以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.ゲームシステム
まず、図1(A)〜図1(E)を用いて本実施形態のゲームシステムの構成例について説明する。
図1(A)では、サーバシステム500(情報処理システム)が、ネットワーク510を介して端末装置TM1〜TMnと通信接続されている。例えばサーバシステム500はホストであり、端末装置TM1〜TMnはクライアントである。なお、以下では、本実施形態のゲームシステム及びその処理を、主にサーバシステム500により実現する場合を例にとり説明するが、ゲームシステム及びその処理の全部又は一部を、端末装置TM1〜TMnにより実現してもよい。また、以下では、TM1〜TMnの各端末装置を、適宜、端末装置TMと記載する。
サーバシステム500は例えば1又は複数のサーバ(管理サーバ、ゲームサーバ、課金サーバ、サービス提供サーバ、コンテンツ配信サーバ、認証サーバ、データベースサーバ、又は通信サーバ等)により実現できる。このサーバシステム500は、コミュニティ型ウェブサイトやオンラインゲームを運営するための各種サービスを提供し、ゲーム実行に必要なデータの管理や、クライアントプログラム及び各種データ等の配信を行うことができる。これにより、例えば、プレーヤ端末である端末装置TMによりSNS(Social Networking Service)などを利用するためにサーバシステム500にアクセスし、当該サーバシステム500から提供されるオンラインゲームであるソーシャルゲームなどのプレイが可能になる。
ネットワーク510(配信網、通信回線)は、例えばインターネットや無線LAN等を利用した通信路であり、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網や無線LAN等の通信網を含むことができる。また通信方法については有線/無線を問わない。
端末装置TM(プレーヤ端末)は、例えばネット接続機能(インターネット接続機能)を有する端末である。これらの端末装置TMとしては、例えば図1(B)に示す携帯型通信端末(スマートフォン、携帯電話機)、図1(C)に示す携帯型ゲーム装置、図1(D)に示す家庭用ゲーム装置(据え置き型)、或いは図1(E)に示す業務用ゲーム装置などの種々の装置を用いることができる。或いは、端末装置TMとして、パーソナルコンピュータ(PC)やタブレット型コンピュータなどの情報処理装置を用いてもよい。
図2に本実施形態のサーバシステム500(ゲームシステム)の構成例を示す。サーバシステム500は、処理部600、操作部660、記憶部670、通信部696を含む。なお、サーバシステム500の構成は図2に限定されず、その構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。またサーバシステム500の処理部600の各処理は、後述する図3の端末装置TMの処理部100により実現してもよいし、サーバシステム500の処理部600と端末装置TMの処理部100の分散処理により実現してもよい。
処理部600(プロセッサ)は、記憶部670(データベース)に記憶される各種の情報や、プログラムや、操作情報等に基づいて、ゲーム処理、ゲーム成績演算処理、表示処理、音処理、サーバに必要な各種の制御処理、或いは管理処理などを行う。この処理部600の機能は、各種プロセッサ(CPU、GPU等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
処理部600は、受信処理部602、送信処理部604、ゲーム処理部608、ゲーム成績演算部610、配分処理部612、認証処理部615、課金処理部616、管理処理部618、表示処理部620、音処理部630を含む。なお、これらの構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
受信処理部602は情報の受信処理を行う。例えばネットワーク510を介して端末装置TM等からの情報を受信するための処理を行う。送信処理部604は情報の送信処理を行う。例えばネットワーク510を介して端末装置TM等に対して情報を送信する処理を行う。ここで受信処理は、通信部696に情報の受信を指示したり、通信部696が受信した情報を取得して記憶部670に書き込む処理などである。送信処理は、通信部696に情報の送信を指示したり、送信する情報を通信部696に指示する処理などである。
ゲーム処理部608、ゲーム成績演算部610、配分処理部612の詳細については後述する。
認証処理部615はプレーヤの認証処理を行う。例えば端末装置TMを用いてログインしたプレーヤの認証処理を行う。この認証処理は、例えばプレーヤが入力するパスワードやアカウント情報などに基づいて行う。
課金処理部616は、種々の課金処理(課金の決定処理、課金データの作成処理、保存処理等)を行う。記憶部670の課金情報記憶部676は、課金処理部616の課金処理の対象となる課金情報を記憶する。
管理処理部618は、サーバの各種の管理処理を行う。例えば、サーバが提供する各種サービスの管理処理や、サーバ管理情報などの各種情報の管理処理を行う。
例えばプレーヤは、サーバシステム500が提供するサービスを利用するために、所定の手続きを行ってアカウントを取得する。取得したアカウントと対応づけられるパスワードを入力してログインすることで、プレーヤは、ネットワークゲームのプレイや、ゲーム用サイトでのサービスや、アイテム等のオンライショッピングや、プレーヤ間でのメッセージ交換や、フレンドユーザの登録などの各種サービスを利用できるようになる。管理処理部618は、このようなプレーヤのアカウント情報の管理処理等も行う。
表示処理部620は、端末装置TMなどの表示部に画像を表示するための処理を行う。例えば当該画像を生成するための画像生成用データを生成する。或いは端末装置TMなどの表示部に画像を表示する制御を行ってもよい。音処理部630は、端末装置TMなどの音出力部から音を出力するための処理を行う。例えば、当該音(音声、ゲーム音、効果音)を生成するための音生成用データを生成する。或いは端末装置TMなどの音出力部から音を出力する制御を行ってもよい。ここで、画像を生成するための画像生成用データとは、本実施形態の手法により生成された画像を端末装置TM等において表示するためのデータであり、画像データそのものであってもよいし、端末装置TMが画像を生成するために使用する各種データ(表示画面の設定データ、オブジェクトデータ等)であってもよい。音処理部630が生成する音生成用データについても同様である。
操作部660は、システムの管理者(運営者)が種々の情報を入力するためのものである。
記憶部670は各種の情報を記憶する。例えばデータベース形式で各種情報を記憶する。また記憶部670は、処理部600や通信部696などのワーク領域として機能する。記憶部670の機能は、RAM(DRAM、SRAM、VRAM)やSSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)などにより実現できる。
記憶部670は、ゲーム成績情報記憶部672、ゲーム貢献度情報記憶部673、配分情報記憶部674、課金情報記憶部676、ユーザ情報記憶部678を含む。ゲーム成績情報記憶部672は、プレーヤのゲーム成績の情報を記憶する。例えばゲーム(ネットワークゲーム)に参加する複数のプレーヤの各プレーヤのゲームにおける各種の成績(得点、獲得ポイント等)の情報を各プレーヤに関連づけて記憶する。ゲーム貢献度情報記憶部673は、プレーヤのゲーム貢献度の情報を記憶する。例えばゲームに参加する複数のプレーヤの各プレーヤのゲームにおける貢献度(ミッションやステージにおけるプレーヤの貢献割合)の情報を各プレーヤに関連づけて記憶する。配分情報記憶部674のプレーヤの成果物やコストの配分に関する情報を記憶する。例えば成果物やコストの配分率や配分量の情報を記憶する。課金情報記憶部676は、課金処理部616により行われる課金処理の情報を記憶する。ユーザ情報記憶部678は、プレーヤの個人情報(名前、性別、生年月日、メールアドレス等)をユーザ情報として記憶する。例えば、前述したプレーヤのアカウント情報もユーザ情報として記憶される。課金情報記憶部676に記憶される課金情報は、各プレーヤの各アカウント情報に対応づけられる。
情報記憶媒体680(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、HDD、メモリ(ROM等)、或いは光ディスク(CD、DVD、BD)などにより実現できる。
通信部696は、有線や無線のネットワーク510を介して端末装置TM等との通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
図3に本実施形態の端末装置TM(プレーヤ端末、クライアント装置)の構成例を示す。なお、端末装置TMの構成は図3に限定されず、その構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
端末装置TMは、処理部100、操作部160、撮像部162、記憶部170、表示部190、音出力部192、I/F部194、通信部196を含む。
処理部100(プロセッサ)は、操作部160からの操作情報やプログラムなどに基づいて、各種サービス提供のための処理、ゲーム処理、ゲーム成績演算処理、表示処理、或いは音処理などを行う。処理部100は、記憶部170をワーク領域として各種処理を行う。この処理部100の機能は、各種プロセッサ(CPU、GPU等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
処理部100は、入力受け付け部101、受信処理部102、送信処理部104、ゲーム処理部108、ゲーム成績演算部110、配分処理部112、表示処理部120、音処理部130を含む。
入力受け付け部101は、プレーヤ(ユーザ)からの入力情報(プレーヤの操作)の受け付け処理を行う。例えば操作部160を介して入力された情報の受け付け処理を行う。受信処理部102は、サーバシステム500や他の端末装置等の外部装置からの情報の受信処理を行う。送信処理部104は、サーバシステム500や他の端末装置等の外部装置への情報の送信処理を行う。ゲーム処理部108は、各種のゲーム処理を行う。ゲーム成績演算部110はプレーヤのゲーム成績の演算処理を行う。配分処理部112は配分処理を行う。なお、本実施形態のゲーム処理、ゲーム成績演算処理、配分処理は、サーバシステム500と端末装置TMのいずれか一方の処理により実現してもよいし、サーバシステム500と端末装置TMの分散処理により実現してもよい。表示処理部120は、表示部190に画像を表示するための処理を行う。例えば端末装置側で画像を生成する場合には、処理部100で行われる種々の処理(アプリケーション処理、ゲーム処理)の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部190に出力する。サーバ側で画像を生成する場合には、サーバシステムからの画像情報に基づく画像を表示部190に表示する処理を行う。音処理部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音制御を行う。これにより、BGM、効果音、又は音声などが音出力部192から出力されるようになる。
操作部160は、ユーザ(プレーヤ)が、操作情報等の種々の情報を入力するためのものであり、その機能は、操作ボタン、方向指示キー、アナログスティック、レバー、各種センサ(角速度センサ、加速度センサ等)、マイク、或いはタッチパネル型ディスプレイなどにより実現できる。
撮像部162(カメラ)は、被写体の撮像を行うものであり、CCDやCMOSセンサなどの画像センサと、フォーカスレンズ等により構成される光学系などにより実現される。
記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能はRAMやSSDやHDDなどにより実現できる。
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(DVD、CD等)、HDD(ハードディスクドライブ)、或いはメモリ(ROM等)などにより実現できる。処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。この情報記憶媒体180に、本実施形態の各部としてコンピュータ(操作部、処理部、記憶部、出力部を備える装置)を機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶できる。
表示部190は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、LCD、有機ELディスプレイ、CRT、或いはHMDなどにより実現できる。音出力部192は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
I/F(インターフェース)部194は、携帯型情報記憶媒体195とのインターフェース処理を行うものであり、その機能はI/F処理用のASICなどにより実現できる。携帯型情報記憶媒体195は、ユーザが各種の情報を保存するためのものであり、電源が非供給になった場合にもこれらの情報の記憶を保持する記憶装置である。携帯型情報記憶媒体195は、ICカード(メモリーカード)、USBメモリー、或いは磁気カードなどにより実現できる。
通信部196は、ネットワーク510を介してサーバシステム500や他の端末装置等の外部装置との間で通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
なお本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、サーバシステム(ホスト装置)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部196を介して情報記憶媒体180(あるいは記憶部170)に配信してもよい。このようなサーバシステムによる情報記憶媒体の使用も本発明の範囲内に含めることができる。
図4に端末装置TMが業務用のゲーム装置である場合の例を示す。図4のGM1〜GM4の各ゲーム装置は、図3の表示部190として機能するモニター10を有する。モニター10は例えばドーム形状のモニターであり、プロジェクションマッピング等により迫力のある画像が映し出される。またGM1〜GM4の各ゲーム装置は、図3の操作部160として機能する操作レバー22、23及びペダル24、25や、カードリーダ28などを有する。プレーヤは、ゲーム装置のシートに着座し、操作レバー22、23、ペダル24、25などを操作して、チーム対戦のゲーム(ロボット対戦ゲーム、戦闘機ゲーム)を楽しむ。また、プレーヤが所持するゲームカード(広義には携帯型情報記憶媒体)をカードリーダ28にタッチすることで、プレーヤの認証用情報をサーバシステム500に送信したり、自身のユーザ情報等をサーバシステム500からダウンロードして呼び出すことができる。
なお本実施形態における各プレーヤの端末装置間の通信接続はインターネットなどの広域ネットワークによる通信接続には限定されない。例えば図4のゲーム装置GM1〜GM4は、インターネットを含むネットワーク510によりサーバシステム500と通信接続されている。しかしながら、ゲーム装置GM1〜GM4は、このようなインターネットを含むネットワーク510ではなく、店舗内(ゲーム施設内)のローカルエリアネットワークのみにより通信接続されていてもよい。
そして本実施形態では図2に示すように、ゲームシステムであるサーバシステム500(或いは端末装置TM)が、ゲーム処理部608(ゲーム処理部108)、ゲーム成績演算部610(ゲーム成績演算部110)、配分処理部612(配分処理部112)を含む。
なお以下では、本実施形態のゲームシステムがサーバシステム500により実現される場合を主に例にとり説明するが、本実施形態はこれに限定されず、ゲームシステムを端末装置TMにより実現したり、サーバシステム500と端末装置TMの分散処理により実現してもよい。
ゲーム処理部608(ゲーム処理部108)はゲーム処理を行う。具体的には、複数のプレーヤがプレイするゲームの処理を行う。例えばネットワーク510を介したマルチプレーヤゲームの処理を行う。このマルチプレーヤゲームは、携帯型通信端末や携帯型ゲーム装置等を、インターネットを含む広域ネットワークで通信接続して実現するものであってもよいし、業務用のゲーム装置等をローカルエリアネットワークで通信接続して実現するものであってもよい。またマルチプレーヤゲームとしては、例えば複数のプレーヤがチームを組んで共同プレイ(協力プレイ)するようなゲームを想定できるが、これには限定されない。なお、ゲーム処理としては、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、或いはゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などがある。
ゲーム成績演算部610(ゲーム成績演算部110)は、プレーヤのゲーム成績を演算する。具体的には、複数のプレーヤの各プレーヤのゲーム成績(ゲーム貢献度)を演算する。例えば各プレーヤの得点や獲得ポイントなどのゲーム成績の演算処理や、ゲームクリア条件の判定処理などを行う。演算されたゲーム成績の情報は、例えば各プレーヤに対応づけられてゲーム成績情報記憶部672に記憶される。また、各プレーヤのゲーム成績等はプレーヤの端末装置TMの表示部に表示される。この表示処理は表示処理部620(表示処理部120)により行われる。
配分処理部612(配分処理部112)は、成果物やコストについての配分処理を行う。例えば前のゲームに参加したプレーヤと次のゲームに参加するプレーヤとの合致度(合致度合い、合致態様)が所与の合致条件を満たしたか否かを判断する。そして配分処理部612は、合致条件が満たされた場合に、前のゲームにおける各プレーヤのゲーム成績及びゲーム貢献度の少なくとも一方に基づいて、次のゲームにおいて各プレーヤに与えられる成果物の配分処理、又は次のゲームにおいて各プレーヤが負担するコストの配分処理を行う。
ここで合致条件は、前のゲームに参加したプレーヤと次のゲームに参加するプレーヤの合致度合いや合致態様が、所与の基準を満たしたかを判断するための条件である。例えば、前のゲームの参加プレーヤと次のゲームの参加プレーヤが完全に一致していなくても、当該合致条件を満たしている場合には、これらは実質的に一致していると見なすようにする。また、前のゲームは、例えば第nのゲーム(nは自然数)であり、次のゲームは、第nのゲームの次の第n+1のゲームである。例えば第nのゲームの終了時にコンティニュープレイを選択することでプレイできる第n+1のゲームである。
またゲーム成績は、ゲーム結果やゲームクリア度についてのプレーヤの優劣の度合いを表す指標となるものである。例えばゲーム成績は、ゲームでのプレーヤの得点、プレーヤが獲得した各種のポイント、或いはゲームにおけるミッションやステージのクリア度合いなどである。ゲーム貢献度は、1つのゲームを複数のプレーヤが例えば共同(協力)でプレイした場合において、ゲーム成績の獲得や、ミッションやステージなどのゲーム目標の達成に関して、複数のプレーヤの各プレーヤが貢献した度合いを表す指標となるものである。例えばゲーム貢献度は、チームとしてゲーム成績や、ミッションやステージなどのゲーム目標の達成において、チームを構成する各プレーヤの貢献度を表す情報である。
また成果物は、ゲーム終了時にゲームプレイの成果としてプレーヤ(チーム)に与えられるものである。例えばゲームプレイの成果としてプレイに与えられるゲームパラメータ値(経験値等)や、ゲーム内通貨などのポイントや、或いは各種のアイテムなどである。またコストは、ゲームをプレイするためにプレーヤが負担するものであり、例えばゲームをプレイするために必要なゲーム料金や各種のポイントなどである。例えばコストは、ゲームプレイのためにプレーヤが支払うゲーム内通貨や現実通貨などである。或いは、ゲームプレイをするのに、プレーヤが所持する何らかのポイントの消費が必要な場合に、当該ポイントもコストとなる。
本実施形態では、前のゲームの参加プレーヤと次のゲームの参加プレーヤについて合致条件が満たされた場合に、前のゲームにおける各プレーヤのゲーム成績やゲーム貢献度の情報が、ゲーム成績情報記憶部672やゲーム貢献度情報記憶部673から読み出される。そして各プレーヤのゲーム成績やゲーム貢献度に応じて、次のゲームにおいて当該各プレーヤに与えられる成果物の配分処理や各プレーヤが負担するコストの配分処理が行われる。例えばゲーム成績やゲーム貢献度が高い場合には、当該プレーヤに対する成果物の配分割合は大きくなる。或いはプレーヤが負担するコストの配分割合は小さくなる。一方、ゲーム成績やゲーム貢献度が低い場合には、当該プレーヤに対する成果物の配分割合は小さくなる。或いはプレーヤが負担するコストの配分割合が高くなる。
また配分処理部612は、合致度が合致条件を満たしたか否かを、例えば各プレーヤが入力した入力情報に基づいて判断する。例えば複数のプレーヤの各プレーヤの各端末装置において各プレーヤが操作部を用いて入力した入力情報に基づいて、前のゲームと次のゲームの参加プレーヤの合致度を判定する。即ち、合致条件が満たされたか否かを判断する。ここで入力情報は、例えば前のゲームにおいて各プレーヤに提示されたパスワード(合い言葉)などである。例えば入力情報は、参加プレーヤの合致度をネットワークを使用せずに判断するための情報であり、例えば文字や数字で構成される情報である。このパスワード等の入力情報を用いることで、ゲームシステムは、前のゲームの参加プレーヤと次のゲームの参加プレーヤの合致度(合致条件)を判断できる。
また配分処理部612は、合致度が合致条件を満たしたか否かを、各プレーヤの端末装置が通信接続されるネットワークを介して通信される認証用情報に基づいて判断してもよい。例えば端末装置でプレイするプレーヤが、携帯型情報記憶媒体(ゲームカード等)を使用すると、携帯型情報記憶媒体に記憶される認証用情報に基づいて、プレーヤの認証処理が行われる。このような認証処理の結果に基づいて、サーバシステム500は、前のゲームに参加したプレーヤや、次のゲームに参加したプレーヤを認識することができ、この認識結果に基づいて、前のゲームの参加プレーヤと次のゲームの参加プレーヤの合致度(合致条件)を判断できる。
また配分処理部612は、前のゲームに参加したプレーヤと次のゲームに参加するプレーヤの一致人数が所定人数以上である場合又は一致人数率が所定率以上であった場合に、合致度が合致条件を満たしたと判断する。即ち前のゲームと次のゲームの参加プレーヤが合致(実質的な一致)したと判断する。そして配分処理部612は、前のゲームにおける各プレーヤのゲーム成績及びゲーム貢献度の少なくとも一方に基づいて、次のゲームにおいて各プレーヤに与えられる成果物の配分処理又は各プレーヤが負担するコストの配分処理を行う。
或いは配分処理部612は、前のゲームでのゲーム成績又はゲーム貢献度が最も高かったプレーヤと、前のゲームでのゲーム成績又はゲーム貢献度が最も低かったプレーヤが、次のゲームに参加した場合に、合致度が合致条件を満たしたと判断してもよい。例えば前のゲームでのゲーム成績又はゲーム貢献度が最も高かったプレーヤは、次のゲームでの成果物の配分割合が高くなったり、負担するコストの配分割合が低くなることが想定される。また前のゲームでのゲーム成績又はゲーム貢献度が最も低かったプレーヤは、次のゲームでの成果物の配分割合が低くなったり、負担するコストの配分割合が高くなることが想定される。従って、公平等を期するために、これらのプレーヤが次のゲームにおいて参加した場合に、合致条件が満たされたと判断するようにする。これにより、これらのプレーヤが次のゲームに参加することを効果的に促すことが可能になる。
また前のゲームにおける第1のプレーヤのゲーム成績又はゲーム貢献度の方が、前のゲームにおける第2のプレーヤのゲーム成績又はゲーム貢献度よりも低いと判断されたとする。この場合に配分処理部612は、次のゲームにおいては、第1のプレーヤの方が第2のプレーヤに比べて、成果物又はコストの配分がより不利になるように、配分処理を行う。即ち、前のゲームにおいてゲーム成績やゲーム貢献度が低かった第1のプレーヤが、ゲーム成績やゲーム貢献度が高かった第2のプレーヤに比べて、次のゲームでの成果物の配分割合が低くなったり、次のゲームの開始に必要なゲーム料金等のコストが高くなるようにする。成果物やコストの配分が不利とは、当該プレーヤに対する成果物やコストの配分が、ゲームにおいて他のプレーヤに比べて不利となるような配分である。
具体的には配分処理部612は、前のゲームにおける第1のプレーヤのゲーム成績やゲーム貢献度の方が、前のゲームにおける第2のプレーヤのゲーム成績又はゲーム貢献度よりも低いと判断される場合には、第1のプレーヤの方が第2のプレーヤに比べて、成果物の配分率又は配分量が低くなるように配分処理を行う。或いはコストの配分率又は配分量が高くなるように配分処理を行う。別の言い方をすれば、第2のプレーヤの方が第1のプレーヤに比べて、成果物の配分率又は配分量が高くなるように配分処理を行ったり、コストの配分率又は配分量が低くなるように配分処理を行う。
成果物やコストの配分率は、複数のプレーヤの成果物やコストの配分に対する、当該プレーヤの成果物やコストの配分の割合を示すものである。成果物やコストの配分量は、当該プレーヤに割り当てられる成果物やコストの量(個数、金額、ポイント等)を表すものである。例えば成果物、コストの配分率、配分量の情報は、配分処理部612により演算されて、配分情報記憶部674に記憶される。
また配分処理部612は、前のゲームの終了後、又は次のゲームの開始前に、各プレーヤが行った再調整操作入力に基づいて、成果物又はコストの配分の再調整処理を行う。例えば前のゲームの終了後や次のゲームの開始前に、成果物又はコストの配分の再調整を行うための調整画面を表示する。そして、この調整画面において、例えば所与の期間(制限時間)の間、各プレーヤによる再調整操作入力を受け付ける。そして配分処理部612により演算されて調整された成果物又はコストの配分率や配分量などが、各プレーヤの再調整操作入力の情報に基づき再調整される。
例えば配分処理部612は、所与の期間の間、各プレーヤによる再調整操作入力を受け付ける。そして、この所与の期間が経過する前(制限時間が経過する前)に、複数のプレーヤにより成果物又はコストの配分の承認があったとする。例えば成果物又はコストの配分を承認するプレーヤの操作入力が受け付けられたとする。この場合には、再調整操作入力の受け付けを終了する。即ち、制限時間である所与の期間が経過する前であっても、参加プレーヤの例えば全員の承認があった場合には、再調整操作入力の受け付けを終了し、それ以降は、当該再調整操作入力を受け付けないようにする。
また配分処理部612は、再調整処理における成果物又はコストの配分の再調整を制限する処理を行う。例えばプレーヤの再調整操作入力に基づいて成果物又はコストの配分の再調整処理を行う場合に、過度な再調整処理が行われないように制限する。例えば制限時間が経過する前であっても、プレーヤによる再調整量(再調整ポイント)が所定の閾値に達した場合には、当該プレーヤによるそれ以降の成果物やコストの再調整を禁止する。この再調整の制限処理は、再調整量自体の制限のみならず、再調整の回数等を制限することなどにより実現できる。
また配分処理部612は、前のゲームの終了後又は次のゲームの開始前に、成果物又はコストの配分についてプレーヤに確認させる確認処理を行い、確認処理の後に、成果物又はコストの配分の再調整処理を行う。例えば、前のゲームの終了後又は次のゲームの開始前に、成果物又はコストの配分についてプレーヤに確認させるための確認画面を表示する。プレーヤは、この確認画面において、前のゲームのゲーム成績やゲーム貢献度に応じて設定された成果物又はコストの配分の状況を確認する。そして確認後に、例えばプレーヤによる再調整操作入力に基づいて、成果物やコストの配分の再調整処理を行う。こうすることで、前のゲームのゲーム成績やゲーム貢献度に応じて設定された配分の状況を、プレーヤに確認させ、当該配分を適切でないと判断したプレーヤは、例えば再調整処理の画面において、自身の意思に従って、成果物やコストの配分の再調整を行うことが可能になる。
また、前のゲームにおけるゲーム成績及びゲーム貢献度の少なくとも一方に応じた成果物の配分を第1の成果物配分とし、次のゲームにおけるゲーム成績及びゲーム貢献度の少なくとも一方に応じた成果物の配分を第2の成果物配分としたとする。この場合に配分処理部612は、第1の成果物配分と第2の成果物配分のいずれにするかをプレーヤの選択入力に基づき選択する処理を行う。即ち、第1の成果物配分と第2の成果物配分のいずれにするかをプレーヤに選ばせる。或いは、第1の成果物配分と第2の成果物配分のうちより良い方の成果物配分を選択する処理を行う。例えばより良い方の成果配分を配分処理部612が自動的に選択する。こうすることで、例えば複数のプレーヤのうち例えば最もゲーム成績が良かったプレーヤは、第1の成果物配分と第2の成果物配分のうちより良い方の成果物配分を受けることができるようになる。
なお以上では、本実施形態のゲーム処理、ゲーム成績演算処理、配分処理等を、図2のサーバシステム500が行う場合について説明したが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、上記に説明した本実施形態のゲーム処理(対戦処理)、ゲーム成績演算処理、配分処理等の一部又は全部を図3の端末装置TMが行うようにしてもよい。この場合には、端末装置TM(或いは端末装置とサーバシステムが連携したシステム)が本実施形態のゲームシステムとして機能することになる。
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について詳細に説明する。なお、以下では、複数のプレーヤがプレイするゲームが、複数のプレーヤが共同(協力)して行うマルチプレーヤゲームである場合について説明するが、本実施形態はこれに限定されず、種々の変形実施が可能である。また、以下では本実施形態が適用されるゲームが、戦闘機を用いた対戦ゲームである場合について主に説明するが、本実施形態はこれに限定されず、このような対戦ゲーム以外の種々のゲーム(アクションゲーム、競争ゲーム、カードゲーム、或いは音楽ゲーム等)に適用できる。
2.1 成果物、コストの配分処理
図5は、本実施形態の手法が適用可能なゲームの一例を示すものである。このゲームは、いわゆるチーム対抗モードのゲームである。このゲームでは、オンライン上でリアルタイムにゲームを楽しんでいる味方プレーヤPL1〜PL4が、各自の機体・武器を選んで、最大で4機の戦闘機MB1〜MB4(広義には移動体)のチームを編成する。競争相手となる他のプレーヤPL5〜PL8も同様に最大で4機の戦闘機MB5〜MB8のチームを編成し、同じ陣営に属して戦果を競い合うライバル部隊として、一斉に出撃する。
ゲームのルールは、所定の制限時間内に、マップ上のA1〜A3に示す拠点に配置される敵軍のNPC(Non Player Character)に対して自由に攻撃を仕掛け、メンバーの合計スコアが、より高いチームが勝利となる。各自の機体が得意とする敵に対して分担して攻撃(例えば攻撃機は対地攻撃メイン、戦闘機は空中戦メイン)を行うのが、勝利するためのセオリーとなる。このゲームでは、仲間のプレーヤ達を気にかけつつ、自分がやりたい時・やるべき時・やれる時・やれる範囲で、味方と助け合いながら、ゲームをプレイし、自分の腕前の良さも実感できるゲームとなっている。ライバルチームも高得点を目指して戦闘しているため、高得点の敵NPCをライバルに先んじて撃破したり、ライバルが、手強い高得点の敵NPCに手こずっている間に、弱い敵NPCを大量に破壊して得点を稼ぐなど、様々な戦略を楽しむことができる。
制限時間が経過してゲームが終了すると、両部隊のそれぞれのメンバーの敵撃破スコアを合算して、部隊のトータルスコアを算出し、より高いスコアのチームが勝利となる。勝利すれば、ライバルチームに勝った達成感を得ることができ、敗北したとしても、自分なりの活躍の仕方で貢献したパイロットとして評価される達成感を得ることが可能になる。
このようなマルチプレーヤゲームにおいては、1人用のシングルプレーヤゲームとは異なり、複数のプレーヤが例えばチーム等のグループを形成して共同でゲームをプレイする。そして、これらの複数のプレーヤの中には、ゲーム成績やゲーム貢献度が高いプレーヤもいれば、ゲーム成績やゲーム貢献度が低いプレーヤもいる。ここでゲーム成績は、例えば敵機の撃墜数等に応じて各プレーヤが単独で獲得した得点などである。このゲーム成績は、他のプレーヤのゲーム成績等に依存せずに、各プレーヤのゲームプレイで単独で獲得された得点等の成績である。ゲーム貢献度は、チーム(広義にはグループ)の勝利(広義には目的達成)に対する各プレーヤの貢献度を表す指標である。例えば敵機の撃墜数が少なく、プレーヤの単独でのゲーム成績が悪くても、敵陣の撃破において活躍したり、攻撃陣の後方支援(偵察、防御等)として活躍したり、チームの勝利のために課金アイテムを多く消費したプレーヤは、チームの勝利に貢献したとして、ゲーム貢献度は高くなる。なおゲーム貢献度は、チームの総得点に対する各プレーヤの得点の割合などであってもよい。
このようなゲームでは、前のゲームが終了すると、例えばコンティニュープレイの選択画面等が表示され、各プレーヤが次のゲームのコンティニュープレイを選択すると、次のゲームが開始する。次のゲームでは、プレーヤは、前のゲームのミッションとは異なるミッションのゲームプレイを行ったり、前のゲームのステージの次のステージでのゲームプレイを行う。或いは、前のゲームのミッションやステージの続きのゲームプレイを行う。
この場合に、前のゲームにおいてゲーム成績やゲーム貢献度が低かったプレーヤは、悪い成績で他のプレーヤの足を引っ張ってしまったという自責の念がある場合が多い。このため、次のゲームのコンティニュープレイを行うことを躊躇してしまい、次のゲームにおいて同じメンバーでチーム等を組むことが難しくなるなどの問題が生じる。例えば仲の良いプレーヤ同士でチームを組んで楽しんでいるのに、ゲーム成績やゲーム貢献度が悪かったプレーヤが次のゲームをプレイせずに、チームのメンバーが欠けてしまうと、他のプレーヤのゲーム意欲も減退してしまう。このため、同じメンバーでゲームのコンティニュープレイを行うことの妨げとなってしまい、同じメンバーでミッションやステージを次々とクリアして行くというマルチプレイゲームの面白味が半減する。また、メンバーが揃わないことが理由で、コンティニュープレイが行われなくなると、ゲームの稼働率が低下してしまうなどの問題も生じる。
そこで本実施形態では、前のゲームにおいて悪い成績で足を引っ張ってしまったプレーヤが、その償いの念を具体化できるように、次のゲームにおける成果物(報酬)やコスト(負担)についての配分処理を実行する手法を採用している。例えば前のゲームにおいてゲーム成績やゲーム貢献度が低かったプレーヤについては、次のゲームにおける成果物の配分を少なくしたり、次のゲームのプレイに必要なコストの配分を大きくする。
例えば、完了したゲームにおいて、成績によって成果物(獲得物)の配分比率が決定するという従来技術はあるが、この従来技術は、終わった結果に対してのものであって、次のゲームプレイを行うモチベーションには成り得なかった。また次のゲームでの成果物の配分やコストの配分は、複数のプレーヤに対して均等に配分されるのが一般的であった。
これに対して本実施形態では、完了した前のゲームの結果によって、次のゲームにおける成果物やコストの配分の優遇・不遇を設定する。従って、前のゲームの結果(ゲーム成績、ゲーム貢献度)が悪かったプレーヤは、前戦の負い目を感じることなく(或いは負い目が少なく)、次のゲームをプレイ可能となる。また前のゲームの結果が良かったプレーヤは、高い報酬の確約を得ることができるという利点もある。なお、前のゲームの結果が良かったプレーヤが、次ゲームにおいて、確約されていた報酬よりも良いプレイをした場合には、良かった結果の方が選択されるようにしてもよい。
このようなゲームシステムを実現するために本実施形態では、複数のプレーヤがプレイするゲームの処理を行う。これらの複数のプレーヤは、例えばチーム等のグループ(メンバー)を構成している。そして各ゲームにおいて、複数のプレーヤの各プレーヤのゲーム成績を演算する。また各プレーヤのゲーム貢献度を演算する。例えば敵撃破数や敵撃破率、得点ゲット数や得点ゲット率、敵陣破壊量や敵陣破壊率、アイテムの課金量や課金率等を演算する。
次に、前のゲームの参加プレーヤと次のゲームの参加プレーヤの合致度が、所与の合致条件を満たしたか否かを判断する。例えば前のゲームの終了後、例えばコンティニュープレイの選択画面が表示され、各プレーヤがコンティニュープレイを選択すると、当該プレーヤは次のゲームをプレイできるようになる。この場合にチーム等を構成する複数のプレーヤについて、前のゲームの参加プレーヤと次のゲーム参加プレーヤの合致度(同じグループに所属するプレーヤの合致度)を判定する。そして合致度が合致条件を満たした場合には、前のゲームにおける各プレーヤのゲーム成績及びゲーム貢献度の少なくとも一方に基づいて、次のゲームにおいて各プレーヤに与えられる成果物の配分処理、又は次のゲームにおいて各プレーヤが負担するコストの配分処理を行う。
例えば図6(A)では、前のゲームでのプレーヤPL1、PL2、PL3、PL4のゲーム成績は、各々、GP1、GP2、GP3、GP4となっている。そして、これらのゲーム成績には、GP1<GP2<GP3<GP4の関係が成り立っており、プレーヤPL1のゲーム成績GP1が最も低く、プレーヤPL4のゲーム成績GP4が最も高い。或いは、前のゲームでのプレーヤPL1、PL2、PL3、PL4のゲーム貢献度は、各々、GC1、GC2、GC3、GC4となっている。そして、これらのゲーム貢献度には、GC1<GC2<GC3<GC4の関係が成り立っており、プレーヤPL1のゲーム貢献度GC1が最も低く、プレーヤPL4のゲーム貢献度GC4が最も高い。
そして次のゲームにおいては、前のゲームと同じプレーヤPL1、PL2、PL3、PL4が参加しており、前のゲームの参加プレーヤと次のゲームの参加プレーヤは合致していると判定されている。なお前のゲームの参加プレーヤと次のゲームの参加プレーヤは例えば同じグループ(チーム等)に属しているとすることができる。
そして、次のゲームにおけるプレーヤPL1、PL2、PL3、PL4の成果物の配分率を、各々、RSR1、RSR2、RSR3、RSR4とする。この場合に本実施形態では、RSR1<RSR2<RSR3<RSR4の関係が成り立っている。即ち、プレーヤPL1に対する成果物の配分率RSR1が最も低く、プレーヤPL4に対する成果物の配分率RSR4が最も高い。なお配分率ではなく配分量で考えると、次のゲームにおけるプレーヤPL1、PL2、PL3、PL4の成果物の配分量は、各々、RSA1、RSA2、RSA3、RSA4となっており、RSA1<RSA2<RSA3<RSA4の関係が成り立っている。
このようにすれば、例えば前のゲームにおいてゲーム成績やゲーム貢献度が低かったプレーヤPL1については、次のゲームでの成果物の配分率(配分量)が低くなる。これにより前のゲームにおいて悪い成績で足を引っ張ってしまったプレーヤPL1は、その償いの念を具体化できるようになる。一方、前のゲームにおいてゲーム成績やゲーム貢献度が高かったプレーヤPL4については、次のゲームでの成果物の配分率(配分量)が高くなる。これにより、前のゲームの成績が良かったプレーヤPL4は、次のゲームにおける高報酬の確約を得ることが可能になる。
例えば従来の手法では、次のゲームの結果に基づき複数のプレーヤに与えられる成果物は、複数のプレーヤに対して均等配分されるのが一般的であった。また、次のゲームをプレイするためのコストの負担も、複数のプレーヤにおいて均等配分されるのが一般的であった。
この点、本実施形態では、このような成果物やコストの均等配分は行わずに、前のゲームの結果に基づき設定された配分率(配分量)で、次のゲームでの成果物の配分やコストの配分を行っており、この点において本実施形態の手法は従来の手法とは異なる。なお本実施形態では、前のゲームの結果に基づき設定された配分と次のゲームの結果に基づく配分を組み合わせて、成果物やコストの配分処理を行ってもよい。
なお成果物としては、例えばゲームプレイの成果としてプレーヤに与えられる経験値等のゲームパラメータ値がある。例えば経験値等のゲームパラメータ値が増加すると、プレーヤのレベル等が増加し、より高いレベルのミッションやステージにプレーヤは挑戦できるようになる。また成果物は、ゲームプレイの報酬として与えられるゲーム内通貨等の各種のポイントであってもよい。当該ポイントを獲得することで、プレーヤは、アイテムや装備品等を購入できるようになる。例えば課金により購入できる物を取得できるようになる。また成果物は、ゲーム等において効果を発生するアイテムや、武器、防具等の装備品であってもよい。アイテムとしては、手に入れた時点で即座に効果が発生して消費されるものや、手に入れたアイテムをプレーヤが操作することで効果が発生するものなどがある。このアイテムの中には入手が困難なレアアイテムと呼ばれるものもある。そして、このようなアイテムや装備品が成果物としてプレーヤに付与されることで、ゲーム内通貨等のポイントを消費しなくても、当該アイテムや装備品をプレーヤは取得できるようになる。
また図6(B)においても、前のゲームでのプレーヤPL1、PL2、PL3、PL4のゲーム成績には、GP1<GP2<GP3<GP4の関係が成り立っており、ゲーム貢献度には、GC1<GC2<GC3<GC4の関係が成り立っている。
そして、次のゲームにおけるプレーヤPL1、PL2、PL3、PL4のコストの配分率を、各々、CSR1、CSR2、CSR3、CSR4とする。この場合に本実施形態では、CSR1>CSR2>CSR3>CSR4の関係が成り立っている。即ち、プレーヤPL1に対するコストの配分率CSR1が最も高く、プレーヤPL4に対するコストの配分率CSR4が最も低い。なお配分率ではなく配分量で考えると、次のゲームにおけるプレーヤPL1、PL2、PL3、PL4のコストの配分量は、各々、CSA1、CSA2、CSA3、CSA4となっており、CSA1>CSA2>CSA3>CSA4の関係が成り立っている。
このようにすれば、例えば前のゲームにおいてゲーム成績やゲーム貢献度が低かったプレーヤPL1については、次のゲームでのコストの配分率(配分量)が高くなる。これにより前のゲームにおいて悪い成績で足を引っ張ってしまったプレーヤPL1は、次のゲームをプレイするために、より多くのコスト(ゲーム料金、ポイント)を支払うことで、その償いの念を具体化できるようになる。一方、前のゲームにおいてゲーム成績やゲーム貢献度が高かったプレーヤPL4については、次のゲームでのコストの配分率(配分量)が低くなる。これにより、前のゲームの成績が良かったプレーヤPL4は、次のゲームを、少ないコスト(ゲーム料金、ポイント)を支払うだけでプレイできるようになり、その負担を減らすことができる。
なおコストとしては、例えば次のゲームをプレイするために必要なゲーム料金や各種のポイントを想定できる。このゲーム料金やポイントは、例えばゲーム内通貨であってもよいし、現実通貨であってもよい。
以上のように本実施形態によれば、既に完了した前のゲームでの結果(ゲーム成績、ゲーム貢献度等)に基づいて、次のゲームでの成果物やコストの配分が設定される。従って、前のゲームの結果が悪かったプレーヤは、成果物が低報酬となったり、ゲームプレイに必要なコストが高くなるため、前のゲームの戦いでの負い目等を感じることなく、次のゲームを行うことが可能になる。また前のゲームの結果が良かったプレーヤは、高報酬の成果物の確約を得たり、低コストで次のゲームをプレイすることが可能になる。
従って、前のゲームの結果が悪かったプレーヤも良かったプレーヤも、次のゲームに積極的に参加するようになり、例えば同じメンバーでミッションやステージを次々とクリアして行くというマルチプレイゲームの面白味を向上できる。また、メンバーが揃わないことが理由で、コンティニュープレイが行われなくなる事態が生じにくくなり、ゲームの稼働率の向上も図れるようになる。
2.2 合致条件の判定
本実施形態では、上述のような成果物やコストの配分処理を行う前提として、前のゲームの参加プレーヤと次のゲームの参加プレーヤの合致度を判定する。そして合致度が合致条件を満たした場合に、上記の成果物やコストの配分処理を実行する。
この場合に合致度が合致条件を満たしたか否かは、例えば各プレーヤが入力した入力情報に基づいて判断できる。例えばゲーム装置においてプレーヤが入力したパスワード等の入力情報に基づいて判断できる。
例えば図7(A)では、前のゲームの終了時に、次のゲームのパスワード(合い言葉)が表示されている。プレーヤは、このパスワードを例えばメモするなどして覚えておく。そして図7(B)に示すように、次のゲームをプレイするためのコンティニュー画面が表示され、コンティニュープレイを行うことを選択すると、図7(C)に示すパスワード入力画面が表示される。そしてプレーヤは図7(A)で表示されたパスワードを入力情報として、図7(C)のパスワード入力画面で入力する。
ここで図7(A)のパスワード表示画面では、前のゲームにおいて一緒にプレイしたプレーヤ(例えば同じチームに所属してプレイしたプレーヤ)に対しては、同じパスワード(同じ文字・数字等で構成されるパスワード)が表示される。例えばプレーヤPL1〜PL4がチーム等を組んで一緒にプレイした場合には、これらのプレーヤPL1〜PL4に対して同じパスワードが表示される。
そして次のゲームにおいて、これらのプレーヤPL1〜PL4が当該パスワードを図7(C)のパスワード入力画面において入力した場合には、前のゲームの参加プレーヤと次のゲームの参加プレーヤは合致したと判断できる。一方、次のゲームにおいて、異なるパスワードを入力したプレーヤが居る場合には、前のゲームの参加プレーヤと次のゲームの参加プレーヤは合致していないと判断できる。なお、合致度の判定に使用される入力情報は図7(A)のように画面上に表示されるパスワードには限定されず、種々の変形実施が可能である。例えばプレーヤが、他の連絡手段(スマートフォン、携帯電話等)を利用して連絡し合った合い言葉などを用いて、合致度を判定してもよい。
また合致度が合致条件を満たしたか否かを、各プレーヤの端末装置が通信接続されるネットワークを介して通信される認証用情報に基づいて判断してもよい。
例えば図8では、プレーヤの端末装置TM1〜TMnはネットワーク510に通信接続されている。具体的には端末装置TM1〜TMnはネットワーク510を介してサーバシステム500に通信接続されている。そしてTM1〜TMnの各端末装置の各プレーヤが、例えばゲームカード(ICカード等)を図4で説明したカードリーダ28にタッチすると、ゲームカードの情報が認証用情報として、サーバシステム500に送信される。サーバシステム500(ゲームシステム)は、この認証用情報に基づいて、前のゲームの参加プレーヤと次のゲームの参加プレーヤの合致度を判定する。
例えばサーバシステム500は、前のゲームの参加プレーヤがPL1〜PL4であることを、端末装置TM1〜TMnから送信された認証用情報に基づき判断できる。そして、前のゲームの参加プレーヤの認証用情報と次のゲームの参加プレーヤの認証用情報とを比較・解析することで、次のゲームの参加プレーヤが、前のゲームの参加プレーヤPL1〜PL4と合致するか否かを判定できるようになる。
なお、合致度の判定に用いる認証用情報としては種々の情報を想定できる。例えば端末装置TM1〜TMnの端末IDを、認証用情報として用いたり、端末IDとゲームID(各ゲームに対してメーカが付与するID)の組み合わせを、認証用情報として用いてもよい。
また合致度の判定手法としては種々の手法を想定できる。例えば図9(A)では、前のゲームの参加プレーヤと次のゲームの参加プレーヤが完全に一致している。従って、この場合には合致条件が成立していると判定する。
一方、図9(B)では、前のゲームの参加プレーヤと次のゲームの参加プレーヤは、その一部のプレーヤ(PL1、PL2)は一致しているが、その他のプレーヤ(PL3、PL4)は一致していない。従って、この場合には合致条件が不成立と判定する。
なお、前のゲームの参加プレーヤと次のゲームの参加プレーヤの一致人数が所定人数以上である場合や、一致人数率が所定率以上である場合に、合致条件が成立したと判断して、前のゲームの結果(ゲーム成績、ゲーム貢献度)に基づく成果物やコストの配分処理を行うようにしてもよい。別の言い方をすれば、不一致人数が所定人数よりも多い場合や、不一致人数率が所定率よりも大きい場合には、合致条件が不成立と判断し、この場合には、前のゲームの結果に基づく成果物やコストの配分処理を行わないようにする。
例えば図9(A)、図9(B)において、前のゲームと次のゲームの参加プレーヤの一致人数が例えば3人以上である場合や、一致人数率が75%以上の場合には、合致条件が成立したと判断する。別の言い方をすれば、不一致人数が例えば1人よりも多い場合や、不一致人数率が25%よりも大きい場合には、合致条件が不成立と判断する。このようにすれば、前のゲームと次のゲームの参加プレーヤが完全に一致していなくても、前のゲームの結果に基づく成果物やコストの配分処理を実行して、前のゲームの結果が悪かったプレーヤも良かったプレーヤも、次のゲームへの積極的な参加を促すことが可能になる。これにより、同じメンバーでミッションやステージを次々とクリアするマルチプレイゲームの面白味の向上やゲームの稼働率の向上等を図れるようになる。なお、次のゲームに参加せずに欠けてしまったプレーヤについては、配分による因果関係を抹消することが望ましい。例えば次のゲームへの不参加プレーヤについての配分は無効にする。
或いは、前のゲームでのゲーム成績又はゲーム貢献度が最も高かったプレーヤと、前のゲームでのゲーム成績又はゲーム貢献度が最も低かったプレーヤが、次のゲームに参加した場合に、合致度が合致条件を満たしたと判断してもよい。
例えば図9(C)では、前のゲームにおいて、プレーヤPL1はゲーム成績又はゲーム貢献度が最低であり、プレーヤPLNはゲーム成績又はゲーム貢献度が最高となっている。この場合に次のゲームに、これらのプレーヤPL1、PLNが少なくとも参加した場合には、合致条件が成立したと判断する。
即ち、前のゲームでのゲーム成績又はゲーム貢献度が最低のプレーヤPL1については、図6(A)、図6(B)で説明したように、次のゲームでの成果物の配分(配分率、配分量)が最も低くなり、次のゲームでのコストの配分が最も高くなる。一方、前のゲームでのゲーム成績又はゲーム貢献度が最高のプレーヤPLNについては、次のゲームでの成果物の配分が最も高くなり、次のゲームでのコストの配分が最も低くなる。従って、少なくともこれらのプレーヤPL1、PLNが参加したことを条件に、合致条件が成立した判断すれば、これらのプレーヤPL1、PLNの次のゲームへの参加を促して、マルチプレーヤゲームの面白味を向上するという効果を発揮できるようになる。
なお、図9(C)において次のゲームに参加せずに欠けてしまったプレーヤ(例えばPL3)については、配分による因果関係を抹消することが望ましい。例えば次のゲームへの不参加プレーヤについての配分は無効にする。
また、前のゲームでのゲーム成績又はゲーム貢献度が最低なプレーヤPL1に対して、次にゲーム成績又はゲーム貢献度が低いプレーヤや、ゲーム成績又はゲーム貢献度が最高なプレーヤPLNに対して、次にゲーム成績又はゲーム貢献度が高いプレーヤなどを加えて、合致条件を判定してもよい。
2.3 配分処理の具体例
次に本実施形態の配分処理の具体例について説明する。本実施形態では、前のゲームにおける第1のプレーヤのゲーム成績又はゲーム貢献度の方が、前のゲームにおける第2のプレーヤのゲーム成績又はゲーム貢献度よりも低いと判断された場合には、次のゲームにおいては、第1のプレーヤの方が第2のプレーヤに比べて、成果物又はコストの配分がより不利になるように、配分処理を行う。具体的には、第1のプレーヤの方が第2のプレーヤに比べて、成果物の配分率又は配分量がより低くなるように、或いはコストの配分率又は配分量がより高くなるように、配分処理を行う。
例えば図10(A)では、前のゲームにおけるプレーヤPL1〜PL4のゲーム成績、ゲーム貢献度が示されている。ゲーム成績は、例えば各プレーヤの敵撃破数や得点であり、ゲーム貢献度は、例えば各プレーヤの敵陣破壊貢献度やアイテム課金貢献度である。敵陣破壊貢献度は、敵陣を破壊するために各プレーヤがどの程度貢献したかを表す指標である。アイテム課金貢献度は、ゲームにおいてプレーヤがアイテム課金によりゲーム内通貨等を支払った場合に、そのアイテム課金の支払額の割合等を示すものである。
そしてプレーヤPL1〜PL4のゲーム成績、ゲーム貢献度が図10(A)であった場合に、次のゲームでの成果物配分率が図10(B)に示すようになることが、プレーヤに伝えられる。また、次のゲームでのコスト配分率が図11に示すようになることが、プレーヤに伝えられる。例えばプレーヤPL1〜PL4の成果物配分率を示す画面やコスト配分率を示す画面が、プレーヤの端末装置の表示部に表示される。なお、成果物配分率の画面やコスト配分率の画面を、次のゲームの開始前に表示するようにしてもよい。
図10(A)では、前のゲームでのプレーヤPL1(第1のプレーヤ)のゲーム成績やゲーム貢献度が低く、プレーヤPL4(第2のプレーヤ)のゲーム成績やゲーム貢献度が高くなっている。
このため図10(B)では、プレーヤPL1の方がプレーヤPL4に比べて、成果物の配分がより不利になるように、配分処理が行われている。具体的には、プレーヤPL1の方がプレーヤPL4に比べて、成果物配分率がより低くなるように、配分処理を行われている。例えばプレーヤPL1の成果物配分率は15(15%)であり、プレーヤPL4の成果物配分率である40(40%)よりも低くなっている。
また図11では、プレーヤPL1の方がプレーヤPL4に比べて、コストの配分がより不利になるように、配分処理が行われている。具体的には、プレーヤPL1の方がプレーヤPL4に比べて、コスト配分率がより高くなるように、配分処理を行われている。例えばプレーヤPL1のコスト物配分率は40(40%)であり、プレーヤPL4のコスト配分率である15(15%)よりも高くなっている。
このように成果物配分率、コスト配分率が設定された場合は、次のゲームにおいては図12(A)、図12(B)に示すような成果物、コストの配分処理が行われる。
例えば図12(A)では、次のゲームの終了時に、プレーヤPL1〜PL4のグループ全体の成果物である獲得経験値(広義にはゲームパラメータ値)、獲得ポイント、獲得コイン(広義にはゲーム内通貨)は、各々、1000、400、600であることが示されている。そしてプレーヤPL1、PL2、PL3、PL4の成果物配分率は、各々、15、20、25、40である。従って、獲得経験値=1000、獲得ポイント=400、獲得コイン=600は、これらの成果物配分率=15、20、25、40にしたがって、各プレーヤに配分される。獲得経験値=1000を例にとれば、プレーヤPL1、PL2、PL3、PL4には、各々、150、200、250、400の経験値が配分される。獲得ポイント=400を例にとれば、プレーヤPL1、PL2、PL3、PL4には、各々、60、80、100、160のポイントが配分される。獲得コイン=600を例にとれば、プレーヤPL1、PL2、PL3、PL4には、各々、90、120、150、240のコインが配分される。
このように、前のゲームでのゲーム成績やゲーム貢献度が低かったプレーヤPL1の獲得経験値、獲得ポイント、獲得コインは、各々、150、60、90であり、他のプレーヤPL2、PL3、PL4に比べて少なくなる。一方、前のゲームでのゲーム成績やゲーム貢献度が高かったプレーヤPL4の獲得経験値、獲得ポイント、獲得コインは、各々、400、160、240であり、他のプレーヤPL1、PL2、PL3に比べて多くなる。
また図12(B)では、次のゲームの開始時に、次のゲームをプレイするためのコストであるゲーム料金の配分が示されている。ここでは。ゲーム料金は例えばゲーム内通貨(仮想通貨)であるコインである。そしてプレーヤPL1〜PL4のグループ全体で、次のゲームを行うために必要なコインは例えば500コインである。またプレーヤPL1、PL2、PL3、PL4のコスト配分率は、各々、40、25、20、15である。このため、プレーヤPL1、PL2、PL3、PL4が次のゲームをプレイするために支払うコインは、各々、200、125、100、75コインになる。
このように、前のゲームでのゲーム成績やゲーム貢献度が低かったプレーヤPL1が、次のゲームのプレイのために支払う必要があるコインは200であり、他のプレーヤPL2、PL3、PL4に比べて多くなる。一方、前のゲームでのゲーム成績やゲーム貢献度が高かったプレーヤPL4が、次のゲームのプレイのために支払う必要があるコインは75であり、他のプレーヤPL2、PL3、PL4に比べて少なくなる。
なお、以上では、成果物配分率、コスト配分率に比例した比例配分で成果物、コストを配分する例について説明したが、本実施形態はこれに限定されず、種々の変形実施が可能である。例えば、ゲーム成績やゲーム貢献度が低かったプレーヤPL1に対して、例えば比例配分の場合よりも少ない配分率、配分量で成果物を配分したり、比例配分の場合よりも多い配分率、配分量でコストを配分してもよい。またゲーム成績やゲーム貢献度が高かったプレーヤPL4に対して、例えば比例配分の場合よりも多い配分率、配分量で成果物を配分したり、比例配分の場合よりも少ない配分率、配分量でコストを配分してもよい。また、成果物配分率を引数とする所定の関数(2次関数、3次関数等)や所定の演算テーブルを用いて、成果物を配分したり、コスト配分率を引数とする所定の関数や所定の演算テーブルを用いて、コストを配分してもよい。
2.4 再調整処理
本実施形態では、図10(A)〜図12(B)のようにして調整した成果物又はコストの配分についての再調整が可能になっている。具体的には、前のゲームの終了後、又は次のゲームの開始前に、各プレーヤが行った再調整操作入力に基づいて、成果物又はコストの配分の再調整処理を行う。
図13(A)〜図15は成果物やコストの配分の再調整画面の例である。例えば前のゲームの終了後、又は次のゲームの開始前に、図13(A)に示すような再調整画面が表示される。この再調整画面では、プレーヤが成果物やコストの配分の再調整が可能であることが伝えられる。例えば図13(A)のA1は、図10(A)〜図12(B)で説明した成果物やコストの配分の調整処理により設定された配分率である。プレーヤは、A2に示す残り再調整回数の分だけ、A1に示す配分率の再調整が可能である。またA3に示すように、配分率の再調整に対しては制限時間が設定されており、この制限時間内では、プレーヤの再調整操作入力が受け付けられ、制限時間が経過すると、当該再調整操作入力の受け付けは終了する。
そして例えばプレーヤPL1の配分率を変更する場合は、各プレーヤはA4、A5に示す調整用アイコンを操作する。タッチパネルの場合を例にとれば、A4に示すプラス調整用アイコンにタッチすると、プレーヤPL1の配分率(=15)が増加し、A5に示すマイナス調整用アイコンにタッチすると、配分率が減少する。ここで各プレーヤは、他のプレーヤの配分率(広義には配分)のみならず、自身の配分率の再調整も可能となっている。なお、自身の配分率の再調整は不可にして、他のプレーヤの配分率の再調整だけを可能にするなどの種々の変形実施が可能である。
そして図13(B)のA6では、プレーヤがA4のプラス調整用アイコンを6回タッチしたため、A7に示すように配分率は、図13(A)の「15」から「21」に「+6」だけ増加している。そして配分率を「+6」だけ増加させる操作が行われたため、A8に示すように、この「+6」の分だけ、他のプレーヤの配分率を減少させる必要がある旨を、プレーヤに伝える。
そして例えばプレーヤが、プレーヤPL4の配分率を再調整するA9に示すマイナス調整用アイコンを、例えば6回だけタッチしたとする。すると図14(A)のB1に示すように、配分率が「−6」されたことが伝えられ、B2に示すようにプレーヤPL4の配分率は、図13(B)の「40」から「34」に減少する。そして例えばB3に示す「OK」の確認アイコンにプレーヤがタッチすると、この「+6」、「−6」の一連の再調整処理が完了する。これにより図14(A)のB4に示すように、当該プレーヤの残り再調整回数は、図13(A)のA2に示す10回から4回に減少する。
このようにして、各プレーヤは、図13(A)のA3に示す制限時間内に、再調整操作入力を行って、例えばA2に示す残り再調整回数の分だけ配分率の再調整を行う。そして図14(B)のB5に示すように、残り再調整回数が「0」になると、制限時間の経過前であっても、プレーヤによる配分率の再調整はできなくなる。即ち、プレーヤの再調整操作入力は受け付けられなくなる。そして残り再調整回数が「0」になったプレーヤは、B6に示すように例えば承認アイコンにタッチして、再調整が終了したことをシステムに伝える。
なお、再調整操作入力は、図13(A)、図13(B)で説明したような調整用アイコン等のタッチ操作には限定されない。例えば再調整操作入力は、端末装置の操作ボタン等の操作部を操作するものであったり、音声入力による操作であってもよい。
そして例えば図15のC1に示すように制限時間の経過前であっても、C2、C3、C4、C5の示すように参加プレーヤの全員が承認アイコンをタッチすると、再調整処理は終了し、それ以降はプレーヤの再調整操作入力は受け付けられなくなる。
以上のように本実施形態では、前のゲームの結果によって調整された成果物やコストの配分を、プレーヤの再調整操作入力に基づいて再調整できるようにしている。このようにすれば、前のゲームの結果による配分に対してプレーヤが納得できない場合等に、プレーヤの意思に基づいて、配分を再調整できるようになる。従って、プレーヤの意思をある程度反映させた成果物やコストの配分処理を実現できる。また、図13(A)〜図15に示すような再調整手法を採用すれば、成果物やコストの配分の再調整について、プレーヤ間で様々な駆け引きが生じるようになる。これにより、成果物やコストの配分の再調整という面白さをゲームに付加できるようになり、飽きが来にくい面白味のあるマルチプレーヤゲームの実現が可能になる。
また本実施形態では、この再調整処理における成果物又はコストの配分の再調整を制限する処理も行っている。この制限処理は例えば図13(A)のA2に示す残り再調整回数などにより実現される。プレーヤは、この残り再調整回数を超える再調整操作入力を行うことができず、成果物又はコストの配分の再調整が制限されている。こうすることで、前のゲームの結果に基づき調整された成果物又はコストの配分が、プレーヤの再調整操作入力により過度に変更されてしまう事態等の発生を抑制できる。
なお、残り再調整回数は、参加する各プレーヤに対して一律の回数であってもよいし、各プレーヤに応じて異なる回数であってもよい。例えばプレーヤのゲーム貢献度等に応じて残り再調整回数を増減させてもよい。
また、成果物又はコストの配分の再調整を制限する手法としては、上記のような残り再調整回数によるものに限定されず、種々の変形実施が可能である。例えば調整用アイコンへのタッチ回数自体を制限する手法を採用してもよい。或いは、前のゲームの結果により設定された配分率(配分量)を基準として所与の範囲内に入るように、再調整量を制限する手法を採用してもよい。例えば図13(A)のプレーヤPL1の配分率が「15」である場合に、例えば再調整が可能な範囲を、「15」を基準とした「10〜20」の範囲などに制限する手法を採用してもよい。
また本実施形態では、所与の期間の間、各プレーヤによる再調整操作入力を受け付けると共に、所与の期間が経過する前に、参加する複数のプレーヤ(例えば全員のプレーヤ)により成果物又はコストの配分の承認があった場合には、再調整操作入力の受け付けを終了する。例えば図15のC2、C3、C4、C5では、全ての参加プレーヤの承認があったため、C1に示すように制限時間である所与の期間が経過する前であっても、それ以降のプレーヤによる再調整操作入力は受け付けられなくなる。
例えば図16(A)において、期間TAの間は、成果物やコストの配分の再調整操作入力が受け付けられる。この期間TAは図13(A)のA3に示す制限時間に対応するものである。この時、図13(A)のA2に示すように、残り再調整回数が所定回数に制限されることで、成果物又はコストの配分の再調整の制限処理が実現されている。
そして図16(B)に示すように、この期間TAが経過する前に、図15のC2〜C5に示すように全員の承認があると、再調整操作入力の受け付けが終了する。こうすることで、再調整処理を早期に終わらせて、早期に次の処理に移行できるようになる。
また本実施形態では、前のゲームの終了後又は次のゲームの開始前に、成果物又はコストの配分についてプレーヤに確認させる確認処理を行い、確認処理の後に、再調整処理を行うようにしている。
例えば図16(C)では、前のゲームの終了後に、成果物やコストの配分(配分率又は配分量等)の確認表示が行われる。そしてこの確認表示の後に、確認表示された配分の再調整処理を行う。即ち、期間TAの間、各プレーヤの再調整操作入力を受け付け、この再調整操作入力に基づいて、確認表示された配分の再調整処理を行う。
具体的には図10(B)に示すような成果物配分率の画面を、各プレーヤの端末装置の表示部に表示する。この成果物配分率の画面では、各プレーヤに対する成果物配分率(配分量)が各プレーヤに関連づけて表示される。或いは、図11に示すようなコスト配分率の画面を、各プレーヤの端末装置の表示部に表示する。このコスト配分率の画面では、各プレーヤに対するコスト配分率(配分量)が各プレーヤに関連づけて表示される。
また図16(D)に示すように、次のゲームの開始前に、成果物やコストの配分の確認表示を行い、この確認表示の後に再調整処理を行ってもよい。ここで、次のゲームの開始前とは、例えば前のゲームの終了後にコンティニュー画面が表示される場合に、そのコンティニュー画面の表示タイミングと次のゲームの開始タイミングの間の期間である。
また、例えば再調整処理の期間TAの間、プレーヤ間のチャットをオンにするようにしてもよい。即ち、複数のプレーヤ間でチャットを行うためのチャット画面を表示する。具体的には図2の配分処理部612(112)が、所与の期間TAにおいて、プレーヤ間でチャットを行わせる処理を行う。そして成果物やコストの配分について、プレーヤ間で意見交換できるようにする。例えば図17では、プレーヤPL2とPL1の間でのチャット画面が表示されている。プレーヤPL2は、プレーヤPL1の配分率を「+6」したため、その旨を当該チャット画面において、プレーヤPL1に伝える。すると、プレーヤPL1は、自身の配分率を「+6」してくれたお礼として、プレーヤPL2の配分率も増加させる旨を、プレーヤPL2に対してチャット画面において伝える。
この場合に、例えば互いに配分率や配分量を増減させたという関係にあるプレーヤ間においてだけ、チャット画面をオンにしてもよい。例えば配分処理部612(112)は、第1のプレーヤと第2のプレーヤの間で、成果物又はコストの配分率又は配分量を増減する処理が行われる場合に、第1のプレーヤと第2のプレーヤにチャットを行わせる処理を行う。このようにすれば、利害関係を有するプレーヤ同士の間だけで、配分に関する意見交換ができるようになり、スムーズな処理の進行等を実現できるようになる。
また本実施形態では、前のゲームにおいて良い結果だったプレーヤが、次のゲームにおいて、決定した成果物(報酬)よりも良いプレイをした場合は、良かった結果の方が選択されるようにしてもよい。例えば、前のゲームにおけるゲーム成績及びゲーム貢献度の少なくとも一方に応じた成果物の配分を第1の成果物配分とし、次のゲームにおけるゲーム成績及びゲーム貢献度の少なくとも一方に応じた成果物の配分を第2の成果物配分としたとする。この場合に本実施形態では、第1の成果物配分と第2の成果物配分のいずれにするかをプレーヤの選択入力に基づき選択できるようにする。或いは、第1の成果物配分と第2の成果物配分のうち、より良い方の成果物配分を、システムが自動的に選択する。
例えば図18では、前のゲームの結果(ゲーム成績、ゲーム貢献度)による配分(第1の成果物配分)と、次のゲームの結果(ゲーム成績、ゲーム貢献度)による配分(第2の成果物配分)が、プレーヤに表示されている。そして前のゲームの結果による配分では、成果物である獲得経験値、獲得ポイント、獲得コインが、各々、850、400、600になっている。一方、次のゲームの結果による配分では、獲得経験値、獲得ポイント、獲得コインが、各々、950、600、800になっている。この場合に、プレーヤにとって、より有利な、次のゲームの結果による配分を、プレーヤが選択できるようにする。即ち、プレーヤが、次のゲームの結果による配分を希望する選択入力を行った場合には、前のゲームの結果による配分は無効にして、次のゲームの結果による配分を選択する。これによりプレーヤは、獲得経験値=950、獲得ポイント=600、獲得コイン=800の成果物を得ることが可能になり、その後のゲームを優位に進めることが可能になる。
この場合に、前のゲームの結果による配分(第1の成果物配分)と次のゲームの結果による配分(第2の成果物配分)のうち、より良い方の配分(プレーヤにとってより有利な方の配分)を、自動的に選択するようにしてもよい。例えば図18の場合には、次のゲームの結果による配分の方が、プレーヤにとって有利な配分であるため、次のゲームの結果による配分をシステムが自動的に選択する。
例えば、前のゲームの結果による配分だけにより、成果物が配分されてしまうと、例えば、次のゲームにおいて、前のゲームよりもより良い結果を残したプレーヤにとっては、不満が残る配分になってしまう。この点、図18に示すように、プレーヤに配分の選択権を与えたり、より良い方の配分を自動的に選択する手法を採用すれば、このようなプレーヤの不満等が生じるのを防止できるようになる。
3.詳細な処理
次に本実施形態の詳細な処理例について図19、図20のフローチャートを用いて説明する。
まずゲーム処理を実行し、ゲームが終了したか否かを判断する(ステップS1、S2)。そしてゲームが終了した場合には、各プレーヤのゲーム成績、ゲーム貢献度を演算する(ステップS3)。例えば図10(A)に示すように、敵撃破数、得点等のゲーム成績や、敵陣破壊貢献度、アイテム課金貢献度等のゲーム貢献度を演算する。そして、演算されたゲーム成績、ゲーム貢献度に基づいて、成果物、コストの配分率を演算する(ステップS4)。例えば図10(B)、図11に示すように、各プレーヤの成果物配分率、コスト配分率を演算する。
次に、演算された配分率の表示処理を行い、プレーヤに配分率を確認させる(ステップS6)。即ち図16(C)で説明したような配分の確認表示を行う。そして配分率の再調整処理を行う(ステップS6)。即ち、図13(A)〜図15で説明したように、プレーヤの再調整操作入力に基づいて、成果物やコストの配分率の再調整処理を行う。そして再調整処理が終了した否かを判断し(ステップS7)、再調整処理が終了した場合には図19の一連の処理が終了する。例えば図16(A)、図16(B)で説明したように、所与の期間TAが経過した場合や、参加プレーヤの全員の承認があった場合に、再調整処理が終了する。
図20は成果物やコストの配分処理について示すフローチャートである。まず、前のゲームとの参加プレーヤの合致度を求める(ステップS11)。例えば図7(A)〜図8で説明したように、プレーヤの入力情報や、ネットワークを介して通信される認証用情報に基づいて、参加プレーヤの合致度を判断する。
そして合致度が合致条件を満たしているか否かを判断し(ステップS12)、満たしていない場合には、前のゲームのゲーム結果による配分を行わない通常処理に移行する(ステップS13)。一方、合致条件を満たしている場合には、前のゲームのゲーム成績、ゲーム貢献度による成果物、コストの配分率を、図2の配分情報記憶部674から読み出す。例えば配分情報記憶部674には、図19のステップS4で演算された成果物、コストの配分率の情報、或いはステップS6で再調整された配分率の情報が記憶されており、図20のステップS14ではこの配分率の情報が読み出される。
次に前のゲームでのコストの配分率に基づいて、各プレーヤのゲーム料金を決定する(ステップS15)。例えば図12(C)に示すように各プレーヤのゲーム料金である支払いコインが決定される。そして、ゲーム処理を実行する(ステップS16)。
次に、ゲームが終了したか否かが判断され(ステップS17)、ゲームが終了した場合には、当該ゲームにおける各プレーヤのゲーム成績、ゲーム貢献度を演算する(ステップS18)。そして前のゲームでの成果物の配分率に基づいて、各プレーヤに与える成果物を決定して配分する(ステップS19)。例えば図12(A)に示すように各プレーヤに与える獲得経験値、獲得ポイント、獲得コインなどの成果物を決定して、各プレーヤに配分する。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語(配分、コスト、ゲームパラメータ値等)と共に記載された用語(配分率・配分量、コイン・ゲーム内通貨、経験値等)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、ゲーム処理、ゲーム成績演算処理、配分処理、再調整処理等も本実施形態で説明したものに限定されず、これらと均等な手法も本発明の範囲に含まれる。