JP2017061136A - 成形用積層フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】表面硬度と成形性を両立する成形用積層フィルムの提供。【解決手段】基材フィルム2の少なくとも片側にアクリル酸エステルの共重合体及び/又はメタクリル酸エステルの共重合体を含むA層4とポリウレタン樹脂を含むB層3とを有する成形用積層フィルム1であって、該ポリウレタン樹脂が少なくとも以下の条件(1)および条件(2)を満たす成形用積層フィルム1。条件(1)脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格を有する、条件(2)シロキサン結合を有する。B層3が紫外線吸収剤を含む成形用積層フィルム1。150℃における100%延伸時の応力が20MPa未満である成形用積層フィルム1。A層4の厚さが2〜10μmでありB層3の厚さが2〜10μmであり、A層4とB層3の厚さの比(A/B)が1〜5であることが好ましい成形用積層フィルム1。【選択図】図1

Description

本発明は自動車部品や電化製品などの部品となる成形体の加飾に適用可能な成形用積層フィルムにおいて、成形性が良好であり、かつ表面が傷つきにくい層を有する成形用積層フィルムに関するものである。
自動車部品や電化製品には樹脂や金属からなる被成形体と成形用積層フィルムとを一体化させた成形体が多く用いられている。成形用積層フィルムとは、成形性を有する基材フィルムに耐傷つき性や耐候性、意匠製等の各機能を有する層を積層したフィルムである。成形体は被成形体と成形用積層フィルムとを一体化させるために成形用積層フィルムを被成形体に貼り付けることで製造されている。成形用積層フィルムを被成形体に貼り付ける方法としては、真空成形法、インモールド成形法、インサート成型法などがある。成形用積層フィルムには耐傷つき性が求められている。耐傷つき性とは成形体の表面に凹みや傷がつきにくい機能であり、成形体に求められる性能として要求が高まっている。さらに、成形用積層フィルムは被成形体に追従する成形性が求められている。成形性とは、たとえば一度に被成形体の頂部から底部にまでカバーできることや、成形用積層フィルムが被成形体の凹凸形状に沿って変形したりすること、被成形体の曲面部分でクラックが発生しないことを意味する。上記より、成形用積層フィルムは表面硬度と成形性の両立が求められている。
表面硬度を有する成形用積層フィルムとしてはラジカル重合型樹脂とカチオン重合型樹脂とを積層したハードコートフィルムが提案されている(特許文献1、2)。また、アクリル樹脂層とゴム成分含有層を積層したハードコートフィルムが提案されている(特許文献3)。また、成形性を有する成形用積層フィルムとしては、ウレタン樹脂から成る層を積層した成形用積層フィルム(特許文献4)が提案されている。
特開2000−71392号公報 特開2013−195549号公報 特開2006−152493号公報 特開2010−260942号公報
しかしながら、従来の技術であるラジカル重合型樹脂とカチオン重合型樹脂とを積層したハードコートフィルムやアクリル樹脂層とゴム成分含有層を積層したハードコートフィルムでは成形性の要求を満たすことができなかった。また、ウレタン樹脂からなる層を積層した成形用積層フィルムでは表面硬度を満たすことができないという課題があった。本発明は、このような従来技術の背景に鑑み、表面硬度と成形性を両立する成形用積層フィルムを提供することを目的とする。
かかる課題を解決するため本発明は次の構成[1]から[5]を採用する。
[1]基材フィルムの少なくとも片側にアクリル酸エステルの共重合体および/またはメタクリル酸エステルの共重合体を含むA層とポリウレタン樹脂を含むB層とを有する成形用積層フィルムであって、該ポリウレタン樹脂が少なくとも以下の条件(1)および条件(2)を満たすことを特徴とする成形用積層フィルム。
条件(1)脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格を有する
条件(2)シロキサン結合を有する
[2]前記B層が紫外線吸収剤を含むことを特徴とする[1]に記載の成形用積層フィルム。
[3]150℃における100%延伸時の応力が20MPa未満であることを特徴とする[1]または[2]に記載の成形用積層フィルム。
[4]前記A層の厚さが2μm以上10μm以下であり、前記B層の厚さが2μm以上10μm以下であり、かつ前記A層と前記B層の厚さの比(A層の厚さ/B層の厚さ)が1以上5以下であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の成形用積層フィルム。
[5][1]〜[4]のいずれかに記載の成形用積層フィルムを有することを特徴とする成形体。
本発明は表面硬度が良好で、かつ、成形性が良好な成形用積層フィルムを提供する。
本発明の一実施形態(A層/B層/基材フィルム)の断面模式図である。 本発明の一実施形態(基材フィルム/A層/B層)の断面模式図である。
以下、図面を参照しながら本発明を説明する。本発明における成形用積層フィルム1とは、基材フィルム2の少なくとも片側にアクリル酸エステルの共重合体および/またはメタクリル酸エステルの共重合体を含むA層4と脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格を有するポリウレタン樹脂を含むB層3とが積層されてなる成形用積層フィルムである。本発明の成形用積層フィルムを用いて成形体を製造した場合は以下の(i)または(ii)の形態をとることができる。なお被成形体は本発明の成形用積層フィルムには含まれないが、本発明の適用態様を明確に示すために、括弧内に記している。
(i)A層/B層/基材フィルム(/被成形体)
(ii)基材フィルム/A層/B層(/被成形体)
なお、(i)の適用形態においては基材フィルム2と被成形体の間、(ii)の適用形態においてはB層3と被成形体の間に後述する着色層や接着層を有することが好ましい。また(ii)の適用形態の場合は成形用積層フィルム1を被成形体に貼り付けた後、基材フィルム3をはがす必要がある。
(基材フィルム)
本発明の成形用積層フィルムの150℃における100%延伸時の応力は成形性の観点から20MPa未満であることが好ましい。かかる成形用積層フィルムに用いられる基材フィルムの素材としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよく、ホモ樹脂であってもよく、共重合または2種類以上のブレンドであってもよい。より好ましくは、成形性が良好であるため、熱可塑性樹脂である。
熱可塑性樹脂の例としては、ポリエチレン・ポリプロピレン・ポリスチレン・ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン樹脂、脂環族ポリオレフィン樹脂、ナイロン6・ナイロン66などのポリアミド樹脂、アラミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート・ポリブチレンテレフタレート・ポリプロピレンテレフタレート・ポリブチルサクシネート・ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、4フッ化エチレン樹脂・3フッ化エチレン樹脂・3フッ化塩化エチレン樹脂・4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体・フッ化ビニリデン樹脂などのフッ素樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリグリコール酸樹脂、ポリ乳酸樹脂などを用いることができる。この中で、成形性の観点からポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂であることが好ましい。
本発明の成形用積層フィルムは(i)の適用形態においてB層と基材フィルムは表面硬度や耐薬品性の観点から密着していることが好ましい。B層と基材フィルムを密着させる方法としては基材フィルムにコロナ処理やプラズマ処理といった表面改質処理をしたり、基材フィルムのB層側にB層が付着性を有する樹脂組成物を薄く形成したりすることが挙げられる。また、(ii)の形態を採る場合は、基材フィルムは加飾成形後に基材フィルムを剥離して取り除くためにA層との離型性があることが好ましい。基材フィルムにA層との離型性を付与する方法としては、A層と親和性の低い材質からなる層を共押し出しやラミネートして複合フィルムとする方法、離型剤をコーティングする方法等が挙げられる。
基材フィルムの厚さは、成形時のハンドリング性や形状保持性の点で、好ましくは50μm以上300μm以下であり、より好ましくは100μm以上200μm以下である。本発明において基材フィルムの厚さの測定方法は以下の通りとした。すなわち成形用積層フィルムをエポキシ樹脂に包埋し、フィルム断面をミクロトームで切り出した。切り出したフィルム断面を透過型電子顕微鏡(SEM S−3400N「株式会社日立製作所製」)で5,000倍の倍率で観察し、基材フィルムの厚さを求めた。
(A層)
本発明におけるA層は成形体の最も表面に位置することとなるため透明性や光沢性といった意匠特性、表面硬度、耐傷つき性、耐割れ性、耐薬品性および耐候性といった塗膜特性を有することが好ましい。また、成形用積層フィルムの被加飾体の形状への追従性を損なわない有機高分子であることが好ましい。かかる特性を有する有機高分子として少なくともアクリル酸エステルの共重合体やメタクリル酸エステルの共重合体を用いることが好ましい。ここで、アクリル酸エステルの共重合体またはメタクリル酸エステルの共重合体いずれか一方を用いてもよいし、アクリル酸エステルの共重合体およびメタクリル酸エステルの共重合体の両方を用いてもよい。すなわち、本発明の積層フィルムは、基材フィルムの少なくとも片側にアクリル酸エステルの共重合体および/またはメタクリル酸エステルの共重合体を含むA層を有することが好ましい。
アクリル酸エステルの共重合体および/またはメタクリル酸エステルの共重合体を得る方法としては、多官能オリゴマーや光硬化型ポリマーを用いて紫外線等のエネルギー線で共重合させる方法や水酸基含有アクリルポリマーと少なくとも2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネートとを反応させる方法がある。
多官能オリゴマーとは、ビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタアクリロイルオキシ基等のラジカル重合性官能基を2個以上有する有機化合物である。多官能オリゴマーの分子量としては、表面硬度の観点から200〜1000であることが好ましい。このような多官能オリゴマーとしては、例えば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、ポリエステルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、アダマンチルジ(メタ)アクリレート、イソボロニルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられ、これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を含有させてもよい。
光硬化型ポリマーとは、ラジカル重合性の官能基を有する有機化合物である。光硬化型のポリマーの重量平均分子量としては耐薬品性の観点から、5,000〜100,000であることが好ましい。このような光硬化型ポリマーとしては、(メタ)アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、(メタ)アクリルウレタンポリマーなどがある。また、(メタ)アクリルポリマーを主鎖として、ウレタンポリマー、(メタ)アクリルウレタンオリゴマー及び(メタ)アクリルウレタンポリマーからなる群から選択される1種又は2種以上からなる側鎖をウレタン結合により付加させた(メタ)アクリルウレタン系ポリマーを用いることができる。(メタ)アクリルポリマーとしては、例えば、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレートベンジルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート等を挙げることができる。
アクリルウレタンポリマーとしては、例えばジイソシアネートとジオールの反応物に水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させたものが使用できる。ジイソシアネートとしては、例えばイソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、メチレンビスフェニルジイソシアネート(MDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)等を挙げることができる。
ジオールとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,12−ドデカンジオール、等を挙げることができる。
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
ラジカル重合性官能基を重合させるための重合開始剤としては、光重合開始剤や熱重合開始剤を用いることが好ましい。
光重合開始剤としては、例えばアルキルフェノン系化合物、含硫黄系化合物、アシルホスフィンオキシド系化合物、アミン系化合物などが挙げられるがこれらに限定されるものではないが、硬化性の点から、アルキルフェノン系化合物が好ましく、具体例としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−フェニル)−1−ブタン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−(4−フェニル)−1−ブタン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタン、1−シクロヒキシル−フェニルケトン、2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−エトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、などが挙げられる。
方法2における水酸基を有するアクリルプレポリマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート並びにこれらのアクリレートに対するメタクリレート等からなるプレポリマーが挙げられる。これらの水酸基を有するプレポリマーは単独で、または2種類以上組み合わせて選択することができる。
水酸基含有アクリルポリマーとしては例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート並びにこれらのアクリレートに対するメタクリレート等からなるプレポリマーが挙げられる。これらの水酸基を有するプレポリマーは単独で、または2種類以上組み合わせて選択することができる。
少なくとも2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネートとしては、脂環式ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートおよびこれらのポリイソシアネートの変性物等が使用される。少なくとも2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネートとしては、これらのうち1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。脂環式ポリイソシアネートとしては、例えばイソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略記)、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(以下、水添MDIと略記)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレートおよび2,5−または2,6−ノルボルナンジイソシアネートが挙げられる。脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネートおよび2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートが挙げられる。芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば1,3−または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート(以下、TDI略記)、粗製TDI、4,4’−または2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略記)、粗製MDI、ポリアリールポリイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネートおよびm−またはp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートが挙げられる。芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えばm−またはp−キシリレンジイソシアネートおよびα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートが挙げられる。
ポリイソシアネートの変性物としては、ポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基またはオキサゾリドン基含有変性物等;遊離イソシアネート基含有量が通常8〜33質量部、好ましくは10〜30質量部、特に12〜29質量部のもの)が挙げられ、具体的には変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDIおよびトリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等)、ウレタン変性TDI、ビウレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDIおよびイソシアヌレート変性IPDI等のポリイソシアネートの変性物が挙げられる。水酸基を有するアクリルプレポリマーに含まれる酸基の合計モル数(OHモル数)と少なくとも2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネートのモル数(NCOモル数)との比率は表面硬度の観点から、好ましくはOHモル数/NCOモル数=100/120から100/80となる割合である。より好ましくは100/110から100/90である。
本発明におけるA層としては、表面硬度と成形性の観点から、A層が多官能オリゴマーと光硬化型ポリマーを含むことが好ましい。A層に含まれる多官能オリゴマーと光硬化型ポリマーとの質量比(多官能オリゴマー:光硬化型ポリマー)としては、10:90〜90:10であることが好ましい。多官能オリゴマーと光硬化型ポリマーとの質量比(多官能オリゴマー:光硬化型ポリマー)が10:90以上であると得られる成形用積層フィルムの表面硬度が優れるため好ましい。多官能オリゴマーと光硬化型ポリマーとの質量比(多官能オリゴマー:光硬化型ポリマー)が90:10以下であると得られる成形用積層フィルムの成形性が優れるため好ましい。より好ましくは20:80〜80:20であり、さらに好ましくは30:70〜70:30であり、特に好ましくは40:60〜60:40である。
A層を形成する方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。基材フィルムにA層の溶剤溶液を公知の塗布方法を用いて薄く均一に塗布し、加熱および/またはエネルギー線の照射により反応させることが好ましい。公知の塗布方法としては、バーコート、ロールコート、グラビアコート、カーテンコート、スプレーコート、シルクスクリーン印刷等が挙げられる。より高い成形性が求められる場合は、成形用積層フィルムを被加飾体に貼り付けた後、エネルギー線を照射することが好ましい。
A層には当然のことながら、硬化剤、硬化促進剤、粘結剤、表面調整剤、顔料、紫外線吸収剤、光安定剤などを混合してもよい。
A層の厚さは2μm以上10μm以下が好ましい。A層の厚さが2μm以上であると本発明の成形用積層フィルムを加飾成形体に適用したときに所望の表面硬度を得ることができるため好ましい。A層の厚さが10μm以下であると成形用積層フィルムが所望の成形性や耐割れ性を得られるため好ましい。A層の厚さはより好ましくは4μm以上8μm以下である。A層の厚さの測定方法は以下の通りとした。すなわち、成形用積層フィルムをエポキシ樹脂に包埋し、フィルム断面をミクロトームで切り出した。切り出したフィルム断面を透過型電子顕微鏡(SEM S−3400N「株式会社日立製作所製」)で5,000倍の倍率で観察しA層の厚さを求めた。
(B層)
本発明におけるB層は成形用積層フィルムが複雑な被成形体に貼り付けられたときに、曲面で割れが発生することを防ぐ層である。
B層としては表面硬度、耐割れ性、耐薬品性、耐候性および成形性、またA層との密着といった観点から、B層が以下の条件(1)および条件(2)を満たすポリウレタン樹脂を含むことが好ましい。
条件(1)脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格を有する
条件(2)シロキサン結合を有する。
本発明において、耐割れ性および成形性の観点からB層に含まれるポリウレタン樹脂が脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格を有することが好ましい。
このようなポリウレタン樹脂として、例えば、少なくとも活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)とから形成されるポリウレタン樹脂を挙げることができる。
脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格を有するポリウレタン樹脂を得るために、活性水素成分(A)としては、例えば、表面硬度、耐割れ性の観点から4員環から10員の環脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)を含有する活性水素成分(A)を用いることができる。
脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)としては炭素数6〜20の脂環式多価(2〜3価またはそれ以上)アルコールまたはこれらと炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価またはそれ以上)アルコール(好ましくは炭素数6〜10、さらに好ましくは炭素数6〜9のアルキレン基を有するアルキレンジオール)の1種または2種以上の混合物を、低分子カーボネート化合物(例えば、アルキル基の炭素数1〜6のジアルキルカーボネート、炭素数2〜6のアルキレン基を有するアルキレンカーボネートおよび炭素数6〜9のアリール基を有するジアリールカーボネート等)と脱アルコール反応させながら縮合させることによって製造されるポリカーボネートポリオール等が挙げられる。なお、以下において、「脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)」等の化合物名に記号を付したものを単に「(a1)」等の記号のみで表す場合がある。
炭素数6〜20の脂環式多価(2〜3価またはそれ以上)アルコールとしては、1,2−シクロブタンジオール、2,2,4,4,−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,2−または1,3−シクロペンタンジオール、3−メチル−1,2−シクロペンタンジオール、1,2−、1,3−または1,4−シクロヘキサンジオール、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジオール、1,2−、1,3−または1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,1’−ビシクロヘキサン−1,1’−ジオール、1,1’−ビシクロヘキサン−2,2’−ジオール、1,1’−ビシクロヘキサン−4,4’−ジオール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、1,2−または1,3−シクロヘプタンジオールおよび1,2−、1,4−または1,5−シクロオクタンジオール等が挙げられる。これらの内、得られるB層の成形性の観点から好ましいのは1,4−シクロヘキサンジオールおよびシクロヘキサンジメタノールであり、さらに好ましいのは1,4−シクロヘキサンジメタノールである。
炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価またはそれ以上)アルコールとしては、エチレングリコール、1,2−または1,3−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−、1,3−、2,3−または1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、1,2−、1,4−、1,5−または2,4−ペンタンジオール、2−または3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−または3−メチル−4,5−ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリメチレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−、1,5−、1,6−または2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2−または3−メチル−1,6−ヘキサンジオール、2−、3−または4−メチル−1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−、3−または4−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオペンチレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、炭素数6〜12のトリアルカノールアミン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、トリグリセリン、ジペンタエリスリトール、ソルビトールおよびマンニトール等が挙げられる。これらの内、得られるB層の成形性の観点から好ましいのは炭素数3〜6の直鎖のジオール(1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールおよび1,6−ヘキサンジオール)である。
脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)の内、B層の型への成形性の観点から好ましいのは、前記炭素数6〜20の脂環式多価(2〜3価またはそれ以上)アルコールおよび必要により使用される炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価またはそれ以上)アルコールとして2価のアルコールを用いたポリカーボネートジオールである。
脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)の数平均分子量(以下、Mnと略記)の範囲は、得られるB層の成形性の観点から、好ましくは500〜5,000、さらに好ましくは600〜3,000、特に好ましくは750〜2,000である。
なお、本発明におけるMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて、例えば以下の条件で測定することができる。
装置:「HLC−8120GPC」[東ソー(株)製]
カラム:「Guardcolμmn HXL−H」(1本)、「TSKgel GMHXL」(2本)[いずれも東ソー(株)製]
試料溶液:0.25質量部のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:100μl
流量:1ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリスチレン。
B層における脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)に由来の脂環式炭化水素基の含有量は、耐傷付性や意匠特性の観点から、活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)の合計質量に対して1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは5〜25質量部、さらに好ましくは10〜20質量部である。
脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)以外の活性水素成分(A)としては、従来からポリウレタンの製造に使用されているものが使用できる。例えば、(a1)以外のMnが500以上の高分子ポリオール(a2)、カルボキシル基含有ポリオールおよびその塩(a3)、鎖伸長剤(a4)ならびに反応停止剤(a5)等を用いることができる。
(a1)以外のMnが500以上の高分子ポリオール(a2)としては、従来からポリウレタンの製造に使用されている高分子ポリオールが使用でき、例えばポリエステルポリオール(a21)およびポリエーテルポリオール(a22)等が挙げられる。
ポリエステルポリオール(a21)としては、脂環式炭化水素基を有しない脂肪族ポリカーボネートポリオール(a211)、脱水縮合型ポリエステルポリオール(a212)およびポリラクトンポリオール(a213)等が挙げられる。
脂環式炭化水素基を有しない脂肪族ポリカーボネートポリオール(a211)としては、前記炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価またはそれ以上)アルコールまたはこれらの2種以上の混合物を、低分子カーボネート化合物(例えば、アルキル基の炭素数1〜6のジアルキルカーボネート、炭素数2〜6のアルキレン基を有するアルキレンカーボネートおよび炭素数6〜9のアリール基を有するジアリールカーボネート等)と脱アルコール反応させながら縮合させることによって製造されるポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
脂環式炭化水素基を有しない脂肪族ポリカーボネートポリオール(a211)の具体例としては、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリペンタメチレンカーボネートジオール、ポリテトラメチレンカーボネートジオールおよびポリ(テトラメチレン/ヘキサメチレン)カーボネートジオール(例えば1,4−ブタンジオールと1,6−ヘキサンジオールをジアルキルカーボネートと脱アルコール反応させながら縮合させて得られるジオール)等が挙げられる。
脱水縮合型ポリエステルポリオール(a212)としては、前記炭素数6〜20の脂環式多価(2〜3価またはそれ以上)アルコールおよび/または前記炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価またはそれ以上)アルコールと炭素数2〜10の多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とから形成されるポリエステルポリオール等が挙げられる。
脱水縮合型ポリエステルポリオール(a212)に使用できる炭素数2〜10の多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体としては、脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、フマル酸およびマレイン酸等)、脂環式ジカルボン酸(ダイマー酸等)、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸およびフタル酸等)、3価またはそれ以上のポリカルボン酸(トリメリット酸およびピロメリット酸等)、これらの無水物(無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸および無水トリメリット酸等)、これらの酸ハロゲン化物(アジピン酸ジクロライド等)、これらの低分子量アルキルエステル(コハク酸ジメチルおよびフタル酸ジメチル等)およびこれらの混合物が挙げられる。
脱水縮合型ポリエステルポリオール(a212)の具体例としては、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンイソフタレートジオール、ポリネオペンチレンアジペートジオール、ポリエチレンプロピレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペートジオール、ポリジエチレンアジペートジオール、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペートジオール、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオール、ポリエチレンアゼレートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンアゼレートジオール、ポリブチレンセバケートジオールおよびポリネオペンチレンテレフタレートジオール等が挙げられる。
ポリラクトンポリオール(a213)としては、前記炭素数6〜20の脂環式多価(2〜3価またはそれ以上)アルコールおよび/または前記炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価またはそれ以上)アルコールへのラクトンの重付加物等が挙げられ、用いられるラクトンとしては、炭素数4〜12のラクトン(例えばγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンおよびε−カプロラクトン)等が挙げられる。
ポリラクトンポリオール(a213)の具体例としては、例えばポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオールおよびポリカプロラクトントリオール等が挙げられる。
ポリエーテルポリオール(a22)としては、脂肪族ポリエーテルポリオール(a221)および芳香族ポリエーテルポリオール(a222)が挙げられる。
脂肪族ポリエーテルポリオール(a221)としては、例えばポリオキシエチレンポリオール[ポリエチレングリコール等]、ポリオキシプロピレンポリオール[ポリプロピレングリコール等]、ポリオキシエチレン/プロピレンポリオールおよびポリオキシテトラメチレングリコール等が挙げられる。
芳香族ポリエーテルポリオール(a222)としては、例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド(以下、EOと略記)付加物[ビスフェノールAのEO2モル付加物、ビスフェノールAのEO4モル付加物、ビスフェノールAのEO6モル付加物、ビスフェノールAのEO8モル付加物、ビスフェノールAのEO10モル付加物およびビスフェノールAのEO20モル付加物等]およびビスフェノールAのプロピレンオキサイド(以下、POと略記)付加物[ビスフェノールAのPO2モル付加物、ビスフェノールAのPO3モル付加物、ビスフェノールAのPO5モル付加物等]等のビスフェノール骨格を有するポリオールならびにレゾルシンのEOまたはPO付加物等が挙げられる。
(a2)のMnは、B層の成形性の観点から、好ましくは500〜5,000、より好ましくは600〜4,000、さらに好ましくは700〜3,000である。
(a2)の内、Bの耐候性、耐水性、耐薬品性、成形性の観点から好ましいのは脂環式炭化水素基を有しない脂肪族ポリカーボネートポリオール(a211)であり、さらに好ましいのは炭素数3〜6の直鎖ジオール(1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールおよび1,6−ヘキサンジオール)またはこれらの2種以上の混合物を前記低分子カーボネート化合物と脱アルコール反応させながら縮合させることによって製造されるポリカーボネートポリオールである。
カルボキシル基含有ポリオールおよびその塩(a3)としては、炭素数6〜24のジアルキロールアルカン酸[例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸(以下、DMPAと略記)、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸および2,2−ジメチロールオクタン酸]等およびこれらの塩が挙げられる。かかる塩の種類としては、例えばアンモニウム塩、アミン塩[炭素数1〜12の1級アミン(1級モノアミン、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミンおよびオクチルアミン)塩、2級モノアミン(例えばジメチルアミン、ジエチルアミンおよびジブチルミン)塩および3級モノアミン(例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミンおよびN,N−ジメチルエタノールアミン等の脂肪族3級モノアミン)塩等]が挙げられ、これらの2種以上の併用も可能である。
前記塩はポリウレタン樹脂を後述の水分散体として製造する場合に特に好ましく用いられ、前記塩のうち、得られるB層の耐水性、耐薬品性およびウレタン樹脂水分散体の安定性の観点から好ましいのは、前記塩を構成する塩基性化合物の常圧における沸点が−40℃〜150℃のものであり、具体的には、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩およびN,N−ジメチルエタノールアミン塩等である。
鎖伸長剤(a4)としては、水、前記炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価またはそれ以上の価数)アルコール、これら非環式多価アルコールのEOおよび/またはPO低モル付加物(化学式量またはMnが500未満)、炭素数2〜10のジアミン(例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン等の脂肪族または脂環式ジアミン;o−、m−またはp−フェニレンジアミン、トルエンジアミン、m−キシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンおよび4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン等の芳香族ポリアミン等)、ポリ(n=2〜6)アルキレン(炭素数2〜6)ポリ(n=3〜7)アミン(例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンおよびペンタエチレンヘキサミン等)ならびにヒドラジンおよびその誘導体(二塩基酸ジヒドラジド例えばアジピン酸ジヒドラジド等)等が挙げられる。
反応停止剤(a5)としては、炭素数1〜8のモノアルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、セロソルブ類およびカービトール類等)および炭素数1〜10のモノアミン類(モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、モノオクチルアミン、モノエタノールアミンおよびジエタノールアミン等)が挙げられる。
活性水素成分(A)の構成成分(a1)〜(a5)等はそれぞれ1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機イソシアネート成分(B)としては、従来からポリウレタンの製造に使用されているものが使用でき、炭素数6〜18の脂環式ポリイソシアネート(b1)、炭素数4〜22の脂肪族ポリイソシアネート(b2)、炭素数8〜26の芳香族ポリイソシアネート(b3)、炭素数10〜18の芳香脂肪族ポリイソシアネート(b4)およびこれらのポリイソシアネートの変性物(b5)等が使用される。有機イソシアネート成分(B)としては、これらのうち1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
炭素数6〜18の脂環式ポリイソシアネート(b1)としては、例えばイソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略記)、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(以下、水添MDIと略記)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレートおよび2,5−または2,6−ノルボルナンジイソシアネートが挙げられる。
炭素数4〜22の脂肪族ポリイソシアネート(b2)としては、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIと略記)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネートおよび2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートが挙げられる。
炭素数8〜26の芳香族ポリイソシアネート(b3)としては、例えば1,3−または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート(以下、TDI略記)、粗製TDI、4,4’−または2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略記)、粗製MDI、ポリアリールポリイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネートおよびm−またはp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートが挙げられる。
炭素数10〜18の芳香脂肪族ポリイソシアネート(b4)としては、例えばm−またはp−キシリレンジイソシアネートおよびα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートが挙げられる。
(b1)〜(b4)のポリイソシアネートの変性物(b5)としては、ポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビウレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基またはオキサゾリドン基含有変性物等;遊離イソシアネート基含有量が通常8〜33質量部、好ましくは10〜30質量部、特に12〜29質量部のもの)が挙げられ、具体的には変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDIおよびトリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等)、ウレタン変性TDI、ビウレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDIおよびイソシアヌレート変性IPDI等のポリイソシアネートの変性物が挙げられる。
これら有機イソシアネート成分(B)の内で得られるB層の耐候性の観点から好ましいのは炭素数6〜18の脂環式ポリイソシアネート(b1)および炭素数4〜22の脂肪族ポリイソシアネート(b2)であり、さらに好ましいのは炭素数6〜18の脂環式ジイソシアネートおよび炭素数4〜22の脂肪族ジイソシアネート、特に好ましいのはIPDI、水添MDI、HDIおよびこれらの混合物、とりわけ好ましいのはIPDI、水添MDIおよびこれらの混合物、最も好ましいのは水添MDIである。
B層のウレタン基濃度とウレア基濃度の合計値は成形性の観点から、B層の質量に基づいて、1.0〜6.0mmol/gが好ましく、より好ましくは1.5〜5.0mmol/g、さらに好ましくは2.0〜4.0mmol/gである。
活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)の種類および分子量ならびに反応系中の水分等を適宜調整することにより、ポリウレタン樹脂のウレタン基濃度とウレア基濃度の合計値を所望の範囲とすることができる。
ポリウレタン樹脂のMnは、得られるB層の耐水性、耐薬品性および型への追従性の観点から、1万〜100万が好ましく、より好ましくは1万〜50万、さらに好ましくは1万〜20万、最も好ましくは1万〜10万である。
ポリウレタン樹脂の溶融温度は、B層の成形性の観点から、好ましくは50〜280℃、より好ましくは60〜200℃、さらに好ましくは80〜160℃である。
ポリウレタン樹脂の溶融温度は、JIS K 7210:1999(プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイトの試験方法)において、メルトマスフローレイト測定装置としてテスター産業(株)製「メルトインデクサーI型」を用いて、荷重2.16kgにてメルトマスフローが10g/10分となる温度である。
本発明において、耐薬品性および耐候性性の観点からB層に含まれるポリウレタン樹脂はシロキサン結合を有することが好ましい。シロキサン結合を有するポリウレタン樹脂を得る方法としては、例えば、アミノ基またはカルボキシル基および/もしくはその塩を有するポリウレタン樹脂と、分子内にグリシジルエーテル基ならびにアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有する化合物(X)とを反応させる方法(1−1)、イソシアネート基を有するポリウレタン樹脂と分子内にアミノ基ならびにアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有する化合物(Y)を反応させる方法(1−2)により得られたポリウレタン樹脂を加熱する方法が挙げられる。
方法(1−1)に用いられる化合物(X)としては、炭素数7〜20のグリシドキシアルキルトリアルコキシシラン、炭素数7〜20のグリシドキシアルキル(アルキル)ジアルコキシシランおよび炭素数7〜20のグリシドキシアルキル(ジアルキル)アルコキシシラン等およびこれらの加水分解物(前記化合物におけるアルコキシ基が水酸基に変換されてシラノール基となったもの)が挙げられ、具体的には3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランおよび3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等およびこれらの加水分解物(前記化合物におけるアルコキシ基が水酸基に変換されてシラノール基となったもの)が挙げられる。化合物(X)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
方法(1−1)に用いられるアミノ基またはカルボキシル基および/もしくはその塩を有するポリウレタン樹脂の内のアミノ基を有するポリウレタン樹脂を得る方法としては、ポリウレタン樹脂の製造時の説明において鎖伸長剤(a4)として例示した炭素数2〜10のジアミンおよびポリ(n=2〜6)アルキレン(炭素数2〜6)ポリ(n=3〜7)アミン等の多官能アミンを用いて末端にアミノ基を導入する方法、活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)の反応において、イソシアネート基と反応する活性水素(水酸基およびアミノ基等)に対して、イソシアネート基のモル量を過剰にして末端にイソシアネート基を導入した後、水と反応させて末端アミノ基とする方法、ケチミン結合(−C=N−)を有するモノアミンを用いて、樹脂末端にケチミン結合を導入後、ケチミン結合を加水分解して末端アミノ基とする方法等が挙げられる。
前記ケチミン結合を有するモノアミンは、1分子中に1個のアミノ基と少なくとも1個のケチミン結合を有していれば特に限定されず、例えば前記鎖伸長剤(a4)で例示した炭素数2〜10のジアミンまたはポリ(n=2〜6)アルキレン(炭素数2〜6)ポリ(n=3〜7)アミンとケトンを反応させて得られるケチミン化合物が挙げられる。ケチミン結合が加水分解してアミノ基を生成する際のケトンの留去のしやすさの観点から、ケトンとしてはアセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトンおよびメチルイソブチルケトン等の沸点が120℃以下のものを用いることが好ましい。
また、方法(1−1)に用いられるアミノ基またはカルボキシル基および/もしくはその塩を有するポリウレタン樹脂の内のカルボキシル基および/またはその塩を有するものを得る方法としては、ウレタン樹脂の製造時に前記カルボキシル基含有ポリオールおよびその塩(a3)を活性水素成分(A)として用いる方法等が挙げられる。
グリシジルエーテル基とアミノ基またはカルボキシル基および/もしくはその塩等との反応の温度および時間等の条件は、通常これらの基の反応に用いられる条件と同様でよい。
ポリウレタン樹脂がアミノ基を有するものである場合、そのポリウレタン樹脂中のアミノ基の量は、化合物(X)との反応性の観点から(X)が有するグリシジルエーテル基のモル数と等量以上であることが好ましく、また耐水性および耐薬品性の観点から、(X)と反応後のポリウレタン樹脂中のアミノ基の量が0.35mmol/g以下となる量であることが好ましい。
ポリウレタン樹脂中のカルボキシル基および/もしくはその塩の量は、化合物(X)との反応性の観点から(X)が有するグリシジルエーテル基のモル数と等量以上であることが好ましく、また耐水性および耐薬品性の観点から、(X)と反応後のポリウレタン樹脂中のカルボキシル基およびその塩の含有量が1.3mmol/g以下となる量であることが好ましい。
本発明におけるポリウレタン樹脂中のカルボキシル基の含量は、3〜10gのポリウレタン樹脂を130℃で45分間加熱乾燥して得られる残渣を水洗後再度130℃で45分間加熱乾燥し、ジメチルホルムアミドに溶解し、JIS K 0070:1992記載の方法(電位差滴定法)で測定される酸価から算出できる。
方法(1−2)に用いられる化合物(Y)としては、炭素数4〜20のアミノアルキルトリアルコキシシラン、炭素数4〜20のアミノアルキル(アルキル)ジアルコキシシランおよび炭素数4〜20のアミノアルキル(ジアルキル)アルコキシシラン等およびこれらの加水分解物(前記化合物におけるアルコキシ基が水酸基に変換されてシラノール基となったもの)が挙げられ、具体的には3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等およびこれらの加水分解物(前記化合物におけるアルコキシ基が水酸基に変換されてシラノール基となったもの)が挙げられる。化合物(Y)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
方法(1−2)に用いられるイソシアネート基を有するポリウレタン樹脂を製造する方法としては、活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)の反応における、イソシアネート基と反応する活性水素(水酸基およびアミノ基等)に対して、イソシアネート基のモル量を過剰にして、末端にイソシアネート基を導入する方法等が挙げられる。
グリシジルエーテル基とアミノ基またはカルボキシル基および/もしくはその塩との反応の温度および時間等の条件は、通常これらの基の反応に用いられる条件と同様でよい。
(X)および/または(Y)の使用量は、得られる保護層の耐水性、耐薬品性および耐傷付性および型への追従性の観点から、(A)と(B)の合計質量に対する(X)および/または(Y)が有するアルコキシシリル基および/またはシラノール基に由来するSi原子の合計質量の割合が0.05〜2.0質量部となる量であることが好ましく、さらに0.1〜1.5質量部、特に0.2〜1.0質量部となる量であることが好ましい。
ポリウレタン樹脂は、成形用積層フィルムを形成する際の塗工性の観点から、溶剤溶液、または水分散体とすることができるものが好ましい。ポリウレタン樹脂の溶剤溶液または水分散体を作製する方法としては、既知の方法を用いることができる。
溶剤溶液の作製方法としては、溶剤中で各原料を反応させる方法や、無溶剤下で反応させたポリウレタン樹脂を溶剤に溶解させる方法が挙げられる。
溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば炭素数3〜10のケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等)、炭素数2〜10のエステル系溶剤(酢酸エチル、酢酸ブチルおよびγ−ブチロラクトン等)、炭素数4〜10のエーテル系溶剤(テトラヒドロフランおよびジエチレングリコールジメチルエーテル等)、炭素数3〜10のアミド系溶剤(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンおよびN−メチルカプロラクタム等)、炭素数1〜8のアルコール系溶剤(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールおよびオクタノール等)および炭素数4〜10の炭化水素系溶剤(n−ブタン、シクロヘキサン、トルエンおよびキシレン等)が挙げられる。
これらの内、ポリウレタン樹脂の溶解性およびB層を得る際の乾燥性の観点から、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、テトラヒドロフランおよびイソプロピルアルコール等の沸点が100℃以下の極性溶剤を使用することが好ましい。
また、水分散体の製造方法としては、特開2004−2732号公報等に記載されているプレポリマーミキシング法や国際公開第2010/122599号に記載されているウレタン樹脂のデッドポリマーを形成後、これを水に分散させる方法が挙げられる。
ポリウレタン樹脂の水性分散体を得る際、分散安定性および樹脂の耐水性および耐薬品性の観点から、活性水素成分(A)に前記カルボキシル基含有ポリオールおよびその塩(a3)を用いることが好ましい。
水性分散体を得る場合のポリウレタン樹脂中におけるカルボキシル基含有ポリオールおよびその塩(a3)に由来のカルボキシル基および/またはその塩の含有量は、分散安定性および得られるB層の耐水性および耐薬品性の観点から、活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)の合計質量に対して、好ましくは0.05〜1.3mmol/g、さらに好ましくは0.1〜1.1mmol/g、特に好ましくは0.15〜0.90mmol/gである。
水性分散体を得る場合のポリウレタン樹脂が、前記分子内にアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有するポリウレタン樹脂である場合、(U1)を得る際の活性水素成分(A)として前記カルボキシル基含有ポリオールおよびその塩(a3)を用いることにより(U1)にカルボキシル基および/またはその塩を導入することができる。
また、水性分散体を得る場合のポリウレタン樹脂が、アミノ基またはカルボキシル基および/もしくはその塩を有するポリウレタン樹脂の内のカルボキシル基および/またはその塩を有するものである場合、このポリウレタン樹脂の水性分散体の分散安定性を付与するために導入したカルボキシル基および/またはその塩は前述のグリシジルエーテル基ならびにアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有する化合物(X)との反応にも寄与する。
前記方法(1−1)または(1−2)により得られたポリウレタン樹脂を用いて本発明におけるB層を形成することができる。
また、本発明におけるB層は成形用積層フィルムの耐候性の観点から、紫外線吸収剤を含むことが好ましい。紫外線吸収剤としては特に制限はないが例えばベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物等が挙げられる。具体的には2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸トリハイドレート、2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンジロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2’4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、1,4−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)−ブタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−フェニル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2,4−ジ−t−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(3−ドデシル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2,2’−メチレンビス(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール)等が挙げられる。
紫外線吸収剤の含有量としては耐候性と成形性の観点から、B層全体を100質量%としたときに1質量%〜50質量%であることが好ましい。紫外線吸収剤の含有量が1質量%以上であると所望の耐候性を得ることができるため好ましい。紫外線吸収剤の含有量が50質量%以下であると成形性が良好となるため好ましい。より好ましくは5質量%〜45質量%である。さらに好ましくは10質量%〜40質量%である。
本発明におけるB層を得る方法としては、ポリウレタン樹脂の溶剤溶液、または水分散体を、基材フィルムに公知の塗布方法で塗布し、加熱することが好ましい。塗布方法としては、例えば、バーコート、ロールコート、グラビアコート、カーテンコート、スプレーコート、シルクスクリーン印刷等が挙げられる。
このようにして形成される、ポリウレタン樹脂を含むB層は、ポリウレタン樹脂以外の樹脂をさらに含有してもよく、例えば、アクリル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン等を含有することができる。B層には当然のことながら、硬化剤、硬化促進剤、シランカップリング剤、粘結剤、表面調整剤、顔料、紫外線吸収剤、光安定剤などを混合してもよい。
B層の厚さとしては、2μm以上10μm以下が好ましい。より好ましくは4μm以上8μm以下である。B層の厚さの測定方法は以下の通りとした。すなわち、成形用積層フィルムをエポキシ樹脂に包埋し、フィルム断面をミクロトームで切り出した。切り出したフィルム断面を透過型電子顕微鏡(SEM S−3400N「株式会社日立製作所製」)で5,000倍の倍率で観察し、B層の厚さを求めた。
A層とB層の厚さの比(A層の厚さ/B層の厚さ)は1以上5以下であることが好ましい。A層とB層の厚さの比(A層の厚さ/B層の厚さ)が前記範囲であると、A層に圧力がかかり変形したときに適切に変形を吸収することができ、結果、A層が割れにくくなり好ましい。A層とB層の厚さの比(A層の厚さ/B層の厚さ)が1.5以上4.5以下であることがより好ましい。
本発明の成形用積層フィルムはA層やB層以外の層として着色層や接着層を有していることが好ましい。
着色層とは成形用積層フィルムを成形体に貼り付けたときに色や風合を成形体に与える層である。着色層としては例えばバインダー樹脂と顔料および/または染料を混合した着色樹脂層や金属薄膜層が好ましい。色の調整が容易なことや加飾成形時の型への追従性が良い点から、着色樹脂層を用いことが好ましい。着色樹脂層に用いられるバインダー樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、およびポリスチロール樹脂などが挙げられる。バインダー樹脂は、これらのうちから選択された1種を用いてもよいし、2種以上の樹脂を混合してもよい。これらの樹脂には、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤、粘結剤、表面調整剤、可塑剤、紫外線吸収剤、光安定剤などを含んでいてもよい。
顔料としては、例えばアルミニウム粉体、カーボンブラック、二酸化チタン、マイカ、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレットなど、無機顔料、有機顔料のいずれを用いてもよい。また、該顔料は単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。該顔料の濃度は、本発明の効果を阻害しない範囲で調整することが好ましい。
接着層とは、成形時の熱により接着層を構成する樹脂を軟化させて被成形体へ貼り付けるための層である。接着層の樹脂としては被成形体と接着性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂およびオレフィン樹脂等を含む樹脂からなる層が挙げられる。
本発明で得られた成形用積層フィルムを用いた加飾成形体の製造方法としては、特に限定されるものではないが、射出成形法、ブロー成形法、押出し成形法など公知の熱成形法に適用される。
本発明の成形用積層フィルムは表面硬度および耐割れ性に優れているため、スマートフォンやタブレット端末等に代表される電子機器や自動車部品等に幅広く用いることができる。また、本発明の成形用積層フィルムおよび加飾成形体は成形性にも優れているため、深絞りが必要な部品に適用する際に特に好適に用いることができる。
また、本発明の成形用積層フィルムを有する成形体も提供することができる。ここで、成形する際は、本発明の成形用積層フィルムを被成形体からB層およびA層の順に有する成形体とすることが、成形性を維持しつつ、成形時の割れを抑制できるという点から好ましい。
(A層を構成する樹脂の調合)
実施例および比較例で用いたA層を構成する樹脂は以下のように準備した。
(A層を構成する樹脂A1)
多官能オリゴマー(“アクリット”(登録商標)8UX−015A、固形分99.2質量%、大成ファインケミカル株式会社製)100質量部に重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を3.0質量部添加した。さらに粘度を調整するためにイソプロパノールを20質量部混合し、十分に攪拌し、A層を構成する樹脂A1(以下、樹脂A1)を得た。
(A層を構成する樹脂A2)
光硬化型ポリマー(“アクリット”(登録商標)8KX−077、固形分40.4質量%、大成ファインケミカル株式会社製)100質量部に重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を2.0質量部混合し、十分に攪拌し、A層を構成する樹脂A2(以下、樹脂A2)を得た。
(A層を構成する樹脂A3)
水酸基含有アクリルポリマー(“アクリット”(登録商標)6KW−700、固形分36.5質量%、大成ファインケミカル株式会社製)100質量部に少なくとも2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート(“タケネート”(登録商標)D−178N、三井化学株式会社製)を1.4質量部添加した。さらに粘度を調整するために酢酸エチルを100質量部混合し、十分に攪拌し、A層を構成する樹脂A3(以下、樹脂A3)を得た。
(A層を構成する樹脂A4)
水酸基含有アクリルポリマー(“アクリット”(登録商標)6BT−307、固形分45.5質量%、大成ファインケミカル株式会社製)100質量部に少なくとも2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート(“タケネート”(登録商標)D−178N、三井化学株式会社製)を3.1質量部添加した。さらに粘度を調整するために酢酸エチルを80質量部混合し、十分に攪拌し、A層を構成する樹脂A4(以下、樹脂A4)を得た。
(A層を構成する樹脂A5)
水酸基含有アクリルポリマー(“アクリット”(登録商標)6AN−828、固形分49.0質量%、大成ファインケミカル株式会社製)100質量部に少なくとも2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート(“タケネート”(登録商標)D−178N、三井化学株式会社製)を9.8質量部添加した。さらに粘度を調整するために酢酸エチルを40質量部混合し、十分に攪拌し、A層を構成する樹脂A5(以下、樹脂A5)を得た。
(A層を構成する樹脂A6)
多官能オリゴマー(“アクリット”(登録商標)8UX−015A、固形分99.2質量%、大成ファインケミカル株式会社製)360質量部、光硬化型ポリマー(“アクリット”(登録商標)8KX−077、固形分40.4質量%、大成ファインケミカル株式会社製)を100質量部、重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を3.0質量部添加した。さらに粘度を調整するためにイソプロパノールを20質量部混合し、十分に攪拌し、A層を構成する樹脂A6(以下、樹脂A6)を得た。
(A層を構成する樹脂A7)
多官能オリゴマー(“アクリット”(登録商標)8UX−015A、固形分99.2質量%、大成ファインケミカル株式会社製)を160質量部、光硬化型ポリマー(“アクリット”(登録商標)8KX−077、固形分40.4質量%、大成ファインケミカル株式会社製)を100質量部、重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を3.0質量部、イソプロパノールを20質量部混合し、十分に攪拌し、A層を構成する樹脂A7(以下、樹脂A7)を得た。
(A層を構成する樹脂A8)
多官能オリゴマー(“アクリット”(登録商標)8UX−015A、固形分99.2質量%、大成ファインケミカル株式会社製)を93質量部、光硬化型ポリマー(“アクリット”(登録商標)8KX−077、固形分40.4質量%、大成ファインケミカル株式会社製)を100質量部、重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を3.0質量部、イソプロパノールを20質量部混合し、十分に攪拌し、A層を構成する樹脂A8(以下、樹脂A8)を得た。
(A層を構成する樹脂A9)
多官能オリゴマー(“アクリット”(登録商標)8UX−015A、固形分99.2質量%、大成ファインケミカル株式会社製)を60質量部、光硬化型ポリマー(“アクリット”(登録商標)8KX−077、固形分40.4質量%、大成ファインケミカル株式会社製)を100質量部、重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を3.0質量部、イソプロパノールを20質量部混合し、十分に攪拌し、A層を構成する樹脂A9(以下、樹脂A9)を得た。
(A層を構成する樹脂A10)
多官能オリゴマー(“アクリット”(登録商標)8UX−015A、固形分99.2質量%、大成ファインケミカル株式会社製)を40質量部、光硬化型ポリマー(“アクリット”(登録商標)8KX−077、固形分40.4質量%、大成ファインケミカル株式会社製)を100質量部、重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を3.0質量部、イソプロパノールを20質量部混合し、十分に攪拌し、A層を構成する樹脂A10(以下、樹脂A10)を得た。
(A層を構成する樹脂A11)
多官能オリゴマー(“アクリット”(登録商標)8UX−015A、固形分99.2質量%、大成ファインケミカル株式会社製)を26質量部、光硬化型ポリマー(“アクリット”(登録商標)8KX−077、固形分40.4質量%、大成ファインケミカル株式会社製)を100質量部、重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を3.0質量部、イソプロパノールを20質量部混合し、十分に攪拌し、A層を構成する樹脂A11(以下、樹脂A11)を得た。
(A層を構成する樹脂A12)
多官能オリゴマー(“アクリット”(登録商標)8UX−015A、固形分99.2質量%、大成ファインケミカル株式会社製)を17質量部、光硬化型ポリマー(“アクリット”(登録商標)8KX−077、固形分40.4質量%、大成ファインケミカル株式会社製)を100質量部、重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を3.0質量部、イソプロパノールを20質量部混合し、十分に攪拌し、A層を構成する樹脂A12(以下、樹脂A12)を得た。
(A層を構成する樹脂A13)
多官能オリゴマー(“アクリット”(登録商標)8UX−015A、固形分99.2質量%、大成ファインケミカル株式会社製)を10質量部、光硬化型ポリマー(“アクリット”(登録商標)8KX−077、固形分40.4質量%、大成ファインケミカル株式会社製)を100質量部、重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を3.0質量部、イソプロパノールを20質量部混合し、十分に攪拌し、A層を構成する樹脂A13(以下、樹脂A13)を得た。
(A層を構成する樹脂A14)
多官能オリゴマー(“アクリット”(登録商標)8UX−015A、固形分99.2質量%、大成ファインケミカル株式会社製)を5質量部、光硬化型ポリマー(“アクリット”(登録商標)8KX−077、固形分40.4質量%、大成ファインケミカル株式会社製)を100質量部、重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を3.0質量部、イソプロパノールを20質量部混合し、十分に攪拌し、A層を構成する樹脂A14(以下、樹脂A14)を得た。
(B層を構成する樹脂の調合)
実施例および比較例で供したB層を構成する樹脂は以下のように準備した。
(B層を構成する樹脂B1)
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置に、1,4−シクロヘキサンジメタノール及び1,6−ヘキサンジオールの混合物(モル比50:50)とエチレンカーボネートとの反応より得られたMn900のポリカーボネートジオール18.5質量部、1,6−ヘキサンジオールとエチレンカーボネートとの反応より得られたMn2,000のポリカーボネートジオール6.8質量部、1,6−ヘキサンジオール2.7質量部、DMPA2.9質量部、水添MDI17.8質量部およびメチルエチルケトン102.6質量部を仕込んで90℃で24時間攪拌してウレタン化反応操作を行い、脂環式ポリカーボネートを有するポリウレタン樹脂のメチルエチルケトン溶液を得た。得られたポリウレタン樹脂のメチルエチルケトン溶液974.5質量部に、30℃で3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン25.5質量部を加えて均一撹拌することで、分子内にカルボキシル基の塩を有するポリウレタン樹脂と3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを含有するB層を構成する樹脂のメチルエチルケトン溶液1,000質量部を得た。
(B層を構成する樹脂B2)
樹脂B1と同様の方法にて分子内にカルボキシル基の塩を有するポリウレタン樹脂と3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを含有するメチルエチルケトン溶液を得た。得られたメチルエチルケトン溶液100質量部に対して9質量部のベンゾトリアゾール系化合物紫外線吸収剤(LA−29、株式会社ADEKA製)を加え均一攪拌することで、紫外線吸収剤を含むB層を構成する樹脂のメチルエチルケトン溶液を得た
(実施例1)
基材フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルム(“ルミラー”(登録商標)SF20、東レ株式会社製)を用いた。基材フィルムの片側に樹脂B1を5μmの厚さになるようにワイヤーバーを用いて塗布した後90℃で1分間乾燥しB層を得た。次いでB層側に樹脂A1を5μmの厚さになるようにワイヤーバーを用いて塗工した後、90℃で1分間乾燥した。さらに、メタルハライドランプ光を樹脂A1を塗布した側に積算光量が300mJとなるように照射しA層を得た。得られた成形用積層フィルムのA層の組成分析を行い、アクリル酸エステルの共重合体およびメタクリル酸エステルの共重合体を含むことを確認した。同様にB層の組成分析を行いB層が以下の条件を満たすポリウレタン樹脂を含むことを確認した。
条件(1)脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格を有する
条件(2)シロキサン結合を有する
得られた成形用積層フィルムを用いた評価結果を表2に示す。
(実施例2)
A層に樹脂A2を用いること以外は実施例1と同様の方法で成形用積層フィルムを得た。得られた成形用積層フィルムのA層の組成分析を行い、アクリル酸エステルの共重合体およびメタクリル酸エステルの共重合体を含むことを確認した。得られたサンプルを用いた評価結果を表2に示す。
(実施例3)
A層に樹脂A3を用いて、90℃で1分間乾燥した後に、さらに、90℃で24時間追加熱することでA層を得たこと以外は実施例1と同様の方法で成形用積層フィルムを得た。得られた成形用積層フィルムのA層の組成分析を行い、アクリル酸エステルの共重合体およびメタクリル酸エステルの共重合体を含むことを確認した。得られたサンプルを用いた評価結果を表2に示す。
(実施例4)
A層に樹脂A4を用いること以外は実施例3と同様の方法で成形用積層フィルムを得た。得られた成形用積層フィルムのA層の組成分析を行い、アクリル酸エステルの共重合体およびメタクリル酸エステルの共重合体を含むことを確認した。得られたサンプルを用いた評価結果を表2に示す。
(実施例5)
A層に樹脂A5を用いること以外は実施例3と同様の方法で成形用積層フィルムを得た。得られた成形用積層フィルムのA層の組成分析を行い、アクリル酸エステルの共重合体およびメタクリル酸エステルの共重合体を含むことを確認した。得られたサンプルを用いた評価結果を表2に示す。
(実施例6)
基材フィルムとしてシクロオレフィンポリマーフィルム(“Zeonor”(登録商標)ZF14、日本ゼオン株式会社製)を用いた。基材フィルムの片側に樹脂A1を5μmの厚さになるようにワイヤーバーを用いて塗布した後90℃で1分間乾燥した。さらに、メタルハライドランプ光を塗工面側に積算光量が300mJとなるように照射しA層を得た。次いでA層側に樹脂B1を5μmの厚さになるようにワイヤーバーを用いて塗工した後、90℃で1分間乾燥しB層を得た。得られた成形用積層フィルムのA層の組成分析を行い、A層がアクリル酸エステルの共重合体およびメタクリル酸エステルの共重合体を含むことを確認した。同様にB層の組成分析を行いB層が以下の条件を満たすポリウレタン樹脂を含むことを確認した。
条件(1)脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格を有する
条件(2)シロキサン結合を有する
得られたサンプルを用いた評価結果を表2に示す。
(実施例7)
A層に樹脂A6を用いること以外は実施例1と同様の方法で成形用積層フィルムを得た。得られた成形用積層フィルムのA層の組成分析を行い、アクリル酸エステルの共重合体およびメタクリル酸エステルの共重合体を含むことを確認した。得られたサンプルを用いた評価結果を表2に示す。
(実施例8)
A層に樹脂A7を用いること以外は実施例1と同様の方法で成形用積層フィルムを得た。得られた成形用積層フィルムのA層の組成分析を行い、アクリル酸エステルの共重合体およびメタクリル酸エステルの共重合体を含むことを確認した。得られたサンプルを用いた評価結果を表2に示す。
(実施例9)
A層に樹脂A8を用いること以外は実施例1と同様の方法で成形用積層フィルムを得た。得られた成形用積層フィルムのA層の組成分析を行い、アクリル酸エステルの共重合体およびメタクリル酸エステルの共重合体を含むことを確認した。得られたサンプルを用いた評価結果を表2に示す。
(実施例10)
A層に樹脂A9を用いること以外は実施例1と同様の方法で成形用積層フィルムを得た。得られた成形用積層フィルムのA層の組成分析を行い、アクリル酸エステルの共重合体およびメタクリル酸エステルの共重合体を含むことを確認した。得られたサンプルを用いた評価結果を表2に示す。
(実施例11)
A層に樹脂A10を用いること以外は実施例1と同様の方法で成形用積層フィルムを得た。得られた成形用積層フィルムのA層の組成分析を行い、アクリル酸エステルの共重合体およびメタクリル酸エステルの共重合体を含むことを確認した。得られたサンプルを用いた評価結果を表2に示す。
(実施例12)
A層に樹脂A11を用いること以外は実施例1と同様の方法で成形用積層フィルムを得た。得られた成形用積層フィルムのA層の組成分析を行い、アクリル酸エステルの共重合体およびメタクリル酸エステルの共重合体を含むことを確認した。得られたサンプルを用いた評価結果を表2に示す。
(実施例13)
A層に樹脂A12を用いること以外は実施例1と同様の方法で成形用積層フィルムを得た。得られた成形用積層フィルムのA層の組成分析を行い、アクリル酸エステルの共重合体およびメタクリル酸エステルの共重合体を含むことを確認した。得られたサンプルを用いた評価結果を表2に示す。
(実施例14)
A層に樹脂A13を用いること以外は実施例1と同様の方法で成形用積層フィルムを得た。得られた成形用積層フィルムのA層の組成分析を行い、アクリル酸エステルの共重合体およびメタクリル酸エステルの共重合体を含むことを確認した。得られたサンプルを用いた評価結果を表2に示す。
(実施例15)
A層に樹脂A14を用いること以外は実施例1と同様の方法で成形用積層フィルムを得た。得られた成形用積層フィルムのA層の組成分析を行い、アクリル酸エステルの共重合体およびメタクリル酸エステルの共重合体を含むことを確認した。得られたサンプルを用いた評価結果を表2に示す。
(実施例16)
B層に樹脂B2を用いること以外は実施例1と同様の方法で成形用積層フィルムを得た。得られた成形用積層フィルムのA層の組成分析を行い、アクリル酸エステルの共重合体およびメタクリル酸エステルの共重合体を含むことを確認した。得られたサンプルを用いた評価結果を表2に示す。
(比較例1)
基材フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルム(“ルミラー”(登録商標)SF20、東レ株式会社製)を用いた。基材フィルムの片側に樹脂A1を5μmの厚さになるようにワイヤーバーを用いて塗布した後90℃で1分間乾燥した。さらに、メタルハライドランプ光を成形用積層フィルムの塗工面側に積算光量が300mJとなるように照射しA層を得た。得られた成形用積層フィルムのA層の組成分析を行い、A層がアクリル酸エステルの共重合体およびメタクリル酸エステルの共重合体を含むことを確認した。
得られたA層を有する成形用積層フィルムを用いて成形性、表面硬度および耐割れ性を評価した。評価結果を表2に示す。
(比較例2)
基材フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルム(“ルミラー”(登録商標)SF20、東レ株式会社製)を用いた。基材フィルムの片側に樹脂B1を5μmの厚さになるようにワイヤーバーを用いて塗布した後90℃で1分間乾燥しB層を得た。B層の組成分析を行いB層が以下の条件を満たすポリウレタン樹脂を含むことを確認した。
条件(1)脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格を有する
条件(2)シロキサン結合を有する
得られたB層を有する成形用積層フィルムを用いて成形性、表面硬度および耐割れ性を評価した。評価結果を表2に示す。
(評価方法)
(1)組成分析
成形用積層フィルムの測定する層以外の層を切削除去し、凍結乾燥したものをサンプルをとした。サンプルのフーリエ変換赤外分光法(FT−IR測定)および熱分解ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC/MS測定)により組成分析を実施した。FT−IR測定においてメチル基のピーク(2,950cm-1付近)およびエステル結合のピーク(1,734m-1付近および1,165m-1付近)が確認でき、かつ、GC/MS測定においてアクリル酸エステルの共重合体またはメタクリル酸エステルの共重合体であることが確認できた場合、層がアクリル酸エステルの共重合体またはメタクリル酸エステルの共重合体を含むと判断した。またFT−IR測定においてカーボネート結合のピーク(1,743cm-1付近および1,251cm-1付近)、ウレタン結合のピーク(1,527m-1付近)が確認でき、かつ、GC/MS測定において活性水素成分が脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオールであることが確認できた場合、層が脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格を有するポリウレタン樹脂を含むと判断した。さらにFT−IR測定においてシロキサン結合のピーク(3,500cm-1付近)が確認できた場合、ポリウレタン樹脂がシロキサン結合を有すると判断した。
(2)成形性1
成形用積層フィルムを長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出しサンプルとした。引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT−100)を用いて、以下の条件下において引張試験を行った。
測定雰囲気:150℃±5℃
初期引張チャック間距離:20mm
引張速度を200mm/分
得られた結果から100%延伸時の応力を求めた。成形性の評価は以下の基準で行った。
S:10MPa未満
A:10MPa以上20MPa未満
B:20MPa以上30MPa未満
C:30MPa以上。
(3)成形性2
成形用積層フィルムを長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出しサンプルとした。引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT−100)を用いて、以下の条件下において引張試験を行った。
測定雰囲気:150℃±5℃
初期引張チャック間距離:20mm
引張速度を200mm/分
得られた結果からA層およびB層を目視確認し、クラックが発生した伸度を求めた。成形性の評価は以下の基準で行った。
S:200%以上
A:100%以上200%未満
B:50%以上100%未満
C:10%以上50%未満以上
D:10%未満。
(4)表面硬度
本発明における(i)の適用形態においては成形用積層フィルムのA層側をJIS K5600 5−5:1999で示される試験法で実施し、鉛筆跡が見えない最大鉛筆硬度を判定した。本発明における(ii)の適用形態においては、ポリエステルテレフタレートフィルム(“ルミラー”(登録商標)U463、東レ株式会社製)に成形用積層フィルムのB層側を貼り付けた後、基材フィルムをはがしサンプルを得た。得られたサンプルのA層側をJIS K5600 5−5:1999で示される試験法で実施し、鉛筆跡が見えない最大鉛筆硬度を判定した。なお、測定はサンプルの場所を変えて3回連続で同様の結果が出るまで行った。測定条件は以下の通りとした。
荷重:700gf
測定距離:20mm
測定速度:60mm/分
成形用積層フィルム表面の硬度の評価については以下の基準で行った。
S:2H以上
A:H
B:F
C:HB以下。
(5)表面傷つき性
本発明における(i)の適用形態においては成形用積層フィルムのA層側を測定した。本発明における(ii)の適用形態においては、ポリエチレンテレフタレートフィルム(“ルミラー”(登録商標)U463、東レ株式会社製)に成形用積層フィルムのB層側を貼り付けた後、基材フィルムをはがしA層側を測定した。評価方法としては、以下の測定方法を実施し、傷跡が発生しない最大荷重を目視で確認した。なお、測定はサンプルの場所を変えて3回連続で同様の結果が出るまで行った。測定条件は以下の通りとした。
装置:HEIDON 14−DR(HEIDON社製)
針:1mmRのサファイア針
速度:10mm/秒
測定距離:20mm
測定速度:60mm/分
成形用積層フィルムの表面傷つき性の評価については以下の基準で行った。
S:80g以上
A:70g以上80g未満
B:60g以上70g未満
C:50g以上60g未満
D:50g未満。
(6)耐割れ性
成形用積層フィルムを5cm×20cmの矩形にカットしサンプルとした。一辺が10cm以上の立方体の評価台を準備した。評価台の端部分から10cmはみだすようにサンプルのA層を上側にしてセットした。サンプルの評価台からはみ出た部分を水平方向から下側に90度の角度になるように10秒以上折り曲げた。サンプルの折り曲げ部分を目視観察し、クラックの有無を確認した。耐割れ性の評価は以下の基準で行った。
A:クラックの発生なし
B:クラックの発生数が10本未満
C:クラックの発生数が10本以上。
Figure 2017061136
Figure 2017061136
1:成形用積層フィルム
2:基材フィルム
3:B層
4:A層
本発明の成形用積層フィルムは表面の硬度を有し、さらに成形性、耐割れ性に良好な成形用積層フィルムであり、自動車用部品や電化製品等の部品に対して好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. 基材フィルムの少なくとも片側にアクリル酸エステルの共重合体および/またはメタクリル酸エステルの共重合体を含むA層とポリウレタン樹脂を含むB層とを有する成形用積層フィルムであって、該ポリウレタン樹脂が少なくとも以下の条件(1)および条件(2)を満たすことを特徴とする成形用積層フィルム。
    条件(1)脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格を有する
    条件(2)シロキサン結合を有する
  2. 前記B層が紫外線吸収剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の成形用積層フィルム。
  3. 150℃における100%延伸時の応力が20MPa未満であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の成形用積層フィルム。
  4. 前記A層の厚さが2μm以上10μm以下であり、前記B層の厚さが2μm以上10μm以下であり、かつ前記A層と前記B層の厚さの比(A層の厚さ/B層の厚さ)が1以上5以下であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の成形用積層フィルム。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の成形用積層フィルムを有することを特徴とする成形体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108676185A (zh) * 2018-05-04 2018-10-19 苏州奥美材料科技有限公司 一种表面硬化聚碳酸酯薄膜及制备工艺

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