JP2007331369A - 繊維強化プラスチック成形品とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】強化繊維の凹凸が反映されない高面品質な繊維強化プラスチック成形品を提供する。
【解決手段】繊維強化プラスチック成形品1は、マトリックス樹脂4と強化繊維5とからなる繊維強化プラスチックで構成された基材部6と、樹脂粉末3を基材部6と共に型で加熱加圧成形することにより、該基材部の一面に一体的に接合された表層部と、を備え、この表層部は、加熱加圧成形後の冷却期間にマトリックス樹脂より剛性が高く、且つ型面で成形された型成形表面を有していることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、高面品質を有する繊維強化プラスチック成形品とその製造方法に関する。
従来、繊維強化プラスチック成形品の表面を高面品質にするために様々な手法がとられてきた。繊維強化プラスチック成形品のマトリックス樹脂が熱硬化性樹脂であれ、熱可塑性樹脂であれ、繊維強化プラスチック成形品を量産成形する場合、その成形体は成形温度から常温に戻る前に型から出されて自然冷却され、この自然冷却時にマトリックス樹脂が収縮する。このとき、繊維強化プラスチックの強化繊維に凹凸パターンが存在すると、樹脂リッチとなる強化繊維の凹部でマトリックス樹脂が板厚方向に大きく収縮する。このため、繊維強化プラスチックの表面は、強化繊維の凹凸パターンを反映した凹凸表面となってしまう。この繊維強化プラスチックの凹凸表面は、マトリックス樹脂の含有量を多くして樹脂表層部をいくら厚くしても解消されない。
このような繊維強化プラスチックの凹凸表面に塗装を施すと、品質の良い塗装面とすることができない。このため、繊維強化プラスチック成形品の表面を塗装する場合は、予め凹凸表面を研磨して平滑面にする手法がとられる。
また、表面の外観を向上させる目的で一対の成形型の一方の型面にゲルコート層を作成し、このゲルコート層に繊維強化プラスチック成形品を積層して型成形する方法がとられる。ゲルコート層には通常顔料入りの不飽和ポリエステル樹脂及び又はビニルエステル樹脂が用いられる。
例えば、下記特許文献1には不飽和ポリエステル樹脂をゲルコート層に用いた繊維強化プラスチック成形品が開示されている。この特許文献1には、成形型表面にゲルコート層を形成した後、このゲルコート層にコーティング層及び繊維強化プラスチック層を積層、硬化させて形成することにより、ゲルコート層表面に繊維模様の凹凸のない優れた繊維強化プラスチック成形品が得られたことが記載されている。
特開平7−290584号公報
しかしながら、上記した表面を研磨する従来方法では、余分な研磨工程が必要であるため、費用がかかり、また生産性も悪い。
また、ゲルコート層を表面に形成する従来方法は、液状樹脂よりなるゲルコート剤を成形型表面に塗布しゲル化させる方法である。このゲルコート剤は高価であり、またゲル化には長時間を要する。なお、液状樹脂がゲル化することにより形成されたゲルコート層は平滑表面となりやすいため、ゲルコート層と繊維強化プラスチックとの接合面が比較的平らとなりやすい。このため、接合界面でアンカー効果が得られず、ゲルコート層と繊維強化プラスチック表面との接着強度が低くなる。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、樹脂表層部が高い接合強度で接合された、強化繊維の凹凸が反映されない高面品質な繊維強化プラスチック成形品を、低コストで、かつ生産性高く提供することを目的とする。
課題を解決するための手段及び発明の効果
そこで本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し試行錯誤を重ねた結果、繊維強化プラスチックの表面に樹脂粉末を一体的に加熱加圧成形することによって強化繊維の凹凸が反映されにくい高面品質な繊維強化プラスチック成形品となることを発見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の繊維強化プラスチック成形品は、マトリックス樹脂と強化繊維とからなる繊維強化プラスチックで構成された基材部と、樹脂粉末を前記基材部と共に型で加熱加圧成形することにより、該基材部の一面に一体的に接合された表層部と、を備え、前記表層部は、前記加熱加圧成形後の冷却期間に前記マトリックス樹脂より剛性が高く、且つ型面で成形された型成形表面を有していることを特徴とする。
ここに、前記表層部は前記加熱加圧成形後の冷却期間に前記マトリックス樹脂より剛性が高いとは、加熱加圧成形後の冷却期間にマトリックス樹脂の収縮に耐えうるだけの剛性を有すること、すなわち加熱加圧成形後の冷却期間にマトリックス樹脂が収縮してもその収縮によって表層部が変形しないことを意味する。この加熱加圧成形後の冷却期間とは型内及び型外を問わず、また自然冷却、強制冷却を問わず成形品を冷却している期間を意味する。言い換えれば、マトリックス樹脂が樹脂収縮する可能性のある期間全てを含む。
本発明の繊維強化プラスチック成形品は、加熱加圧成形後の冷却期間に基材部のマトリックス樹脂より剛性が高い表層部を有している。このため、加熱加圧成形後の冷却期間に基材部のマトリックス樹脂が収縮したときに、このマトリックス樹脂の収縮に伴って表層部が凹むように変形することを抑えることができる。したがって、表層部の型成形表面は、型面で成形されたとおりの表面平滑性を良好に維持することができる。また、この表層部には強化繊維が存在しない。よって、本発明の繊維強化プラスチック成形品は、基材部のマトリックス樹脂の収縮に伴う凹凸や強化繊維そのものが表層部の表面上には現れず、型面で成形されたとおりの表面平滑性が維持された高品質な型成形表面を有する。
また、本発明の繊維強化プラスチック成形品では、樹脂粉末を基材部と共に型で加熱加圧成形することにより基材部の一面に一体的に接合された表層部と基材部との接合界面において、樹脂粉末が基材部のマトリックス樹脂の表面に食い込んで機械的に結合している。このため、表層部と基材部とは、アンカー効果による機械的結合力により強固に接合している。
さらに、本発明の繊維強化プラスチック成形品は、高価でゲル化に長時間を要するゲルコート剤を用いることなく表層部を形成しているので、ゲルコート剤を用いる従来技術と比較して、コストの低下及び生産性の向上に寄与しうる。
本発明の繊維強化プラスチック成形品において、基材部を構成するマトリックス樹脂としては、熱可塑性樹脂を採用しても、あるいは熱硬化性樹脂を採用してもよい。また、表層部を構成する樹脂の種類も、基材部を構成するマトリックス樹脂と加熱加圧成形により一体的に接合可能なものであれば、特に限定されない。
本発明の繊維強化プラスチック成形品において、基材部を構成するマトリックス樹脂として熱可塑性樹脂を採用する場合は、マトリックス樹脂が軟化する温度以上に加熱された基材部と樹脂粉末とが加圧されて該樹脂粉末が該マトリックス樹脂に食い込んだ状態で、該マトリックス樹脂が冷却凝固されることにより、該基材部と該表層部とが一体的に接合される。
本発明の繊維強化プラスチック成形品において、基材部を構成するマトリックス樹脂として熱硬化性樹脂を採用する場合は、マトリックス樹脂が未硬化の状態にある基材部と樹脂粉末とが加圧されて該樹脂粉末が該マトリックス樹脂に食い込んだ状態で、該マトリックス樹脂が加熱硬化されることにより、該基材部と該表層部とが一体的に接合される。
本発明の繊維強化プラスチック成形品において、前記表層部は、前記型成形表面を有し第1樹脂粉末を素材として形成された高剛性表面層と、前記基材部側に設けられ第2樹脂粉末を素材として形成された中剛性中間層と、からなり、前記高剛性表面層は前記加熱加圧成形後の冷却期間に前記マトリックス樹脂より剛性が高く、前記中剛性中間層は前記加熱加圧成形後の冷却期間に該マトリックス樹脂より剛性が高く且つ該高剛性表面層より剛性が低いことが好ましい。
この繊維強化プラスチック成形品では、表面側の高剛性表面層と基材部との間に中剛性中間層が介在しているので、マトリックス樹脂の収縮に伴って表層部の高剛性表面層が凹むように変形することを、中剛性中間層により効果的に抑えることができる。また、表面側の高剛性表面層自体も剛性が高いのでマトリックス樹脂の収縮による影響を受けにくい。このため、基材部における強化繊維の凹凸が表層部の表面に反映することをより確実に抑えることができ、より高品質の表面とすることが可能となる。
前記表層部が前記高剛性表面層と前記中剛性中間層とからなる前記繊維強化プラスチック成形品において、前記マトリックス樹脂、前記第1樹脂粉末及び前記第2樹脂粉末は熱可塑性樹脂よりなり、該第2樹脂粉末の融点は該マトリックス樹脂の融点より高くかつ該第1樹脂粉末の融点より低いことが好ましい。また、前記マトリックス樹脂、前記第1樹脂粉末及び前記第2樹脂粉末は同種の樹脂よりなり、該第2樹脂粉末は該マトリックス樹脂より高い分子量を有し且つ該第1樹脂粉末より低い分子量を有することが好ましい。さらに、前記マトリックス樹脂、前記第1樹脂粉末及び前記第2樹脂粉末はポリカーボネートよりなることが好ましい。
本発明の繊維強化プラスチック成形品において、前記表層部は、前記型成形表面を有し第1樹脂粉末を素材として形成された表面層と、前記基材部側に設けられ、強化短繊維を含有する第2樹脂粉末を素材として形成された強化中間層とからなることが好ましい。
この繊維強化プラスチック成形品では、強化短繊維を含有する強化中間層が表面層と基材部との間に介在しているので、マトリックス樹脂の収縮に伴って表層部の表面層が凹むように変形することを、剛性の高い強化中間層により確実に抑えることができる。
また、この繊維強化プラスチック成形品では、表面層を構成する樹脂の剛性や融点を問わず、表面層の凹み変形を抑えることができる。例えば、表面層が熱可塑性樹脂で構成されている場合において、加熱加圧成形後の冷却期間に基材部のマトリックス樹脂が収縮する温度範囲で仮に表面層が軟らかくなっていても、強化中間層により表面層の変形を抑えることができる。このため、表面層に用いる樹脂の種類や加熱加圧成形時の温度範囲の自由度が高まる。
またこの繊維強化プラスチック成形品では強化中間層の上に表面層があるため、強化中間層が含有する短繊維そのものが表層部の表面上には現れず、繊維強化プラスチック成形品は型面で成形されたとおりの表面平滑性が維持された高品質な型成形表面を有する。
前記表層部が前記表面層と前記強化中間層とからなる前記繊維強化プラスチック成形品において、前記マトリックス樹脂は熱硬化性樹脂よりなり、前記第1樹脂粉末及び前記第2樹脂粉末は熱可塑性樹脂よりなることが好ましい。また、前記熱硬化性樹脂はエポキシ樹脂であり、前記熱可塑性樹脂はアクリル樹脂であることが好ましい。
本発明の繊維強化プラスチック成形品において、好適には、表層部を透明樹脂粉末で形成し、表層部を透明とすることができる。これにより表面品質がより高められる。また、表層部は、好適には、着色剤、耐候剤、難燃剤のうちの少なくとも一つを含有するものとすることができる。
表層部の厚みは30μm以上200μm以下とすることが好ましい。表層部が薄くなると基材部の隠蔽効果が少なくなり、厚くなると表層部が脆くなりやすい。
前記強化繊維及び前記強化短繊維の種類は特に限定されないが、好適には炭素繊維とすることができる。
本発明の繊維強化プラスチック成形品の製造方法は、一対の型の一方の型の型面に樹脂粉末を粉体塗装して樹脂粉末層を形成する粉体塗装工程と、前記型面に前記樹脂粉末層が形成された一対の前記型の間に、マトリックス樹脂と強化繊維とからなる繊維強化プラスチックで構成された基材部を挿入する基材部挿入工程と、前記樹脂粉末層及び前記基材部を一対の前記型で加熱加圧成形して、前記型面で成形された型成形表面を有する表層部を型成形するとともに、該基材部の一面に該表層部を一体的に接合する加熱加圧成形工程と、を有し、前記表層部は、前記加熱加圧成形後の冷却期間に前記マトリックス樹脂より高い剛性を有することを特徴とする。この製造方法により本発明の繊維強化プラスチック成形品が製造できる。
本発明の繊維強化プラスチック成形品の製造方法において、前記基材部挿入工程で、マトリックス樹脂が熱可塑性樹脂よりなる基材部を挿入する場合は、前記加熱加圧成形工程では、該マトリックス樹脂が軟化する温度以上に加熱された該基材部と前記樹脂粉末層の前記樹脂粉末とを加圧して該樹脂粉末が該基材部の表面の該マトリックス樹脂に食い込んだ状態で、該マトリックス樹脂を冷却凝固させることにより、該基材部と前記表層部とを一体的に接合することできる。この場合、基材部挿入工程では、好適には、熱可塑性樹脂よりなるマトリックス樹脂を予め加熱しておいて半溶融状態としておくことができる。
本発明の繊維強化プラスチック成形品の製造方法において、前記基材部挿入工程で、マトリックス樹脂が熱硬化性樹脂よりなる基材部を挿入する場合は、前記加熱加圧成形工程では、該マトリックス樹脂が未硬化の状態にある該基材部と前記樹脂粉末層の前記樹脂粉末とを加圧して該樹脂粉末が該基材部の表面の該マトリックス樹脂に食い込んだ状態で、該マトリックス樹脂を加熱硬化させることにより、該基材部と該表層部とを一体的に接合することができる。
本発明の繊維強化プラスチック成形品の製造方法において、前記粉体塗装工程は、前記加熱加圧成形後の冷却期間に前記マトリックス樹脂より剛性が高い第1樹脂粉末を前記型面に粉体塗装して第1樹脂粉末層を形成する第1工程と、該第1樹脂粉末層の上に、前記加熱加圧成形後の冷却期間に該マトリックス樹脂より剛性が高く且つ該第1樹脂粉末より剛性が低い第2樹脂粉末を粉体塗装して第2樹脂粉末層を形成する第2工程とを有することが好ましい。この製造方法により、表層部が前記高剛性表面層と前記中剛性中間層とからなる繊維強化プラスチック成形品を製造することができる。
本発明の繊維強化プラスチック成形品の製造方法において、前記粉体塗装工程は、第1樹脂粉末を前記型面に粉体塗装して第1樹脂粉末層を形成する第1工程と、該第1樹脂粉末層の上に、強化短繊維を含有する第2樹脂粉末を粉体塗装して該強化短繊維を含有する第2樹脂粉末層を形成する第2工程とを有することが好ましい。この製造方法により、表層部が前記表面層と前記強化中間層とからなる繊維強化プラスチック成形品を製造することができる。
ここに、前記強化短繊維を含有する第2樹脂粉末とは、強化短繊維と第2樹脂粉末との混合物、あるいは強化短繊維と第2樹脂とを複合化した複合体を粉砕して得られた複合体粉末を意味する。すなわち、前記第2工程では、強化短繊維と第2樹脂粉末との混合物を粉体塗装してもよいし、あるいは、強化短繊維と第2樹脂とを複合化した複合体を粉砕して得られた複合体粉末を粉体塗装してもよい。
本発明の繊維強化プラスチック成形品の製造方法において、前記粉体塗装工程で粉体塗装する前記樹脂粉末の粒径は30μm以上70μm以下とすることが好ましい。この樹脂粉末の粒径が大きすぎると、表層部とマトリックス樹脂との接合界面にミクロンオーダーの凹凸を形成することが困難となり、機械的結合力の不足により表層部と基材部のマトリックス樹脂との接合強度が低下する場合がある。一方、樹脂粉末の粒径が小さすぎると塗装処理に時間を要すこととなる。
本発明の繊維強化プラスチック成形品は、繊維強化プラスチックで構成された基材部と、樹脂粉末を前記基材部と共に型で加熱加圧成形することにより、該基材部の一面に一体的に接合された表層部とからなる。
繊維強化プラスチックは、マトリックス樹脂と強化繊維とからなるものであり型で加圧成形できるものであれば特に限定されない。マトリックス樹脂は、繊維強化プラスチック用に用いられる熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を使用できる。熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂等を使用できる。熱硬化性樹脂としては、例えばビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を使用できる。特に熱可塑性樹脂では、ポリカーボネート樹脂、熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂が好ましい。
強化繊維は、繊維強化プラスチック用に用いられる強化繊維であれば特に限定されない。強化繊維として、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、他の有機、無機繊維を使用できる。強化繊維の形態は、織物、組紐や平行に配列されたUD材であっても良い。強化繊維の繊維強化プラスチックにおける繊維体積含有率は40%以上60%以下が好ましい。繊維体積含有率が上記範囲にあれば、疲労強度や衝撃特性に優れた良好な物性を発現できる。又型で加圧成形でき、強化繊維にマトリックス樹脂が十分に含浸できる。
表層部は、樹脂粉末を基材部と共に型で加熱加圧成形することにより、基材部の一面に一体的に加圧接合されている。また表層部は加熱加圧成形後の冷却期間に基材部のマトリックス樹脂より剛性が高く、且つ型面で成形された型成形表面を有している。
用いられる樹脂粉末は、上記条件に合う粒径がミクロン単位の粉末となる樹脂であれば特に限定はない。樹脂粉末として、例えばビニルエステル樹脂粉末、エポキシ樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、ポリアミド樹脂粉末、ポリプロピレン樹脂粉末、不飽和ポリエステル樹脂粉末、アクリル樹脂粉末が挙げられる。
樹脂粉末は、透明性があり、成形時の収縮が小さい樹脂粉末が好ましい。例えば樹脂粉末としてエポキシ樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、アクリル樹脂粉末が好ましい。
表層部は着色剤、耐候剤、難燃剤のうちの少なくとも一つを含有してもよい。着色剤は染料又は顔料であってもよい。屋外で使用される目的のためには顔料であったほうが耐候性に優れる。顔料としては無機顔料が耐候性の面では好ましい。顔料としては特に限定はなく公知の顔料が使用できる。耐候剤としてはテトラヒドロキシベンゾフェノン、オキシベンゾスルフォン酸ナトリウム等が挙げられる。難燃剤としては水酸化アルミニウム等が挙げられる。
樹脂粉末はマトリックス樹脂に比べ融点及び剛性が高いことが好ましい。例えば樹脂粉末とマトリックス樹脂との組み合わせを、融点及び剛性が異なる異種樹脂としても良いし、同種樹脂とし、その分子量などを調整して融点や剛性を異ならせてもよい。樹脂のなじみ性、成形性を考慮すると、樹脂粉末とマトリックス樹脂は同種樹脂とすることが好ましい。
また前記表層部は、前記型成形表面を有し第1樹脂粉末を素材として形成された高剛性表面層と、前記基材部側に設けられ第2樹脂粉末を素材として形成された中剛性中間層と、から構成されてもよい。高剛性表面層を形成する第1樹脂粉末と中剛性中間層を形成する第2樹脂粉末とはマトリックス樹脂と異種樹脂としても良いし、同種樹脂としてもよい。
また高剛性表面層を形成する第1樹脂粉末と中剛性中間層を形成する第2樹脂粉末とは異種樹脂としても良いし、同種樹脂とし、その分子量などを調整して融点や剛性を異ならせてもよい。樹脂のなじみ性、成形性を考慮すると、第1樹脂及び第2樹脂は同種樹脂とすることが好ましい。
また前記表層部は、前記型成形表面を有し第1樹脂粉末を素材として形成された表面層と、前記基材部側に設けられ、強化短繊維を含有する第2樹脂粉末を素材として形成された強化中間層とからなることが好ましい。
強化短繊維の長さは10μm以上70μm以下が好ましい。長さがこの範囲にあると繊維強化プラスチックを形成する強化繊維の束間の凹部に入り込むことが可能である。
強化短繊維は強化中間層に用いる樹脂に短繊維の含有量としてVF40%以上60%以下含まれていると好ましい。短繊維の含有量が少ないと樹脂の収縮を抑える能力が低下し、強化繊維の凹凸の影響を受けやすくなる。また短繊維の含有量が多すぎると樹脂の結合力が低下し、強度不足となる。
強化中間層又は中剛性中間層を有する場合、表面層の厚みは30μm以上100μm以下が好ましい。また各中間層の厚みは30μm以上100μm以下が好ましい。表面層の厚み及び中間層の厚みが上記範囲であると基材部の強化繊維の凹凸の影響を受けにくく、重量も適量となる。
以下に本発明の実施例を図1、図2、図3を用いて説明する。
図1に本発明の繊維強化プラスチック成形品の模式説明図を示す。この繊維強化プラスチック成形品1は、表面層2と基材部6と中間層7とからなっている。表面層2と中間層7とによって表層部を形成している。基材部6は強化繊維5とマトリックス樹脂4とからなる。表面層2は樹脂粉末3から構成されており、わかりやすくするために粉末の形状を記載しているが、粉末形状となっていない所も存在する。表面層2の中間層7に接する面はミクロン単位の凹凸を有しており中間層7とアンカー効果により優れた接着性を有する。基材部6のマトリックス樹脂4は強化繊維5の凹凸に沿った表面となっている。しかしその強化繊維5の凹凸は中間層7、表面層2を経ることによって吸収され、表面層2の外表面には反映されていない。中間層7は、図示されていないが短繊維を含有してもよい。
以下に図2を用いて本発明の繊維強化プラスチック成形品の製造方法を説明する。図2に本発明の実施例1の繊維強化プラスチック成形品の製造方法の説明図を示す。実施例1は、表層部に高剛性表面層と中剛性中間層とを有する繊維強化プラスチック成形品を製造するものである。
図2のA〜Fに各工程の説明図を示す。まず図2のAに使用する型の上型10を示す。上型10は任意の所定形状を有することが出来るが、図2においては板状の形状として示す。まず上型10を加熱成形温度に温めておく。使用するマトリックス樹脂の成形温度に合わせたものとする。この時、高剛性表面層を形成する第1樹脂粉末はマトリックス樹脂より融点が高く、中剛性中間層を形成する第2樹脂粉末はマトリックス樹脂より融点が高く前記第1樹脂粉末より融点が低いものを用いた。
図2のBに樹脂粉末の粉体塗装工程を示す。粉体塗装として静電粉体塗装を用いた。あらかじめマトリックス樹脂の溶融温度まで温めてあった上型10に樹脂粉末3を静電塗装する。樹脂粉末3はマトリックス樹脂より融点が高いため、上型10に電着されても溶融せず粉末形状を保ったまま上型10の表面に均一に塗装される。
図2のCに樹脂粉末3を温度処理した所を示す。樹脂粉末3は粉末形状のままでもよいが、その融点で数分温度処理してやると少し溶けてまたすぐ温度がさめて固まり、凹凸形状を有したまま粉体形状がなくなる。
図2のDに第2樹脂粉末層を形成する第2工程を示す。図2のDは、温度処理を行った表面層2に粉体樹脂である第2樹脂11を静電塗装した所を示す。第2樹脂11はマトリックス樹脂より融点が高く前記樹脂粉末3より融点が低いため表面層2に粉体の形状で電着される。
図2のEに基材部挿入工程を示す。第2樹脂11と下型12との間に繊維強化プラスチック6を挿入する。繊維強化プラスチック6はあらかじめマトリックス樹脂の溶融温度以上に温めてある。
次に上型と下型を上下に加圧して表面層2、第2樹脂11及び繊維強化プラスチック6とを加熱成形して一体化する。加熱温度は表面層2の溶融温度以下とし表面層2の凹凸をなくさず、柔らかくなっている中間層とマトリックス樹脂に表面層2の凹凸が食い込み接合させるようにする。
図2Fに成形後の繊維強化プラスチック成形品を示す。型から外しても繊維強化プラスチック1の表面層面は強化繊維の凹凸を反映せず型面を転写した平滑面となる。
以下に本発明の実施例1を具体的に示す。
強化繊維として炭素繊維織物(東邦テナックス社製目付330g/m平織)、マトリックス樹脂として分子量7,000から18,000のポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製)、第1樹脂粉末として分子量20,000以上のポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製)、第2樹脂粉末として分子量18,000から20,000のポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製)を用いた。
炭素繊維織物はポリカーボネート樹脂をあらかじめ含浸させたプリプレグを用い、第1樹脂粉末及び第2樹脂粉末は粒径30μm以上40μm以下の粉末を用いた。
加熱炉の中に上下の成形型(鏡面処理を施された鋼製の300mm×300mmの平板)を入れ、170℃に加熱しておく。次に加熱炉から上型を出し静電塗装機に入れ樹脂粉末を静電塗装スプレーガンで上型に静電塗装した。
静電塗装は型の加熱温度によって付着量を調整し、付着状態が粉末粒子1層から3層くらい付着している状態になるようにした。ここでは型の加熱温度が高いと付着量は多くなる。
樹脂粉末としての分子量20,000以上のポリカーボネート樹脂を静電塗装された上型を、その樹脂の溶解温度である200℃のオーブンに5分間入れ、樹脂を溶着させ、表面に凹凸の残っている厚みが平均70μmの表層を得た。表面の凹凸はポリカーボネート粉末の粉末形状に起因するものであり、顕微鏡写真から粉末粒子が2層から3層電着しているものが得られたことが確認できた。
次に表面層の上に第2樹脂である分子量18,000から20,000のポリカーボネート樹脂を上記と同様の方法で静電塗装した。ただし粉末樹脂の温度は室温とした。
次にあらかじめ別の加熱炉で170℃に加熱した繊維強化プラスチックを170℃に加熱された下型に設置し、表面層と第2樹脂が電着された上型と合わせて加熱プレス機に設置した。
加熱プレス機を加圧5MPa、温度170℃、時間5分の条件で加圧プレスし、型ごと加熱プレス機より出し、型が100℃になったら繊維強化プラスチック成形品を型から取りだし常温まで放置した。
表層部を付けない繊維強化プラスチック成形品が型から取り出して常温に戻るまでに強化繊維の凹凸が反映された表面の凹凸が観察されるのに対し、本実施例1の成形品は強化繊維の凹凸は表面に反映されなかった。
以下に図3を用いて実施例2を説明する。図2と同様に図3のA〜Fに各工程の説明図を示す。実施例2は表層部が表面層と強化短繊維を含有する強化中間層とからなる繊維強化プラスチック成形品を製造するものである。
強化繊維として炭素繊維織物(東邦テナックス株式会社製、目付330g/m平織)、マトリックス樹脂としてエポキシ樹脂(東邦テナックス株式会社製)、樹脂粉末としてアクリル樹脂(関西ペイント株式会社製)、強化短繊維として長さが10μm以上70μm以下の炭素繊維短繊維(東邦テナックス株式会社製)を用いた。強化短繊維はアクリル樹脂粉末に50vol%混合して用いた。
炭素繊維織物は上記エポキシ樹脂をあらかじめ含浸させたプリプレグとして用い、第1樹脂粉末及び第2樹脂粉末として同じ粒径30μm以上40μm以下のアクリル樹脂粉末を用いた。
加熱炉の中に上下の成形型(鏡面処理を施された鋼製の300mm×300mmの平板)を入れ、100℃に加熱しておく。次に加熱炉から上型を出し静電塗装機に入れアクリル樹脂粉末を静電塗装スプレーガンで上型に静電塗装した。静電塗装した状態を図3のBに示す。
静電塗装は型の加熱温度によって付着量を調整し、付着状態が粉末粒子1層から3層くらい付着している状態になるようにした。ここでは型の加熱温度が高いと付着量は多くなる。
樹脂粉末としてのアクリル樹脂を静電塗装された上型を、その樹脂の溶解温度である140℃のオーブンに15分間入れ、樹脂を溶着させ、表面に凹凸の残っている厚みが平均70μmの表面層を得た。図3のCに表面層の状態を示す。表面の凹凸はアクリル樹脂粉末の粉末形状に起因するものであり、顕微鏡写真から粉末粒子が2層から3層電着しているものが得られたことが確認できた。
次に表面層の上にアクリル樹脂粉末と炭素繊維短繊維をVF50%となるように混合した。この混合体を上記と同様の方法で静電塗装した。ただし粉末樹脂の温度は室温とした。この時混合体としてはアクリル樹脂と炭素繊維短繊維とをあらかじめ複合化しそれを粉砕したものも用いることが出来る。図3のDに炭素繊維短繊維とアクリル樹脂粉末とを静電塗装した状態を示す。
次にあらかじめエポキシ樹脂を含浸させた炭素繊維織物のプリプレグを130℃に加熱された下型に設置し、表面層と強化中間層が電着された上型と合わせて加熱プレス機に設置した。図3のEに型内にプリプレグを挿入した状態を示す。
加熱プレス機を加圧5MPa、温度150℃、時間30分の条件で加圧プレスし、型ごと加熱プレス機より出し、型が100℃になったら繊維強化プラスチック成形品を型から取りだし常温まで放置した。
表層部を付けない繊維強化プラスチック成形品が型から取り出して常温に戻るまでに強化繊維の凹凸が反映された表面の凹凸が観察されるのに対し、実施例2の成形品は強化繊維の凹凸は表面に反映されず高面品質を有する繊維強化プラスチック成形品が得られた。
本発明の繊維強化プラスチック成形品の模式説明図である。 本発明の実施例1の繊維強化プラスチック成形品の製造方法の説明図である。 本発明の実施例2の繊維強化プラスチック成形品の製造方法の説明図である。
符号の説明
1、繊維強化プラスチック成形品、2、表面層、3、樹脂粉末、
4、マトリックス樹脂、5、強化繊維、6、基材部、7、中間層、10、上型、
11、第2樹脂、12、下型、13、強化短繊維。

Claims (21)

  1. マトリックス樹脂と強化繊維とからなる繊維強化プラスチックで構成された基材部と、
    樹脂粉末を前記基材部と共に型で加熱加圧成形することにより、該基材部の一面に一体的に接合された表層部と、を備え、
    前記表層部は、前記加熱加圧成形後の冷却期間に前記マトリックス樹脂より剛性が高く、且つ型面で成形された型成形表面を有していることを特徴とする繊維強化プラスチック成形品。
  2. 前記マトリックス樹脂は熱可塑性樹脂よりなり、該マトリックス樹脂が軟化する温度以上に加熱された前記基材部と前記樹脂粉末とが加圧されて該樹脂粉末が該マトリックス樹脂に食い込んだ状態で、該マトリックス樹脂が冷却凝固されることにより、該基材部と該表層部とが一体的に接合されてなる請求項1に記載の繊維強化プラスチック成形品。
  3. 前記マトリックス樹脂は熱硬化性樹脂よりなり、該マトリックス樹脂が未硬化の状態にある前記基材部と前記樹脂粉末とが加圧されて該樹脂粉末が該マトリックス樹脂に食い込んだ状態で、該マトリックス樹脂が加熱硬化されることにより、該基材部と該表層部とが一体的に接合されてなる請求項1に記載の繊維強化プラスチック成形品。
  4. 前記表層部は、前記型成形表面を有し第1樹脂粉末を素材として形成された高剛性表面層と、前記基材部側に設けられ第2樹脂粉末を素材として形成された中剛性中間層と、からなり、
    前記高剛性表面層は前記加熱加圧成形後の冷却期間に前記マトリックス樹脂より剛性が高く、前記中剛性中間層は前記加熱加圧成形後の冷却期間に該マトリックス樹脂より剛性が高く且つ該高剛性表面層より剛性が低い請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形品。
  5. 前記マトリックス樹脂、前記第1樹脂粉末及び前記第2樹脂粉末は熱可塑性樹脂よりなり、該第2樹脂粉末の融点は該マトリックス樹脂の融点より高くかつ該第1樹脂粉末の融点より低い請求項4に記載の繊維強化プラスチック成形品。
  6. 前記マトリックス樹脂、前記第1樹脂粉末及び前記第2樹脂粉末は同種の樹脂よりなり、該第2樹脂粉末は該マトリックス樹脂より高い分子量を有し且つ該第1樹脂粉末より低い分子量を有する請求項5に記載の繊維強化プラスチック成形品。
  7. 前記マトリックス樹脂、前記第1樹脂粉末及び前記第2樹脂粉末はポリカーボネートよりなる請求項6に記載の繊維強化プラスチック成形品。
  8. 前記表層部は、前記型成形表面を有し第1樹脂粉末を素材として形成された表面層と、前記基材部側に設けられ、強化短繊維を含有する第2樹脂粉末を素材として形成された強化中間層とからなる請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形品。
  9. 前記マトリックス樹脂は熱硬化性樹脂よりなり、前記第1樹脂粉末及び前記第2樹脂粉末は熱可塑性樹脂よりなる請求項8に記載の繊維強化プラスチック成形品。
  10. 前記熱硬化性樹脂はエポキシ樹脂であり、前記熱可塑性樹脂はアクリル樹脂である請求項9に記載の繊維強化プラスチック成形品。
  11. 前記表層部が透明である請求項1〜10のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形品。
  12. 前記表層部は着色剤、耐候剤、難燃剤のうちの少なくとも一つを含有する請求項1〜11のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形品。
  13. 前記表層部の厚みは30μm以上200μm以下である請求項1〜12のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形品。
  14. 一対の型の一方の型の型面に樹脂粉末を粉体塗装して樹脂粉末層を形成する粉体塗装工程と、
    一方の前記型面に前記樹脂粉末層が形成された一対の前記型の間に、マトリックス樹脂と強化繊維とからなる繊維強化プラスチックで構成された基材部を挿入する基材部挿入工程と、
    前記樹脂粉末層及び前記基材部を一対の前記型で加熱加圧成形して、前記型面で成形された型成形表面を有する表層部を型成形するとともに、該基材部の一面に該表層部を一体的に接合する加熱加圧成形工程と、を有し、
    前記表層部は、前記加熱加圧成形後の冷却期間に前記マトリックス樹脂より高い剛性を有することを特徴とする繊維強化プラスチック成形品の製造方法。
  15. 前記基材部挿入工程で挿入される前記基材部の前記マトリックス樹脂は熱可塑性樹脂よりなり、前記加熱加圧成形工程では、該マトリックス樹脂が軟化する温度以上に加熱された該基材部と前記樹脂粉末層の前記樹脂粉末とが加圧されて該樹脂粉末が該基材部の表面の該マトリックス樹脂に食い込んだ状態で、該マトリックス樹脂が冷却凝固されることにより、該基材部と前記表層部とが一体的に接合される請求項14に記載の繊維強化プラスチック成形品の製造方法。
  16. 前記基材部挿入工程で挿入される前記基材部の前記マトリックス樹脂は熱硬化性樹脂よりなり、前記加熱加圧成形工程では、該マトリックス樹脂が未硬化の状態にある該基材部と前記樹脂粉末層の前記樹脂粉末とが加圧されて該樹脂粉末が該基材部の表面の該マトリックス樹脂に食い込んだ状態で、該マトリックス樹脂が加熱硬化されることにより、該基材部と該表層部とが一体的に接合される請求項14に記載の繊維強化プラスチック成形品の製造方法。
  17. 前記粉体塗装工程は、前記加熱加圧成形後の冷却期間に前記マトリックス樹脂より剛性が高い第1樹脂粉末を前記型面に粉体塗装して第1樹脂粉末層を形成する第1工程と、該第1樹脂粉末層の上に、前記加熱加圧成形後の冷却期間に該マトリックス樹脂より剛性が高く且つ該第1樹脂粉末より剛性が低い第2樹脂粉末を粉体塗装して第2樹脂粉末層を形成する第2工程とを有する請求項14〜16のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形品の製造方法。
  18. 前記粉体塗装工程は、第1樹脂粉末を前記型面に粉体塗装して第1樹脂粉末層を形成する第1工程と、該第1樹脂粉末層の上に、強化短繊維を含有する第2樹脂粉末を粉体塗装して該強化短繊維を含有する第2樹脂粉末層を形成する第2工程とを有する請求項14〜16のいずれか一つに記載の繊維強化プラスチック成形品の製造方法。
  19. 前記樹脂粉末の粒径は30μm以上70μm以下である請求項14〜18のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形品の製造方法。
  20. 前記強化繊維は炭素繊維であり、前記マトリックス樹脂はポリカーボネートであり、前記樹脂粉末は前記ポリカーボネートより分子量の高い高分子量ポリカーボネート粉末である請求項14、15、17、19のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形品の製造方法。
  21. 前記強化繊維は炭素繊維であり、前記マトリックス樹脂はエポキシ樹脂であり、前記第1樹脂粉末はアクリル樹脂粉末であり、前記強化短繊維は炭素繊維短繊維であり、前記第2樹脂粉末はアクリル樹脂粉末である請求項18に記載の繊維強化プラスチック成形品の製造方法。
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