JP2017060864A - 超音波除染装置 - Google Patents

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【解決課題】細胞培養に使用する機器を効率的に除染する装置及び方法を提供すること【解決手段】細胞培養、微生物の操作又は無菌試験に使用する機器を除染するための装置であって、超音波振動により過酢酸除菌剤を霧化して液滴を放出する超音波霧化器と、拡散用ファンと、温湿度センサーと、制御器と、を備える、当該除染装置。【選択図】なし

Description

本発明は、細胞培養、微生物の操作又は無菌試験に使用する機器を除染するための装置及び方法、より具体的には、過酢酸除菌剤を超音波により霧化することにより細胞培養、微生物の操作又は無菌試験に使用する機器を除染する装置及び当該機器の除染方法に関る。
今日、細胞を用いる実験、治療は多岐にわたっており、様々な目的で各種の機関・組織で行われている。例えば、(1)大学、国及び民間の研究機関で行われている動物細胞を中心に用いた基礎研究、(2)大学病院、国の医療機関や製薬会社で行われているヒトの細胞を用いた基礎研究、(3)大学病院、製薬会社、自由診療用のCPC(ヒト投与用細胞調製施設)で行われている治療目的の細胞調製、(4)微生物の操作では、大学の感染実験室や国の感染研究所で行われているヒトに感染する病原微生物の基礎研究、(5)無菌試験では、民間の食品メーカー検査室、農業試験所、衛生試験所などが挙げられる。
これら細胞を用いる研究はいずれも無菌又は清浄空間での実験が必須である。そして、細胞は、感染・汚染に非常に弱いため、細胞を扱う機器には高いクリーン度が求められている。しかしながら、日々の使用により機器は汚染から免れることは困難であり、機器を頻繁に清掃、消毒することが重要である。しかしながら、機器の清掃・消毒は、約30年来同じ消毒用アルコールを用いた手作業での拭き取りが中心であった。
消毒用アルコールを用いた手作業での拭き取りは簡便に行うことができるが、作業者の負担が大きく、作業中に二次汚染する可能性がある。また、作業者による個人差が大きく、拭きもれが発生するが、除染効果を測定することができない。更に、消毒用アルコールでは死なない真菌もあり、同じ薬剤を使用し続けると耐性菌が発生する。また、芽胞菌は消毒用アルコールでは死滅しない。
また、COインキュベーターによっては、備え付きの除染機能を有するものがあるが、専用機器になることから除染機能がない機器には使うことができない。また、このような機器では、乾熱滅菌方式により120度程度で滅菌するが、滅菌時間は通常約2時間であるものの、放熱に10時間程度かかるため、効率的に滅菌をすることができない。更に、滅菌中機器が非常に熱くなるので、周囲にあるCOインキュベーターに熱による影響を及ぼすため、滅菌中周囲のインキュベーターを使用できなくなるという問題もある。
一方、COインキュベーター内に専用超音波霧化器を設置し、過酸化水素の蒸気を発生させて除染する方法も知られている(特許文献1)。しかしながら、この方法では、機器内部が相当程度濡れており、拭き取り作業が必要となるため、二次汚染が発生する可能性がある。
また、クリーンベンチなどのセフティキャビネットの除染には、UV殺菌灯が用いられるが、この方法ではUV光を直接照射した範囲でしか滅菌効果がなく、また、UV光が壁などで反射すると滅菌効果は半減してしまう。そして、UV光が照射されない部分では消毒用アルコールを用いて手作業で拭き取りが行われているのが現状である。
また、細胞培養及び微生物を用いた操作及び実験においては遠心分離機が頻繁に用いられるが、遠心分離工程は、エアロゾルを発生するリスクが大きい工程である。
これは、セフティキャビネット内の操作時に発生した飛沫が遠心分離管に付着する可能性があり、遠心することで遠心チャンバー内の空気に非常に激しく攪拌させるためである。
また、特にアングルローターを使用すると遠心分離管とキャップの間に遠心力による歪み差により生じる隙間によるものである。
これらのエアロゾルは、細胞の汚染及び作業者への感染を引き起こすリスクは大きいことは知られている。
しかしながら、これまで遠心機チャンバーの内部を除染するようなことは、良い方法がなく行われていなかった。
このように、COインキュベーター、セフティキャビネット、遠心機などの細胞培養に使用する機器の内部を効率的に、二次汚染を引き起こすことなく除染する装置はなかった。
感染性の微生物を扱う研究では、安全のため封じ込め設計のされたルーム内(P−3ルーム、P−4ルームなどのバイオハザードルーム)で取り扱う。微生物を開放して取り扱うセフティキャビネットの中では、微生物が浮遊又は付着している可能性があるが、UV光を照射したり、消毒用アルコールを用いて手作業で拭き取りが行われているのが現状である。
また、これらの微生物を凍結保存するには、保存用チューブに入れハザードルームの外に運び出す必要がある。この時に一般エリアとの間に設置させたパスボックスにハザードルーム側の扉を開け微生物が入ったチューブを入れる。次に一般エリア側の扉を開けチューブを取り出す。この際、チューブは密閉され表面外側は消毒用アルコールで清拭しているのが一般的だが、厳密にチューブの外側に付着した微生物がないことを確認していないのが現状である。
このように、無菌操作だけではなく、微生物を操作した後、感染防止の目的でセフティキャビネットだけでなく、パスボックスの中に入ったバイオハザードルームの空気と持ち出すチューブの表面を除染する装置はなかった。
セフティキャビネットの中の除染では、ホルマリンガス燻蒸があるが、ホルマリンは既に発がん物質に指定されており、尚且つ、蟻酸、パラホルムアルデヒド、メタホルムアルデヒドなどの腐食性の高く、毒性のある残留物を発生することが知られているので、ほとんど使用しないのが現状である。
無菌試験を頻繁に行う食品メーカーなどでは、食品に付着した微生物を調べている。培地による培養試験が一般的だが、操作するクリーンベンチ、培養試験を行う恒温槽が真菌に汚染されると、正確に評価ができなくなるため、消毒用アルコールを用いて手作業で拭き取りが行われているのが現状である。
このように品質管理上でも、検査用機器の庫内除染を簡単に行う装置はなかった。
特開2010−154793号公報
本発明は、細胞培養、微生物の操作又は無菌試験に使用する機器を効率的に除染する装置及び方法を提供することを目的としている。
上記の従来技術の問題に鑑み、本発明者らは鋭意検討したところ、超音波により過酢酸除菌剤を霧化すると直径が極めて小さい液滴(ドライフォグ)を発生させることができ、かかる液滴を細胞培養、微生物の操作又は無菌試験に使用する機器(以下「被除染機器」ともいう)内で噴霧すると、当該液滴は結露しないため被除染機器等を腐食により損傷させることなく効果的に除染できることを見出した。
また、本発明者らは、被除染機器内の温度と湿度から正確な除染時間を算出して機器の内部の湿度を厳密に管理することにより、過酢酸除菌剤を効率よく気化させることができ、これにより高いレベルで安定的に除染できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
[1]細胞培養、微生物の操作又は無菌試験に使用する機器を除染するための装置であって、
超音波振動により過酢酸除菌剤を霧化して液滴を放出する超音波霧化器と、
拡散用ファンと、
温湿度センサーと、
制御器と、
を備える、当該除染装置。
[2]過酢酸除菌剤が、過酢酸、過酸化水素、酢酸及び水の混合液である、[1]に記載の除染装置。
[3]前記制御器が除染時間自動計算機能を備えている、[1]又は[2]に記載の除染装置。
[4]前記制御器が、除染する機器の内部の温度と湿度のみで除染時間を算出する除染時間自動計算機能を備えている、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の除染装置。
[5]前記超音波霧化器から放出される液滴がミクロンサイズの直径を有する、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の除染装置。
[6]触媒ファンを更に備える、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の除染装置。
[7]細胞培養、微生物の操作又は無菌試験に使用する機器が、COインキュベーター、セフティキャビネット、パスボックス、クリーンベンチ、恒温器又は遠心機である、請求項[1]〜[6]のいずれか1項に記載の除染装置。
[8]温湿度センサー、拡散用ファン及び触媒ファンから選択される1以上が超音波霧化器に備え付けられている、[1]〜[7]のいずれか1項に記載の除染装置。
[9]細胞培養、微生物の操作又は無菌試験に使用する機器の内部に超音波霧化器を入れ、当該超音波霧化器を作動させて超音波により過酢酸除菌剤を霧化することにより液滴を放出させ、当該液滴と前記機器とを接触させることを含む、細胞培養、微生物の操作又は無菌試験に使用する機器を除染する方法。
[10]前記機器内の湿度が所定の湿度に達するまで過酢酸除菌剤を霧化して液滴を放出させ、その後、超音波霧化器の作動と停止を繰り返すことにより当該所定の湿度を維持することを含む、[9]に記載の方法。
[11]除染処理の開始前に湿度を設定し、前記機器内の湿度が設定湿度に達するまで過酢酸除菌剤を霧化して液滴を放出させ、その後、超音波霧化器の作動と停止を繰り返すことにより前記機器内の湿度を設定湿度に維持することを含む、[9]又は[10]に記載の方法。
[12]除染処理の開始前に、温湿度センサーにより前記機器内の温度及び湿度を測定して前記設定湿度での除染時間を計算することを含む、[11]に記載の方法。
[13]拡散用ファンにより前記液滴を前記機器内で拡散させることを含む、[9]〜[12]のいずれか1項に記載の方法。
を、提供するものである。
本発明の除染装置及び除染方法においては、超音波により過酢酸除菌剤を霧化することにより直径が極めて小さい液滴を放出することができるため、被除染機器等を腐食により損傷させることなく効果的に除染できる。また、この液滴は機器内を濡らすことがないので、液の拭き取りによる二次汚染を防ぐことができる。
また、過酢酸は幅広い抗菌スペクトルを有することから、本発明の装置を用いることにより、従来技術で滅菌することができなかった芽胞菌などの菌も有効に滅菌することができる。
更に、本発明の除染装置は、除染時間自動計算機能を有することにより、除菌剤を過剰に噴霧することなく、誰が使っても除染のミスがなく安定な除染レベルを提供することができる。
本発明の除染装置の一実施態様の概略図 本発明の除染装置を用いてCOインキュベーターを除染する概略図 本発明の除染装置及び除染方法で用いることができるアルゴリズムの一例 本発明の除染方法による除染処理の一例 触媒ファンを使用した場合と使用しない場合の過酸化水素濃度の測定結果
本発明の一つの実施態様は、細胞培養、微生物の操作又は無菌試験に使用する機器を除染するための装置であって、超音波振動により過酢酸除菌剤を霧化して液滴を放出する超音波霧化器、拡散用ファン、温湿度センサー、制御器、及び場合により触媒ファンを備える、除染装置(以下「本発明の除染装置」ともいう)に関る。
本発明に用いられる超音波霧化器は、霧化用振動子を振動させて、この超音波により液体を霧化することができる。
ここで用いられる霧化用振動子は、好適には、圧電セラミックスからなる圧電素子、及び当該圧電素子のうち、液体に対向する液体対向面を含む被着面を被覆した絶縁樹脂膜とを有しており、液体対向面が液体に対向して、絶縁樹脂膜が液体に接する形態に配置されている。また、絶縁樹脂膜は、モノマーを、圧電素子の被着面に堆積させつつ、互いに重合させて樹脂化した、厚み5〜20μmのパラキシリレン系ポリマーからなることが好ましい。
また、本発明で用いられる超音波霧化器としては、圧電素子は、好ましくは板状であり、第1主面、第2主面及びこれらの間を結ぶ側面を有する圧電セラミックス板と、第1主面上に拡がる第1電極層であって、側面を経由して第2主面にまで延びる第1電極層と、第2主面において、第1電極層と離間しつつ、この第2主面上に拡がり、第1主面上の第1電極層と圧電セラミックス板を介して対向する第2電極層と、を有し、絶縁樹脂膜は、第1主面、側面及びこれらに形成された第1電極層がなす被着面を被覆してなり、第1主面を液体に向けて、圧電素子を配置する構成を有するのが好ましい。
また、圧電セラミックス板は、第1電極層と第2電極層との間に、周波数1〜5MHzの電気信号を加えたとき、厚み方向に共振する寸法にされてなる霧化用振動子とするのが好ましい。
このような超音波霧化器は、特開2011−36771号公報に詳細に記載されており、同文献の記載内容は、参照により本願発明の範囲に取り込むことができる。
本発明における超音波霧化器は、制御器に接続されており、制御器の制御によって作動及び停止する。
本発明における超音波霧化器は、薬剤量が不足すると低水位表示で、霧化を中断すると同時に除染時間中ならカウントダウンが停止するように設計するのが好ましい。また、薬剤を補給されてもホーズ状態にあり、すぐに霧化をしない設計にするとより安全である。霧化後、再び設定湿度に達しってから再び除染時間のカウントダウンを行う。
本発明における超音波霧化器は、好ましくは、温度、湿度のロガー機能を有し、例えば1分ごとに自動で記録する。ログの記録は、1回の除染ごとに1ファイルのCSV形式で保存することができる。
本発明で用いられる過酢酸除菌剤は、好ましくは、過酢酸、過酸化水素、酢酸及び水の混合液からなる。
本発明における過酢酸除菌剤においては、過酢酸の含有量は0.01〜1.2重量%、過酸化水素の含有量は0.06〜4.8重量%、酢酸の含有量は0.02〜6.0重量%、残部は水、であることが好ましい。
本発明において用いることができる過酢酸除菌剤としては、例えば、Minntech社から市販されているアクトリル(登録商標)、ミンケア(登録商標)、その他の過酢酸系薬剤などがある。
本発明においては、前記した超音波霧化器において霧化用振動子を振動させて、この超音波により過酢酸除菌剤を霧化することにより直径が極めて小さい(ミクロンサイズの)液滴を発生させることができる。この液滴の中心径は、好ましくは3〜15μm、より好ましくは3〜10μmである。このような極めて小さい液滴はドライフォグとも呼ばれ、濡れない霧のような特性を有しているため、被除染機器を腐食により損傷させることなく効果的に除染することができる。また、この液滴は機器内を濡らすことがないので、液の拭き取りによって発生する二次汚染を防ぐことができる。
また、過酢酸は幅広い抗菌スペクトルを有することから、本発明の装置を用いることにより、従来技術である過酸化水素の蒸気による方法では短時間で滅菌することができなかった芽胞菌も短時間で死滅させることができる。
本発明の除染装置は、拡散用ファンを備えている。拡散用ファンは、ファンモーターを有しており、モーターの動力により回転する。拡散用ファンは、超音波霧化器に接続できる。拡散用ファンは庫内の除菌剤粒子の分布を均一にする。さらに小さい粒子に蒸発を促すと同時にフリーラジカルを発生させ除染効果を高めると考えられている。
本発明の除染装置は、触媒ファンを備えることができる。触媒ファンは、除染後庫内の過酸化水素濃度を短時間で分解したい時に制御器に接続して使用する。触媒ファンは、ファンモーターと触媒を有しており、モーターの動力により回転し外気を効率よく触媒の中を通過させ過酸化水素を分解する。
本発明の除染装置は、温湿度センサーを備えている。温湿度センサーは、制御器に接続されており、測定した温度、湿度の検出値を制御器に伝達する。伝達した検出値はリアルタイムで制御器に表示され、尚且つ1分ごとに記録を自動で取ることができる。とった記録(ログ)は、CSVファイルで制御器のUSBメモリに記録され、外部コンピューターにデーターを移動し、確認することができる。また、温湿度センサーは校正対応で信頼性を保持することができる。本発明において、除染時に温湿度センサーを被除染装置の内部に適宜な場所に配置することができる。
本発明の除染装置は、制御器を備えている。本発明における制御器は、超音波霧化器、拡散用ファン、温湿度センサー、触媒ファンと電気的に接続されている。制御器は、超音波霧化器の動作を開始させて、拡散用ファンによる送風を開始し、除染処理を行う。この除染処理の実行中、制御器は、温湿度センサーによって検出される被除染装置内の湿度が、予め設定された湿度に維持されるように温湿度センサーの検出値に基づいて超音波霧化器を作動又は停止させる。除染が終了すると、触媒ファンが作動し、庫内の過酸化水素を分解する。
本発明の制御器は除染時間自動計算機能を備えているという特徴を有する。即ち、除染処理開始前に、温湿度センサーにより被除染装置内の温度を測定して、その温度における飽和蒸気量を算出する。次に、被除染装置内の湿度を測定する。この湿度の測定値と前記で求めた飽和蒸気量から、被除染装置内にある水蒸気量を算出する。これにより、被除染装置内にどの程度の量の過酢酸除菌剤の液滴を噴霧できるかを算出することができる。更に、ここで算出した過酢酸除菌剤の噴霧量から、予め設定した被除染装置内で保つべき所定の湿度に達してから終了するまでの除染時間を数多くの除染条件試験結果に照らし合わせて完成したアルゴリズムから割り出すことができる。本発明の制御器が有する除染時間自動計算機能で用いることができるアルゴリズムの一例を図3に示す。
本発明の除染装置は、このような除染時間自動計算機能を有することにより、除菌剤を過剰に噴霧する必要がなく、また、被除染機器の内部の温度と湿度のみで除染時間を割り出すことができるため、誰が使っても除染のミスがなく安定な除染レベルを提供することができる。
本発明における制御器においては、手動で設定湿度、湿度維持時間、触媒ファン作動時間を入力することができ、除染処理ができるマニュアルモード、予め設定している数値を3種類まで記録できるメモリモード、温湿度センサーを設置するだけで、何も設定しないで使用できるオートモードの仕様とすることができる。
本発明の除染装置は、超音波霧化器、温湿度センサー、拡散用ファン及び、場合により触媒ファンが、各々制御器に電気的に接続されている構成にすることができる。このような実施形態による本発明の除染装置の概略図を図1に示す。また、この除染装置を用いてCOインキュベーターを除染する概略図を図2に示す。図2で示すように、超音波霧化器から液滴が放出され、拡散用ファンにより液滴がCOインキュベーター内全体にわたって拡散される。
本発明の除染装置は、温湿度センサー、拡散用ファン及び触媒ファンから選択される1以上が超音波霧化器に備え付けられてこれらが一体化した装置と制御器を備える構成とすることもできる。この場合、一体化した装置と制御器は電気的に接続することができる。あるいは、制御器による無線通信で当該一体化した装置を制御することもできる。
本発明のもう一つの実施態様は、細胞培養、微生物の操作又は無菌試験に使用する機器の内部に超音波霧化器を入れ、当該超音波霧化器を作動させて超音波により過酢酸除菌剤を霧化することにより液滴を放出させ、当該液滴と前記機器とを接触させることを含む、細胞培養、微生物の操作又は無菌試験に使用する機器を除染する方法である。
本発明の除染方法においては、被除染機器内の湿度が所定の湿度に達するまで過酢酸除菌剤を霧化して液滴を放出させ、その後、超音波霧化器の作動と停止を繰り返すことにより当該所定の湿度を維持することができる。
また、除染処理の開始前に湿度を設定し、被除染機器内の湿度が設定湿度に達するまで過酢酸除菌剤を霧化して液滴を放出させ、その後、超音波霧化器の作動と停止を繰り返すことにより前記機器内の湿度を設定湿度に維持することができる。
また、本発明の除染方法においては、除染処理の開始前に、温湿度センサーにより被除染機器内の温度及び湿度を測定して設定湿度での除染時間を計算することができる。これは、前記した方法により、除染処理開始前に、温湿度センサーにより被除染装置内の温度を測定して、その温度における飽和蒸気量を算出し、次に、被除染装置内の湿度を測定することで、最高湿度に達するのに必要な過酢酸除菌剤の噴霧量を算出し、予め設定した被除染装置内で保つべき所定の湿度に達してからの除染時間を数多くの除染条件試験結果に照らし合わせて完成したアルゴリズムから割り出すことで可能である。本発明の除染方法で用いることができるアルゴリズムの一例を図3に示す。
本発明の除染方法による除染処理の一例を図4に示す。
図4に示すように、加湿時間では、加湿器(超音波霧化器)及び拡散用ファンを作動させ、湿度維持時間では、温湿度センサーにより検出される湿度に応じて、設定湿度を保持するように加湿器がON/OFFを繰り返す。
本発明の除染装置は、COインキュベーター、セフティキャビネット、パスボックス、遠心機チャンバー、クリーンベンチ、恒温器などの細胞培養、微生物の操作又は無菌試験に使用する機器に使用することができる。
[実施例1]
細菌芽胞(10個)G.stearothermophilus(ATCC #7953)をBIとして使用し、滅菌時間を自動計算機能で自動計算し、様々な温度・初期湿度の環境で、10個の細菌芽胞を死滅させる効果を調べた。結果を以下の表に示す。
Figure 2017060864
[実施例2]
本発明の除染装置(過酢酸除菌剤としてアクトリルを使用)を用いて、COインキュベーター(池本理化製 型式10−0211)と安全キャビネット(三洋電機製 型式MHW−132AJ)の滅菌試験を行った。指標菌(BI)として、調製した真菌胞子(10個)Aspergillus brasilus Niger(NBRC 9455)と、細菌芽胞(10個)G.stearothermophilus(ATCC #7953)を使用した。また、滅菌時間(湿度維持時間)を除染時間自動計算機能により自動計算した。結果を以下の表に示す。
Figure 2017060864
Figure 2017060864
表2及び3から、除染時間自動計算機能により自動計算して求めた湿度維持時間で滅菌試験をしたところ、真菌胞子及び細菌芽胞を有効に滅菌できることが示される。
[実施例3]
触媒ファンの効果
本発明の除染装置において、触媒ファンによる効果を調べるため、滅菌後に(1)触媒ファンを使用しない場合、(2)触媒ファンを使用する場合、について過酸化水素濃度を測定した。結果を図5−1〜5−2に示す。
図5−1と図5−2を比較すると明らかなように、触媒ファンを使用することにより滅菌後の残留過酸化水素濃度を速やかに低下させることができる。
1 制御器
2 超音波霧化器
3 拡散用ファン
4 温湿度センサー
5 触媒ファン
6 COインキュベーター

Claims (13)

  1. 細胞培養、微生物の操作又は無菌試験に使用する機器を除染するための装置であって、
    超音波振動により過酢酸除菌剤を霧化して液滴を放出する超音波霧化器と、
    拡散用ファンと、
    温湿度センサーと、
    制御器と、
    を備える、当該除染装置。
  2. 過酢酸除菌剤が、過酢酸、過酸化水素、酢酸及び水の混合液である、請求項1に記載の除染装置。
  3. 前記制御器が除染時間自動計算機能を備えている、請求項1又は2に記載の除染装置。
  4. 前記制御器が、除染する機器の内部の温度と湿度のみで除染時間を算出する除染時間自動計算機能を備えている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の除染装置。
  5. 前記超音波霧化器から放出される液滴がミクロンサイズの直径を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の除染装置。
  6. 触媒ファンを更に備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の除染装置。
  7. 細胞培養、微生物の操作又は無菌試験に使用する機器が、COインキュベーター、セフティキャビネット、パスボックス、クリーンベンチ、恒温器又は遠心機である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の除染装置。
  8. 温湿度センサー、拡散用ファン及び触媒ファンから選択される1以上が超音波霧化器に備え付けられている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の除染装置。
  9. 細胞培養、微生物の操作又は無菌試験に使用する機器の内部に超音波霧化器を入れ、当該超音波霧化器を作動させて超音波により過酢酸除菌剤を霧化することにより液滴を放出させ、当該液滴と前記機器とを接触させることを含む、細胞培養、微生物の操作又は無菌試験に使用する機器を除染する方法。
  10. 前記機器内の湿度が所定の湿度に達するまで過酢酸除菌剤を霧化して液滴を放出させ、その後、超音波霧化器の作動と停止を繰り返すことにより当該所定の湿度を維持することを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 除染処理の開始前に湿度を設定し、前記機器内の湿度が設定湿度に達するまで過酢酸除菌剤を霧化して液滴を放出させ、その後、超音波霧化器の作動と停止を繰り返すことにより前記機器内の湿度を設定湿度に維持することを含む、請求項9又は10に記載の方法。
  12. 除染処理の開始前に、温湿度センサーにより前記機器内の温度及び湿度を測定して前記設定湿度での除染時間を計算することを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 拡散用ファンにより前記液滴を前記機器内で拡散させることを含む、請求項9〜12のいずれか1項に記載の方法。
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