JP2017060923A - 塗工装置および塗工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】塗工液を塗工ノズル内で十分に撹拌させることで、粒子の沈殿や液の分離を防止し、塗工膜厚の均一性を向上できる塗工装置および塗工方法を提供する。【解決手段】この塗工装置30は、粒子を含む塗工液を基材に塗工する装置である。塗工装置30は、塗工液を吐出する塗工ノズル31と、塗工ノズル31に対して基材を相対移動させる移動機構と、塗工ノズル31に塗工液を供給する供給機構33と、を有する。また、塗工ノズル31は、略水平方向に向け開口するスリット状の吐出口311と、吐出口311に連通し、略水平方向に沿って形成された水平流路342と、水平流路342と接続され、水平流路342よりも下方側に液貯め空間351を有する液貯め部35と、液貯め部35内に配置され、液貯め部35内の塗工液を撹拌する撹拌機構36と、を有する。【選択図】図6

Description

本発明は、基材に塗工液を塗工する塗工装置および塗工方法に関する。
従来、リチウムイオン電池や燃料電池などの化学電池の製造においては、金属箔または高分子電解質膜等の基材をロールトゥロール方式にて搬送しつつ、その基材の表面に電極材料の塗工液を吐出して電極層を形成する。このような塗工液は、典型的には帯状の基材を搬送しつつスリット状の吐出口を備えたスリットノズルからその基材表面に液を吐出するスリットコート法によって塗工される。
化学電池用の塗工液は、触媒や活物質を溶媒中に分散させた混合液であるため、液中にてそれら物質の凝集や沈殿が生じやすい。このような凝集や沈殿が生じると塗工液中に異物が含まれることとなり、処理欠陥の原因となるおそれがある。このような、塗工液の凝集や沈殿を防ぐ技術については、例えば、実開平2−137971号公報(特許文献1)に記載されている。当該公報には、スリットノズルの内部の液貯め空間に羽根車を設け、羽根車を回転させることで塗工液を撹拌させる技術が記載されている。
実開平2−137971号公報
しかしながら、当該公報に記載の塗工方法では、スリットノズルは、基材に対して垂直に設置されている。このため、スリットノズルの先端部分に、粒子が沈殿し塗工液を十分に撹拌することができない。したがって、スリットノズルの吐出口が目詰まりを起こす虞がある。また、粒子と溶剤が十分に混ざり合わず、溶剤のみが吐出されるなどして、塗工膜厚の均一性が低下する虞がある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、塗工液を塗工ノズル内で十分に撹拌させることで、粒子の沈殿や液の分離を防止し、塗工膜厚の均一性を向上できる塗工装置および塗工方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、粒子を含む塗工液を基材に塗工する塗工装置であって、塗工液を吐出する塗工ノズルと、前記塗工ノズルに対して前記基材を相対移動させる移動機構と、前記塗工ノズルに前記塗工液を供給する供給機構と、を有し、前記塗工ノズルは、略水平方向に向け開口するスリット状の吐出口と、前記吐出口に連通し、略水平方向に沿って形成された水平流路と、前記水平流路と接続される液貯め部と、前記液貯め部内に配置され、少なくとも前記液貯め部内の前記水平流路よりも下方にある前記塗工液を撹拌する、撹拌機構と、を有する。
本願の第2発明は、第1発明の塗工装置であって、前記撹拌機構は、前記吐出口と平行な回転軸方向に延びる撹拌シャフトと、前記撹拌シャフトに固定された撹拌羽と、を有し、前記撹拌シャフトが回転することで、前記液貯め部内の前記塗工液が撹拌される。
本願の第3発明は、第2発明の塗工装置であって、前記撹拌シャフトは、前記撹拌羽の先端が、前記吐出口側から、前記液貯め部の下側に向かう方向に、前記液貯め部の内周面に沿って回転する。
本願の第4発明は、第2発明または第3発明の塗工装置であって、前記撹拌シャフトを前記回転軸を中心に回転させる撹拌モータをさらに有する。
本願の第5発明は、第2発明または第3発明の塗工装置であって、前記撹拌シャフトは、前記供給機構から前記吐出口へと向かう、前記塗工液の圧力により回転する。
本願の第6発明は、第2発明から第5発明までのいずれか1つの塗工装置であって、前記撹拌羽と、前記撹拌シャフトとは別部材である。
本願の第7発明は、第2発明から第6発明までのいずれか1つの塗工装置であって、前記撹拌羽は、前記回転軸方向に配列された複数の板状部を有する。
本願の第8発明は、第7発明の塗工装置であって、複数の前記板状部の先端は、隣接する前記板状部と互いに間隔を空けて配列される。
本願の第9発明は、第1発明から第8発明までのいずれか1つの塗工装置であって、前記撹拌機構は、前記吐出口から前記塗工液を吐出している間、前記液貯め部内の前記塗工液を撹拌しない。
本願の第10発明は、粒子を含む塗工液を塗工ノズルにより基材に塗工する塗工方法であって、a)前記基材に対して前記塗工ノズルを相対移動させる工程と、b)前記塗工ノズルに前記塗工液を供給する工程と、c)供給された前記塗工液を液貯め部に貯留する工程と、d)前記液貯め部に貯留された前記塗工液を撹拌機構により撹拌する工程と、e)前記塗工ノズルが有する吐出口から前記塗工液を、略水平方向に向けて吐出する工程と、を有する。
本願の第1発明〜第10発明によれば、撹拌機構によって、液貯め部内の塗工液を撹拌する。これにより、塗工液中の粒子の沈殿や分離を抑えることができる。このため、均一な濃度の塗工液を塗工ノズルから吐出することができ、塗工膜厚の均一性を高めることができる。
特に、本願の第2発明によれば、撹拌シャフトに固定された撹拌羽により、液貯め部内の塗工液を撹拌できる。これにより、塗工液の撹拌効果をより高めることができる。
特に、本願の第3発明によれば、液貯め部内で塗工液を効果的に撹拌できる。
特に、本願の第4発明によれば、撹拌モータの動力により、塗工液を撹拌できる。これにより、塗工液の撹拌効果をより高めることができる。
特に、本願の第5発明によれば、塗工装置の部品数を低減できる。また、塗工液撹拌に伴う消費電力を低減できる。
特に、本願の第6発明によれば、撹拌シャフトと撹拌羽を組み立てることで、撹拌機構を容易に構成することができる。また、長期間に亘る使用により撹拌羽が消耗した場合に、撹拌羽のみを交換することができる。
特に、本願の第8発明によれば、隣接する板状部の間において、溶媒と粒子が混ざりやすくなる。したがって、撹拌羽による塗工液の撹拌効果をより高めることができる。
特に、本願の第9発明によれば、撹拌機構により撹拌された均一な濃度の塗工液を吐出できる。これにより、塗工膜厚の均一性をより高めることができる。
膜・触媒層接合体の製造装置の構成を示した図である。 剥離ローラの付近の拡大図である。 吸着ローラの軸心を含む断面における乾燥炉の概略形状を示した図である。 ラミネートローラの付近の拡大図である 制御部と製造装置内の各部との接続を示したブロック図である。 塗工装置の構成を示した図である。 塗工ノズルの断面図である。 撹拌シャフトおよび撹拌羽の側面図である。 撹拌シャフトおよび撹拌羽の分解図である。 塗工装置による塗工処理の流れを示すフローチャートである。 変形例に係る撹拌シャフトおよび撹拌羽の断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
<1.製造装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る塗工装置30を備える、膜・触媒層接合体の製造装置1の構成を示した図である。この製造装置1は、帯状の基材である電解質膜の表面に、電極となる触媒層を形成して、固体高分子形燃料電池用の膜・触媒層接合体を製造する装置である。図1に示すように、本実施形態の膜・触媒層接合体の製造装置は、導入剥離部10、吸着ローラ20、塗工装置30、乾燥炉40、貼付部50、表面冷却部60および制御部70を備えている。
導入剥離部10は、バックシート91および電解質膜92の2層で構成される長尺帯状体90を、吸着ローラ20の外周面に導入するとともに、電解質膜92からバックシート91を剥離する部位である。
電解質膜92には、例えば、フッ素系または炭化水素系の高分子電解質膜が用いられる。電解質膜92の具体例としては、パーフルオロカーボンスルホン酸を含む高分子電解質膜(例えば、米国DuPont社製のNafion(登録商標)、旭硝子(株)製のFlemion(登録商標)、旭化成(株)製のAciplex(登録商標)、ゴア(Gore)社製のGoreselect(登録商標))を挙げることができる。電解質膜92の膜厚は、例えば、5μm〜30μmとされる。電解質膜92は、大気中の湿気によって膨潤する一方、湿度が低くなると収縮する。すなわち、電解質膜92は、大気中の湿度に応じて変形しやすい性質を有する。
バックシート91は、電解質膜92の変形を抑制するためのシートである。バックシート91の材料には、電解質膜92よりも機械的強度が高く、形状保持機能に優れた樹脂が用いられる。バックシート91の具体例としては、PEN(ポリエチレンナフタレート)やPET(ポリエチレンテレフタレート)のフィルムを挙げることができる。バックシート91の膜厚は、例えば25μm〜100μmとされる。
図1に示すように、導入剥離部10は、剥離ローラ11、導入部12および排出部13を有する。
剥離ローラ11は、水平に延びる軸心周りに回転するローラである。剥離ローラ11は、弾性体により形成された円筒状の外周面を有する。剥離ローラ11の外周面と、後述する吸着ローラ20の外周面とは、長尺帯状体90が通過する隙間を空けて、互いに対向する。また、剥離ローラ11は、図示を省略したエアシリンダによって、吸着ローラ20側へ加圧されている。
導入部12は、膜巻出ローラ121および第1検知ローラ122を有する。膜巻出ローラ121および第1検知ローラ122は、いずれも、剥離ローラ11と平行に配置される。供給前の長尺帯状体90は、膜巻出ローラ121に巻き付けられている。膜巻出ローラ121は、図示を省略したモータの動力により回転する。膜巻出ローラ121が回転すると、長尺帯状体90は、膜巻出ローラ121から繰り出される。
膜巻出ローラ121から繰り出された長尺帯状体90は、第1検知ローラ122の外周面に接触することにより向きを変えて、剥離ローラ11側へ搬送される。第1検知ローラ122は、長尺帯状体90から受ける荷重をロードセルで計測することにより、導入部12において長尺帯状体90にかかる張力を検知する。後述する制御部70は、第1検知ローラ122により検知される長尺帯状体90の張力が、予め設定された値となるように、第1巻出ローラ121の回転数を制御する。
図2は、剥離ローラ11の付近の拡大図である。図2に示すように、第1検知ローラ122を通過した長尺帯状体90は、剥離ローラ11と吸着ローラ20との間の隙間14へ導入される。このとき、バックシート91は剥離ローラ11に接触し、電解質膜92は吸着ローラ20に接触する。また、長尺帯状体90は、剥離ローラ11から受ける圧力で、吸着ローラ20の外周面に押し付けられる。そうすると、吸着ローラ20の後述する負圧によって、吸着ローラ20の外周面に電解質膜92が吸着される。
なお、本実施形態では、膜巻出ローラ121から繰り出される電解質膜92の一方の面に、予め触媒材料9aの層が形成されている。このため、吸着ローラ20の外周面には、当該触媒材料9aの層とともに、電解質膜92が吸着される。触媒材料9aの層は、製造装置1とは別の塗工装置において、バックシート91および電解質膜92の2層で構成される長尺帯状体90を、そのままロール・ツー・ロール方式で搬送しつつ、電解質膜92の表面に触媒インクを間欠塗工し、塗工された触媒インクを乾燥させることによって形成される。
排出部13は、バックシート巻取ローラ131および第2検知ローラ132を有する。バックシート巻取ローラ131および第2検知ローラ132は、いずれも、剥離ローラ11と平行に配置される。隙間14を通過したバックシート91は、吸着ローラ20から離れて、第2検知ローラ132の方向へ搬送される。これにより、電解質膜92からバックシート91が剥離される。剥離されたバックシート91は、第2検知ローラ132の外周面に接触することにより向きを変えて、バックシート巻取ローラ131側へ搬送される。
バックシート巻取ローラ131は、図示を省略したモータの動力により回転する。これにより、バックシート巻取ローラ131にバックシート91が巻き取られる。第2検知ローラ132は、バックシート91から受ける荷重をロードセルで計測することにより、排出部13においてバックシート91にかかる張力を検知する。後述する制御部70は、第2検知ローラ132により検知されるバックシート91の張力が、予め設定された値となるように、バックシート巻取ローラ131の回転数を制御する。
吸着ローラ20は、電解質膜92を外周面に吸着保持しつつ回転するローラである。吸着ローラ20は、剥離ローラ11よりも径の大きい円筒状の外周面を有する。吸着ローラ20の直径は、例えば、400mm〜1600mmとされる。吸着ローラ20は、図示を省略したモータの動力により、水平(すなわち、剥離ローラ11と平行)に延びる軸心周りに回転する。吸着ローラ20の回転方向である第1方向と、剥離ローラ11の回転方向である第2方向とは、互いに反対方向となる。
吸着ローラ20の材料には、例えば、多孔質カーボンや多孔質セラミックス等の多孔質材料が用いられる。多孔質セラミックスの具体例としては、アルミナ(Al)または炭化ケイ素(SiC)の焼結体を挙げることができる。多孔質の吸着ローラ20における気孔径は、例えば5μm以下とされ、気孔率は、例えば15%〜50%とされる。また、吸着ローラ20の外周面は、例えば、Rz(最大高さ)の値が5μm以下の表面粗さに形成される。また、回転時における吸着ローラ20の全振れ(回転軸から外周面までの距離の変動)は、10μm以下とされる。
吸着ローラ20の端面には、吸引口21が設けられている。吸引口21は、図外の吸引機構(例えば、排気ポンプ)に接続される。吸引機構を動作させると、吸着ローラ20の吸引口21に負圧が生じる。そして、吸着ローラ20内の気孔を介して、吸着ローラ20の外周面にも、負圧が生じる。例えば、吸引口21に90kPa以上の負圧を発生させることによって、吸着ローラ20の外周面に10kPa以上の負圧を発生させる。電解質膜92は、当該負圧によって、吸着ローラ20外周面に吸着保持されつつ、吸着ローラ20の回転によって円弧状に搬送される。
また、図1中に破線で示すように、吸着ローラ20の内部には、複数の水冷管22が設けられている。水冷管22には、図外の給水機構から、所定温度に温調された冷却水が供給される。製造装置1の動作時には、吸着ローラ20の熱が、熱媒体である冷却水に吸収される。これにより、吸着ローラ20が冷却される。熱を吸収した冷却水は、図外の排液機構へ排出される。
塗工装置30は、吸着ローラ20により搬送される電解質膜92の表面に、塗工液を塗工するための機構である。塗工液には、触媒材料(例えば、白金(Pt))を含む粒子をアルコールなどの溶媒中に分散させた電極ペーストが用いられる。塗工装置30の構造については、後述する。
なお、塗工液中の触媒材料には、高分子形燃料電池のアノードまたはカソードにおいて燃料電池反応を起こす材料が用いられる。具体的には、白金(Pt)、白金合金、白金化合物等を、触媒材料として用いることができる。白金合金の例としては、例えば、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、イリジウム(Ir)、鉄(Fe)等からなる群から選択された少なくとも1種の金属と白金との合金を挙げることができる。一般的には、カソード用の触媒材料には白金が用いられ、アノード用の触媒材料には白金合金が用いられる。塗工ノズル31から吐出される塗工液は、カソード用であってもアノード用であってもよい。ただし、電解質膜92の表裏に形成される触媒材料9a,9bは、互いに逆極性の触媒材料とする。
乾燥炉40は、電解質膜92の表面に塗工された塗工液を乾燥させる部位である。本実施形態の乾燥炉40は、吸着ローラ20による電解質膜92の搬送方向において、塗工装置30よりも下流側に配置されている。また、乾燥炉40は、吸着ローラ20の外周面に沿って、円弧状に設けられている。図1に示すように、乾燥炉40は、3つの熱風供給部41〜43と、2つの熱遮断部44,45とを有する。3つの熱風供給部41〜43は、吸着ローラ20の外周面に向けて、加熱された気体(熱風)を吹き付ける。塗工液が塗工された電解質膜92が熱風供給部41〜43を通過すると、当該熱風により塗工液が乾燥して固化する。すなわち、塗工液中の溶媒が気化して、電解質膜92の表面に触媒材料9bの層が形成される。
3つの熱風供給部41〜43は、それぞれ、吹き付ける熱風の温度が異なる。3つの熱風供給部41〜43から吹き付けられる熱風の温度は、吸着ローラ20による電解質膜92の搬送方向の上流側から下流側へ向かうにつれて、順次に高くなる。最も搬送方向上流側の熱風供給部41から吹き付けられる熱風の温度は、例えば、周囲の環境温度以上かつ40℃以下とされる。2つ目の熱風供給部42から吹き付けられる熱風の温度は、例えば、40℃以上かつ80℃以下とされる。また、最も搬送方向下流側の熱風供給部43から吹き付けられる熱風の温度は、例えば、50℃以上かつ100℃以下とされる。
このように、本実施形態の乾燥炉40では、電解質膜92に吹き付ける熱風の温度を、搬送方向下流側へ向かうにつれて順次に高くする。このようにすれば、電解質膜92および塗工液の温度を、緩やかに上昇させることができる。したがって、急激な乾燥により触媒材料9bにクラック等の損傷が生じることを、抑制できる。
2つの熱遮断部44,45は、吸着ローラ20による電解質膜92の搬送方向において、3つの熱風供給部41〜43の上流側および下流側に設けられている。すなわち、一方の熱遮断部44は、最も搬送方向上流側の熱風供給部41よりも搬送方向の上流側に配置され、他方の熱遮断部45は、最も搬送方向下流側の熱風供給部43よりも搬送方向の下流側に配置されている。これらの熱遮断部44,45は、吸着ローラ20の外周面近傍の気体を吸引する。これにより、熱風供給部41〜43から吹き出された熱風が、熱遮断部44,45を超えて搬送方向の上流側および下流側へ流れ出すことを防止する。また、乾燥時に塗工液から生じた溶媒の蒸気が、熱遮断部44,45を超えて搬送方向の上流側および下流側へ流れ出すことも防止する。
図3は、吸着ローラ20の軸心を含む断面における、乾燥炉40の概略形状を示した図である。図3に示すように、本実施形態の乾燥炉40は、一対の吸引部46,47を有する。吸引部46,47は、熱風供給部41〜43の両側縁部から吸着ローラ20側へ向けて、板状に突出する。また、各吸引部46,47は、吸着ローラ20の外周面の両側部に沿って、円弧状に広がる。これらの吸引部46,47は、周辺の気体を吸引する。これにより、熱風供給部41,43から供給された熱風や、溶媒の蒸気が、吸引部46,47を超えて外側へ流れ出すことを防止する。
貼付部50は、触媒材料9bの層が形成された電解質膜92の表面に、帯状の支持フィルム93を貼り付ける部位である。貼付部50は、吸着ローラ20による電解質膜92の搬送方向において、乾燥炉40よりも下流側に配置されている。図1に示すように、貼付部50は、ラミネートローラ51、フィルム供給部52および接合体回収部53を有する。
図4は、ラミネートローラ51の付近の拡大図である。ラミネートローラ51は、水平に延びる軸心周りに回転するローラである。ラミネートローラ51は、吸着ローラ20よりも径の小さい円筒状の外周面を有する。ラミネートローラ51の外周面と、吸着ローラ20の外周面とは、電解質膜92および支持フィルム93が通過する隙間を空けて、互いに対向する。また、ラミネートローラ51は、図示を省略したエアシリンダによって、吸着ローラ20側へ加圧されている。
ラミネートローラ51の材料には、例えば、熱伝導率の高い金属が用いられる。また、ラミネートローラ51の内部には、通電により発熱するヒータ511が設けられている。ヒータ511には、例えば、シーズヒータを用いることができる。ヒータ511に通電すると、ヒータ511から生じる熱によって、ラミネートローラ51の外周面が、環境温度よりも高い所定の温度に温調される。なお、ラミネートローラ51の外周面の温度を放射温度計等の温度センサを用いて計測し、その計測結果に基づいて、ラミネートローラ51の外周面が一定の温度となるように、ヒータ511の出力を制御してもよい。
図1に戻る。フィルム供給部52は、フィルム巻出ローラ521および第3検知ローラ522を有する。フィルム巻出ローラ521および第3検知ローラ522は、いずれも、ラミネートローラ51と平行に配置される。供給前の支持フィルム93は、フィルム巻出ローラ521に巻き付けられている。フィルム巻出ローラ521は、図示を省略したモータの動力により回転する。フィルム巻出ローラ521が回転すると、支持フィルム93は、フィルム巻出ローラ521から繰り出される。
支持フィルム93の材料には、電解質膜92よりも機械的強度が高く、形状保持機能に優れた樹脂が用いられる。支持フィルム93の具体例としては、PEN(ポリエチレンナフタレート)やPET(ポリエチレンテレフタレート)のフィルムを挙げることができる。支持フィルム93は、バックシート91と同じものであってもよい。また、バックシート巻取ローラ131によって巻き取ったバックシート91を、支持フィルム93としてフィルム巻出ローラ521から繰り出すようにしてもよい。
繰り出された支持フィルム93は、第3検知ローラ522の外周面に接触することにより向きを変えて、ラミネートローラ51側へ搬送される。第3検知ローラ522は、支持フィルム93から受ける荷重をロードセルで計測することにより、フィルム供給部52において支持フィルム93にかかる張力を検知する。後述する制御部70は、第3検知ローラ522により検知される支持フィルム93の張力が、予め設定された値となるように、フィルム巻出ローラ521の回転数を制御する。
第3検知ローラ522を通過した支持フィルム93は、吸着ローラ20の外周面に吸着保持された電解質膜92と、ラミネートローラ51との間へ導入される。このとき、支持フィルム93は、ラミネートローラ51からの圧力により電解質膜92に押し付けられるとともに、ラミネートローラ51の熱により加熱される。その結果、電解質膜92の外側の面に、支持フィルム93が貼り付けられる。電解質膜92の表面に形成された触媒材料9bは、電解質膜92と支持フィルム93との間に挟まれる。これにより、電解質膜92、触媒材料9a,9bおよび支持フィルム93で構成される膜・触媒層接合体94が形成される。
接合体回収部53は、接合体巻取ローラ531および第4検知ローラ532を有する。接合体巻取ローラ531および第4検知ローラ532は、いずれも、ラミネートローラ51と平行に配置される。吸着ローラ20とラミネートローラ51との間を通過した膜・触媒層接合体94は、吸着ローラ20から離れて、第4検知ローラ532の方向へ搬送される。そして、膜・触媒層接合体94は、第4検知ローラ532の外周面に接触することにより向きを変えて、接合体巻取ローラ531側へ搬送される。
接合体巻取ローラ531は、図示を省略したモータの動力により回転する。これにより、接合体巻取ローラ531に膜・触媒層接合体94が巻き取られる。第4検知ローラ532は、膜・触媒層接合体94から受ける荷重をロードセルで計測することにより、接合体回収部53において膜・触媒層接合体94にかかる張力を検知する。後述する制御部70は、第4検知ローラ532により検知される膜・触媒層接合体94の張力が、予め設定された値となるように、接合体巻取ローラ531の回転数を制御する。
表面冷却部60は、吸着ローラ20の外周面を冷却するための機構である。表面冷却部60は、吸着ローラ20の外周面のうち、貼付部50と導入剥離部10との間の電解質膜92を保持しない領域に対向する位置に配置される。表面冷却部60は、例えば、吸着ローラ20の外周面に、環境温度よりも低温(例えば5℃程度)のクリーンドライエアを吹き付ける。乾燥炉40およびラミネートローラ51により加熱された吸着ローラ20は、当該クリーンドライエアを受けることによって冷却される。
このように、本実施形態の製造装置1では、膜巻出ローラ121からの長尺帯状体90の繰り出し、電解質膜92からのバックシート91の剥離、電解質膜92への塗工液の塗工、乾燥炉40による乾燥、電解質膜92への支持フィルム93の貼り付け、の各工程が、順次に実行される。これにより、固体高分子形燃料電池の電極に用いられる膜・触媒層接合体94が製造される。電解質膜92は、バックシート91、吸着ローラ20、または支持フィルム93に、常に保持されている。これにより、製造装置1における電解質膜92の膨潤・収縮等の変形が抑制される。
制御部70は、製造装置1内の各部を動作制御するための手段である。図5は、制御部70と、製造装置1内の各部との接続を示したブロック図である。図5中に概念的に示したように、制御部70は、CPU等の演算処理部71、RAM等のメモリ72およびハードディスクドライブ等の記憶部73を有するコンピュータにより構成される。記憶部73内には、印刷処理を実行するためのコンピュータプログラムPが、インストールされている。
また、図3に示すように、制御部70は、上述した膜巻出ローラ121のモータ、第1検知ローラ122のロードセル、バックシート巻取ローラ131のモータ、第2検知ローラ132のロードセル、吸着ローラ20のモータ、吸着ローラ20の吸引機構、吸着ローラ20の給水機構、3つの熱風供給部41〜43、2つの熱遮断部44,45、2つの吸引部46,47、ヒータ511、フィルム巻出ローラ521のモータ、第3検知ローラ522のロードセル、接合体巻取ローラ531のモータ、第4検知ローラ532のロードセルおよび表面冷却部60と、それぞれ通信可能に接続されている。また、制御部70は、後述する開閉弁333、ノズル駆動モータ323および撹拌モータ363とも、それぞれ通信可能に接続されている。
制御部70は、記憶部73に記憶されたコンピュータプログラムPやデータをメモリ72に一時的に読み出し、当該コンピュータプログラムPに基づいて、演算処理部71が演算処理を行うことにより、上記の各部を動作制御する。これにより、製造装置1における膜・触媒接合体の製造処理が進行する。
<2.塗工装置の構造について>
次に、上述した塗工装置30の構造について説明する。
図6は、塗工装置30の構造を示す図である。図6に示すように、塗工装置30は、塗工ノズル31、接離機構32および供給機構33を有する。塗工ノズル31は、吸着ローラ20による電解質膜92の搬送方向において、剥離ローラ11よりも下流側に設けられている。塗工ノズル31は、吐出口311、水平流路34、液貯め部35および撹拌機構36を有する。吐出口311は、吸着ローラ20の外周面に沿って、水平に延びるスリット状の開口である。なお、塗工ノズル31のその他の構成については後述する。
本実施形態では、吸着ローラ20が回転することによって、吸着ローラ20の外周面に保持された電解質膜92が、塗工ノズル31に対して相対移動する。すなわち、本実施形態では、吸着ローラ20が、塗工ノズル31に対して基材である電解質膜92を相対移動させる移動機構として機能し、塗工装置30の一部を構成する。
供給機構33は、供給配管331、塗工液供給源332および開閉弁333により構成される。塗工ノズル31は、供給配管331を介して、塗工液供給源332と流路接続されている。また、供給配管331の経路上には、開閉弁333が介挿されている。このため、開閉弁333を開放すると、塗工液供給源332から、供給配管331を通って塗工ノズル31に、塗工液が供給される。そして、塗工ノズル31の吐出口311から電解質膜92へ向けて、塗工液が吐出される。その結果、吸着ローラ20に保持された電解質膜92の外側の面に、塗工液が塗工されて、触媒材料の層9bが形成される。
本実施形態では、開閉弁333を一定の周期で開閉することによって、塗工ノズル31の吐出口311から、塗工液を断続的に吐出する。これにより、電解質膜92の表面に、塗工液を搬送方向に一定の間隔で間欠塗工する。ただし、開閉弁333を連続的に開放して、電解質膜92の表面に、搬送方向に切れ目無く塗工液を塗工してもよい。
接離機構32は、塗工ノズル31を電解質膜92に対して接近および離間させる機構である。図6に示すように、接離機構32は、ベースフレーム321、ボールネジ322、ノズル駆動モータ323、ガイドレール324および基台325を有する。塗工ノズル31は、吐出口311から塗工液を略水平方向に吐出する姿勢で、ベースフレーム321に取り付けられる。ベースフレーム321は、ノズル駆動モータ323によって回転するボールネジ322に螺合される。また、ベースフレーム321は、基台325上に設置されたガイドレール324に対して移動自在に取り付けられる。ノズル駆動モータ323が、ボールネジ322を正方向または逆方向に回転させることで、ベースフレーム321がガイドレール324に沿って移動する。これにより、塗工ノズル31は電解質膜92に対して近接または離間するように進退移動する。なお、接離機構32は、電解質膜92に対する姿勢を調整する機構をさらに有していてもよい。
塗工ノズル31が、接離機構32により電解質膜92側へ前進すると、吐出口311が電解質膜92に近接する。この状態で、吐出口311から塗工液が吐出されることで、電解質膜92に対して塗工液の塗工処理が施される。また、塗工ノズル31をメンテナンスするときは、塗工ノズル31を電解質膜92に対して後退させる。これにより、広い空間を利用してメンテナンスを行うことができ、作業性を向上させることができる。
<3.塗工ノズルの構造について>
次に塗工ノズル31の構造について説明する。
図7は、図6における塗工ノズル31のA−A断面図である。上述したように、塗工ノズル31は、吐出口311、水平流路34、液貯め部35および撹拌機構36を有する。塗工ノズル31内に供給された塗工液は、水平に設けられた水平流路34に沿って送液される。水平流路34は、図6に示すように、供給機構33と液貯め部35とを連通する第1水平流路341と、液貯め部35と吐出口311とを連通する第2水平流路342から構成される。供給機構33から送られた塗工液は、先ず、第1水平流路341を通り、流入口312から液貯め部35へと送られる。そして、液貯め部35内に塗工液が満たされる。
液貯め部35は、水平流路34よりも下方側に位置する液貯め空間351と、水平流路34よりも上方側に位置するエア抜き空間352とにより構成される。液貯め部35内には、塗工液を撹拌する撹拌機構36が備えられる。そして、少なくとも液貯め空間351内に貯留された塗工液は、撹拌機構36により撹拌される。これにより、塗工液中の粒子の沈殿が抑えられ、塗工液の濃度の均一性が保持される。また、液貯め空間351には、供給機構33へと通じる循環流路353が設けられる。液貯め部35に貯留された塗工液の一部は、供給機構33と循環流路353により循環される。これにより、液貯め空間351内には塗工液が循環供給される。したがって、塗工ノズル31内での、塗工液の滞留が防止され、蒸発による塗工液の濃度変化を抑えることができる。
また、図6および図7に示すように、本実施形態では撹拌機構36は、吐出口311と平行な回転軸J1方向に延びる撹拌シャフト361と、撹拌シャフト361に固定された撹拌羽362を有する。撹拌羽362は、樹脂材料あるいは金属材料等により構成される。撹拌シャフト361が回転軸J1を中心に回転することで、撹拌羽362が液貯め部35内で回転する。これにより、少なくとも液貯め空間351内の塗工液が撹拌される。なお、撹拌羽362の先端は、吐出口311側から、液貯め部35の下側に向かう方向に(図6において時計回りに)、液貯め部35の内周面に沿って回転することが好ましい。これにより、液貯め部35に沈殿した塗工液中の粒子が、流入口312側に巻き上げられる。すなわち、沈殿した粒子が、直接吐出口311へと送られることが抑制される。また、流入口312側へと巻き上げられた粒子と、流入口312から送られた塗工液が混ざり合い、塗工液の濃度の均一性を高めることができる。
なお、液貯め空間351の内壁面は、下側に向けて凹み、かつ略円弧状に湾曲する。また、図6に示すように、液貯め空間351の内壁面と第2水平流路342との境界は、エア抜き空間352の内壁面と第2水平流路342との境界より、吐出口側に位置する。そして、液貯め空間351内部の撹拌シャフト361は、流入口312に近い位置に配置される。このようにすれば、質量の大きい塗工液中の凝集した粒子が、撹拌羽362によってエア抜き空間352へ巻き上げられたとしても、その粒子が第2水平流路342へと送られることなく、再び液貯め空間351に沈殿しやすくなる。このため、凝集した粒子が、吐出口311へと送られることが抑制される。
また、図7に示すように、本実施形態では塗工ノズル31は、撹拌シャフト361を回転させる撹拌モータ363をさらに有する。撹拌モータ363を駆動させると、カップリング365により連結された回転シャフト364が、回転軸J1を中心に回転する。撹拌シャフト361は、回転シャフト364と連結される。このため、撹拌モータ363を駆動させると、回転シャフト364と連動して、撹拌シャフト361が回転軸J1を中心に回転する。このようにすれば、撹拌モータ363の駆動力により、塗工液を撹拌することができ、塗工液をより効果的に撹拌できる。
図8は、撹拌シャフト361および撹拌羽362の側面図である。図9は、撹拌シャフト361および撹拌羽362の分解図である。本実施形態では、図9に示すように、撹拌シャフト361と撹拌羽362は別部材である。撹拌羽362は、複数の板状の部材(以下、「板状部81」と称する)が、回転軸J1方向に撹拌シャフト361に固定されることで構成される。このため、長期間に亘る使用により、撹拌羽362が消耗した場合であっても、撹拌シャフト361を交換することなく、撹拌羽362のみを容易に交換することができる。また、撹拌シャフト361を共通部品とし、塗工液の種類に応じて異なる形状の撹拌羽362を使用することができる。
また、図9に示すように、各板状部81には、軸方向に延びる貫通孔366および溝部367が設けられる。各板状部81は、貫通孔366に撹拌シャフト361が挿入されることで、撹拌シャフト361に固定される。また、隣接する板状部81は、互いに溝部367に嵌め込まれることで連結される。これにより、各板状部81の周方向の移動が制限される。また、図8および図9に示すように、複数の板状部81は、各々の先端部が、隣接する板状部81と互いに間隔を空けて配列される。また、本実施形態では、隣接する板状部81は、軸方向に見たときに互いに直交するように、回転軸J1方向に配列される。こうすることで、撹拌羽362の回転により、隣接する板状部81の間において溶媒と粒子が混ざりやすくなり、撹拌機構36による撹拌効果をより高めることができる。なお、撹拌シャフト361と、撹拌羽362とは同一部材により形成されてもよい。
図10は、塗工装置30による塗工処理の流れを示すフローチャートである。塗工処理を始めるときは、先ず、制御部70は、ノズル駆動モータ323を制御して、塗工ノズル31を電解質膜92へと近接させる(S1)。そして、電解質膜92の搬送を開始する(S2)。次に、制御部70は開閉弁333を開放し、供給機構33により、塗工液を塗工ノズル31へと供給する(S3)。供給された塗工液は、第1水平流路341を通り、液貯め部35に貯留される(S4)。制御部70は、撹拌モータ363を制御して、撹拌シャフト361を回転させる(S5)。これにより、液貯め部35に貯留された塗工液が撹拌される。その後、塗工液は、第2水平流路342を通り、吐出口311へと到達する。そして、塗工液が吐出口311から水平方向に吐出される(S6)。これにより、電解質膜92の表面に塗工液が塗工される。
なお、塗工装置30の動作時には、S3〜S6の処理が、それぞれ連続的または断続的に行われる。したがって、実際には、順次に供給される塗工液に対して、S3〜S6の各処理が、互いに並行して実行される。
なお、塗工液を液貯め部35に貯留する工程S4の前に、予め撹拌シャフト361を回転させておいてもよい。また、開閉弁333を開放している間、撹拌シャフト361の回転を停止させ、開閉弁333を閉鎖している間、撹拌シャフト361を回転させてもよい。これにより、液貯め部35内で十分に撹拌された塗工液を吐出口311から吐出することができ、かつ、撹拌シャフト361の回転により吐出口311からの塗工液の吐出量が変化することを防止できる。したがって、塗工膜厚の均一性をより向上させることができる。
<4.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
上記の実施形態では、撹拌モータの駆動力により、撹拌シャフトを回転させていた。しかしながら、撹拌シャフトはモータ以外の駆動力を利用して回転させるものであってもよい。例えば、供給機構から供給された塗工液の圧力を撹拌羽に作用させて、撹拌シャフトを回転させてもよい。こうすることで、塗工ノズルの部品数を低減でき、製造コストを削減できる。また、塗工処理における消費電力を低減できる。
また、上記の実施形態では、撹拌羽は、隣接する81が、軸方向に見たときに互いに直交するように、回転軸J1方向に配列されることで構成されていた。しかしながら、本発明の撹拌羽の形状は、これに限られない。図11は、変形例に係る撹拌シャフト361Aおよび撹拌羽362Aの側面図である。撹拌羽362Aは、複数の板状部81Aからなり、各板状部81Aの内端部が撹拌シャフト361Aに連結される。そして、隣接する板状部81Aは、軸方向に見たときに互いに略平行となるように、回転軸J1A方向に配列される。また、各板状部の外端部は、回転軸J1A方向に互いに間隔を空けて配列される。撹拌羽は、このような形状であっても、塗工液を撹拌できる。これにより、塗工液中の粒子の沈殿や分離を抑えることができる。
また、上記実施形態では、塗工装置および塗工方法は、化学電池の製造工程に用いられるものについて示していた。しかしながら、本発明の塗工装置および塗工方法は、太陽電池や有機ELなど、他の精密電子機器の製造工程に用いられるものであってもよい。
また、上記実施形態では、塗工装置および塗工方法は、シート状の基材に対する塗工処理に用いられるものであった。しかしながら、本発明の塗工装置および塗工方法は、ガラス基板、半導体基板、金属基板等、シート状以外の基材の塗工処理に用いられるものであってもよい。
また、塗工装置の細部の形状については、本願の各図と相違していてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
本発明は、塗工装置および塗工方法に利用できる。
1 製造装置
30 塗工装置
31 塗工ノズル
32 接離機構
33 供給機構
34 水平流路
35 液貯め部
36 撹拌機構
90 長尺帯状体
91 バックシート
92 電解質膜
311 吐出口
341 第1水平流路
342 第2水平流路
351 液貯め空間
361 撹拌シャフト
362 撹拌羽
363 撹拌モータ

Claims (10)

  1. 粒子を含む塗工液を基材に塗工する塗工装置であって、
    塗工液を吐出する塗工ノズルと、
    前記塗工ノズルに対して前記基材を相対移動させる移動機構と、
    前記塗工ノズルに前記塗工液を供給する供給機構と、
    を有し、
    前記塗工ノズルは、
    略水平方向に向け開口するスリット状の吐出口と、
    前記吐出口に連通し、略水平方向に沿って形成された水平流路と、
    前記水平流路と接続される液貯め部と、
    前記液貯め部内に配置され、少なくとも前記液貯め部内の前記水平流路よりも下方にある前記塗工液を撹拌する、撹拌機構と、
    を有する塗工装置。
  2. 請求項1に記載の塗工装置であって、
    前記撹拌機構は、
    前記吐出口と平行な回転軸方向に延びる撹拌シャフトと、
    前記撹拌シャフトに固定された撹拌羽と、
    を有し、
    前記撹拌シャフトが回転することで、前記液貯め部内の前記塗工液が撹拌される塗工装置。
  3. 請求項2に記載の塗工装置であって、
    前記撹拌羽の先端が、前記吐出口側から、前記液貯め部の下側に向かう方向に、前記液貯め部の内周面に沿って回転する塗工装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の塗工装置であって、
    前記塗工ノズルは、記撹拌シャフトを前記回転軸を中心に回転させる撹拌モータをさらに有する塗工装置。
  5. 請求項2または請求項3に記載の塗工装置であって、
    前記撹拌シャフトは、前記供給機構から前記吐出口へと向かう、前記塗工液の圧力により回転する塗工装置。
  6. 請求項2から請求項5までのいずれか1項に記載の塗工装置であって、
    前記撹拌羽と、前記撹拌シャフトとは別部材である塗工装置。
  7. 請求項2から請求項6までのいずれか1項に記載の塗工装置であって、
    前記撹拌羽は、前記回転軸方向に配列された複数の板状部を有する塗工装置。
  8. 請求項7に記載の塗工装置であって、
    複数の前記板状部の先端は、隣接する前記板状部と互いに間隔を空けて配列される塗工装置。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の塗工装置であって、
    前記撹拌機構は、前記吐出口から前記塗工液を吐出している間、前記液貯め部内の前記塗工液を撹拌しない塗工装置。
  10. 粒子を含む塗工液を塗工ノズルにより基材に塗工する塗工方法であって、
    a)前記基材に対して前記塗工ノズルを相対移動させる工程と、
    b)前記塗工ノズルに前記塗工液を供給する工程と、
    c)供給された前記塗工液を液貯め部に貯留する工程と、
    d)前記液貯め部に貯留された前記塗工液を撹拌機構により撹拌する工程と、
    e)前記塗工ノズルが有する吐出口から前記塗工液を、略水平方向に向けて吐出する工程と、
    を有する塗工方法。
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