつ、最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したとき、波長550nmの吸光度が0.3未満であり、波長600nmの吸光度が0.1未満である吸収スペクトル(図1の「比較例」で表される吸収スペクトル参照)を有することをいう。
マゼンタトナーは、最大吸収波長λmaxが520nm以上580nm以下の範囲にあり、かつ、最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したとき、波長470nmの吸光度が0.9以下であり、波長630nmの吸光度が0.4以下である。この波長と吸光度の関係は、図示しないが、本実施形態のマゼンタトナーがシャープな吸収スペクトルを有することを表している。
シアントナーは、最大吸収波長λmaxが580nm以上720nm以下の範囲にあり、かつ、最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したとき、波長530nmの吸光度が0.8以下である。この波長と吸光度の関係は、図示しないが、本実施形態のシアントナーがシャープな吸収スペクトルを有することを表している。
昨今、電子写真方式の画像形成装置がオフィス(事務所、会社及び官公庁等)用途として、広く普及してきている。この画像形成装置では、主に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)のトナーが使用されることが多い。原理的には、YMCの3色のトナーを混ぜ合わせることにより、様々な色が表現され、合成色としての黒(プロセスブラック)も表現されるが、発色性を良好にする等の理由から、上記4色のトナーを使用することが一般的となっている。
しかし、一般的なオフィスの画像の出力では黒画像の占める割合が多く、ブラックトナーがなくなってしまったとき等、プロセスブラックを使うことが有効である場合が多い。
ここで、上記YMCのトナーで表現される色の再現性を向上させるため、シャープな吸収スペクトルを有するトナーを用いて画像を形成する技術が知られている。この技術によれば、着色剤が本来持つ着色性が発現されやすくなり、色の再現性は向上する。
しかし、この技術を用いて、YMCのトナーによりプロセスブラックを表現しようとすると、色味が残ってしまうことが多く、黒色着色剤を含むブラックトナーによる黒画像に近い黒色(ピュアブラック)を再現することは困難な場合が多い。
このプロセスブラックによる黒画像に色味が残りやすい現象について、黒画像の分光反射スペクトルに着目した結果、特定の波長域(400nm以上700nm以下、特に550nm以上600nm以下)において分光反射率が高まりやすく、この分光反射率の高まりが、プロセスブラックによる黒画像の色味の残りやすさに関係し、ピュアブラックを再現しにくい要因となっていることがわかってきた。
そこで、本実施形態に係るトナーセットでは、上記特定の波長域における吸光度が比較的高い吸収スペクトルを有するイエロートナー、つまり、ブロードな吸収スペクトルを有するイエロートナーと共に、シャープな吸収スペクトルを有するマゼンタトナーと、シャープな吸収スペクトルを有するシアントナーとを組み合わせたものを採用する。これにより、上記特定の波長域での分光反射率の高まりを低減させる。この結果、YMCのトナーを混ぜ合わせてプロセスブラックによる黒画像を形成したとき、黒色着色剤を含むブラックトナーによる黒画像に近い黒色度の黒画像が得られることとなる。
−各色のトナーの吸収スペクトル−
各色のトナーの吸収スペクトルは、具体的に、例えば、イエロートナーの吸収スペクトルの場合、記録媒体としてのコート紙(富士ゼロックス社製OSコート紙W)に、画像密度100%となるように、イエロートナー画像(5cm×5cm)を形成したときのイエロートナー画像(ベタ画像)の吸収スペクトルである。マゼンタトナーの吸収スペクトル、及びシアントナーの吸収スペクトルについても同様である。
ここで、画像密度とは、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像(各5cm×5cm)の光学顕微鏡像をビデオカメラを通じて、それぞれルーゼックス画像解析装置に取り込み、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像の投影面積を計算し、これをビデオカメラの視野の面積(本実施形態では、5cm×5cm)で割ったものを%で示した値とする。画像密度100%(ベタ画像)とは、画像面積率100%の画像のことである。画像密度は、トナーの載り量(g/m)を調整することで制御される。
トナーの載り量(g/m)については、トナー画像が像保持体(感光体)から転写体に転写する直前で、画像出力を強制終了(シャットダウン)させ、このとき感光体上に載っているトナー画像をテープ転写し、質量を測定することで測定することができる。
なお、吸収スペクトルの測定は、分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ製:U−4100)を用いて、行う。
−最大分光反射率−
本実施形態に係るトナーセットを用いて黒画像を形成したときの最大分光反射率は、400nm以上700nm以下の波長域において15%以下であることが好ましく、7%以下であることがより好ましい。
最大分光反射率とは、記録媒体としてのコート紙(富士ゼロックス社製OSコート紙W)に、イエロートナーの画像密度が80%、マゼンタトナーの画像密度が80%、及びシアントナーの画像密度が80%となるように、イエロートナーの載り量、マゼンタトナーの載り量、及びシアントナーの載り量を調整して、プロセスブラックによる黒画像を形成したときの黒画像の最大分光反射率である。
なお、上記最大分光反射率は、コート紙におけるトナーの積層順を、コート紙側から、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーとしたときの値とする。
最大分光反射率の測定は、分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ製:U−4100)を用いて行う。
以下、本実施形態に係るトナーセットの各トナーの構成について説明する。
なお、本実施形態に係るトナーセットは、シアントナーと、マゼンタトナーと、イエロートナーと、必要に応じて、ブラックトナー等その他の色のトナーと、を含むが、着色剤が異なる以外は、基本成分は同様の構成とすることがよいことから、以下、本実施形態に係るトナーと称して、その構成について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子と、必要に応じて、外添剤と、を含む。
(トナー粒子)
トナー粒子は、例えば、結着樹脂と、着色剤と、必要に応じて、離型剤と、その他添加剤と、を含む。
−結着樹脂−
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が好適である。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知のポリエステル樹脂が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。なお、ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、脂環式ジカルボン酸(例えばシクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも、多価カルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等)、脂環式ジオール(例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等)、芳香族ジオール(例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、芳香族ジオール、脂環式ジオールが好ましく、より好ましくは芳香族ジオールである。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上1000000以下が好ましく、7000以上500000以下がより好ましい。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
ポリエステル樹脂は、周知の製造方法により得られる。具体的には、例えば、重合温度を180℃以上230℃以下とし、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる方法により得られる。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
結着樹脂の含有量としては、例えば,トナー粒子全体に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下がさらに好ましい。
着色剤について説明する。
着色剤としては、公知の着色剤から、目的とするトナーの色に応じて選択される。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が挙げられ、具体的には、例えば、C.I.ピグメントブルー1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6、同16、同17、同23、同60、同65、同73、同83、同180、C.I.バットシアン1、同3、同20等や、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルーの部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBCのシアン顔料、C.I.ソルベントシアン79、162等のシアン染料などが挙げられる。
中でも、シアントナーに含有させたときに、シアントナーの最大吸収波長λmaxが580nm以上720nm以下の範囲にあり、かつ、最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したとき、波長530nmの吸光度が0.8以下の要件を満たしやすくする観点から、C.I.ピグメントブルー15:3が好ましい。
マゼンタ着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾール化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物等が挙げられ、具体的には、例えば、C.I.ピグメントレッド1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同8、同9、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同16、同17、同18、同19、同21、同22、同23、同30、同31、同32、同37、同38、同39、同40、同41、同48、同49、同50、同51、同52、同53、同54、同55、同57、同58、同60、同63、同64、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同112、同114、同122、同123、同163、同146、同184、同202、同206、同207、同209、同238、同269等、ピグメントバイオレット19のマゼンタ顔料や、C.I.ソルベントレッド1、同3、同8、同23、同24、同25、同27、同30、同49、同81、同82、同83、同84、同100、同109、同121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ベーシックレッド1、同2、同9、同12、同13、同14、同15、同17、同18、同22、同23、同24、同27、同29、同32、同34、同35、同36、同37、同38、同39、同40等のマゼンタ染料等、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ロータミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどが挙げられる。
中でも、マゼンタトナーに含有させたときに、マゼンタトナーの最大吸収波長λmaxが520nm以上580nm以下の範囲にあり、かつ、最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したとき、波長470nmの吸光度が0.9以下であり、波長630nmの吸光度が0.4以下の要件を満たしやすくする観点から、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド239、C.I.ピグメントバイオレット19Pが好ましい。
イエロー着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物等が挙げられ、具体的には、例えば、C.I.ピグメントイエロー2、同3、同15、同16、同17、同74、同97、同155、同180、同185、同139等のイエロー顔料などが挙げられる。
中でも、イエロートナーに含有させたときに、イエロートナーの最大吸収波長λmaxが430nm以上490nm以下の範囲にあり、かつ、最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したとき、波長550nmの吸光度が0.3以上0.5以下であり、波長600nmの吸光度が0.1以上0.3以下の要件を満たしやすくする観点から、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー185が好ましい。
イエロー着色剤を上記範囲の吸収波長にするためには、着色剤の不純物を除去させたり、着色剤の種類を増やすこと(着色剤の併用)により得ることができるが、着色剤の不純物を除去することで着色剤の分散が不十分になり、上記範囲の吸収波長が得られやすい。なお、イエロー着色剤を上記範囲の吸収波長にするには、これらの方法を併用することが好ましい。
ブラック着色剤としては、例えば、カーボンブラック(アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック)、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、チタンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイト等がある。ブラック着色剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤は、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。
シアン着色剤の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下の範囲が望ましい。
マゼンタ着色剤の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下の範囲が望ましい。
イエロー着色剤の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下の範囲が望ましい。
ブラック着色剤の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下の範囲が望ましい。
−離型剤−
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
離型剤の融解温度は、50℃以上110℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
離型剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
−その他の添加剤−
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
−トナー粒子の特性等−
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
トナー粒子の体積平均粒径(D50v)としては、2μm以上10μm以下が好ましく、4μm以上8μm以下がより好ましい。
なお、トナー粒子の各種平均粒径、及び各種粒度分布指標は、コールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン・コールター社製)を使用して測定される。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
トナー粒子の形状係数SF1としては、110以上150以下が好ましく、120以上140以下がより好ましい。
なお、形状係数SF1は、下記式により求められる。
式:SF1=(ML/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
具体的には、形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
(外添剤)
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等が挙げられる。
外添剤としての無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
外添剤としては、樹脂粒子(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子)等も挙げられる。
外添剤の外添量としては、例えば、トナー粒子に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
(トナーの製造方法)
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
トナー粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等)のいずれにより製造してもよい。トナー粒子の製法は、これらの製法に特に制限はなく、周知の製法が採用される。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
具体的には、例えば、トナー粒子を凝集合一法により製造する場合、
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
以下、各工程の詳細について説明する。
なお、以下の説明では、着色剤、及び離型剤を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、着色剤、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
−樹脂粒子分散液準備工程−
まず、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
ここで、樹脂粒子分散液は、例えば、樹脂粒子を界面活性剤により分散媒中に分散させることにより調製する。
樹脂粒子分散液に用いる分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも特に、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が挙げられる。非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤と併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂粒子分散液において、樹脂粒子を分散媒に分散する方法としては、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミル等の一般的な分散方法が挙げられる。また、樹脂粒子の種類によっては、例えば転相乳化法を用いて樹脂粒子分散液中に樹脂粒子を分散させてもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
樹脂粒子分散液中に分散する樹脂粒子の体積平均粒径としては、例えば0.01μm以上1μm以下が好ましく、0.08μm以上0.8μm以下がより好ましく、0.1μm以上0.6μm以下がさらに好ましい。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子の含有量としては、例えば、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましい。
なお、樹脂粒子分散液と同様にして、例えば、着色剤粒子分散液、離型剤粒子分散液も調製される。つまり、樹脂粒子分散液における粒子の体積平均粒径、分散媒、分散方法、及び粒子の含有量に関しては、着色剤粒子分散液中に分散する着色剤粒子、及び離型剤粒子分散液中に分散する離型剤粒子についても同様である。
−凝集粒子形成工程−
次に、樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
具体的には、例えば、混合分散液に凝集剤を添加すると共に、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後、樹脂粒子のガラス転移温度(具体的には、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度−30℃以上ガラス転移温度−10℃以下)の温度に加熱し、混合分散液に分散された粒子を凝集させて、凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤としては、例えば、混合分散液に添加される分散剤として用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、無機金属塩、2価以上の金属錯体が挙げられる。特に、凝集剤として金属錯体を用いた場合には、界面活性剤の使用量が低減され、帯電特性が向上する。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体等が挙げられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
−融合・合一工程−
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
以上の工程を経て、トナー粒子が得られる。
なお、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア/シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
ここで、融合・合一工程終了後は、溶液中に形成されたトナー粒子を、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナー粒子を得る。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
そして、本実施形態に係るトナーは、例えば、得られた乾燥状態のトナー粒子に、外添剤を添加し、混合することにより製造される。混合は、例えばVブレンダー、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー等によって行うことがよい。更に、必要に応じて、振動篩分機、風力篩分機等を使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。
<静電荷像現像剤セット>
本実施形態に係る静電荷像現像剤セットは、本実施形態に係るトナーセットのうちイエロートナーを含む第1静電荷像現像剤と、本実施形態に係るトナーセットのうちマゼンタトナーを含む第2静電荷像現像剤と、本実施形態に係るトナーセットのうちシアントナーを含む第3静電荷像現像剤と、を有する。
各静電荷像現像剤は、トナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に被覆樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散・配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;等が挙げられる。
なお、磁性粉分散型キャリア、及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
磁性粉としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられる。
被覆樹脂、及びマトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等、その他添加剤を含ませてもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
ここで、芯材の表面に被覆樹脂を被覆するには、被覆樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
二成分現像剤における、トナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。
<画像形成装置/画像形成方法>
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、本実施形態に係るトナーセットのうちイエロートナーによるイエロー画像を形成する第1画像形成手段と、本実施形態に係るトナーセットのうちマゼンタトナーによるマゼンタ画像を形成する第2画像形成手段と、本実施形態に係るトナーセットのうちシアントナーによるシアン画像を形成する第3画像形成手段と、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像を記録媒体上に転写する転写手段と、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像を記録媒体上に定着する定着手段と、を備える。
本実施形態に係る画像形成装置は、第1〜第3画像形成手段として、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤により像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、を各々有する各画像形成手段を備える形態であってもよい。
また、本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、第1〜第3画像形成手段として、静電荷像現像剤により像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する第1〜第3現像手段と、を有する形態であってもよい。
本実施形態に係る画像形成装置では、本実施形態に係るトナーセットのうちイエロートナーによるイエロー画像を形成する第1画像形成工程と、本実施形態に係るトナーセットのうち前記マゼンタトナーによるマゼンタ画像を形成する第2画像形成工程と、本実施形態に係るトナーセットのうちシアントナーによるシアン画像を形成する第3画像形成工程と、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像を記録媒体上に転写する転写工程と、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像を記録媒体上に定着する定着工程と、を有する画像形成方法(本実施形態に係る画像形成方法)が実施される。
ここで、本実施形態に係る画像形成方法では、定着工程が、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像からなる黒画像を記録媒体上に定着する工程である場合、イエロー画像の画像密度をCinY(%)、マゼンタ画像の画像密度をCinM(%)、及びシアン画像をCinC(%)としたとき、CinY+CinM+CinC≦250(%)となるように、第1画像形成工程、第2画像形成工程、及び第3画像形成工程を実施することが好ましい。上記定着工程を実施することにより、黒色着色剤を含むブラックトナーによる黒画像に近い黒色度の黒画像が得られると共に、耐擦性が向上した黒画像が得られる。
イエロー画像の画像密度CinY、マゼンタ画像の画像密度CinM、及びシアン画像をCinCは、黒画像に近い黒色度の黒画像が得る観点、及び耐擦性が向上した黒画像を得る観点から、各画像間の密度差が10%以下であることが好ましい。
また、記録媒体上におけるトナーの積層順は、特に制限されないが、黒画像に近い黒色度の黒画像が得る観点、及び耐擦性が向上した黒画像を得る観点から、記録媒体側から、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーであることが好ましい。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体の表面に形成されたトナー画像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー画像の転写後、帯電前の像保持体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー画像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
また、本実施形態に係る画像形成装置においては、本実施形態に係るトナーセットのうちイエロートナーを収容した第1トナーカートリッジと、本実施形態に係るトナーセットのうちマゼンタトナーを収容した第2トナーカートリッジと、本実施形態に係るトナーセットのうちシアントナーを収容した第3トナーカートリッジと、を有し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジセットが備えられていてもよい。
さらに、本実施形態に係る静電荷像現像剤セットのうち第1静電荷像現像剤を収容した第1現像手段と、本実施形態に係る静電荷像現像剤セットのうち第2静電荷像現像剤を収容した第2現像手段と、本実施形態に係る静電荷像現像剤セットのうち第3静電荷像現像剤を収容した第3現像手段と、を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジが本実施形態に係る画像形成装置に備えられていてもよい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
図2に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して着脱するプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ロール22及び中間転写ベルト20内面に接する支持ロール24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Yから第4のユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。なお、支持ロール24は、図示しないバネ等により駆動ロール22から離れる方向に力が加えられており、両者に巻きつけられた中間転写ベルト20に張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ロール22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーの供給がなされる。
第1乃至第4のユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。なお、第1のユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1のユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ロール(帯電手段の一例)2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yによって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段の一例)3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段の一例)4Y、現像したトナー画像を中間転写ベルト20上に転写する一次転写ロール5Y(一次転写手段の一例)、及び一次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)6Yが順に配置されている。
なお、一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスを可変する。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として可視像(現像像)化される。
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体の一例)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー画像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー画像が予め定められた一次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー画像が一次転写へ搬送されると、一次転写ロール5Yに一次転写バイアスが印加され、感光体1Yから一次転写ロール5Yに向う静電気力がトナー画像に作用され、感光体1Y上のトナー画像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μAに制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2のユニット10M以降の一次転写ロール5M、5C、5Kに印加される一次転写バイアスも、第1のユニットに準じて制御されている。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー画像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
第1乃至第4のユニットを通して4色のトナー画像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト内面に接する支持ロール24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された二次転写ロール(二次転写手段の一例)26とから構成された二次転写部へと至る。一方、記録紙(記録媒体の一例)Pが供給機構を介して二次転写ロール26と中間転写ベルト20とが接触した隙間に予め定められたタイミングで給紙され、二次転写バイアスが支持ロール24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー画像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー画像が記録紙P上に転写される。なお、この際の二次転写バイアスは二次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段の一例)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれトナー画像が記録紙P上へ定着され、定着画像が形成される。
トナー画像を転写する記録紙Pとしては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙が挙げられる。記録媒体は記録紙P以外にも、OHPシート等も挙げられる。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑が好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
なお、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、上記構成に限られず、現像装置と、その他、必要に応じて、例えば、像保持体、帯電手段、静電荷像形成手段、及び転写手段等のその他手段から選択される少なくとも一つと、を備える構成であってもよい。
なお、図2に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱される構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収容されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例により限定されるものではない。なお、特に断りがない限り、「部」は、「質量部」を意味する。
<樹脂粒子分散液の調製>
(樹脂粒子分散液(1)の調製)
・テレフタル酸 :30モル部
・フマル酸 :70モル部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物 :5モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物 :95モル部
攪拌装置、窒素導入管、温度センサ、及び精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに、上記の材料を仕込み、1時間を要して温度を220℃まで上げ、上記材料100部に対してチタンテトラエトキシド1部を投入した。生成する水を留去しながら0.5時間を要して230℃まで温度を上げ、該温度で1時間脱水縮合反応を継続した後、反応物を冷却した。こうして、重量平均分子量18,000、酸価15mgKOH/g、ガラス転移温度60℃のポリエステル樹脂(1)を合成した。
温度調節手段及び窒素置換手段を備えた容器に、酢酸エチル40部及び2−ブタノール25部を投入し、混合溶剤とした後、ポリエステル樹脂(1)100部を徐々に投入し溶解させ、ここに、10質量%アンモニア水溶液(樹脂の酸価に対してモル比で3倍量相当量)を入れて30分間攪拌した。
次いで、容器内を乾燥窒素で置換し、温度を40℃に保持して、混合液を攪拌しながらイオン交換水400部を2部/分の速度で滴下し、乳化を行った。滴下終了後、乳化液を室温(20℃乃至25℃)に戻し、攪拌しつつ乾燥窒素により48時間バブリングを行うことにより、酢酸エチル及び2−ブタノールを1,000ppm以下まで低減させ、体積平均粒径200nmの樹脂粒子が分散した樹脂粒子分散液を得た。該樹脂粒子分散液にイオン交換水を加え、固形分量を20質量%に調整して、樹脂粒子分散液(1)とした。
<着色剤分散液の調製>
(着色剤分散液(Y1)の調製)
・イエロー顔料(クラリアント社製、C.I.ピグメントイエロー74) :70部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK) :5部
・イオン交換水 :200部
上記の材料を混合し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した。分散液中の固形分量が20質量%となるようイオン交換水を加え、体積平均粒径190nmの着色剤粒子が分散された着色剤分散液(Y1)を得た。
(着色剤分散液(Y2)の調製)
イエロー顔料(クラリアント社製、C.I.ピグメントイエロー74)100部を500部のトルエンでソックスレー抽出を24時間行い、その後乾燥させた。このイエロー顔料を用いた以外は着色剤分散液(Y1)の調製と同様の方法で着色剤分散液(Y2)を調製した。
(着色剤分散液(Y3)の調製)
イエロー顔料として、C.I.ピグメントイエロー155(クラリアント社製、Toner Yellow 3GP)を用いた以外は着色剤分散液(Y1)の調製と同様の方法で着色剤分散液(Y3)を調製した。
(着色剤分散液(Y4)の調製)
イエロー顔料として、C.I.ピグメントイエロー155を用いた以外は着色剤分散液(Y2)の調製と同様の方法で着色剤分散液(Y4)を調製した。
(着色剤分散液(Y5)の調製)
イエロー顔料として、C.I.ピグメントイエロー185(クラリアント社製、Hanza Yellow 5GX01)を用いた以外は着色剤分散液(Y1)の調製と同様の方法で着色剤分散液(Y5)を調製した。
(着色剤分散液(Y6)の調製)
イエロー顔料として、C.I.ピグメントイエロー185を用いた以外は着色剤分散液(Y2)の調製と同様の方法で着色剤分散液(Y6)を調製した。
(着色剤分散液(M1)、(C1)、(K1)の調製)
表1に従って、着色剤(顔料)の種類を変更した以外は、着色剤分散液(Y1)と同様にして、各着色剤分散液を得た。
<離型剤分散液の調製>
(離型剤分散液(1)の調製)
・パラフィンワックス(日本精蝋(株)製 HNP−9) 100部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK) 1部
・イオン交換水 350部
上記材料を混合して100℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径200nmの離型剤粒子が分散された離型剤分散液(1)(固形分量20質量%)を得た。
<イエロートナー(YE1)の調製>
・樹脂粒子分散液(1) :402.5部
・着色剤分散液(Y2) :12.5部
・着色剤分散液(Y4) :10.0部
・離型剤分散液(1) :50部
・アニオン性界面活性剤(TaycaPower) :2部
上記材料を丸型ステンレス製フラスコに入れ、0.1Nの硝酸を添加してpHを3.5に調整した後、ポリ塩化アルミニウム濃度が10質量%の硝酸水溶液30部を添加した。続いて、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で45℃まで加熱し30分間保持した。その後、樹脂粒子分散液(1)100部を緩やかに追加し1時間保持し、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8.5に調整した後、攪拌を継続しながら85℃まで加熱し、5時間保持した。その後、20℃/分の速度で20℃まで冷却し、濾過し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、体積平均粒径7.5μmのイエロートナー粒子(1)を得た。
イエロートナー粒子(1)100部と、ジメチルシリコーンオイル処理シリカ粒子(日本アエロジル社製RY200)0.7部とをヘンシェルミキサーを用いて混合し、イエロートナー(YE1)を得た。
<イエロートナー(YE2)の調製>
イエロートナー(YE1)の調製において、着色剤分散液として、着色剤分散液(Y2)15部、着色剤分散液(Y6)7.5部を使用した以外はイエロートナー(YE1)の調製と同様にしてイエロートナー(YE2)を作製した。体積平均粒径は7.1μmであった。
<イエロートナー(YE3)の調製>
イエロートナー(YE1)の調製において、着色剤分散液として、着色剤分散液(Y1)10部、着色剤分散液(Y2)12.5部を使用した以外はイエロートナー(YE1)の調製と同様にしてイエロートナー(YE3)を作製した。体積平均粒径は7.7μmであった。
<イエロートナー(YE4)の調製>
イエロートナー(YE3)の調製において、着色剤分散液(Y2)を着色剤分散液(Y4)とした以外はイエロートナー(YE3)の調製と同様にしてイエロートナー(YE4)を作製した。体積平均粒径は7.8μmであった。
<イエロートナー(YE5)の調製>
イエロートナー(YE3)の調製において、着色剤分散液(Y2)を着色剤分散液(Y6)とした以外はイエロートナー(YE3)の調製と同様にしてイエロートナー(YE5)を作製した。体積平均粒径は7.7μmであった。
<イエロートナー(YE6)の調製>
イエロートナー(YE1)の調製において、着色剤分散液として、着色剤分散液(Y1)11部、着色剤分散液(Y3)11.5部を使用した以外はイエロートナー(YE1)の調製と同様にしてイエロートナー(YE6)を作製した。体積平均粒径は8.4μmであった。
<イエロートナー(YE7)の調製>
イエロートナー(YE6)の調製において、着色剤分散液(Y3)を着色剤分散液(Y5)とした以外はイエロートナー(YE6)の調製と同様にしてイエロートナー(YE7)を作製した。体積平均粒径は8.4μmであった。
<イエロートナー(YE8)の調製>
イエロートナー(YE6)の調製において、着色剤分散液(Y1)を着色剤分散液(Y5)とした以外はイエロートナー(YE6)の調製と同様にしてイエロートナー(YE8)を作製した。体積平均粒径は8.2μmであった。
<イエロートナー(YE9)の調製>
イエロートナー(YE1)の調製において、着色剤分散液として、着色剤分散液(Y1)22.5部のみを使用した以外はイエロートナー(YE1)の調製と同様にしてイエロートナー(YE9)を作製した。体積平均粒径は7.1μmであった。
<イエロートナー(YE10)の調製>
イエロートナー(YE1)の調製において、着色剤分散液として、着色剤分散液(Y3)22.5部のみを使用した以外はイエロートナー(YE1)の調製と同様にしてイエロートナー(YE10)を作製した。体積平均粒径は7.2μmであった。
<マゼンタトナー(MA1)の調製>
着色剤分散液として、着色剤分散液(M1)22.5部のみを使用した以外は、イエロートナー粒子(1)及びイエロートナー(YE1)と同様にして、マゼンタトナー粒子(1)及びマゼンタトナー(MA1)を得た。なお、体積平均粒径は、7.5μmであった。
<シアントナー(CA1)の調製>
着色剤分散液として、着色剤分散液(C1)22.5部のみを使用したに変更した以外は、イエロートナー粒子(1)及びイエロートナー(YE1)と同様にして、シアントナー粒子(8)及びシアントナー(CA1)を得た。なお、体積平均粒径は、7.2μmであった。
<ブラックトナー(KE1)の調製>
着色剤分散液として、着色剤分散液(K1)22.5部のみを使用した以外は、イエロートナー粒子(1)及びイエロートナー(YE1)と同様にして、ブラックトナー粒子(9)及びブラックトナー(KE1)を得た。なお、体積平均粒径は、7.6μmであった。
<実施例1、2、比較例1〜4>
表2〜表3に従って、イエロートナー(YE1)〜(YE10)、マゼンタトナー(MA1)、シアントナー(CA1)を組み合わせたトナーセットを各例のトナーセットとした。
<現像剤セットの作製>
・フェライト粒子(平均粒径50μm) 100部
・トルエン 14部
・スチレン/メチルメタクリレート共重合体(共重合比15/85) 2部
・カーボンブラック 0.2部
フェライト粒子を除く上記成分をサンドミルにて分散して分散液を調製し、この分散液をフェライト粒子とともに真空脱気型ニーダに入れ、攪拌しながら減圧し乾燥させることによりキャリアを得た。
上記キャリア100部に対して、各例で得られたトナーセットの各トナー5部をそれぞれ混合し、イエロートナーを含む現像剤、マゼンタトナーを含む現像剤、及びシアントナーを含む現像剤を作製し、各例の現像剤セットを準備した。
また、上記キャリア100部に対して、ブラックトナー5部を混合し、ブラックトナーを含む現像剤を作製した。
[評価]
以下の作業、画像形成、及び測定は、温度25℃湿度60%RHの環境下で行った。
評価用画像を形成する画像形成装置として、富士ゼロックス社製DocuCentre Color 400を用意し、その現像器に各例の現像剤セット及びブラックトナーを含む現像剤を入れた。画像形成の際、定着温度は190℃、定着圧力は4.0kg/cmとした。記録媒体は、コート紙(富士ゼロックス社製OSコート紙W)を使用した。
(各色のトナーの吸収スペクトル)
イエロートナー(YE1)〜(YE10)の吸収スペクトルは、上記コート紙に画像密度100%となるように、それぞれイエロートナー画像(5cm×5cm)を形成し、得られた各イエロートナー画像(ベタ画像)の吸収スペクトルを、既述の方法で測定することにより求めた。
マゼンタトナー(MA1)の吸収スペクトル、及びシアントナー(CA1)の吸収スペクトルについても、上記イエロートナーの吸収スペクトルと同様にして求めた。
イエロートナー(YE1)〜(YE10)の最大吸収波長λmax、最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したときの波長550nm及び波長600nmの吸光度の測定結果を表2〜表3に示す。
なお、図1に、イエロートナー(YE1)の吸収スペクトルを示す。図1中、「本実施形態」の吸収スペクトルがイエロートナー(YE1)の吸収スペクトルに相当する。
また、マゼンタトナー(MA1)の最大吸収波長λmaxは570nmであった。最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したときの波長470nmの吸光度は0.8であり、波長630nmの吸光度は0.3であった。
また、シアントナー(CA1)の最大吸収波長λmaxは630nmであった。最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したときの波長530nmの吸光度は0.7であった。
(ブラックトナーによる黒画像との色差ΔE)
上記画像形成装置を用いて、表2〜表3に示す各例のトナーセットのトナーにより、上記コート紙に表2〜表3に示す画像密度(CinY(%)、CinM(%)、及びCinC(%))となるように、イエロートナーの載り量、マゼンタトナーの載り量、及びシアントナーの載り量を調整して、プロセスブラックによる黒画像(大きさ5cm×5cm)を出力した。そして、得られたプロセスブラックによる黒画像の、CIE1976L表色系の座標値を、エックスライト社製X−Rite939(アパーチャー径4mm)を用いて、10か所測定し、L値、a値及びb値の平均値を算出した。なお、コート紙におけるトナーの積層順は、コート紙側から、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーとした。
同様に、上記画像形成装置を用いて、上記コート紙にブラックトナーにより、画像密度が100%(ベタ画像)となるように、ブラックトナーの載り量を調整して、ブラックトナーによる黒画像(大きさ5cm×5cm)を出力した。そして、得られたブラックトナーによる黒画像の、CIE1976L表色系の座標値を、エックスライト社製X−Rite939(アパーチャー径4mm)を用いて、10か所測定し、L値、a値及びb値の平均値を算出した。
そして、下記式に基づき、プロセスブラックによる黒画像と、ブラックトナーによる黒画像との色差ΔEを算出し、下記基準によりブラックトナーによる黒画像との色差ΔEを評価した。結果を表2に示す。

、a、bは、ブラックトナーによる黒画像のL値、a値、b値であり、L、a、bは、プロセスブラックによる黒画像のL値、a値、b値である。
−評価基準−
G4:色差ΔE≦2
G3:2<色差ΔE≦3
G2:3<色差ΔE≦4
G1:色差ΔE>4
(最大分光反射率)
上記画像形成装置を用いて、表2〜表3に示す各例のトナーセットのトナーにより、上記コート紙に表2〜表3に示す画像密度(CinY(%)、CinM(%)、及びCinC(%))となるように、イエロートナーの載り量、マゼンタトナーの載り量、及びシアントナーの載り量を調整して、プロセスブラックによる黒画像(大きさ5cm×5cm)を出力した。 そして、得られたプロセスブラックによる黒画像について、400nm以上700nm以下の波長域における最大分光反射率を既述の方法で測定した。なお、コート紙におけるトナーの積層順は、コート紙側から、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーとした。結果を表2〜表3に示す。なお最大分光反射率は15%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、5%以下がさらに好ましい。
表2〜表3において、マゼンタ(M)トナーの最大吸収波長λmaxは570nmである。最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したときの波長470nmの吸光度は0.8であり、波長630nmの吸光度は0.3である。シアン(C)トナーの最大吸収波長λmaxは630nmである。最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したときの波長530nmの吸光度は0.7である。
また、表2〜表3において、CinY、CinM、及びCinCは、それぞれイエロー画像の画像密度、マゼンタ画像の画像密度、及びシアン画像の画像密度を意味する。
上記結果から、本実施例は、比較例に比べ、ブラックトナーによる黒画像との色差が小さい黒画像が得られることがわかる。また、黒画像の最大分光反射率が低減する傾向が見られることがわかる。これにより、本実施例のトナーセットを用いることで、黒色着色剤を含むブラックトナーによる黒画像に近い黒色度の黒画像が得られることがわかった。
1Y、1M、1C、1K 感光体(像保持体の一例)
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
30 中間転写体クリーニング装置
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
117 筐体
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)
P 記録紙(記録媒体の一例)

Claims (8)

  1. 最大吸収波長λmaxが430nm以上490nm以下の範囲にあり、かつ、最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したとき、波長550nmの吸光度が0.3以上0.5以下であり、波長600nmの吸光度が0.1以上0.3以下であるイエロートナーと、
    最大吸収波長λmaxが520nm以上580nm以下の範囲にあり、かつ、最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したとき、波長470nmの吸光度が0.9以下であり、波長630nmの吸光度が0.4以下であるマゼンタトナーと、
    最大吸収波長λmaxが580nm以上720nm以下の範囲にあり、かつ、最大吸収波長λmaxの吸光度を1に規格化したとき、波長530nmの吸光度が0.8以下であるシアントナーと、
    を有する静電荷像現像用トナーセット。
  2. 前記イエロートナー、前記マゼンタトナー、及び前記シアントナーにより黒画像を形成したとき、前記黒画像の最大分光反射率が、400nm以上700nm以下の波長域において15%以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナーセット。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記イエロートナーを含む第1静電荷像現像剤と、
    請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記マゼンタトナーを含む第2静電荷像現像剤と、
    請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記シアントナーを含む第3静電荷像現像剤と、
    を有する静電荷像現像剤セット。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記イエロートナーを収容した第1トナーカートリッジと、
    請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記マゼンタトナーを収容した第2トナーカートリッジと、
    請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記シアントナーを収容した第3トナーカートリッジと、
    を有し、
    画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジセット。
  5. 請求項3に記載の静電荷像現像剤セットのうち前記第1静電荷像現像剤を収容した第1現像手段と、
    請求項3に記載の静電荷像現像剤セットのうち前記第2静電荷像現像剤を収容した第2現像手段と、
    請求項3に記載の静電荷像現像剤セットのうち前記第3静電荷像現像剤を収容した第3現像手段と、
    を備え、
    画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  6. 請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記イエロートナーによるイエロー画像を形成する第1画像形成手段と、
    請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記マゼンタトナーによるマゼンタ画像を形成する第2画像形成手段と、
    請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記シアントナーによるシアン画像を形成する第3画像形成手段と、
    前記イエロー画像、前記マゼンタ画像及び前記シアン画像を記録媒体上に転写する転写手段と、
    前記イエロー画像、前記マゼンタ画像及び前記シアン画像を前記記録媒体上に定着する定着手段と、
    を備える画像形成装置。
  7. 請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記イエロートナーによるイエロー画像を形成する第1画像形成工程と、
    請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記マゼンタトナーによるマゼンタ画像を形成する第2画像形成工程と、
    請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記シアントナーによるシアン画像を形成する第3画像形成工程と、
    前記イエロー画像、前記マゼンタ画像及び前記シアン画像を記録媒体上に転写する転写工程と、
    前記イエロー画像、前記マゼンタ画像及び前記シアン画像を前記記録媒体上に定着する定着工程と、
    を有する画像形成方法。
  8. 前記定着工程が、前記イエロー画像、前記マゼンタ画像及び前記シアン画像からなる黒画像を前記記録媒体上に定着する工程である場合、前記イエロー画像の画像密度をCinY(%)、前記マゼンタ画像の画像密度をCinM(%)、及び前記シアン画像をCinC(%)としたとき、CinY+CinM+CinC≦250(%)となるように、第1画像形成工程、第2画像形成工程、及び第3画像形成工程を実施する請求項7に記載の画像形成方法。
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