JP2017061013A - 電動把持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電力供給停止時であっても、把持対象物が落下することを抑制することのできる電動把持装置を提供する。【解決手段】電動把持装置10であって、電力供給されることにより回転力を発生する電動モータ11と、非通電状態で電動モータ11を制動し、通電状態で前記制動を解除する電磁ブレーキ14と、変形により弾性力を発生する板ばねを有し、電動モータ11から伝達される回転力を、板ばねを介して出力するばね機構30と、ばね機構30から出力される回転力に基づいて、把持対象物を把持する把持部50A,50Bと、を備えている。【選択図】 図2

Description

本発明は、電動モータの回転力により把持部を駆動する電動把持装置に関する。
従来、電動モータの回転に伴って、把持対象物に近付く方向に回動するとともに、互いに近付く方向に移動する2つの指部(把持部)を備えるロボットハンドがある(特許文献1参照)。
特開2013−240843号公報
ところで、特許文献1に記載のものでは、停電等により電動モータへの電力供給が停止した場合に、指部による把持力を維持することができないため、把持対象物が落下するおそれがある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、電力供給停止時であっても、把持対象物が落下することを抑制することのできる電動把持装置を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
第1の手段は、電動把持装置であって、電力供給されることにより回転力を発生する電動モータと、非通電状態で前記電動モータを制動し、通電状態で前記制動を解除する電磁ブレーキと、変形により弾性力を発生する板ばねを有し、前記電動モータから伝達される回転力を、前記板ばねを介して出力するばね機構と、前記ばね機構から出力される回転力に基づいて、把持対象物を把持する把持部と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、電力供給されることにより、電動モータが回転力を発生する。また、電磁ブレーキは、通電状態とされることにより、電動モータの制動を解除する。そして、電動モータから伝達される回転力が、ばね機構により板ばねを介して出力される。すなわち、板ばねが変形して弾性力を発生し、その弾性力がばね機構から回転力として出力される。そして、ばね機構から出力される回転力に基づいて、把持部により把持対象物が把持される。
ここで、停電等により電動モータへの電力供給が停止すると、電動モータは回転力を発生しなくなる。このため、ばね機構から出力される回転力が失われ、ひいては把持部が把持対象物を把持する力も失われるおそれがある。このとき、電磁ブレーキは、停電で非通電状態となることにより、電動モータを制動する。したがって、把持部からばね機構を介して電動モータへ回転力が逆に伝達されても、電動モータが逆回転することが抑制される。しかしながら、電磁ブレーキにより電動モータが制動されるまでに、電動モータが若干逆回転するおそれがあり、その間に把持部が緩んで把持対象物が落下するおそれがある。
この点、把持対象物を把持する際に、板ばねが変形して弾性力を発生し、その弾性力がばね機構から回転力として出力されている。このため、電磁ブレーキにより電動モータが制動されるまでに、電動モータが若干逆回転したとしても、板ばねの変形量が減少することにより吸収される。そして、板ばねの変形が残り、板ばねが弾性力を発生することで、把持部が把持対象物を把持する力を残すことができる。したがって、電動把持装置は、電力供給停止時であっても把持対象物が落下することを抑制することができる。
なお、把持部により把持対象物を把持した後に、電磁ブレーキを非通電状態にして電動モータを制動するとともに、電動モータへの電力供給を停止させることも可能である。この場合、停電時であっても、既に電磁ブレーキにより電動モータが制動されている。このため、把持部により把持対象物を把持した状態がそのまま維持され、把持対象物が落下することを抑制することができる。
第2の手段では、前記ばね機構から出力される回転力により回転するピニオンギアと、前記ピニオンギアと噛み合って前記ピニオンギアの回転により往復動させられ、前記把持部と連結されているラックと、を備える。
上記構成によれば、ばね機構から出力される回転力によりピニオンギアが回転させられる。そして、把持部と連結されているラックが、ピニオンギアと噛み合ってピニオンギアの回転により往復動させられる。このように、ラックアンドピニオンギアを採用しているため、把持部のストロークを長くし易くなる。
ここで、ラックアンドピニオンギアは、ストロークを長くし易い反面、ピニオンギアの回転力が失われた際に、ラックが把持時と逆方向へ移動することを許容する構造となっている。この点、第1の手段の構成を備えるため、電磁ブレーキ及びばね機構の作用により、ラックが把持時と逆方向へ移動することが抑制される。したがって、把持部のストロークを長くすることと、把持対象物の落下抑制とを両立することができる。
第3の手段では、回転数を減少させて回転を伝達する減速機構を備え、前記電動モータは、発生した回転力を、前記減速機構を介して前記ばね機構に伝達する。
上記構成によれば、電動モータは、発生した回転力を、減速機構を介してばね機構に伝達する。このため、ばね機構に伝達される回転力を増大させることができ、ひいては把持部による把持力を増大させることができる。
ここで、仮に、電動モータは、発生した回転力を、ばね機構を介して減速機構に伝達する比較構成であったとする。この比較構成でも、把持部による把持力を増大させることはできる。しかしながら、比較構成における板ばねの変形量よりも、上記構成における板ばねの変形量が大きくなる。このため、上記構成によれば、把持部による把持力を増大させた上で、電動モータの逆回転を板ばねの変形量減少により吸収し易くなり、把持部が把持対象物を把持する力を残し易くなる。さらに、電磁ブレーキにより電動モータが制動されるまでに、電動モータが逆回転する量に対して、ばね機構が逆回転する量は減速機構により減速された量になる。このため、板ばねの変形をより多く残すことができ、把持部が把持対象物を把持する力の減少を抑制することができる。
第4の手段では、前記ばね機構は、内部に空間が形成され回転可能に支持された外側部材と、前記外側部材の内部の前記空間に挿通され回転可能に支持された内側部材とを備え、前記板ばねの両端部が前記外側部材に固定され、前記板ばねの中間部が前記内側部材に固定されており、前記外側部材及び前記内側部材の一方が前記電動モータから伝達される回転力を入力し、他方が前記電動モータから伝達される回転力を出力する。
上記構成によれば、板ばねの両端部が外側部材に固定され、板ばねの中間部が内側部材に固定されている。そして、外側部材及び内側部材の一方が電動モータから伝達される回転力を入力し、他方が電動モータから伝達される回転力を出力する。このため、2枚の板ばねにより外側部材と内側部材とで回転力を伝達する構成と比較して、外側部材の2箇所に作用する回転力の大きさを揃え易くなる。したがって、板ばねの数を減らしつつ、板ばねの変形の偏りを抑制することができる。
第5の手段では、前記内側部材は、円柱状に形成され、その径方向に前記板ばねの長手方向が一致し、前記径方向の中央を含む所定部で前記板ばねの中間部を固定し、前記径方向における前記所定部よりも外側の外側部では前記板ばねとの間に隙間が形成されている。
上記構成によれば、内側部材は、円柱状に形成され、その径方向に板ばねの長手方向が一致している。ここで、内側部材と外側部材との距離が短い場合は、板ばねにおける変形可能部分の長さを十分に確保することができず、板ばねの変形量が小さくなる。一方、内側部材と外側部材との距離が長い場合は、外側部材の径が大きくなり、電動把持装置の体格が大きくなる。
この点、上記構成によれば、内側部材は、径方向の中央を含む所定部で板ばねの中間部を固定し、径方向における所定部よりも外側の外側部では板ばねとの間に隙間が形成されている。このため、隙間により板ばねの変形を許容することができ、内側部材と外側部材との距離を長くしなくても、板ばねにおける変形可能部分の長さを延ばすことができる。その結果、電動把持装置の体格が大きくなることを抑制しつつ、板ばねの変形量を増大させることができる。すなわち、板ばねの大部分を弾性変形エネルギーの蓄積に用いることができるため、電動把持装置の使用により各部の摩耗が進んだ場合であっても、停電時等に把持部による把持力を十分に維持することができる。
第6の手段では、前記把持部により把持対象物が把持された後に、前記電磁ブレーキが非通電状態とされ、且つ前記電動モータへの電力供給が停止される。
上記構成によれば、把持部により把持対象物が把持された後に、電磁ブレーキが非通電状態とされ、電動モータへの電力供給が停止される。このため、把持部により把持対象物が把持された後も、電磁ブレーキが通電状態とされ、電動モータへ電力供給される構成と比較して、電動把持装置による電力消費を抑制することができる。また、停電等が生じた際も、既に電磁ブレーキにより電動モータが制動されている。このため、把持部により把持対象物を把持した状態がそのまま維持され、把持対象物が落下することを抑制することができる。
ロボットハンドの斜視図。 ロボットハンドの平面図。 図2の3−3線断面図。 図2の4−4線断面図。 ロボットハンドの全開状態を示す部分断面図。 ロボットハンドの把持状態を示す部分断面図。 把持力の変化を示すグラフ。 ばね機構の変更例を示す部分断面図。 ばね機構の他の変更例を示す部分断面図。 ロボットハンドの変更例を示す斜視図。
以下、一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、多関節ロボットのアームの先端に取り付けられて、ワーク(すなわち把持対象物)を把持するロボットハンドに具体化している。
図1,2に示すように、ロボットハンド10(すなちわ電動把持装置)は、電動モータ11、電磁ブレーキ14、減速機構20、ばね機構30、ラックアンドピニオンギア40、把持部50A,50B等を備えている。
電動モータ11は、DCモータ等のモータであり、電力供給されることにより回転力を発生し、電力供給が停止されると回転力を発生しない。モータ11の回転力は、モータ11の出力軸11aから出力される。電磁ブレーキ14は、電磁式のブレーキであり、非通電状態でモータ11を制動し、通電状態でモータ11の制動を解除する。ブレーキ14は、ロボットのアームの先端に固定される。モータ11は、ブレーキ14に固定されている。
減速機構20は、小ギア21及び大ギア22を備えている。小ギア21は、モータ11の出力軸11aに取り付けられており、出力軸11aの回転に伴って回転する。大ギア22の歯数は、小ギア21の歯数よりも多い。小ギア21と大ギア22とが噛み合っている。そして、小ギア21の回転に伴って、大ギア22が回転する。すなわち、減速機構20は、回転数を減少させて回転を伝達する。そして、モータ11は、発生した回転力を、減速機構20を介してばね機構30に伝達する。
ばね機構30は、板ばねを有しており、モータ11から減速機構20を介して伝達される回転力を、板ばねを介して出力する。すなわち、ばね機構30は、ブレーキ14、モータ11、及び減速機構20よりも、出力側(把持部50A,50B側)に設けられている。ばね機構30の構成については後述する。
ラックアンドピニオンギア40は、ラック41A,41B及びピニオンギア42を備えている。ピニオンギア42は、ばね機構30から出力される回転力により回転する。ラック41A,41Bは、それぞれピニオンギア42と噛み合っている。ラック41Aは、ピニオンギア42の上部と噛み合っており、ラック41Bは、ピニオンギア42の下部と噛み合っている。すなわち、ラック41A,41Bは、ピニオンギア42を挟んでそれぞれピニオンギア42と噛み合っている。
ラック41A,41Bは、それぞれレール43A,43Bにより摺動可能に支持されている。レール43A,43Bは、ロボットのアームの先端に固定されたロボットハンド10のハウジングに固定される。そして、ピニオンギア42の回転により、ラック41A,41Bがそれぞれレール43A,43Bに沿って往復動させられる。このとき、ラック41Aとラック41Bとは、互いに反対方向へ移動する。ラック41A,41Bには、それぞれ把持部50A,50Bが取り付けられている。すなわち、ラック41A,41Bと把持部50A,50Bとがそれぞれ連結されている。把持部50Aと把持部50Bとは対向している。
そして、正面から見て、ピニオンギア42が時計回り(第1回転方向)に回転すると、把持部50Aと把持部50Bとの間隔が狭くなる。ピニオンギア42が反時計回り(第1回転方向と反対の第2回転方向)に回転すると、把持部50Aと把持部50Bとの間隔が広くなる。すなわち、ばね機構30から出力される回転力に基づいて、把持部50A,50Bにより、ワークの把持及び開放が行われる。
次に、ばね機構30の構成について、図3,4を参照して詳細に説明する。図3は、図2の3−3線断面図であり、図4は、図2の4−4線断面図である。
上記大ギア22は、ベアリング23,24(軸受け)により、回転可能に支持されている。上記ピニオンギア42の軸部42aは、ベアリング31,32(軸受け)により、回転可能に支持されている。ベアリング23,24,32は、ロボットハンド10のハウジングに固定される。大ギア22は、その中心軸線方向に突出する円筒状の円筒状部22aを備えている。円筒状部22a(外側部材に相当)は、内部に空間が形成され、ベアリング24により回転可能に支持されている。
ピニオンギア42の軸部42a(内側部材に相当)は、円柱状に形成されており、円筒状部22aの内部の空間に挿通されている。板ばね34は、ばね鋼等により板状に形成されており、変形により弾性力を発生する。板ばね34の両端部が、円筒状部22aに固定されている。板ばね34の中間部が、ピニオンギア42の軸部42aに固定されている。詳しくは、軸部42aの径方向と板ばね34の長手方向とが一致している。板ばね34の中間部が、軸部42aにおける径方向の中央を含む所定部42acにより固定されている。軸部42aにおいて、径方向(具体的には板ばね34の長手方向)に関して所定部42acよりも外側の外側部42adでは、板ばね34との間に隙間が形成されている。なお、円筒状部22a、板ばね34、及び軸部42aにより、ばね機構30が構成されている。
次に、図5,6を参照して、ロボットハンド10の動作を説明する。図5は、ロボットハンド10の全開状態を示す部分断面図であり、図6は、ロボットハンド10の把持状態を示す部分断面図である。ロボットハンド10の動作状態は、ロボットのコントローラによって制御される。
図5では、モータ11を停止させており、モータ11は回転力を発生させていない。ブレーキ14は、非通電状態とされており、モータ11を制動している。この状態では、板ばね34には力が作用しておらず、板ばね34は変形のない自然状態となっている。
ロボットハンド10によりワークを把持させる際には、モータ11への電力供給に先立って、ブレーキ14を通電状態とする。これにより、モータ11の制動が解除される。そして、モータ11に電力供給して、モータ11により回転力を発生させる。ここでは、図6に示すように、モータ11の出力軸11aに取り付けられた小ギア21を、反時計回りに回転させる。
小ギア21が反時計回りに回転すると、小ギア21と噛み合う大ギア22が時計回りに回転する。これに伴って、大ギア22の円筒状部22aも時計回りに回転する。円筒状部22aには板ばね34の両端が固定されているため、円筒状部22aから板ばね34に回転力が伝達される。板ばね34の中間部はピニオンギア42の軸部42aに固定されているため、円筒状部22aから板ばね34を介して軸部42aに回転力が伝達される。軸部42aが時計回りに回転するのに伴って、ピニオンギア42も時計回りに回転する。これにより、ピニオンギア42と噛み合うラック41Aが、レール43Aに沿って右方向へ移動する。ラック41Aに取り付けられた把持部50Aも右方向へ移動する。このとき、図示しないラック41B及び把持部50Bは左方向へ移動し、把持部50Aと把持部50Bとの間隔が狭くなる。その結果、把持部50Aと把持部50Bとの間に配置されたワークが、把持部50A,50Bにより把持される。
そして、ワークから、把持部50A,50B、ラック41A,41B、ピニオンギア42(軸部42a)、板ばね34、大ギア22(円筒状部22a)、小ギア21、モータ11(出力軸11a)へと伝達される反力と、モータ11の回転力とが釣り合うまでモータ11が回転する。このとき、把持部50A,50Bによる把持力は、図7の時間t0〜t1のように変化する。この釣り合い状態では、板ばね34が弾性変形しており、弾性力を発生させている。ここで、ピニオンギア42の軸部42aにおいて、径方向における所定部42acよりも外側の外側部42adでは板ばね34との間に隙間が形成されている。このため、板ばね34が外側部42adに当たることが隙間により抑制され、板ばね34の変形が許容される。これに対して、軸部42aに上記隙間が形成されていない構成を仮定する。軸部42aと円筒状部22aとの距離が短い場合は、板ばね34における変形可能部分の長さを十分に確保することができず、板ばね34の変形量が小さくなる。一方、軸部42aと円筒状部22aとの距離が長い場合は、円筒状部22aの径が大きくなり、ロボットハンド10の体格が大きくなる。
ところで、時間t2において停電等によりモータ11への電力供給が停止すると、モータ11は回転力を発生しなくなる。ラックアンドピニオンギア40は、ストロークを長くし易い反面、ピニオンギア42の回転力が失われた際に、ラック41A,41Bが把持時と逆方向へ移動することを許容する構造となっている。このため、ばね機構30から出力される回転力が失われると、把持部50A,50Bがワークを把持する力も失われるおそれがある。このとき、ブレーキ14は、停電で非通電状態となることにより、モータ11を制動する。したがって、把持部50A,50Bからモータ11へ上記反力が伝達されても、モータ11が逆回転(すなわち時計回りに回転)することが抑制される。しかしながら、ブレーキ14によりモータ11が制動されるまでに、モータ11が若干逆回転するおそれがあり、その間に把持部50A,50Bが緩んでワークが落下するおそれがある。
この点、ロボットハンド10がワークを把持して、ワークからの反力とモータ11の回転力とが釣り合った状態では、板ばね34が弾性変形しており、弾性力を発生させている。このため、時間t2〜t3に示すように、ブレーキ14によりモータ11が制動されるまでに、モータ11が若干逆回転したとしても、板ばね34の変形量が減少することにより吸収される。そして、時間t3以後において、板ばね34の変形が残れば、板ばね34が弾性力を発生する。このため、把持部50A,50Bがワークを把持する力が残ることとなる。その結果、把持部50A,50Bによるワークの把持が継続される。
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。
・ワークを把持する際に、板ばね34が変形して弾性力を発生し、その弾性力がばね機構30から回転力として出力されている。このため、電磁ブレーキ14により電動モータ11が制動されるまでに、電動モータ11が若干逆回転したとしても、板ばね34の変形量が減少することにより吸収される。そして、板ばね34の変形が残り、板ばね34が弾性力を発生することで、把持部50A,50Bがワークを把持する力を残すことができる。したがって、ロボットハンド10は、電力供給停止時であってもワークが落下することを抑制することができる。
・ラックアンドピニオンギア40を採用しているため、把持部50A,50Bのストロークを長くし易くなる。ラックアンドピニオンギア40は、ストロークを長くし易い反面、ピニオンギア42の回転力が失われた際に、ラック41A,41Bが把持時と逆方向へ移動することを許容する構造となっている。この点、本実施形態によれば、電磁ブレーキ14及びばね機構30の作用により、ラック41A,41Bが把持時と逆方向へ移動することが抑制される。したがって、把持部50A,50Bのストロークを長くすることと、ワークの落下抑制とを両立することができる。
・電動モータ11は、発生した回転力を、減速機構20を介してばね機構30に伝達する。このため、ばね機構30に伝達される回転力を増大させることができ、ひいては把持部50A,50Bによる把持力を増大させることができる。ここで、仮に、電動モータ11は、発生した回転力を、ばね機構30を介して減速機構20に伝達する比較構成であったとする。この比較構成でも、把持部50A,50Bによる把持力を増大させることはできる。しかしながら、比較構成における板ばね34の変形量よりも、本実施形態における板ばね34の変形量が大きくなる。このため、本実施形態によれば、把持部50A,50Bによる把持力を増大させた上で、電動モータ11の逆回転を板ばね34の変形量減少により吸収し易くなり、把持部50A,50Bがワークを把持する力を残し易くなる。さらに、電磁ブレーキ14により電動モータ11が制動されるまでに、電動モータ11が逆回転する量に対して、ばね機構30が逆回転する量は減速機構20により減速された量になる。このため、板ばね34の変形をより多く残すことができ、把持部50A,50Bがワークを把持する力の減少を抑制することができる。
・板ばね34の両端部34aが大ギア22の円筒状部22aに固定され、板ばね34の中間部がピニオンギア42の軸部42aに固定されている。そして、円筒状部22aが電動モータ11から伝達される回転力を入力し、軸部42aが電動モータ11から伝達される回転力を出力する。このため、2枚の板ばね34により円筒状部22aと軸部42aとで回転力を伝達する構成と比較して、円筒状部22aの2箇所に作用する回転力の大きさを揃え易くなる。したがって、板ばね34の数を減らしつつ、板ばね34の変形の偏りを抑制することができる。
・ピニオンギア42の軸部42aは、径方向の中央を含む所定部42acで板ばね34の中間部を固定し、径方向における所定部42acよりも外側の外側部42adでは板ばね34との間に隙間が形成されている。このため、隙間により板ばね34の変形を許容することができ、ピニオンギア42の軸部42aと大ギア22の円筒状部22aとの距離を長くしなくても、板ばね34における変形可能部分の長さを延ばすことができる。その結果、ロボットハンド10の体格が大きくなることを抑制しつつ、板ばね34の変形量を増大させることができる。すなわち、板ばね34の大部分を弾性変形エネルギーの蓄積に用いることができるため、ロボットハンド10の長期使用により各部の摩耗が進んだ場合であっても、停電時等に把持部50A,50Bによる把持力を十分に維持することができる。
・減速機構20の大ギア22とばね機構30の円筒状部22aとが一体に形成されているため、減速機構20からばね機構30へ回転力を伝達する構成を簡潔にすることができる。
・ばね機構30の軸部42aとラックアンドピニオンギア40のピニオンギア42とが一体に形成されているため、ばね機構30からラックアンドピニオンギア40へ回転力を伝達する構成を簡潔にすることができる。
・ラック41A,41Bは、ピニオンギア42を挟んでそれぞれピニオンギア42と噛み合っている。このため、1つのピニオンギア42により、ラック41A及びラック41Bを往復動させることができる。
なお、上記実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。上記実施形態と同一の部材については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
・ピニオンギア42の外側部42adと板ばね34との間に、隙間が形成されていない構成を採用することもできる。
・図8は、ばね機構30の変更例を示す部分断面図である。ばね機構130は、ばね機構30の板ばね34に代えて、板ばね134A,134Bを備えている。そして、板ばね134A,134Bの一端が円筒状部22aに固定され、板ばね134A,134Bの他端がピニオンギア42の軸部42aの中心付近に固定されている。このように、2枚の板ばね134A,134Bを備えるばね機構130を採用することもできる。また、図9に示すように、3枚の板ばね234A〜234Cを備えるばね機構230や、4枚以上の板ばねを備えるばね機構を採用することもできる。
・上記実施形態では、大ギア22に円筒状部22a(外側部材に相当)を設け、ピニオンギア42に軸部42a(内側部材に相当)を設けた。そして、大ギア22の円筒状部22aが電動モータ11から伝達される回転力を入力し、ピニオンギア42の軸部42aが電動モータ11から伝達される回転力を出力する構成を採用した。しかしながら、大ギア22に軸部(内側部材に相当)を設け、ピニオンギア42に円筒状部(外側部材に相当)を設けてもよい。そして、大ギア22の軸部が電動モータ11から伝達される回転力を入力し、ピニオンギア42の円筒状部が電動モータ11から伝達される回転力を出力する構成を採用することもできる。
・ロボットハンド10に減速機構20を設けず、ばね機構30がモータ11の回転力を直接入力する構成を採用することもできる。
・図10は、ロボットハンド10の変更例を示す斜視図である。ロボットハンド110は、ロボットハンド10のラックアンドピニオンギア40に代えて、回転板140、リンク141A,141B、ピン142A,142B等を備えている。ロボットハンド110のその他の構成は、ロボットハンド10と同一である。回転板140は、上記軸部42aに連結されており、ばね機構30から回転力が伝達される。リンク141A,141Bは、それぞれピン142A,142Bにより回転板140に対して回転可能に支持されている。リンク141A,141Bにおいて、それぞれピン142A,142Bと反対側の端部には貫通孔143A,143Bが形成されている。貫通孔143A,143Bには、図示しない誘導ピンが挿通され、誘導ピンの移動が回転板140の径を含む直線上に制限される。2つの誘導ピンには、把持部がそれぞれ連結されている。そして、回転板140が回転するのに伴って、一対の把持部の間隔が変更される。こうした構成によっても、ラックアンドピニオンギア40による作用効果を除いて、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
・ロボットのコントローラは、把持部50A,50Bによりワークが把持された後に、電磁ブレーキ14を非通電状態とし、且つ電動モータ11への電力供給を停止してもよい。こうした構成によれば、把持部50A,50Bによりワークが把持された後も、電磁ブレーキ14が通電状態とされ、電動モータ11へ電力供給される構成と比較して、ロボットハンド10による電力消費を抑制することができる。また、停電等が生じた際も、既に電磁ブレーキ14により電動モータ11が制動されている。このため、把持部50A,50Bによりワークを把持した状態がそのまま維持され、ワークが落下することを抑制することができる。
・把持部50A,50Bの一方が固定されており、他方のみが移動する構成を採用することもできる。
10…ロボットハンド(電動把持装置)、11…電動モータ、14…電磁ブレーキ、20…減速機構、22a…円筒状部(外側部材)、30…ばね機構、34…板ばね、40…ラックアンドピニオンギア、42a…軸部(内側部材)、50A…把持部、50B…把持部、110…ロボットハンド(電動把持装置)、130…ばね機構、134A…板ばね、134B…板ばね、230…ばね機構、234A…板ばね、234B…板ばね、234C…板ばね。

Claims (6)

  1. 電力供給されることにより回転力を発生する電動モータと、
    非通電状態で前記電動モータを制動し、通電状態で前記制動を解除する電磁ブレーキと、
    変形により弾性力を発生する板ばねを有し、前記電動モータから伝達される回転力を、前記板ばねを介して出力するばね機構と、
    前記ばね機構から出力される回転力に基づいて、把持対象物を把持する把持部と、
    を備えることを特徴とする電動把持装置。
  2. 前記ばね機構から出力される回転力により回転するピニオンギアと、
    前記ピニオンギアと噛み合って前記ピニオンギアの回転により往復動させられ、前記把持部と連結されているラックと、
    を備える請求項1に記載の電動把持装置。
  3. 回転数を減少させて回転を伝達する減速機構を備え、
    前記電動モータは、発生した回転力を、前記減速機構を介して前記ばね機構に伝達する請求項1又は2に記載の電動把持装置。
  4. 前記ばね機構は、内部に空間が形成され回転可能に支持された外側部材と、前記外側部材の内部の前記空間に挿通され回転可能に支持された内側部材とを備え、
    前記板ばねの両端部が前記外側部材に固定され、前記板ばねの中間部が前記内側部材に固定されており、
    前記外側部材及び前記内側部材の一方が前記電動モータから伝達される回転力を入力し、他方が前記電動モータから伝達される回転力を出力する請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動把持装置。
  5. 前記内側部材は、円柱状に形成され、その径方向に前記板ばねの長手方向が一致し、前記径方向の中央を含む所定部で前記板ばねの中間部を固定し、前記径方向における前記所定部よりも外側の外側部では前記板ばねとの間に隙間が形成されている請求項4に記載の電動把持装置。
  6. 前記把持部により把持対象物が把持された後に、前記電磁ブレーキが非通電状態とされ、且つ前記電動モータへの電力供給が停止される請求項1〜5のいずれか1項に記載の電動把持装置。
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