JP2017060545A - シートパッド及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】発泡成形での作業に高い精度を要せず、また作業負担をも軽減し、長期に亘って、シートフレーム等との擦れによる異音発生防止やパッド本体の破れ防止に優れる車両用シートパッドを提供する。【解決手段】発泡体からなるパッド本体2と、パッド本体2の発泡成形でその裏面2bに被着一体化されたシート状裏当て材3と、を具備する車両用シートパッドにおいて、裏当て材3の周縁31の一部に、シート状舌片4を外方へ延在させてなるか又は別体の舌片4を縫合して外方へ延在させてなる舌片4付き裏当て材3が形成され、舌片4がその付け根に在るパッド本体2の一領域からパーティグラインPLを越えたパッド本体の他領域2Bに突き出し、舌片4の先端部45が他領域2Bのパッド本体部分に係止されてなる。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用座席シートを構成するシートパッド及びその製造方法に関する。
自動車等の車両に搭載される座席シートの座部や背もたれを構成するシートクッションがある。軟質ポリウレタンフォーム等のシートパッドを主構成要素とするが、乗員の着座時に該シートパッドが撓んでシートフレームに擦れ、時に異音が発生したりさらにパッド本体が破れたりすることがある。シートパッドのパッド本体裏面に不織布等の裏当て材を被着して改善が図られているが、裏当て材をパッド本体のキワまで配設するのは難しい。パッド本体裏面のキワまで裏当て材を被着しようとすると、発泡型への裏当て材のセットに高精度を要する。裏当て材の型セットで、発泡型の型合せ面の合わせ目まで近づける際、型合せ面で裏当て材を挟んでしまうと、発泡成形時のガス抜けにつながる。それゆえ、裏当て材には、その外周縁をパッド本体の裏面外周縁よりも一回り小さくしたものが専ら使用されている。
また、シートパッドZが座部を構成するクッションパッドでは、図9のように車両後方側に近づくにつれ側方部位23の張出部232が低くなることもあって、該張出部232によるシートフレームFのサポートが難しくなっている。その結果、図10(イ)のごとくパッド本体裏面2bの外縁近くに配されるシートフレームFが、裏当て材3と接するのでなく、シートパッドのパッド本体2が露出する車幅方向外方へずれて、図10(ロ)のごとくパッド露出面29上に載る事態を招く。パッド露出面29を擦って異音を発生させ、ハガレ面28ができ易い。さらに、パッド本体2に直に当たるため亀裂CKを生む。
こうしたことから、上記不具合に取組む発明が提案されている(例えば特許文献1、2)。
特開2005−95256号公報 特開2012−228422号公報
しかし、特許文献1は、その請求項1のごとく「クッションパッドからはみ出させる舌片部分を、前記クッションパッドに対する張付け面とは反対の非張付け面側に折り畳むとともに、前記舌片を第1型の型面に取り外し自在に張付け、前記第1型と第2型とのキャビティで発泡樹脂原液を発泡させて成形するクッションパッドの成形方法」の発明にとどまる。さらに、舌片を折り畳んで第1型の型面に張付けて発泡成形するので、舌片を折り返す部分が膨らみ、ここから発泡成形時の発泡原料が浸入し易い。浸入した発泡原料が、舌片のシートパッド裏面側にあたる部分で発泡硬化すると、異音発生が止まらない。
また、特許文献2は、不織布を貼着するのをパッド本体のキワに近い凹凸部の領域とするが、裏当て材たる不織布セットの難易度が少し下がる程度で、その作業はシビアできつい。またこの製法は、通常、上型型面に不織布の短冊状部をセットしなければならず、不織布の発泡型へのセット作業はさらに困難なものになっている。
本発明は、上記問題を解決するもので、発泡成形での作業に高い精度を要せず、また作業負担をも軽減し、長期に亘って、シートフレーム等との擦れによる異音発生防止やパッド本体の破れ防止に優れる車両用シートパッド及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、車両用座席のシートパッドの製造方法において、パッド本体の発泡成形でその裏面に被着一体化されるシート状裏当て材の周縁の一部に、舌片を外方へ延在させた舌片付き裏当て材を、型開状態下、該舌片がその付け根を折れ部にして折り重ねられ且つ裏当て材に隠れるようにして、一の分割型にセットした後、パッド本体を該舌片付き裏当て材と一体発泡成形し、その後、脱型し、しかる後、折り重ねられていた該舌片を起こして、前記折れ部に在る前記パッド本体の一領域からパーティングラインを越えたパッド本体の他領域側へと倒し、該舌片の先端部を該他領域のパッド本体に係止することを特徴とするシートパッドの製造方法にある。請求項2の発明たるシートパッドの製造方法は、請求項1で、一の分割型に前記舌片の前記折れ部があてがわれる突起を設け、且つ該折れ部と対向する側の該突起の壁面を、その突上端から該一の分割型にセットした該舌片の折り重ね本体部へ向けて下降傾斜する湾曲面に形成し、該湾曲面に該折れ部があてがわれるようにして、前記舌片付き裏当て材を一の分割型にセットすることを特徴とする。請求項3の発明たるシートパッドの製造方法は、請求項1又は2で、裏当て材と前記舌片とがつながる前記折れ部に縫合部を形成したことを特徴とする。
請求項4に記載の発明の要旨は、発泡体からなるパッド本体と、該パッド本体の発泡成形でその裏面に被着一体化されたシート状裏当て材と、を具備する車両用シートパッドにおいて、該裏当て材の周縁の一部に、シート状舌片を外方へ延在させてなるか又は別体の舌片を縫合して外方へ延在させてなる舌片付き裏当て材が形成され、該舌片がその付け根に在る前記パッド本体の一領域からパーティグラインを越えたパッド本体の他領域に突き出し、該舌片の先端部が該他領域のパッド本体部分に係止されてなることを特徴とするシートパッドにある。請求項5の発明たるシートパッドは、請求項4で、舌片の先端部に一対の面ファスナーのうちの一方が取着され、前記先端部が係止される他領域のバッド本体部分に前記面ファスナーの他方が取着されてなることを特徴とする。
本発明の車両用シートパッド及びその製造方法は、シートフレーム等との擦れによる異音発生防止やパッド本体の破れ防止に万全な対策を講じることができ、しかも作業性を向上させ且つ低コストで対応できるなど優れた効果を発揮する。
本発明のシートパッドの一形態で、シートパッドを裏面側から見た斜視図である。 図1のII-II線矢視図である。 図2の舌片の箇所での他態様図である。 型開状態で舌片付き裏当て材を上型に取付ける説明断面図である。 (イ)が舌片付き裏当て材の部分斜視図、(ロ)が(イ)に代わる舌片付き裏当て材の他態様図である。 (イ)が図4の突起周りの拡大図、(ロ)が(イ)から舌片付き裏当て材を上型型面に取付けセットした拡大図である。 型開状態で発泡原料を注入している発泡型の説明断面図である。 図7の後、型閉じし、発泡成形に向かう発泡型の説明断面図である。 従来技術のシートパッドを裏面側から見た斜視図である。 (イ)が図9のパッド露出部分周りの断面図、(ロ)がパッド露出部分にシートフレームがずれた時の不具合説明図である。
以下、本発明に係るシートパッド及びその製造方法について詳述する。図1〜図8は本発明のシートパッド及びその製造方法の一形態で、図1はシートパッドを裏面側から見た斜視図、図2は図1のII-II線矢視図、図3は図2の舌片の箇所での他態様図、図4は型開状態で舌片付き裏当て材を上型に取付ける説明断面図、図5は(イ)が舌片付き裏当て材の部分斜視図、(ロ)が(イ)に代わる舌片付き裏当て材の他態様図、図6は(イ)が図4の突起周りの拡大図、(ロ)が(イ)から舌片付き裏当て材を上型型面に取付けセットした拡大図、図7は型開状態で発泡原料を注入している発泡型の説明断面図、図8は図7の後、型閉じし、発泡成形に向かう発泡型の説明断面図である。尚、図面を判り易くするため、裏当て材及び舌片の厚みを適宜大きく図示し、図4〜図8の発泡型は要部以外を簡略図示する。
(1)シートパッド
シートパッド1は、背もたれ用のバックパッドや着座した乗員の下半身を受け支えるクッションパッドである。本実施形態は図1,図2のようなクッションパッドに適用する。クッションパッドに表皮を被せてシートクッションの形にすれば、公知のバックパッドに表皮を被せたバックレストと公知のヘッドレストとで車両用座席シートを形成する。
シートパッド1は、発泡体からなるパッド本体2と、裏当て材3と舌片4とを具備する。
パッド本体2は、ポリウレタン材料等の発泡樹脂原料を用いて、座部側クッションパッドの座部形状に成形された発泡成形品である(図1)。本発明の特徴的部分たる舌片4周りを判り易く図示するため、図1〜図3のシートパッド1,パッド本体2は、車両に設置される状態と上下逆して描く。
パッド本体2は、図2のように、乗員の臀部及び大腿部を支えるメイン部21と、該メイン部21の両側で隆起して、臀部及び大腿部の側部を支えるサイド部22とに大別される。
パッド本体2には、側方部位23の外縁沿いに裏面側へ張り出す立壁状の張出部232が形成される(図1)。パッド本体2に係るサイド部の外縁沿いに裏面側へ立壁状の張出部232が張り出す。また、パッド本体裏面2bの中央域にクッション性を保つ中央厚み部26を設けて、該中央厚み部26と張出部232とで、車両前後方向に走る凹所uが形成される。該凹所uにシートフレームFを配設するが、張出部232が構造上、車両後方(図1の左方)となるバックパッドに近づくにつれ低くなっている。したがって、シートフレームFは、車両後方部に配された部分が時に横外方にずれる傾向にある。符号24は前方部位の張出相当部で、側方部位23の張出部23とでパッド本体裏面2bをコ字状に囲む。符号PLはパーティングラインの出っ張りで、下型6,上型7の型合せ面69,79により発生する(図8)。符合2AはパーテイングラインPLよりもパッド本体裏面2b側に在るパッド本体の一領域、符号2BはパーテイングラインPLよりもパッド本体表面2a側に在るパッド本体の他領域を示す。符号27は縦溝を示す。
裏当て材3は、パッド本体2の発泡成形で、前記パッド本体2(詳しくは一領域2A側)の裏面2bに被着一体化されるシート状体である。ここでは、パッド本体2の発泡成形でその裏面2bに被着一体化される不織布とする。製織しないで機械的,化学的,熱的などで繊維を固着したり絡み合わせたりして、シート状にした布になっている。
裏当て材3は、パッド本体裏面2bの外縁にまでくまなく綺麗に設けるとなると、シートパッド製造時の型5へのセットに精度を要し且つ作業時間も大幅に増えることから、その大きさがパッド本体2の裏面外周縁よりも一回り小さい。図1のごとく、正常にセットされた裏当て材3の周縁31はパッド本体2の裏面外縁よりもパッド本体2の中央寄りに位置して、裏当て材3の周縁31とパッド本体2の裏面外縁との間に、型セットをし易くする余裕代が設けられる(図1,図2)。小さくした裏当て材3により、裏当て材外周縁31とパッド本体の裏面外周縁(パッド側壁面231)との間にパッド露出面29ができる。符号εは前記余裕代によって現れるパッド露出面29の幅を示す。パッド本体2との一体成形で、裏当て材3をパッド本体裏面2bの形成用型面に精度良く合わせてセットしなくても、型閉じで発泡型5に裏当て材3が挟まれず、作業性向上につながっている。なお、作業性向上につながる一方で、このままでは、車両後方側のシートパッド裏面1bで、余裕代に在るパッド本体2のパッド露出面29にシートフレームFが当たる図10(ロ)のような不具合を招く。
パッド露出面29側へフレームがずれると、既述のごとくハガレ面28や亀裂CKといった問題が発生するが、この問題を舌片4が解決する。
舌片4は前記裏当て材3の周縁31の一部に外方に張り出し形成された突出し片である。図1,図2,図5(ロ)のごとくシート状裏当て材3の一部を張り出し、舌片4として外方へ延在させてもよいが、図3,図5(イ)のごとく裏当て材3の周縁31の一部と別体のシート状舌片4とを縫合して外方へ延在させるとより好ましい。異音防止に効果がある目付け,材質等の舌片を選べるからである。また図示を省略するが、舌片4を別体とせずに、図1,図2,図5(ロ)のごとく裏当て材3の一部を延在させた舌片4と裏当て材3との境界部分に、折れ部Kにする縫合部Sを加えるだけのものであっても好ましくなる。折れ部Kでの膨らみを縫合部Sで小さく是正できるからである。
本実施形態は、図1,図2のごとく裏当て材周縁31の一部を舌片4として単に張出し形成した舌片4付き裏当て材3に係る舌片4で、縫合部Sはない。具体的には図5(ロ)のような舌片4付き裏当て材3になっている。そして、図1のごとくパッド本体の一領域2Aに付け根41の在る舌片4が、パーティングラインPLを越えたパッド本体の他領域2Bに突き出し、舌片先端部45を該他領域2Bのパッド本体部分に係止させる。舌片4の付け根41は裏当て材3との境界部であり、パッド本体裏面2bに被着一体化するが、付け根41から離れた舌片4の本体部44は、シートパッド1の発泡成形に先立ち、図5(ロ)の鎖線で示す付け根41を折れ部Kにして裏当て材3裏面上に折り重ねられる。発泡成形時は、折り重ね本体部44が裏当て材3の裏面側に隠れる。そのため、折り重ね本体部44は発泡成形後でもパッド本体2や裏当て材3に結合しない。脱型後、舌片4を起こして、図2のように舌片先端部45を他領域2Bのパッド本体部分に係止させる。ここでは、舌片4の先端部45に、図2のごとく一対の面ファスナーMのうちの一方M1を取着し、先端部45が係止される他領域2Bのバッド本体部分に面ファスナーMの他方M2を取着して、係止を確実にする。舌片4に一方の面ファスナーM1を縫い合わせたものを上型7にセットし、他方の面ファスナーM2を下型6にセットして、パッド本体2の発泡成形で双方の面ファスナーM1,M2がシートパッド1に一体化される。
他態様の図3に示す舌片4は、裏当て材3の周縁31と別体の舌片4に係る付け根41とを合わせた後、裏当て材周縁31沿いに舌片4と一緒に、縫糸STで図5(イ)のように折れ部Kとなる縫合部Sを形成して、舌片4付き裏当て材3の一体品とするものである。さらに、縫合部S周りの裏当て材3に当接する湾曲壁252を備えた窪み25が、少なくとも図3の紙面垂直方向に在る舌片4の幅に合わせて設けられている。詳細後述する突起75による窪み25が設けられることによって、次の製法で述べるように、パッド本体2の発泡成形時に、裏当て材3の裏面に折り重ねられた舌片本体部44への発泡原料gが浸入し難くなっている。尚、図1,図2のパッド本体2にも同様の窪み25が設けられている。
こうして、パッド本体の一領域2Aに付け根41を有する舌片4が、パーティングラインPLを越えてパッド本体の他領域2Bに係止して、異音や亀裂CKを生む不具合発生域のパッド露出面29を覆い、さらに該パッド露出面29を覆っている舌片4に発泡硬化部分がない所望のシートパッド1が得られる。
(2)シートパッドの製造方法
シートパッドの製造方法は、裏当て材3と舌片4と発泡型5とを用いて、例えば図4〜図8の発泡型5に該舌片4付き裏当て材3をセットした後、発泡原料gの注入及び型閉じを経て、図1〜図3のようなシートパッド1を成形する。尚、図1のごとく舌片4を一つ設けるのでもよいが、図4〜図8では舌片4を二つ設けるシートパッド1用発泡型5としている。
裏当て材3と舌片4は、(1)のシートパッド1で述べたものと同様で、その詳細説明を省く。
本シートパッドの製造方法に用いる発泡型5は、図4〜図8ごとくの分割型で、上型7(一の分割型)と下型6(他の分割型)とを備える。図示しないヒンジを支点にして図7から図8のごとく型閉じすると、全体的にへこみ度合いが大きな下型6の型面61と一部に凹みを有するもののほぼ平坦な上型7の型面71とで、パッド本体2に裏当て材3と舌片4が一体化するシートパッド1のキャビティCをつくる。符号61aがメイン部形成部、符号61bがサイド部形成部、符号61cが縦溝用凸部を示す。
図4〜図8に示す本製法では、下型6の型面61でシートパッドの表面1a側が成形され、上型7の型面71でシートパッド1の裏面1b側が成形される。舌片4付き裏当て材3の該舌片4は、その付け根41を折れ部Kにして裏当て材3に折り重ねられて上型7にセットされる。そのため、上型7に図4のごとく舌片設置用段差711を設ける。さらに、折れ部Kが配される上型7の部位に突起75を設ける。上型7への舌片4付き裏当て材3のセットで、折れ部Kの折れ線K1に沿ってあてがう突起75を設け、且つ該折れ部Kと対向する側の該突起75の壁面752を、その突上端751から上型7に取付けセットされた舌片4の折り重ね本体部44へ向けて、カーブを描いて下降傾斜する湾曲面に形成する。本突起75は突上端751に端面を形成し、折れ部Kと対向する壁面752とは反対側の壁753をほぼ垂直面とする。該突起75は、図6の紙面垂直方向に少なくとも舌片4の幅の長さ分が図6の側面視形状で堤状に形成されている。
前記発泡型5,裏当て材3,舌片4を用いて、ここでは図3のシートパッド1を次のようにして製造する。
まず、発泡成形に先立ち、裏当て材3の周縁31の一部に別体の舌片4を縫合して、舌片4付き裏当て材3を作製する(図5のイ)。舌片4は、裏当て材3の周縁31から、該舌片4を倒して図3のようにパーティングラインPLを越えたパッド本体の他領域2Bに達する大きさとする。具体的には、シートフレームFがずれてパッド露出面29に載って生じるハガレ面28や亀裂CKなどの不具合発生域を該舌片4で覆って防止できる矩形大きさにする。矩形舌片4が、その付け根部分に裏当て材3との縫合部Sを図5(イ)のように形成して、該裏当て材3につながる。該縫合部Sが舌片4と裏当て材3の折れ部Kになる。
そうして、発泡型5を型開状態で、上型7へ舌片4付き裏当て材3をセットする。舌片4がその付け根41を折れ部Kにして裏当て材3上に折り重ねられ、且つ裏当て材3に隠れるようにして、舌片4付き裏当て材3を上型型面71にセットする(図4)。
詳しくは、図6のように取付けセットする。突起75の突上端751と湾曲壁面752とが接する端縁に、図6(イ)のごとく、舌片4の付け根41と該舌片4に縫合された裏当て材周縁31の部分を合わせる。続いて、舌片4の付け根41と該舌片4に縫合された裏当て材周縁31の部分を、他の舌片4付き裏当て材3と共に上型型面71へ押し付けて、上型7に取付けセットする。舌片4が、その付け根41を折れ部Kにして裏当て材3に折り重ねられ、且つ裏当て材3に隠れるようにして、上型7に取付けセットされる(図6のロ)。ここで、折れ部Kと対向する側の突起75の壁面752を、突上端751から上型7に取付けセットされた舌片4の折り重ね本体部44へ向けて下降傾斜する湾曲面に形成しているので、折れ部Kが該湾曲面にあてがわれるようにしてセットされる。舌片4の付け根41及び裏当て材周縁31の部分が、図6(イ)から図6(ロ)へと該湾曲面を擦りながら上型型面71にセットされる。舌片4の付け根41及び裏当て材周縁31の部分が突起75との当接部分8となって、突起75に密着する。尚、図6(ロ)は図面を判り易くするため折り重ね本体部44と湾曲壁面752との間に隙間を設けたが、両者は密着する。
裏当て材3には、その外周縁沿いに適宜間隔で矩形のフェライトシート片Tが貼着一体化されている。舌片4の両サイドに係る裏当て材3の部分にフェライトシート片Tが配される(図5)。一方、上型型面71の各フェライトシート片Tに対応する箇所には図示しない磁石が埋め込まれている。
かくして、舌片4周りは上型型面71に向けて少し押し付けて、折れ部K、特に突起75に舌片4の付け根41及び舌片4がある裏当て材周縁31の部分を、突起75の湾曲壁面752に、図6の(イ)から(ロ)へと擦り付けるようにして当接,密着させる。且つフェライトシート片Tを磁石に吸着させて、上型型面71への舌片4付き裏当て材3のセットを終える。
その後、発泡原料gの注入及び型閉じを経て、発泡体からなるパッド本体2を、その裏面2bに配した舌片4付き裏当て材3と一体発泡成形する。
本実施形態は、発泡型5への舌片4付き裏当て材3のセット後、型開状態のまま、下型6のキャビティCを形成する型面61に注入ホースNL等を使用してパッド本体成形用ウレタン発泡原液等の発泡原料gを所定量注入する(図7)。続いて、上型7を作動させ型閉じする(図8)。上型7と下型6との型閉じで、舌片4付き裏当て材3がインサートされたシートパッド1用キャビティCができる。尚、発泡型5への舌片4付き裏当て材3のセット後、発泡原料gを注入し、その後、型閉じしたが、発泡型5に裏当て材3,舌片4をセットした後、型閉じし、その後、発泡原料gを注入することもできる。
前記型閉じの後、パッド本体2の発泡成形に移る。パッド本体2を舌片4付き裏当て材3と一体発泡成形する。図8の型閉じ状態を所定時間維持し、パッド本体2の裏面2b側に裏当て材3が被着一体化し、且つ舌片4は少なくとも付け根41の領域以外に発泡原料gの含浸のない図3ごとくのシートパッド1が造られる。
発泡成形過程で、発泡原料gが、上型型面71に迫り、裏当て材3に達し、さらに折れ部Kの箇所、具体的には、舌片4の付け根41及び裏当て材周縁31の部分と上型型面71との隙間から舌片4の折り重ね本体部44へ浸入しようとする。しかし、折れ部Kは縫合部Sの形成によって、図5(ロ)のように単に折り畳む場合の折り返す部分にできる膨らみがない。舌片4の折り返す部分が、裏当て材3と当接,密着し、且つ該裏当て材3に舌片4が隠れる状態で上型7にセットされており、折り重ね本体部44への発泡原料gの浸入を防ぐ。さらに、折れ部Kに係る舌片4の付け根41及び該舌片4と重なる裏当て材周縁31の部分が、上型7に設けた突起75の湾曲壁面752に当接して、裏当て材3裏面に配した舌片4の折り重ね本体部44の方へ、発泡原料gが回り込まないようにしている。舌片4の付け根41及び舌片4が折り重なる裏当て材周縁31の部分を含む折れ部Kが、突起75の湾曲壁面752に当接,密着し、舌片4の折り重ね本体部44へ向かう発泡原料gの浸入口を閉ざしている。舌片4の付け根41や該舌片と重なる裏当て材3の周縁31側から舌片4の折り重ね本体部44へ浸入しようとする発泡原料gは、突起75で食い止められる。
パッド本体2の発泡成形を終え、脱型すれば、メイン部21,サイド部22の裏面に不織布の裏当て材3が被着一体化し、さらに舌片4の付け根41がパッド本体2に一体化したシートパッド1が得られる。突起75によってパッド本体2に窪み25が形成される。突起75の突上端751、対向壁面752、背面側壁面753が、窪み25のそれぞれ窪み底251、湾曲壁252、起立壁253となる。シートパッド1は裏当て材3に図3の鎖線で示す折り重ね本体部44が当接状態にあるが、発泡成形時、発泡原料gが裏当て材3の裏面にまでは含浸せず、また折れ部Kから折り重ね本体部44へ発泡原料gが向かうのは突起75によって阻止されるので、裏当て材3と舌片4の折り重ね本体部44との結合はない。
脱型後、折り重ねられていた該舌片4を起こして、折れ部Kに在るパッド本体の一領域2AからパーティングラインPLを越えたパッド本体の他領域2B側へと倒し、該舌片4の先端部45を他領域2Bのパッド本体2に係止させる。さらに、面ファスナーMの一方M1を舌片4に設け、また他方M2をパッド本体2の他領域2B側で倒された舌片先端部45との対向面に設けており、面ファスナーM1,M2を接合固定させることにより、該舌片4で不具合発生域となるパッド露出面29を覆って、係止強化を図った所望のシートパッド1が造られる。該シートパッド1に図示しない表皮を被せると、車両用座席シートの座部用シートクッションになる。
(3)効果
このように構成したシートパッド1及びその製造方法によれば、舌片4がその付け根41に在るパッド本体の一領域2AからパーティングラインPLを越えたパッド本体の他領域2Bのパッド本体部分に係止されるので、不具合を引き起こすパッド露出面29を容易に覆うことができる。パッド本体裏面2bで、側方部位23の側壁面231とのキワにあり、対処が難しかったパッド露出面29にシートフレームFが擦って、異音発生させたりハガレ面28,亀裂CKを発生させたりする不具合が解消する。
また、裏当て材3と舌片4とつながる折れ部Kに縫合部Sを形成すると、図5(ロ)のごとく単に折り畳む場合に折り返す部分にできる膨らみをなくすか小さくできるので、発泡成形時に、折れ部Kから舌片本体部44へ発泡原料gが浸入するのを防ぐことができる。発泡成形後の舌片4の折り重ね本体部44に、発泡原料gの発泡硬化部分が現れない。シートフレームF等との擦れによる異音発生防止が万全となる。
さらに、縫合部Sが形成されると、裏当て材3に別体の舌片4をつなげることができる。裏当て材3とは別体の舌片4が使用可能になるので、パッド露出面29でのハガレ面28や亀裂CKを有効且つ効果的に解消できる目付けや材質の舌片4を、裏当て材3に制約されずに独自選定できる。長期に亘って、シートフレームF等との擦れによる異音発生防止やパッド本体2の破れ防止に、より優れたシートパッド1を造ることができる。
加えて、突起75の壁面752を、その突上端751から上型7にセットした該舌片4の折り重ね本体部44へ向けて下降傾斜する湾曲面に形成すると、舌片4付き裏当て材3を上型7にセットするにあたり、図6のごとく該湾曲面に折れ部Kがあてがわれるようにして、舌片4付き裏当て材3の折れ部Kを突起75に密着できる。発泡原料gが浸入し易い特許文献1と違って、突起75の湾曲壁面752が在ることで、発泡原料gの浸入を食い止められる。したがって、発泡成形過程で、折れ部Kの部位から舌片4付き裏当て材3と上型7との隙間に、発泡原料gが回りこんで、舌片本体部44へ浸入するのを防げる。舌片4のシートパッド裏面1b側にあたる部分に発泡原料gが入り込み、発泡硬化することがないので、異音発生は起こらない。しかも、図6の(イ)から(ロ)へと、舌片4付き裏当て材3を上型7にセットするのは、特許文献2の発明と違って図4,図6のごとくごく簡単であり、発泡型5へのセット作業を円滑に進めることができる。発泡成形での作業に高い精度を要せず、作業負担も少ない。作業性を向上させ且つ低コスト対応できる。
このように、本シートパッド1及びその製造方法は、上述した種々の優れた効果を発揮し極めて有益である。
尚、本発明においては前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。シートパッド1、パッド本体2、裏当て材3、舌片4、発泡型5等の形状,大きさ,個数,材質等は用途に合わせて適宜選択できる。実施形態はクッションパッドに適用したが、背もたれ用バックパッドにも適用できる。
1 シートパッド
2 パッド本体
2A パッド本体の一領域
2B パッド本体の他領域
3 裏当て材
4 舌片
41 付け根
45 先端部
7 上型
75 突起(堤状突起)
752 湾曲壁面(対向壁面)
g 発泡原料
K 折れ部
M 面ファスナー
PL パーティングライン
S 縫合部

Claims (5)

  1. 車両用座席のシートパッドの製造方法において、
    パッド本体の発泡成形でその裏面に被着一体化されるシート状裏当て材の周縁の一部に、舌片を外方へ延在させた舌片付き裏当て材を、型開状態下、該舌片がその付け根を折れ部にして折り重ねられ且つ裏当て材に隠れるようにして、一の分割型にセットした後、パッド本体を該舌片付き裏当て材と一体発泡成形し、その後、脱型し、しかる後、折り重ねられていた該舌片を起こして、前記折れ部に在る前記パッド本体の一領域からパーティングラインを越えたパッド本体の他領域側へと倒し、該舌片の先端部を該他領域のパッド本体に係止することを特徴とするシートパッドの製造方法。
  2. 前記一の分割型に前記舌片の前記折れ部があてがわれる突起を設け、且つ該折れ部と対向する側の該突起の壁面を、その突上端から該一の分割型にセットした該舌片の折り重ね本体部へ向けて下降傾斜する湾曲面に形成し、該湾曲面に該折れ部があてがわれるようにして、前記舌片付き裏当て材を一の分割型にセットする請求項1記載のシートパッドの製造方法。
  3. 前記裏当て材と前記舌片とがつながる前記折れ部に縫合部を形成した請求項1又は2に記載のシートパッドの製造方法。
  4. 発泡体からなるパッド本体と、該パッド本体の発泡成形でその裏面に被着一体化されたシート状裏当て材と、を具備する車両用シートパッドにおいて、
    該裏当て材の周縁の一部に、シート状舌片を外方へ延在させてなるか又は別体の舌片を縫合して外方へ延在させてなる舌片付き裏当て材が形成され、該舌片がその付け根に在る前記パッド本体の一領域からパーティグラインを越えたパッド本体の他領域に突き出し、該舌片の先端部が該他領域のパッド本体部分に係止されてなることを特徴とするシートパッド。
  5. 前記舌片の先端部に一対の面ファスナーのうちの一方が取着され、前記先端部が係止される他領域のバッド本体部分に前記面ファスナーの他方が取着されてなる請求項4記載のシートパッド
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