JP2017057983A - 転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な手段により、密封性を向上させてグリース漏れを防止しつつ、トルクを低減できる転がり軸受を提供する。
【解決手段】転がり軸受1は、軌道輪である内輪2および外輪3と、内・外輪間に介在する複数の転動体4と、転動体4を保持する保持器7と、外輪3に一端部を固定されたシール部材であるシールド5と、軸受内空間に封入されるグリース6とを備えてなり、軸受内空間に繋がるシールド5と内輪2との隙間を封止し、かつ、シールド5に固定され内輪2と摺動する、繊維材または多孔質材からなる封止補助部材8を有する。
【選択図】図1
【解決手段】転がり軸受1は、軌道輪である内輪2および外輪3と、内・外輪間に介在する複数の転動体4と、転動体4を保持する保持器7と、外輪3に一端部を固定されたシール部材であるシールド5と、軸受内空間に封入されるグリース6とを備えてなり、軸受内空間に繋がるシールド5と内輪2との隙間を封止し、かつ、シールド5に固定され内輪2と摺動する、繊維材または多孔質材からなる封止補助部材8を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、グリースで潤滑される転がり軸受に関する。
転がり軸受は、一般的に内輪、外輪、転動体、および保持器で構成されている。また、外部からの異物の混入を防ぐためや、軸受内空間に封入したグリースの漏れを防止するため、開口端部にシール部材が設けられている。一般的にシール部材のシールリップと軌道輪との接触力を大とすればシールとしての能力は向上する。しかしその一方で、摩擦抵抗が大きくなり発熱の原因となることが知られている。従来、シール性を確保しつつ、摩擦を低減する技術として種々の提案がなされている。
例えば、シール形状を変更することで低トルク化を図るものとして特許文献1が提案されている。特許文献1のシール構造は、段部等を形成した内輪とシールリングとで屈曲路を形成し、これを複数のシールリップにより作る複数の接触密封部と、非接触密封部とで封止するものであり、接触密封部の複数のシールリップをいずれも軸方向から接触する形態としている。この構成により、径方向から接触する接触密封部と比較して、低トルク化を図れるとしている(特許文献1参照)。
また、シール接触部を表面加工することで低トルク化を図るものとして特許文献2が提案されている。特許文献2では、シール溝にシールリップを摺接させる密封装置において、シール溝のシールリップが摺接する摺接面にショットピーニング加工が施されている。この構成により、シールリップの吸着現象の発生がなく、安定した回転トルクが得られるとしている(特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献1のシール構造では、シールの構造が複雑かつ、軸受内輪にもシール専用の形状(段部等)が必要となり、製造コストが高くなる。また、特許文献2は、ショットピーニングにより接触面積が減少することでトルクの低減は図れるものの、軸受内部のグリースが漏れる等、密封性が悪くなることが予想される。このため、既存品から形状を大きく変更せずに、密封性を向上でき、かつ、トルクの低減も可能なシール構造の開発が望まれている。
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、簡易な手段により、密封性を向上させてグリース漏れを防止しつつ、トルクを低減できる転がり軸受を提供することを目的とする。
本発明の転がり軸受は、軌道輪である内輪および外輪と、この内・外輪間に介在する複数の転動体と、この転動体を保持する保持器と、上記内輪または外輪に一端部を固定されたシール部材と、軸受内空間に封入されるグリースとを備えてなる転がり軸受であって、繊維材または多孔質材からなる封止補助部材を有し、該封止補助部材は、上記軸受内空間に繋がる上記シール部材と他部材との隙間を封止し、かつ、これらのいずれか一方の部材に固定され他方の部材と摺動することを特徴とする。
上記封止補助部材は、上記シール部材の非固定側端部に固定されていることを特徴とする。また、上記封止補助部材は、上記軌道輪における上記シール部材の非固定側端部との対向部に形成されたシール溝の軸方向範囲内に配置されていることを特徴とする。
上記シール部材が板状部材からなるシールドであり、該シールドの非固定側端部であるリップ部が軸方向内側に折り曲げられており、上記封止補助部材は、上記リップ部の端面に固定されていることを特徴とする。
上記封止補助部材は、上記軌道輪における上記シール部材の非固定側端部との対向部に形成されたシール溝の表面に固定されていることを特徴とする。
上記封止補助部材は、上記繊維材である合成樹脂の短繊維を植毛してなることを特徴とする。
本発明の転がり軸受は、軸受内空間に繋がるシール部材と他部材との隙間を封止し、かつ、これらのいずれか一方の部材に固定され他方の部材と摺動する、繊維材または多孔質材からなる封止補助部材を有するので、該封止補助部材が軸受内空間と軸受外部とを繋ぐ隙間でグリースを保持でき、グリースが軸受外部に漏れることを防止できる。また、繊維材または多孔質材からなる封止補助部材は、ゴムシールリップ等と比較して内・外輪との接触部での摺動抵抗が小さいうえ、繊維材や多孔質材に保持されたグリースにより更なる摺動抵抗の軽減が図れ、シールトルクを低減できる。
封止補助部材がシール部材の非固定側端部に固定された構成とする場合、従来の接触型シール部材と比較して、グリース漏れを防止しつつ、シールトルクを大幅に低減できる。特に、封止補助部材を、軌道輪におけるシール溝の軸方向範囲内に配置することで、グリース漏れの防止に加えて、その基油の浸み出しも防止できる。
封止補助部材がシール部材であるシールドにおいて該シールドの軸方向内側に折り曲げられたリップ部の端面に固定された構成とする場合、または、封止補助部材がシール部材の非固定側端部との対向部に形成されたシール溝の表面に固定された構成とする場合も同様に、従来の接触型シール部材と比較して、グリース漏れを防止しつつ、シールトルクを低減できる。
また、封止補助部材が、繊維材である合成樹脂の短繊維を植毛してなるので、表面積を増加させやすく、グリースの保持性に優れる。また、グリース中の基油による膨潤や溶解などが生じにくく化学的に安定である。
本発明の転がり軸受の一例を図1に基づき説明する。図1は、本発明の転がり軸受の一例に係る深溝玉軸受の一部断面図である。図1に示すように、転がり軸受1は、外周面に転走面2aを有する内輪2と、内周面に転走面3aを有する外輪3とが同心に配置される。内輪の転走面2aと外輪の転走面3aとの間に複数個の転動体4が介在して配置される。この複数個の転動体4が、保持器7により周方向等間隔に保持される。転がり軸受1は、内・外輪の軸方向両端開口部にシール部材であるシールド5を備え、内輪2と外輪3とシールド5とで構成される軸受内空間に封入されたグリース6によって潤滑される。
シールド5は、金属板からなり、一端部5aが外輪3に固定されている。シールド5は、その非固定側端部であるリップ部5bが軸方向内側に折り曲げられている。シールド5自体は、非接触形シールである。封止補助部材8は、シールド5のリップ部5bにおいて、内輪2のシール溝2bと対向する面や、内輪2の肩部2cの近傍と対向する面に固定されている。封止補助部材8は、軸受内空間に繋がるシールド5と内輪2との隙間を封止し、かつ、シールド5に固定され内輪2と摺動する。
封止補助部材8は、繊維材または多孔質材からなる。これらを用いることで軸受内空間と軸受外部との隙間でグリースを保持でき、該隙間からのグリース漏れを防止できる。繊維材としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ナイロンなどのポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンテフタレートなどのポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル、ビニロンなどの合成樹脂繊維、カーボン繊維、グラスファイバーなどの無機繊維、レーヨン、アセテートなどの再生繊維や、綿、絹、麻、羊毛などの天然繊維が挙げられる。また、多孔質材としては、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリオレフィン、フェノール、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂や、天然ゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、シリコンゴム、スチレンブタジエンゴムなどのゴムを発泡して得られるフォームが挙げられる。
繊維材からなる封止補助部材は、これら繊維(短繊維)を植毛して形成される。固定は接着剤によりなされる。植毛方法としては、吹き付けや静電植毛を採用できる。エッジ部などにおいても、多量の繊維を短時間で密に植毛できることから、静電植毛を採用することが好ましい。静電植毛方法としては、公知の方法を採用でき、例えば、静電植毛する範囲に接着剤を塗布し、繊維を帯電させて静電気力により上記接着剤塗布面に略垂直に植毛した後、乾燥工程・仕上げ工程などを行なう方法が挙げられる。また、静電吹き付け(ファイバーコート)も採用できる。また、多孔質材からなる封止補助部材は、予め所定形状に形成・加工したものを接着剤などにより接着固定して設けられる。
封止補助部材の接着に用いる接着剤としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂などを主成分とする接着剤が挙げられる。例えば、ウレタン樹脂溶剤系接着剤、エポキシ樹脂溶剤系接着剤、酢酸ビニル樹脂溶剤系接着剤、アクリル樹脂系エマルジョン接着剤、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体系エマルジョン接着剤、酢酸ビニル系エマルジョン接着剤、ウレタン樹脂系エマルジョン接着剤、エポキシ樹脂系エマルジョン接着剤、ポリエステル系エマルジョン接着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体系接着剤などが挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
これらの接着剤は非導電性である。このため、シール部材として金属板を、封止補助部材として導電性繊維などを用いている場合でも、この接着剤を介して固定されたシール部材と封止補助部材とからなるシール構造全体としては、導通を期待できない非導電性となる。
上記の繊維材の中でも、グリース中の基油による膨潤や溶解などが生じにくく化学的に安定であり、均質な繊維を多量に生産することができ、安価に入手することができるため、合成樹脂の短繊維を用いることが好ましい。
繊維(短繊維)の形状としては、封止補助部材の形成箇所において、軸受機能に悪影響を与えるような他部材との干渉がない形状であれば特に限定されない。具体的な形状としては、例えば、長さ0.5〜2.0mm、太さ0.5〜50デシテックスのものが好ましく、封止補助部材である植毛部の繊維の密度としては、植毛した面積あたりに繊維の占める割合が1〜40%が好ましい。短繊維の形状として、ストレートやベンド(先端部が曲がった形状)があり、いずれも使用できる。また、短繊維の断面形状として、円形や多角形状があり、いずれも使用できる。
封止補助部材は、内輪等の他部材と摺動(接触)するものであるが、この摺動は使用時に一時的に摺動(接触)する場合を含む。封止補助部材の繊維材先端や多孔質材先端の接触の程度は、トルクの増減に影響する。よって、封止補助部材を繊維材で構成する場合には、繊維長を短くしてほぼ接触させないことや、接触する場合では繊維の密度を下げる、繊維を細くする、繊維長を短くする、柔らかい繊維の材質を使う、ことで他部材との接触が軽接触に抑えられ、定常トルクの低減が図れる。また、多孔質材で構成する場合も同様に、ほぼ接触しない形状とすることや、接触する場合では柔らかい多孔質材を使うことで、他部材との接触が軽接触に抑えられ、定常トルクの低減が図れる。
本発明におけるシール部材の構造は、図1に示す金属板(金属板状部材)からなるシールドに限定されない。例えば、ゴム成形体単独でもよく、あるいはゴム成形体と金属板、プラスチック板、セラミック板等との複合体であってもよい。
本発明における封止補助部材は、軸受内空間に繋がるシール部材と他部材との隙間を封止し、かつ、これらのいずれか一方の部材に固定され他方の部材と摺動するものであればよい。図2に基づき、封止補助部材(植毛)の固定箇所の具体例について説明する。図2は、封止補助部材の固定例を示すシール部材周囲の一部拡大図である。図2(a)〜(c)のいずれの形態においても、シール部材は、金属板からなるシールド5であり、その非固定側端部であるリップ部5bが軸方向内側に折り曲げられている。
図2(a)に示す形態では、リップ部5bにおける内輪2との対向面全面において、封止補助部材として、繊維を植毛してなる植毛部8aが形成されている。植毛部8aの繊維先端が、内輪2のシール溝2bの表面とその軸受外部側の内輪内径面と摺動する。この形態は、グリース漏れを防止できる。
図2(b)に示す形態では、シールド5のリップ部5bにおける内輪2との対向面において植毛部8aが形成されている。植毛部8aの繊維先端が、内輪2のシール溝2bの表面と摺動する。植毛部8aは、内輪2のシール溝2bの軸方向範囲内に配置されている。シール溝2bは、U字形の溝(U溝)であり、植毛部8aはこのU溝内に収まるように配置されている。この形態も、図2(a)と同様に、グリース漏れを防止できる。また、軸受外部と接する部分に繊維のはみ出しがないため、植毛部に保持されたグリースから基油が繊維の表面張力により引っ張り出されて浸み出した場合でも、シール溝2bで堰き止められ、基油の外部への漏れを防止できる。また、図2(a)の場合と比較して、繊維先端の接触面積が小さいため、シールトルクを低減できる。
図2(c)に示す形態では、シールド5のリップ部5bの端面において植毛部8aが形成されている。植毛部8aの繊維先端が、内輪2の肩部2c近傍(シール溝2bの上端)の表面と摺動する。この形態も、図2(a)と同様に、グリース漏れを防止できる。また、軸受内部側に接触部があるため、図2(b)と同様に、基油の外部への漏れも防止できる。また、図2(b)の場合よりも、繊維先端のシール溝2bとの接触面積が小さいため、シールトルクをより低減できる。
これら図2(a)〜(c)の場合のトルク(接触面の大きさ)と漏れ特性を纏めると以下の表1のとおりとなる。
また、シールドなどのシール部材のリップ部以外に封止補助部材を形成する例を図3に示す。図3(a)では、内輪2の肩部2cに繊維先端が接触するように、シールド5の軸受内部側面に、封止補助部材として植毛部8aが形成されている。この形態では、図2(c)と同様に、グリース等の漏れ防止とシールトルクの低減が図れる。また、図3(b)では、シール部材ではなく、内輪2のシール溝2bと肩部2cの一部に植毛部8aが形成されている。この植毛部8aが、シール部材(図示省略)のリップ部等と摺動し、内輪とシール部材との隙間を封止する。この場合、シール部材側に植毛部8aを形成した場合と同様の効果を有する。
本発明の転がり軸受は、グリースで潤滑される。グリースは軸受内空間に封入され、軌道面などに介在して潤滑がなされる。グリースを構成する基油としては、通常、転がり軸受に用いられるものであれば特に制限なく用いることができる。例えば、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油などの鉱油、ポリブテン油、ポリ−α−オレフィン油、アルキルベンゼン油、アルキルナフタレン油などの炭化水素系合成油、または、天然油脂やポリオールエステル油、りん酸エステル油、ジエステル油、ポリグリコール油、シリコーン油、ポリフェニルエーテル油、アルキルジフェニルエーテル油、フッ素化油などの非炭化水素系合成油などが挙げられる。これらの潤滑油は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。また、グリースを構成する増ちょう剤としては、例えば、アルミニウム石けん、リチウム石けん、ナトリウム石けん、複合リチウム石けん、複合カルシウム石けん、複合アルミニウム石けんなどの金属石けん系増ちょう剤、ジウレア化合物、ポリウレア化合物などのウレア系化合物、PTFE樹脂などのフッ素樹脂粉末が挙げられる。これらの増ちょう剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、グリースには、必要に応じて公知の添加剤を添加できる。添加剤としては、例えば、有機亜鉛化合物、有機モリブデン化合物などの極圧剤、アミン系、フェノール系、イオウ系化合物などの酸化防止剤、イオウ系、リン系化合物などの摩耗抑制剤、多価アルコールエステルなどの防錆剤、ポリメタクリレート、ポリスチレンなどの粘度指数向上剤、二硫化モリブデン、グラファイトなどの固体潤滑剤、エステル、アルコールなどの油性剤などが挙げられる。
本発明の転がり軸受では、上述の封止補助部材により高いシール性を有するので、トルク低減のために低粘度基油や、混和ちょう度の大きいグリースを使用した場合でも、グリースや基油の漏れを防止できる。このため、上述のような各種グリースを広く使用できる。
以上、各図などに基づき本発明の実施形態を説明したが、本発明の転がり軸受はこれらに限定されるものではない。例えば、アンギュラ玉軸受、スラスト玉軸受、円筒ころ軸受、針状ころ軸受、スラスト円筒ころ軸受、スラスト針状ころ軸受、円すいころ軸受、スラスト円すいころ軸受、自動調心玉軸受、自動調心ころ軸受、スラスト自動調心ころ軸受などの任意の転がり軸受に適用できる。
実施例
図1に示す転がり軸受(深溝玉軸受6204)の軸受内空間にグリース(リチウム石けん+エステル油)を静止空間体積比で90体積%封入した。この軸受の内・外輪の軸方向両端開口部を、封止補助部材として図2(b)に示す形態の植毛部を形成したシールドで封止して試験軸受とした。なお、試験軸受には、内輪にU溝を有するものを用いた。シールドの植毛部は、リップ部の所定箇所(図2(b)に示す箇所)に接着剤を塗布し、静電植毛によりポリアミド66樹脂の短繊維(繊維長0.8mm、太さ3.3デシテックス)を植毛して形成した。得られた試験軸受について、下記のグリース漏れ試験に供してグリース漏れ性の評価を行なった。また、同様の試験軸受を作製し、下記のトルク測定試験に供し、トルクの経時変化を調べた。
図1に示す転がり軸受(深溝玉軸受6204)の軸受内空間にグリース(リチウム石けん+エステル油)を静止空間体積比で90体積%封入した。この軸受の内・外輪の軸方向両端開口部を、封止補助部材として図2(b)に示す形態の植毛部を形成したシールドで封止して試験軸受とした。なお、試験軸受には、内輪にU溝を有するものを用いた。シールドの植毛部は、リップ部の所定箇所(図2(b)に示す箇所)に接着剤を塗布し、静電植毛によりポリアミド66樹脂の短繊維(繊維長0.8mm、太さ3.3デシテックス)を植毛して形成した。得られた試験軸受について、下記のグリース漏れ試験に供してグリース漏れ性の評価を行なった。また、同様の試験軸受を作製し、下記のトルク測定試験に供し、トルクの経時変化を調べた。
<グリース漏れ試験>
試験軸受のシールドのリップ先端に強制的にグリースを移動させ、その際のグリースの漏れを確認した。
試験軸受のシールドのリップ先端に強制的にグリースを移動させ、その際のグリースの漏れを確認した。
<トルク測定試験>
試験軸受を固定し、回転数3600rpm、室温(25℃)雰囲気、外輪にアキシャル荷重20Nを負荷してロードセルで拘束し、内輪回転として、軸受で発生するトルク(N・mm)を算出した。なお、シールトルクを測定するため、油を微量供給した条件(エステル油を初期に軸受内部に塗布)で試験を行なった。
試験軸受を固定し、回転数3600rpm、室温(25℃)雰囲気、外輪にアキシャル荷重20Nを負荷してロードセルで拘束し、内輪回転として、軸受で発生するトルク(N・mm)を算出した。なお、シールトルクを測定するため、油を微量供給した条件(エステル油を初期に軸受内部に塗布)で試験を行なった。
比較例1〜比較例3
比較例として、一般的な軸受シールを用いた試験軸受(サイズは実施例と同じ)を用意した。比較例1は非接触形ゴムシール(NTN社製:型番LLB)、比較例2は接触形ゴムシール(NTN社製:型番LLU)、比較例3は軽接触形ゴムシール(NTN社製:型番LLH)である。これら比較例の試験軸受についても、軸受内空間にグリース(リチウム石けん+エステル油)を静止空間体積比で90体積%封入した。得られた試験軸受を実施例1と同じグリース漏れ試験とトルク測定試験に供した。
比較例として、一般的な軸受シールを用いた試験軸受(サイズは実施例と同じ)を用意した。比較例1は非接触形ゴムシール(NTN社製:型番LLB)、比較例2は接触形ゴムシール(NTN社製:型番LLU)、比較例3は軽接触形ゴムシール(NTN社製:型番LLH)である。これら比較例の試験軸受についても、軸受内空間にグリース(リチウム石けん+エステル油)を静止空間体積比で90体積%封入した。得られた試験軸受を実施例1と同じグリース漏れ試験とトルク測定試験に供した。
図4に実施例および比較例におけるグリース漏れ試験の結果を、図5にトルク測定試験の結果をそれぞれ示す。なお、図5において、横軸は運転時間(時間(min))を縦軸はトルク(N・mm)をそれぞれ示す。
図4に示すように、実施例が最もグリースが漏れづらく、次に比較例2、比較例3、比較例1の順であった。実施例は、植毛部の繊維がグリースを捕まえ、保持することで、外部へのグリース漏れを防止できたものと考える。
図5に示す結果において、比較例1の非接触形ゴムシールで発生しているトルクはシール部以外のトルクであって他の実施例、比較例でもシール部以外で同等のトルクが発生していると考えられる。そこで、測定値から比較例1のトルクを減じたものをシール部のトルク(シールトルク)と考える。図5に示すように、15分後のトルク値は、実施例は約6N・mm、比較例2と比較例3は約13N・mmであった。このように実施例は、接触形シールの比較例2、3に対して50%以下のトルク値で運転できた。
本発明の転がり軸受は、軸受形状として既存のものを用いながら、簡易な手段により、密封性を向上させてグリース漏れを防止しつつ、トルクを低減できるので、種々の用途における転がり軸受として広く利用できる。
1 転がり軸受
2 内輪
3 外輪
4 転動体
5 シールド
6 グリース
7 保持器
8 封止補助部材
8a 植毛部
2 内輪
3 外輪
4 転動体
5 シールド
6 グリース
7 保持器
8 封止補助部材
8a 植毛部
Claims (6)
- 軌道輪である内輪および外輪と、この内・外輪間に介在する複数の転動体と、この転動体を保持する保持器と、前記内輪または外輪に一端部を固定されたシール部材と、軸受内空間に封入されるグリースとを備えてなる転がり軸受であって、
該転がり軸受は、繊維材または多孔質材からなる封止補助部材を有し、
該封止補助部材は、前記軸受内空間に繋がる前記シール部材と他部材との隙間を封止し、かつ、これらのいずれか一方の部材に固定され他方の部材と摺動することを特徴とする転がり軸受。 - 前記封止補助部材は、前記シール部材の非固定側端部に固定されていることを特徴とする請求項1記載の転がり軸受。
- 前記封止補助部材は、前記軌道輪における前記シール部材の非固定側端部との対向部に形成されたシール溝の軸方向範囲内に配置されていることを特徴とする請求項2記載の転がり軸受。
- 前記シール部材が板状部材からなるシールドであり、該シールドの非固定側端部であるリップ部が軸方向内側に折り曲げられており、
前記封止補助部材は、前記リップ部の端面に固定されていることを特徴とする請求項1記載の転がり軸受。 - 前記封止補助部材は、前記軌道輪における前記シール部材の非固定側端部との対向部に形成されたシール溝の表面に固定されていることを特徴とする請求項1記載の転がり軸受。
- 前記封止補助部材は、前記繊維材である合成樹脂の短繊維を植毛してなることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項記載の転がり軸受。
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2016
- 2016-09-16 WO PCT/JP2016/077499 patent/WO2017047771A1/ja active Application Filing
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Publication number | Publication date |
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WO2017047771A1 (ja) | 2017-03-23 |
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