JP2017056609A - タイヤ加硫用ブラダーおよび空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

タイヤ加硫用ブラダーおよび空気入りタイヤの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】過加硫やベア発生不良のない高品質で耐久性に優れたタイヤを、安定して製造できる長寿命かつ生産性に優れたタイヤ加硫用ブラダーを提供する。【解決手段】トップトレッド部の最大ゲージGtとサイド部のゲージGsの比がGs/Gt≧1.3の関係を満たし、かつ、サイド部が弾性率Mh、Msの2層のゴムからなりその比がMh/Ms≧1.5を満たすことを特徴とするタイヤ加硫用ブラダー。【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤ加硫時の部位ごとに受ける熱量を適正化し過加硫を防止し、耐久性に優れたタイヤ加硫用ブラダーおよび空気入りタイヤの製造方法に関する。
タイヤは、構成部材を組込んだゴムであるグリーンタイヤを、加熱による加硫架橋して製造されるが、外側からはタイヤの外形を加硫モールドで形成し、内側からはブラダーの膨張圧で支持して押圧成形して加熱し、加硫架橋を行う。
この際、タイヤの各部位によって、厚さやゴム配合も異なるので、架橋に必要な熱量には部位ごとに適正値があり、どの部位にも同様に加熱すると、部分的に加硫架橋が亢進する過加硫や、逆に不十分な加硫不足が起こり、耐久性を始めとする特性上、好ましくない。
ブラダーの内側からは、スチームのような高温流体を流し、単一の熱源で加熱を行うので、各部位ごとに加熱の程度を加減することは容易ではない。例えば、部位ごとに温度を変えるような方法は、製造設備が複雑化し、経済的にも不利である。
一方で、ブラダーの厚さを部位ごとに変えて、例えば熱量を多く投入したい、タイヤの厚肉部位には、接するブラダーを薄くして熱源からの熱を伝達し易くし、逆に熱量の投入を控えたい、タイヤの薄肉の部位には、接するブラダーを厚くして、熱源からの熱が伝わり難くするような方法が特許文献1に開示されている。
特願2006−095753号公報
しかし、この方法はタイヤの各部位ごとの加硫の調整という点では、良好に機能するが、反面ブラダーについては、ブラダーの部位ごとの厚さに厚薄の変化を与えると、部位ごとの膨張に差異が生じるため、薄肉部がより膨張し易くなる傾向がある。この結果、繰返しの使用で薄肉部から不可逆的に伸張し、一定限度を超えると、このような膨張の不均一性が拡大し、最終的には製造したタイヤにしわ溝が生じたりするような不具合に至る。また、膨張が不均一になると、膨張し難い部分において、接触が十分でないため、さらに加硫の熱が伝搬せず、加硫ムラが拡大され不具合に至る。このような事態を避けるため、適当回数使用したブラダーは新品と交換する必要があり、膨張の不均一性が発生しやすいブラダーは、交換サイクル、すなわちブラダー寿命が短くなる。ブラダーの寿命が短いと、生産に用いるブラダーの本数が増えるためコスト面で好ましくない。また、廃棄されるブラダーの量が増えるため、環境への負荷という面からも、好ましくない。逆にブラダーの寿命が長いと、コストを下げながらタイヤそのものの品質も安定したものとなる。
タイヤの部位ごとに、適正熱量を伝達できる構造を有し、かつ長寿命で製品不良を起こしにくいブラダーを提供する。
均一で部位ごとに偏りがない膨張が繰り返されるよう、構造材としては弾性率の大きい部材を使用し、一方、弾性率が小さく、膨張に影響は与えない部材を組み合わせることで、部位ごとの加熱に必要な熱伝導が制御された、タイヤ加硫用ブラダー。
すなわち、本発明は次の(1)〜(5)に存する。
(1) トップトレッド部の内側で接する部分の最大ゲージGtとタイヤ最大幅部であるサイド部に接する部分のゲージGsの比がGs/Gt≧1.3の関係を満たし、かつ、サイド部が2層構造からなり、その2層のゴムの硬い層の弾性率Mh、軟らかい層の弾性率Msの比がMh/Ms≧1.5を満たすことを特徴とするタイヤ加硫用ブラダー。
(2) 前記サイド部の柔らかい層以外の部位の弾性率が同じであること特徴とする(1)に記載のタイヤ加硫用ブラダー。
(3) 前記サイド部の柔らかい層以外の部位が同一のゴムからなることを特徴とする(1)又は(2)に記載のタイヤ加硫用ブラダー。
(4) 前記硬いゴムの熱伝導率λh、柔らかいゴムの熱伝導率λsの比がλh/λs≧1.1の関係を満たすことを特徴とする(1)から(3)のいずれか1つに記載のタイヤ加硫用ブラダー。
(5) (1)〜(4)のいずれか1つに記載のタイヤ加硫用ブラダーを用いてタイヤを加硫することを特徴とするタイヤの製造方法。
(1)により、タイヤ加硫時における部位毎の加硫ムラを改善するとともに、ブラダーの局所的な伸びを防ぐことで製造不良を抑止でき、ブラダーの長寿命化により、製品品質が安定する。
(2)により、効果的にブラダーの局所的な伸びを抑止できる。
(3)により、上記ブラダーをより容易に製造することができ、ブラダーの耐久性が向上し、長寿命化できる。
(4)により、さらに加硫時間の短縮効果が得られる。
(5)により、加硫ムラがなく特性の優れたタイヤを、コストや環境負荷を削減して提供できる。
実施形態に係るタイヤ加硫用ブラダーを設定した加硫機の内部構造を示す、部分断面図である。
本発明のタイヤ加硫用ブラダーは、トップトレッド部の内側で接する部分の最大ゲージGtとタイヤ最大幅部であるサイド部に接する部分のゲージGsの比がGs/Gt≧1.3の関係を満たし、かつ、サイド部が2層構造からなり、その2層のゴムの硬い層の弾性率Mh、軟らかい層の弾性率Msの比がMh/Ms≧1.5を満たすことを特徴とする。
図1に示すように、加硫の際は金型7の内側にタイヤ4を内接し、さらにその内側から本発明のタイヤ加硫用ブラダー1を膨張させて加圧と共に加熱が行われる。タイヤ4の構造は概して、地面に直接接し、荷重負荷がかかるタイヤトップトレッド部5は、ゴム層が厚く内部に様々な部材が配置される。一方で、タイヤ最大幅部であるタイヤサイド部6はゴム層の厚さが、タイヤトップトレッド部5に比べると薄くなっている。そこで、タイヤトップトレッド部5には効率よく熱を伝え、加硫架橋に必要な熱を供給すべきである。一方、タイヤサイド部6には、タイヤトップトレッド部5のように熱を供給すると過加硫になるので、熱供給を抑えるべきということになる。
熱伝導の加減は、タイヤ加硫用ブラダー1の厚さで制御するということになる。以下において、タイヤのゴム部材の厚さと、ブラダーの厚さを区別して述べるために、ブラダーの厚さを特にゲージと呼び表し、記号はGで表すこととする。また、部位を表すものとして、ブラダートップトレッド当接部8にたいしては添え字tで、ブラダーサイド当接部9にたいしては添え字sで区別することとする。つまり、トップトレッド部に接するブラダーのゲージGtは、熱を効率よく伝えるために小さくし、逆に熱伝導を抑えたいサイド部に接するブラダーのゲージGsは大きくする。その比はGs/Gt≧1.3の関係を満たすことが、本発明のブラダーの第1の条件である。図1にGtやGsで示されるゲージを示す。Gs/Gt≧1.3の条件を満たすことで、ブラダーサイド当接部9からタイヤへの熱伝導量と、ブラダートップトレッド当接部8からタイヤへの熱伝導量のバランスが適度に保たれ、タイヤサイド部6における過加硫状態を防ぐことが出来る。Gs/Gtが1.3より小さくなると、ブラダーサイド当接部9とブラダートップトレッド当接部8におけるゲージ差が小さくなりすぎるため、熱伝導量において差が出なくなり、タイヤの中で厚さが薄いタイヤサイド部6において過加硫状態となりやすくなる。これを踏まえ、Gs/Gtは1.5以上が好ましく、Gs/Gtの値が1.7以上となることがより好ましい。また、Gs/Gtの値が2.0よりも大きくなってしまうと、ブラダーサイド当接部9からの熱伝導量が少なくなりすぎ、タイヤ全体の加硫度のバランスが悪くなったり、加硫時間が長くなる等の影響が生じやすくなる。
しかしながら、ゲージの大小の加減だけで、供給熱量の最適化を図ると、ゲージが小さい、本願ではGtの部分が、繰返しの使用で伸張し、製造に適さなくなるのは従来技術で明らかになっているとおりである。実際、Gs/Gt≧1.3ものゲージ比にまで差があると、膨張に際して十分な差が生じる。そこで、ブラダーの膨張を均一にするために、ブラダートップトレッド当接部8であれ、ブラダーサイド当接部9であれ、極端な差異を付けないゲージで、硬い、つまり弾性率の大きいゴムでブラダー外殻部2を構成する。なお、以下の議論において特に述べない限り、ブラダートップトレッド当接部8を単にトップトレッド部、ブラダーサイド当接部9を単にサイド部と省略して述べる。
さらに、ゲージを大きくし、熱伝導を抑えたいサイド部に対しては、内側に、膨張にはあまり影響を与えない、柔らかい、すなわち弾性率の小さいゴム部材をブラダー厚層部3として配置して、ゲージGsを大きくする。すなわちGsは、弾性率の大きいゴムで外側に配置されている分のゲージGs1と、弾性率の小さいゴムで内側に配置されている分のゲージGs2とからなり、Gs=Gs1+Gs2である。また、Gs1は概ねGtと同じゲージであり、Gs1≒Gtという関係になる。
上記、サイド部に用いる、弾性率の大きい、硬い方のゴムの弾性率をMh、弾性率の小さい、柔らかい方のゴムの弾性率をMsで表す。弾性率の記号としてMを用い、添え字hで「硬い」、添え字sで「柔らかい」を表したものである。MhとMsにはMh/Ms≧1.5の関係が成り立っていれば、弾性率差が十分であり、通常Mhのゴムの膨張にMsのゴムは影響を与えないと見做すことができる。Mh/Msが1.5より小さくなると弾性率が小さいゴムによる効果が十分に得られず、ブラダーのゲージが薄い部分における伸張による問題が生じやすくなる。Mh/Msの上限については、ブラダーとして使用出来る範囲であれば特に定められるものではないが、通常3.0以下である。
Gs/Gtの比はMh/Msの比と連動し、Gs/Gtが1に近い値の場合は、Mh/Msは自在に選んでもよいが、Gs/Gtが1から乖離して大きくなってくると、Mh/Msもある程度大きく、すなわち、Msを相対的に柔らかくするか、Mhを硬くするか、いずれかにしないと、膨張に対し、弾性率の小さいゴム側の影響が無視できなくなる。
また、トップトレッド部に用いるゲージGtの、弾性率の大きい、硬いゴムは、サイド部で外側に配置するゲージGs1に相当する部分に使用する、弾性率が大きい、硬いゴムと同じ値のものを用いれば、Gt≒Gs1であるから、膨張の程度も同様になる。さらに、単純に弾性率を合わせるだけでなく、そもそも同じゴムを用いれば、継ぎ目なく連続した一体のものとして製造できるので、強度や耐久性の面で好ましい。すなわち言い換えれば、サイド部のゲージを大きくするために、内側に配置するゲージGs2の柔らかい層に用いるゴムを除いては、同一の硬いゴム、上記の記載に基づくなら、弾性率Mhのゴムで製造するのが好ましい。
そもそも、従来のこれまで生産で用いられてきた既存のブラダーは、単一のゴムでGtやGs1にあまり極端な差を付けていないものとして、製造されたものを用いている。このゴムが十分に硬いゴムであれば、その弾性率Mhとし、さらにサイド部内側に、Mh/Ms≧1.5を満たしうる弾性率Msのゴムを、適切な設計に基づくゲージGs2で追加すればよい。
上記、述べてきているように、本願のブラダーを構成する部分は、トップトレッド部、サイド部外側、サイド部内側の大きく3つに分けられる。3つの部位の内で、他の部位と異なる構成になるのは、サイド部内側の、弾性率Msの柔らかいゴムである。そこでさらに、この柔らかいゴムについて、この部位のゴムは、何よりも、膨張時の構造変化に影響を与えず、ゲージを変化させることで、熱の伝導を抑制し、加硫の調節を担う部位である。このような条件であるならば、さらに熱伝導率そのものを変えてしまえば、熱伝導について、よりきめ細かく調節できる。
弾性率の表記に倣い、ブラダーを構成する硬いゴム、柔らかいゴムの熱伝導率を、λh、λsとしたとき、λh/λs≧1.1の関係を満たすと、より熱伝導を調節し易くなる。また、柔らかいゴムを薄くしても、熱伝導を抑制できる。あるいは、加硫を進めたいトップトレッド部に接するゴムが、熱伝導率の高いλhのゴムであれば、効率よく熱を供給でき、短い加硫時間で、工程を完了できる。つまり、厚さだけでなく熱伝導率でも差異があれば、それだけ、単一熱源からの伝導を部位ごとにきめ細かく調節できる。この熱伝導率比λh/λsについては、λh/λs≧1.3が好ましく、λh/λs≧1.5が特に好ましい。
上記示してきたように、本願発明のブラダーはGt、Gsおよびそれらの間の比Gs/Gtで代表される、構造上の要素に加え、弾性率MhとMs、熱伝導率λhとλsに代表される、ゴム組成物の素材に由来する要素の組み合わせで、タイヤの加硫を制御するものである。
弾性率や熱伝導といった要素は、主にゴム成分と充填材で概ね決定される。第一に、ブラダーは高温のスチームや熱水のような流体で、内部から加圧され熱源に曝されるので、工程に見合う耐熱性は要求される。これに加え、経済性や、弾性率や熱伝導率の調節がしやすいゴム成分という点で、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴムから少なくとも1つが選ばれるゴム成分であって、クロロプレンゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴムから選ばれるのが好ましく、クロロプレンゴム、ブチルゴムから選ばれるのが特に好ましい。
さらに充填材でも、弾性率と熱伝導率を調節することになるが、この場合、主としてカーボンブラックとシリカが用いられ、その他アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、といった無機充填材を用いることができる。特にカーボンブラックとシリカを用いるのが好ましい。
カーボンブラックであれば、弾性率Mhの硬いゴムの配合には、カーボンブラック種としてはN220〜N330から選ばれるのが好ましい。また、その配合量は、ゴム成分100質量部に対し、30〜70質量部で配合でき、50〜65質量部で配合するのが好ましい。
一方、弾性率Msの柔らかいゴムの配合には、N550〜N990から選ばれるのが好ましい。また、その配合量は、ゴム成分100質量部に対し、30〜70質量部で配合でき、50〜65質量部で配合するのが好ましい。
また、弾性率を調整する手段としてシリカを配合することもできる。この場合、合せてシランカップリング剤を用いることができる。
その他、硫黄、加硫促進剤、老化防止剤、プロセスオイル、酸化亜鉛、ステアリン酸といった、通常のゴムに用いる、ゴム薬品を配合してブラダーのゴム組成物が製造される。なお、ブラダーは、繰返し、加熱や加圧に曝されることになるため、ブラダーとしての使用を開始してから経時変化を起こし難い配合が好ましい。使用を開始する前に、エージングして物性を安定させることができるものであれば構わない。
加熱の繰り返しで、特にブラダーの物性が変化するような、要因として考えられるのは、加硫架橋の追加進行である。ブラダーの加硫温度を、実際の生産で製造されるタイヤの加硫温度より5℃以上高く、好ましくは10℃以上高く設定すれば、ブラダーとしての使用で、ブラダー自身の物性の変化を抑えることができる。
次に、実施例、比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに制約されるものではない。
表1に示すような配合と物性を有するゴムA〜Dを用いて、表2に示すような、Gt、Gsとその構成部材のゴムが所定の弾性率や熱伝導率を持つ実施例1〜3と比較例1〜4のブラダーを作成し、215/45R17のタイヤを加硫した。なお、Gt、Mh,λhについて実施例1を100とし、それぞれの実施例および比較例のGt、Mh、Ms、λh、λsを指数で示している。本発明のブラダーに対する評価値として、加硫を繰り返し、製品として出荷できない不良品が発生した加硫回数をブラダー寿命とし、比較例1を100とする指数で示した。ブラダー寿命は数値が大きいほど良好な結果であることを示す。また、それぞれのブラダーでタイヤの加硫に要する時間も、比較例1を100とする指数で示し、数値が小さいほど、良好な結果であることを示す。
また、本発明のブラダーによるタイヤへの付加価値に対する評価値として、タイヤ耐久性はドラム試験機を用いて、速度80km/h、荷重4.276kN、内圧210kPaとした状態で、全てのラジアルタイヤについての転がり抵抗性能を算出した。ここで、本試験で用いたリムの幅は、JATMA規定の標準サイズである7Jとした。結果を、比較例1を100として指数で評価した。数値が高いものほど耐久性に優れることを示す。
弾性率は、JIS K 6251(2010)の引張試験に準じて、ゴムシート試料を3号ダンベルで打ち抜き、室温:23℃にて、引張速度500±50mm/分で引張試験することにより測定した。また、熱伝導率は京都電子(株)製の迅速熱伝導率計QTM−500を用いて、温度:20℃〜22℃、時間:1分間、電流値:2Aの条件で、1mmのゴムシートの測定をおこなった。
Figure 2017056609
ブチルゴム:JSR製、Butyl 26
クロロプレンゴム:昭和ネオプレン製、ネオプレンW
樹脂:田岡化学工業製、タッキロール201
オイル:伊藤製油製、URIC H−1
カーボンブラック N330:旭カーボン社製 旭#70
カーボンブラック N550:旭カーン社製 旭#60
カーボンブラック N660:旭カーボン社製 旭#55
カーボンブラック N990:Engineered Carbon社製
Huber N990
Figure 2017056609
ブラダーのゲージと弾性率の条件を満たす実施例1は、比較例1と比べて、加硫時間の変更もしない同条件では寿命も同等だが、製造されるタイヤは加硫の熱量が適正化されたため、タイヤの耐久性が向上した。2層構成とせずにゲージ比を合せた比較例2は、タイヤの耐久性において同等のものは製造できたが、ブラダーの寿命は短くなり、実施例1の優位性が示された。実施例1に加え、熱伝導率の条件も好ましい実施例2は同等の加硫時間では加硫熱量の適正化により、さらにタイヤの耐久性が向上した。また、同様に実施例3では、加硫時間を短縮化しても、ブラダーの寿命が保たれ、タイヤの耐久性も向上している。一方、ゲージ比を変えず、ゲージの厚さを変えた比較例3や熱伝導率と弾性率を調節して、加硫時間の短縮化を図った比較例4はブラダーの寿命の短縮化を招いており、実施例の優位性が示された。
本発明のブラダーを利用すれば、過加硫やベア発生不良のない、優れた品質のタイヤを経済的かつ、生産効率もよく製造することができ、環境への負荷も抑えることが可能である。
1 タイヤ加硫用ブラダー
2 ブラダー外殻部
3 ブラダー厚層部
4 タイヤ
5 タイヤトップトレッド部
6 タイヤサイド部
7 金型
8 ブラダートップトレッド当接部
9 ブラダーサイド当接部

Claims (5)

  1. トップトレッド部の内側で接する部分の最大ゲージGtとタイヤ最大幅部であるサイド部に接する部分のゲージGsの比がGs/Gt≧1.3の関係を満たし、かつ、サイド部が2層構造からなり、その2層のゴムの硬い層の弾性率Mh、軟らかい層の弾性率Msの比がMh/Ms≧1.5を満たすことを特徴とするタイヤ加硫用ブラダー。
  2. 前記サイド部の柔らかい層以外の部位の弾性率が同じであること特徴とする請求項1に記載のタイヤ加硫用ブラダー。
  3. 前記サイド部の柔らかい層以外の部位が同一のゴムからなることを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤ加硫用ブラダー。
  4. 前記硬いゴムの熱伝導率λh、柔らかいゴムの熱伝導率λsの比がλh/λs≧1.1の関係を満たすことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のタイヤ加硫用ブラダー。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載のタイヤ加硫用ブラダーを用いてタイヤを加硫することを特徴とするタイヤの製造方法。
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