JP2020032535A - 繊維強化プラスチック成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形形状の自由度が高く、表面平滑性に優れた繊維強化プラスチック成形品を効率的かつ経済的に製造できる繊維強化プラスチック成形品の製造方法を提供する。【解決手段】加熱により膨張する熱可塑性の固形物1を含む中子3Aと、中子3Aの周囲に配置され、熱硬化性樹脂と繊維とを含むプリプレグ5と、プリプレグ5と中子3Aとの間に配置されたプレッシャープレート4A,4Aとを有する成形前駆体6Aを、成形用金型10Aにより加熱する、繊維強化プラスチック成形品の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、繊維強化プラスチック成形品の製造方法に関する。
中空形状、U字状等の繊維強化プラスチック(FRP;Fiber Reinforced Plastics)成形品は、航空機の胴体や翼等の大型ものものから、自転車のフレーム、テニスラケット、釣竿やゴルフシャフト等の小型のものまで幅広く利用されている。
中空形状、U字状等の繊維強化プラスチック成形品の製造方法としては、繊維(フィラメント)に樹脂を含浸させたプリプレグを中子の周囲に配置して成形を行った後に、前記中子を取り除く方法が知られている。例えば、熱可塑性の固形物を含む中子の周囲にプリプレグを配置した成形前駆体を加熱圧縮成形する方法が提案されている(特許文献1)。
また、凹凸面を有する繊維強化プラスチック成形品の製造方法として、プリプレグを用いた圧縮成形が知られている。例えば、長繊維に熱硬化樹脂を含浸したプリプレグを上型と下型からなる金型に配置した後、金型を閉じて圧縮成形し、凹凸面を有する成形品を製造する方法が提案されている(特許文献2)。
国際公開第2018/079824号 特開昭61−43540号公報
特許文献1の方法では、成形の際における熱可塑性の固形物の溶融物の流動等に起因して、繊維強化プラスチック成形品の中子側のプリプレグの表面に繊維の凹凸が現れる可能性がある。そのため、繊維強化プラスチック成形品の表面平滑性が損なわれる可能性がある。
特許文献2の方法では、成形品の底部分と同等の圧力を成形品の壁部分に、底部分と同時に一工程でかけることが難しく、特に壁部分の成形不良を招く可能性がある。そのため、成形品の成形形状の設計の自由度が制限され、製造効率が低下するおそれがある。
そして、繊維強化プラスチック成形品の製造においては、効率的かつ経済的に成形品を製造することが求められている。
本発明は、成形形状の自由度が高く、表面平滑性に優れた繊維強化プラスチック成形品を効率的かつ経済的に製造できる繊維強化プラスチック成形品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成を有する。
[1] 加熱により膨張する熱可塑性の固形物を含む中子と、前記中子の周囲に配置され、熱硬化性樹脂と繊維とを含むプリプレグと、前記プリプレグと前記中子との間に配置されたプレッシャープレートとを有する成形前駆体を、成形用金型により加熱する、繊維強化プラスチック成形品の製造方法。
[2] 前記成形前駆体が前記プリプレグで形成される底板と、前記底板に略直交し、前記プリプレグで形成される壁板とを有する、[1]の繊維強化プラスチック成形品の製造方法。
[3] 前記成形前駆体が前記壁板を2以上有する、[2]の繊維強化プラスチック成形品の製造方法。
本発明の繊維強化プラスチック成形品の製造方法によれば、成形形状の自由度が高く、表面平滑性に優れた繊維強化プラスチック成形品を効率的かつ経済的に製造できる。
第1実施形態の繊維強化プラスチック成形品の製造方法における加熱圧縮成形を示した模式断面図である。 第2実施形態の繊維強化プラスチック成形品の製造方法における加熱圧縮成形を示した模式断面図である。 第3実施形態の繊維強化プラスチック成形品の製造方法における加熱圧縮成形を示した模式断面図である。 第4実施形態の繊維強化プラスチック成形品の製造方法における加熱圧縮成形を示した模式断面図である。 第5実施形態の繊維強化プラスチック成形品の製造方法における加熱圧縮成形を示した模式断面図である。
本発明の繊維強化プラスチック成形品の製造方法は、成形前駆体を成形用金型により加熱することによって、繊維強化プラスチック成形品を得る方法である。本発明において成形前駆体は、中子とプリプレグとプレッシャープレートとを有する。中子は加熱により膨張する熱可塑性の固形物を含む。
本発明においては、成形前駆体を加熱することで熱可塑性の固形物を膨張させて、中子の内圧を高めることで、プレッシャープレートを介してプリプレグを加熱しながら圧縮する。その結果、プリプレグが硬化し、プリプレグが加熱圧縮成形される。
熱可塑性の固形物を膨張させる際には、熱可塑性の固形物の少なくとも一部を溶融させて中子の内圧をさらに高めてもよい。
本発明において、中子は加熱により膨張する熱可塑性の固形物を含む。中子は熱可塑性の固形物の周囲に形成されたバリア層をさらに含むことが好ましい。
熱可塑性の固形物は、加熱により体積が膨張する固体物質であれば特に限定されない。熱可塑性の固形物は、中空形状やU字状等の繊維強化プラスチック成形品を製造する際に用いる中子としてそのまま使用してもよい。熱可塑性の固形物は、常温(20℃)に代表される加熱加圧成形前の雰囲気温度下では可塑性を示さないが、加熱圧縮成形時には軟化又は溶融し、自由に変形する性質を持つ物質から構成される。
熱可塑性の固形物を構成する物質としては、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂;スズ、インジウム等の低融点金属:はんだ、ウッド合金、ローズ合金、リポヴィッツ合金、ニュートン合金等の易融合金:低融点ガラス等が挙げられる。これらの中でも、プリプレグの成形温度以下の融点を有することができるとともに、所望の形状への加工が容易であり、かつ密度が低く、上記の成形前駆体を軽量化できる点でワックスが好ましい。
ワックスとしては、パラフィンワックス等の天然ワックス;フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワックスを適宜選択して使用できる。これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、成形後のワックスの除去が容易となる傾向にあることから、ロストワックス鋳造(lost−wax casting)用ワックスが好ましい。
中子が熱可塑性の固形物の周囲に形成されたバリア層をさらに含む場合、熱可塑性の固形物の溶融物が、加熱圧縮成形中に成形前駆体の表面から漏出することを防止でき、成形物の外観や形状をさらに良好に保つことができる。
バリア層としては、可撓性袋体、コーティング材等が挙げられる。バリア層はプリプレグの表面及び/又は熱可塑性の固形物の表面に形成させることができる。複雑な形状への成形性や成形物の外観が良好となる傾向にあるため、バリア層は熱可塑性の固形物の表面に形成することが好ましい。
バリア層の厚みは、可撓性を有し、加熱圧縮成形中に成形体に影響する破れが生じない範囲で適宜設定すればよく、例えば、1mm以下としてもよい。バリア層の厚みの下限については特に制限はないが、最低限の強度を確保する観点から0.01mm以上であることが好ましい。
可撓性袋体としては、可撓性を有するものであればよく、例えば、ナイロンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、フッ素樹脂フィルム、シリコンゴム等で形成した袋体が挙げられる。
コーティング材としては、熱可塑性の固形物の周囲に定着させ、可撓性を有するものであればよく、例えばアクリルやシリコーンを主成分とした液体ゴムが挙げられる。
コーティング材は、加熱圧縮成形する際に溶融して熱可塑性の固形物の周囲に膜を形成するものでもよい。例えば、ナイロンの抄紙を熱可塑性の固形物の周囲に配置しておき、加熱圧縮成形時にこれを溶融させることによってバリア層を形成させることができる。さらに液体ゴムとこの抄紙を併用することも可能である。
特に、バリア層としてコーティング材を使用する場合には、バリア層の継ぎ目をなくすことができ、繊維強化プラスチック成形品にバリア層の継ぎ目が転写されにくく、繊維強化プラスチック成形品の外観がさらに優れる。
本発明では、熱可塑性の固形物の周囲に形成されたバリア層の外面に離型剤を塗布する等の離型処理を行うか、又はバリア層を二重にすることが好ましい。これにより、加熱圧縮成形後に、熱可塑性の固形物が付着したバリア層を含む中子を繊維強化プラスチック成形品から容易に取り出すことができる。
プリプレグは、熱硬化性樹脂と繊維とを含む。プリプレグは、必要に応じて、熱硬化性樹脂及び繊維以外の任意成分(添加剤)をさらに含んでもよい。
プリプレグ(成形用複合材料)の具体例としては、例えば、繊維を一方向に引き揃えたUD(uni−directional)材、繊維を製織したクロス材、繊維からなる不織布や繊維をチョップしたSMC(sheet molding compound)等の繊維強化材に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させたシート状のプリプレグが挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、フェノール樹脂等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
繊維としては、特に限定されず、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、金属繊維等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも繊維としては、性能発現の観点から、炭素繊維が好ましい。
プリプレグの任意成分(添加剤)の具体例としては、難燃剤(例えばリン含有エポキシ樹脂や赤燐、ホスファゼン化合物、リン酸塩類、リン酸エステル類等)、シリコーンオイル、湿潤分散剤、消泡剤、脱泡剤、離型剤(例えば、天然ワックス類、合成ワックス類、直鎖脂肪酸の金属塩、酸アミド、エステル類、パラフィン類等)、粉体(例えば、結晶質シリカ、溶融シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナ、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム等)、ガラス繊維、炭素繊維等の無機充填剤、カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤、シランカップリング剤等が挙げられる。
プリプレグ全質量に対する熱硬化性樹脂の含有量(以下、「樹脂含有量」という。)は、15〜50質量%が好ましく、20〜45質量%がより好ましく、25〜40質量%がさらに好ましい。樹脂含有量が15質量%以上であれば、繊維と熱硬化性樹脂との接着性を充分確保することができ、樹脂含有量が50質量%以下であれば難燃性がより向上する。
プリプレグ全質量に対する任意成分の含有量は、0〜25質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましく、1〜15質量%がさらに好ましい。
プレッシャープレートは、繊維強化プラスチック成形品の表面平滑性を確保し、金型の上下方向以外の方向にもプリプレグに圧力をかけるための板である。プレッシャープレートとしては、加熱圧縮成形の際に表面状態が変化しないものが望ましい。
プレッシャープレートの材質としては、ステンレス、炭素鋼、セラミックス、アルミニウム、チタン、クロム又はこれらの合金からなる群より選択して用いることが可能である。あるいは、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、マレイミド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
プレッシャープレートの材質は、熱可塑性樹脂でもよい。熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、ポリアミド樹脂(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロンMXD6等)、ポリオレフィン樹脂(低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等)、変性ポリオレフィン樹脂(変性ポリプロピレン樹脂等)、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリカーボネート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、アクリロニトリルとスチレンの共重合体、ナイロン6とナイロン66の共重合体等が挙げられる。
プレッシャープレートの材質は繊維強化プラスチック(FRP;Fiber Reinforced Plastics)でもよい。プレッシャープレートとして使用するFRPの繊維の種類としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、炭化珪素繊維、高強度ポリエチレン、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維、ナイロン繊維、ステンレススチール繊維等が挙げられる。
これらの中でも、薄肉で加工しやすい点から、プレッシャープレートの材質はアルミ又はステンレスが好ましい。
以下、本発明の繊維強化プラスチック成形品の製造方法の実施形態例について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図の寸法等は一例であり、本発明は各図に示したものに必ずしも限定されず、発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。また、図2〜5において、図1と同一の構成要素及び互いに同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する場合がある。
<第1実施形態>
本実施形態ではフレーム等に用いられるU字断面形状の繊維強化プラスチック成形品を製造する場合を一形態例として説明する。
本実施形態の繊維強化プラスチック成形品の製造方法は、下記の成形工程と取出し工程とを有する。
成形工程:成形前駆体を加熱し、成形用金型により熱可塑性の固形物を加熱し、熱可塑性の固形物の体積を膨張させながらプリプレグを加熱圧縮成形する工程。
取出し工程:プリプレグの加熱圧縮成形物から中子とプレッシャープレートとを外す工程。
(成形工程)
図1は、本実施形態の繊維強化プラスチック成形品の製造方法における加熱圧縮成形を示した模式断面図である。
成形用金型10Aは、U字断面状の繊維強化プラスチック成形品を製造するためのものであり、下型12と上型14Aとを備える。下型12の上面側には凹部13が形成されている。上型14Aは下型12を覆うような矩形となっている。成形用金型10Aにおいては、下型12と上型14Aとを近接させて型閉めすることで、内部に目的の繊維強化プラスチック成形品の形状と相補的な形状のキャビティが形成される。キャビティには成形前駆体6Aが載置されている。
成形用金型10Aは開閉機構を備えていれば充分であり、高圧プレス機を採用していなくてもよい。つまり、下型12と上型14Aとを互いに近接させて型締めした段階では、成形前駆体6Aにかかる圧力は必ずしも充分に高くなくてもよい。型閉めの段階で成形前駆体6Aにかかる圧力が不充分であっても、成形工程でワックス1が溶融して中子3Aの内圧が高まることで、成形前駆体6A(プリプレグ5)に充分な圧力がかかる。そのため、成形不良が起きることを抑制でき、寸法精度の高い繊維強化プラスチック成形品が得られる。
成形前駆体6Aは、ワックス1をバリア層2内に収容した中子3Aと、2枚のプレッシャープレート4A,4Aと、プレッシャープレート4A,4Aの周囲に配置されたプリプレグ5とを有する。
プレッシャープレート4A,4Aは、成形前駆体6Aにおいてプリプレグ5と中子3Aとの間に配置されている。2枚のプレッシャープレート4A,4AはL字状である。そして、プレッシャープレート4A,4Aは、互いに対向して配置されている。
プレッシャープレート4A,4Aは、中子3Aの底面と側壁面に沿って配置されている。すなわち、プレッシャープレート4A,4Aの形状は、中子3Aの外形のうち中子3Aの周囲にプリプレグ5が配置されている部分に沿っている。
本実施形態では、ワックス1の加熱膨張による形状の変化に追随できるように、プレッシャープレートは2枚の分割されたプレッシャープレート4A,4Aから構成されている。ただし、後述の第3実施形態〜第5実施形態のようにプレッシャープレートは、1枚の一体的な形状でもよい。プレッシャープレートが本実施形態のように複数に分割されている場合、プレッシャープレートの継ぎ目で成形品に段差等ができる可能性がある。そのため本実施形態ではプレッシャープレート4A,4Aの板厚は薄い方が好ましい。
本実施形態のようにプリプレグ5の断面の形状が開断面(U字断面)である場合、後述の底板7と壁板8Aとの両方に同等の圧力をかけるために、L字形状のプレッシャープレート4A,4Aを使用する。
成形工程では、まず、成形用金型10Aにより成形前駆体6Aを加熱する。ワックス1は加熱により膨張する。そのため、成形工程では中子3Aの内圧が高まる。また、バリア層2内でワックス1が溶融すると、ワックス1が流動し、中子3Aの内圧が全体で均一になる。
成形前駆体6Aにおいては、プレッシャープレート4A,4Aが、プリプレグ5と中子3Aとの間に配置されているため、中子3Aの内圧が均一になると、成形用金型10Aの上型14Aと下型12とを閉じる上下方向以外の方向にも、プレッシャープレート4A,4Aを介して圧力がプリプレグ5に均一にかかる。これによりプリプレグ5が加熱圧縮成形され、繊維強化プラスチック成形品が得られる。
このように成形工程では加熱によって中子3Aの内圧を高めることで、プリプレグ5を加熱圧縮成形する。そのため、中子3Aとプリプレグ5の間や、プリプレグ5と成形用金型10Aの成形面の間に空隙が存在した状態でプリプレグ5の硬化が進行することを抑制できる。その結果、成形品にボイド等の空隙が生じにくくなる。
また、加熱圧縮成形前には熱可塑性の固形物が軟化し難く中子の形状が安定するため、加熱圧縮成形前にプリプレグにシワが生じることが少なくなる。そのため、繊維強化プラスチック成形体にシワができることを抑制できる。
成形前駆体6Aは、プリプレグ5で形成される底板7と、底板7に直交し、プリプレグ5で形成される壁板8A,8Aとを有する。本実施形態では、ワックス1の体積が加熱によって膨張し、中子3Aの内圧が高まった状態で、圧力がプレッシャープレート4A,4Aを介してプリプレグ5に均一にかかる。そのため、壁板8A,8Aに底板7と同等の圧力を底板7と同時に加えることが可能である。このように底板7に圧力を加えながら壁板8Aに底板7と同等の圧力を加えることで、繊維強化プラスチック成形品を効率よく製造できる。なお、底板7と壁板8A,8Aとは必ずしも直交していなくてもよく、略直交していればよい。底板7と壁板8A,8Aとの角度は、中子3Aの加工形状次第であり、自由に設定できる。
中子3Aを作製する方法としては、特に限定されず、例えば、事前に型で成形したワックス1を、可撓性袋体を形成するフィルムで覆い、該フィルムの端部同士を接着するか熱融着してバリア層2を形成し、ワックス1を密封して中子3Aとする方法が挙げられる。
中子3Aを形成する方法として、シュリンクチューブ内にワックス1を入れ、該シュリンクチューブの両端部を熱融着してバリア層2を形成して中子3Aとする方法を採用してもよい。シュリンクチューブを用いる方法は、バリア層2がワックス1の形状に添い易く、容易に密封できる点で有利である。
あるいは、ブロー成形して得たバリア層2内にワックス1を溶融させて充填し、バリア層2の開口部を熱融着して密封して中子3Aを形成してもよい。
あるいは、バリア層2となる液体ゴムを熱可塑性の固形物の周囲全面に塗布し、乾燥させ中子3Aを形成してもよい。
あるいは、液体ゴムを熱可塑性の固形物の周囲全面に塗布した後、繊維補強材となる不織布を貼り付け、さらに液体ゴムを塗布してバリア層2を作り、中子3Aを形成してもよい。
成形前駆体6Aが有するプリプレグ5を成形用金型10Aで加熱圧縮成形する方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。中子3Aの周囲にプリプレグ5を配置し、プリプレグ5と中子3Aとの間にプレッシャープレート4Aを配置する。次いで、室温にて成形用金型10Aのキャビティ形状と略同形状に予備賦形して成形前駆体6A(プリフォーム)とする。次いで、予め加熱した成形用金型10Aの下型12の凹部13に成形前駆体6Aを載置し、成形用金型10Aを型閉めして、ワックス1を加熱し、プリプレグ5を硬化させて加熱圧縮成形する。
なお、加熱圧縮成形方法は、前記方法には限定されない。例えば、以下のRTM(レジントランスファー成形)法を採用してもよい。具体的には、中子3Aに配置したプレッシャープレート4Aの周囲に、プリプレグの代わりに、熱硬化性樹脂を含浸していない繊維強化材(ファブリック)を配置し、下型12の凹部13に載置して成形用金型10Aを型締めする。次いで、成形用金型10A内に未硬化の熱硬化性樹脂を注入し、繊維強化材に熱硬化性樹脂を含浸させた後、成形用金型10Aを加熱硬化して成形品を得る。
ワックス1は溶融するとさらに大きく膨張するため、加熱圧縮成形においては、ワックス1の一部だけを溶融させてもよく、全体を溶融させてもよい。
また、ワックス1は成形用金型10Aからの熱伝導により溶融するが、ワックス1は熱伝導率が低い。そのため、特に中子3Aの容積が大きく、成形時間が短い場合にはワックス1の表層のみが溶融する。
加熱圧縮成形における成形サイクルを向上させるには、プリプレグ5を効率よく加熱する必要がある。中子3Aのワックス1を溶融させるために熱が消費されるほど、プリプレグ5の温度を上げるのに時間を要する。成形サイクルの向上の点では、加熱圧縮成形においてワックス1の表層だけを溶融させることが好ましい。また、ワックス1の表層だけを溶融させる場合は、仮に溶融したワックスがバリア層から漏れ出すことがあったとしも、溶融している量が少量であり、成形用金型10Aから漏れ出したワックス1は急激に冷却されて固化するため、悪影響を最小限にできる。
本実施形態では図1に示すように、バリア層2とプレッシャープレート4Aを別の構成部材としているが、必ずしもこれらを分ける必要はない。例えば、バリア層2を作製する際に、バリア層2のプリプレグ5側の面にプレッシャープレート4Aを構成可能な材質を含む層を設ける等、プレッシャープレート4Aと同等の機能を持たせれば、バリア層2とプレッシャープレート4Aとは一体化可能である。
プレッシャープレート4Aは、必ずしもプリプレグ5の全面に配置する必要はなく、接着接合を行う箇所のみにするなど、適宜、配置場所を選択してもよい。
成形工程では、成形用金型内で中子3Aを押圧してもよい。これにより、大型の繊維強化プラスチックを製造する場合でも、中子の内圧を充分に高めることが容易になるため、さらに、過剰に中子の内圧が高くなった場合でも、中子の内圧を下げるなどして内圧を調整でき、成形不良を安定して抑制できる。
中子3Aの押圧は、ロッドを備えた成形用金型を用いることが好ましい。ロッドとしては、中子への押圧力を調節しやすい点から、ピストンロッドが好ましい。
(取出し工程)
成形工程後、プリプレグ5の加熱圧縮成形物から中子3Aとプレッシャープレート4Aを外し、繊維強化プラスチック成形品を得る。取出し工程で中子3Aを取り外すことで、中子3Aが配置されていた部分に1本の溝ができ、繊維強化プラスチック成形品の底面から高さ方向に直交した壁板8A,8Aが形成される。
プレッシャープレート4Aに予め離形処理が施してある場合、中子3Aとプレッシャープレート4Aの取り外しを一層スムースに行える。
中子の熱可塑性の固形物は、加熱圧縮成形後、例えば、繊維強化プラスチック成形品の熱変形温度以下、かつ熱可塑性の固形物の融点以上の温度とすることで、容易に除去できる。
なお、本実施形態では、断面U字状の繊維強化プラスチック成形品を製造する場合を一例として説明したが、他の実施形態ではパイプ状の繊維強化プラスチック成形品を製造してもよい。
(作用効果)
以上説明した本実施形態の繊維強化プラスチック成形品の製造方法では、特定の成形前駆体を加熱する。特定の成形前駆体では中子とプリプレグとの間にプレッシャープレートが配置されているため、加熱圧縮成形の際に、熱可塑性の固形物の溶融物が流動しても、溶融物の流動が中子側のプリプレグの表面に伝わりにくくなる。そして、プレッシャープレートを介してプリプレグを硬化させることができるため、表面に繊維の凹凸が生じにくくなり、繊維強化プラスチック成形品の表面平滑性がよくなる。
特に、本実施形態のように成形前駆体がプリプレグからなる底板と、底板に直交し、プリプレグからなる壁板とをさらに有する場合、繊維強化プラスチック成形品の外部から視認される底面及び立面の表面平滑性が高くなる。その結果、外観に優れる繊維強化プラスチック成形品を製造できる。
また、熱可塑性の固形物を溶融させて中子の内圧を高めることで、成形用金型の上下方向以外の方向にも、圧力がプレッシャープレートを介してプリプレグに均一にかかる。そのため、成形品の底部分と略直交する壁部分に対しても、成形品の底部分と同等の圧力を底部分と同時にかけることができる。よって、繊維強化プラスチック成形品の製造効率がよくなり、成形不良の発生を抑制できるため、経済的である。そして、成形品の成形形状の設計の自由度を高めることができる。
また、本実施形態の繊維強化プラスチック成形品の製造方法によれば、ボイド等の空隙やシワの形成を抑制でき、成形不良品の発生が少なくなる。そのため、高品質な繊維強化プラスチック成形体を効率的にかつ経済的に製造できる。
このように本実施形態の繊維強化プラスチック成形品の製造方法によれば、成形形状の自由度が高く、表面平滑性に優れた繊維強化プラスチック成形品を効率的かつ経済的に製造できる。
<第2実施形態>
第2実施形態では図2に示すように、成形前駆体6Bを加熱する。成形前駆体6Bは中子3Bを有する点が第1実施形態の成形前駆体6Aと異なり、その他の構成は成形前駆体6Aと同一である。中子3Bは上面側に凹部が形成されている点で第1実施形態の中子3Aと異なり、その他の構成は中子3Aと同一である。
第2実施形態では、上型14Bの下面側に、中子3Bの凹部に嵌まり込む凸部15が形成されている。この場合、ワックス1への伝熱が向上し、短時間で中子3Bの内圧を充分に高めることができ、成形前駆体6Bに圧力をかけることができる。また、成形前駆体6Bにかかる圧力を第1実施形態の場合と比較して相対的に高くすることができ、成形前駆体6Bを加熱圧縮成形することができる。
なお、図示を省略するが、上型14Bの下面側に下型12の凹部に嵌まり込む凸部が形成されていてもよい。
(作用効果)
第2実施形態でも、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。また、成形時間が第1実施形態と比較して相対的に短い場合であっても、中子3Bの内圧が高まり、プリプレグ5を効率よく加熱圧縮成形できる。そのため、加熱圧縮成形の成形サイクルが効率面及び経済面でさらに向上する。
<第3実施形態>
第3実施形態では図3に示すように、成形前駆体6Cを加熱する。成形前駆体6Cは中子3Bとプレッシャープレート4Cを有する点が第1実施形態の成形前駆体6Aと異なり、その他の構成は成形前駆体6Aと同一である。
プレッシャープレート4Cの材料は、延伸性のある材料である。図3に示すように、プレッシャープレート4Cは、U字形状(すなわち、開断面形状)であり、1枚の一体的な形状である。
第3実施形態においても、上型14Bの下面側に凸部15が形成されているため、成形前駆体6Cにかかる圧力を第1実施形態の場合と比較して相対的に高くすることができ、成形前駆体6Cを加熱圧縮成形することができる。
(作用効果)
第3実施形態でも、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。中子3Bとプレッシャープレート4Cとプリプレグ5とを有する成形前駆体6Cを加熱するため、ワックス1の加熱膨張による形状の変化に追随してプレッシャープレート4Cの形状が変化可能である。また、プレッシャープレート4Cが1枚の一体的な形状であるため、プリプレグ5の間に継ぎ目がなくなり、継ぎ目の跡のない繊維強化プラスチック成形品を製造できる。
<第4実施形態>
第4実施形態では図4に示すように、成形前駆体6Dを加熱する。成形前駆体6Dは中子3Dとプレッシャープレート4Dを有する点が第1実施形態の成形前駆体6Aと異なり、その他の構成は成形前駆体6Aと同一である。中子3Dは下面の形状がプレッシャープレート4Dによって押し曲げられている点が第1実施形態の中子3Aと異なり、その他の構成は中子3Aと同一である。
プレッシャープレート4Dは、プレッシャープレート4Cと同様に1枚の一体的な形状である。そして、プレッシャープレート4Dの材料は、延伸性のある材料である。
プレッシャープレート4Dの下面は、プリプレグ5とプレッシャープレート4Dとの間に空間20を形成するように鉛直上方に向かって(すなわち、上型14Bに向かって)盛り上げられている。空間20は、鉛直方向の高さが凹部13の両端から中央に向かって徐々に高くなるように形成されている。
(作用効果)
第4実施形態でも、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。さらに、成形前駆体6Dの加熱圧縮成形の際には、ワックス1の加熱膨張による形状の変化に追随して、プレッシャープレート4Dが鉛直下方に向かって(すなわち、下型12に向かって)押し戻される。ここで、プリプレグ5とプレッシャープレート4Dとの間に空間20を予め設けることで、プレッシャープレート4Dの鉛直方向の形状変化の自由度を高めることができる。その結果、中子3Dの内圧が過度に高くなったときでも、外観が良好な繊維強化プラスチック成形品を製造できる。
<第5実施形態>
第5実施形態では図5に示すように、成形前駆体6Eを加熱する。成形前駆体6Eは、複数の中子3E,3E,3Fと複数のプレッシャープレート4E,4Eとを有し、プリプレグ5が底板7に直交する2以上の壁板を形成している点で第1実施形態の成形前駆体6Aと異なり、その他の構成は成形前駆体6Aと同一である。
中子3E,3E,3Fは横方向の長さが相対的に短い点が第1実施形態の中子3Aと異なり、その他の構成は中子3Aと同一である。中子3E,3Eは図5に示す断面図において、下型12の凹部13の両端付近にそれぞれ配置されている。中子3Fは図5に示す断面図において、下型12の凹部13の中央付近に配置されている。そして中子3Fの表面にはプリプレグ5が直接的に接して配置されている。
複数のプレッシャープレート4E,4Eは、プリプレグ5と中子3E,3Eとの間にそれぞれ配置されている。複数のプレッシャープレート4E,4Eは、プレッシャープレート4Cと同様に1枚の一体的な形状である。そして、プレッシャープレート4Eの材料は、延伸性のある材料である。
成形前駆体6Eは、プリプレグ5で形成される底板7と、プリプレグ5で形成される壁板8A,8A,8Eとを有する。壁板8Eは底板7に直交している。壁板8Eは、中子3E,3Eと中子3Fとの間のそれぞれに形成されている。
第5実施形態では、プリプレグ5を加熱圧縮成形した後、取出し工程で中子3E,3E,3Fとプレッシャープレート4E,4Eとを外す。
取出し工程で中子3E,3Eを取り外すことで、中子3E,3Eがそれぞれ配置されていた部分に2本の溝ができ、繊維強化プラスチック成形品の底面から高さ方向に直交した複数(3つ)の壁板8A,8A,8Eが形成される。そして、中子3Fを抜き出して取り外すことで、中子3Fが配置されていた部分が中空状となる。
(作用効果)
第5実施形態でも、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。そして、繊維強化プラスチック成形品の外観(特に、成形前駆体6Eにおいて底板7や壁板8Eであった部分の外観)がよくなる。また、底面から高さ方向に直交した壁板を2以上有し、かつ、一部が中空状である繊維強化プラスチック成形品を一体的に一工程で製造できる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[外観評価]
各例で得た繊維強化プラスチック成形品の中子側表面の凹凸状況を、金型側表面を基準に、目視にて確認した。
[実施例1]
図1を参考に実施形態を示す。ワックス1として合成ワックス(製品名「File−A−Wax Green」、Freeman Manufacturing & Supply Company社製、融点Tm:116℃、密度:0.9g/cm)を用い、ナイロン6製のフィルム(厚み:50μm;融点Tb:204℃)内に入れ、該フィルムの両端部を熱融着して可撓性袋体からなるバリア層2を形成して中子3Aを作製した。次いで、プレッシャープレート4A,4Aとして、断面がL字形状の厚さ0.2mmのステンレス板2枚を用意し、中子3Aの外側にU字になるよう配置した。そして、プリプレグ5として炭素繊維からなる繊維強化材にエポキシ樹脂を含浸したプリプレグ(三菱ケミカル社製、製品名「TR3110 360GMP」;樹脂含有率:40質量%)を用い、該プリプレグ4枚をプレッシャープレート4A,4Aの外側に、U字断面になるように配置した後、成形用金型10Aのキャビティ形状と略同形状に、室温にて予備賦形して成形前駆体(プリフォーム)を得た。成形用金型10Aの下型12の凹部内に成形前駆体を配置して成形用金型10Aを型閉めし、型閉めから型開きまでの平均成形温度を140℃、成形時間を5分として加熱圧縮成形を実施して、繊維強化プラスチック成形品を作製した。
中子3Aとプレッシャープレート4A,4Aを外し、外形が72mm×37mm×30mmのU字断面形状の繊維強化プラスチック成形品を得た。
得られた成形品の中子側表面は、プレッシャープレート4A,4Aの継ぎ目部以外は金型側表面と同様に凹凸がなく表面平滑性に優れていた。
[実施例2]
プレッシャープレート4A,4Aを厚さ0.5mmのアルミ板にして、外形が同じになるようにワックス1を削った以外は、実施例1と同様にしてU字断面形状の繊維強化プラスチック成形品を得た。
得られた成形品の中子側表面は、プレッシャープレートの継ぎ目部以外は金型側表面と同様に凹凸がなく表面平滑性に優れていた。
[実施例3]
ワックス1を「ACCULIN2000」(製品名、日本精蝋株式会社製、融点Tm:125℃、密度:0.92〜0.96g/cmに変更した以外は、実施例1と同様にしてU字断面形状の繊維強化プラスチック成形品を得た。
得られた成形品の中子側表面は、プレッシャープレートの継ぎ目部以外は金型側表面と同様に凹凸がなく表面平滑性に優れていた。
[比較例1]
2枚のプレッシャープレート4A,4Aを使用しなかった以外は、実施例1と同様にしてU字断面形状の繊維強化プラスチック成形品を得た。
得られた成形品の中子側表面は、クロス目の凹凸が現れ、表面平滑性が損なわれていた。
[比較例2]
ワックス1にアクリル系液体ゴム(竹林化学工業株式会社製、タケシール造形)を塗布して乾燥させた後、ポリアミド系不織布(呉羽テック株式会社、LNS0015)を貼り、さらに液体ゴムを塗布して、コーティング材からなるバリア層2(厚み:0.2mm)を形成した以外は、比較例1と同様にしてU字断面形状の繊維強化プラスチック成形品を得た。
得られた成形品の中子側表面は、コーティング材が貼り付き、さらにクロス目の凹凸が現れ、表面平滑性が損なわれていた。
以上のように、実施例1〜3では、ワックスとプリプレグとの間にプレッシャープレートを挟むことで、成形品の中子側表面にも優れた平滑性を得ることができた。また、ワックス1の加熱膨張を利用することで、底板に直交した壁板にも底板と同等の必要な圧力を壁板に底板と同時にかけることができた。
1 ワックス(熱可塑性の固形物)
2 バリア層
3A,3B,3C,3D,3E,3F 中子
4A,4B,4D,4E プレッシャープレート
5 プリプレグ
6A,6B,6C,6D,6E 成形前駆体
10A、10B 成形用金型
12 下型
14A、14B 上型

Claims (3)

  1. 加熱により膨張する熱可塑性の固形物を含む中子と、前記中子の周囲に配置され、熱硬化性樹脂と繊維とを含むプリプレグと、前記プリプレグと前記中子との間に配置されたプレッシャープレートとを有する成形前駆体を、成形用金型により加熱する、繊維強化プラスチック成形品の製造方法。
  2. 前記成形前駆体が前記プリプレグで形成される底板と、前記底板に略直交し、前記プリプレグで形成される壁板とを有する、請求項1に記載の繊維強化プラスチック成形品の製造方法。
  3. 前記成形前駆体が前記壁板を2以上有する、請求項2に記載の繊維強化プラスチック成形品の製造方法。
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