JP6185356B2 - Frp成形品の製造方法および成形型 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維強化材と樹脂とからなるパイプ状のFRP(繊維強化プラスチック)成形品を製造する製造方法およびその成形型に関する。
FRP(Fiber Reinforced Plastics)成形品は、軽量で機械特性に優れるため、近年、航空宇宙産業から一般産業に至るまで幅広い分野において利用されている。
FRP成形品の成形方法の1つであるレジン・トランスファー・モールディング(Resin Transfer Molding)成形法は、特に多品種中量生産に適する成形法として注目されている。なお、レジン・トランスファー・モールディング成形法を、単に「RTM成形法」と表す。
RTM成形法に用いる成形型は、例えば、上型と下型とからなり、内部にキャビティを有する。パイプ状の成形品は、RTM成形法を利用して製造される場合、キャビティを構成する下型の凹入部に、外周に繊維強化材が配された芯材を配置し、上型を型締めした後、キャビティ内に注入された液状の樹脂材料を固体化することで、得られる。
芯材としては、例えば、特許文献1では圧縮空気を利用したゴム製の弾性袋が、特許文献2では圧縮空気により膨張するポリエチレン製の中空中子がそれぞれ利用されている。
なお、キャビティ内に配された弾性袋や中空中子は、樹脂材料の注入等に合わせて、圧縮空気が送り込まれて膨張する。
特開平4−246510号公報 特開2007−62150号公報
弾性袋や中空中子を芯材として利用する上記技術においては、弾性袋や中空中子に圧縮空気の送出が可能な状態で、繊維強化材をキャビティ内にセットするのに時間を要するだけでなく、弾性袋が膨張した際にしわになり、このしわ部分に樹脂材料が入り込み、固体化した後の脱型に時間を要するという問題がある。
なお、言うまでもなく、キャビティ内に注入される液状の樹脂材料が成形型から漏出しないように弾性袋や中空中子に圧縮空気を送出する機構を設ける必要があり、成形型の構造が複雑になる。
そこで本発明は、上記のような問題点に着目し、パイプ状FRP成形品を容易に製造することができる製造方法及びその成形型を提供することを目的とする。
本発明に係るパイプ状FRP成形品の製造方法は、内型の外周に配された繊維強化材を前記内型と共に外型内に配した後に、前記外型内に液状の樹脂材料を注入し、少なくとも一方の端部が開口するパイプ状のFRP成形品を製造し、前記内型として、注入される前記液状の樹脂材料の圧力により変形しない剛性を有する型を用い、前記液状の樹脂材料が前記外型内で固体化した後、前記内型を脱型することを特徴としている。
本発明に係る成形型は、内型の外周に配された繊維強化材を前記内型と共に外型内に配した後に、前記外型内に液状の樹脂材料を注入し、少なくとも一方の端部が開口するパイプ状のFRP成形品を製造する型であって前記内型と前記外型とからなり、前記内型は、注入される前記液状の樹脂材料の圧力により変形しない剛性を有することを特徴としている。
内型として、注入される液状の樹脂材料の圧力により変形しない剛性を有する型を利用している。このため、弾性袋や中空中子のように圧縮空気を利用する必要がなく、FRP成形品を容易に製造することができる。
成形品を示す概略斜視図である。 成形型の分割斜視図である。 下型部を分解した状態の斜視図である。 成形型のパッキン構造を説明する図である。 成形品の製造方法を示す概略図である。 成形品の製造方法を示す概略図である。 成形品の製造方法を示す概略図である。 加熱状態を示す図である。 第2実施形態の例1における成形時の成形型の断面図である。 第2実施形態の例2における成形時の成形型の断面図である。 第2実施形態の例2における成形型を用いた加熱状態を示す図である。
≪本発明の概要≫
1.全体
FRP成形品の製造方法に係る一つの形態は、内型の外周に配された繊維強化材を前記内型と共に外型内に配した後に、前記外型内に液状の樹脂材料を注入し、少なくとも一方の端部が開口するパイプ状のFRP成形品を製造し、前記内型として、注入される前記液状の樹脂材料の圧力により変形しない剛性を有する型を用い、前記液状の樹脂材料が前記外型内で固体化した後、前記内型を脱型する。
ここでいう「前記液状の樹脂材料が固体化する」とは、樹脂材料が熱硬化性樹脂の場合は加熱等により硬化することを意味し、樹脂材料が熱可塑性樹脂の場合は冷却により固化することを意味する。
また、前記樹脂材料は、熱硬化性樹脂材料であり、前記液状の樹脂材料の注入後に、当該注入された樹脂材料を加熱により硬化させて固体化する加熱工程を含み、前記加熱工程では、前記内型の最高温度が、前記外型の最高温度より低くなるように、前記内型の温度が調整される。
前記加熱工程において、前記外型の最高温度と前記内型の最高温度との差が10℃以上40℃以下である。前記内型として、前記外型の熱膨張係数より大きい熱膨張係数を有する材料を用いる。
2.樹脂
樹脂の例としては、通常マトリックス樹脂として用いられている材料を使用でき、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とがある(下記(1)(2)参照)。好ましいのは熱硬化性樹脂である。また、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを混合した樹脂を用いることもできる。
(1)熱硬化性樹脂
エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、マレイミド樹脂、ビニルエステル樹脂、シアン酸エステル樹脂、マレイミド樹脂とシアン酸エステル樹脂を予備重合した樹脂等があり、これらの熱硬化性樹脂を適宜量配合したものでもよい。
これらの樹脂のうち、耐熱性、弾性率、耐薬品性に優れたエポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂が好ましい。これらの熱硬化性樹脂には、硬化剤、硬化促進剤等が適宜含まれる。
(2)熱可塑性樹脂
ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂およびポリアセタール樹脂等があり、これらの樹脂を適宜量配合してもよい。
3.繊維強化材
(1)繊維の種類
繊維強化材の例としては、通常の繊維強化材として用いられている材料を使用でき、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、金属繊維等の強化繊維を使用できる。中でも、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維が好ましい。
(2)繊維長
繊維長は、所謂、長繊維・短繊維でもよい。また、両方を組み合わせて使用することもできる。好ましいのは長繊維である。なお、長繊維とは、概ね13[mm]以上の繊維をいう。
(3)形態
形態としては、特に制限されず、例えば、織物、組紐、不織布等を利用することができる。織物としては、平織物、綾織物、朱子織物等、あるいは一軸織物、多軸織物等を挙げることができる。織物等の厚さは、成形品の用途により適宜選択するものであり、特に制限はない。
なお、一軸織物とは、互いに平行に並んだ繊維強化材ストランドをナイロン糸、ポリエステル糸、ガラス繊維糸等で編んだ織物をいう。多軸織物とは、互いに平行に並んだ繊維強化材ストランドの角度を変えて積層してナイロン糸、ポリエステル糸、ガラス繊維糸等で編んだ織物をいう。
4.成形型
FRP成形品の製造する成形型に係る一つの形態は、内型の外周に配された繊維強化材を前記内型と共に外型内に配した後に、前記外型内に液状の樹脂材料を注入し、少なくとも一方の端部が開口するパイプ状のFRP成形品を製造する型であって前記内型と前記外型とからなる成形型において、前記内型は、注入される前記液状の樹脂材料の圧力により変形しない剛性を有する。
成形型は、外型と、外型内に収容される内型とからなり、内型が収容された状態で内型と外型との間にできる空間がパイプ状FRP成形品に対応したキャビティとなる。成形型は、キャビティ内に繊維強化材を配置できるように、分割タイプ(割型)が利用され、分割数は2個でもよいし、3個以上であってもよい。成形型は、金属製、木製、樹脂製であってもよい。
前記内型は、前記繊維強化材が配される筒部と、貫通孔を有し且つ前記貫通孔を介して前記筒部の内部と外部とが連通可能な状態に前記筒部の両端を塞ぐ端壁部と、筒状を有し且つ内周面が前記端壁部の貫通孔の外側に位置する状態で前記端壁部に設けられたパイプ部とを備え、前記内型は、前記パイプ部における前記端壁部と反対側の端部の開口が、前記外側の外部に位置するように、前記筒部が前記外型内に収容される。前記パイプ部は、前記筒部の中心軸と平行な方向に延出し、前記外型は、箱状をし、前記筒部の中心軸の延長仮想線分と交差する壁部は、前記パイプが挿通する貫通孔を有している。
また、前記内型の材料は、前記外型の熱膨張係数より大きい熱膨張係数を有する材料である。前記外型は、複数の部材を組み合わせて構成され、各部材の付き合せた部分にパッキンが配されている。
≪実施形態≫
以下、本発明に係る実施形態について説明する。
ここで説明する材料、数値は好ましい例を例示しているだけであり、この形態に制限されることはない。また、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能である。また、他の実施形態同士や変形例同士、さらには実施形態と変形例との組み合わせは、矛盾が生じない範囲で可能である。さらに、各図面における部材の縮尺は実際のものとは異なる。
<第1実施形態>
第1実施形態では、内型と外型とからなる成形型を用いてRTM成形法によりパイプ状のFRP成形品(以下、単に、「成形品」とする。)を製造する場合について説明する。
なお、外型は成形品(成形中であっても成形品としている。)の外側に位置し、内型は成形品の内側に位置する。内型は、芯材やマンドレルとも言われる。
1.概略
図1は、成形品を示す概略斜視図である。
成形品1は、繊維強化材と固体化した樹脂とからなり、パイプ状をしている。ここでの成形品1の横断面形状は、矩形環状に近い形状をしている。より正確に言うと、横断面形状は、長方形の環状の角が面取りされたような環状形状をしている。
成形品1は、芯材やマンドレルとして機能する内型の外周に繊維強化材を配置し、当該繊維強化材が配された内型を外型内に収容した後、外型内のキャビティに液状の樹脂材料を注入し、当該樹脂材料を固体化し、製造される。
なお、樹脂は、液状のものを樹脂材料といい、固体化したものを樹脂として区別する。
2.成形品
成形品1を構成する繊維強化材は、多数本の強化繊維束から構成される。強化繊維束は、多数本の強化繊維から構成され、各強化繊維束は、成形品1の中心軸の延伸する方向に対して所定の角度で配される。
3.成形型
図2は、成形型の分割斜視図である。
成形型3は、図2に示すように、外型5と、外型5内に収容される内型7とからなる。外型5は、内型7を収容するために、割型構造をしている。ここでは、外型5は、大きく分けて、下型部9と上型部11との2つからなる。
なお、内型7は、成形時の内型7の温度を調整するための温度調整機能を有するため、内型7の一部が外型5の外側に位置する場合もある。
(1)内型
内型7は、成形品1に対応した形状をしている。ここでは、成形品1は長尺のパイプ状をしているため、内型7も長尺状をしている。なお、内型7の外周形状が成形品の内周形状に一致する。
ここでは、内型7は、横断面において、矩形状に近い形状を外周形状に有する。より正確に言うと、横断面の外周形状は、長方形状の角が面取りされたような形状をしている。
内型7は、例えば、筒部13と、筒部13の両端に設けられた端壁部15,17とを備える。筒部13の外周形状が、成形品1の内周形状に一致する。
筒部13及び端壁部15,17の何れかには、後述する外型5内の所定位置に内型7を配置する際に、内型7を位置決めする位置決め手段の一部が設けられている。
ここでは、位置決め手段の一部は、端壁部15,17(具体的には、端壁部15,17の略中央である。)に設けられたパイプ部19,21である。パイプ部19,21は、筒部13の中心軸の延長上に中心軸を有する。
内型7には、成形時に筒部13の温度を調整するための温度調整機構の一部が設けられている。ここでは、温度調整機構は、成形時に内型7の内部に、内型7の温度よりも低い温度の流体を流入させることで実施している。
端壁部15,17は、パイプ部19,21の内部空間にのみ連通する貫通孔(図示省略)を有している。換言すると、端壁部15,17の貫通孔は、パイプ部19,21の内周よりも小さく、パイプ部19,21の内周が端壁部15,17の貫通孔の外側に位置するように、パイプ部19,21が端壁部15,17に設けられている。なお、内型7が外型5内に収容された状態では、パイプ部19,21の端部(端壁部15,17と反対側の端部である。)の開口が外型5の外部に位置する。
これにより、内型7の内部は、パイプ部19,21を介して、両端の端壁部15の貫通孔から中空の筒部13パイプ部19へと流通路が形成され、内型7の外部と連通可能となる。この流通路は、成形時に外型5の外部から空気を送り込む流通路として利用され、上記の温度調節機構の一部を構成する。
(2)外型
外型5は、全体として長尺状の箱状をしている。ここでは、箱の底板及び側板に相当する部分が下型部9であり、箱の上板に相当する部分が上型部11である。なお、成形品1の中心軸の延伸する方向を、縦方向とし、当該縦手方向と直交する方向を横方向とする。
上型部11は、図2に示すように、下型部9の内部空間を塞ぐ縦板部材により構成される。
図3は、下型部を分解した状態の斜視図である。
下型部9は、図3に示すように、例えば、底板部材23と、2つ(一対)の縦板部材25,27と、2つ(一対)の横板部材29,31とからなり、これらの部材23〜31が結合して組み立てられる。
ここで、縦板部材25,27は、箱の縦方向と平行に配される部材であり、横板部材27,29は、箱の横方向と平行に配される部材である。なお、各板部材23〜31の結合は、係合手段、螺合手段、挟持手段(例えば、蝦蛄万力である。)等の周知の結合手段を利用できる。ここでは、ネジを利用した螺合手段を採用している。
底板部材23は、図3に示すように、長尺の平板状をしている。横板部材29,31は、ここでは、底板部材23の上面23aに載置される構造を採用し、底板部材23の上面23aと当接する当接部41,43と、当接部41,43の端から立設する横板部45,47とを有している。
つまり、横板部材29,31は、下型7の横方向からみた形状が「L」字状をしている。横板部材29,31は、当接部41,43が底板部材23の縦方向の端側に向って横板部45,47から延伸するように、底板部材23に載置される。
横板部材29,31の横板部45,47には、内型7を外型5内で位置決めするための位置決め手段の一部が設けられている。位置決め手段の一部は、中央部分に形成された貫通孔49,51である。この貫通孔49,51は、内型7のパイプ部19,21に対応した形状を有している。ここでは、パイプ部19,21の外周形状が多角形状をし、貫通孔の形状(横板部45,47の内周形状である。)が同じ多角形状をしている。より具体的には、多角形状は正方形状である。
横板部材29,31の上面(実際には、横板部45,47の上面45c、47c(「45c」については図4参照。)である。)が上型部11の下面11aと当接する。また、横板部材29,31における横板部45,47の横方向の端面と当接部41,43の横方向の端面とが交差する部分と、横板部45,47の横方向の端面とが少なくとも縦板部材25,27の内面(55a,57a)と当接する。
縦板部材25,27は、一部分が底板部材23の端面23b,23cに当接する縦板部55,57と、縦板部55,57の上端部から外方へと張り出す外鍔部59,61とを有する。つまり、縦板部材25,27は、下型7の縦方向からみた形状が「L」字状をし、全体として長尺状をした部材である。外鍔部59,61の上面59a,61aは、上型部11の下面11aと当接する。
外型5には、成形時に成形型3の内部に液状の樹脂材料を注入するための注入ゲートと、成形型3内の空気を排出したり、樹脂材料を吸引したりするため排出ゲートとが設けられている。
ここでは、注入ゲートと排出ゲートは下型部9に設けられ、より具体的には、一方の縦板部材25の縦板部55に注入ゲート63が、他方の縦板部材27の縦板部57に排出ゲート65がそれぞれ設けられている。
(3)成形型の密閉性
図4は、成形型のパッキン構造を説明する図である。
なお、図4では、成形型3を構成する各部材における結合部分でのパッキン構造が分かるように、成形型3の一部をずらしながら示している。
各部材における他部材との対向する部分には、シール用のパッキンが配され、以下、パッキンの配置位置等について説明する。なお、パッキンを配する部分には、パッキンのずれを防止する溝が設けられている(図示省略)。
(3−1)底板部材23と縦板部材25,27
底板部材23と縦板部材25,27との密閉用のパッキン71,73は、成形型3の中心軸方向(外型5の縦方向でもある。)に沿って配されている。具体的には、底板部材23の端面23b,23cと、縦板部材25,27の縦板部55,57との対向部分にパッキン71が配されている。
(3−2)底板部材23と横板部材29,31
底板部材23と横板部材29との密閉用のパッキン75は、成形型3の中心軸方向と直交する(外型5の横方向でもある。)状態で配されている。具体的には、底板部材23材の上面23aと、横板部材29における横板部45の下方に相当する面との対向部分にパッキン75が配されている。このパッキン75の端部75a,75bは底板部材23の上面23aから端面(横方向と直交する端面)23b,23cへと折り曲げられ、パッキン71,73と交差する。
ここでは、一対の横板部材29,31の内、横板部材29について説明したが、横板部材31と底板部材23との間のパッキンについても同じである。
(3−3)縦板部材25,27と上型部11
縦板部材25,27と上型部11との密閉用のパッキン77,79は、成形型3の中心軸方向に沿って配されている。具体的には、縦板部材25,27の外鍔部59,61の上面59a,61aと、上型部11の下面11aとの対向部分にパッキン77,79が配されている。このパッキン77,79は、縦板部材25,27の縦方向の端側で、横板部材29(,31)側(横方向側)へと屈曲した後、縦板部55,57の内面55a,57aに沿うように折り曲げられ、縦板部材25,27と横板部材29との密閉用のパッキン81,83とつながる。
ここでは、一対の横板部材29,31の内、横板部材29側のパッキンについて説明したが、横板部材31側のパッキンについても同じである。
(3−4)縦板部材25,27と横板部材29,31
縦板部材25,27と横板部材29との密閉用のパッキン81,83は、成形型3の中心軸方向と直交して(周方向の一部に)配されている。具体的には、縦板部材25,27の縦板部55,57の内面55a,57aと、横板部材29の横板部45の横方向と直交する端面45a,45bとの対向部分にパッキン81,83が配されている。
このパッキン81,83の底板部材23側の端部は、パッキン75における底板部材23の上面23aから端面23b,23cへと折り曲げられた部分75a,75bと重なるまで延びている。なお、ここでは、一対の横板部材29,31の内、横板部材29について説明したが、横板部材31と縦板部材25,27との間のパッキンについても同じである。
(3−5)横板部材29と上型部11
横板部材29と上型部11との密閉用のパッキン85は、成形型3の中心軸方向と直交して(外型5の横方向である。)配されている。具体的には、横板部45の上面45cと、上型部11の下面11aとの対向部分にパッキン85が配されている。
このパッキン85は、横板部材29の横板部45の横方向と直交する端で、その端面側へと屈曲し、パッキン81,83と重なる。なお、ここでも、一対の横板部材29,31の内、横板部材29について説明したが、横板部材31と上型部11との間のパッキンについても同じである。
(3−6)横板部材29と内型7
内型7のパイプ部19,21は、その基部側を除いては、外型5の横板部材29,31の貫通孔49,51に挿入される。このため、横板部材29と内型7との密閉用のパッキン87は、成形型3の中心軸方向と直交して(周方向の全部に)配されている。
具体的には、横板部材29の横板部45の内面であって貫通孔49の廻りの部分と、内型7の端壁部15であってパイプ部19の廻りの部分との対向部分にパッキン87が全周に亘って配されている。なお、ここでも、一対の横板部材29,31の内、横板部材29について説明したが、横板部材31と内型7との間のパッキンについても同じである。
(4)内型の位置決め
第1実施形態では、内型7のパイプ部19,21の外観形状が非円形をし、パイプ部19,21が挿入される外型5の横板部材29,31の貫通孔49,51の形状が、パイプ部19,21の外周形状と一致している。
一方、横板部材29,31の貫通孔49,51の位置は、外型5内に配される内型7の位置に対応して設けられている。
このため、内型7のパイプ部19,21を外型5の横板部材29,31の各貫通孔49,51に挿通させて、外型5を組み立てるだけで、内型7の外型5への位置合わせが容易に行うことができる。
なお、パイプ部19,21の外周の形状は正方形状をしているが、筒部13の外周形状が矩形状をしているため、外型5内の内型7の姿勢が分かりやすく、その姿勢が維持するように、パイプ部19,21を貫通孔49,51に挿入すればよい。
(5)内型の温度調整について
第1実施形態では、成形時(少なくとも、成形中の外型5に接している硬化中の樹脂材料の硬化度が80%になるまで)の内型7の温度が外型5の温度より低く且つ内型7の最高温度が外型5の最高温度より低くなるように、温度調整機構が設けられている。具体的には、内型7の両端に配されているパイプ部19,21が、外型5の内部から外部へと延出し、当該パイプ部19,21から内型7の温度よりも低い温度の流体を内型7の内部に送り込むことにより、温度調整している。なお、流体としては、例えば、空気、アルゴン、窒素等の気体や水、オイル等の液体がある。
ここでは、内型7と外型5との位置決め手段の一部である内型7のパイプ部19,21を利用して温度調整機構を設けているので、成形型構造を簡易にすることができる。
4.製造方法
図5〜図7は、成形品の製造方法を示す概略図である。
成形品1の製造方法は、成形前工程と、成形工程と、成形後工程とを含む。なお、図5〜図7は、代表的な工程のみを示し、図6及び図7では、成形型3の組み立て時のネジやパッキン等の図示を省略している。
(1)成形前工程
成形前工程は、図5に示すように内型7の筒部13に繊維強化材91を配する繊維配置工程と、図6に示すように繊維強化材91が配置されている内型7を外型5内の所定位置に配置する内型配置工程とを含む。
繊維配置工程は、例えば、複数本の強化繊維束を一定方向に引き揃えられたシートや複数本の強化繊維束が所定のパターンで織られた織物状のシート等を利用する。
より具体的には、強化繊維束の配向角が内型7に対して所望の角度となるように、所定寸法に切断されたシート91を内型7の筒部13に配置する。ここでは、シート91を内型7の筒部13に積層するように配置している。
なお、複数枚のシート91を使用して、内型7(の中心軸)に対するシート91の強化繊維束の角度を層ごとに変わるように配置してもよいし、内型7(の中心軸)に対して一定の角度で配置してもよい。
繊維強化材91が配された内型(以下、単に、「内型」ともいう。)7は、図6に示すように、内型7の両端に存在するパイプ部19,21を外型5の横板部材29,31の貫通孔49,51に挿入し、内型7の端壁部15,17と横板部材29,31とを当接させる。
横板部材29,31の貫通孔49,51にパイプ部19,21を挿入した内型7は、底板部材23の上面23aに載置された状態でネジにより結合(固定)される。その後、一対の縦板部材25,27により内型7を挟むように、縦板部材25,27を底板部材23にネジにより固定する。これにより、内型7は外型5の下型部9内に配置される。
内型7が下型部9内に配置されると、図7に示すように、上型部11により下型部9の開口を塞いで型締めする。型締めは、図示を省略しているネジにより行われる。
(2)成形工程
成形工程は、型締された成形型3に対して、注入ゲート63から液状の樹脂材料を注入する樹脂注入工程と、注入した樹脂材料を固体化させる固体化工程とを含む。なお、液状の樹脂材料が固体化したものが成形品1である。
ここでは、樹脂材料に熱硬化性樹脂を用いた例について説明する。このため固体化工程は、液状の樹脂材料を加熱により硬化する硬化工程となる。
本実施形態では、樹脂材料をキャビティ内に注入する前に、例えば、キャビティ内を排出ゲート65から排気する工程を行ってもよいし、樹脂注入時も排気する工程を行ってもよい。
樹脂注入工程においては、注入ゲート63から樹脂材料が注入され、キャビティ内を順次充填し、やがて、キャビティ内が樹脂材料により完全に充填される。
硬化工程は、注入された樹脂材料を加熱する。加熱は、成形型3に埋設するヒータや、加熱炉内に成形型を配することで行う。本実施形態では、加熱炉を利用して行う。
図8は、加熱状態を示す図である。
樹脂材料への加熱は、加熱炉内の雰囲気温度を上昇させて、成形型3の温度を上昇させることで行われる。
加熱炉の加熱は、図8に示すように、樹脂材料の硬化温度である設定温度T1にまで加熱する。この加熱により、外型5と内型7との各温度が上昇し始める。外型5は加熱炉内の空気に直接接触し、内型7は外型5内に収容されているため、外型5の方が内型7よりも早期に温度上昇し始める。
外型5の温度は、加熱炉内の温度上昇に伴って上昇し、やがて、加熱炉内の温度(設定温度T1)と等しい温度となり、その後、その温度が一定に維持される。
キャビティ内の樹脂材料は、外型5と接触しており、外型5の温度上昇に伴って上昇し、やがて、外型5の温度T1と等しい温度となり、その後、温度が一定に維持される。
内型7は、樹脂材料と接触しており、樹脂材料の温度上昇に伴い、温度上昇し、やがて、設定温度T2と等しい温度に達する。なお、図より明らかであるが、設定温度T2は設定温度T1よりも低い。
樹脂材料は外型5からの伝熱により温度上昇し、内型7は樹脂材料や外型5からの伝熱により温度上昇する。このため、内型7の温度上昇率は、外型5の温度上昇率よりも低くなる。
内型7の温度が設定温度T2になると、温度T2よりも低い温度の圧縮空気を内型7のパイプ部19,21の一方から筒部13の内部へと定期的に送り込み、内型7の温度を温度T2で管理する。
内型7の温度が温度T2で管理され、所定時間が経過すると、加熱炉の加熱をやめ、加熱炉内の温度を降下させる。所定時間は、加熱により樹脂材料の硬化が進み、成形品1の形状等を維持できる状態になる時間である。なお、樹脂材料の硬化が不足している場合は、脱型後に成形品1にのみ加熱すればよい。
なお、加熱炉内の温度の降下により、外型5、成形品1及び内型7の温度が徐々に降下する。
(3)成形後工程
成形後工程は、外型5から内型7を取り出す取出し工程と、取り出された内型7から成形品1を脱型する脱型工程とを含む。
取出し工程は、上型部11を下型部9から取り外した後、下型部9の各部材23〜31を分解することで行うことができる。具体的には、各部材23〜31を結合しているネジを取り外すことで行う。
脱型工程では、成形品1を固定して、内型7を成形品1の中心軸方向に押し込む又は引き抜くことで行うことができる。
この際、内型7の筒部13を、注入される液体の樹脂材料の圧力により変形しない剛性を有する型を用いているので、従来の弾性袋を利用した際のしわが発生しなくなり、脱型を容易に行うことができる。
また、成形品1を構成する樹脂よりも高い熱膨張率を有する材料で筒部13を構成することで、脱型をより容易に行うことができる。
5.成形品の表面状態
第1実施形態では、成形時の内型7の温度を外型5の温度より低くなるように加熱し、且つ内型7の最高温度を、成形時の外型5の最高温度よりも低くなるようにしている。すなわち、外型5に接触する側を、内側に接触する側よりも先に硬化させて(目安として硬化度80%である。)いる。これにより、成形品1における外型5と対向する面の外観を向上させることができる。
つまり、成形時の内型7の温度を外型5の温度よりも低くすることで、内型7の温度を外型5の温度に近づけた場合比べて、外型側の面に生じていた樹脂ヒケを無くすことができる。
この理由は以下の通りと考えられる。一般的に熱硬化性樹脂は所定の加熱条件(加熱温度や加熱時間等である。)を超えると架橋反応が進み、粘性が高くなる。このため、高温側から樹脂の粘度が高くなっていく。樹脂ヒケは、樹脂の温度上昇に伴い、低温(低粘度)側へ移動するため、高温側でなくなる。
[実施例1]
第1実施形態に係る実施例について説明する。
(1)成形品
成形品1は、横断面形状が矩形環状をしたパイプ状をしている。横断面における寸法は、長辺(外寸法)が140mm、短辺(外寸法)が95mm、厚みが3.2mmである。なお、成形品1における繊維体積含有率は48%である。
(2)材料
繊維強化材は、炭素繊維基材(NCFタイプ123(CR+450A、組織:一方向材、目付:450g/m2)、東邦テナックス(株)製)を利用している。強化繊維の配向角は、0°/90°であり、6枚積層する。
樹脂材料は、ビニルエステル樹脂(日本ユピカ製)である。
(3)成形型
内型7をアルミニウム(熱膨張率(20℃):23.1×10-6)により構成し、外型5を鉄(熱膨張率(20℃):11.8×10-6)により構成している。なお、熱膨張率の単位は、1/Kである。
(4)成形条件
排出ゲート65を介して成形型3のキャビティ内を真空にした後、注入圧を0.2MPaとして、温度が40℃の液状の樹脂材料を注入ゲート63からキャビティ内に注入する。この状態で、成形型3を加熱炉内に配して、図8で示す条件で加熱して、注入した樹脂材料を硬化させる。
ここでの設定温度T1は100[℃]であり、設定温度T2は70[℃]である。内型7の温度が70[℃]になると、内型7の端部のパイプ部19,21を利用して、筒部13内へと室温の圧縮空気を送り込んで、内型7の温度が70[℃]となるように調整する。
(5)脱型
キャビティ内の樹脂材料が硬化し、成形型3の温度が室温に近い温度にまで降下すると、成形型3を分解して、成形品1が外周に形成された内型7を取り出し、成形品1から内型7を抜く(脱型)。
この際、内型7として、熱膨張率の高い材料を使用しているため、キャビティ内の樹脂材料が硬化した際の内型7の外周寸法は、室温での内型7の外周寸法より大きく、その差が大きくなる。これにより、脱型の際の成形品1に作用させる負荷を小さくでき、脱型を容易に行うことができる。
(6)全体として
従来の弾性袋を内型(芯材)として利用して、パイプ状の成形品を得る場合に比べて、繊維強化材91が配された内型(チューブ)7を外型5に組み込む作業及び内型7の脱型作業で、約30分の時間短縮を行うことができる。
<第2実施形態>
第1実施形態における成形品1は、横断面形状が矩形をした四角状のパイプ状をしていたが、横断面形状が他の形状をしたパイプ状であってもよい。以下、他の形状について説明する。
(1)例1
図9は、第2実施形態の例1における成形時の成形型の断面図である。
第2実施形態の例1に係る成形品101は、図9に示すように、横断面形状が、1つの長辺が内側に凹入するような矩形状をしたパイプ状をしている。
成形品101は、RTM法を利用して成形される。成形型103は、第1実施形態と同様に、内型105と外型107とから構成され、内型105が外型107内に収容される。
内型105は、第1実施形態と同様に、繊維強化材を成形品101の形状に賦形するための芯材やマンドレルとして機能する。内型105は、熱膨張率の高い材料が用いられている。内型105には、内型105の温度を調整するための温度調整機構の一部が設けられている。具体的には、第1実施形態と同様に、成形時の内型105よりも温度の低い流体(例えば圧縮空気である。)を内型105の内部に流すための流通路105aが形成されている。この流通路105aは内型105の中心軸に沿って設けられ、ここでは一例として5個形成されている。
外型107は、第1実施形態と同様に、割型構造をし、下型部109と上型部111とから構成される。なお、外型107内に内型105が収容された状態で、外型107と内型105との間の空間がキャビティとなる。
下型部109と上型部111との型締めは、ここでは、加圧機(プレス機)が利用され、成形型103の加熱は、加圧機(プレス機)からの伝熱を利用して行われる。なお、成形型103の加熱は、第1実施形態で説明した図8のようにして行われる。
(2)例2
図10は、第2実施形態の例2における成形時の成形型の断面図である。
第2実施形態の例2に係る成形品151は、図10に示すように、横断面形状が、円形状をしたパイプ状をしている。つまり、成形品151は、円筒状をしている。
成形品151は、RTM法を利用して成形される。成形型153は、第1実施形態と同様に、内型155と外型157とから構成され、内型155が外型107内に収容される。
内型155は、第1実施形態と同様に、繊維強化材を成形品151の形状に賦形するための芯材やマンドレルとして機能する。内型155は、熱膨張率の高い材料が用いられている。
内型155は、第1実施形態の内型7と同様に、繊維強化材が配される筒部159と端壁部161とパイプ部163とを有し、端壁部161はパイプ部163に連通する貫通孔161aを有する。
パイプ部163における端壁部161と反対側の端部は、第1実施形態と同様に、内型155が外型157内に組み込まれた際に、外型157の外部に位置し、流通路を構成している。
内型155には、内型155の温度を調整するための温度調整機構の一部が設けられている。温度調整機構は、内型を加熱する加熱手段と、内型を冷却する冷却手段とである。
ここでは、加熱手段として例えばカートリッジヒータ165が利用され、筒部159内に1本又は複数本(ここでは、4本である。)埋め込まれている。冷却手段は、内型155内に設けられた流通路と、成形時の内型155の温度よりも低い流体(例えば水である。)を送り込む送出装置(ポンプ)とからなる。
外型157は、第1実施形態と同様に、割型構造をし、下型部171と上型部173とから構成される。なお、外型157内に内型155が収容された状態で、外型157と内型155との間の空間がキャビティとなる。
外型157を構成する下型部171と上型部173には、内型155と同様に、加熱手段が設けられている。具体的には、複数本のカートリッジヒータ175が上型部173と下型部171とに埋設されている。
下型部171と上型部173との型締めは、第1実施形態と同様に、ネジ等で行われる。キャビティ内の樹脂材料は、外型157のカートリッジヒータ175と内型155のカートリッジヒータ165とにより加熱される。
図11は、第2実施形態の例2における成形型を用いた加熱状態を示す図である。
繊維強化材151が配された内型155を外型157内に配置し、液状の樹脂材料が外型157内に注入された後、外型157内のカートリッジヒータ175と、内型155のカートリッジヒータ165とで加熱する。なお、ここでは、樹脂としてビニルエステル樹脂(リポキシ R−986:昭和電工製)が利用されている。
内型155及び外型157とも加熱を始める。この際の加熱は、図11に示すように、外型157の温度上昇の方が、内型155の温度上昇よりも速い。具体的には、加熱を開始してから約45分程度で、外型157の上型部173と下型部171の温度が、樹脂材料の硬化が始まる70℃に達しているのに対し、内型155は30℃程度である。
その後も、内型155、外型157とも加熱されて、加熱を開始してから約1時間45分後に、外型157は80℃に達し、内型155は50℃に達し、さらに、内型155は、時間をかけて80℃へと加熱される。
本例の樹脂の場合、外型157の温度が、70℃に達してから約1時間をかけて80℃になる間に、樹脂材料は硬化する。
このように、樹脂材料が硬化する前の段階で、外型157と内型155とを温度差を持たせて加熱することで、樹脂材料における外型157に接している部分から硬化を始め、最後に内型155に接している部分が硬化する。
これにより外観品質の高い成形品が得られる。
<変形例>
1.成形品
成形品の形状は、第1及び第2実施形態(以下、単に「実施形態」ともいう。)で説明した成形品1,101,151の形状以外でもよく、横断面が、例えば、三角形状、5角形状以上の多角形状であってもよいし、楕円形状や長円形状であってもよい。
また、実施形態に係る成形品は、中央部と両端部とで横断面形状・寸法が同じである。つまり、成形品の横断面形状や寸法が、断面位置に関係なく、一定であったが、断面位置によって横断面形状や寸法が異なるようなパイプ状であってよいし、断面位置によって形状が同じであって寸法が異なるようなパイプ状であってもよい。
前者の具体的な例としては、一端での横断面形状が長円形状で、他端での横断面形状が円形状をした筒状がある。ここでの円形は、長円の短軸を直径するものであり、一端側から内型を脱型すればよい。
後者の具体的な例としては、一端及び他端での横断面形状が正方形状で、一端から他端に移るに従って、徐々に一辺の長さが小さくなるような筒状がある。この場合、一端側から内型を脱型すればよい。
実施形態に係る成形品1,101,151は、その中心軸が直線であったが、成形型に注入した樹脂材料が固体化した後に、内型を溶融したり、変形させたりすることなく、脱型できれば、中心軸は円弧状をしていてもよい。
また、成形品は、内型を脱型するための開口を有していれば良く、中心軸方向の両端の内、少なくとも一方が開口していればよい。
2.成形型
(1)構造
実施形態では、分割できない一体構造の内型7,105,155を採用していたが、分割構造を採用してもよい。例えば、直管状の筒を直角状に結合して「L」状にし、「L」状の成形品を得るようにしてもよい。
実施形態では、外型5,107,157は上型部11,111,173と下型部9,109,171とで構成していたが、例えば、右型部と左型部等で構成してもよい。つまり、分割構造の外型を使用する場合、その分割の仕方は特に限定するものではない。例えば、上下左右に分割してもよいし、中心軸方向に分割してもよい。
(2)内型の位置決め手段
実施形態では、内型7のパイプ部19,21の外周形状と、外型5の横板部材29,31の貫通孔49,51の内周形状を非円形状の正方形状としている。
しかしながら、内型の外型内での姿勢に関係ない場合、例えば、成形品が円筒状をしている場合、パイプ部の外周形状や貫通孔の内周形状は円形状をしていてもよい。
逆に、内型の外型内での姿勢が決まっている場合、例えば、成形品が断面形状が三角形状をしたパイプ状をしている場合は、パイプ部の外周形状や貫通孔の内周形状は、外型内で内型の姿勢が一義的に決定するような形状が好ましい。このような形状としては、例えば、2等辺三角形状やかまぼこ形状等がある。
(3)材料
実施形態では、内型にアルミニウム、外側に鉄をそれぞれ使用したが、他の金属材料であってもよいし、他の材料であってもよい。他の金属材料としては、ジュラルミン等の合金、真鍮、銅、ステンレス等がある。また、他の材料としては、木材、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等がある。
なお、内型を構成する材料としては、脱型の観点から、成形品を構成する樹脂材料の熱膨張率よりも高い熱膨張率を有する材料が好ましい。
内型の熱膨張率と外型の熱膨張率との比は、成形品の外周面の外観性の観点からは、内型の熱膨張率が、外型の熱膨張率に対して、1.2倍以上、3.8倍以下の範囲内にあることが好ましい。
なお、1.2倍になる例は、内型にジュラルミンを、外型に真鍮をそれぞれ利用した場合であり、3.8倍となる例は、内型にアルミニウムを、外側に木材をそれぞれ利用した場合である。
(4)温度差
実施形態では、樹脂材料が硬化を開始するまでの内型と外型との温度差は、必ず、外型の温度の方が内型の温度よりも高く、外型と内型との温度差は、例えば、加熱を開始した時点を基準して、経過時間が同じであれば、必ず外型の方が10℃〜40℃程度高くなっている。
しかしながら、外型と内型の温度差は、使用する樹脂材料にもよって異なるし、さらには、エポキシ樹脂であっても、その種類によっても異なる。
例えば、ハンツマンジャパン製のエポキシ樹脂(樹脂XB3523/硬化剤XB3458)の場合、温度差が25℃〜35℃が好ましく、三菱化学製のエポキシ樹脂(エピコート)の場合、15℃〜25℃が好ましい。
さらに、同一の樹脂であっても、昇温スピード(温度上昇率)、設定温度、成形品の厚み等によっても、若干の差がある。
つまり、使用する樹脂について、予め実験することで、良好な外型と内型のそれぞれの加熱条件が得られ、その条件で行うことで、温度が高い方の型に接している面が良好となる。
1 成形品
3 成形型
5 外型
7 内型

Claims (9)

  1. 内型の外周に配された繊維強化材を前記内型と共に外型内に配した後に、前記外型内に液状の樹脂材料を注入し、少なくとも一方の端部が開口するパイプ状のFRP成形品を製造するFRP成形品の製造方法において、
    前記内型として、注入される前記液状の樹脂材料の圧力により変形しない剛性を有するとともに、
    前記内型は、前記繊維強化材が配される筒部と、貫通孔を有し且つ前記貫通孔を介して前記筒部の内部と外部とが連通可能な状態に前記筒部の両端を塞ぐ端壁部と、筒状を有し且つ内周面が前記端壁部の貫通孔の外側に位置する状態で前記端壁部に設けられたパイプ部とを備え、
    前記内型は、前記パイプ部における前記端壁部と反対側の端部の開口が、前記外型の外部に位置するように、前記筒部が前記外型内に収容される型を用い、
    前記液状の樹脂材料が前記外型内で固体化した後、前記内型を脱型する
    ことを特徴とする製造方法。
  2. 前記樹脂材料は、熱硬化性樹脂材料であり、
    前記液状の樹脂材料の注入後に、当該注入された樹脂材料を加熱により硬化させて固体化する加熱工程を含み、
    前記加熱工程では、前記内型の最高温度が、前記外型の最高温度より低くなるように、前記内型の温度が調整される
    ことを特徴する請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記加熱工程において、前記外型の最高温度と前記内型の最高温度との差が10℃以上40℃以下である
    ことを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記内型として、前記外型の熱膨張係数より大きい熱膨張係数を有する材料を用いる
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の製造方法。
  5. 内型の外周に配された繊維強化材を前記内型と共に外型内に配した後に、前記外型内に液状の樹脂材料を注入し、少なくとも一方の端部が開口するパイプ状のFRP成形品を製造する型であって前記内型と前記外型とからなる成形型において、
    前記内型は、注入される前記液状の樹脂材料の圧力により変形しない剛性を有し、
    前記内型は、前記繊維強化材が配される筒部と、貫通孔を有し且つ前記貫通孔を介して前記筒部の内部と外部とが連通可能な状態に前記筒部の両端を塞ぐ端壁部と、筒状を有し且つ内周面が前記端壁部の貫通孔の外側に位置する状態で前記端壁部に設けられたパイプ部とを備え、
    前記内型は、前記パイプ部における前記端壁部と反対側の端部の開口が、前記外型の外部に位置するように、前記筒部が前記外型内に収容される
    ことを特徴とする成形型。
  6. 前記パイプ部は、前記筒部の中心軸と平行な方向に延出し、
    前記外型は、箱状をし、前記筒部の中心軸の延長仮想線分と交差する壁部は、前記パイプが挿通する貫通孔を有している
    ことを特徴とする請求項に記載の成形型。
  7. 前記内型の材料は、前記外型の熱膨張係数より大きい熱膨張係数を有する材料である
    ことを特徴とする請求項5〜の何れか1項に記載の成形型。
  8. 前記外型は、複数の部材を組み合わせて構成され、各部材の付き合せた部分にパッキンが配されている
    ことを特徴とする請求項5〜の何れか1項に記載の成形型。
  9. 前記パイプ部は、前記筒部の中心軸と平行な方向に延出し、
    前記外型は、箱状をし、前記筒部の中心軸の延長仮想線分と交差する壁部は、前記パイプ部が挿通する貫通孔を有している
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の製造方法
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