JP2017060021A - 高周波回路基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 伝送特性の悪化を防ぐことができる高周波回路基板を提供すること。
【解決手段】 本発明は、少なくとも二つの回路基板がキャリアに実装され、前記回路基板同士が導体片で電気的に接続された高周波回路基板であって、前記回路基板の少なくとも一方にコプレーナ線路が形成され、前記コプレーナ線路を構成する第1のグランド導体と第1の貫通導体を介して電気的に接続された第2のグランド導体が前記回路基板の裏面に、対向する回路基板側の端部を除いて形成され、前記キャリアには凹部または誘電体領域が形成され、前記凹部または誘電体領域は、前記二つの回路基板の接続部分、前記第2のグランド導体が形成されていない端部及び前記端部に隣接する第1の貫通導体の少なくとも一部に面していることを特徴とする高周波回路基板である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高周波回路基板に関する。
高周波回路基板上の伝送線路間の接続には、ワイヤ接続されることが多い。図8には、回路基板上の伝送線路間のワイヤ接続構造の斜視図を示す。回路基板1は、誘電体基板2と、その表面に形成されたグランド導体3a、3b、及び、信号導体4、裏面に形成されたグランド導体5から成る。これにより、回路基板1上には、信号導体4、とグランド導体3a、3b、5から成る裏面グランド有りコプレーナ線路6が形成される。表面と裏面のグランド導体は、両者の電位を同じにするための複数のビアホール7によって接続される。伝送線路間をワイヤで接続する点については、特許文献1等に記載されている。
これにより、表面と裏面のグランド導体間で、発生する寄生的な平行平板モードに起因する伝送特性の悪化を抑制することができる。平行平板モードを、効果的に抑制するために、ビアホール7のピッチLpは、所望帯域(回路を動作させたい周波数帯域)において、誘電体基板内を通過(存在)する高周波信号の1/2波長以下にする必要がある。回路基板1は、キャリア導体8上に、例えば、金錫半田、導電性接着剤等を使用して、実装される。これにより、キャリア導体8、回路基板1上のグランド導体層3a、3b、5が、全て、グランド導体として機能する。
図8では二つの回路基板1,1がキャリア導体8上に間隔を空けて搭載され、それぞれの回路基板上にコプレーナ線路6,6が形成されている。この間隔を空けて対向する二つのコプレーナ線路の間を電気的に接続するには、ワイヤ導体9a、9b、9cでグランド導体3a間、3b間、信号導体4間をそれぞれ接続する。これにより、二つの回路基板1,1上のコプレーナ線路6の間で、高周波信号が伝送される。
先述した通り、誘電体基板1表面のグランド導体3a、3b、及び、グランド導体5間は、ビアホール7によって、電気的に接続され、回路基板1の内部においては、平行平板モードが抑制される。
しかしながら、回路基板1の端部においては、ワイヤ導体と隣接するビアホールから回路基板1の外側に向けて、破線で示すような寄生的なオープンスタブ10が形成される。このオープンスタブ10は、表面のグランド導体3a、3bを信号導体、裏面のグランド導体5をグランド導体とするマイクロストリップ線路構造を持つ。オープンスタブ10の長さLはワイヤ導体と隣接するビアホールとの距離である。特に、このオープンスタブ10が共振する周波数(誘電体基板2内を通過する高周波信号の1/4波長となる周波数)において、コプレーナ線路6とオープンスタブ10とが電磁気に結合し、伝送特性が大きく悪化する問題があった。そこで、10GHz以下程度のマイクロ波帯では、オープンスタブ10の長さLを、所望帯域において、1/4波長以下に小さくすることによって、伝送特性の悪化を抑制していた。
しかしながら、テラヘルツ帯(一般的に100GHz以上)等の高い周波帯では、1/4波長が、非常に小さくなってしまう。例えば、テラヘルツ帯用の回路基板として一般的に使用される、化合物半導体であるInP(比誘電率12.6)の場合、150GHzでは、1/4波長は140μmと非常に小さい。一方InP等の化合物半導体は、一般的に機械的強度が低いため、クラック発生等の不良を防ぐために、製造上、ビアホールの基板端からの距離(オープンスタブ10の長さに相当)をある程度確保せざるを得ない。そのためオープンスタブ10の長さを1/4波長以下に小さくすることが困難である。
そこで、図9に示すように、表面のグランド導体3a、3bと、裏面のグランド導体5とを接続するために、誘電体基板2の側面に、グランド導体11を形成することによって、オープンスタブを除去する構造が使用されることがある(特許文献1の図16)。この構造では、オープンスタブが、ショートスタブとなるため、基板端部での共振周波数は、ビアホールの基板端からの距離が1/2波長に相当する周波数まで高くなる。これにより、ビアホールと基板端との距離を、グランド導体11を形成しない場合と比較して、2倍程度に大きくすることができる。
しかしながら、基板側面への導体パターン形成のために、付加的な工程が必要となる。また、回路基板1が半導体基板の場合には、製造上、一般的には、基板側面への導体パターン形成はできない。
そこで、特許文献1には、ビアホールの基板端からの距離を小さくすることなく、又、特別な工程を追加することなく、伝送特性の悪化を抑制するために、図10に示す構造が記載されている(特許文献1の図1)。具体的には、基板2の表面のグランド導体層3a、3bの端のみを、基板内側に移動させることによって、オープンスタブ10の長さLを、所望帯域において、1/4波長以下にしている。
また特許文献2には、表面側にマイクロストリップ線路を形成した誘電体基板を筐体基板に2つ実装し、2つのマイクロストリップ線路の間を接続導体で接続した高周波実装構造が記載されている。2つの誘電体基板の裏面にグランド導体を形成し、マイクロストリップ線路のグランド導体と裏面のグランド導体の間をグランドビアで接続している。この特許文献2では、他方の誘電体基板と対向する基板端部からグランドビアの手前までは、裏面のグランド導体を形成せず誘電体を露出させている。
特許文献2には、誘電体基板端部と筐体基板の間は環境条件等で隙間が発生して非接触になることがあると記述されている(特許文献2の図4)。隙間の程度により、誘電体基板裏面のグランド導体が先端開放のスタブになり、高周波信号の伝送特性がある周波数で劣化する特異点が発生する。しかし、他方の誘電体基板と対向する誘電体基板端部からグランドビアの手前までの裏面の一部にグランド導体を形成しないことによって、接触状態に関係なく誘電体基板間での高周波信号の伝搬特性を良好にすることができるとしている。
また特許文献3には次のような発明が記載されている。2つのマイクロストリップ線路基板間を接続する導体リボンまたは導体ワイヤのインダクタンス成分及び線路間のギャップにより、接続部分にインピーダンスの不整合が起き、大きな伝送損失が生じるのを、マイクロストリップ線路上に伝送線路内波長の4分の1のインピーダンス変成器を設けることでインピーダンス整合を取っている。
この特許文献3の図6(実施の形態3)に、2つのマイクロストリップ線路基板とそれを支持する金属ブロックの間に、長さが伝送線路内波長の4分の1の空気層を設けることが記載されている。更にこの2つのマイクロストリップ線路基板の裏面には接地導体が設けられ、接地導体と金属ブロックが接続されているが、空気層を設けた箇所ではこの接地導体を設けていない。空気層の部分を所定の厚みにすることで数式2(Z=√Z・Z)を満たすインピーダンスZのインピーダンス変成器を構成している。
特開平9-46008号公報 特開2010-4294号公報 特開平10-256801号公報
しかしながら、特許文献1ではグランド層30a,30bの端を基板内部に移動させるので、二つの回路基板のグランド層30aの間の距離及びグランド層30b間の距離が遠くなる。その結果、回路基板上の伝送線路間をワイヤ接続する場合、コプレーナ線路を構成するグランド導体30a、30b間を接続するワイヤ導体が長くなる。その結果、インダクタンスの増大により、伝送特性が悪化するという課題があった。
また特許文献2は、裏面グランド導体と筐体基板(グランド電位)との間に発生する隙間で発生する共振を防止するものである。そのために特許文献2では誘電体基板端部の裏面グランド導体を除去することで、裏面グランド導体と筐体基板との不安定な接続を無くしている。しかし、表面グランド導体と裏面グランド導体とは、十分な厚みの空気層を持たないため、表面グランド導体と裏面グランド導体間で発生する共振による伝送特性の劣化は抑制できない。
また特許文献3の図6の空気層12a、12bはマイクロストリップ線路構造についてのものであり、ビアホールがない。また同文献にはコプレーナ構造についての記述もあるが、コプレーナ構造の場合もビアホールがない。そのため前述の表面グランド導体と裏面グランド導体間で発生する共振は発生しない。
本発明の目的は、以上述べた問題点を解決し、伝送特性の悪化を防ぐことができる高周波回路基板を提供することである。
本発明は、少なくとも二つの回路基板がキャリアに実装され、前記回路基板同士が導体片で電気的に接続された高周波回路基板であって、
前記回路基板の少なくとも一方にコプレーナ線路が形成され、前記コプレーナ線路を構成する第1のグランド導体と第1の貫通導体を介して電気的に接続された第2のグランド導体が前記回路基板の裏面に、対向する回路基板側の端部を除いて形成され、
前記キャリアには凹部または誘電体領域が形成され、前記凹部または誘電体領域は、前記二つの回路基板の接続部分、前記第2のグランド導体が形成されていない端部及び前記端部に隣接する第1の貫通導体の少なくとも一部に面していることを特徴とする高周波回路基板である。
本発明によれば、伝送特性を悪化させることなく信号を伝送できる高周波回路基板が得られる。
(a)は本発明の第1の実施形態の高周波回路基板の図である。(b)は一点鎖線A-A’における断面図、(c)は矢印B方向から見た回路基板の平面図である。 (a)は本発明の第2の実施形態の高周波回路基板の平面図であり、(b)はキャリア導体の斜視図である。 本発明の第2の実施形態の高周波回路基板の平面図であり、回路基板を3個以上接続した場合の平面図である。 (a)は本発明の第3の実施形態の高周波回路基板の上面図であり、(b)はキャリア導体の斜視図である。 (a)は本発明の第4の実施形態の高周波回路基板に用いるキャリア基板の斜視図であり、(b)は一点鎖線C-C’における断面図である。 本発明の第4の実施形態の高周波回路基板の斜視図である。 本発明の他の実施形態を示す図で、回路内部にマイクロストリップ線路が形成された回路基板の斜視図である。 背景技術による高周波回路基板の斜視図である。 特許文献1による回路基板の斜視図である。 特許文献1による回路基板の斜視図である。 特許文献1による回路基板のプローブ評価状態を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態で、誘電体基板と空気層を挿入した平行平板伝送線路において、1/4共振器の共振周波数の、空気層の厚さ依存性を計算した結果を示す図である。(a)は誘電体基板がInPの場合、(b)は石英の場合の結果である。 本発明の第1の実施形態における、ワイヤ接続部の反射特性の計算結果を示す図である。 本発明の第1の実施形態における、ワイヤ接続部での放射損失の計算結果を示す図である。 本発明の第2の実施形態における、ワイヤ接続部での放射損失の計算結果を示す図である。
(第1の実施形態)
図1〜図5を用いて本発明の第1の実施形態を説明する。
本発明の第1の実施形態について、図1を使用して詳細に説明する。図1(a)は、回路基板上の伝送線路間をワイヤで接続したものをキャリアに実装した高周波回路基板の斜視図である。図1(b)は、図1(a)中の一点鎖線A-A’における断面図、図1(c)は、図1(b)中の矢印B方向から見た回路基板1の平面図である。
回路基板1は、誘電体基板2と、その表面に形成されたグランド導体3a、3b、及び、グランド導体3a、3bの間をそれらと平行に走る信号導体4、回路基板1のワイヤ導体9a〜9cが形成されている側の端部を除いた裏面全体に形成されたグランド導体5を備えている。これにより、回路基板1上には、信号導体4、その両側のグランド導体3a、3b及び裏面グランド導体5(以下裏面導体5と略称することがある)を備えた裏面グランド有りコプレーナ線路6が形成される。
表面と裏面のグランド導体は、両者の電位を同じにするため、複数のビアホール7によって接続される。これにより、表面と裏面のグランド導体間で、発生する寄生的な平行平板モードに起因する伝送特性の悪化を抑制することができる。平行平板モードを効果的に抑制するために、ビアホール7、7間のピッチLpは、誘電体基板内を通過する所望帯域の高周波信号の上限周波数に該当する波長の1/2波長以下にしている。なお、オープンスタブにおける共振モードの電磁界は、概ね、誘電体基板内に分布する。そのため、誘電体基板の比誘電率をε、信号周波数における真空中での波長をλ0とすると、上述の上限周波数に該当する波長はλ0/(√ε)である。
2つの回路基板1は、キャリア導体15上に、例えば、金錫半田、導電性接着剤等を使用して、隙間を空けて実装される。金錫半田、導電性接着剤等は図1では示していない。これにより、キャリア導体15、回路基板1表面上のグランド導体3a、3b及び裏面上のグランド導体5が、全て、グランド導体として機能する。2つの誘電体基板2の表面に形成されたグランド導体3a間、グランド導体3b間、信号導体4間は、それぞれ、ワイヤ導体9a、9c、9bにより、電気的に接続される。これにより、回路基板1上のコプレーナ線路6間で、高周波信号が伝送される。なお実際にはキャリア導体15と2つの回路基板1は、図1(a)の左下方向から右上方向に延伸しており、図1(a)はその一部を示している。そのため左下側に見えているキャリア導体15と左側の回路基板1の側面は断面である。図1(a)では見えていない右側の側面も同じく断面である。これは以下の実施形態においても同様である。
回路基板1の裏面グランド導体5の端は、基板端より内側に位置するように配置する。つまり図1(b)に示す回路基板裏面の領域51には裏面導体5を形成しない。また裏面導体5を形成しない領域51には金錫半田、導電性接着剤等も形成しない。裏面導体5を形成しない領域51では回路基板1の表面グランド導体3a、3bと裏面グランド導体5とが対向しなくなる。そのため、背景技術で述べた図8のオープンスタブ10構造が形成されないようにすることができる。
但し、図1(b)に丸い破線で示すように、裏面グランド導体5を信号導体、表面グランド導体3a、3bをグランド導体とするマイクロストリップ構造を持つ、一種のオープンスタブ16(長さLs)構造が形成される。ここでLSは図1(c)に示すように、裏面導体5のワイヤ導体側の端部とこの端部に最も近いビアホール7の中心との間の距離である。このオープンスタブ16は所望帯域に含まれる周波数で共振することによって伝送特性が悪化する。
それを抑制するために、長さLsは、所望帯域において、少なくとも、誘電体基板2内での信号の1/4波長以下にする。つまり所望帯域の全ての周波数に対応する波長域の1/4以下(実質的には所望帯域の上限周波数に対応する波長の1/4以下)である。キャリア導体15のワイヤ接続部の直下を含む領域に凹部17が形成される。凹部17内は空気で満たされているが他の気体例えば窒素ガスなど不活性ガスで満たされていてもよい。本実施形態では、凹部17は二つの回路基板1、1間の隙間、裏面導体5を形成しない領域51、ワイヤ接続部側の回路基板端部101に最も近いビアホール7の裏面導体側、及び、このビアホール7に隣接する裏面導体5の一部に面している。ここで、凹部17の長さLh(2つの回路基板1,1が接続される方向の長さ)については、図1(b)に示すように、回路基板1の裏面導体5のワイヤ接続部側の端53と凹部17の側壁171、172との距離であるLh1、Lh2が、オープンスタブ16の長さLs以上になるように設定する。これにより、オープンスタブ16は凹部17の直上に位置するようになる。
また凹部17の長さ方向と同じ面で直交する方向を幅方向とすると、本実施形態では、凹部17はキャリア導体15の幅方向の全体(全幅)に亘って形成されており、キャリア導体15の幅方向は開放されている。
仮に、凹部17が形成されていない背景技術(図8)と同様なキャリア導体8の場合、回路基板1を実装した際に、回路基板1の表面のグランド導体3a、3bに対向して、キャリア導体8が配置されることになる。その結果、表面グランド導体3a、3bを信号導体、キャリア導体8の導体表面をグランド導体として、図8と同様のマイクロスストリップ構造を持つオープンスタブが形成される。一方、本実施形態のキャリア導体15に回路基板1を実装した際には、図8のようなオープンスタブは形成されない。本実施形態で形成されるオープンスタブ16は全体が凹部17の直上に配置されるため、共振周波数の低下による伝送特性の悪化が起こらない。
ここで、凹部17は、図1(b)中の凹部17内の破線部を断面構造とする擬似導波管170と見なせる。そのため、疑似導波管構造を伝搬するモードが存在する場合、ワイヤ接続部の信号が電磁結合によって、疑似導波管内へ漏洩する。この漏洩による伝送特性の悪化を避けるため、疑似導波管の遮断周波数を、所望帯域よりも高くすることが望ましい。そのためには、長さLhは、所望帯域内において、空気中での上限周波数に該当する波長の1/2波長以下にする。凹部17は矩形なので、擬似導波管170は疑似矩形導波管である。矩形導波管の場合、遮断周波数は、長辺の長さ(概ねLhが該当)が自由空間において1/2波長となる周波数である。遮断周波数以下の高周波は伝搬しない(周波数が小さいほど大きく減衰する)。従って、Lhを所望帯域の上限周波数における1/2波長以下に設定すれば、遮断周波数は所望帯域外となる。
本実施形態では、凹部17を設けることにより、図8の例では形成されていたオープンスタブ10構造を形成されないようにすることができる。また形成されるオープンスタブ16は伝送特性に影響を与えない。但し、回路基板1の表面グランド導体3a、3bと対向する凹部17の底の導体面とにより、一種のマイクロストリップ構造が形成される。この構造を、誘電体基板2、及び、凹部17の深さに相当する空気層を、それぞれ厚さtd、taとする平行平板伝送線路であると仮定して、1/4波長共振器の共振周波数について、空気層の厚さ依存性を計算した。空気層の厚さtaが0の場合が、背景技術(図8)のオープンスタブ10を構成するマイクロストリップ構造に相当する。共振周波数で規格化した共振周波数を、図12(a)、(b)に示す。誘電体基板は、InP(比誘電率12.6)と、誘電率の低い高周波基板として、石英(比誘電率3.5)を想定した。図12(a)が誘電体基板にInPを用いた場合、(b)が石英を用いた場合である。なお、共振周波数は、電磁界解析により求めた伝送モードの位相定数@150GHzから計算した。
共振周波数は、空気層の厚さtaが小さい領域で大きく変化し、厚さtaが十分に大きくなると、一定値に収束する。低誘電率である石英の場合(図12(b))、この収束値は、誘電体基板の厚さtdにあまり依存しない。一方、高誘電率であるInPの場合(図12(a))、厚さtdが150μmで、80μmの場合に比べて収束値が小さくなっている。基板厚が波長に対して大きくなると、電磁界が誘電体基板内に局在化する。これは、特に、厚さtdが150GHzにおける誘電体基板内における高周波数信号の波長の1/4波長程度以上で、顕著になる。この局在化によって、空気層の影響が小さくなったためである(InPの場合、1/4波長は140μm@150GHz)。一方、石英の場合には誘電率が低いため、誘電体基板の厚さtdが150μmの場合でも、誘電体基板の厚さtdは、150GHzにおける誘電体基板内における高周波数信号の波長の1/4波長よりも小さい(1/4波長は270μm@150GHz)。また、誘電率が高いほど、空気層と誘電体基板との誘電率の差が大きくなるため、共振周波数の収束値は大きくなる(先述の局在化が顕著でない場合)。従って、誘電率が高く、厚さtdが、誘電体基板内における高周波数信号の波長に対して小さいほど、凹部17を設けた本実施例の効果が大きくなる。凹部17が、効果的に機能するには、厚さtaに対する感度が高い領域を避ければ良い。図12の計算結果によれば、概ね、空気層厚taが誘電体基板厚tdの1〜2倍以上であることが望ましい。
図13には、図8の例と本実施形態について、ワイヤ接続部における反射特性を計算した結果を示す。計算においては、回路基板1を厚さ80μmのInP基板とし、回路基板間の距離を50μmとし、ビアホールの直径を60μmとした。また、図8の例において、オープンスタブ10の長さを130μm、本実施形態において、凹部17の長さLhを1mm、凹部17の深さを160μm(回路基板1の厚さの2倍)、回路基板1裏面のオープンスタブ16の長さLsを50μmとした。図8の例では、140GHz近辺においてオープンスタブ10が共振することにより反射特性が大きく悪化する。これは所望のコプレーナモードを伝搬する信号の一部が、共振モードと電磁結合するためである。しかし本実施形態では、全周波数帯域に渡って、良好な反射特性が得られている。
図14には、本実施形態について、ワイヤ接続部における放射損失を計算した結果を示す。疑似導波管に伝搬モードが存在すると、ワイヤから漏れた電磁波がこの疑似導波管内を伝搬する。凹部17の長さLhは、0.5mmと1mmの場合について計算した。その他の寸法は、図13の計算と同じである。長さLhが1mmの場合、150GHzで1/2波長となり、凹部17からなる疑似導波管の伝搬モードが存在する。(光速c=3×108m/sなので、c=150GHz×λでλ=2mm、つまりλ/2=1mmとなる。)そのため、150GHz程度以上では、疑似導波管への漏洩による放射損失の増大が顕著になる。一方、0.5mm(1/4波長)の場合、この周波数帯では、1/2波長以下であるため、放射損失は、低く抑えられていることが確認できる。
以上述べたように、本実施形態によれば、凹部17を設けることで、伝送損失を悪化させることなく高周波信号を伝送することができる。本実施形態では図9のように誘電体基板の側面にグランド導体11を形成する必要がない。またグランド導体を短くする必要がないのでワイヤを長くする必要がなくインダクタンスが増大することがない。更に図11のようにワイヤ導体を短くして新たなオープンスタブ10’を生じさせたりすることもない。
また、特許文献1の構造では、信号導体4は、グランド導体3a、3bよりも、基板の端近くまで伸びている。そのため、図11に示すように、回路基板の高周波特性を、高周波プローブにより検査等する際に、不具合が生じる。つまり、高周波プローブ12は、コプレーナ線路構造と同様に、グランド導体13a、13b、信号導体14から構成され、その先端(被測定物と接触する部分)は、一列に配置されている。従って、高周波プローブを、特許文献1の構造を持つコプレーナ線路6に接触させる場合、信号導体の接触点には、基板外側に伸びるオープンスタブ10’が接続されることになる。その結果、被測定物の高周波特性を、正確に測定することができない。しかし本実施形態ではワイヤ導体を短くする必要がないためオープンスタブ10’がなく、被測定物の高周波特性を正確に測定することができる。
なお本実施形態では凹部17が面する領域は、前述のように、二つの回路基板1、1間の隙間、裏面導体5を形成しない領域51、ワイヤ接続部側の回路基板端部101に最も近いビアホール7の裏面導体側、及び、このビアホール7に隣接する裏面導体5の一部に亘っている。しかし、ワイヤ接続部側の回路基板端部101に最も近いビアホール7の裏面導体側では一部だけビアホール7が露出していればよく、他の部分はキャリア導体15の上面と接触していてもよい。さらに、このビアホール7に隣接する裏面導体5の一部も、キャリア導体15の上面と接触していてもよい。
ビアホール7の裏面導体側が全てキャリア導体15の上面と接触していると、キャリア導体15と裏面導体5の端部が近づくことになる。すると付加的な容量が発生し、オープンスタブ16の共振周波数が若干低下する。その結果共振周波数が所望帯域内入ってくる可能性があり、そうなると伝送特性が悪化する。
また本実施形態ではオープンスタブ10、16の長さ、ビアホール7、7間のピッチLpを高周波の波長の1/4、1/2で規格化した長さで規定した。厳密には、ビアホールの形状、大きさ、長さ(基板厚方向の長さ)等によっては、波長で規格化した長さからはややずれが生じることがある。ビアホールの中心を基準として規格化するとずれは比較的小さいので本実施形態で用いている。波長で規格化した長さは目安であり、正確にはシミュレーション、試作等を行って決めるとよい。
また本実施形態では凹部17内にある媒質は空気であるが、低誘電率の誘電体を充填してもよい。この誘電体の比誘電率をε、信号周波数における真空中での波長をλ0とすると、長さLhを算出する場合の波長はλ0/(√ε)となる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について、図2を使用して、詳細に説明する。
図2(a)は、回路基板上の伝送線路間をワイヤで接続したものをキャリアに実装した高周波回路基板の平面図であり、図2(b)は、図2(a)中のキャリア導体15の斜視図である。第1の実施形態と同じ構成については、説明を省略する。
本実施形態の第1の実施形態との構成上の主な相違点は、第1の実施形態では凹部17はキャリア導体15の全幅に渡って形成したが、本第2の実施形態では全幅に渡っては形成しない点である。つまり本実施形態の凹部17は、長さLh方向だけでなく幅Wh方向にも側壁を持つ。凹部17の平面形状は矩形である。
この場合、凹部17には、伝送特性を悪化させる要因として、疑似導波管から成る空洞共振器の共振モード(基底モードはTE011)が存在し得る。この共振モードは、本実施形態では第1の実施形態にはない幅方向の側壁があるために生じる。この共振モードは、第1の実施形態で述べた疑似導波管の伝搬モードの場合と異なり、共振周波数近傍で、急峻で大きな伝送特性の悪化を生じさせる。従って、共振の基底モードを、所望帯域よりも高くすることが望ましい。そのためには、長さLh、或いは、幅Whの少なくとも一方は、所望帯域内において、空気中での高周波信号の上限周波数に該当する波長の1/2波長以下であることが望ましい。ここで、回路基板1の表面グランド導体3a、3bと、キャリア導体15の導体表面とからなる、新たなオープンスタブを構成させないために、凹部17の幅Whはビアホール7の端と凹部17の側壁173との距離Doが、0より大きくなるようにすることが望ましい。つまり図2のワイヤ9a,9cに隣接したビアホール7の端と凹部17の側壁173とが接触しないようにすることが望ましい。
長さLh、或いは、幅Whの一方は、1/2波長よりも大きくても構わないため、凹部17の形状に対する自由度を高くすることができる。例えば、長さLh方向を大きくし、幅Whを1/2波長以下とすれば、回路基板1の実装位置が長さ方向にずれた場合にも、オープンスタブ16がキャリア導体15の導体面に接触して、オープンスタブ16の共振周波数が低下することがない。また、例えば、図3に示すように、複数(図3では3つ)の回路基板をキャリア導体15に実装する場合、各ワイヤ接続部に凹部17を形成しなくても、1つの長穴とすることもできる。
図15には、本実施形態について、ワイヤ接続部における放射損失を計算した結果を示す。比較のため、第1の実施形態における計算結果も示す。第1の実施形態において凹部17の長さLhを0.5mm、本第2の実施形態において凹部17の長さLh、及び、幅Whを、それぞれ、1mm、0.5mmとした。第2の実施形態では、長さLhは、150GHz以上では、1/2波長よりも大きくなるが、放射損失が十分に抑制されていることが確認できる。更に、第1の実施形態と比較して、更に、放射損失が低減されている。第2の実施形態では、凹部17の幅方向にも、導体側壁が形成されているため、漏洩が、ほぼ完全に抑制されることに因る。
(第3の実施形態)
図4(a)、(b)はそれぞれ本発明の第3の実施形態を示す平面図及び斜視図である。図4に示すように、本実施形態では凹部17の形状を円形にしている。矩形の場合と同様に、空洞共振器の基底共振周波数を、所望帯域よりも高くするために、直径Dを、所望帯域において、空気中での高周波信号の上限周波数に該当する波長の1/2以下にすることが望ましい。更に、新たなオープンスタブを構成させないために、凹部17の直径Dは、ビアホール7の端を結ぶ領域(図4(a)中の凹部17内部の破線部200)と凹部17の側壁との距離Doが、0より大きくすることが望ましい。つまりワイヤ9a,9cに隣接したビアホール7の端と円形の凹部17の側壁とが、上方から見て重ならないようにすることが望ましい。凹部17が円形の場合ドリルによる穴開け加工により形成することができ、製造が容易になる。
(第4の実施形態)
図5は本発明の第4の実施形態を示す図である。図5(a)は、キャリア基板の斜視図であり、図5(b)は、図5(a)中の一点鎖線C-C’における断面図である。図5に示すように、本実施形態では第1〜第3の実施形態のような、凹部を持つキャリア導体に代えて、図5に示すキャリア基板18を使用している。キャリア基板18は、誘電体基板19、その表面と裏面にそれぞれ形成されたグランド導体20a、20b、及び、これらの導体を電気的に接続する円筒形の複数個(図5では12個)のビアホール21を備える。
表面のグランド導体20aには、ビアホールで囲まれた領域に、導体パターンが形成されず誘電体基板19が露出した矩形の開口部300が形成される。ビアホール21は、上方から見て、開口部の辺に接しているかわずかの距離で近接している。
ビアホールのピッチLpを、所望帯域において、誘電体基板内を通過する所望帯域の高周波信号の上限周波数に該当する波長の1/2波長以下にすることにより、図5(a)中の破線で囲まれた領域つまりビアホール21で囲まれた領域が、等価的に、誘電体を充填した空洞共振器22となる。基底共振モードの周波数を、所望帯域よりも高くすることにより、キャリア導体15の凹部17と同様の効果が得られる。そのため、長さLh或いは幅Whの少なくとも一方は、所望帯域内において誘電体基板内を通過する所望帯域の高周波信号の上限周波数に該当する波長の1/2以下であることが望ましい。
本実施形態でも、回路基板1,1を実装すると、第1、第2の実施形態と同様に、裏面グランド導体5を信号導体、表面グランド導体3a、3bをグランド導体とするマイクロストリップ構造を持つオープンスタブ16が形成される。しかし本実施形態では、オープンスタブ16と、比誘電体率が空気よりは大きい誘電体基板19とが近接して配置される。そのため第1の実施形態に比べればオープンスタブ16の共振周波数が低下する。共振周波数をできる限り低下させないために、できるだけ低誘電率の誘電体基板を使用することが望ましい。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(比誘電率2.1程度)、ポリフェニルエーテル(同3.5程度)等の樹脂基板が、使用されうる。一方で、第2の実施形態と異なり本実施形態では、凹部17がないので回路基板1全体が、キャリア基板18に支持される。つまり回路基板1に空中に飛び出した部分がない。これにより、ワイヤ導体9a〜9c形成時の耐衝撃力向上、及び、実装時の信頼性が改善される。なお、本実施形態では、1つの誘電体基板からなる構成を示したが、もちろん、多層基板により構成しても良い。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態について、図6を使用して詳細に説明する。図6は、本実施形態の高周波回路基板の斜視図である。第1の実施形態と同じ構成については、説明を省略する。回路基板1は、スペーサ導体23を介して、キャリア導体8に実装される。スペーサ導体23のワイヤ接続側の側壁と回路基板1の裏面導体5の端との距離Lh3を、長さLs以上にする。また、スペーサ導体23間の距離Lhを、空気中での信号の1/2波長以下とする。これにより、キャリア導体8と二つのスペーサ導体23の組合せは第1の実施形態で説明した、凹部17を持つキャリア導体15と等価になる。そのため第1の実施形態と同様の効果が得られる。
本第5の実施形態では、それぞれの回路基板1の厚さが異なる場合であっても、スペーサ導体23の厚さを、それぞれ異ならせることによって、容易に、回路基板1の表面を同じ高さに揃えることができる。そのためワイヤ導体9a〜9cを長くする必要がなく、インダクタンスが増加せず、伝送特性の悪化を低減することができる。
(他の実施形態)
第1〜第3の実施形態において、凹部17をアンダーフィル材により、充填しても良い。この場合、硬化後のアンダーフィル材により、ワイヤ接続部直下において、回路基板1が支持されるため、ワイヤ導体9a〜9c形成時の耐衝撃力向上、及び、実装時の信頼性が改善される。但し、誘電体であるアンダーフィル材により、疑似導波管の遮断周波数、或いは、凹部17からなる空洞共振器の共振周波数が低下するため、寸法Lh、Wh、Dを、比誘電率の平方根分の1に、小さくするとよい。従って、第4の実施形態において述べたのと同じく、アンダーフィル材は、回路基板1を構成する誘電体基板に比べて低誘電率であることが望ましい。
また、第4の実施形態において、キャリア基板18の平坦度、表面グランド導体20a、回路基板の裏面グランド導体5の厚さ等に起因して、ワイヤ接続部直下で、回路基板1とキャリア基板18との間に空隙ができる場合がある。この空隙にアンダーフィル材を充填することにより、ワイヤ導体9a〜9c形成時の耐衝撃力向上、及び、実装時の信頼性が改善される。充填するアンダーフィル材は上述の低誘電率材料を用いると良い。
また第1の実施形態でプローブ評価について述べたが、低誘電率の誘電体基板上に、被測定物である回路基板1を配置するか、或いは、図3に示す長穴上に、回路基板1の入出力端子部を配置する等すれば、新たに、オープンスタブ10が形成されない。その結果、高周波特性を、高精度に評価することができる。
以上述べた実施形態では、回路基板1上の伝送線路がコプレーナ線路6の場合について説明したが、図7に示すように、ワイヤ接続部においてコプレーナ線路構造であれば、回路内部においてはマイクロストリップ線路24であっても構わない。この場合、回路基板1上の表面グランド導体3a、3bと裏面導体5とが、ビアホール7によって接続されることにより、マイクロストリップ線路24からコプレーナ線路6の伝送モードへと変換される。
さらに実施形態の説明において例示した凹部17の形状は、一例であって、疑似導波管の伝搬モードの遮断周波数、或いは、空洞共振器の共振周波数を、所望帯域周波数以上にできれば、例示した形状に限定されない。
また回路基板上の伝送線路間をワイヤ導体により接続するとしたが、幅広のリボン導体を使用しても構わない。
また、接続する回路基板を同一の線路構造を持つ例を示したが、それぞれの回路基板の構造が異なっていても構わない。例えば、(i)回路基板1の厚さが互いに異なる場合、(ii)回路基板1を構成する誘電体基板の誘電体材料が互いに異なる場合、(iii)回路基板上の伝送線路の一方が、図1に示すコプレーナ線路6、もう一方が、図7に示すマイクロストリップ線路である場合等であっても構わない。2つの回路基板のうち片方だけにコプレーナ線路6が形成され、もう一方の回路基板にはコプレーナ線路が形成されない場合でも、コプレーナ線路のある側に前述のような不要なオープンスタブ10が形成される。本発明はそれによる伝送特性の悪化も改善できる。
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
少なくとも二つの回路基板がキャリアに実装され、前記回路基板同士が導体片で電気的に接続された高周波回路基板であって、
前記回路基板の少なくとも一方にコプレーナ線路が形成され、前記コプレーナ線路を構成する第1のグランド導体と第1の貫通導体を介して電気的に接続された第2のグランド導体が前記回路基板の裏面に、対向する回路基板側の端部を除いて形成され、
前記キャリアには凹部または誘電体領域が形成され、前記凹部または誘電体領域は、前記二つの回路基板の接続部分、前記第2のグランド導体が形成されていない端部及び前記端部に隣接する第1の貫通導体の少なくとも一部に面していることを特徴とする高周波回路基板。
(付記2)
前記凹部または誘電体領域は少なくとも前記回路基板と同じ厚さである付記1に記載の高周波回路基板。
(付記3)
前記第1の貫通導体は第1のグランド導体と前記第2のグランド導体の間に複数形成されている付記1または2に記載の高周波回路基板。
(付記4)
前記凹部または誘電体領域の長さまたは幅は、所望帯域の高周波信号の上限周波数に該当する波長の1/2以下である付記1から3のいずれか一項に記載の高周波回路基板。
(付記5)
前記第2のグランド導体の前記導体片側の端部と前記端部に隣接する前記第1の貫通導体との距離が、所望帯域の高周波信号の上限周波数に該当する波長の1/4以下である付記1から4のいずれか一項に記載の高周波回路基板。
(付記6)
前記キャリアは導体基板であり、前記凹部は、前記導体片による接続部における信号が伝搬する方向と、前記回路基板面内において交差する方向に延びる溝である付記1から5のいずれか一項に記載の高周波回路基板。
(付記7)
前記凹部の中は気体であるかまたは前記回路基板よりも低誘電率の誘電体が充填されている付記6に記載の高周波回路基板。
(付記8)
前記キャリアは表面に導体が形成され前記回路基板よりも低誘電率の第1の誘電体基板であり、前記誘電体領域では前記導体が形成されていない開口部を有し、前記開口部を囲んで前記第1の誘電体基板に複数の第2の貫通導体が形成されている付記1から7のいずれか一項に記載の高周波回路基板。
(付記9)
前記開口部と前記第1の誘電体基板の間の空隙に、前記第1の誘電体基板よりも低誘電率のアンダーフィル材が充填されている付記8に記載の高周波回路基板。
(付記10)
前記キャリアは第2の誘電体基板であり、前記第2の誘電体基板と前記少なくとも二つの回路基板が間隔を開けて配置されたスペーサ導体を介して実装された付記1から9のいずれか一項に記載の高周波回路基板。
(付記11)
前記回路基板の前記導体片の側にはコプレーナ線路が形成され、前記導体片と反対側にはマイクロストリップ線路が形成されている付記1から9のいずれか一項に記載の高周波回路基板。
(付記12)
前記回路基板が化合物半導体であることを特徴とする付記1から10のいずれか一項に記載の高周波回路基板。
(付記13)
前記凹部は矩形または円形である付記6または7に記載の高周波回路基板。
(付記14)
前記波長は前記所望帯域の高周波が存在する媒質での波長である付記1から6のいずれか一項に記載の高周波回路基板。
1 回路基板
2、19 誘電体基板
3a、3b、5、11、13a、13b、20a、20b グランド導体
4、14 信号導体
6 コプレーナ線路
7、21 ビアホール
8、15 キャリア導体
9a〜9c ワイヤ導体
10、10’、16 オープンスタブ
12 プローブ
17 凹部
18 キャリア基板
22 誘電体を充填した空洞共振器
23 スペーサ導体
24 マイクロストリップ線路
51 裏面導体5を形成しない領域
53 回路基板1の裏面導体5のワイヤ接続部側の端
101 ワイヤ接続部側の回路基板端部
170 疑似導波管
171、172、173 凹部17の側壁
200 破線部
300 開口部

Claims (10)

  1. 少なくとも二つの回路基板がキャリアに実装され、前記回路基板同士が導体片で電気的に接続された高周波回路基板であって、
    前記回路基板の少なくとも一方にコプレーナ線路が形成され、前記コプレーナ線路を構成する第1のグランド導体と第1の貫通導体を介して電気的に接続された第2のグランド導体が前記回路基板の裏面に、対向する回路基板側の端部を除いて形成され、
    前記キャリアには凹部または誘電体領域が形成され、前記凹部または誘電体領域は、前記二つの回路基板の接続部分、前記第2のグランド導体が形成されていない端部及び前記端部に隣接する第1の貫通導体の少なくとも一部に面していることを特徴とする高周波回路基板。
  2. 前記凹部または誘電体領域は少なくとも前記回路基板と同じ厚さである請求項1に記載の高周波回路基板。
  3. 前記第1の貫通導体は第1のグランド導体と前記第2のグランド導体の間に複数形成されている請求項1または2に記載の高周波回路基板。
  4. 前記凹部または誘電体領域の長さまたは幅は、所望帯域の高周波信号の上限周波数に該当する波長の1/2以下である請求項1から3のいずれか一項に記載の高周波回路基板。
  5. 前記第2のグランド導体の前記導体片側の端部と前記端部に隣接する前記第1の貫通導体との距離が、所望帯域の高周波信号の上限周波数に該当する波長の1/4以下である請求項1から4のいずれか一項に記載の高周波回路基板。
  6. 前記キャリアは導体基板であり、前記凹部は、前記導体片による接続部における信号が伝搬する方向と、前記回路基板面内において交差する方向に延びる溝である請求項1から5のいずれか一項に記載の高周波回路基板。
  7. 前記凹部の中は気体であるかまたは前記回路基板よりも低誘電率の誘電体が充填されている請求項6に記載の高周波回路基板。
  8. 前記キャリアは表面に導体が形成され前記回路基板よりも低誘電率の第1の誘電体基板であり、前記誘電体領域では前記導体が形成されていない開口部を有し、前記開口部を囲んで前記第1の誘電体基板に複数の第2の貫通導体が形成されている請求項1から7のいずれか一項に記載の高周波回路基板。
  9. 前記開口部と前記第1の誘電体基板の間の空隙に、前記第1の誘電体基板よりも低誘電率のアンダーフィル材が充填されている請求項8に記載の高周波回路基板。
  10. 前記キャリアは第2の誘電体基板であり、前記第2の誘電体基板と前記少なくとも二つの回路基板が、間隔を開けて配置されたスペーサ導体を介して実装された請求項1から9のいずれか一項に記載の高周波回路基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115398739A (zh) * 2020-05-14 2022-11-25 住友电气工业株式会社 高频电路模块

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