JP2834439B2 - 電気転てつ機 - Google Patents

電気転てつ機

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JP2834439B2
JP2834439B2 JP27059996A JP27059996A JP2834439B2 JP 2834439 B2 JP2834439 B2 JP 2834439B2 JP 27059996 A JP27059996 A JP 27059996A JP 27059996 A JP27059996 A JP 27059996A JP 2834439 B2 JP2834439 B2 JP 2834439B2
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magnetic coupling
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勝嘉 乙川
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Kyosan Seisakusho KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道分岐転換に使
用される電気転てつ機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電気転てつ機は、モータの回転速
度を各種のギアを組み合わせた減速駆動系によって減速
し、減速後の回転動作を往復動作に変換して鉄道線路の
分岐器を切り替えている。
【0003】モータの発生する駆動力は、摩擦板式のク
ラッチあるいは磁気カップリング式のクラッチによって
減速駆動系に伝達されている。磁気カップリング式のク
ラッチは、図10に示すように、モータ軸側に取り付け
られる駆動側カップリング板301と、減速駆動系への
出力軸に取り付けられる従動側カップリング板302と
が、互いに近接して対向している。
【0004】駆動側カップリング板301には、隣接す
る磁石同士303aが互いに異極になるようにリング状
に複数の永久磁石303が取り付けられている。一方、
従動側カップリング板302には、駆動用カップリング
板301に設けられた永久磁石303からの磁気によっ
て磁化されるヒステリシス磁化板304が取り付けられ
ている。
【0005】従動側カップリング板302のヒステリシ
ス磁化板304には、駆動側カップリング板301の永
久磁石303からの磁界によって、磁極が発生する。駆
動側カップリング板301側の磁極と従動側カップリン
グ板302側に発生した磁極の角度変位が0度のとき、
従動側カップリング板302を回転させるためのトルク
は0である。
【0006】駆動側カップリング板301が回転して、
従動側カップリング板302との間でスリップが起きる
と、駆動側カップリング板301の磁極と従動側カップ
リング板302に発生する磁極との間に角度差(位相
差)が生じる。これにより磁極間の引力は角度差に応じ
て斜めに作用し、従動側を回転させるトルクが生じる。
【0007】そして、最大位相差の状態で最大トルクが
発生し、以後、最大位相差を保ったまま従動側カップリ
ング板302はスリップしながら回転する。
【0008】このように永久磁石とヒステリシス磁化材
を組み合わせたものでは、駆動側カップリング板301
からの磁気によって従動側カップリング板302側に磁
極が発生するので、スリップの度合いに関係無く、磁極
間の位相差は最大位相差が保たれ、一定のトルクで減速
駆動系を動作させることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】近年、列車は高速化の
傾向にあり、これに伴って分岐器は大軌条化、弾性化、
高番数化しており、電気転てつ機の転換力をより大きく
することが求められている。しかしながら、従来の永久
磁石とヒステリシス磁化材を組み合わせた磁気カップリ
ングにより動力を伝達する電気転てつ機では、永久磁石
とヒステリシス磁化材との空隙の磁束密度をある程度以
上大きくすることができないのでモータから減速駆動系
に大きなトルクを伝達することができないという問題が
あった。
【0010】永久磁石およびヒステリシス磁化材で構成
するリングの外径寸法をより大きくすれば、トルクを大
きくできるが、その分、慣性が増し、電気転てつ機の起
動や停止の際に各種機構系へ大きな衝撃力が加わり、各
部の強度を上げる必要が生じる。
【0011】また、永久磁石側とヒステリシス磁化板側
のスリップにより発熱するので、クラッチがスリップす
る状態を長時間継続することができず、スリップ時間を
監視するなど複雑な制御を要していた。
【0012】そのため、大きな転換力を要する分岐器で
は摩擦板式のクラッチを用いていたが、摩擦板式の場合
には夏、冬の温度変化によりトルクが変動するので定期
的な保守が必要であった。また潤滑油や摩耗したクラッ
チ板の定期交換を行なわねばならず、電気転てつ機の保
守に工数が嵩むという問題があった。
【0013】また、永久磁石同士を組み合わせて磁気カ
ップリング式のクラッチを構成すれば、大きなトルクを
得ることができるが、双方のクラッチ板上で磁極の位置
が固定しているので、クラッチがスリップした際に、磁
極間の位相差が変動し、脈動的なトルクになってしま
う。このため、電気転てつ機の各機構が振動し、大きな
騒音が生じるという問題があった。
【0014】一方、各クラッチ板の磁極の数を極めて多
くすれば振動を低減することができるが、そのような多
数の永久磁石を配置したクラッチ板は製造が難しいとと
もに、価格の上昇を招くという問題があった。
【0015】本発明は、このような従来の技術が有する
問題点に着目してなされたもので、磁気カップリングに
よって大きなトルクを伝達できる製造の容易な電気転て
つ機を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存
する。 [1]鉄道分岐転換に使用される電気転てつ機(10)
において、転換のための駆動力を発生するモータ(11
0)と、前記モータ(110)の有するモータ軸(11
1)の一端部側に設けられ該モータ(110)の駆動力
を電気転てつ機(10)の減速駆動系(30)に伝達す
る駆動用磁気カップリング部(120)と、前記モータ
軸(111)の他端部側に設けられ、該モータ(11
0)の休止時に前記減速駆動系(30)の位置保持を行
なう位置保持用磁気カップリング部(150)とを同一
のケーシング(100)内に収めたモータ部(20)を
備え、前記駆動用磁気カップリング部(120)は、前
記モータ軸(111)に取り付けられた第1の動力伝達
部材(130)と、前記モータ軸(111)と回転中心
軸を同一とする前記減速駆動系(30)への出力軸(2
2)に取り付けられた第2の動力伝達部材(140)と
から構成され、前記第1の動力伝達部材(130)は、
磁力により前記第2の動力伝達部材(140)とカップ
リングする部分として前記モータ軸(111)を中心に
リング状を成した第1、第2の結合面を備え、前記第2
の動力伝達部材(140)は、前記第1の結合面に近接
して対向し前記出力軸(22)を中心にリング状を成し
た第3の結合面と前記第2の結合面に近接して対向し前
記出力軸(22)を中心にリング状を成した第4の結合
面とを備え、前記第1の結合面には、同一極性の磁極を
前記第3の結合面に向けて複数の永久磁石(132)が
リング状に配置されており、前記第3の結合面には、前
記第1の結合面に配置された永久磁石(132)と反対
極性の磁極を該第1の結合面に向けて複数の永久磁石
(142)がリング状に配置されており、前記第2の結
合面と第4の結合面のうちいずれか一方の結合面には、
他方の結合面に向けた磁極が隣り合う磁石同士で異極に
なるように複数の永久磁石(133)がリング状に配置
されており、前記他方の結合面はヒステリシス磁化材
(143)で形成されており、前記第1、第3の結合面
に間に働く磁石同士の吸引力と、前記第2、第4の結合
面の間に働く磁石とヒステリシス磁化材との吸引力の双
方によって前記モータ(110)の駆動力を前記減速駆
動系(30)に伝達することを特徴とする電気転てつ機
(10)。
【0017】前記本発明は次のように作用する。駆動用
磁気カップリング部(120)は、モータ軸(111)
に取り付けられた第1の動力伝達部材(130)と、モ
ータ軸(111)と回転中心軸を同一とする減速駆動系
(30)への出力軸(22)に取り付けられた第2の動
力伝達部材(140)とから構成されており、第1の動
力伝達部材(130)と第2の動力伝達部材(140)
の間の磁気カップリングは、永久磁石(132、14
2)どうしの吸引力によりトルクを伝達する部分と、永
久磁石(133)とヒステリシス磁化材(143)の間
の吸引力によってトルクを伝達する部分の双方で形成さ
れる。
【0018】駆動側から従動側へのトルクの伝達に、永
久磁石どうし(132、142)の吸引力と、永久磁石
(133)とヒステリシス磁化材(143)との間の吸
引力とを併用したので、永久磁石の磁極の数を極度に多
くしなくても実用上妥当な上限数でトルクの脈動を十分
抑えることができる。すなわち、永久磁石の数を製造上
および経済的に妥当な上限数(たとえば、48極程度)
にする。
【0019】また、永久磁石どうしの吸引力を利用して
いるので、大きなトルクを伝達することができるととも
に、磁極の数が極端に多くないので、容易かつ安価に製
造することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の各種
実施の形態を説明する。図1から図6は本発明の第1の
実施の形態を示している。図2および図3に示すよう
に、電気転てつ機10は、駆動モータ部20の出力が減
速駆動系30を介して動作桿50および差込み鎖錠桿6
0、60aに作用するように構成されている。図示省略
した分岐器側の接続ロッドには動作桿50の端部52お
よび鎖錠桿70、70aの端部72がそれぞれ連結され
ている。減速駆動系30は、駆動モータ20の回転速度
を減速するものであり、出力軸22にはベベルピニオン
32が固着されている。
【0021】ベベルピニオン32には、べべルギア36
が噛合されている。ベベルギア36の回転軸34aには
小歯車37が固着されており、中間ギア38に噛合され
ている。中間ギア38と同一の回転軸には、中間ピニオ
ン39が固着され、転換ギア40に噛合されている。
【0022】転換ギア40には、転換ローラ42が植設
されている。転換ギア40の下位置には転換ローラ42
に係脱する動作桿50および差込み鎖錠桿60、60a
が配設されている。動作桿50の中央部には転換ローラ
42に係脱する案内溝54が刻設されている。回転ロー
ラ42の揺動により動作桿50が往復移動するようにな
っている。
【0023】差込み鎖錠桿60、60aは対称的に設け
られている。差込み鎖錠桿60は、一端にカム板62、
他端に鎖錠駒64、中央部に動作桿受け部66を有して
いる。カム板62には、転換ローラ42が係脱するカム
溝63が刻設されている。
【0024】同様に、差込み鎖錠桿60aは、一端にカ
ム板62a、他端に鎖錠駒64a、中央部に動作桿受け
部66aを有しており、カム板62aには図示省略した
カム溝が刻設されている。
【0025】転換ローラ42とカム板62との関係は、
転換ローラ32がカム板62のカム溝63に係合するこ
とにより、差込み鎖錠桿60が鎖錠駒64で鎖錠桿70
を移動不能に拘束するとともに、動作桿受け部66で動
作桿50を一方向へ移動不能に拘束するようになってい
る。
【0026】同様に、差込み鎖錠桿60aが鎖錠駒64
aで鎖錠桿70aを移動不能に拘束し、動作桿受け部6
6aで動作桿50を他方向へ移動不能に拘束するように
なっている。
【0027】図1は、第1の実施の形態における電気転
てつ機10の有する駆動モータ部20の一部を破断して
表したものである。駆動モータ部20は、円筒形状のケ
ーシング100を備えている。ケーシング100内の中
央部には、分岐器を切り替えるための駆動力を発生する
モータ110が、ケーシング100内の出力軸22側に
はモータ110の駆動力を磁気力によって該出力軸22
へ伝達する駆動用磁気カップリング部120が設けられ
ている。
【0028】またケーシング100内には、モータ11
0の休止時に磁気力で位置保持を行なうための位置保持
用磁気カップリング部150がモータ110を挟んで出
力軸22と反対側に収められている。
【0029】モータ110は、モータ軸111に取り付
けたロータ112と、ケーシング100の内壁面に固定
された円環状の一次鉄心113とから構成される。
【0030】駆動用磁気カップリング部120は、モー
タ軸111の出力軸側端部に取り付けられた第1の磁気
結合部130と、モータ軸111と回転中心を同一とす
る出力軸22に取り付けられた第2の磁気結合部140
とから構成される。
【0031】第1の磁気結合部130は、底面を備えた
円筒形状を成す駆動側取付部材131を有しており、そ
の底面中央部に開設された取付穴にモータ軸111が嵌
入され、該底面をモータ110側に向けた状態でモータ
軸111に固着されている。
【0032】駆動側取付部材131には、その円筒部側
壁内面に沿って48個の永久磁石132が等間隔に固着
されている。これら永久磁石132はすべて同一極性の
磁極(N極)が、駆動側取付部材131の内側に向けて
取り付けられている。
【0033】駆動側取付部材131の底面内側には、モ
ータ軸111を中心としてリング状に複数の永久磁石1
33が配置され固着されている。永久磁石133は、隣
り合う磁極が異極同士に配置されている。
【0034】第2の磁気結合部140は、底面を備えた
円筒形状を成す従動側取付部材141を有し、その底面
中央部に開設された取付穴に出力軸22が嵌入され、該
底面を出力軸22側に向けた状態で出力軸22に固着さ
れている。第2の磁気結合部140は、第1の磁気結合
部130の円筒部内に挿入される。
【0035】従動側取付部材141の円筒部外周壁に
は、その全周に渡って複数の永久磁石142が等間隔に
取り付けられている。ここでは、永久磁石142の数
は、駆動側取付部材131の円筒部内壁に固着されてい
る永久磁石132と同一の32個である。
【0036】従動側取付部材141の円筒部外壁の永久
磁石142は、それぞれ外側にS極が向けられており、
第1の磁気結合部130の円筒部内に挿入された状態
で、駆動側取付部材131内壁の永久磁石131と従動
側取付部材141外壁の永久磁石142とが互いに近接
するようになっている。
【0037】また従動側取付部材141の円筒部は所定
の厚みを備えており、その端面にリング状のヒステリシ
ス磁化材143が取り付けられている。第1の磁気結合
部130の円筒部内に第2の磁気結合部140が挿入さ
れた取付状態において、駆動側取付部材131の底面に
固着されている永久磁石133と従動側取付部材141
の円筒部端面に固着されているヒステリシス磁化材14
3とが、互いに近接して向き合うようになっている。
【0038】図4は、駆動用磁気カップリング部120
をモータ110側から見た様子を示している。駆動側取
付部材131の円筒部内壁には、永久磁石132が均等
な間隔でリング状に配置されている。図では、永久磁石
の個数は適宜省略して示してある。駆動側取付部材13
1の内側に挿入されている従動側取付部材141の円筒
部外壁にも、同数の永久磁石142が配置されており、
永久磁石132と永久磁石142は、近接しており、磁
力による吸引力が作用するようになっている。
【0039】また、従動側取付部材141の円筒部端面
には、ヒステリシス磁化材143が固着されている。モ
ータ軸111に取り付けられている従動側取付部材14
1が回転すると駆動側取付部材131が磁気的な吸引力
の作用によって同方向に回転するようになっている。
【0040】図5は、従動側取付部材141の底面に固
着されている永久磁石133の極性と配置を示してい
る。従動側取付部材141には、隣接する磁石同士13
3aが互いに異極になるようにリング状に複数の永久磁
石133が取り付けられている。
【0041】永久磁石133は、図4に示したヒステリ
シス磁化材143と近接して対向して配置され、ヒステ
リシス磁化材143には永久磁石133からの磁気によ
って磁極が発生するようになっている。
【0042】位置保持用磁気カップリング部150(図
1)は、リング状のヒステリシス磁化材151の固着さ
れた取付円板152を備え、該取付円板152は、その
中央の取付穴がモータ軸110の他端部に嵌め込まれ固
定されている。
【0043】ケーシング100は、その内部をモータ1
10と位置保持用磁気カップリング部150に仕切ると
ともに、モータ軸111をモータ110と位置保持用磁
気カップリング部150の境界位置でベアリングを介し
て支持する仕切壁101を備えいる。仕切壁101の位
置保持用磁気カップリング部150を向いた側面には、
ヒステリシス磁化材151と近接して対向するように複
数の永久磁石153がリング状に配置され固着されてい
る。
【0044】取付円板152は、図5に示した駆動側取
付部材131の永久磁石133と同様に、隣接する磁石
同士が互いに異極になるように配置されている。
【0045】次に作用を説明する。駆動側取付部材13
1の円筒部内壁に取り付けられている永久磁石132
と、従動側取付部材141の円筒部外壁に固着されてい
る永久磁石142とは、互いに異極を向き合わせている
ので、永久磁石132と永久磁石142は互いに磁気的
に引き合う。
【0046】この引き合う力は、図6に示すように、駆
動側取付部材131が矢印161の示す方向に回転し、
駆動側取付部材131側の永久磁石132aと、従動側
取付部材141側の永久磁石142の間に位相差が生じ
ると、破線矢印162で示すように従動側取付部材14
1を駆動側取付部材131と同方向に回転させるトルク
が発生する。
【0047】一方、駆動側取付部材131の底面に配置
されている永久磁石133からの磁気によって従動側取
付部材141に固着されているヒステリシス磁化材14
3が磁化するので、永久磁石133とヒステリシス磁化
材143の間に磁力による吸引力が働く。
【0048】モータ110に従って第1の磁気結合部1
30が回転し、第1の磁気結合部130と第2の磁気結
合部140の間、すなわち、駆動側取付部材131の底
面に設けられた永久磁石133の磁極と従動側取付部材
141に固着されているヒステリシス磁化材143に発
生する磁極との間に角度差(位相差)が生じると、磁極
間の吸引力は発生した角度差に応じて斜めに作用し、第
2の磁気結合部140側を第1の磁気結合部130と同
方向に回転させるトルクが生じる。
【0049】すなわち、永久磁石133とヒステリシス
磁化材143の間の磁気カップリングにおいては、常に
一定の最大トルクが第2の磁気結合部140へと伝達さ
れる。
【0050】このように、第2の磁気結合部140から
第1の磁気結合部130へのトルクの伝達は、永久磁石
同士(132、142)の間の磁気カップリングと、永
久磁石133とヒステリシス磁化材143との間の磁気
カップリングの双方に分担して行われる。
【0051】永久磁石同士の磁気カップリングでは、永
久磁石132aと永久磁石142の磁極の角度差が最大
位相差の状態で最大トルクを発生するが、最大位相差を
越えると、駆動側取付部材131の有する次の永久磁石
132bの影響により、永久磁石142aには永久磁石
132b側へ向かう引力が作用する。
【0052】このため、永久磁石同士の磁気カップリン
グでのトルクが大きくなると、駆動用取付部材131と
従動用取付部材141とがスリップを始め、永久磁石1
32と永久磁石142の磁気的結合によって従動用取付
部材141へ伝達されるトルクに脈動が生じ、騒音や振
動が発生してしまう。
【0053】しかしながら、ヒステリシス型の磁気カッ
プリングを併用しているので、永久磁石同士の間で生じ
るトルクの全体のトルクに占める割合が小さくなり、通
常は、スリップの起きない状態でトルクの伝達が行われ
る。これにより、脈動が起きず、騒音や振動を少なく抑
えることができる。また一時的にトルクが大きくなりス
リップが発生したとしても、駆動用磁気カップリング部
120全体としてのトルク変動が少なくなり、振動や騒
音を軽減することができる。
【0054】すなわち、大きいトルクを確保しながら、
振動や騒音を低減することが可能になっている。さら
に、永久磁石とヒステリシス磁化材との間の磁気カップ
リングを併用しているので、永久磁石同士の磁気カップ
リングに供する磁石の数を極端に多くしなくても脈動に
よる振動や騒音を低減できるので、駆動用磁気カップリ
ング部120を低価格でかつ容易に製造することができ
る。
【0055】位置保持用磁気カップリング部150で
は、永久磁石153の磁極に対応して、ヒステリシス磁
化材151に反対極性の磁極が発生する。モータ軸11
1が回転し、取付円板152が回転すると、ケーシング
100に固定されている永久磁石153の磁極に対し
て、常に、最大位相差の状態でヒステリシス磁化材15
1に反対極性の磁極が発生する。
【0056】これによりモータ110は、制動力を受け
る。駆動モータ部20では、位置保持用磁気カップリン
グ部150で発生する制動力を、モータ110の発生す
る駆動力より小さく設定しているので、モータ110は
制動力に抗して回転し、図示しない分岐器を切り替え
る。
【0057】一方、モータ110がその回転を停止する
際には、位置保持用磁気カップリング部150からの制
動力が働き、モータ110や分岐器の慣性による余計な
回転動作を短時間で停止させることができる。また、モ
ータが休止状態のときにも、位置保持用磁気カップリン
グ部150から制動力が働くので、分岐器の位置保持を
適切に行うことができる。
【0058】位置保持用磁気カップリング部150を、
駆動用磁気カップリング部120よりも減速駆動系30
側に設けた場合には、駆動用磁気カップリング部120
によって伝達されるトルクは、位置保持用磁気カップリ
ング部150の制動力分だけ減じられてしまい、実質的
に減速駆動系30へ伝達できるトルクが減少してしま
う。
【0059】しかしながら、モータ110を挟んで出力
軸22と反対側に位置保持用磁気カップリング部150
を設けているので、駆動用磁気カップリング部120に
よって伝達可能なトルクが位置保持用磁気カップリング
部150によって減じられることが無い。すなわち、位
置保持用磁気カップリング部150はモータ110に対
して制動力を加えるが、駆動用磁気カップリング部12
0から減速駆動系30にの伝達されるトルクを減ずるよ
うな作用は行わない。これにより、磁気カップリングを
介して一層大きなトルクを減速駆動系30に伝達するこ
とができる。
【0060】また、モータ110を挟んで出力軸120
の反対側に位置保持用磁気カップリング部150を設け
ているので、減速駆動系30側の慣性の増加を防止で
き、電気転てつ機の駆動開始および駆動停止をより円滑
に行なうことができる。
【0061】次に本発明の第2の実施の形態について説
明する。第2の実施の形態における電気転てつ機は、第
1の実施の形態と駆動用磁気カップリング部のみが相違
しており、他の同一部分についての説明は適宜省略す
る。図7は、第2の実施の形態における駆動用磁気カッ
プリング部200を示している。駆動用磁気カップリン
グ部200はモータ軸111側に固着された駆動側円形
取付板210と、これに近接して対向し出力軸22に固
着された従動側円形取付板220を備えている。
【0062】駆動側円形取付板210の中心部には、図
8に示すように、隣接する磁極どうし(211a)が互
いに異極になるように円形に複数の永久磁石211が配
置されている。また、駆動側円形取付板210には、N
極を従動側円形取付板220側に向けた複数の永久磁石
212が中心部の円形に配置された永久磁石211の外
側にリング状に配置されている。
【0063】従動側円形取付板220は、図9に示すよ
うに、駆動側円形取付板210に対向する側の面の中心
部に、永久磁石211と対応する直径を有する円板形状
のヒステリシス磁化材221が固着されている。またそ
の周囲には、S極を駆動側円形取付板210側に向けた
複数の永久磁石222がリング状に配置されている。
【0064】駆動側円形取付板210の外周部にリング
状に配置されている永久磁石212と、これに対向する
永久磁石222とは、異極を向き合わせて近接している
ので、互いに磁気的に引き合い、永久磁石同士による磁
気カップリングを形成している。
【0065】一方、駆動側円形取付板210の中心部に
配置された永久磁石211と、これに対向するヒステリ
シス磁化材221との間には、永久磁石とヒステリシス
磁化材の組み合わせによる磁気カップリングが形成され
る。
【0066】このように、駆動側円形取付板210から
従動側円形取付板220へのトルクの伝達は、永久磁石
同士(212、222)の間の磁気的吸引力と、永久磁
石211とヒステリシス磁化材221との間の磁気的吸
引力の双方に分担して行われる。
【0067】このため、永久磁石同士の間で発生するト
ルクに脈動が有っても、全体のトルクに占める割合が小
さくなるので、駆動用磁気カップリング部200全体と
してのトルク変動が少なくなり、振動や騒音を軽減する
ことができる。
【0068】また、永久磁石同士の磁気カップリング
と、永久磁石とヒステリシス磁化材との間の磁気カップ
リングを併用しているので、永久磁石とヒステリシス磁
化材との間の磁気カップリングだけを用いる場合に比べ
て、大きなトルクを伝達することができる。
【0069】さらに、永久磁石とヒステリシス磁化材と
の間の磁気カップリングを併用しているので、永久磁石
同士の磁気カップリングに供する磁石の数を極端に多く
しなくても、脈動による振動や騒音を低減できるので、
駆動用磁気カップリング部200を低価格でかつ容易に
製造することができる。
【0070】以上説明した第1、第2の実施の形態で
は、駆動用磁気カップリング部120、200、位置保
持用磁気カップリング部150、モータ110をケーシ
ング100内に一体的に収めるようにしたが、駆動用磁
気カップリング部120、200と位置保持用磁気カッ
プリング部150をモータ110と独立してそれぞれ別
個に設けるようにしてもよい。
【0071】この際、位置保持用磁気カップリング部1
50よりも駆動用磁気カップリング部120、200を
減速駆動系30側に配置するようにすれば、駆動用磁気
カップリング部120、200の伝達できるトルクが位
置保持用磁気カップリング部150によって減じられる
ことがなく、効率のよくトルクを伝達することができ
る。
【0072】
【発明の効果】本発明にかかる電気転てつ機によれば、
永久磁石同士による磁気カップリングと、永久磁石とヒ
ステリシス磁化材との間の磁気カップリングとを併用し
てモータの発生するトルクを減速駆動系に伝達するよう
にしたので、振動や騒音を少なく抑えつつ、大きなトル
クを伝達することができる。また、併用により、永久磁
石同士の磁気カップリング部に極端に多くの磁極を設け
る必要がないので、電気転てつ機の磁気カップリング部
を容易かつ安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電気転てつ機
の駆動用モータをその一部を破断して示した側面図であ
る。
【図2】本発明の第1、第2の実施の形態に係る電気転
てつ機を示す平面図である。
【図3】本発明の第1、第2の実施の形態に係る電気転
てつ機を示す側面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る電気転てつ機
の駆動用磁気カップリング部をモータ側から見た様子を
示す説明図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る電気転てつ機
の従動側取付部材の底面に固着されている永久磁石の極
性の配置を示す説明図である。ある。
【図6】永久磁石同の磁気カップリングによるトルクの
伝達原理を模式的に示した説明図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る電気転てつ機
の駆動用磁気カップリング部200を示す側面図であ
る。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る電気転てつ機
の駆動側円形取付板210に固着されている永久磁石の
配置を示す説明図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る電気転てつ機
の従動側円形取付板220に固着されている永久磁石お
よびヒステリシス磁化材の配置を示す説明図である。
【図10】従来例から使用されている電気転てつ機の磁
気カップリング部を示す説明図である。
【符号の説明】
10…電気転てつ機 20…駆動用モータ 22…出力軸 30…減速駆動系 50…動作桿 60、60a…差込み鎖錠桿 70、70a…鎖錠桿 100…ケーシング 101…仕切り壁 110…モータ 111…モータ軸 112…ロータ 113…一次鉄心 120…駆動用磁気カップリング部 130…第1の動力伝達部材 131…駆動側取付部材 132、133、142、211、212、222…永
久磁石 140…第2の動力伝達部材 141…従動側取付部材 143、151、221…ヒステリシス磁化材 150…位置保持用磁気カップリング部 152…取付円板 200…駆動用磁気カップリング部 210…駆動側円形取付板 220…従動側円形取付板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B61L 5/00 - 5/10 B61L 7/00 - 7/10 E01B 7/00 - 7/08 H02K 49/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄道分岐転換に使用される電気転てつ機に
    おいて、 転換のための駆動力を発生するモータと、前記モータの
    有するモータ軸の一端部側に設けられ該モータの駆動力
    を電気転てつ機の減速駆動系に伝達する駆動用磁気カッ
    プリング部と、前記モータ軸の他端部側に設けられ、該
    モータの休止時に前記減速駆動系の位置保持を行なう位
    置保持用磁気カップリング部とを同一のケーシング内に
    収めたモータ部を備え、 前記駆動用磁気カップリング部は、前記モータ軸に取り
    付けられた第1の動力伝達部材と、前記モータ軸と回転
    中心軸を同一とする前記減速駆動系への出力軸に取り付
    けられた第2の動力伝達部材とから構成され、 前記第1の動力伝達部材は、磁力により前記第2の動力
    伝達部材とカップリングする部分として前記モータ軸を
    中心にリング状を成した第1、第2の結合面を備え、 前記第2の動力伝達部材は、前記第1の結合面に近接し
    て対向し前記出力軸を中心にリング状を成した第3の結
    合面と前記第2の結合面に近接して対向し前記出力軸を
    中心にリング状を成した第4の結合面とを備え、 前記第1の結合面には、同一極性の磁極を前記第3の結
    合面に向けて複数の永久磁石がリング状に配置されてお
    り、 前記第3の結合面には、前記第1の結合面に配置された
    永久磁石と反対極性の磁極を該第1の結合面に向けて複
    数の永久磁石がリング状に配置されており、 前記第2の結合面と第4の結合面のうちいずれか一方の
    結合面には、他方の結合面に向けた磁極が隣り合う磁石
    同士で異極になるように複数の永久磁石がリング状に配
    置されており、前記他方の結合面はヒステリシス磁化材
    で形成されており、 前記第1、第3の結合面に間に働く磁石同士の吸引力
    と、前記第2、第4の結合面の間に働く磁石とヒステリ
    シス磁化材との吸引力の双方によって前記モータの駆動
    力を前記減速駆動系に伝達することを特徴とする電気転
    てつ機。
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