JP2017061117A - 熱硬化性の樹脂を用いた樹脂成形品の成形装置および成形方法 - Google Patents

熱硬化性の樹脂を用いた樹脂成形品の成形装置および成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】成形型に取り付けられた入れ子を容易に取り外すことが可能な熱硬化性の樹脂を用いた樹脂成形品の成形装置および成形方法を提供することである。【解決手段】開閉可能な成形型と、成形型に着脱自在に取り付けられ、成形型とともに熱硬化性の樹脂220が注入されるキャビティを形成する少なくとも1つの入れ子110と、を有する。そして、成形型と入れ子との間に隙間を形成する凸部111が当該入れ子または当該成形型に設けられている。【選択図】図3

Description

本発明は、熱硬化性の樹脂を用いた樹脂成形品の成形装置および成形方法に関する。
近年、樹脂成形品の製造において、熱可塑性の樹脂と比較して硬化後の強度が高い熱硬化性の樹脂を用いた樹脂成形が行われるようになっている。特に、熱硬化性の樹脂を強化基材に含浸させて硬化させることにより非常に強度が高く軽量な製品を形成することが可能なRTM(Resin Transfer Molding)成形が盛んに行われるようになっている。
一方で、成形型を用いてアンダーカットなどを備える複雑な形状の樹脂成形品を形成するには成形型の構造を工夫する必要がある。従来から、成形型を用いて複雑な形状の樹脂成形品を形成するために、熱可塑性の樹脂が注入されるキャビティを形成する開閉可能な成形型と、当該成形型に着脱自在に取り付けられる入れ子と、を有する樹脂成形装置が知られている(特許文献1参照)。
特開平9−201825号公報
上述した成形装置では、成形型と入れ子との間に樹脂が入り込まないように、成形型と入れ子との間のクリアランスは可能な限り小さくされる。しかしながら、熱硬化性の樹脂は、熱可塑性の樹脂に比べて硬化前の粘度が非常に低い。そのため、成形型と入れ子との間のクリアランスを可能な限り小さくするという従来の手法では、成形型と入れ子との間に熱硬化性の樹脂が入り込むことを防ぐことができない。成形型と入れ子との間に入り込んだ熱硬化性の樹脂は、成形型と入れ子とを接着した状態において硬化する。これにより、成形型から入れ子を取り外すことが困難になるという問題があった。
本発明では、熱硬化性の樹脂を用いた場合であっても成形型から入れ子を容易に取り外せるようにするという要請を受けて、成形型と入れ子との間のクリアランスを可能な限り小さくして成形型と入れ子との間に樹脂が入り込むことを防ぐという従来の固定観念を打破している。
従って、本発明は、成形型に取り付けられた入れ子を容易に取り外すことが可能な熱硬化性の樹脂を用いた樹脂成形品の成形装置および成形方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の一側面によれば、開閉可能な成形型と、成形型に着脱自在に取り付けられ、成形型とともに熱硬化性の樹脂が注入されるキャビティを形成する少なくとも1つの入れ子と、を有する熱硬化性の樹脂を用いた樹脂成形品の成形装置が提供される。当該成形装置では、成形型と入れ子との間に隙間を形成する凸部が当該入れ子または当該成形型に設けられている。
上記目的を達成するための本発明の他の側面によれば、開閉可能な成形型と、当該成形型に取り付けられた入れ子と、によって熱硬化性の樹脂が注入されるキャビティを形成する熱硬化性の樹脂を用いた樹脂成形品の成形方法が提供される。当該成形方法では、入れ子または成形型に設けた凸部によって当該入れ子と当該成形型との間に形成した隙間に、キャビティに注入された樹脂の一部を流入させ、隙間に流入させた樹脂の硬化反応熱によって当該樹脂を劣化させる。
本発明によれば、成形型と入れ子との間に流入する樹脂の量を増加させることができる。これにより、当該樹脂の硬化反応熱が増加することにより当該樹脂が高温になり、当該樹脂の劣化が促進される。その結果、当該樹脂が硬化することによって生じる接着力を低減できる。従って、成形型に取り付けられた入れ子を容易に取り外すことが可能な熱硬化性の樹脂を用いた樹脂成形品の成形装置および成形方法を提供できる。
実施形態に係る成形装置の概略図である。 同成形装置の成形型の概略図である。 図2の破線部M1によって囲まれる部分の拡大図である。 キャビティ内で樹脂が硬化した状態における図3に対応する拡大図である。 樹脂成形品を成形型から取り出すときの図3に対応する拡大図である。 実施形態に係る成形装置を使用した樹脂成形品の成形方法を示すフローチャートである。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面における各部材の大きさや比率は、説明の都合上誇張され実際の大きさや比率とは異なる場合がある。
<成形装置>
本実施形態に係る成形装置100について、図1〜図5を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る成形装置100の概略図である。図2は、成形装置100の成形型10の概略図である。図3は、図2の破線部M1によって囲まれる部分の拡大図である。図4は、キャビティ15内で樹脂220が硬化した状態における図3に対応する拡大図である。図5は、樹脂成形品200を成形型10から取り出すときの図3に対応する拡大図である。
図1〜図3に示すように、成形装置100は、熱硬化性の樹脂220を用いた樹脂成形品200の成形装置である。成形装置100は、開閉可能な成形型10と、成形型10に着脱自在に取り付けられ、成形型10とともに熱硬化性の樹脂220が注入されるキャビティ15を形成する入れ子110と、を含む。入れ子110には、成形型10と入れ子110との間に隙間115を形成する凸部111が設けられている。また、成形装置100は、成形型10に型締圧力Pを負荷するプレス部20と、第1液221と第2液222とを混合して熱硬化性の樹脂220を形成するミキシングヘッド30と、第1液221と第2液222とをミキシングヘッド30に供給する供給機40と、をさらに含む。また、成形装置100は、キャビティ15内を真空吸引する吸引部50と、成形型10の開閉を検知するセンサ60と、をさらに含む。また、成形装置100は、成形装置100全体の動作を制御する制御部150をさらに含む。以下、各構成要素について詳述する。
本実施形態に係る成形装置100および成形方法によって得られる樹脂成形品200は、強化基材210と、熱硬化性の樹脂220と、によって構成される複合材料である。強化基材210と組み合わせることによって樹脂220単体に比べて高い強度および剛性を備えた樹脂成形品200となる。
本実施形態では、強化基材210として炭素繊維を使用する。炭素繊維を使用することで、複合材料として形成される樹脂成形品200を軽量化できる。
熱硬化性の樹脂220は、所定温度(以下、第1温度T1)において所定時間に亘って加熱すると硬化反応が進行して硬化する樹脂材料である。
本実施形態では、熱硬化性の樹脂220は、ミキシングヘッド30を用いて第1液221と第2液222とを混合することによって形成される。
熱硬化性の樹脂220の種類は特に限定されないが、本実施形態では、熱硬化性の樹脂220として複合材料用エポキシ樹脂を使用する。第1液221(主剤)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂などを用いることができる。また、第2液222(硬化剤)としては、例えば、ジシアンジアミドにジクロロフェニルジメチル尿素を組み合わせたものを用いることができる。しかしながら、特に限定されるものではなく、ジアミノジフェニルスルホン、芳香族ジアミン、酸無水物ポリアミドなども第2液222として使用できる。
成形型10は、開閉可能な一対の上型(雄型)11と、下型(雌型)12と、上型11を固定して保持する上型ボルスター13と、下型12を固定して保持する下型ボルスター14と、を含む。
キャビティ15には強化基材210に相当する炭素繊維が載置される。熱硬化性の樹脂220は、炭素繊維の下面から内部に含浸する。
プレス部20は、成形型10の上型11に型締圧力Pを負荷する。型締圧力Pは、上型ボルスター13を介して上型11に負荷される。プレス部20は、油圧等の流体圧を用いたシリンダー21を有し、油圧等を制御することによって型締圧力Pを調整する。
ミキシングヘッド30は、下型12に設けられている。本実施形態において、ミキシングヘッド30は、第1液221と第2液222とを混合することによって熱硬化性の樹脂220を形成する。
供給機40は、第1液221と第2液222とをミキシングヘッド30に供給する。本実施形態において、供給機40は、第1ホース70を介してミキシングヘッド30に接続されている。第1ホース70は、留め具71によって下型ボルスター14に固定されている。
吸引部50は、真空ポンプ(不図示)を有する。吸引部50は、成形型10の型閉じ後にキャビティ15内の空気を吸引(真空引き)し、キャビティ15内を真空状態にする。吸引部50と下型12とは第2ホース80を介して接続されている。第2ホース80は、留め具81によって下型ボルスター14に固定されている。また、吸引部50と上型11とは第3ホース90を介して接続されている。第3ホース90は、留め具91によって上型ボルスター13に固定されている。
図2に示されるように、上型11および下型12には、成形型10全体の温度を調節する温調配管16が設けられている。温調配管16は、熱硬化性の樹脂220の硬化反応が生じる第1温度T1以上の温度の流体が流通可能に構成される。温調配管16内に流通される流体として熱水、蒸気またはオイルを使用できるが特に限定されない。
第1温度T1以上の流体が温調配管16に流通されることによって、キャビティ15内に注入された樹脂220が所定の時間に亘って第1温度T1以上に維持される。これにより、キャビティ15内に注入された樹脂220は硬化反応によって硬化する。
樹脂成形品200は、アンダーカット205を備える(図4参照)。成形型を用いた樹脂成形において、アンダーカットを有する樹脂成形品を形成するためには分割構造の成形型を用いる必要がある。分割構造を用いた成形型を使用しない場合、成形型から取り出す際にアンダーカットが成形型に引っかかってしまうため樹脂成形品を成形型から上手く取り出せない。本実施形態では、入れ子110を用いてアンダーカット205を備える樹脂成形品200を形成する。
図3を参照して、入れ子110は、樹脂成形品200においてアンダーカット205をなす強化基材210の部位215が配置される副キャビティ116を形成する。副キャビティ116は、入れ子110が成形型10に取り付けられた状態においてキャビティ15の一部をなす。入れ子110は、強化基材210の部位215が副キャビティ116に配置された状態で成形型10に取り付けられる。本実施形態において、入れ子110は、第1入れ子110aと、第2入れ子110bと、を有する。しかしながら、入れ子110を単一の部材から構成してもよい。
従来から入れ子を用いて熱可塑性樹脂の樹脂成形品を形成する際には、成形型と入れ子との間に樹脂が入り込まないように、成形型と入れ子との間のクリアランスを可能な限り小さくするという手法がとられてきた。しかしながら、熱硬化性の樹脂は、熱可塑性の樹脂に比べて硬化前の粘度が非常に低い。そのため、成形型と入れ子との間のクリアランスを可能な限り小さくするという従来の手法では、成形型と入れ子との間に熱硬化性の樹脂が入り込むことを防ぐことはできない。
成形型と入れ子との間に入り込んだ熱硬化性の樹脂は、成形型と入れ子とを接着した状態において硬化するため、成形型から入れ子を取り外すことが困難になる。本実施形態に係る成形装置100は、成形型と入れ子との間のクリアランスを可能な限り小さくして成形型と入れ子との間に樹脂が入り込むことを防ぐという従来の固定観念を打破して、熱硬化性の樹脂を使用した場合であっても入れ子を容易に取り外せるようにしたものである。
具体的には、本実施形態に係る成形装置100において、入れ子110は、成形型10と入れ子110との間に隙間115を形成する凸部111を備える。すなわち、本実施形態に係る成形装置100では、成形型と入れ子との間のクリアランスを小さくするという従来の手法とは対照的に、入れ子110に凸部111を設けることによって成形型10と入れ子110との間に積極的に隙間115を形成する。
これにより、成形型10と入れ子110との間に入り込む熱硬化性の樹脂220の量が増加する。ここで、熱硬化性の樹脂220は、ガラス転移点を超えるような高温に加熱されると劣化する。成形型10と入れ子110との間に入り込む熱硬化性の樹脂200の量が増加すると、硬化反応によって生じる硬化反応熱も増加する。他方、成形型10と入れ子110との間に入り込む熱硬化性の樹脂220の量が増加しても、入り込んだ熱硬化性の樹脂220と成形型10との接触面積は変化しない。すなわち、凸部111によって増加する硬化反応熱の増加分は、熱硬化性の樹脂200から成形型10に放熱される熱量の増加分よりも大きくなる。そのため、成形型10と入れ子110との間に入り込んだ熱硬化性の樹脂220の温度は、凸部111が設けられていない場合と比較して高くなる。これにより、硬化後の熱硬化性の樹脂220の劣化が促進されて熱硬化性の樹脂220の接着力が低下するため、熱硬化性の樹脂220を使用した場合であっても入れ子110を容易に取り外せるようになる。
凸部111の数、配置方法および形態等は、凸部111が成形型10と入れ子110との間に隙間115を形成する限りにおいて限定されない。
本実施形態において、凸部111は、入れ子110において、当該入れ子110を取り外す際に成形型10と入れ子110との間に入り込んだ熱硬化性の樹脂220にせん断力を作用させる面P1に設けられている。
これにより、入れ子110を取り外す際にせん断力が作用される樹脂220の劣化を促進して接着力を低減させることができる。樹脂220の接着力は、当該樹脂220をせん断する方向X(図5参照)に当該樹脂220によって接着されている物体を引きはがそうとするときに大きくなる。そのため、凸部111を面P1に設けて入れ子110を取り外す際にせん断力が作用される樹脂220の接着力を低減させることにより、成形型10に取り付けられた入れ子110をさらに容易に取り外すことができる。
また、本実施形態では、複数の凸部111が、成形型10に面する入れ子110の面P1において互いに離間して配置されている。
本実施形態において、凸部111は切頭円錐形状を備える。また、凸部111は、当該切頭円錐形状の中心軸上にボルトが挿通される孔を備える。入れ子110は、凸部111にボルトが挿通されることによって成形型10に固定される。
入れ子110には、成形型10から入れ子110を取り外すための抜き勾配θ1およびθ2が設定されている。具体的には、抜き勾配θ1およびθ2は、成形型10に面する入れ子110の面P1が入れ子110の取り出し方向Yに対して傾斜するように設定されている。
入れ子110に抜き勾配θ1およびθ2が設定されていることにより、入れ子110を取り出す際に成形型10と入れ子110との間に入り込んだ樹脂220をせん断する方向Xと、入れ子110の取り出し方向Yとを異ならせることができる(図5参照)。熱硬化性の樹脂220の接着力は、樹脂220が接着している面から樹脂220を垂直方向に剥がすときよりも、当該面に対して樹脂220をせん断する方向に剥がす方が強くなる。そのため、入れ子110に抜き勾配θ1およびθ2が設定されていることにより、成形型10から入れ子110を取り出すことがさらに容易になる。
成形装置100は、成形型10と入れ子110との間に入り込んだ熱硬化性の樹脂220を加熱するヒーター160をさらに有する。これにより、成形型10と入れ子110との間に入り込んだ樹脂220の温度を高めることができるから当該樹脂220の劣化をさらに促進できる。そのため、成形型10に取り付けられた入れ子110をさらに容易に取り外すことができる。
凸部111によって形成される隙間115の大きさh(図3参照)は、当該隙間115に流入した熱硬化性の樹脂220を硬化反応熱によって劣化させることができる限りにおいて限定されない。本実施形態において、凸部111によって形成される隙間115の大きさhは、2mm以上に設定されている。これにより、成形型10と入れ子110との間に形成された隙間115に流入した樹脂220と当該成形型10との接触面積に対する当該樹脂220の体積の比が大きくなる。そのため、成形型10と入れ子110との間に形成された隙間115に流入した樹脂220をより確実に高温にできる。その結果、当該樹脂220の劣化をより確実に促進できる。
本実施形態において熱硬化性の樹脂220として使用される複合材料用のエポキシ樹脂は高反応性の樹脂である。硬化反応によって生じる単位時間当たりの硬化反応熱は、高反応性の樹脂よりも低反応性の樹脂の方が大きい。そのため、高反応性の樹脂を用いる場合には、低反応性の樹脂を用いる場合と比較して隙間115の大きさhを小さくできる。
上述したように、入れ子110が備える凸部111は、成形型10と入れ子110との間に積極的に隙間115を形成するために設けられたものである。従って、本実施形態における凸部111は、入れ子110の表面粗さとして計測される凹凸とは明確に区別されるものである。具体的には、凸部111の高さ(隙間115の大きさhと等しい)と、入れ子110の表面粗さ(例えば、数μm)とはオーダーが異なる。
ミキシングヘッド30、プレス部20、供給機40、吸引部50およびセンサ60と制御部150とは、配線によって接続されている。
<成形方法>
以下、図6を参照して本実施形態に係る成形装置を使用した成形方法の手順について説明する。
図6は、本実施形態に係る成形装置を使用した複合材料の成形方法を示すフローチャートである。
図6に示すように、成形装置100を使用した成形方法は、強化基材210に入れ子110を取り付ける工程(ステップS1)と、成形型10に入れ子110を取り付ける工程(ステップS2)と、成形型10内に入れ子110を取り付けた強化基材210を配置する工程(ステップS3)と、成形型10を型閉じする工程(ステップS4)と、成形型10内を真空吸引する工程(ステップS5)と、成形型10内に樹脂220を注入する工程(ステップS6)と、樹脂220を成形型10内で硬化させる工程(ステップS7)と、成形された樹脂成形品200を成形型10から脱型する工程(ステップS8)と、を有する。以下、各工程について詳述する。なお、ステップS1、S2、S7およびS8の操作を除き、制御部150が各ステップの処理を実行する。
まず、樹脂成形品200のアンダーカット205をなす強化基材210の部位215を入れ子110の副キャビティ116に挿入して、強化基材210に入れ子110を取り付ける(ステップS1)。このとき、副キャビティ116に臨む型内面を、所定の有機溶剤を用いて脱脂処理し、離型剤を用いて離型処理を施しておく。
次に、成形型10に入れ子110を取り付ける(ステップS2)。入れ子110は、強化基材210に取り付けられた状態において成形型10に取り付けられる。入れ子110を成形型10に取り付けることによって、成形型10と入れ子110とによって熱硬化性の樹脂220が注入されるキャビティ15を形成する。
次に、成形型10のキャビティ15内に強化基材210を配置してプリフォームする(ステップS3)。このとき、上述したのと同じように、キャビティ15に臨む型内面を所定の有機溶剤を用いて脱脂処理し、離型剤を用いて離型処理を施しておく。
次に、成形型10を型閉じする(ステップS4)。本実施形態では、プレス部20により成形型10に型締圧力Pを負荷することにより成形型10の上型11と下型12とが接近して型閉じが進行する。成形型10の型閉じが完了したか否かは、センサ60からの信号に基づいて判断される。
次に、吸引部50によって成形型10のキャビティ15内を吸引することによって真空引きを行い、キャビティ15内を真空状態にする(ステップS5)。真空引きを行うことによって、表面に発生する気泡を防止し、樹脂成形品200である複合材料のボイドやピットを減らすことができ、複合材料の機械的特性や意匠性を向上させることができる。
次に、成形型10内に樹脂220を注入する(ステップS6)。樹脂220の注入はミキシングヘッド30を使用して行われる。樹脂220の注入前から注入完了後まで、成形型10の温調配管16には熱硬化性の樹脂220の硬化反応が生じる第1温度T1以上の流体が流通される。これにより、成形型10内に注入された樹脂220に硬化反応が生じる。
成形型10内に樹脂220を注入する際には、入れ子110に設けた凸部111によって入れ子110と成形型10との間に形成した隙間115に、キャビティ15に注入された樹脂220の一部を流入させる(図3参照)。そして、隙間115に流入させた熱硬化性の樹脂220の硬化反応熱によって当該樹脂220を劣化させる。
また、本実施形態では、入れ子110を取り外す際に成形型10と入れ子110との間に入り込んだ樹脂220にせん断力を作用させる成形型の面P2と入れ子の面P1との間に凸部111によって形成した隙間115に、キャビティ15に注入された樹脂220の一部を流入させる(図3参照)。
また、本実施形態にあっては、ヒーター160を使用して、成形型10と入れ子110との間に入り込んだ樹脂220を加熱することによって樹脂220をさらに劣化させる。
成形型10内に樹脂220を注入した後、キャビティ15内の樹脂220が十分硬化するまで放置する(ステップS7)。
成形型10を開き、成形された樹脂成形品200を脱型する(ステップS8)。樹脂成形品200の脱型と合わせて、成形型10に取り付けられた入れ子110も取り外す。
上述したように、本実施形態では、成形型10と入れ子110との間に形成された隙間115に流入させた樹脂220の硬化反応熱によって当該樹脂220を劣化させている。これにより、当該樹脂220の接着力が低減して、成形型10から入れ子110を容易に取り外すことができる。
また、上述したように、本実施形態では、入れ子110を取り外す際に成形型10と入れ子110との間に入り込んだ樹脂220にせん断力を作用させる成形型の面P2と入れ子の面P1との間に凸部111によって形成した隙間115に、キャビティ15に注入された樹脂220の一部を流入させている(図3参照)。これにより、入れ子110を取り外す際にせん断力が作用される樹脂220の劣化を促進して接着力を低減させることができる。上述したように、樹脂220の接着力は、当該樹脂220をせん断する方向X(図5参照)に当該樹脂220によって接着されている物体を引きはがそうとするときに大きくなる。そのため、入れ子110を取り外す際にせん断力が作用される樹脂220の接着力を低減させることにより、成形型10から入れ子110をさらに容易に取り外すことができる。
また、本実施形態では、入れ子110に設定した抜き勾配θ1およびθ2によって、入れ子110を取り外す際に成形型10と入れ子110との間に入り込んだ樹脂220に作用するせん断力の方向X(図5参照)と当該入れ子110を取り外す方向Yとを異ならせている。これにより、入れ子110を取り外す際に、成形型10と入れ子110との間に形成された隙間115に流入した樹脂220にはせん断方向Xに力が作用しにくい。そのため、成形型10から入れ子110をさらに容易に取り外すことができる。
また、本実施形態では、ヒーター160を使用して、成形型10と入れ子110との間に入り込んだ樹脂220を加熱することによって樹脂220をさらに劣化させている。これにより、成形型10から入れ子110をさらに容易に取り外すことができる。
さらに、本実施形態では、凸部111を入れ子110に設けることによって、成形型10と入れ子110との間に2mm以上の隙間115を形成している。これにより、上述したように、成形型10と入れ子110との間に形成された隙間115に流入した樹脂220をより確実に高温にできる。その結果、当該樹脂220の劣化がより確実に促進されて、成形型10から入れ子110をさらに容易に取り外すことができる。
樹脂成形品200を脱型した後に、樹脂成形品200のアンダーカット205から入れ子110を取り外す。
(作用・効果)
本実施形態に係る成形装置100は、開閉可能な成形型10と、成形型10に着脱自在に取り付けられ、成形型10とともに熱硬化性の樹脂220が注入されるキャビティ15を形成する少なくとも1つの入れ子110と、を有する。入れ子110には、成形型10と当該入れ子110との間に隙間115を形成する凸部111が設けられている。
このように構成した成形装置100および成形装置100を使用する成形方法によれば、成形型10と入れ子110との間に流入する樹脂220の量を増加させることができる。これにより、当該樹脂220の硬化反応熱が増加することにより当該樹脂220が高温になり、当該樹脂220の劣化が促進される。その結果、当該樹脂220が硬化することによって生じる接着力を低減できる。従って、成形型10に取り付けられた入れ子110を容易に取り外すことが可能な熱硬化性の樹脂220を用いた樹脂成形品200の成形装置100を提供できる。
本実施形態に係る成形装置100において、凸部111は、入れ子110において、当該入れ子110を取り外す際に隙間115に流入した樹脂220にせん断力を作用させる面P1に設けられている。
このように構成した成形装置100および成形装置100を使用する成形方法によれば、入れ子110を取り外す際にせん断力が作用される樹脂220の劣化を促進して接着力を低減させることができる。樹脂220の接着力は、当該樹脂220をせん断する方向に当該樹脂220によって接着されている物体を引きはがそうとするときに大きくなる。そのため、当該構成によれば、成形型10に取り付けられた入れ子110をさらに容易に取り外すことができる。
本実施形態に係る成形装置100において、入れ子110には、成形型10から当該入れ子110を取り外すための抜き勾配θ1およびθ2が設定されている。
このように構成した成形装置100および成形装置100を使用する成形方法によれば、成形型10と入れ子110との間に入り込んだ樹脂220をせん断する方向Xと、入れ子110の取り出し方向Yとを異ならせることができる。上述したように、樹脂220の接着力は、当該樹脂220をせん断する方向に当該樹脂220によって接着されている物体を引きはがそうとするときに大きくなる。そのため、当該構成によれば、成形型10に取り付けられた入れ子110をさらに容易に取り外すことができる。
本実施形態に係る成形装置100は、成形型10と入れ子110との間に流入した樹脂220を加熱するヒーター160をさらに有する。
このように構成した成形装置100および成形装置100を使用する成形方法によれば、成形型10と入れ子110との間に流入した樹脂220の温度を高めることができるから当該樹脂220の劣化をさらに促進できる。これにより、成形型10に取り付けられた入れ子110をさらに容易に取り外すことができる。
本実施形態に係る成形装置100において、凸部111によって形成される隙間115の大きさhは2mm以上である。
このように構成した成形装置100および成形装置100を使用する成形方法によれば、成形型10と入れ子110との間に形成された隙間115に流入した樹脂220と当該成形型10との接触面積に対する当該樹脂220の体積の比が大きくなる。これにより、成形型10と入れ子110との間に形成された隙間115に流入した樹脂220をより確実に高温にできる。そのため、当該樹脂220の劣化をより確実に促進できる。その結果、成形型10に取り付けられた入れ子110をさらに容易に取り外すことができる。
以上、実施形態を通じて熱硬化性の樹脂220を用いた樹脂成形品200の成形装置100および成形方法を説明したが、本発明は実施形態において説明した構成のみに限定されることはなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
例えば、上述した実施形態では、成形型と入れ子との間に隙間を形成する凸部は、入れ子に設けられた。しかしながら、成形型と入れ子との間に隙間を形成する凸部は、成形型に設けてもよい。当該構成によっても、上述した実施形態に係る成形装置および成形方法と同様の効果を奏することは当業者にとって明らかである。
また、成形型からの入れ子の取り出しを自動化するために、入れ子をスライドコアにしてもよい。
10 成形型、
15 キャビティ、
16 温調配管、
20 プレス部、
30 ミキシングヘッド、
40 供給機、
50 吸引部、
60 センサ、
100 成形装置、
110 入れ子、
111 凸部、
115 隙間、
150 制御部、
160 ヒーター、
200 樹脂成形品、
205 アンダーカット、
210 強化基材、
P1 面、
X せん断方向、
Y 取り出し方向、
θ1、θ2 抜き勾配。

Claims (10)

  1. 開閉可能な成形型と、
    前記成形型に着脱自在に取り付けられ、前記成形型とともに熱硬化性の樹脂が注入されるキャビティを形成する少なくとも1つの入れ子と、を有し、
    前記成形型と前記入れ子との間に隙間を形成する凸部が当該入れ子または当該成形型に設けられている、熱硬化性の樹脂を用いた樹脂成形品の成形装置。
  2. 前記凸部は、前記入れ子または前記成形型において、当該入れ子を取り外す際に前記成形型と前記入れ子との間に入り込んだ前記樹脂にせん断力を作用させる面に設けられている、請求項1に記載の成形装置。
  3. 前記入れ子には、前記成形型から当該入れ子を取り外すための抜き勾配が設定されている、請求項1または請求項2に記載の成形装置。
  4. 前記成形型と前記入れ子との間に入り込んだ前記樹脂を加熱するヒーターをさらに有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の成形装置。
  5. 前記凸部によって形成される前記隙間の大きさは2mm以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の成形装置。
  6. 開閉可能な成形型と、当該成形型に取り付けられた入れ子と、によって熱硬化性の樹脂が注入されるキャビティを形成し、
    前記入れ子または前記成形型に設けた凸部によって当該入れ子と当該成形型との間に形成した隙間に、前記キャビティに注入された前記樹脂の一部を流入させ、
    前記隙間に流入させた前記樹脂の硬化反応熱によって当該樹脂を劣化させる、熱硬化性の樹脂を用いた樹脂成形品の成形方法。
  7. 前記入れ子を取り外す際に前記成形型と前記入れ子との間に入り込んだ前記樹脂にせん断力を作用させる前記成形型の面と前記入れ子の面との間に前記凸部によって形成した前記隙間に、前記キャビティに注入された前記樹脂の一部を流入させる、請求項6に記載の熱硬化性の樹脂を用いた樹脂成形品の成形方法。
  8. 前記入れ子に設定した抜き勾配によって、前記入れ子を取り外す際に前記成形型と前記入れ子との間に入り込んだ前記樹脂に作用するせん断力の方向と当該入れ子を取り外す方向とを異ならせる、請求項6または請求項7に記載の成形方法。
  9. 前記成形型と前記入れ子との間に入り込んだ前記樹脂を加熱することによってさらに劣化させる、請求項6〜8のいずれか1項に記載の成形方法。
  10. 前記凸部を設けることによって、前記成形型と前記入れ子との間に2mm以上の前記隙間を形成する、請求項6〜9のいずれか1項に記載の成形方法。
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