JP5898973B2 - 転てつ機 - Google Patents

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Description

本発明は、転てつ機に関する。
従来、列車又は車両の進路を選択する軌道設備として、特許文献1に開示されているような転てつ機が知られている。特許文献1の転てつ機は、モータの回転動を減速して伝達する減速機構と、減速機構から伝達される回転動を動作桿の往復直線動に変換する変換機構とを含む。前記減速機構は、モータの回転軸(出力軸)に近い側から傘歯車、中間歯車、転換歯車の順で構成されており、前記変換機構は、転換歯車に取り付けられるカムバーと、転換ローラとを含む。転換ローラは、カムバーのカム溝に係合され、転換歯車およびカムバーの回転動を動作桿の往復直線動に変換することにより、トングレールを定位(又は基準線側)と、反位(又は分岐線側)との間で転換させる。
ところで、この種の転てつ機では、前記トングレールの転換終了後に発生する反転が問題となる。即ち、転換ローラが、カム溝において転換終了位置に相当する端部に当たると、上述した各歯車やモータ等の回転体が持っていた回転エネルギーの伝達方向が逆転し、変換機構から減速機構に伝達されることとなる。ここで、逆転した回転エネルギーは、部分的には、減速機構を構成する摩擦継手の滑りによって吸収されるが、摩擦継手の伝達力に相当する力は吸収されずに歯車や軸に加わり、歯車や軸が弾性変形する。そして、転換終了にともない回転体が停止すると、弾性変形した歯車や軸が元に戻ろうとして、回転体に逆回転の力(反転力)が加わって反転することにより、回転体の停止位置にずれが生じる。特に、前記歯車や軸の弾性変形の度合は、摩擦継手の伝達力に比例するため、摩擦継手の使用状態などによって反転力が変化し、その結果、転換終了としない位置まで反転する問題が生じる。
上述した転換終了後の反転を防止する技術について、前記特許文献1には、減速機構を構成する歯車に摩擦部材を圧接させ、摩擦部材と歯車との間に発生する摩擦力により、前記反転力を低減させる反転防止装置が開示されている。
しかし、特許文献1で開示されているような摩擦式の反転防止装置では、通常の転換動作中の歯車にも摩擦力が加えられていることとなるから、回転エネルギーの伝達損失が発生する点で改善の余地がある。
また、摩擦力は、接触面の摩耗、接触面を構成する素材の経年劣化、さらには湿度や気温などの気象条件によっても変化するから、摩擦式の反転防止装置では、摩擦力を所定の値に設定するための調整作業が困難であるとともに、設定した摩擦力を持続させ、安定的な反転力低減効果を維持することも困難である。
しかも、摩擦部材の接触面の摩耗具合は、湿度や気温などの気象条件によって変化するから、線路に沿って多数設置される転てつ機の全てについて、その摩耗具合を把握することは困難である。その結果、摩耗具合を定期的に調べる点検作業が必要になる上、所定の摩擦力が得られなくなった摩擦部材については交換する必要も生じるから、点検作業、交換作業、及び、交換部品の分だけ、維持管理コスト高を招く点で改善の余地がある。
特開平10−310057号公報
本発明の課題は、トングレール転換終了後の反転を防止しうる反転防止機構を有する転てつ機を提供することである。
本発明のもう1つの課題は、回転エネルギーの伝達の損失が発生しない反転防止機構を有する転てつ機を提供することである。
本発明の更にもう一つの課題は、維持管理コストを低減しうる転てつ機を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明に係る転てつ機は、モータと、反転防止装置とを含む転てつ機であって、反転防止装置は、モータの回転軸に取り付けられる第1の磁性部材と、固定側である支持板に取り付けられる第2の磁性部材とが、回転軸の径方向に隙間を隔てて向かい合って配置され、第1の磁性部材の回転により磁気カップリングを構成するから、前記構成された磁気カップリングに生じる磁気力によって反転力を低減し、もってトングレール転換終了後の反転を防止することができる。
すなわち、既に説明したところではあるが、この種の転てつ機では、トングレールの転換終了後に生じる反転力によって、減速機構を構成する各歯車やモータ等の回転体の停止位置にずれが生じ、転換終了としない位置まで反転するという問題がある。
上述した問題を解決するため、本発明に係る転てつ機を構成する反転防止装置は、回転軸と、その固定側との間に非接触の磁気カップリングを構成することにより、その磁気力(具体的には磁気カップリングが回転軸の回転方向でみて遠ざかる関係にあるときに生じる引き戻す力)によって、前記反転力を低減し、前記回転体を所定の位置で停止させることが可能となる。従って、トングレール転換終了後の反転を防止することができる。
また、本発明に係る反転防止装置は、回転軸と、その固定側との間で磁気カップリングを構成するから、回転軸には、回転が停止した状態でも磁気カップリングの磁気力(具体的には引き寄せる力)が加えられることにより、停止位置で保持される。従って、トングレール転換終了後の反転を防止することができる。
本発明に係る反転防止装置における磁気カップリングは、その磁気力により、磁気カップリングが回転軸の回転方向でみて遠ざかる関係にあるときに引き戻す力が生じ、磁気カップリングが回転軸の回転方向でみて近づく関係にあるときに引き寄せる力が生じ、回転体にトルクの脈動を与える。このトルクの脈動が回転体に与える影響は、1周期において±0であるから、通常の転換動作中の回転エネルギーにおいて伝達の損失は発生しない。
さらに言えば、この種の転てつ機を構成する回転体は、トングレールの転換中は高速回転しており、その回転体の持つ回転エネルギーは、磁気カップリングの磁気力よりも非常に大きくなる。従って、磁気カップリングの磁気力(及びトルクの脈動)が、回転体のスムーズな回転を阻害することはない。
本発明に係る反転防止装置は、非接触の磁気カップリングの磁気力により、反転力の低減効果を奏するものであるから、摩耗や経年劣化、気象条件などによる影響を受けず、トングレール転換終了後の反転を確実に防止することができる。また、摩耗や経年劣化の点検作業、摩耗や経年劣化した部品の交換作業が不要となる分だけ、維持管理コストを低減することができる。
以上述べたように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)トングレール転換終了後の反転を確実に防止しうる反転防止機構を有する転てつ機を提供することができる。
(2)回転エネルギーの伝達の損失が発生しない反転防止機構を有する転てつ機を提供することができる。
(3)維持管理コストを低減しうる転てつ機を提供することができる。
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。添付図面は、単に、例示に過ぎない。
本発明の実施形態に係る転てつ機を縦断面的に示す図である。 図1の転てつ機を構成する反転防止装置をモータの回転軸側から見た図である。 図2の一部を抜き出して示す部分断面図である。 本発明の実施形態に係る反転防止装置の使用状態を簡略化して示す図である。 図4に示した状態の後の状態を示す図である。 図5に示した状態の後の状態を示す図である。 本発明の実施形態に係る反転防止装置による回転エネルギー低減作用を示すグラフである。
図1乃至図7において同一符号は、同一又は対応部分を示すものとする。図1の転てつ機は、列車又は車両の進路を選択する軌道設備であって、モータ1と、減速機構2と、変換機構3とを含み、それらが転てつ機のケース4に取り付けられている。これらは、既存の転てつ機に設けられているものと同様に構成することができるから、以下、簡単に説明する。
モータ1は、駆動源であって、ケース4の外部に取り付けられ、その回転運動の出力軸となる回転軸10がケース4の内部に導かれている。回転軸10は、先端部分に、小ベベルギヤ(べベルピニオン)からなる第1ギア11が取り付けられている。
減速機構2は、歯数の異なる複数の歯車(5〜7)を組み合わせによって構成され、モータ1および回転軸10の回転動を減速して動作桿32に伝達するものである。図1の減速機構2は、複数段、本実施形態では、三段の減速部を有する。一段目の減速部を構成する傘歯車5は、第2ギヤ51と、第3ギヤ52と、摩擦継手53とを含み、回転軸50によってケース4の内部に軸回転可能に取り付けられている。第2ギヤ51は、第1ギア11と組み合わされる大ベベルギヤとなっている。摩擦継手53は、第2ギヤ51と、第3ギヤ52との間に設けられている。
二段目の減速部を構成する中間歯車6は、第4ギヤ61と、第5ギヤ62とをふくみ、回転軸60によってケース4の内部に回転可能に取り付けられている。第4ギヤ61、及び、第5ギヤ62は、一体的に回転するように回転軸60に支持されている。最終段の三段目の減速部を構成する転換歯車7は、回転軸70によってケース4の内部に回転可能に取り付けられており、第6ギヤ71を有する。
モータ1の回転動は、減速機構2において、回転軸10側に固着された第1ギヤ11が、傘歯車5側の第2ギヤ51に噛合することにより減速され、第3ギア52が中間歯車6側の第4ギヤ61に噛合することにより減速され、さらに第4ギヤ61と同軸上の第5ギア62が転換歯車7側の第6ギア71に噛合することにより減速される。
転換歯車7には、減速機構2から伝達されるモータ1および回転軸10の回転動を、動作桿32の往復直線動に変換する変換機構3が取り付けられている。図1の変換機構3は、カムバー30と、カムバー30のカム溝(図示省略)に係合される転換ローラ31と、動作桿32と、鎖錠桿33と、ロックピース34とを含む。
カムバー30は、転換歯車7の回転軸70に取り付けられ、回転軸70とともに回転する。転換ローラ31は、カムバー30の回転にともない揺動し、動作桿32を往復直線移動させる。動作桿32は、前記往復直線移動により、図示省略する分岐器のトングレールを、定位(又は基準線側)と、反位(又は分岐線側)との間で転換動作させるものであり、図1紙面の表裏方向に延びる概ね棒状の部材である。鎖錠桿33もまた、動作桿32と同様に、図1紙面の表裏方向に延びる概ね棒状の部材であって、トングレールの先端近傍に接続され、トングレールの先端近傍の位置を検出する。ロックピース34は、所定条件に応じて、鎖錠桿33に設けられている切り欠きと係合・離脱し、動作桿32の鎖錠・解錠を行う。
図1の転てつ機は、上述した既存の転てつ機の基本構成に応え、反転防止装置8を有している点に特徴の一つがある。反転防止装置8は、モータ1の外部であって、ケース4内に突出する回転軸10に取り付けられ、回転軸10と、その固定側との間に非接触の磁気カップリングを構成する。具体的に図2及び図3を参照して説明すると、反転防止装置8は、支持板80と、4つの第1の磁性部材81と、4つの第2の磁性部材82とを含む。
支持板80は、金属板材を折り曲げ加工したものであって、底面83と、4つの支持壁84とを有している。支持壁84は、後述する第2の磁性部材82の取り付け場所となるものであるから、第2の磁性部材82の取り付け数に応じて成形されるべきである。図2の支持板80は、展開してみたとき、折り曲げ線に相当する部分を各辺とする正方形形状の底面83と、前記折り曲げ線に相当する部分を介して底面83に連なる四角形形状の支持壁84とにより、十字形状となる。
支持板80は、底面83の面内に貫通孔830を有し、貫通孔830に回転軸10が挿通された状態で、ケース4に共締めされている。支持壁84は、上述した折り曲げ線部分(図示省略)によって回転軸10の軸方向aに曲げ起こされて立ち上がり、貫通孔830に回転軸10が挿通された状態で、軸方向aに交差する回転軸10の径方向d、又は、回転軸10の回転方向(R1、R2)において、回転軸10を取り囲んでいる。
4つの第1の磁性部材81は、回転軸10の外面において、回転軸10の回転方向(R1、R2)でみて、等間隔に間隔を隔てて環状に配置されている。第1の磁性部材81は、永久磁石、又は、磁性体のいずれかであって、軸方向aでみた回転軸10の中間部分の外面において、径方向dに突出する凸極構造を有している。図2の第1の磁性部材81は、回転軸10の先端部分に第1ギア11を固定するために用いられるボルトの頭部であって、鉄(Fe)、又は、鉄(Fe)を主成分とする合金など磁性を有する金属材料で構成されている。
第2の磁性部材82は、永久磁石、又は、磁性体のいずれかであって、径方向dでみて、隙間を隔てた非接触状態で第1の磁性部材81と向かい合う関係で、回転軸10のまわりに配置されている。図2及び図3の第2の磁性部材82は、永久磁石85と、スペーサ86と、螺子87と、ナット88とを有している。
永久磁石85は、スペーサ86を介して支持壁84の内側の面内に配置されている。スペーサ86は、径方向dでみた第1の磁性部材81と永久磁石85との相対向面間の距離(隙間)を調節するために用いられるものである。螺子87は、永久磁石85と、スペーサ86と、支持壁84とを貫通し、貫通端が支持壁84の外側の面内に配置されたナット88に螺着されることにより、永久磁石85、及び、スペーサ86を支持壁84に固定している。この構成により第2の磁性部材82は、支持壁84の内側において、永久磁石85が径方向d、又は、径方向dに対向する方向に突出する凸極構造となっている。
図2及び図3の反転防止装置8は、回転軸10の側に取り付けられる第2の磁性部材82と、第2の磁性部材82と対になり、固定側たる支持壁84に取り付けられる第1の磁性部材81とで構成され、且つ、径方向dに隙間を隔てて向かい合う第1、第2の磁性部材81、82が非接触の磁気カップリングを成すことにより発生する磁気力を制動トルクとし、転換終了後の減速機構2の反転を防止するものである。次に、磁気カップリングにより回転軸10に加えられるトルクについて図4乃至図7を参照して説明する。
まず、図示省略するトングレールの転換ステップにおいて、回転軸10が、モータ(1)によって回転方向R1に回転しているとき、転換ローラ(31)がカムバー(30)の転換終了とする位置に突き当たると、既に説明したとおり、回転エネルギーの方向が逆転し、回転軸10は回転方向R2に逆回転し始める。
図4において、回転軸10が回転方向R2に回転し、回転方向R2でみて後方にある第1の磁性部材81が、第2の磁性部材82を構成する永久磁石85に近づく関係にあるとき、第1の磁性部材81と永久磁石85との間には磁気カップリングによって、磁気力(引き寄せる力)F1が生じ、回転軸10の回転エネルギーが増大される。すなわち、固定位の永久磁石85により、図4の第1の磁性部材81に働く磁気力F1は、回転軸10の回転方向R22と一致する方向に働き、回転軸10と一体的に回転動する第1の磁性部材81の位置変動を促進するように作用する。その結果、回転軸10の回転位置でみた回転エネルギーE2は、回転エネルギーE1よりも大きくなる(図7参照)。
図4に示した状態の後、図5に示すように、回転軸10の回転動によって、第1の磁性部材81と、永久磁石85とが、径方向dでみて重なり合う位置にきたとき、又は、第1の磁性部材81と永久磁石85とが最も近くなる位置にきたとき、永久磁石85の磁気力F1によって、回転軸10には、当該位置で保持しようとする力が加わる。ここで、図5に示した状態において、磁気力F1よりも前記反転力の方が大きいとき、回転軸10は、回転方向R2に回転を継続する。図5に示した状態の後、図6に示すように、回転方向R2でみて第1の磁性部材81が、永久磁石85から遠ざかる関係にあるとき、第1の磁性部材81には永久磁石85の磁気力(引き戻す力)F2が加えられ、回転軸10の回転エネルギーが減衰される。すなわち、永久磁石85により第1の磁性部材81に働く磁気力F2は、回転軸10の回転方向R2に相反する方向R1に働き、回転軸10と一体的に転動する第1の磁性部材81の位置変動を阻止するように作用する。その結果、回転軸10の回転位置でみた回転エネルギーE3は、回転エネルギーE2よりも小さくなる(図7参照)。
図6に示した状態の後、回転軸10が回転動し、第1の磁性部材81が、回転方向R2でみて前方にある次の第2の磁性部(82)に近づくことにより、回転軸10には、次の第2の磁性部材82との関係で、再び図4乃至図6を参照して説明した磁気力F1、F2が加えられることとなる。回転軸10の回転動は、磁気力F2による引き戻しのほかに、摩擦や機構自体の抵抗が作用することにより、最終的に前記反転力がゼロになったときに停止し、そのときに正対する第2の磁性部材82に第1の磁性81が引き寄せられた状態(例えば図5参照)を停止位置として回転軸10が保持される。
一般に、磁気力F1、F2の出方は、平坦な面よりも、エッジ部分又はエッジに近い部分の方が大きくなる(端縁効果)。この端縁効果を最大限利用するため、第1、第2の磁性部材81、82は、凸極構造を有するから、図5に示した端面同士が正対する状態よりも、図4又は図5に示した角部同士が向かい合う状態のとき、磁気力F1、F2が効率的、かつ、強く作用する。
また、磁気カップリングの磁気力F1、F2は、磁気カップリングが回転軸10の回転方向R2でみて近づく関係にあるときに引き寄せる力F1が生じ、遠ざかる関係にあるときに引き戻す力F2が生じることにより、回転軸10に対して図7に示したようなトルクの脈動を与える。このトルクの脈動が回転軸10に与える影響は、1周期において±0である。その結果、図7に示すように、反転防止装置8を備える転てつ機bは、反転防止装置8のない転てつ機aよりも少ない回転角度(又は回転数)で、逆転する回転エネルギー(反動力)を減衰させ、停止させることができる。
ところで、既に説明したところではあるが、従来の転てつ機では、転換終了後に発生する反転が問題となる。即ち、転換ローラ31が、カムバー30のカム溝において転換終了位置に相当する端部に当たると、各歯車5〜7やモータ1等の回転体が持っていた回転エネルギーの方向が逆転し、変換機構3から減速機構2に伝達されることとなる。ここで、逆転した回転エネルギーは、摩擦継手53の滑りによって部分的に吸収されるが、摩擦継手53の伝達力に相当する力は吸収されずに歯車5〜7や回転軸50〜70に加わり、歯車5〜7や回転軸50〜70が弾性変形する。そして、転換終了にともない回転体が停止すると、弾性変形した歯車5〜7や回転軸50〜70が元に戻ろうとする逆回転の力(反転力)が加わって反転することにより、回転体の停止位置がずれる問題を生じる。また、歯車5〜7や回転軸50〜70の弾性変形の度合は、摩擦継手53の伝達力に比例するため、摩擦継手53の使用状態などによって反転力が増減し、回転体の停止位置が不安定となり、その結果、転換終了としない位置まで反転する問題が生じる。
ここで、転てつ機は、列車又は車両の進路を選択する軌道設備であり、その動作不良は冒進事故や、最悪の場合には脱線又は衝突事故などの重大な鉄道事故に直結することなるから、転換終了後の反転を防止し、転てつ機の切り換えポイントとしての信頼性を確保することが要請される。
上述した転換終了後の反転を防止する技術について、従来、転換終了後の反転を防止する技術について、減速機構(2)を構成する歯車(5〜7)の1つに摩擦部材を圧接させ、摩擦部材と歯車(5〜7)の間に発生する摩擦力により、反転力を低減する摩擦式の反転防止装置が知られている。
しかし、摩擦式の反転防止装置では、通常の転換動作中の歯車(5〜7)にも摩擦力が加えられていることとなるから、回転エネルギーの伝達の損失が発生する点で改善の余地がある。また、摩擦力は、接触面の摩耗、接触面を構成する素材の経年劣化、さらには湿度や気温などの気象条件によっても変化するから、摩擦式の反転防止装置では、摩擦力を所定の値に設定するための調整作業が困難であるとともに、設定した摩擦力を持続させ、安定的な反転力低減効果を維持することも困難である。
しかも、摩擦部材の接触面の摩耗具合は、湿度や気温などの気象条件によって変化するから、線路に沿って多数設置される転てつ機の全てについて、その摩耗具合を把握することは困難である。その結果、摩耗具合を定期的に調べる点検作業が必要になる上、所定の摩擦力が得られなくなった摩擦部材については交換する必要も生じるから、点検作業、交換作業、及び、交換部品の分だけ、維持管理コスト高を招く。
加えて、摩擦式の反転防止装置では、摩擦部材、及び、摩擦部材を歯車(5〜7)に圧接させるための弾性部材が必要になる分だけ部品点数が増えるから、コスト高を招く。さらに、部品点数が増え、構造が複雑になるに従って故障の危険も高くなる。摩擦式の反転防止装置が故障すると、フェイルセーフの観点から歯車がロックされて転換不能になり、その結果、重大事故の原因となるリスクが発生するから、鉄道運行上、採用することができない。
上述した従来技術とは異なり、図2及び図3の反転防止装置8、及び、これを用いた図1の転てつ機によると、転換終了後の反転を防止し、転てつ機に求められる切り換えポイントとしての信頼性を確保することができる。
まず、図1の転てつ機を構成する反転防止装置8は、回転軸10と、その固定側との間で構成される磁気カップリングの磁気力F1、F2、具体的には磁気カップリングが回転軸10の回転方向R2でみて遠ざかる関係にあるとき(図5参照)に生じる引き戻す力F1によって反転力を低減し、回転体を所定の位置で停止させることが可能であるから、トングレール転換終了後の反転を防止することができる。
図1の反転防止装置8は、モータ1の回転軸10に取り付けられているから、必要最小限度の制動トルクで効率的に反転を防止することができる。もっとも、反転防止装置8は、減速機構2を構成する各歯車5〜7のいづれかに取り付けても、反転を防止することはできる。減速機構2を構成する各歯車5〜7に取り付ける場合、大きな制動トルクが必要になるから磁気力F1、F2を強める必要がある。また、限られたスペースで設置場所や設置態様を工夫することが求められる。
反転防止装置8は、回転軸10と、その固定側との間で磁気カップリングを構成するから、回転軸10には、回転が停止した状態でも磁気カップリングの磁気力が加えられることにより、その停止位置で保持される。その結果、転てつ機の停止時において、反転防止装置8の磁気カップリングの制動トルクにより、減速機構2の自然変位を阻止するように作用し、減速機構2の位置保持をすることができる。従って、トングレール転換終了後の反転を防止することができる。
反転防止装置8を構成する磁気カップリングの磁気力F1、F2は、磁気カップリングが回転軸10の回転方向R2でみて遠ざかる関係にあるときに引き戻す力F1が生じ、近づく関係にあるときに引き寄せる力F2が生じることにより、回転体にトルクの脈動(図7参照)を与える。このトルクの脈動が回転体に与える影響は、1周期において±0であるから、伝達の損失は発生しない。トルクの脈動は、磁石が等しく配置されているときは、図7に示すように安定した(均一な)波形となる。
さらに言えば、この種の転てつ機を構成する回転体は、トングレールの転換中は高速回転しており、磁気カップリングの磁気力F1、F2(トルクの脈動)と比較して、回転体の持つ回転エネルギーの方が非常に大きくなるため、転換中に磁気カップリングの磁気力F1、F2(トルクの脈動)が、回転体のスムーズな回転を阻害することはない。
上述したように、図1乃至図7の反転防止装置8は、非接触の磁気カップリングの磁気力F1、F2により、反転力の低減効果を奏するものであるから、摩耗や経年劣化の問題は生じない。従って、摩耗や経年劣化の点検作業、摩耗や経年劣化した部品の交換作業が不要となる分だけ、維持管理コストを低減することができる。
また、磁気カップリング式の反転防止装置8においては、第1、第2の磁性部材81、82の材料選定などにより、磁気力F1、F2を所定の値に設定するための調整作業が容易であるとともに、設定した磁気力F1、F2を持続させ、安定的な反転力低減効果を維持することも容易である。
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種種の変形態様を採り得ることは自明である。例えば、第1、第2の磁性部材81、82は、回転軸10と、その固定側との間に非接触の磁気カップリングを構成するものであればよいから、図2とは異なり、第1の磁性部材81を永久磁石で構成し、第2の磁性部材82を磁性体で構成することもできる。もちろん、第1、第2の磁性部材81、82をともに永久磁石で構成することもできる。第1、第2の磁性部材81、82をともに永久磁石で構成する場合、第1の磁性部材81を構成する永久磁石は全て同極が径方向dに向いており、第2の磁性部材81を構成する永久磁石は全て第1の磁性部材81を構成する永久磁石に対して異極となるように配置することができる。
また、磁気カップリングを構成する第1、第2の磁性部材81、82の数は、少なくとも一対以上であることが好ましい。図2及び図3の実施形態において4対とした理由は、例えば1対の場合など数が少なくなると配置バランスが悪くなる結果、回転軸10に偏った磁気力F1、F2が加わることにより、ブレが発生し伝達ロスが生じるとともに、騒音や故障の原因にもなる点を考慮したこと、3対の場合は第2の磁性部材82を取り付けるための支持壁84の折り曲げ加工が難しくなる点を考慮したものである。
1 モータ
10 回転軸(出力軸)
8 反転防止装置
R1、R2 回転方向

Claims (4)

  1. モータと、反転防止装置とを含む転てつ機であって、
    前記反転防止装置は、前記モータの回転軸に取り付けられる第1の磁性部材と、固定側である支持板に取り付けられる第2の磁性部材とが、前記回転軸の径方向に隙間を隔てて向かい合って配置され、第1の磁性部材の回転により磁気カップリングが形成される、転てつ機。
  2. 請求項1に記載された転てつ機であって、前記第1の磁性部材又は前記第2の磁性部材は、径方向、又は径方向に対向する方向に突出する凸極構造である、転てつ機。
  3. 請求項1に記載された転てつ機であって、前記反転防止装置の磁気カップリングが、前記回転軸の回転方向でみて遠ざかる関係にあるときには引き戻す力が生じ、前記磁気カップリングが、前記回転軸の回転方向でみて近づく関係にあるときには引き寄せる力が生じ、前記回転軸にトルクの脈動を与える、転てつ機。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載された転てつ機であって、前記第1の磁性部材又は前記第2の磁性部材は、永久磁石又は磁性体のいずれかである、転てつ機。
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