JP2017057118A - SiC単結晶基板の前処理方法及びエピタキシャルSiCウェハの製造方法 - Google Patents

SiC単結晶基板の前処理方法及びエピタキシャルSiCウェハの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱CVD法によるSiC薄膜のエピタキシャル成長において、前処理でSiC単結晶基板の表面をエッチングしてダメージ層を除去することにより、エピタキシャル膜のステップバンチングを低減する方法、及びこれを用いて平滑性に優れたエピタキシャルSiCウェハを得ることができる方法を提供する。【解決手段】SiC単結晶基板2へSiCのエピタキシャル膜を成長させる際の前処理方法であって、アルキルガスを水素によって濃度が5ppm以上200ppm以下に希釈したエッチングガス5を使って、SiC単結晶基板の表面をエッチングしてから、SiCのエピタキシャル膜を成長させることを特徴とするSiCエピタキシャル成長の前処理方法であり、また、前処理した後に、SiCのエピタキシャル膜を成長させることを特徴としたエピタキシャルSiCウェハの製造方法である。【選択図】図1

Description

この発明は、炭化珪素のエピタキシャル成長を行うにあたって炭化珪素単結晶基板を前処理する方法に関し、また、それによりエピタキシャル炭化珪素ウェハを製造する方法に関するものである。
炭化珪素(以下、SiCと表記する)は、耐熱性及び機械的強度に優れ、物理的、化学的に安定なことから、耐環境性半導体材料として注目されている。また、近年、高周波高耐圧電子デバイス等の基板としてエピタキシャルSiCウェハの需要が高まっている。
SiC単結晶基板(以下、SiC基板という)を用いて、電力デバイスや高周波デバイス等を作製する場合には、通常、SiC基板上に熱CVD法(熱化学蒸着法)によってSiC単結晶薄膜をエピタキシャル成長させたエピタキシャルSiCウェハを得るようにする。SiC基板上にさらにSiCのエピタキシャル成長膜を形成する理由は、ドーピング密度が制御された層を使ってデバイスを作り込むためである。
この熱CVD法を利用してエピタキシャル成長させるには、一般に、CVD装置の成長室内のホルダー上にSiC基板を載せて、ホルダーを回転させながらSiC基板の直上に例えばシランガスやクロロシランガス等の珪素原料ガスとプロパンやメタン等の炭化水素ガスとを混合した原料ガスを水素等のキャリアガスと共に供給して、SiC単結晶薄膜をエピタキシャル成長させる方法が採用されている(例えば非特許文献1参照)。その際SiC基板をホルダーに載せるために、ホルダー表面にSiC基板の厚さ相当の溝を形成しておき、その中にSiC基板を配置してSiC基板を固定搭載し、SiC基板に対して略水平となるように横から上記のような原料ガスを流すのが一般的である。
このような構成でSiC単結晶薄膜をエピタキシャル成長させる場合には、成長条件を最適化することで平滑な表面を得るようにするが、SiC基板の表面に微小な傷や研磨ダメージなどの欠陥を内包していると、エピタキシャル膜表面でのステップフローのバランスが崩れ、ステップバンチングと呼ばれる荒れた状態になることが知られている。
ここで、ステップフロー及びステップバンチングについて簡単に説明しておく。
SiCは、立方晶/六方晶などの結晶構造の違いや、シリコンとカーボンの積層順が異なる多くの構造を持ったものが知られている。例えば代表的なものだけでも3C−SiC、4H−SiC、6H−SiC、15R−SiCなどの構造(Ramsdellの表記法)が知られており、こういった構造はポリタイプと呼ばれている。この中で、六方晶構造の4H−SiCと呼ばれるポリタイプは、電子移動度、禁制帯幅や絶縁破壊電界強度が大きいなどの理由でデバイス応用に適していると考えられている。
多くのポリタイプの中から一つのポリタイプを安定してエピタキシャル成長させる方法として、ステップフロー成長がある。これは、基板表面をオフカットすることで多くのステップを表面に露出させることによって、このステップを鋳型のようにしてエピタキシャル成長を進行させる。その結果、基板の構造を安定して引き継ぐことができるのである。
ステップフロー成長する過程で、テラスの上を移動する速度にばらつきが生ずるとステップ端が合体し、やがて段差が非常に大きなステップが生成する。その高さは、数十原子層を超えることもあり、これらをステップバンチングと呼んでいる。
MOSFETに代表される電子デバイスでは、表面に金属酸化膜が形成されその界面に沿って電流が流れるため、表面の段差はデバイスの信頼性を低下させる原因と考えられている。従って、エピタキシャル膜の表面平滑性は非常に重要である。
ステップバンチングの発生は、傾斜角度(オフ角度)が深いほどステップバンチングが出にくい、またSi面よりC面のほうがやはり出にくいことが知られている。すなわち、傾斜角度が深くなるとステップの密度が高まり、マイグレーション速度のばらつきの影響が出づらくなる。また、C面上へのエピタキシャル成長はSi原子がまず吸着することになるが、Si原子のほうがC原子よりマイグレーション速度が高いために、やはりばらつきが出にくいと説明される。
しかしながら、一つの結晶インゴットから切り出す時は傾斜角度が浅いほど多くのウェハが取れる、Si面上のほうがC面上よりエピタキシャル成長の検討が進んでおり作りやすい、という背景から、特に浅い傾斜角のSi面上へのエピタキシャル成長において、ステップバンチングを抑制する重要性は以前にも増して高まっている。一方で、バンチングが何故発生するのか(発生の起源)の詳細はよく分かっていないために、それを抑制するための手法も確立されていないのが現実である。
ステップバンチングを抑制するために、例えば、特許文献1ではエピタキシャル成長前にプロパン(C)を予め流しておく方法を開示している。特許文献2では逆にシラン(SiH)を予め流しておく方法が開示されている。更に、特許文献3ではエピタキシャル成長前にプロパンとシランを同時供給する方法を開示している。
このように、これらの手法はステップバンチングの詳細な発生原因の特定に基づいたものではなく、いわば経験によって考案された方法であるが故に、基板の表面状態によって前処理方法も様々な方法が提案されている。
特許第4238357号公報 特開2005-277229号公報 特開2011-49496号公報
Materials Science Forum Vols.45-648(2010),pp77-82
本発明は、ステップフローで成長するエピタキシャル膜の表面にステップバンチングがない平滑なエピタキシャル膜を得ることができ、SiC基板の表面の傾斜角度が浅い場合(オフ角度が小さい場合)やSiC基板のSi面上へのエピタキシャル成長においても、ステップバンチングを起さず、平滑な表面のエピタキシャル膜を得る技術を確立して、デバイスの信頼性を高めることを目的としたものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、ステップバンチングがSiC基板の表面の微小な傷や研磨ダメージと大いに関係があり、これを効率よく取り除くうえで、アルキルシランを含有した水素ガスを使って、SiC基板表面をエッチングすることが効果的であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(1)CVD装置内に珪素系及び炭素系の原料ガスを流してSiC単結晶基板上にSiCのエピタキシャル膜を成長させるにあたり、SiC単結晶基板を前処理する方法であって、アルキルシランを体積比で5ppm以上200ppm以下含有した水素ガス中でSiC単結晶基板の表面をエッチングしてから、SiCのエピタキシャル膜を成長させることを特徴とするSiCエピタキシャル成長におけるSiC単結晶基板の前処理方法。
(2)1500℃以上1700℃以下の温度域でSiC単結晶基板のエッチングを行うことを特徴とする(1)に記載のSiC単結晶基板の前処理方法。
(3)0.5kPa以上20kPa以下の圧力でSiC単結晶基板のエッチングを行うことを特徴とする(1)又は(2)に記載のSiC単結晶基板の前処理方法。
(4)前記アルキルシランが、モノメチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、及びテトラメチルシランからなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のSiC単結晶基板の前処理方法。
(5)CVD装置内に珪素系及び炭素系の原料ガスを流してSiC単結晶基板上にSiCのエピタキシャル膜を成長させてエピタキシャルSiCウェハを製造する方法であって、予め、アルキルシランを体積比で5ppm以上200ppm以下含有した水素ガスをCVD装置内に流して、SiC単結晶基板の表面をエッチングしてから、SiCのエピタキシャル膜を成長させることを特徴とするエピタキシャルSiCウェハの製造方法。
本発明によれば、SiC基板の表面の微小な傷や研磨ダメージが除去されるため、ステップフローで成長するエピタキシャル膜の表面にステップバンチングがない平滑なエピタキシャル膜を得ることができる。このエピタキシャル膜を使うことで、デバイスの信頼性を高めることができる。
図1は、本発明を実施するために用いられる装置の具体例を示す概略図である。 図2は、本発明の前処理をした後にエピタキシャル成長させたときの、エピタキシャル膜表面の光学顕微鏡写真である。 図3は、本発明の前処理をせず、従来方法によって前処理をした後にエピタキシャル成長させたときの、エピタキシャル膜表面の光学顕微鏡写真である。
以下、本発明について詳細に説明する。
図1は、本発明を実施するために用いられるCVD装置の具体例を示す。この装置は、前処理をした後に原料ガスを導入することによって、前処理とエピタキシャル成長を連続して行えるようになっている。すなわち、装置内に珪素系及び炭素系の原料ガスを流して、熱CVD法によりSiCのエピタキシャル膜を成長させることができ、また、エピタキシャル成長前にはエッチングガスを流して、SiC単結晶基板(SiC基板)のエッチングを行うことができる。反応容器1の成長室内にはホルダー2が備えられており、反応容器1の外側には、まわりを取り囲むように加熱用誘導コイル3が取り付けられている。また、反応容器1の一方からは、ホルダー2に対して略水平となるように、エッチングガス5や原料ガス4が横から供給されるようになっており、ドーピングガスなどの原料ガス以外のガスがこれらとは別の経路から反応容器1に入るようになっている。更に、他方からはエピタキシャル成長に使われた後のガス等が排気ガス6として排出されるようになっている。このうち、ホルダー2は、カーボン部材にSiCがコートされた耐熱性のある構造材からなり、この上に溝が形成されて、SiC基板が配置されるようになっている。また、このホルダー2は回転機構を備えることによって、エッチングやSiCのエピタキシャル成長の際にSiC基板を回転させて、ホルダー全体の不均一性をある程度改善することができるようになっている。
本発明では、CVD装置内に珪素系及び炭素系の原料ガスを流してSiC単結晶基板上にSiCのエピタキシャル膜を成長させるにあたり、前処理として、アルキルシランを含有した水素ガス中でSiC基板表面をエッチングする。エピタキシャル成長する前に、SiC基板の表面の研磨傷やダメージ層を効率よく除去することで、良質なエピタキシャル膜を得ることができるためであり、詳細なエッチング条件とその理由について、以下で詳述する。
先ず、アルキルシランを含有した水素ガス中のアルキルシランの濃度は、体積比で5ppm以上200ppm以下となるようにする。アルキルシランが5ppm未満では水素単独のエッチングと変わらなくなるため好ましくない。また、200ppmを超えるとSiC基板の表面上に新たなSiCの析出が優先となり、効率よくダメージ層の除去ができなくなるため好ましくない。
また、SiC基板のダメージ層を効率よく除去する観点から、好ましくは、水素ガス中にアルキルシランを含有したエッチングガスは、毎分10リットル以上、毎分200リットル以下の流量でCVD装置に流すようにするのがよい。なお、本発明では、アルキルシランのキャリアガスとして水素ガスを用いており、水素ガスによるエッチング作用をアルキルシランでアシストしているが、更に塩酸等のハロゲン化水素ガスも共存させることができる。
エッチングの温度域は1500℃以上1700℃以下であるのが好ましい。エッチングの温度域が1500℃より低いとエッチング速度が低くなり過ぎるため、エッチングによるSiC基板表面のダメージ層などの除去に長い時間がかかり効率が良くない。また、1700℃を超えると、SiC基板表面からの昇華現象が重畳するため、エッチングが進みすぎて逆に短いステップバンチングが発生し易くなるため好ましくない。この短いステップバンチングはその上に成長させるエピタキシャル膜のステップバンチングを誘発させるため、短いステップバンチングの生成は抑制しなければならない。
前処理の圧力については、0.5kPa以上20kPa以下であるのが好ましい。0.5kPaより低い圧力では、エッチングが進みすぎ、やはり短いステップバンチングが発生しやすくなる。また、20kPaを超える圧力ではエッチングガスに混合されたアルキルシランが分解して、SiC基板表面で新たなSiCの析出が始まるために、効率よくダメージ層の除去ができなくなるおそれがある。
また、本発明において、アルキルシランを含有した水素ガス中でSiC晶基板の表面をエッチングする時間としては、1分以上30分以下であるのがよい。このようなエッチング時間で平滑な表面のエピタキシャル膜が成膜できる効果を得ることができる。
アルキルシランとしては、モノメチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、及びテトラメチルシランからなる群から選択される1種以上であるのがよい。アルキルシランであるモノメチルシランを用いると、分子の分解に伴いカーボンとシリコンの原子が1:1で同時生成し、それぞれが、シリコンが露出した表面、カーボンが露出した表面にいったん付着し、安定な表面となるように一部が表面から離脱するためダメージ層が除去され、スムーズな表面を作り上げる。この表面上にエピタキシャル成長することでステップバンチングのない平滑な表面が得られると考えられる。
アルキルシランであるジメチルシランを用いると、分子の分解に伴いカーボンとシリコンの原子が2:1で同時生成する。そしてモノメチルシランの場合と同じように、吸着と離脱を経てスムーズな表面が出来上がる。このとき、カーボンとシリコンの原子の比はあまり問題にならず、むしろ同時生成が重要と考えられる。従って、アルキルシランであるほかのトリメチルシランやテトラメチルシランについてもエピタキシャル成長前の処理として、メチルシラン、ジメチルシランと同様の効果が期待でき、これらは2種以上を混合させてもよい。
以上より、アルキルシランは、モノメチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、又はテトラメチルシランから選択される1種以上が好ましい。
オフ角度を有するようにカットされたSiC基板の表面には、多くのステップが存在している。ステップの密度はオフ角度によって変わるが、C面から<11−20>方向あるいは<1−100>の方向に0.5°から8°の範囲で斜めにカットされたオフカット面の上にエピタキシャル成長させるのが一般的となっている。本発明の前処理においては、この範囲のオフカットSiC基板に対して特に有効だが、この範囲に限定されるものではない。
本発明によりSiC単結晶基板を前処理した後は、CVD装置内に珪素系及び炭素系の原料ガスを流して、一般的な方法と同様にしてSiCのエピタキシャル膜を成長させることができる。このとき用いる珪素系の原料ガスとして、例えば、シラン、ジシラン、トリクロロシラン、ジクロロシラン、四塩化珪素等を挙げることができ、炭素系の原料ガスとしては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、エチレン、アセチレン等の炭化水素を挙げることができる。これらの原料ガスは、それぞれ1種を用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。勿論、窒素等のドーピングガスを流して成長させることができる。更に、SiCエピタキシャル膜の成長温度や成長圧力についても公知の方法と同様にすることができ、例えば成長温度としては1500℃以上1700℃以下であり、成長圧力としては0.5kPa以上20kPa以下である。これにより平滑な表面のエピタキシャル膜を備えたエピタキシャルSiCウェハを製造することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は以下の内容に制限されるものではない。
(実施例1)
図1に示した装置を使ってSiC単結晶基板(SiC基板)の前処理を行い、連続してSiCのエピタキシャル成長を行った。SiC基板としては、4°のオフ角度を有した4H-SiC基板(口径4インチ)を使った。アルキルシランであるモノメチルシランを毎分2cc(以下、sccmの単位を使う)、キャリアガスとしての水素ガスを毎分40リットル(以下、slmの単位を使う)の各流量で混合したエッチングガスを用いて(従って、モノメチルシランの濃度は体積比で50ppm)、圧力5kPa、及び温度1600℃に加熱された反応容器1に導入した。5分間の前処理の後、導入ガスを原料ガスに切り替え、SiC基板上にSiC単結晶をエピタキシャル成長させた。
エピタキシャル成長の条件は、シランガス140sccm、プロパンガス60sccm(従って、C/Si比は1.29)、キャリアガスである水素を60slmの流量で導入し、圧力5kPa、及び温度1600℃の条件で1時間のエピタキシャル成長を行った。
取り出したエピタキシャルSiCウェハは、共焦点顕微鏡(レーザーテック製、装置名SICA)を使って、ウェハ表面全体の平均粗度を評価した。評価指標はHaze値(ヘイズ値)で表され、数値が小さいほど平滑性が高い。測定の結果、Haze値4.0が得られ、CMP(Chemical Mechanical Polishing)表面と同等の平滑な表面となっていることが確認された。得られたエピタキシャルSiCウェハの光学顕微鏡の表面写真を図2に示す。
(実施例2〜12)
表1に示したように、エッチングの際の温度、圧力、アルキルシラン種、アルキルシラン濃度を変更した以外は実施例1と同様の前処理を行い、また、エピタキシャル成長条件は実施例1と同様にして実施例2〜12に係るエピタキシャルSiCウェハを製造した。得られたエピタキシャルSiCウェハについて、実施例1と同様にしてHaze値を測定した。結果を表1にまとめて示す(ここで、濃度は体積比である)。
表1に示したとおり、本発明の前処理を行って得たエピタキシャルSiCウェハでは、いずれもHaze値が6.0以下となり、表面の平滑性が非常に良好であることが分かった。
(比較例1〜3)
表2に示したように、前処理におけるエッチングガスとして、アルキルシランを含めないようにした以外は、実施例1と同様にして、エピタキシャル成長を行い、比較例1〜3に係るエピタキシャルSiCウェハを製造した。得られたエピタキシャルSiCウェハについて、実施例1と同様にしてHaze値を測定した。その結果を表2にまとめて示す。
表2に示したとおり、アルキルシランを用いずに前処理を行い、その後にエピタキシャル成長させたものについては、SICAによる評価でHaze値が8前後と悪化した。この数値は、ステップバンチングが抑え切れていないことを示しており、表面平滑性に劣ったエピタキシャル膜となっていることが分かった。比較例1で得られたエピタキシャルSiCウェハの光学顕微鏡の表面写真を図3に示す。この図3中で縦方向に多数の筋が僅かに写っているものがステップバンチングである。
1:反応容器、2:ホルダー、3:加熱用誘導コイル、4:原料ガス、5:エッチングガス、6:排気ガス。

Claims (5)

  1. CVD装置内に珪素系及び炭素系の原料ガスを流してSiC単結晶基板上にSiCのエピタキシャル膜を成長させるにあたり、SiC単結晶基板を前処理する方法であって、アルキルシランを体積比で5ppm以上200ppm以下含有した水素ガス中でSiC単結晶基板の表面をエッチングしてから、SiCのエピタキシャル膜を成長させることを特徴とするSiCエピタキシャル成長におけるSiC単結晶基板の前処理方法。
  2. 1500℃以上1700℃以下の温度域でSiC単結晶基板のエッチングを行うことを特徴とする請求項1に記載のSiC単結晶基板の前処理方法。
  3. 0.5kPa以上20kPa以下の圧力でSiC単結晶基板のエッチングを行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のSiC単結晶基板の前処理方法。
  4. 前記アルキルシランが、モノメチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、及びテトラメチルシランからなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のSiC単結晶基板の前処理方法。
  5. CVD装置内に珪素系及び炭素系の原料ガスを流してSiC単結晶基板上にSiCのエピタキシャル膜を成長させてエピタキシャルSiCウェハを製造する方法であって、予め、アルキルシランを体積比で5ppm以上200ppm以下含有した水素ガスをCVD装置内に流して、SiC単結晶基板の表面をエッチングしてから、SiCのエピタキシャル膜を成長させることを特徴とするエピタキシャルSiCウェハの製造方法。
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