JP2019162046A - 細胞増殖装置用の滅菌システム - Google Patents

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Abstract

【課題】空中や隙間まで確実に滅菌することができ、また、滅菌状態の管理も容易である細胞増殖装置用の滅菌システムを提供する。【解決手段】PSA式酸素発生装置51と、PSA式酸素発生装置51によって発生させた酸素を利用してオゾンガスを発生させる放電装置52と、を備え、放電装置52によって発生させたオゾンガスをブース30内に供給することで滅菌する。オゾンガスを使用して滅菌を行うため、残留毒性の問題は発生しない。また、消毒剤の塗布やふき取り作業も必要がない。また、空気中のオゾンガス濃度を高めることで除菌するため、空中に浮遊している菌や、手の届かない機器の背面や内部に存在する菌も確実に除菌することができる。【選択図】図3

Description

この発明は、細胞増殖装置用の滅菌システムに関する。
近年、成体幹細胞を移植することにより疾患を治療する再生医療や細胞治療に関する研究が盛んに行われている。このような治療を行うために、患者から採取した組織内の成体幹細胞を培養して調整する方法も広く研究されている。細胞を培養することで、組織中での存在率が極めて低い幹細胞を治療に必要な数まで増幅することができる。
なお、こうした細胞培養装置は、現在のところ、理化学機器で登録されたものしかなく、医療機器が皆無であるため、医師による使用や管理が必要であり、医師以外の者が取り扱うことができない。この点、厳しい安全性をクリアし、無菌状態を担保することで、薬事法上の高度医療管理機器(再生医療培養器)として認定されれば、必ずしも医師による使用が義務付けられない。換言すれば、医療機器として認定された細胞培養装置を提供できれば、細胞培養装置による再生医療を格段に普及させることができる。
こうした細胞の培養は、インキュベータを備えた細胞培養装置などを使用して実行される。そして、こうした細胞培養装置を配置するクリーンルームや施設においては、菌などの不純物を排除し、清浄度を維持するために、定期的に滅菌される必要がある。
従来の滅菌方法では、例えば、ホルマリン薫蒸やエチレンオキサイドガス滅菌などが行われてきた。しかしながら、これらの滅菌方法に使用される消毒剤を使用した場合、拭き漏れによる残留毒性が問題になる。
また、薬剤塗布による消毒では、消毒剤の塗布やふき取り作業が繰り返し発生するため、作業が煩雑となる問題があった。しかも、薬剤の塗布による消毒作業では、壁面や床を消毒することはできるが、空中に浮遊している菌や、手の届かない機器の背面や内部に存在する菌を除菌することはできないため、除菌効果には限界があった。
このような問題を解決する手段として、例えば特許文献1には、送風により過酢酸除菌剤を霧化して液滴を放出する除染装置が開示されている。この特許文献1によれば、噴霧器と一次制御器を備える複数の噴霧器ユニットを中継器で通信制御することにより、複雑に入り組んだ複数の部屋を持つ施設全体に一度で均一に薬剤を噴霧でき、効率的に除染することが可能であるとされている。
特開2014−140481号公報
しかしながら、特許文献1記載の発明は、薬剤を放出して滅菌するものであるため、薬剤が行き渡る範囲には限界があり、空中や隙間の除菌効果には限界があった。
また、そうした空間や隙間に薬剤が行き渡っているかといった測定も困難であり、滅菌状態を管理することも困難であった。
そこで、本発明は、空中や隙間まで確実に滅菌することができ、また、滅菌状態の管理も容易である細胞増殖装置用の滅菌システムを提供することを課題とする。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、PSA式酸素発生装置と、前記PSA式酸素発生装置によって発生させた酸素を利用してオゾンガスを発生させる放電装置と、を備え、前記放電装置によって発生させたオゾンガスをブース内に供給することで滅菌することを特徴とする。
本発明は上記の通りであり、PSA式酸素発生装置と、PSA式酸素発生装置によって発生させた酸素を利用してオゾンガスを発生させる放電装置と、を備え、放電装置によって発生させたオゾンガスをブース内に供給することで滅菌するようになっている。このような構成によれば、オゾンガスを使用して滅菌を行うため、残留毒性の問題は発生しない。また、消毒剤の塗布やふき取り作業も必要がない。また、空気中のオゾンガス濃度を高めることで除菌するため、空中に浮遊している菌や、手の届かない機器の背面や内部に存在する菌も確実に除菌することができる。
また、ブース内のオゾンガスの濃度を検出するセンサを備え、センサの検出結果に基づいてオゾンガスの供給量または供給時間を制御するようにしてもよい。このような構成によれば、オゾンガスの濃度を測定するだけで、自動的に滅菌状態を管理することができる。
なお、オゾン濃度の管理値としては、AUC(時間曲線下面積)が存在し、殺菌に必要なエリアに対するオゾン濃度と時間との積によって求められる。オゾン濃度については、MSC(静菌濃度)やMCC(完全死滅濃度)があり、それぞれ下限値としてMIC(最小発育阻止濃度)が定められている(オゾン=1ppm)。また、他の物質(構造体や容器等の材料)にクリティカルな酸化(錆)を発生させる危険がある上限値も定められている(オゾン=25ppm)。本発明によれば、この下限値と上限値との間の最適なオゾン濃度に維持することができる。
また、オゾン濃度に維持することで、滅菌エリアの無菌状態を維持するとともに、滅菌ガスによる人体への影響を抑制できる。すなわち、無菌状態を保ち、安全性を担保できるので、医療機器として認定可能な細胞培養装置を提供することができる。
細胞増殖システムの機能ブロック図である。 細胞増殖システムの接続状態を示すブロック図である。 滅菌システムの概略図である。
本発明の実施形態について、図を参照しながら説明する。
本実施形態に係る細胞増殖装置用の滅菌システムは、細胞増殖装置(細胞増殖ユニット10)が配置されたブース30の清浄度を維持するために、ブース30内を定期的に滅菌するシステムである。
なお、本実施形態に係る細胞増殖ユニット10は、図1および図2に示すように、細胞増殖システムの一部である。細胞増殖システムは、例えば、患者から採取された細胞(検体)の培養を管理するためのものである。培養された細胞は、細胞治療のために患者へと移植することができる。この細胞増殖システムは、例えば、血液細胞から幹細胞を作製する目的や、他の体細胞から幹細胞を作製する目的に使用することができる。
この細胞増殖システムは、図1および図2に示すように、細胞増殖ユニット10と、制御装置20と、を備えて構成される。
(細胞増殖ユニット10)
細胞増殖ユニット10は、体細胞を格納した密封容器(試験管やバイアルなど)を受け取り、細胞培養を自動的に実行した後に、培養後の細胞を密封容器で排出する装置である。本実施形態に係る細胞増殖システムは、複数の細胞増殖ユニット10を備えているため、複数希望者の細胞を同時並行で増殖することができるようになっている。また、複数の細胞増殖ユニット10は、それぞれ別筐体で提供されており、互いに隔離して配置可能に構成されている。
この細胞増殖ユニット10は、図1に示すように、管理部11と、操作受付部12と、通信制御部13と、インキュベータ14と、温度調節装置15と、温度センサ16と、モニタ17と、を備えている。なお、細胞増殖ユニット10の構成はこれに限らず、その他の構成を備えていてもよいことは言うまでもない。
管理部11は、コンピュータを内蔵して細胞増殖ユニット10の作動を制御するものである。この管理部11を備えることにより、各細胞増殖ユニット10は、それぞれ独立したCPUと独立したオペレーティングシステムを備えている。このため、各細胞増殖ユニット10は、後述する制御装置20から切り離されてスタンドアロンで作動可能となっている。
操作受付部12は、ユーザからの操作を受け付ける入力装置である。この操作受付部12は、例えば、液晶タッチパネル、キーボード、マウス、ボタン、バーコードリーダ等の入力デバイス(1つまたは複数)を備えている。この操作受付部12がユーザからの操作を受け付けることで、その操作内容に応じて管理部11が細胞増殖ユニット10の作動を制御する。
通信制御部13は、後述する制御装置20との通信を制御するためのものである。本実施形態に係る通信制御部13は、例えばイーサネット(登録商標)などを利用してネットワーク接続可能に構成されている。本実施形態においては、この通信制御部13を使用して、細胞増殖ユニット10はLAN(ローカルエリアネットワーク)に接続されている。本実施形態に係る細胞増殖ユニット10は、制御装置20にLAN接続されており、同じLANに接続された制御装置20からのコマンドを受信したり、制御装置20へメッセージを送信したりできるように構成されている。通信制御部13が制御装置20から送信されたコマンドを受け取ると、細胞増殖ユニット10はこのコマンドに基づいて制御されるようになっている。
インキュベータ14は、内部の密閉空間に細胞培養容器を収容可能に構成された装置である。本実施形態においては、培養するための細胞を細胞培養容器に封入し、この細胞培養容器をインキュベータ14内に設置することで、細胞が培養される。インキュベータ14の内部には、後述する温度調節装置15などの装置が設けられ、細胞培養容器内の培地の温度及びpHが制御されるようになっており、細胞の増殖に適切な状態が維持されるようになっている。
なお、細胞培養容器として何を用いるかは特に限定しないが、例えば、ボトル、バイオリアクターなどの培養槽、ガス透過性バッグ、フラスコ、シャーレなどを使用することができる。インキュベータ14の内部には、この細胞培養容器を保持可能なトレーなどが設けられている。
温度調節装置15は、インキュベータ14内の温度を一定に保つように自動的に加熱又は冷却を行う装置である。この温度調節装置15は、電気式であり、後述する温度センサ16が検出した温度に連動して出力電流が制御されるようになっている。これにより、インキュベータ14内の温度(温度センサ16の検出する温度)が目標温度になるように制御されている。
温度センサ16は、インキュベータ14内に配置されてインキュベータ14内の温度を検知するためのものである。この温度センサ16の検出結果は、温度調節装置15のフィードバック制御やエラー監視制御に使用される。具体的には、管理部11が温度センサ16の検出結果を監視しており、その検出結果に応じて温度調節装置15の出力を制御することにより、インキュベータ14内の温度が一定に保たれるようになっている。
なお、本実施形態に係る管理部11は、管理者が予め設定することで、インキュベータ14内の上限温度および下限温度を記憶するように構成されている。そして、温度センサ16が検出した温度が上限温度以上になったとき、または下限温度以下になったときに、温度の異常を検知するように構成されている。詳しくは後述するが、管理部11が温度の異常を検知すると、エラーの発生を知らせる警告メッセージが作成されてサーバ28に送信されるようになっている。
モニタ17は、インキュベータ14や細胞培養容器の状態に関するデータを表示するためのものである。モニタ17は、液晶画面やランプなどで構成することができ、例えば、インキュベータ14内の温度や、培養開始からの経過時間、細胞培養容器内の細胞数などの情報を表示することができる。ユーザは、このモニタ17に表示された情報を参照することで、培養作業の進捗状況などを確認することができる。
(制御装置20)
次に、制御装置20について説明する。制御装置20は、上記した細胞増殖ユニット10を制御するためのものである。この制御装置20は、細胞増殖ユニット10から独立したCPUと独立したオペレーティングシステムを備えており、本実施形態においてはパーソナルコンピュータなどの端末である。この制御装置20は、LANに接続されており、同じLANに接続された単一または複数の細胞増殖ユニット10を制御可能となっている。
この制御装置20は、図1に示すように、CPUが各種プログラムを実行することにより、登録手段21、入力手段22、制御信号出力手段23、表示手段24、送信手段25、受信手段26などの各手段として機能するようになっている。なお、制御装置20の構成はこれに限らず、その他の構成を備えていてもよいことは言うまでもない。
登録手段21は、制御対象の細胞増殖ユニット10を登録するためのものである。この登録手段21は、同じLANに接続された細胞増殖ユニット10をユーザが明示的に指定することにより、当該細胞増殖ユニット10を制御装置20の制御対象として登録することができる。
なお、細胞増殖ユニット10を登録する方法としては、登録手段21が、LANに接続されている細胞増殖ユニット10を検索するようにしてもよい。例えば、ユーザが細胞増殖ユニット10の検索を要求すると、登録手段21がLANを検索して細胞増殖ユニット10をリストアップするようにしてもよい。そして、検索結果としてリストアップされた細胞増殖ユニット10の中から、登録したい細胞増殖ユニット10をユーザが選択することで、その細胞増殖ユニット10を制御装置20の制御対象として登録できるようにしてもよい。
本実施形態においては、図2に示すように、制御装置20に複数の細胞増殖ユニット10を登録することで、複数の細胞増殖ユニット10を制御装置20にアレイ状に接続し、1つのシステムとして動作させることができる。なお、制御装置20に登録された細胞増殖ユニット10には、登録時にシステム内で一意の識別子が付与される。これにより、システム内の各細胞増殖ユニット10は、この識別子によって識別されるようになっている。
入力手段22は、例えば、端末に接続された液晶タッチパネル、キーボード、マウス等の入力デバイスである。この入力手段22は、制御装置20を操作する管理者によって使用される。例えば、管理者が細胞増殖ユニット10に送信するコマンドを入力するために使用される。
制御信号出力手段23は、同じLANに接続された細胞増殖ユニット10にコマンドを送信するためのものである。すなわち、上記した入力手段22を利用して管理者によってコマンドが入力されると、当該コマンドは細胞増殖ユニット10に送信される。例えば、管理者が特定の細胞増殖ユニット10を指定して培養作業の停止を命じるコマンドを入力した場合、当該コマンドは制御信号出力手段23によって特定の細胞増殖ユニット10へと送信される。そして、コマンドを受信した特定の細胞増殖ユニット10は、当該コマンドに応じた動作(培養作業の停止)を実行することになる。
表示手段24は、制御装置20のCPUから出力される映像信号を表示するためのものである。本実施形態においては、端末のディスプレイである。管理者は、この表示手段24に表示された内容を確認しながら、細胞増殖ユニット10の動作を監視したり、制御用のコマンドを入力したりすることができる。
送信手段25は、インターネット経由でメッセージを送信するためのものである。この送信手段25は、例えばエラーが発生したときに、予め登録された所定のサーバ28に対してインターネット経由でメッセージを送信する。
受信手段26は、インターネット経由でメッセージを受信するためのものである。この受信手段26は、例えば予め登録された所定のサーバ28からメッセージを受信し、その受信したメッセージに応じた制御を実行する。
(細胞増殖の手順)
本実施形態に係る細胞増殖システムを使用した細胞増殖は、以下のような手順で実行される。
まず、医師によって患者から組織が採取され、これにより培養する細胞が得られる。この細胞は瓶などの密封容器に格納される。
そして、培養作業の担当者が細胞増殖ユニット10を起動し、培養開始のコマンドを入力する。このとき、作業担当者に培養に必要なパラメータを入力させるようにしてもよい。例えば、患者の識別番号、細胞培養容器に関する情報(容積)などを入力させるようにしてもよい。また、これらのパラメータの入力を容易にするために、密封容器や細胞培養容器にバーコードを貼付しておいてもよい。このバーコードを細胞増殖ユニット10に備えつけたバーコードリーダで読み込むことで、パラメータを容易に入力することができる。
細胞増殖ユニット10が培養開始のコマンドを受信したら、管理部11によってインキュベータ14内の利用可能なスペースがチェックされる。十分なスペースがあると判断された場合には、細胞増殖ユニット10に密封容器や細胞培養容器を受け渡すためのパスボックスが起動する。作業担当者は、密封容器および細胞培養容器をパスボックスに投入する。細胞増殖ユニット10は自動的にパスボックスを引き戻すことで、密封容器および細胞培養容器を細胞増殖ユニット10の内部に取り込む。内部に取り込まれた密封容器および細胞培養容器は、ロボットアームによって適切に処理され、培養が開始される。
なお、このとき細胞増殖ユニット10は、各種の消耗品の補充を作業担当者に通知してもよい。例えば、培養培地を充填した容器、成長因子を充填した容器などをパスボックスに投入するように作業担当者に通知してもよい。そして、必要な消耗品が提供されるまで培養の開始を待機するようにしてもよい。
必要な準備が整ったら、細胞増殖ユニット10は細胞培養容器をインキュベータ14内に配置する。そして、細胞培養容器に流体および細胞を供給する。具体的には、チューブを介して所定量の培養培地や成長因子が細胞培養容器に供給される。その後、密閉容器に含まれる細胞が細胞培養容器へと供給される。
このように細胞が供給された細胞培養容器は、設定された培養期間(例えば数日間)が経過するまでインキュベータ14内で保管される。インキュベータ14内においては、細胞培養容器が一定の温度で保たれることで細胞の増殖が進行する。
培養期間が経過し、治療に必要な細胞の準備ができたら、細胞増殖ユニット10は作業担当者に培養完了を通知する。通知を受け取った作業担当者が細胞の受け取りを細胞増殖ユニット10に要求すると、細胞増殖ユニット10はインキュベータ14から細胞培養容器を取り出し、細胞培養容器内の細胞をシリンジに装填する。このシリンジは、パスボックスを介して細胞増殖ユニット10の外部へと排出される。
このように回収された細胞は、例えば細胞治療のために患者の体内に注入されて使用される。
なお、本実施形態においては、細胞増殖ユニット10が複数存在するため、複数の細胞増殖ユニット10で、それぞれ別々の細胞の培養が行われてもよい。また、インキュベータ14内に複数の細胞培養容器を収容できるようにしてもよく、これらの細胞培養容器でそれぞれ別々の細胞の培養が行われてもよい。また、この別々の細胞は、同一患者から採取したものであってもよいし、別々の患者から採取したものであってもよい。
(ネットワーク構成について)
図2に示すように、制御装置20および細胞増殖ユニット10は、LANを使用して互いに接続されている。なお、LANの接続方法は有線接続であるか無線接続であるかを問わない。また、制御装置20および細胞増殖ユニット10間の通信は暗号化されており、不正なアクセスから保護されている。
そして、各細胞増殖ユニット10は、共通の制御装置20に接続されている。制御装置20は、各細胞増殖ユニット10に制御用のコマンドを出力することができ、また、各細胞増殖ユニット10から応答を受け取ることができる。このため、一台の制御装置20によって、システム内のすべての細胞増殖ユニット10を集中的に管理することができるようになっている。
一方、制御装置20および各細胞増殖ユニット10は、それぞれ独立したCPUと独立したオペレーティングシステムを備えている。よって、細胞増殖ユニット10は制御装置20から切り離された状態であっても、スタンドアロンマシンとして動作し続けることができる。例えば、制御装置20および各細胞増殖ユニット10を接続するネットワークに障害が発生したとしても、細胞増殖ユニット10は制御装置20から切り離されてスタンドアロンマシンとして動作し続けることができる。そして、ネットワーク接続が回復したときには、細胞増殖ユニット10は自動的にシステムに再接続され、制御装置20による細胞増殖ユニット10の制御が再開されるようになっている。
なお、制御装置20が制御対象とする細胞増殖ユニット10は、登録手段21によって登録された細胞増殖ユニット10に限られる。このため、図2のAで示す細胞増殖ユニット10のように、同じLAN内に配置されているにもかかわらず、制御装置20から切り離されてスタンドアロンで動作する細胞増殖ユニット10を設けることも可能である。
また、登録手段21は、細胞増殖ユニット10を登録するだけではなく、細胞増殖ユニット10の登録を解除することも可能である。このため、すでに登録手段21によって登録された細胞増殖ユニット10であっても、明示的に登録手段21から登録解除することで、当該細胞増殖ユニット10をスタンドアロンで制御することも可能である。
これらのシステムを構成する制御装置20および細胞増殖ユニット10は、LANで接続されていれば、それ以外の物理的な接続を必要としない。このため、細胞増殖ユニット10は同じフロアの異なる部屋または同じ建物の異なるフロアに配置することできるし、異なる建物の異なる部屋に配置することもできる。また、制御装置20は、システム内のいずれかの細胞増殖ユニット10に隣接して配置することできるし、LANを利用して細胞増殖ユニット10から離れた位置に配置することもできる。
(サーバ28について)
本実施形態に係るシステムは、LANの外にあるサーバ28を制御装置20に登録することで、インターネット経由でシステムをリモート管理できるようになっている。なお、制御装置20に登録するサーバ28としては、例えば、システムを提供する企業のサーバや、ユーザの端末などが考えられる。
具体的には、本実施形態に係る制御装置20および細胞増殖ユニット10は、インターネットに接続されている。
また、本実施形態に係る制御装置20は、細胞増殖ユニット10の状態をインターネット経由で送信する送信手段25を備えている。この送信手段25は、例えばeメールや専用アプリケーションを使用して、サーバ28にメッセージを送信可能となっている。この送信手段25を使用することで、例えば、細胞培養の状況を定期的にレポートしたり、細胞増殖ユニット10のいずれかでエラーが発生したときに警告メッセージを送信したりすることができる。
なお、細胞増殖ユニット10のエラーは、例えば、、制御装置20がインキュベータ14内の温度の異常を検知した場合などに発生する。細胞増殖ユニット10は、インキュベータ14や細胞培養容器の状態に異常を発見した場合、細胞培養容器を特定できる情報(細胞培養容器のIDや細胞提供者のIDなど)を含めた警告メッセージを作成し、制御装置20を介してサーバ28へとメッセージを送信する。サーバ28がメッセージを受信することで、外部の人間にもエラーの発生を知らせることができる。なお、このようにエラーが発生したときに、細胞増殖ユニット10が培養処理を中断する処理を自動的に実行するようにしてもよい。
また、サーバ28は、細胞増殖ユニット10をインターネット経由で制御可能としてもよい。例えば、認証されたサーバ28からであれば、細胞増殖ユニット10の停止などの所定のコマンドを送信できるようにしてもよい。または、エラーが発生したときにのみ、細胞増殖ユニット10の停止などの所定のコマンドを送信できるようにしてもよい。サーバ28から送信されたコマンドは、制御装置20の受信手段26が受信し、細胞増殖ユニット10へと送信する。これにより、細胞増殖ユニット10を遠隔操作できるようにしてもよい。
例えば、エラーが発生して細胞増殖ユニット10が培養処理を自動的に中断した場合に、細胞培養のやり直しを実行するコマンドをサーバ28から送信可能に構成してもよい。そして、細胞培養のやり直しを実行するコマンドを受け取った細胞増殖ユニット10は、自動的に培養培地や細胞を交換し、細胞培養のやり直しを実行するように構成してもよい。このようにすれば、エラーが発生して培養処理が中断した場合でも、遠隔操作で早期に培養処理を再開することができる。
なお、この実施形態においては、制御装置20が送信手段25および受信手段26を備えるようにしているが、これに限らず、細胞増殖ユニット10が送信手段25および受信手段26を備えるようにしてもよい。すなわち、細胞増殖ユニット10が制御装置20を介さずにインターネット経由でサーバ28と通信できるようにしてもよい。
(ブース30について)
本実施形態に係る細胞増殖ユニット10は、図3に示すようなブース30に配置される。このブース30は、同一の大きさの複数のパネル36から構成されており、パネル36によって壁面、床面および天井面が構成されている。すなわち、このブース30は、複数のパネル36に分解可能であり、これらの複数のパネル36を組み立てることで密閉空間を形成可能となっている。
ブース30の内部はいくつかの区画に分割されており、そのうちの1つの区画によって、細胞増殖ユニット10を配置するためのクリーンルーム35が構成されている。また、ブース30内のその他の区画は、ブース30の出入り口に配置された外室31と、外室31に隣接して配置された第1前室32と、第1前室32に隣接して配置された第2前室33と、第2前室33に隣接して配置された治療室34と、を構成している。これらの外室31、第1前室32、第2前室33、および治療室34は、クリーンルーム35の前室として使用されるものであり、クリーンルーム35よりも出入り口側に、直列に配置されている。そして、ブース30の外と外室31とがドア37で出入り可能となっており、外室31と第1前室32とがドア37で出入り可能となっており、第1前室32と第2前室33とがドア37で出入り可能となっており、第2前室33と治療室34とがドア37で出入り可能となっており、治療室34とクリーンルーム35とがドア37で出入り可能となっている。このため、出入り口側から順番に、外室31→第1前室32→第2前室33→治療室34→クリーンルーム35へと通過しなければ、治療室34やクリーンルーム35への出入りできない構造となっている。
なお、上記した第1前室32および第2前室33は、治療室34やクリーンルーム35への菌の侵入を防止するために設けられている。すなわち、患者や作業者が第1前室32および第2前室33を通過することで確実に滅菌され、治療室34やクリーンルーム35に菌を持ち込まないように構成されている。
また、治療室34は、患者から組織を採取するための作業場所である。この治療室34には、手術用の機器類が配置されていてもよい。ここで患者から採取された細胞は、瓶などの密封容器に格納される。この密封容器は、治療室34とクリーンルーム35との間に設けられたパスボックス38を介して、クリーンルーム35へと受け渡される。このように構成することで、患者や医者がクリーンルーム35へ入らなくても、クリーンルーム35内にいる作業者へと密封容器を受け渡すことができる。クリーンルーム35内にいる作業者は、すでに説明した手順に従って、受け取った密封容器を細胞増殖ユニット10に投入し、細胞培養を開始する。
ここで、上記した第1前室32、第2前室33、治療室34、およびクリーンルーム35には、それぞれ、後述する放電装置52で発生させたオゾンガスを導入するための供給口39が設けられている。
また、これらの第1前室32、第2前室33、治療室34、およびクリーンルーム35には、それぞれ、ブース30内のオゾンガスの濃度を検出するセンサ(図示せず)が配置されている。なお、センサは各区画に1つだけ配設してもよいし、1つの区画に複数のセンサを配設してもよい。このセンサによって検知されたオゾンガスの濃度は、後述する滅菌装置50が取得してフィードバック制御に使用する。
(滅菌装置50について)
滅菌装置50は、ブース30内の除菌・滅菌処理を実行する装置である。この滅菌装置50は、図3に示すように、PSA式酸素発生装置51と、放電装置52と、を備える。
PSA式酸素発生装置51は、大気中の空気を窒素と高濃度酸素に分離する装置であり、公知の装置を使用可能である。このPSA式酸素発生装置51によって発生させた酸素は、放電装置52へと送られて使用される。
放電装置52は、電極間に電圧を印加して放電を発生させることによりオゾンを発生させる装置であり、公知の装置を使用可能である。この放電装置52は、PSA式酸素発生装置51によって発生させた酸素が供給される空気流路を備え、この空気流路の経路上で放電プラズマを発生させて、この空気流路を通過する酸素からオゾンを生成するように構成されている。
放電装置52によって発生させたオゾンガスは、パイプを介してブース30内に供給される。オゾンガスを供給するパイプは、滅菌装置50と供給口39とを接続している。このため、放電装置52がオゾンガスを発生させると、そのオゾンガスが供給口39からブース30内へと噴出するように構成されている。このようにブース30内にオゾンガスを供給し、ブース30内をオゾンガスで充満させることにより、ブース30内の除菌・滅菌が行われるようになっている。
なお、滅菌装置50には、管理者等により、望ましいオゾンガスの濃度の規定値が予め設定されている。滅菌装置50は、各区画のオゾンガスの濃度がこの規定値に近い値で維持されるように調節する。なお、この規定値は、区画ごとに設定可能としてもよい。区画ごとに設定可能とすれば、区画ごとに異なるレベルで除菌・滅菌を行うことができる。
また、上記したように、第1前室32、第2前室33、治療室34、およびクリーンルーム35には、ブース30内のオゾンガスの濃度を検出するセンサが設けられている。そして、これらのセンサは滅菌装置50に接続されており、滅菌装置50は各区画のオゾンガスの濃度を検知できるように構成されている。
これらのセンサが設けられた区画のいずれかにおいて、オゾンガスの濃度が規定値を下回ったことがセンサにより検出されると、滅菌装置50はオゾンガスの生成を開始し、当該区画へとオゾンガスを供給する。そして、このようなオゾンガスの供給により、当該区画において、オゾンガスの濃度が規定値を上回ったことがセンサにより検出されると、滅菌装置50はオゾンガスの生成を中断する。
このような処理により、各区画は自動的にオゾンガスの濃度が一定に保たれるように構成されている。
(まとめ)
以上説明したように、本実施形態によれば、PSA式酸素発生装置51と、PSA式酸素発生装置51によって発生させた酸素を利用してオゾンガスを発生させる放電装置52と、を備え、放電装置52によって発生させたオゾンガスをブース30内に供給することで滅菌するようになっている。このような構成によれば、オゾンガスを使用して滅菌を行うため、残留毒性の問題は発生しない。また、消毒剤の塗布やふき取り作業も必要がない。また、空気中のオゾンガス濃度を高めることで除菌するため、空中に浮遊している菌や、手の届かない機器の背面や内部に存在する菌も確実に除菌することができる。
また、ブース30内のオゾンガスの濃度を検出するセンサを備え、センサの検出結果に基づいてオゾンガスの供給量または供給時間を制御するようにしている。このような構成によれば、オゾンガスの濃度を測定するだけで、自動的に滅菌状態を管理することができる。
10 細胞増殖ユニット
11 管理部
12 操作受付部
13 通信制御部
14 インキュベータ
15 温度調節装置
16 温度センサ
17 モニタ
20 制御装置
21 登録手段
22 入力手段
23 制御信号出力手段
24 表示手段
25 送信手段
26 受信手段
28 サーバ
30 ブース
31 外室
32 第1前室
33 第2前室
34 治療室
35 クリーンルーム
36 パネル
37 ドア
38 パスボックス
39 供給口
50 滅菌装置
51 PSA式酸素発生装置
52 放電装置

Claims (2)

  1. PSA式酸素発生装置と、
    前記PSA式酸素発生装置によって発生させた酸素を利用してオゾンガスを発生させる放電装置と、
    を備え、
    前記放電装置によって発生させたオゾンガスをブース内に供給することで滅菌することを特徴とする、細胞増殖装置用の滅菌システム。
  2. 前記ブース内のオゾンガスの濃度を検出するセンサを備え、
    前記センサの検出結果に基づいてオゾンガスの供給量または供給時間を制御することを特徴とする、請求項1記載の細胞増殖装置用の滅菌システム。
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