JP2017055259A - 駆動回路制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】並列接続された複数のパワースイッチング素子の負荷を簡易な構成で平衡化する駆動回路制御装置を提供する。
【解決手段】駆動回路制御装置301は、並列接続されたパワーSW素子16、26にゲート信号を出力する複数の駆動回路15、25に対して駆動パルス信号PA、PBを出力し、複数の駆動回路15、25の動作を制御する。平衡制御部34は、パワーSW素子16、26によるSW損失を交替制御一周期の平均で均等とするように、駆動回路15、25毎に駆動パルス信号を生成する。信号出力回路41、42は、個別信号線61、62を経由して、駆動回路15、25に駆動パルス信号PA、PBを出力する。これにより、駆動回路15、25のゲート信号スキュー等にかかわらず、複数のパワーSW素子16、26の負荷を簡易な構成で平衡化することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、パワースイッチング素子にゲート信号を出力する駆動回路の動作を制御する駆動回路制御装置に関する。
インバータやDC/DCコンバータ等において各パワースイッチング素子を複数並列に接続して構成する場合がある。このような構成では、基本的に、電気的仕様が同等である複数のパワースイッチング素子を同一の条件で同時に動作させる。
しかし現実には、駆動回路からパワースイッチング素子へ出力されるゲート信号の遅延ばらつき(スキュー)や、パワースイッチング素子の冷却性能等のばらつきが存在する。そのため、複数のパワースイッチング素子の負荷は均等とならず、負荷が偏重する特定の素子の劣化が進むおそれがある。
例えば特許文献1に開示された「直列および並列に接続された電力半導体スイッチを動的に平衡化する方法」は、状態関数、同期走査タイミングにより複数の電力半導体スイッチの状態を測定して駆動信号を調整し、振幅を適合させて制御偏差を低減する。つまり、複数の電力半導体スイッチのばらつきを補償して動作を揃えることにより、負荷を平衡化しようとするものである。
特許第4764592号公報
例えば、ゲート信号のスキューに着目すると、パワースイッチング素子のスイッチング期間に対してスキューが十分に小さい場合には、従来技術による平衡化手法を適用可能であった。しかし、パワースイッチング素子の動作が高速化すると、スキューがスイッチング期間に対し同等のオーダーになる場合が生じ得る。すると、複数のパワースイッチング素子の動作を揃えることは技術的にも困難であり、コストも増大する。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、並列接続された複数のパワースイッチング素子の負荷を簡易な構成で平衡化する駆動回路制御装置を提供することにある。
本発明は、並列接続された複数のパワースイッチング素子(16、26)にゲート信号を出力する複数の駆動回路(15、25)に対して駆動パルス信号を出力し、複数の駆動回路の動作を制御する駆動回路制御装置に係る。
この駆動回路制御装置は、平衡制御部(34)と、信号出力回路(41、42)とを備える。平衡制御部は、少なくとも、複数のパワースイッチング素子によるスイッチング損失を所定期間での平均で均等にするように、駆動回路毎に駆動パルス信号を生成する。信号出力回路(41、42)は、個別信号線(61、62)を経由して、複数の駆動回路に駆動パルス信号を出力する。
本発明では、複数のパワースイッチング素子が並列接続された並列負荷において、駆動回路のゲート信号スキュー等にかかわらず、複数のパワースイッチング素子によるスイッチング損失を、交替制御一周期等の所定期間の平均で均等にすることができる。これにより、複数のパワースイッチング素子の負荷を簡易な構成で平衡化し、特定のパワースイッチング素子の劣化が進むことを防止することができる。よって、並列負荷が含まれるインバータ、DC/DCコンバータ等のシステムの品質や信頼性の向上を図ることができる。
本発明の好ましい態様では、平衡制御部は、複数のパワースイッチング素子から、一つ以上の「当番素子」、及び、当番素子以外の「非番素子」を順番に交替させるように選定する。そして、当番素子への駆動パルス信号の出力タイミングに対し非番素子への駆動パルス信号の出力タイミングをスイッチング損失調整時間だけ相対的に遅延させるように基準パルス信号をオフセットさせる「交替制御」を実行する。
ここで、スイッチング損失調整時間は、複数の駆動回路によるゲート信号の最大スキューよりも長く設定されることが好ましい。
特許文献1の従来技術では、並列接続された複数のパワースイッチング素子の状態を測定して駆動状態を調整し、制御偏差を低減するのに対し、本発明の制御では、複数のパワースイッチング素子の動作に意図的に差を生じさせ、負荷偏重を発生させる。すなわち、駆動回路のスキューにかかわらず、常に当番素子が負荷を負担する。そして、交替制御の一周期で各パワースイッチング素子が当番素子を輪番し、負荷を均等に負担する。
特許文献1の従来技術のように複数のパワースイッチング素子の動作を揃える必要が無いため、高分解能のタイマ等が不要となり、装置構成を簡易にすることができる。
本発明の別の態様では、複数のパワースイッチング素子の導通負荷状態を検出する素子状態検出部(33)をさらに備える。平衡制御部は、複数のパワースイッチング素子の導通負荷状態の差に応じて、さらに複数のパワースイッチング素子による導通損失を均等にするように、駆動回路毎に駆動パルス信号を生成する。例えば導通負荷状態として素子温度を検出する場合、平衡制御部は、素子温度の高いパワースイッチング素子ほど導通損失を低下させるように駆動パルス信号を生成する。
スイッチング損失調整のための「交替制御」を実施する構成では、交替制御の実行時に、非番素子の素子温度が当番素子の素子温度に対し所定の温度差閾値を超えて高いとき、平衡制御部は、非番素子への駆動パルス信号の出力タイミングをさらに導通損失調整時間だけ相対的に遅延させるように、基準パルス信号をオフセットさせることが好ましい。
第1実施形態による駆動回路制御装置、及び並列負荷の構成図。 第1実施形態による交替制御を示すタイムチャート。 第1実施形態による平衡駆動処理のメインフローチャート。 図3の交替制御のサブフローチャート。 第2実施形態による駆動回路制御装置、及び並列負荷の構成図。 第2実施形態による交替制御を示すタイムチャート。 第2実施形態による平衡駆動処理のメインフローチャート。 図7の交替制御のサブフローチャート。 比較例の並列負荷の構成図。 比較例の駆動パルス信号の伝送を示す図。 比較例の課題を説明するタイムチャート。
以下、複数の実施形態による駆動回路制御装置を図面に基づいて説明する。「本実施形態」というとき、第1及び第2実施形態を包括する。この駆動回路制御装置は、パワースイッチング素子にゲート信号を出力する駆動回路(いわゆるドライバ回路)の動作を制御するものである。特に、本実施形態の駆動回路制御装置は、複数のパワースイッチング素子が並列に接続された並列負荷において、各パワースイッチング素子にゲート信号を出力する複数の駆動回路の動作を統括的に制御するものである。
以下の実施形態の説明では、名詞の前に付く「スイッチング」を「SW」と記す。例えば「スイッチング素子」を「SW素子」と記し、「スイッチング損失」を「SW損失」と記す。一方、動詞として用いる場合は、「スイッチングする」と表記する。
パワーSW素子は、直流電力を交流電力に変換してモータ等に供給するインバータや、直流電圧を昇圧するDC/DCコンバータ等に用いられ、高電流の導通、遮断を切り替える。三相交流インバータでは、三相上下アームの六箇所にパワーSW素子が用いられる。
従来、数十〜数百Vの高電圧システムでは、一般にIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)等が用いられている。なお、本明細書では、IGBTのベース電極をFET(電界効果トランジスタ)と同様に「ゲート」と呼ぶ。各パワーSW素子のゲートには、ON/OFFを切り替えるゲート信号が、対応する駆動回路から入力される。
また、対応する駆動回路及びパワーSW素子は、パワーモジュールの形態で用いられる場合がある。モジュール構造では、駆動回路とパワーSW素子との間の配線インダクタンスの低減が可能となる。したがって、SW損失の低減に有利な高速SWにおいてサージ電圧増大を防ぐために必要となる低インダクタンス化の要求に対応することができる。
ところで、例えばハイブリッド自動車のモータジェネレータに電力供給するシステム等では、インバータの要求出力が機種によって大きく異なる場合がある。その場合、生産量の比較的少ない大出力の機種に合わせて、パワーSW素子やパワーモジュールの定格を決めると、部品コストが高くなる。また、小出力又は中出力の機種に対しては過剰スペックとなり、無駄が生じる。そこで、生産量の多い小中出力の機種に合わせたパワーSW素子やパワーモジュールを標準品とし、大出力用には標準品を複数並列に接続して用いることが効率的である。本実施形態は、このような背景に基づき、並列接続された複数のパワーSW素子にゲート信号を出力する駆動回路の動作制御に関するものである。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
まず図1に、第1実施形態の駆動回路制御装置301、及び、駆動回路制御装置301の適用対象である並列負荷801の概略構成を示す。並列負荷801は、「複数」の単純な例として、二つのパワーモジュール10、20が並列に接続されている。この並列負荷801の一単位が、例えば、三相交流インバータのうちU相上アームの部分に相当する。つまり、三相交流インバータでは、六単位の並列負荷801がブリッジ接続される。
第1パワーモジュール10は、第1駆動回路15及び第1パワーSW素子16を含む。
第1駆動回路15は、動作電源12、ON駆動用スイッチ13、OFF駆動用スイッチ14を含む。ON、OFF駆動用スイッチ13、14は、数V程度の低電圧で動作し、例えばMOSFETで構成される。ON駆動用スイッチ13がONすると、パワーSW素子16のゲートにゲート電圧が印加され、コレクタ−エミッタ間が導通する。OFF駆動用スイッチ14がONすると、ゲート電圧がエミッタと同電位となり、コレクタ−エミッタ間の導通が遮断される。これらのON駆動用スイッチ13及びOFF駆動用スイッチ14の出力信号を合わせてゲート信号という。ゲート信号により、パワーSW素子16のSW動作が制御される。
第2パワーモジュール20は、第2駆動回路25及び第2パワーSW素子26を含む。
第2駆動回路25は、動作電源22、ON駆動用スイッチ23、OFF駆動用スイッチ24を含む。その構成及び作用は第1駆動回路15と同様であるため、説明を省略する。
二つのパワーモジュール10、20を構成する駆動回路15、25、及び、パワーSW素子16、26の電気的仕様は、それぞれ同等である。そして、第1パワーSW素子16及び第2パワーSW素子26は、コレクタ同士、及びエミッタ同士が接続されている。
図1以下の各図では、適宜、第1パワーモジュール10及びその構成要素、又は第1パワーモジュール10に関する信号を記号「A」で示し、第2パワーモジュール20及びその構成要素、又は第2パワーモジュール20に関する信号を記号「B」で示す。
また、図中及び明細書中で、適宜、第1パワーSW素子16を「SWA」、第2パワーSW素子26を「SWB」と記す。
第1駆動回路15(A)及び第2駆動回路25(B)は、基本的に、同一の条件で同時にパワーSW素子16、26(SWA、SWB)を動作させるようにゲート信号を出力する。しかし現実には、駆動回路15、25(A、B)を構成する部品の特性ばらつきや信号線の寄生インダクタンスのばらつき等により、ゲート信号の出力タイミングに遅延ばらつき、すなわちスキューが生じる。特にパワーモジュール10、20では、一つのモジュールICが多くの部品で構成されるため、ゲート信号スキューが大きくなる傾向にある。
ここで、本実施形態の駆動回路制御装置301の構成の説明に先立って、比較例の駆動方式309における問題点について、図9〜図11を参照して説明する。
図9に示すように、比較例の駆動方式309では、基準パルス信号P0が信号出力回路49からそのまま信号線690に出力される。基準パルス信号P0としては、例えばインバータ出力電圧がPWM制御されるシステムにおけるPWM信号等が用いられる。このように比較例には「駆動回路制御装置」と呼べるような構成が存在しないため、単に「駆動方式」という。
信号線690は、駆動回路15、25(A、B)に接続される二つの信号線691、692に分岐する。第1駆動回路15(A)及び第2駆動回路25(B)には、同一の基準パルス信号P0が入力される。なお、分岐後の信号線691、692を等長にすることで寄生インダクタンスを揃えることができる。
図10を参照し、駆動パルス信号がON信号の場合を例として、パワーSW素子16、26(SWA、SWB)への駆動パルス信号の伝送について説明する。A、B共通の駆動パルス信号である基準パルス信号P0がOFFからONに切り替わるタイミングを「基準タイミングt0」とする。
基準パルス信号P0は、共通の信号線690から分岐した信号691、692を経由して駆動回路15、25(A、B)に入力される。駆動回路15、25は、それぞれ、基準パルス信号P0に基づいてパワーSW素子16、26にゲート信号A、Bを出力する。
図11には、SWA、SWBのON動作によるコレクタ−エミッタ電流IA、IB、及び、コレクタ−エミッタ間電圧Vの経時変化を示す。Voは初期電圧、ItgtはON後の目標電流である。
基準パルス信号P0の出力タイミングである基準タイミングt0からゲート信号A、Bの出力タイミングta、tbまでの遅延時間にはばらつき、すなわちスキューが生じる。以下、ゲート信号Bの遅延時間はゲート信号Aの遅延時間より長いものと仮定する。さらに簡単のため、ゲート信号Aの遅延時間はゼロであるとする。
したがって、SWAへのゲート信号Aは、基準タイミングt0と同時のタイミングtaに出力され、SWBへのゲート信号Bは、基準タイミングt0から時差δだけ遅れたタイミングtbに出力される。そして、ゲート信号Aの出力タイミングtaからゲート信号Bの出力タイミングtbまでの時差δが「スキュー」となる。
パワーSW素子16、26(SWA、SWB)は、ゲート信号A、Bに応じてスイッチングする。また、先行するゲート信号Aの出力タイミングtaから両方のパワーSW素子16、26の動作完了時tfまでの期間を「SW期間」とする。
図11の上側には、SW速度が特段に速くない非高速素子の動作を示し、図11の下側には、SW速度が非常に速い高速素子の動作を示す。具体的には、非高速素子のSW期間は0.5μs程度であり、高速素子のSW期間は50ns程度であると仮定する。また、スキューは20ns程度であると仮定する。非高速素子としては例えば従来のIGBTを想定する。
高速素子については、近年の技術進歩に伴ってSW期間は非常に短くなってきており、今後、さらに高速化が進んでいくと予想される。それには、IGBT等の従来素子の性能向上もあり、また、SiC素子やGaN素子等の新たな高速素子も開発されている。例えばSiC−MOSFETは、高耐圧、大電流用途に向いており、50ns程度のSW期間が実現可能である。なお、図1、図9では、パワーSW素子16、26をIGBTの記号で示しているが、MOSFETの記号に置き換えて解釈してもよい。
一般にパワーSW素子のスイッチング時には電流の急変によってサージ電流によるSW損失が発生し、インバータ等の電力効率を低下させる。また、パワーSW素子には、サージ電流による負荷がかかる。複数のパワーSW素子のSWタイミングがずれている場合、最初にスイッチングするパワーSW素子に最も大きなサージ電流が流れるため、各パワーSW素子にかかる負荷が偏ることとなる。本明細書では、これを「負荷偏重」という。なお、「負荷偏重」という用語中の「負荷」の意味は、電力供給対象ではなく、ダメージの意味である。
非高速素子では、スキューはSW期間よりも十分に短い。この場合、先にONするSWAのサージ電流IAはゆっくり立ち上がり、ピークが低く抑えられる。そのため、SWAによるSW損失は比較的小さく、負過偏重の影響も小さい。そして、この場合、特許文献1(特許第4764592号公報)の従来技術に基づいてSWA及びSWBの特性を揃えることが可能である。
一方、高速素子では、スキューがSW期間に対し同等のオーダー、例えば2分の1程度になる場合が生じ得る。この場合、先にONするSWAのサージ電流IAは急激に立ち上がり、ピークが過大となる。そのため、電流IAと電圧Vとの積に比例するSW損失が増大し、負過偏重の影響も大きくなる。
この状況が継続すると、SWBは劣化が抑制される一方、SWAのみ劣化が進むこととなる。しかし、システム全体の耐久性を向上させるためには、全ての素子の負荷を平均化させることが望まれる。そこで、特許文献1の技術思想のようにスキューをゼロにしようとする考え方もある。しかし、特許文献1の技術を高速素子に適用しようとすると、高分解能高速クロックのタイマが必要となる。そうした対応は技術的にも困難であり、コストアップにもなる。
本実施形態は、以上のような比較例の問題点を解決することを目的とするものである。
本実施形態では、ゲート信号のスキューをゼロにし、複数のパワーSW素子の動作を揃えるのでなく、複数のパワーSW素子の動作に意図的に差を生じさせ、負荷偏重を発生させる。そして、複数のパワーSW素子が順に交替しつつ負荷偏重を負担することにより、所定期間での平均で、各パワーSW素子の負荷を均等にすることを特徴とする。
ここで、一般にパワーSW素子による損失には、SW時に発生するSW損失と、導通時に発生する導通損失とが含まれる。特に第1実施形態では、複数のパワーSW素子によるSW損失を均等にする点に着目する。
次に、図1に戻り、第1実施形態の駆動回路制御装置301の構成を説明する。
駆動回路制御装置301は、平衡制御部34、及び信号出力回路41、42等を含む。駆動回路制御装置301には、例えばPWM信号等の基準パルス信号P0が入力される。平衡制御部34は、基準パルス信号P0に基づき、第1駆動回路15への駆動パルス信号PAと、第2駆動回路25への駆動パルス信号PBとを生成する。このとき、平衡制御部34は、パワーSW素子16、26によるSW損失を所定期間での平均で均等とするように、駆動パルス信号PA、PBを生成する。
信号出力回路41、42は、個別信号線61、62を経由して、駆動回路15、25に駆動パルス信号PA、PBを出力する。
平衡制御部34は、パワーSW素子16、26によるSW損失を所定期間での平均で均等とする方法として、具体的に「交替制御」を実行する。すなわち、平衡制御部34は、二つのパワーSW素子16、26(SWA、SWB)から、一つの当番素子、及び、当番素子以外の非番素子を順番に交替させるように選定する。そして、当番素子への駆動パルス信号の出力タイミングに対し非番素子への駆動パルス信号の出力タイミングをSW損失調整時間SW_tだけ相対的に遅延させるように基準パルス信号P0をオフセットさせ、駆動パルス信号PA、PBを生成する。
SW損失調整時間SW_tは、想定されるゲート信号の最大スキューよりも長く設定される。好ましくは、最大スキューよりもわずかに長い程度に設定される。例えばSW損失調整時間SW_tを50nsとすると、20MHzクロック時における1クロックの遅延処理で可能であるため、現在のマイコン制御で十分可能なレベルの処理である。
平衡制御部34の演算は、インバータ出力電圧を制御するECU等の上位制御装置からの演算タイミング信号に従って実行される。又は、駆動回路制御装置301を上位制御装置であるインバータECUの内部に設けてもよい。
例えばインバータ出力がPWM制御される場合、PWMキャリアの山谷のタイミング等が演算タイミングに設定される。過変調の場合を除き、PWM信号は、キャリアの山のタイミング後にONし、キャリアの谷のタイミング後にOFFする。そこで平衡制御部34は、例えば、キャリアの山のタイミングに、その後のONタイミング及びOFFタイミングに関する演算を一括して実行する。この場合、平衡制御部34の演算周期は、キャリア周期に一致する。
次に、第1実施形態による交替制御について、図2〜図4を参照する。この説明では、複数のパワーモジュールの数Mを、M=2とし、第1パワーSW素子16を「SWA」、第2パワーSW素子26を「SWB」と記す。また、SWA、SWBのSWタイミングのうち、ONタイミングの駆動パルス信号を例として説明する。
なお、SWA、SWBのOFFタイミングについても、同様の交替制御が実行される。
図2には、駆動パルス信号PA、PB、並びに、SWA、SWBのON動作によるコレクタ−エミッタ電流IA、IB、及び、コレクタ−エミッタ間電圧Vの経時変化を示す。図2中、三回の基準タイミングt0が記載されている。記号「t0(1)」は、交替制御一周期における1回目の基準タイミングであることを示す。「N」は、交替制御一周期におけるSW規定回数を示す。
また、上述の比較例の図11に準じ、ゲート信号Aは、駆動パルス信号PAの出力タイミングと同時に出力され、ゲート信号Bは駆動パルス信号PBの出力タイミングから時差δだけ遅延して出力されるものと仮定する。
平衡制御部34は、交替制御において、1個の当番素子と、(M−1)個、すなわち、M=2の場合には1個の非番素子を選定する。
交替制御周期の前半ではSWAを当番素子とし、SWBを非番素子とする。このとき、平衡制御部34は、当番素子SWAへの駆動パルス信号PAの出力タイミングを基準タイミングt0に一致させる。当番素子SWAは、基準タイミングt0と同時のタイミングtaにONする。
また、平衡制御部34は、非番素子SWBへの駆動パルス信号PBの出力タイミングを、基準タイミングt0からSW損失調整時間SW_tだけ遅延させたオフセットタイミングt*とする。非番素子SWBは、オフセットタイミングt*からスキュー相当の時差δ後のタイミングtbにONする。
交替制御周期の後半ではSWBを当番素子とし、SWAを非番素子とする。このとき、平衡制御部34は、当番素子SWBへの駆動パルス信号PBの出力タイミングを基準タイミングt0に一致させる。当番素子SWBは、基準タイミングt0からスキュー相当の時差δ後のタイミングtbにONする。
また、平衡制御部34は、非番素子SWAへの駆動パルス信号PAの出力タイミングを、基準タイミングt0からSW損失調整時間SW_tだけ遅延させたオフセットタイミングt*とする。非番素子SWAは、オフセットタイミングt*と同時のタイミングtaにONする。
簡単にN=2とすると、(N/2)=1となり、SWAとSWBとは、ONタイミングの1回ずつ、当番素子と非番素子とを順番に交替する。また、N=20とすると、SWAとSWBとは、ONタイミングの10回ずつ、当番素子と非番素子とを順番に交替する。
この構成により、ゲート信号A、Bのスキューにかかわらず、当番素子は常に先にONし、サージ電流の負荷を受ける。つまり、負過偏重を意図的に発生させる。そして、交替制御一周期において、SWA及びSWBは、同じ回数である(N/2)回ずつ当番素子を担当する。したがって、交替制御周期の平均では、SWA及びSWBによるSW損失は均等となる、なお、例えばSiC−MOSFETは、瞬間電流に対する電流許容値が比較的高いため、サージ電流の負荷を受けることについての問題は生じない。
続いて、平衡制御部34が実行する第1実施形態の平衡駆動処理のルーチンについて、図3、図4を参照する。以下のフローチャートの説明で記号Sは「ステップ」を表す。
図3に示すメインフローチャートにおいて、S1では、交替制御一周期のSW規定回数Nを設定する。規定回数Nは、並列接続されるパワーモジュールの数であるM以上に設定される。本実施形態では、Nは2以上に設定される。また、各素子の当番回数を均等にするため、規定回数Nは、Mの倍数、すなわち、本実施形態では偶数に設定されることが好ましい。ただし、N>>Mの場合、NがMの倍数でなくても、各素子のSW回数が不均等になることの影響は小さくなる。
S21では、SW損失調整時間SW_tが設定される。SW損失調整時間SW_tは、駆動回路15、25によるゲート信号の最大スキューよりも長く設定される。
S3では、交替制御による駆動パルス信号の出力を継続するか判断する。NOの場合、メインルーチンを終了する。
S3でYESの場合、S41に移行する。S41以下の「SW連続回数X」は、現在の交替制御周期において、そのステップの前回までに終了したONパルス出力の回数を意味する。言い換えれば、現在の交替制御周期の(X+1)回目の判断ステップにおけるSW連続回数がXとなる。S41では、SW連続回数Xが規定回数Nに達したか、すなわち、交替制御の周期が更新されたか判断する。交替制御の周期が更新されたとき、S42で、SW連続回数Xを0にリセットする。
S501では、交替制御のサブルーチンを一回実行する。交替制御のサブルーチンが実行されると、S43では、SW連続回数Xをインクリメントする。
図4に、S501の交替制御のサブルーチンを示す。
S51では、SW連続回数Xが(N/2)より小さいか判断する。S51でYESのとき、「0≦X<(N/2)」であり、交替制御周期の前半であることを意味する。S51でNOのとき、「(N/2)≦X<N」であり、交替制御周期の後半であることを意味する。
以下、交替制御周期の前半のステップ番号を50番台、交替制御周期の後半のステップ番号を60番台とし、対応するステップ番号の一の位を同じ数字で表す。特にS54及びS64のステップが「SW損失平衡化処理」に相当する。
交替制御周期の前半では、当番素子がSWA、非番素子がSWBである。
S52では、当番素子SWAへの駆動パルス信号PAの出力タイミングを基準タイミングt0に設定し、S53にて第1駆動回路(A)15へ駆動パルス信号PAを出力する。
S54では、非番素子SWBへの駆動パルス信号PBの出力タイミングを、式(1)により、基準タイミングt0に対しSW損失調整時間SW_tだけ遅延させるようにオフセットする。そして、S57で第2駆動回路(B)25へ駆動パルス信号PBを出力する。
*=t0+SW_t ・・・(1)
交替制御周期の後半では、当番素子がSWB、非番素子がSWAである。
S62では、当番素子SWBへの駆動パルス信号PBの出力タイミングを基準タイミングt0に設定し、S63にて第2駆動回路(B)25へ駆動パルス信号PBを出力する。
S64では、非番素子SWAへの駆動パルス信号PAの出力タイミングを、S54と同様に設定する。そして、S67で第1駆動回路(A)15へ駆動パルス信号PAを出力する。
(効果)
第1実施形態の駆動回路制御装置は、以下のような効果を奏する。
(1)複数のパワーモジュール10、20が並列接続された並列負荷801において、駆動回路15、26のゲート信号スキュー等にかかわらず、複数のパワーSW素子16、26によるSW損失を、交替制御一周期の平均で均等にすることができる。これにより、複数のパワーSW素子の負荷を簡易な構成で平衡化し、特定のパワーSW素子の劣化が進むことを防止することができる。よって、並列負荷801が含まれるインバータ、DC/DCコンバータ等のシステムの品質や信頼性の向上を図ることができる。
(2)特許文献1の従来技術では、並列接続された複数のパワーSW素子の状態を測定して駆動状態を調整し、制御偏差を低減する。この方法は、従来の非高速素子に対しては有効であるとも考えられるが、今後、高速素子に適用される場合、微小時間の分解能等の観点から高速動作の調製は困難であり、また、コストアップにつながるおそれがある。
それに対し第1実施形態の制御では、複数のパワーSW素子16、26の動作に意図的に差を生じさせ、負荷偏重を発生させる。そして、交替制御の一周期で各パワースイッチング素子が当番素子を輪番し、負荷を均等に負担する。
特許文献1の従来技術のように複数のパワーSW素子16、26の動作を揃える必要が無いため、高分解能のタイマ等が不要となり、装置構成を簡易にすることができる。
(3)上記で例示したように、交替制御において、M個のパワーSW素子のうち1個の素子を当番素子とし、残り(M−1)個の素子を非番素子とすることで、当番素子は確実に負荷を負担することになる。したがって、複数のパワーSW素子の駆動負荷をより正確に均等にすることができる。
(4)並列負荷801が複数のパワーモジュール10、20の形態で設けられている場合、ゲート信号スキューのばらつきが大きくなる傾向があるため、上記効果が特に有効に発揮される。また、近年開発されたSiC素子は、従来のパワーSW素子に比べSW速度が非常に高速であるため、上記効果が特に有効に発揮される。
(第2実施形態)
第2実施形態による駆動回路制御装置について、図5〜図8を参照して説明する。図5〜図8は、それぞれ、第1実施形態の図1〜図4に対応するものである。第1実施形態と実質的に同一の構成、又は、フローチャートにおける実質的に同一のステップには同一の符号又はステップ番号を付して説明を省略する。また、説明に関する注意事項等は、第1実施形態の説明に準じる。
図5に示すように、第2実施形態の駆動回路制御装置302の適用対象である並列負荷802には、パワーSW素子16、26の温度を検出する温度センサ71、72が設けられている。温度センサ71、72は、例えばパワーSW素子16、26に感温ダイオードを埋め込むことにより構成される。或いは、パワーSW素子16、26の筐体や、素子温度と相関の取れる箇所にサーミスタを設けてもよい。
駆動回路制御装置302は、第1実施形態の駆動回路制御装置301の構成に加えて、「素子状態検出部」としての素子温度検出部33を備える。素子温度検出部33には、パワーSW素子16、26の「導通負荷状態」を示す素子温度Temp_A、Temp_Bが温度センサ71、72から入力される。
パワーSW素子16、26自体の電気的性能が同等であっても、素子の搭載位置や周辺物との接触程度の差により冷却性能にばらつきが生じる。そこで、素子温度検出部33が素子温度Temp_A、Temp_Bを検出することにより、駆動回路制御装置302は、パワーSW素子16、26の導通負荷が反映された情報を取得することができる。
素子温度検出部33は、素子温度の温度差ΔT(=Temp_B−Temp_A)を算出し、平衡制御部34に出力する。
平衡制御部34は、第1実施形態によるSW損失調整に加え、さらに素子温度差ΔTに応じて、パワーSW素子16、26の導通損失を所定期間での平均で均等にするように、駆動回路15、25毎に駆動パルス信号PA、PBを生成する。なお、導通損失を調整する所定期間は、SW損失調整の所定期間とは一致しなくてもよい。
次に、第2実施形態による交替制御について、図6〜図8を参照する。
図6には、図2と同様の情報に加え、素子温度差ΔTの値を示す。ここで、素子温度差ΔTの閾値をΔTthとすると、「−ΔTth≦ΔT≦ΔTth」の範囲は、素子温度差ΔTの適正範囲、すなわち、SWAとSWBとの導通負荷状態が均等と認められる範囲である。
交替制御周期の前半における素子温度差ΔTは、温度差閾値ΔTthを超えている。すなわち、非番素子SWBの素子温度Temp_Bは、当番素子SWAの素子温度Temp_Aに対し温度差閾値ΔTthを超えて高い。このとき、平衡制御部34は、導通損失の調整が必要と判断する。そして、非番素子SWBへの駆動パルス信号PBの出力タイミングを、当番素子SWAへの駆動パルス信号PAの出力タイミングt0に対しSW損失調整時間SW_tだけ遅延させたタイミングt*から、さらに導通損失調整時間CO_tだけ遅延させたタイミングt**にオフセットする。
これにより、素子温度Temp_Bが相対的に高い非番素子SWBは、ON時間を短くすることにより、導通損失が低減するように調整される。したがって、当番素子SWA及び非番素子SWBは、SW損失に加えて導通損失が均等になるように駆動パルス信号PA、PBが生成される。
一方、交替制御周期の後半における素子温度差ΔTは、負の温度差閾値(−ΔTth)以上である。すなわち、非番素子SWAの素子温度Temp_Aは、当番素子SWBの素子温度Temp_Bに対する温度差が閾値ΔTth以内の適正範囲にある。このとき、平衡制御部34は、導通損失の調整は不要と判断する。そして、非番素子SWAへの駆動パルス信号PAの出力タイミングを、第1実施形態の通り、当番素子SWBへの駆動パルス信号PBの出力タイミングt0に対しSW損失調整時間SW_tだけ遅延させたオフセットタイミングt*とする。
続いて、第2実施形態の平衡駆動処理について、図7、図8を参照する。図7に示すメインフローチャートでは、図3に対し、導通損失調整時間CO_tを設定するステップS22が追加される。また、交替制御のステップ番号が図3のS501からS502に変更される。図8に示す交替制御のサブルーチン502では、図4に対し、S55、S56、及びS65、S66が追加されている。このS55、S56、及びS65、S66のステップが「導通損失、総損失平衡化処理」に相当する。
交替制御周期の前半に実行されるS55では、平衡制御部34は、素子温度差ΔT(=Temp_B−Temp_A)が温度差閾値ΔTthを超えているか判断する。
S55でYESのとき、S56にて、非番素子SWBへの駆動パルス信号PBの出力タイミングを、S54で設定されたオフセットタイミングt*から、式(2)により、さらにオフセットタイミングt**に変更する。
**=t*+CO_t=t0+SW_t+CO_t ・・・(2)
S55でNOのとき、S54で設定されたオフセットタイミングt*が維持される。
交替制御周期の前半に実行されるS65、S66についても同様である。また、この交替制御は、SWA、SWBのOFFタイミングについても同様に実行可能である。
このように、平衡制御部34は、非番素子への駆動パルス信号の出力タイミングについて、SWA、SWBの導通負荷状態の差に応じて、SW損失調整時間SW_tに、さらに導通損失調整時間CO_tを加算する。こうして第2実施形態の駆動回路制御装置302は、パワーSW素子16、26(SWA、SWB)の導通損失を交替制御一周期の平均で均等にするように、駆動回路15、25毎に駆動パルス信号PA、PBを生成する。
従来、例えば複数の素子温度の検出値に基づいて、総発熱量を均一にするようにPWM信号を補正するような制御は可能であったが、SW損失と導通損失との合計を調整することはできなかった。それに対し、第2実施形態では、SW損失と導通損失とのトータルでの負荷バランスを適切に平衡化することが可能となる。
よって、並列負荷802においてパワーSW素子16、26の冷却特性にばらつきがある場合であっても、各パワーSW素子が担う駆動負荷を平衡化し、特定のパワーSW素子の劣化が進むことを防止することができる。よって、並列負荷802が含まれるインバータ、DC/DCコンバータ等のシステムの品質や信頼性をより向上させることができる。
(その他の実施形態)
(ア)駆動回路15、25及びパワーSW素子16、26は、パワーモジュール10、20の形態をなさず、単独の素子の形態で設けられてもよい。この場合、モジュールICに比べ、ばらつき要素はパワーSW素子のみとなり、ばらつきによる影響は小さくなる傾向にある。そのため、パワーSW素子のばらつきを管理選別するという方法も取り得る。
しかし、本発明を適用することにより上記実施形態と同様の効果が得られるため、選別が不要となり、管理工数を低減することができる。
(イ)上記実施形態では、二つのパワーモジュール10、20が並列接続された並列負荷801、802に駆動回路制御装置301、302が適用される例が示される。これに限らず、本発明の駆動回路制御装置は、三つ以上のパワーモジュール、或いは、三組以上の駆動回路及びパワーSW素子の組が並列接続された並列負荷に適用されてもよい。
例えば、三つのパワーモジュールをA、B、Cとすると、交替制御では、一周期の3分の1の期間ずつ、当番素子を含むパワーモジュールをA→B→Cと輪番するように制御すればよい。
また、第2実施形態に対応する導通損失調整を含む制御では、例えば、当番素子を含むパワーモジュールがAのとき、非番素子を含むパワーモジュールB、Cの素子温度のうち高い方の温度に基づいて導通損失調整の要否を判断すればよい。また、パワーモジュールBについてはAとの素子温度差ΔTが閾値ΔTthを超え、パワーモジュールCについてはAとの素子温度差ΔTが閾値ΔTth以下である場合、Bのみに、又はB、C共通に、導通損失調整時間CO_tを加算すればよい。
さらに、例えば、四つのパワーモジュールA、B、C、Dを適用対象とする場合、当番素子を複数選定してもよい。その場合、当番素子を含むパワーモジュールをAB→CD→AC→BD→AD→BCというように輪番すれば、当番素子のペア間のばらつきも含め、各素子のSW損失を均等に調整することができる。
(ウ)交替制御では、当番素子への駆動パルス信号の出力タイミングに対し非番素子への駆動パルス信号の出力タイミングをSW損失調整時間Sw_tだけ相対的に遅延させればよい。そこで、上記実施形態のように当番素子への駆動パルス信号の出力タイミングを基準タイミングt0とし、非番素子への駆動パルス信号の出力タイミングを基準タイミングt0より遅延させるパターン以外に、下記のパターンを採用してもよい。
なお、PWM信号のように基準信号が電気角等の位相で定義される信号の場合、時間軸の「遅延」及び「先行」を、位相軸の「遅角」及び「進角」と言い換えてもよい。
[1].当番素子への駆動パルス信号の出力タイミング、非番素子への駆動パルス信号の出力タイミングとも、基準タイミングt0より遅延させる。
[2].当番素子への駆動パルス信号の出力タイミングを基準タイミングt0より先行させ、非番素子への駆動パルス信号の出力タイミングを基準タイミングt0以後とする。
[3].当番素子への駆動パルス信号の出力タイミング、非番素子への駆動パルス信号の出力タイミングとも、基準タイミングt0より先行させる。
(エ)基準パルス信号はPWM信号に限らず、例えば三相インバータ制御において、空間ベクトル変調により生成されたパルス信号でもよい。或いは、電気角に同期したパルス位置やパルス幅を最適に設計したパルスパターン(例えば特開2013−162660号公報参照)を用いてもよい。
(オ)上記実施形態では、平衡制御部34が「複数のパワーSW素子16、26によるSW損失を所定期間での平均で均等にするように、駆動回路15、25毎に駆動パルス信号を生成する」具体的な方法として、交替制御の例が示される。これ以外の方法として、例えば電気一周期におけるパルス数を増減させることでSW損失を調整してもよい。すなわち、非番素子のパルス数を当番素子のパルス数よりも減らすことで、SW回数を減らし、SW損失を相対的に低減させることができる。
さらに、導通損失を調整する方法として、各パルスのパルス幅、すなわちパワーSW素子のON時間を調整するようにしてもよい。
(カ)第2実施形態では、「素子状態検出部」としての素子温度検出部33は、複数のパワーSW素子15、25の「導通負荷状態」の例として素子温度を検出する。その他の形態では、素子状態検出部は、コレクタ−エミッタ電流等の、導通負荷状態が反映されるどのような情報を検出してもよい。
(キ)上述の通り、適用対象となるパワーSW素子は、従来広く知られているIGBT等でもよく、近年開発されたSiC素子、GaN素子等の高速素子でもよい。さらに、この出願の出願後に新たに開発される可能性のある全ての次世代素子を含むものである。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
10、20・・・パワーモジュール、
15、25・・・駆動回路、
16、26・・・パワースイッチング素子、
301、302・・・駆動回路制御装置、
33・・・素子温度検出部(素子状態検出部)、
34・・・平衡制御部、
41、42・・・信号出力回路、
61、62・・・信号線。

Claims (10)

  1. 並列接続された複数のパワースイッチング素子(16、26)にゲート信号を出力する複数の駆動回路(15、25)に対して駆動パルス信号を出力し、前記複数の駆動回路の動作を制御する駆動回路制御装置であって、
    少なくとも、前記複数のパワースイッチング素子によるスイッチング損失を所定期間での平均で均等にするように、前記駆動回路毎に駆動パルス信号を生成する平衡制御部(34)と、
    個別信号線(61、62)を経由して、前記複数の駆動回路に駆動パルス信号を出力する信号出力回路(41、42)と、
    を備える駆動回路制御装置。
  2. 前記平衡制御部は、前記複数のパワースイッチング素子から、一つ以上の当番素子、及び、前記当番素子以外の非番素子を順番に交替させるように選定し、
    前記当番素子への駆動パルス信号の出力タイミングに対し前記非番素子への駆動パルス信号の出力タイミングをスイッチング損失調整時間だけ相対的に遅延させるように基準パルス信号をオフセットさせる交替制御を実行する請求項1に記載の駆動回路制御装置。
  3. 前記スイッチング損失調整時間は、前記複数の駆動回路によるゲート信号の最大スキューよりも長く設定される請求項2に記載の駆動回路制御装置。
  4. 前記平衡制御部は、前記当番素子を一つずつ順番に交替させるように選定する請求項2または3に記載の駆動回路制御装置。
  5. 前記複数のパワースイッチング素子の導通負荷状態を検出する素子状態検出部(33)をさらに備え、
    前記平衡制御部は、前記複数のパワースイッチング素子の導通負荷状態の差に応じて、さらに前記複数のパワースイッチング素子による導通損失を所定期間での平均で均等にするように、前記駆動回路毎に駆動パルス信号を生成する請求項1〜4のいずれか一項に記載の駆動回路制御装置。
  6. 前記素子状態検出部は、前記複数のパワースイッチング素子の導通負荷状態として素子温度を検出し、前記平衡制御部は、素子温度の高い前記パワースイッチング素子ほど導通損失を低減させるように駆動パルス信号を生成する請求項5に記載の駆動回路制御装置。
  7. 前記複数のパワースイッチング素子の導通負荷状態として素子温度を検出する素子状態検出部(33)をさらに備え、
    前記平衡制御部は、前記複数のパワースイッチング素子の素子温度の差に応じて、さらに前記複数のパワースイッチング素子による導通損失を所定期間での平均で均等にするように、前記駆動回路毎に駆動パルス信号を生成するものであり、
    前記交替制御の実行時に、前記非番素子の素子温度が前記当番素子の素子温度に対し所定の温度差閾値を超えて高いとき、前記平衡制御部は、前記非番素子への駆動パルス信号の出力タイミングをさらに導通損失調整時間だけ相対的に遅延させるように前記基準パルス信号をオフセットさせる請求項2〜4のいずれか一項に記載の駆動回路制御装置。
  8. 対応する前記駆動回路及び前記パワースイッチング素子は、パワーモジュール(10、20)の形態をなしている請求項1〜7のいずれか一項に記載の駆動回路制御装置。
  9. 前記複数のパワースイッチング素子は、前記複数の駆動回路によるゲート信号のスキューと同等の時間でスイッチング可能な高速素子である請求項1〜8のいずれか一項に記載の駆動回路制御装置。
  10. 前記複数のパワースイッチング素子は、SiC素子又はGaN素子である請求項9に記載の駆動回路制御装置。
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