JP2009196236A - 熱可塑性樹脂成形体の製造方法及び熱可塑性樹脂成形体 - Google Patents

熱可塑性樹脂成形体の製造方法及び熱可塑性樹脂成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】機械的強度や外観形状が改善された繊維強化熱可塑性樹脂成形体を提供することが可能な繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】キャビティを形成するキャビティ面を有する一対の金型のうち、少なくとも片方の金型のキャビティ面を加熱手段により加熱する加熱工程と、少なくともこの加熱工程により加熱された前記金型のキャビティ面と対向する位置に、多孔性シートを配置して熱可塑性樹脂を供給する供給工程と、供給された前記熱可塑性樹脂を冷却する冷却工程と、を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂成形体の製造方法及びこの製造方法により得られる熱可塑性樹脂成形体に関する。具体的には多孔性シートを含浸する繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法に関する。
多孔性シートが含浸されている繊維強化熱可塑性樹脂成形体は、自動車外板パネル、自動車用構造材、バッテリートレイ等の自動車部品、アクセス・ブロア等の建築用材料等、幅広く用いられている。この繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法としては、短繊維を含有した短繊維含有ペレットを用いて射出成形等の一般的成形法に得る方法や、多孔性繊維質シートを金型内に置き、溶融樹脂を繊維質シートの間に供給し、樹脂供給圧力又はプレス圧力により、繊維質シートの表面まで溶融樹脂を浸透させ成形する方法等が挙げられる(特許文献1参照)。
特開平02−209212号公報
しかしながら、いずれの方法により繊維強化熱可塑性樹脂成形体の機械的強度や外観形状については更なる改良が求められている。
以上の課題に鑑み、本発明では機械的強度や外観形状が改善された繊維強化熱可塑性樹脂成形体を提供することが可能な繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、下記の構成を採用することにより本発明の目的を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には以下のようなものを提供する。
すなわち、本発明は、キャビティを形成するキャビティ面を有する一対の金型のうち、少なくとも片方の金型のキャビティ面を加熱手段により加熱する加熱工程と、
少なくともこの加熱工程により加熱された前記金型のキャビティ面と対向する位置に、多孔性シートを配置して熱可塑性樹脂を供給する供給工程と、
供給された前記熱可塑性樹脂を冷却する冷却工程と、を有する熱可塑性樹脂成形体の製造方法及びこの製造方法により得られる繊維強化熱可塑性樹脂成形体を提供するものである。
本発明によれば、機械的強度や外観形状が改善された繊維強化熱可塑性樹脂成形体を提供することが可能である。
繊維強化熱可塑性樹脂成形体(以下、単に成形体という)は、加熱工程と、供給工程と、冷却工程と、を有する。以下詳細に説明する。
[加熱工程]
加熱工程は、キャビティを形成するキャビティ面を有する一対の金型のうち、少なくとも片方の金型のキャビティ面を加熱手段により加熱する工程である。
加熱工程を設けることにより、後の供給工程により供給された熱可塑性樹脂が急激に冷却されてしまうことを防止することが可能となる。これにより外観形状が良好な成形体を提供することが可能となる。
加熱方法としては、金型内部に形成された金属管に熱水やスチーム等の熱媒を通して加熱する方法や、ヒータが内部に組み込まれた金型を用いて加熱する方法、金型の外部に加熱手段を設けて加熱する方法等が挙げられる。このうち、成形品外観に転写されるキャビティ面を直接加熱できるという理由で金型の外部に加熱手段を設けて加熱する方法を用いることが好ましい。また、加熱手段としては、電気ヒータ、高周波誘導加熱等が挙げられる。このうち所望の位置を容易に短時間で加熱することが可能な高周波誘導加熱が可能な加熱コイルを用いて加熱することがより好ましい。
キャビティ面の加熱は、一対の金型のうちの少なくとも片方の金型のキャビティ面であればよいが、両方の金型のキャビティ面を加熱してもよい。
キャビティ面を加熱する温度は、使用する熱可塑性樹脂の種類によって異なるが、キャビティ内に熱可塑性樹脂を供給する時点において、加熱前と比べて20℃以上高い温度であることが好ましく、供給される熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度以上、当該荷重たわみ温度よりも50℃高い温度以下であることが好ましい。例えば、熱可塑性樹脂としてポリプロピレンを使用した場合、加熱温度は80℃〜140℃であることが好ましい。このため、キャビティ面の表面を加熱した後、加熱コイルを金型外に退避させ、溶融状熱可塑性樹脂を供給するまでの間の温度低下を見込んだ温度になるように加熱する必要がある。なお、この荷重たわみ温度は、JIS K7191−2のB法に従い測定することができる。
また、加熱時間は使用する高周波誘導加熱装置の加熱能力によって異なるが、1秒〜60秒であることが好ましく、1秒〜40秒であることがより好ましい。加熱時間が長くなると生産性が低下してしまうことがある。
以下、本発明に係る成形体の製造方法を図を用いて詳細に説明する。図中、同じ部材は同じ符号を示し、その説明は省略する。
図1は本発明で好ましく使用される金型を示した図である。金型10は、加熱手段として高周波誘導加熱を用いた場合に好ましく使用されるものである。雌型20及び雄型30の雌雄一対からなり、雌型20と雄型30を閉じた状態で、その内部にキャビティ40が形成される。
雄型30は、キャビティ40を形成するキャビティ面31と反対側の面には、当該キャビティ面31を加熱又は冷却するための複数の温度調節通路310が形成され、この温度調節通路310には、熱交換媒体供給装置(図示せず)が接続されている。そしてそのキャビティ面31には、溶融状熱可塑性樹脂をキャビティ40内に供給するための樹脂供給ゲート320が少なくとも1つ設けられている。この樹脂供給ゲート320は、雄型30に形成された樹脂供給通路32に連通している。また、樹脂供給通路32には、熱可塑性樹脂を溶融し所定量だけ射出することのできる射出装置50の射出ノズルが接続されることで、キャビティ40内に溶融状熱可塑性樹脂を供給することができる。
一方雌型20は、キャビティ40を形成するキャビティ面21に電鋳層210を備えている。そしてこの電鋳層210の裏面、即ちキャビティ面21と反対側の面には、複数の金属管220が電鋳層210と当接するように配接されている。これらの金属管220は熱交換媒体供給装置(図示せず)に接続されている。そして金属管220の管内部には、熱交換媒体供給装置から供給された熱媒体又は冷却媒体からなる熱交換媒体が流通する流路が形成されている。
なお、金属管220は、例えば銅のように熱伝導性の高い金属材料から形成されるものである。本実施形態に係る雌型20は、流路の形成に金属管220が用いられているので、取り回しの自由度があり、所望の位置に流路を容易に形成することができる。
また、雌型20には、電鋳層210の裏面及び金属管220を覆うように、断熱部材22が設けられている。この断熱部材22は、例えば熱伝導性の低いエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂材料、セメント等のセラミックス等からなり、雌型20のキャビティ面21の加熱時においては、加熱手段からの熱が、雌型20全体に伝熱することを抑制し、効率的に電鋳層210表面(キャビティ面21)を加熱することができる。また、冷却時においては、電鋳層210からの熱を効率的に金属管220に向けて伝熱させることができ、効率的に電鋳層210(キャビティ面21)を冷却することができる。
また、この図のように雌型20には、この断熱部材22を外側から覆うように枠部材23が設けられている。この枠部材23は、電鋳層210、金属管220及び断熱部材22を保持するものであり、その材質は、電鋳層210、金属管220及び断熱部材22を保持することができれば特に制限されない。
なお、電鋳層210の裏面側に配設した金属管220を用いて流路を形成する以外に、金属板や断熱部材を備えていない金属部材の雌型20の内部に一体的に形成された温度調節通路を用いて流路を形成してもよい。
以上の雌型20及び雄型30からなる一対の金型10は、雄型30をプレス装置(図示せず)の固定盤に固定し、雌型2を可動盤に固定し、駆動装置により可動盤を固定盤の方向に移動することで型締めをすることができる。なお、雌型20を固定盤に固定し、雄型30を可動盤に固定してもよく、また、固定盤を可動盤に変更して、雌型20及び雄型30を双方とも可動できるようにしてもよい。
次いで、加熱手順について説明する。図2(a)に記載されているように、開放状態にある金型間に加熱手段60を外部から挿入する。本実施形態における加熱手段60は、高周波電磁誘導加熱が可能な加熱コイル61と搬送装置62から構成されている。そして、図1(b)に記載されているように、加熱コイル61を雌型20のキャビティ面21に近づけるように移動させて、高周波電磁誘導により雌型20のキャビティ面21を加熱する。
加熱コイル61により加熱する範囲は、キャビティ面21の全面であっても一部であっても構わないが、得られる成形体の表面外観を改善するという観点から、少なくとも多孔性シートが配される位置に対向する面を含む範囲を加熱する必要がある。
本実施形態ではキャビティ面31の加熱は行われていないが、上記と同様の方法によりキャビティ面31の加熱を行ってもよい。その場合、キャビティ面21及び31は同時に加熱されることが好ましい。
加熱されるキャビティ面21の温度は、キャビティ40内に溶融状熱可塑性樹脂を供給する時点において、加熱前と比べて20℃以上高い温度であることが好ましく、供給される熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度以上、荷重たわみ温度よりも50℃高い温度以下であることが好ましい。
なお、加熱コイル61は、キャビティ面21を均一に加熱するために、加熱コイル61を形成する銅管を、キャビティ面21の形状に対応する形状とすることが好ましい。また、加熱コイル61を電気ヒータ等の加熱手段に変更することも可能である。
[供給工程]
供給工程は、少なくとも上記加熱工程により加熱された前記金型のキャビティ面と対向する位置に、多孔性シートを配置して熱可塑性樹脂を供給する工程である。
多孔性シートを配置して熱可塑性樹脂を供給することにより、得られる成形体の機械的強度をより向上させることが可能となる。
熱可塑性樹脂の供給方法は、通常行われている供給方法を用いてもよい。例えば、図3(a)に示されるように、加熱された雌型20及び雄型30を閉じてキャビティ40を形成し、これら雌雄一対の金型10で形成するキャビティ40内に、雄型30に形成された樹脂供給通路32を介して、樹脂供給ゲート320から溶融状の熱可塑性樹脂51を供給していく方法が挙げられる。
その際、雄型30のキャビティ面31の上には多孔性シート330が載置されている。この多孔性シート330は、雄型30と雌型20のそれぞれキャビティ面21,31に対向する位置に複数枚載置されていることが好ましい。多孔性シート330を複数枚載置することにより得られる成形体の機械的強度をより向上させることが可能となる。その際、雄型30のキャビティ面31に対向する多孔性シート330の樹脂供給ゲート320と当接する位置には孔が設けられていることが好ましい。
各樹脂供給ゲート320から供給された溶融状の熱可塑性樹脂51は、まず、樹脂供給圧力により、雌型20のキャビティ面21に対向する多孔性シート330を押し上げる。そしてキャビティ40の中に充填される。キャビティ面21は予め加熱されているため、供給された溶融状の熱可塑性樹脂51は、冷却されることなく、それぞれの多孔性シート330の空隙を通り抜け表面に滲み出すことが可能となる。その結果、得られる成形体に外観不良が発生することを抑制することができる。
ここで、本発明における「多孔性シート」とは、ガラス繊維、カーボン繊維等の繊維からなるシートをいう。
多孔性シートを形成する繊維は、単繊維が直径1μm〜50μm、好ましくは3μm〜40μm、繊維長100mm以下、好ましくは1mm〜50mmの繊維であれば特に限定されるものではない。また単繊維及び数十本から数百本の単繊維を集束剤で集束した集束繊維のいずれも使用することができる。具体的には、ガラス繊維、カーボン繊維、ステンレス繊維等の無機繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維等の有機繊維及び無機、有機繊維、及びこれらの混合物が挙げられる。中でも成形体の機械的強度の観点から、ガラス繊維を用いることが好ましい。また、多孔性シートの厚さは0.2mm〜0.8mmであることが好ましく、0.3mm〜0.5mmであることがより好ましい。多孔性シートを複数枚用いる場合には、全体の厚さが1mm〜10mmであることが好ましく、2mm〜9mmであることがより好ましい。
多孔性シートの製造方法としては、化学的または物理的な方法で結合させる方法が挙げられる。例えば、繊維同士を熱や接着剤により接着する方法や、高圧水流を用いて繊維同士を絡ませる方法が挙げられる。
[型締め工程]
本発明では、供給工程の後に金型を型締めする型締め工程を更に有していてもよい。このときの型締圧力により、多孔性シートの熱可塑性樹脂への浸漬度を高めることが可能となる。また型締めを行うことにより、射出圧力や型締め圧力を低圧化することができ、装置を小型化することが可能となる。また、得られる成形体の外観形状をより向上させることが可能となる。
具体的には、溶融状熱可塑性樹脂51の供給を開始した時点でのキャビティ40は、目的の成形体厚さよりも大きなクリアランスとし、供給開始後に成形体厚みとなるように雌型20を下降させて型締めを行う(図3(b)参照)。
この型締めを行うタイミングは、溶融状熱可塑性樹脂51を供給中又は供給が完了した後のいずれでもよいが、供給完了後に型締めを行う場合には、供給完了後速やかに型締めを開始することが好ましい。なお、図中では図に向かって縦方向に型締めする例を示しているが、型締め方向は縦方向であっても横方向であってもよい。また、熱可塑性樹脂成形体の用途や形状によっては、キャビティ40のクリアランスは、熱可塑性樹脂成形体の厚さと略同一寸法に調整した状態で溶融状熱可塑性樹脂51を供給してもよい。
さらに、溶融状熱可塑性樹脂51の供給を開始した時点では、目的の成形体の厚さよりも小さなクリアランスとし、供給量に応じてクリアランスが大きくなるように雌型20を上昇させてもよい。このとき、クリアランスが成形体厚みよりも大きくなった場合には、成形体厚みとなるように再度型締めを行えばよい。
[冷却工程]
冷却工程は上記供給工程により供給された前記熱可塑性樹脂を冷却する冷却工程である。
各キャビティ面21,31の具体的な冷却方法としては、図3(b)に記載の雌型20内に設けられた金属管220及び雄型30内に形成された温度調節通路310内に、例えば水のような冷却媒体を流通させて、キャビティ面21,31をそれぞれ冷却する方法が挙げられる。
なお、冷却時間としては、成形体を取り出したときに、変形しない温度となっていることが好ましい。具体的には、1秒〜60秒であることが好ましく、1秒〜40秒であることがより好ましい。冷却時間を上記の範囲とすることにより生産性の低下を防止することが可能となる。
上記のような工程を経た後は装置の可動盤を動かし、キャビティを開き、中から得られた成形体を取り出す。
以上の工程により本発明に係る成形体を得ることが可能となる。
ここで、本発明に係る製造方法において使用可能な熱可塑性樹脂としては、圧縮成形、射出成形、押出成形等で通常使用される熱可塑性樹脂が挙げられる。このような樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエンブロック共重合体、ポリスチレン、ナイロン等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体等の一般的な熱可塑性樹脂、エチレン・プロピレンゴム(EPM、EPDM)等の熱可塑性エラストマー、これらの混合物、及びこれらを用いたポリマーアロイ等が挙げられる。
また、これらの熱可塑性樹脂は、必要に応じて通常使用される無機、有機フィラー等の充填材等を含有していてもよい。また、通常使用される各種の顔料、滑材、帯電防止剤、安定剤等の各種添加剤を含有していてもよい。
本発明に係る方法により得られた成形体は、自動車外板パネル、自動車用構造材、バッテリートレイ等の自動車部品、アクセス・ブロア等の建築用材料等に好適に用いることが可能である。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中の成形品の試験法は、以下の通りである。
曲げ試験:ASTM D790に従って測定した。
Izod試験:ASTM D256に従って測定した。
成形品の表面外観:目視により、成形品表面のガラス繊維の露出度合いを評価し、露出がほとんどない場合を○、露出がいくらかある場合を△、露出が多く見られる場合を×とした。
[実施例1]
横供給の射出部をもつ、100トンの型締力を有する竪型プレス成形機を使用し、成形テストを実施した。金型は雄型、雌型から成り、雄型の中央部に直径5mmの溶融樹脂の直接金型内供給口をもつ、製品肉厚2.5mm、製品寸法800mm長さ×600mm巾のトランクリッドの型を用いた。
多孔性繊維質シートとしては、ガラス長繊維を集束したロービングを方向性がないように重ねあわせてシートとした日本バイリーン株式会社製VH−4260を用いた。この繊維質シートを20枚重ね(厚さ8.4mm)、下側10枚(厚さ4.2mm)の繊維質シートの、金型の溶融樹脂供給口の位置に直径20mmの穴を作成し、雄金型上に載置した。そして、雌型キャビティの中央部付近(溶融状熱可塑性樹脂の合流部付近)を含む幅400mmの範囲を、高周波発信周波数20kHz、出力50kWの高周波誘導加熱装置を用いて、130℃の加熱コイルにより加熱した。加熱後の金型の温度は、雌型が130℃であり、雄型が50℃であった。
その後、繊維質シートの穴を通して繊維質シートの層間に溶融した熱可塑性樹脂(住友化学(株)製、住友ノーブレンAX568(ポリプロピレン樹脂、メルトフローインデックス65g/10分)100重量部に住友ノーブレンMPE331を5重量部加えたもの)を供給し、成形を行った。得られた成形体の外観や物性の評価結果を以下に示す。
[比較例1]
加熱工程を行わずに、雄型及び雌型の金型温度を50℃とした以外は実施例1と同一条件で成形し、外観、成形品の物性を実施例で得られた成形品と比較評価した。その結果を以下に示す。
[比較例2]
金型温度を90℃とした以外は実施例1と同一条件で成形し、外観、成形品物の性を実施例で得られた成形品と比較評価した。その結果を以下に示す。

Figure 2009196236
本発明に係る成形体の製造方法で好ましく使用される金型の断面を示した図である。 加熱工程の手順を示した図である。 供給工程において、熱可塑性樹脂の供給開始から供給完了までの様子を示した図である。
符号の説明
10 金型
20 雌型
21、31 キャビティ面
22 断熱部材
23 枠部材
210 金属板
220 金属管
30 雄型
32 樹脂供給通路
310 温度調節通路
320 樹脂供給ゲート
330 多孔性シート
40 キャビティ
50 射出装置
51 溶融状熱可塑性樹脂
60 加熱手段
61 加熱コイル
62 搬送装置

Claims (5)

  1. キャビティを形成するキャビティ面を有する一対の金型のうち、少なくとも片方の金型のキャビティ面を加熱手段により加熱する加熱工程と、
    少なくともこの加熱工程により加熱された前記金型のキャビティ面と対向する位置に、多孔性シートを配置して熱可塑性樹脂を供給する供給工程と、
    供給された前記熱可塑性樹脂を冷却する冷却工程と、を有する熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  2. 前記供給工程において、前記加熱工程により加熱された前記金型のキャビティ面の温度は、前記熱可塑性樹脂荷重たわみ温度以上、前記熱可塑性樹脂荷重たわみ温度よりも50℃高い温度以下である請求項1に記載の熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  3. 前記供給工程において、前記多孔性シートは複数枚重ねて配置されるものであり、前記熱可塑性樹脂は、各多孔性シートの間から供給されるものである請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  4. 前記供給工程の後に前記一対の金型を型締めする型締め工程を更に有する請求項1から3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  5. 請求項1から4いずれかに記載の方法により得られる熱可塑性樹脂成形体。
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