JP2017054953A - 発光部品の製造方法 - Google Patents

発光部品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017054953A
JP2017054953A JP2015178368A JP2015178368A JP2017054953A JP 2017054953 A JP2017054953 A JP 2017054953A JP 2015178368 A JP2015178368 A JP 2015178368A JP 2015178368 A JP2015178368 A JP 2015178368A JP 2017054953 A JP2017054953 A JP 2017054953A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor layer
thyristor
transfer
light emitting
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015178368A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6613741B2 (ja
Inventor
浩一 羽賀
Koichi Haga
浩一 羽賀
正寛 井草
Masahiro Igusa
正寛 井草
秀樹 福永
Hideki Fukunaga
秀樹 福永
藤本 貴士
Takashi Fujimoto
貴士 藤本
一彦 廣川
Kazuhiko Hirokawa
一彦 廣川
三鍋 治郎
Jiro Mitsunabe
治郎 三鍋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2015178368A priority Critical patent/JP6613741B2/ja
Publication of JP2017054953A publication Critical patent/JP2017054953A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6613741B2 publication Critical patent/JP6613741B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Led Devices (AREA)

Abstract

【課題】トランジスタの形成を電流狭窄層の酸化の前に行う場合に比べて、トランジスタ特性への酸化の影響を抑制した発光部品の製造方法を提供する。
【解決手段】発光チップは、(a)に示す電流狭窄層露出工程において、発光部102における発光サイリスタL1の周囲におけるp型の半導体層83、電流狭窄層82を除去して、電流狭窄層82の側面を露出させ、次に、(b)に示す酸化工程において、露出した電流狭窄層82の側面から酸化させて、電流阻止部82bを形成し、(c)に示すトランジスタ形成工程において、結合トランジスタQ1が形成される部分のp型の半導体層86を除去して、結合トランジスタQ1を形成することで、製造される。
【選択図】図7

Description

本発明は、発光部品の製造方法に関する。
特許文献1には、基板側から順に、アノード層、電流狭窄層、n型ゲート層、p型ゲート層、カソード層が積層されたメサ構造と、前記電流狭窄層が前記メサ構造の側面から選択酸化された電流狭窄構造と、を備え、前記電流狭窄層は、前記アノード層の間に設けられている発光サイリスタが記載されている。
特許文献2には、第1導電型の第1半導体層、当該第1導電型とは異なる第2導電型の第2半導体層、当該第1導電型の第3半導体層、当該第2導電型の第4半導体層が順に積層された半導体積層体にてそれぞれが構成され、オン状態にて予め定められた波長の光を出射する複数の発光サイリスタと、前記半導体積層体にてそれぞれが構成され、オン状態が転送されるように順にオン状態に移行して前記複数の発光サイリスタにおいて対応する発光サイリスタを点灯可能な状態に設定する複数の転送サイリスタと、前記半導体積層体における前記第1半導体層、前記第2半導体層、前記第3半導体層にてそれぞれが構成され、前記複数の転送サイリスタが順にオン状態が移行する順で隣接する前段の転送サイリスタと後段の転送サイリスタとを結合するように設けられて当該前段の転送サイリスタがオン状態になることによりオン状態になるとともに、当該前段の転送サイリスタとの間において当該第1半導体層及び当該第2半導体層が連続し、当該第3半導体層が電位の印加されていない状態において空乏化する厚さで連続する複数の結合トランジスタとを備える発光部品が記載されている。
特許第5310960号公報 特開2014−216439号公報
ところで、発光ダイオード、発光サイリスタなどを用いた発光部品においては、出射する光量を増加させることが求められる。そこで、発光素子の中央部に電流を集中させ、発光効率を向上させることが行われる。これは、例えば、発光素子を構成する材料におけるAl(アルミニウム)を酸化させ、電流経路を狭窄することで行なわれる。この場合、エッチングによって露出した面のAlの酸化が、発光サイリスタの点灯を制御するトランジスタ特性に影響を与えることがある。
本発明は、トランジスタの形成を電流狭窄層の酸化の前に行う場合に比べて、トランジスタ特性への酸化の影響を抑制した発光部品の製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、複数の発光サイリスタを含む発光部と、当該複数の発光サイリスタに対応して設けられ、それぞれが対応する発光サイリスタの点灯を制御する複数のトランジスタを含む制御部と、を備えた発光部品の製造方法であって、基板上に、アルミニウムを含む電流狭窄層と、第1の導電型の第1の半導体層と、当該第1の導電型と異なる第2の導電型の第2の半導体層と、当該第1の導電型の第3の半導体層と、当該第2の導電型の第4の半導体層とを順に含むように積層した半導体積層体を形成する半導体積層体形成工程と、前記半導体積層体の前記第4の半導体層の一部を除去して前記複数の発光サイリスタのゲートを形成するゲート形成工程と、前記半導体積層体を、前記電流狭窄層に到達しない溝を形成して複数の島に分離する分離工程と、前記複数の島の前記発光部が構成される部分において、前記電流狭窄層の側面を露出させる電流狭窄層露出工程と、前記電流狭窄層の側面からアルミニウムを酸化させる酸化工程と、前記酸化工程の後に、前記複数のトランジスタが形成される部分の前記第3の半導体層を除去して当該トランジスタを形成するトランジスタ形成工程とを含む発光部品の製造方法である。
請求項2に記載の発明は、前記トランジスタ形成工程において、前記第3の半導体層を除去する際に用いるマスクパタンは、前記島の幅より広い開口を有することを特徴とする請求項1に記載の発光部品の製造方法である。
請求項3に記載の発明は、前記半導体積層体は、前記第2の半導体層と前記第3の半導体層との間に、真性の半導体層をさらに含み、前記トランジスタ形成工程において、前記第3の半導体層を除く際に、前記真性の半導体層の厚さ方向の一部を含んで除去することを特徴とする請求項1又は2に記載の発光部品の製造方法である。
請求項1の発明によれば、トランジスタの形成を電流狭窄層の酸化の前に行う場合に比べて、トランジスタ特性への酸化の影響を抑制した発光部品の製造方法を提供できる。
請求項2の発明によれば、マスクパタンが島の幅より広い開口を有しない場合に比べて、第3の半導体層をより確実に除去できる。
請求項3の発明によれば、真性の半導体層を設けない場合に比べて、トランジスタの特性のばらつきがより抑制される。
発光チップの概要を示した図である。 本実施の形態が適用される自己走査型発光素子アレイ(SLED)が搭載された発光チップの回路構成を説明するための等価回路図である。 本実施の形態が適用される発光チップの平面レイアウト図及び断面図の一例である。(a)は、発光チップの平面レイアウト図、(b)は、(a)におけるIIIB−IIIB線での断面図である。 転送サイリスタ及び結合トランジスタを説明する図である。(a)は、転送サイリスタ及び結合トランジスタを等価なトランジスタの記号により表記した図、(b)は、(a)において、転送サイリスタをサイリスタの記号で表記するとともに、隣接する転送サイリスタを加えて示した図、(c)は、転送サイリスタ及び結合トランジスタの断面図である。 発光チップの動作を説明するためのタイミングチャートである。 本実施の形態が適用される発光チップの前半の製造方法を説明する断面図である。(a)は、半導体積層体形成工程、(b)はゲート形成工程、(c)は、分離工程である。 本実施の形態が適用される発光チップの後半の製造方法を説明する断面図である。(a)は、電流狭窄層露出工程、(b)は酸化工程、(c)は、トランジスタ形成工程である。 トランジスタ形成工程における結合トランジスタの断面形状を説明する図である。(a1)、(a2)は、本実施の形態が適用される製造方法による場合、(b1)、(b2)は、本実施の形態が適用されない製造方法による場合である。
電子写真方式を採用した、プリンタや複写機、ファクシミリ等の画像形成装置では、帯電された感光体上に、画像情報を光記録手段により予め定められた波長の光を照射することにより静電潜像を得た後、この静電潜像にトナーを付加して可視化し、記録紙上に転写して定着することによって画像形成が行われる。かかる光記録手段として、レーザを用い、主走査方向にレーザ光を走査させて露光する光走査方式の他、近年では、装置の小型化の要請を受けて発光素子としての発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を主走査方向に複数、配列して発光素子アレイとしたLEDプリントヘッド(LPH:LED Print Head)を用いた記録装置が採用されている。
また、基板上に複数の発光素子が列状に設けられ、順次点灯制御される自己走査型発光素子アレイ(SLED)を搭載する発光チップでは、発光素子として発光サイリスタが使用されている。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、発光チップUの概要を示した図である。
発光部品の一例としての発光チップUは、表面形状が長方形である基板80の表面において、一長辺側に長辺に沿って列状に設けられた複数の発光素子(本実施の形態では、発光サイリスタL1、L2、L3、…)から構成される発光部102を備えている。さらに、発光チップUは、基板80の表面の長辺方向の両端部に、各種の制御信号等を取り込むための複数のボンディングパッドである端子(φ1端子、φ2端子、Vga端子、φI端子)を備えている。なお、これらの端子は、基板80の一端部からφ1端子、Vga端子の順に設けられ、基板80の他端部からφI端子、φ2端子の順に設けられている。そして、発光部102は、Vga端子とφ2端子との間に設けられている。さらに、基板80の裏面にはVsub端子として裏面電極89(後述する図3参照)が設けられている。
なお、「列状」とは、図1に示したように複数の発光素子が一直線上に配置されている場合に限らず、複数の発光素子のそれぞれの発光素子が、列方向と直交する方向に対して、互いに異なるずれ量を有して配置されていてもよい。例えば、発光素子の発光面(後述する図3の領域311の表面)を画素としたとき、それぞれの発光素子が、列方向と直交する方向に数画素分又は数十画素分のずれ量をもって配置されていてもよい。また、隣接する発光素子間で交互に、又は複数の発光素子毎に、ジグザグに配置されていてもよい。
(発光チップU)
図2は、本実施の形態が適用される自己走査型発光素子アレイ(SLED)が搭載された発光チップUの回路構成を説明するための等価回路図である。以下において説明する各素子は、端子(φ1端子、φ2端子、Vga端子、φI端子)を除き、発光チップU上のレイアウト(後述する図3参照)に基づいて配置されている。なお、端子(φ1端子、φ2端子、Vga端子、φI端子)の位置は、図1と異なるが、説明の便宜上、図中左端に示している。そして、基板80の裏面に設けられたVsub端子を、基板80の外に引き出して示している。
発光チップUは、前述したように基板80上に列状に配列された発光サイリスタL1、L2、L3、…から構成される発光サイリスタ列(発光部102(図1参照))を備えている。
そして、発光チップUは、発光サイリスタ列と同様に列状に配列された転送サイリスタT1、T2、T3、…から構成される転送サイリスタ列を備えている。
また、発光チップUは、転送サイリスタT1、T2、T3、…をそれぞれ番号順に2つをペアにして、それぞれのペアの間にpnpバイポーラトランジスタである結合トランジスタQ1、Q2、Q3、…を備えている。
さらに、発光チップUは、電源線抵抗Rg1、Rg2、Rg3、…を備えている。
また、発光チップUは、1個のスタート抵抗R0を備えている。そして、後述する第1転送信号φ1が送信される第1転送信号線72と第2転送信号φ2が送信される第2転送信号線73とに過剰な電流が流れるのを防止するために設けられた電流制限抵抗R1、R2を備えている。
発光サイリスタ列の発光サイリスタL1、L2、L3、…、転送サイリスタ列の転送サイリスタT1、T2、T3、…は、図2中において、左側から番号順に配列されている。さらに、結合トランジスタQ1、Q2、Q3、…、電源線抵抗Rg1、Rg2、Rg3、…も、図中左側から番号順に配列されている。
そして、発光サイリスタ列、転送サイリスタ列は、図2において上から、転送サイリスタ列、発光サイリスタ列の順に並べられている。
ここでは、発光サイリスタL1、L2、L3、…、転送サイリスタT1、T2、T3、…、結合トランジスタQ1、Q2、Q3、…、電源線抵抗Rg1、Rg2、Rg3、…をそれぞれ区別しないときは、発光サイリスタL、転送サイリスタT、結合トランジスタQ、電源線抵抗Rgと表記する。
発光サイリスタ列における発光サイリスタLの数は、予め定められた個数とすればよい。本実施の形態で、発光サイリスタLの数を例えば128個とすると、転送サイリスタTの数も128個である。同様に、電源線抵抗Rgの数も128個である。しかし、結合トランジスタQの数は、転送サイリスタTの数より1少ない127個である。
なお、転送サイリスタTの数は、発光サイリスタLの数より多くてもよい。
図2では、発光サイリスタL1〜L4、転送サイリスタT1〜T4を中心とした部分を示している。
サイリスタ(発光サイリスタL、転送サイリスタT)は、第1ゲート、第2ゲート、アノード、カソードを有する半導体素子である。結合トランジスタQは、コレクタ、ベース、エミッタを有する半導体素子である。
後述するように、第1ゲート、第2ゲート、アノード、カソード、コレクタ、ベース、エミッタに相当する半導体層の部分にp型オーミック電極又はn型オーミック電極が設けられて配線によって接続される場合の他、半導体層を介して相互に接続されている場合がある。
ここでは、サイリスタ(発光サイリスタL、転送サイリスタT)及び結合トランジスタQは、回路記号で表記し、サイリスタ(発光サイリスタL、転送サイリスタT)の第1ゲート(後述するGlf、Gtf)、第2ゲート(後述するGts)を除いてアノード、カソードについては記号を用いない場合がある。同様に、結合トランジスタQのコレクタ(後述するC)を除いてエミッタ、ベースについては記号を表記しない場合がある。
では次に、発光チップUにおける各素子の電気的な接続について説明する。
転送サイリスタT、発光サイリスタLのそれぞれのアノードは、発光チップUの基板80に接続されている(アノードコモン)。なお、結合トランジスタQのエミッタも発光チップUの基板80に接続されている。
そして、これらのアノードは、基板80裏面に設けられたVsub端子である裏面電極89(後述の図3参照)を介して基準電位Vsubが供給される。
転送サイリスタTの配列に沿って、奇数番号(奇数番目)の転送サイリスタT1、T3、…のカソードは、第1転送信号線72に接続されている。そして、第1転送信号線72は、電流制限抵抗R1を介してφ1端子に接続されている。このφ1端子には、第1転送信号φ1が送信される。
一方、転送サイリスタTの配列に沿って、偶数番号(偶数番目)の転送サイリスタT2、T4、…のカソードは、第2転送信号線73に接続されている。そして、第2転送信号線73は、電流制限抵抗R2を介してφ2端子に接続されている。このφ2端子には、第2転送信号φ2が送信される。
発光サイリスタLのカソードは、点灯信号線75に接続されている。点灯信号線75は、φI端子に接続されている。φI端子には、外部に設けられた電流制限抵抗を介して点灯信号φIが送信される。点灯信号φIは、発光サイリスタLに点灯のための電流を供給する。
転送サイリスタT1、T2、T3、…のそれぞれの第1ゲートGtf1、Gtf2、Gtf3、…は、同じ番号の発光サイリスタL1、L2、L3、…の第1ゲートGlf1、Glf2、Glf3、…に、1対1で接続されている。よって、転送サイリスタT1、T2、T3、…の第1ゲートGtf1、Gtf2、Gtf3、…と発光サイリスタL1、L2、L3、…の第1ゲートGlf1、Glf2、Glf3、…とは、同じ番号のものが同電位になっている。よって、例えば第1ゲートGtf1(Glf1)と表記して、電位が同じであることを示す。
転送サイリスタT1の第2ゲートGts1と転送サイリスタT2の第1ゲートGtf2との間に結合トランジスタQ1が接続されている。転送サイリスタT1の第2ゲートGts1が結合トランジスタQ1のベースに接続され、転送サイリスタT2の第1ゲートGtf2が結合トランジスタQ1のコレクタC1に接続されている。
番号が2以上の番号が連続する2個の転送サイリスタT間においても、同様に結合トランジスタQが接続されている。
ここでも、第1ゲートGtf1、Gtf2、Gtf3、…、第2ゲートGts1、Gts2、Gts3、…、第1ゲートGlf1、Glf2、Glf3、…をそれぞれ区別しないときは、第1ゲートGtf、第2ゲートGts、第1ゲートGlfと表記する。そして、第1ゲートGtf(Glf)と表記して、電位が同じであることを示す。
なお、発光サイリスタLも第2ゲートを有しているが、他の素子と接続されていないので、符号を付さない。
転送サイリスタTの第1ゲートGtf及び発光サイリスタLの第1ゲートGlfは、転送サイリスタTのそれぞれに対応して設けられた電源線抵抗Rgを介して、電源線71に接続されている。電源線71はVga端子に接続されている。Vga端子は、電源電位Vgaが供給される。
そして、転送サイリスタ列の一端の転送サイリスタT1の第1ゲートGtf1は、スタート抵抗R0の一方の端子に接続されている。一方、スタート抵抗R0の他方の端子は、第2転送信号線73に接続されている。
図2において、発光チップUの転送サイリスタT、結合トランジスタQ、電源線抵抗Rg、スタート抵抗R0、電流制限抵抗R1、R2を備える部分を制御部101と表記する。
そして、発光サイリスタLを備える部分が発光部102に該当する。
なお、制御部101は、転送サイリスタT、結合トランジスタQ、電源線抵抗Rg、スタート抵抗R0、電流制限抵抗R1、R2の他に、発光サイリスタLの点灯を制御するために、転送サイリスタTと同様なサイリスタや、結合トランジスタQと同様なトランジスタを備えていてもよい。
図3は、本実施の形態が適用される発光チップUの平面レイアウト図及び断面図の一例である。図3(a)は、発光チップUの平面レイアウト図であり、図3(b)は、図3(a)に示したIIIB−IIIB線での断面図である。
図3(a)の発光チップUの平面レイアウト図では、発光サイリスタL1〜L4、転送サイリスタT1〜T4を中心とした部分を示す。なお、端子(φ1端子、φ2端子、Vga端子、φI端子)の位置は、図1と異なるが、説明の便宜上、図中左端部に示している。そして、基板80の裏面に設けられたVsub端子は、基板80の外に引き出して示している。図1に対応させて端子を設けるとすると、φ2端子、φI端子、電流制限抵抗R2は、図3(a)において基板80の右端部に設けられる。なお、スタート抵抗R0は、転送サイリスタ列において転送を開始する側の端部に置かれる。
そして、図3(a)では、配線(電源線71、第1転送信号線72、第2転送信号線73、点灯信号線75など)を破線で示し、配線の下の構造が分かるように表記している。
図3(b)の断面図には、図中下より発光サイリスタL1、転送サイリスタT1、結合トランジスタQ1、電源線抵抗Rg2の断面が示されている。なお、図3(a)及び(b)の図中には、素子の名前、転送サイリスタT1の第1ゲートGtf1及び発光サイリスタL1の第1ゲートGlf1、結合トランジスタQ1のコレクタC1を表記している。
発光チップUは、図3(b)に示すように、p型の基板80、p型の半導体層81、電流狭窄層82、p型の半導体層83、n型の半導体層84、真性(イントリンシック)の半導体層85、p型の半導体層86及びn型の半導体層87が順に積層された半導体積層体を分離して構成した複数の島状領域(アイランド)(後述する第1アイランド301、第2アイランド302、第3アイランド303など)から構成されている。ここで、電流狭窄層82は、後述するように、一部が電流を阻止する電流阻止部82bを構成する。残りは、電流が通過する電流通過部82aを構成する。そして、電流通過部82aは、p型の半導体として機能する。
また、p型の半導体層81が、p型の基板80を兼ねてもよい。そして、真性の半導体層85を備えなくてもよい。
ここで、p型が第1の導電型、n型が第2の導電型の一例である。そして、p型の半導体層83が第1の半導体層、n型の半導体層84が第2の半導体層、p型の半導体層86が第3の半導体層、n型の半導体層87が第4の半導体層の一例である。
なお、基板80、半導体層81〜87については、導電型(p型、n型、真性)を付記しないで用いることがある。
すなわち、これらの複数のアイランドは、図3(b)に示すように、少なくとも電流狭窄層82、p型の半導体層83、n型の半導体層84、真性の半導体層85、p型の半導体層86及びn型の半導体層87が相互に分離されている。なお、p型の半導体層81は、厚さ方向に一部が除去されている。
後述するように、これらのアイランドでは、n型の半導体層87又はp型の半導体層86の一部又は全部が除去されることで、発光サイリスタL、転送サイリスタT、結合トランジスタQ、電源線抵抗Rgなどが構成されている。
そして、発光チップUには、図3(b)に示すように、これらのアイランドの表面及び側面を覆うように絶縁層88が設けられている。これらのアイランドと配線とが、絶縁層88に設けられたスルーホール(図3(a)では○で表記する。)を介して、接続されている。以下の説明では、絶縁層88及びスルーホールについての説明を省略する。
図3(a)に示すように、第1アイランド301は、平面形状がU字状であって、U字の中央部に発光サイリスタL1が、U字の一方の側(図3(a)において右側)に転送サイリスタT1及び結合トランジスタQ1が設けられている。
第2アイランド302及び第3アイランド303は、平面形状が両端部(図3(a)において上下側)の四角形の部分を接続した形状であって、第2アイランド302に電源線抵抗Rg1が、第3アイランド303に電源線抵抗Rg2が設けられている。
第4アイランド304、第5アイランド305、第6アイランド306は、第2アイランド302、第3アイランド303と同様な平面形状であって、第4アイランド304にはスタート抵抗R0が、第5アイランド305には電流制限抵抗R1が、第6アイランド306には電流制限抵抗R2が設けられている。
そして、発光チップUには、第1アイランド301、第2アイランド302(第3アイランド303)と同様なアイランドが、並列して複数形成されている。これらのアイランドには、発光サイリスタL2、L3、L4、…、転送サイリスタT2、T3、T4、…、結合トランジスタQ2、Q3、Q4、…、電源線抵抗Rg3、Rg4、Rg5、…が、第1アイランド301、第2アイランド302(第3アイランド303)と同様に設けられている。
また、図3(b)に示すように、p型の基板80の裏面にはVsub端子となる裏面電極89が設けられている。
ここで、図3(a)及び(b)により、第1アイランド301〜第6アイランド306について詳細に説明する。
平面形状がU字状の第1アイランド301において、U字の中央部に設けられた発光サイリスタL1は、p型の基板80、p型の半導体層81、電流狭窄層82、p型の半導体層83をアノードとし、周囲を取り除いたn型の半導体層87の領域311をカソードとする。n型の半導体層87の領域311上にn型オーミック電極321が設けられている。なお、p型の半導体層83をアノード層、n型の半導体層87をカソード層、n型オーミック電極321をカソードと表記することがある。
さらに、p型の半導体層86が第1ゲートGlf1であって、n型の半導体層87を取り除いて露出させたp型の半導体層86上に、第1アイランド301のU字の内側に沿ってp型オーミック電極331が設けられている。p型オーミック電極331は、U字の一方の側(図3(a)において右側)では、その中央部に設けられた転送サイリスタT1の近傍まで延びていて、U字の他方の側(図3(a)において左側)では、U字の端部まで延びている。なお、p型の基板80、p型の半導体層81、電流狭窄層82、p型の半導体層83を第1ゲート層、p型オーミック電極331を第1ゲートGlf1と表記することがある。そして、n型の半導体層84が第2ゲートGls1である。なお、n型の半導体層84を第2ゲート層と表記することがある。
発光サイリスタLは、n型の半導体層84から注入された電子とp型の半導体層86から注入された正孔とが、真性の半導体層85において再結合することで発光する。光は、カソードであるn型の半導体層87の領域311の表面(発光面)から、絶縁層88を透過して出射する。なお、n型の半導体層87の領域311において、点灯信号線75とn型オーミック電極321との接続のための枝部75b及びn型オーミック電極321で覆われた部分は、光の出射が妨げられる。
転送サイリスタT1は、第1アイランド301において、U字の一方の側(図3(a)において右側)の中央部に設けられている。転送サイリスタT1が設けられた部分では、p型の基板80、p型の半導体層81、電流狭窄層82、p型の半導体層83をアノードとし、周囲を取り除いたn型の半導体層87の領域312をカソードとする。そして、n型の半導体層87の領域312上にn型オーミック電極322が設けられている。なお、p型の基板80、p型の半導体層81、電流狭窄層82、p型の半導体層83をアノード層、n型の半導体層87をカソード層、n型オーミック電極322をカソードと表記することがある。
さらに、p型の半導体層86が第1ゲートGtf1である。p型の半導体層86上のp型オーミック電極331を、第1ゲートGtf1と表記することがある。すなわち、発光サイリスタL1の第1ゲートGlf1及び転送サイリスタT1の第1ゲートGtf1は、p型オーミック電極331で共通である。よって、p型オーミック電極331は、第1ゲートGtf1(Glf1)と表記されることがある。
そして、n型の半導体層84が第2ゲートGts1である。なお、n型の半導体層84を第2ゲート層と表記することがある。
結合トランジスタQ1は、平面形状がU字状の第1アイランド301において、U字の一方の側(図3(a)において右側)の端部に設けられている。結合トランジスタQ1が設けられる部分では、n型の半導体層87が取り除かれている。そして、p型の半導体層81、電流狭窄層82、p型の半導体層83がエミッタ、n型の半導体層84がベース、n型の半導体層87を取り除いて露出したp型の半導体層86がコレクタC1である。n型の半導体層87を取り除いて露出させたp型の半導体層86上にp型オーミック電極332が設けられている。なお、p型の半導体層83をエミッタ層、n型の半導体層84をベース層、p型の半導体層86をコレクタ層、p型オーミック電極332をコレクタC1と表記することがある。
発光サイリスタL1のアノードとして働く部分のp型の半導体層81、電流狭窄層82、p型の半導体層83、転送サイリスタT1のアノードとして働く部分のp型の半導体層81、電流狭窄層82、p型の半導体層83、及び、結合トランジスタQ1のエミッタとして働く部分のp型の半導体層81、電流狭窄層82、p型の半導体層83は繋がって(連続して)いる。
また、発光サイリスタL1の第2ゲートGls1として働く部分のn型の半導体層84、転送サイリスタT1の第2ゲートGts1として働く部分のn型の半導体層84及び結合トランジスタQ1のベースとして働く部分のn型の半導体層84は互いに繋がって(連続して)いる。
発光サイリスタL1の第1ゲートGlf1として働く部分のp型の半導体層86と転送サイリスタT1の第1ゲートGtf1として働く部分のp型の半導体層86とはつながって(連続して)いる。
さらに、図3(b)では、転送サイリスタT1と結合トランジスタQ1との間において、真性の半導体層85の一部が連続するように表記されている。この構造については後述する。
電源線抵抗Rg1が設けられた第2アイランド302では、n型の半導体層87が取り除かれている。そして、露出させたp型の半導体層86上にp型オーミック電極333とp型オーミック電極334とが設けられている。そして、p型の半導体層86上にp型オーミック電極333とp型オーミック電極334との間のp型の半導体層86を電源線抵抗Rg1とするように設けられている。電源線抵抗Rg2が設けられた第3アイランド303でも、同様である。すなわち、露出させたp型の半導体層86上に設けられたp型オーミック電極335とp型オーミック電極336との間のp型の半導体層86を電源線抵抗Rg2とするように設けられている。
第4アイランド304に設けられたスタート抵抗R0、第5アイランド305に設けられた電流制限抵抗R1、第6アイランド306に設けられた電流制限抵抗R2は、第2アイランド302に設けられた電源線抵抗Rg1と同様に、それぞれが2個のp型オーミック電極(符号なし)間のp型の半導体層86を抵抗としている。
図3(a)において、各素子間の接続関係を説明する。
点灯信号線75は幹部75aと複数の枝部75bとを備え、幹部75aは発光サイリスタ列の列方向に延びるように設けられている。枝部75bは幹部75aから枝分かれして、第1アイランド301に設けられた発光サイリスタL1のn型の半導体層87の領域311上のn型オーミック電極321(カソード)と接続されている。第1アイランド301と同様なアイランドに設けられた、他の発光サイリスタLのカソードも同様にして、点灯信号線75に接続されている。そして、点灯信号線75はφI端子に接続されている。
第1転送信号線72は、第1アイランド301に設けられた転送サイリスタT1のn型の半導体層87の領域312上のn型オーミック電極322(カソード)に接続されている。第1アイランド301と同様なアイランドに設けられた、他の奇数番号の転送サイリスタTのカソードも第1転送信号線72に接続されている。第1転送信号線72は、第5アイランド305に設けられた電流制限抵抗R1を介してφ1端子に接続されている。
一方、第2転送信号線73は、符号を付さないアイランドに設けられた偶数番号の転送サイリスタTのカソードに接続されている。第2転送信号線73は、第6アイランド306に設けられた電流制限抵抗R2を介してφ2端子に接続されている。
電源線71は、第2アイランド302に設けられた電源線抵抗Rg1のp型オーミック電極334、第3アイランド303に設けられた電源線抵抗Rg2のp型オーミック電極336に接続されている。第2アイランド302(第3アイランド303)と同様なアイランドに設けられた他の電源線抵抗Rgも同様にして電源線71に接続されている。電源線71はVga端子に接続されている。
そして、平面形状がU字状の第1アイランド301のU字の内側に沿って設けられたp型オーミック電極331(第1ゲートGtf1(Glf1))は、U字の他方の側(図3(a)において左側)の端部まで延びて、第2アイランド302に設けられた電源線抵抗Rg1のp型オーミック電極333に接続配線76で接続されている。
平面形状がU字状の第1アイランド301のU字の一方の側の端部に設けられたp型オーミック電極332(結合トランジスタQ1のコレクタC1)は、第3アイランド303に設けられた電源線抵抗Rg2のp型オーミック電極335に接続配線77で接続されている。
ここでは説明を省略するが、他の発光サイリスタL、転送サイリスタT、結合トランジスタQ、電源線抵抗Rgについても同様である。
第1アイランド301のp型オーミック電極331(第1ゲートGtf1(Glf1))及び第2アイランド302のp型オーミック電極333(電源線抵抗Rg1の一方の端子)は、第4アイランド304に設けられたスタート抵抗R0の一方のp型オーミック電極(符号なし)に前述した接続配線76で接続されている。スタート抵抗R0の他方の端子は第2転送信号線73に接続されている。
このようにして、図2に示した発光チップUが構成される。
(転送サイリスタT及び結合トランジスタQ)
ここで、転送サイリスタT及び結合トランジスタQを説明する。
図4は、転送サイリスタT1及び結合トランジスタQ1を説明する図である。図4(a)は、転送サイリスタT1及び結合トランジスタQ1を等価なトランジスタの記号により表記した図、図4(b)は、図4(a)において、転送サイリスタT1をサイリスタの記号で表記するとともに、隣接する転送サイリスタT2を加えて示した図、図4(c)は、転送サイリスタT1及び結合トランジスタQ1の断面図である。なお、図4(c)は、図3(b)の断面図において、転送サイリスタT1と結合トランジスタQ1との部分を拡大して示している。
図4では、説明を容易にするため、転送サイリスタT1のアノードA1、カソードK1、転送サイリスタT2のアノードA2、カソードK2及び結合トランジスタQ1のエミッタE1、ベースB1、コレクタC1とする。
図4(a)に示すように、転送サイリスタT1はpnpトランジスタTr1とnpnトランジスタTr2とが組み合わされた構成をなしている。すなわち、pnpトランジスタTr1のベースがnpnトランジスタTr2のコレクタに接続され、pnpトランジスタTr1のコレクタがnpnトランジスタTr2のベースに接続されている。そして、pnpトランジスタTr1のエミッタが、転送サイリスタT1のアノードA1、pnpトランジスタTr1のコレクタ(npnトランジスタTr2のベース)が転送サイリスタT1の第1ゲートGtf1、npnトランジスタTr2のコレクタ(pnpトランジスタTr1のベース)が転送サイリスタT1の第2ゲートGts1、npnトランジスタTr2のエミッタが転送サイリスタT1のカソードK1である。転送サイリスタT1のアノードA1であるpnpトランジスタTr1のエミッタは基準電位Vsubに接続されている。
そして、結合トランジスタQ1はpnpトランジスタであって、ベースB1が転送サイリスタT1の第2ゲートGts1に接続されている。なお、転送サイリスタT1の第2ゲートGts1は、npnトランジスタTr2のコレクタ及びpnpトランジスタTr1のベースである。結合トランジスタQ1のエミッタE1は基準電位Vsubに接続されている。
図4(a)に示すように、転送サイリスタT1のpnpトランジスタTr1と結合トランジスタQ1とは、カレントミラー回路を構成している。すなわち、pnpトランジスタTr1に流れる電流に比例した電流が結合トランジスタQ1に流れる。
以下では、一例として、Vsub端子である裏面電極89(図2、図3(b)参照)に供給される基準電位Vsubをハイレベルの電位として0V(以下では「H」(0V)又は「H」と表記する。)、Vga端子に供給される電源電位Vgaをローレベルの電位として−3.3V(以下では「L」(−3.3V)又は「L」と表記する。)として説明する。
サイリスタ(転送サイリスタT、発光サイリスタL)及び結合トランジスタQは、図3に示したように、p型半導体層(p型の基板80、p型の半導体層81、電流狭窄層82、p型の半導体層83、p型の半導体層86)、n型半導体層(n型の半導体層84、n型の半導体層87)、真性の半導体層85を積層して構成される。後述するように、これらはGaAs、GaAlAs、AlAsなどにより構成されるとして、p型半導体層とn型半導体層とで構成されるpn接合の拡散電位(順方向電位)Vdを一例として1.5Vとする。
まず、転送サイリスタT1によりサイリスタ(転送サイリスタT、発光サイリスタL)の基本的な動作を説明する。
転送サイリスタT1のアノードA1であるp型の半導体層81は、裏面電極89に供給される基準電位Vsub(「H」(0V))になっている。
オフ状態にある転送サイリスタT1では、アノードA1とカソードK1との間はオン状態に比べて電流が小さい状態にある。このとき、転送サイリスタT1を構成するpnpトランジスタTr1及びnpnトランジスタTr2はオフ状態にある。
ここで、転送サイリスタT1のカソードK1に接続された第1転送信号線72が、「L」(−3.3V)となるとする。
このとき、第1ゲートGtf1が、「L」(−3.3V)に拡散電位Vd(1.5V)を加えた値、ここでは−1.8Vより高い(正の側を高いといい、負の側を低いという。)電位になると、npnトランジスタTr2のエミッタ−ベース間が順バイアスになり、オフ状態からオン状態に移行する。すると、npnトランジスタTr2のコレクタが「L」(−3.3V)側に引き込まれ、pnpトランジスタTr1のエミッタ(「H」(0V))−ベース間が順バイアスになって、pnpトランジスタTr1もオフ状態からオン状態に移行する。すなわち、pnpトランジスタTr1及びnpnトランジスタTr2がともにオン状態になって、転送サイリスタT1がオフ状態からオン状態に移行する。転送サイリスタT1がオフ状態からオン状態に移行することをターンオンと表記する。
オン状態の転送サイリスタT1では、第1ゲートGtf1は、アノードA1の電位に近い電位(絶対値がアノードA1の電位より大きい負の電位)になる。ここでは、アノードA1を基準電位Vsub(「H」(0V))に設定しているので、第1ゲートGtf1の電位は、「H」(0V)になるとする。また、第2ゲートGts1は、アノードA1の電位からpn接合の拡散電位Vd(1.5V)を引いた電位(−1.5V)になる。
オン状態の転送サイリスタT1のカソードK1は、アノードA1の電位(「H」(0V))から拡散電位Vd(1.5V)を引いた電位に近い電位(絶対値が1.5Vより大きい負の電位)となる。なお、カソードK1の電位は、オン状態のサイリスタに電流を供給する電源の電流供給能力で設定される。
以上説明したように、転送サイリスタT1を構成するnpnトランジスタTr2のエミッタ(カソードK1)−ベース(第1ゲートGtf1)間を順バイアスにすると、転送サイリスタT1がターンオンする。そして、npnトランジスタTr2のエミッタ(カソードK1)−ベース(第1ゲートGtf1)間を順バイアスにするには、カソードK1の電位を第1ゲートGtf1から拡散電位Vd(1.5V)を引いた電位より低くすればよい。第1ゲートGtf1の電位から拡散電位Vd(1.5V)を引いた電位を転送サイリスタT1のしきい電圧と表記する。よって、転送サイリスタT1のしきい電圧は第1ゲートGtf1の電位によって決まり、カソードK1(第1転送信号線72)がしきい電圧より低い電位となると、転送サイリスタT1がターンオンする。
ターンオンした転送サイリスタT1は、アノードA1の電位(「H」(0V))から拡散電位Vd(1.5V)を引いた電位より低い電位(維持電圧)がカソードK1に印加され、電源からオン状態を維持しうる電流(維持電流)が供給され続けると、オン状態を維持する。
一方、オン状態の転送サイリスタT1は、アノードA1の電位(「H」(0V))から拡散電位Vd(1.5V)を引いた電位より高い電位がカソードK1に印加されると、オン状態からオフ状態に移行する。転送サイリスタT1がオン状態からオフ状態に移行することをターンオフと表記する。例えば、カソードK1が「H」(0V)になると、オン状態を維持するために必要な維持電圧(−1.5Vより低い電位)より高い電位であるとともに、カソードK1の電位とアノードA1の電位とが同じになるので、転送サイリスタT1はターンオフする。
次に、結合トランジスタQ1の動作を説明する。
転送サイリスタT1がオフ状態にあるときは、結合トランジスタQ1もオフ状態にある。
前述したように、転送サイリスタT1がターンオンする際に、pnpトランジスタTr1のエミッタ(アノードA1)−ベース(第2ゲートGts1)間が順バイアスになる。すると、第2ゲートGts1は結合トランジスタQ1のベースB1に接続されているので、結合トランジスタQ1のエミッタE1−ベースB1間も順バイアスになって、結合トランジスタQ1がオフ状態からオン状態に移行する。
なお、結合トランジスタQ1のエミッタE1−ベースB1間が、エミッタE1(「H」(0V))から拡散電位Vd(1.5V)を引いた電位より高くなると、結合トランジスタQ1はオン状態からオフ状態に移行する。
以上において、転送サイリスタT1及び結合トランジスタQ1を説明したが、他の転送サイリスタT及び結合トランジスタQも同様に動作する。また、発光サイリスタLについても、転送サイリスタT1と同様に動作する。
図4(b)でさらに説明する。
前述したように、転送サイリスタT1がターンオンすると、結合トランジスタQ1がオフ状態からオン状態に移行する。結合トランジスタQ1のコレクタC1は、電源線抵抗Rg2を介して、電源電位Vga(「L」(−3.3V))の電源線71に接続されるとともに、転送サイリスタT2の第1ゲートGtf2に接続されている。よって、結合トランジスタQ1のコレクタC1(転送サイリスタT2の第1ゲートGtf2)の電位は、結合トランジスタQ1及び電源線抵抗Rg2を流れる電流と、結合トランジスタQ1及び電源線抵抗Rg2のそれぞれの抵抗によって決まる。
ここでは、結合トランジスタQ1のコレクタC1(転送サイリスタT2の第1ゲートGtf2)の電位は、例として−1Vになるとして説明する。
すると、転送サイリスタT2のしきい電圧は、第1ゲートGtf2の電位(−1V)から拡散電位Vd(1.5V)を引いた電位(−2.5V)になる。よって、第2転送信号線73の電位が、この電位(−2.5V)より低くなると、転送サイリスタT2がターンオンする。
図4(c)に示すように、p型の基板80、p型の半導体層81、電流狭窄層82、p型の半導体層83は、転送サイリスタT1が構成される部分ではアノードA1であり、結合トランジスタQ1が構成される部分ではエミッタE1である。n型の半導体層84は、転送サイリスタT1が構成される部分では第2ゲートGts1であり、結合トランジスタQ1が構成される部分ではベースB1である。p型の半導体層86は、転送サイリスタT1が構成される部分では第1ゲートGtf1であり、結合トランジスタQ1が構成される部分ではコレクタC1である。そして、n型の半導体層87は、転送サイリスタT1が構成される部分ではカソードK1であるが、結合トランジスタQ1が構成される部分では除去されている。
図4(a)に示すように、転送サイリスタT1のアノードA1と結合トランジスタQ1のエミッタE1は、ともに基準電位Vsub(「H」(0V))であるので、p型の半導体層83は繋がって(連続して)いてよい。
また、図4(a)に示すように、転送サイリスタT1の第2ゲートGts1と結合トランジスタQ1のベースB1とは接続されている。よって、n型の半導体層84は、転送サイリスタT1が構成される部分と結合トランジスタQ1が構成される部分とで繋がって(連続して)いることが求められる。
一方、図4(a)に示すように、転送サイリスタT1の第1ゲートGtf1と結合トランジスタQ1のコレクタC1は接続されていない。よって、p型の半導体層86は、転送サイリスタT1が構成される部分と結合トランジスタQ1が構成される部分とで分離されていることが求められる。
なお、結合トランジスタQ1の真性の半導体層85は、転送サイリスタT1に隣接する部分において、厚さ方向の一部が取り除かれている。真性の半導体層85は、抵抗が大きいため、転送サイリスタT1の第1ゲートGtf1と結合トランジスタQ1のコレクタC1との間における電流は低く抑えられる。
<タイミングチャート>
図5は、発光チップUの動作を説明するためのタイミングチャートである。
図5では、発光チップUの発光サイリスタL1〜L5の5個の発光サイリスタLの点灯又は非点灯を制御(点灯制御と表記する。)する部分のタイミングチャートを示している。なお、図5では、発光チップUの発光サイリスタL1、L2、L3、L5を点灯させ、発光サイリスタL4を消灯(非点灯)としている。
図5において、時刻aから時刻kへとアルファベット順に時刻が経過するとする。発光サイリスタL1は、時刻bから時刻eの期間T(1)において、発光サイリスタL2は、時刻eから時刻iの期間T(2)において、発光サイリスタL3は、時刻iから時刻jの期間T(3)において、発光サイリスタL4は、時刻jから時刻kの期間T(4)において点灯又は非点灯の制御(点灯制御)がされる。以下、同様にして番号が5以上の発光サイリスタLが点灯制御される。
ここでは、期間T(1)、T(2)、T(3)、…は同じ長さの期間とし、それぞれを区別しないときは期間Tと呼ぶ。
なお、以下に説明する信号の相互の関係が維持されるようにすれば、期間T(1)、T(2)、T(3)、…の長さを可変としてもよい。
第1転送信号φ1、第2転送信号φ2、点灯信号φI1の波形について説明する。なお、時刻aから時刻bまでの期間は、発光チップUが動作を開始する期間である。この期間の信号については、動作の説明において説明する。
φ1端子(図2、図3参照)に送信される第1転送信号φ1及びφ2端子(図2、図3参照)に送信される第2転送信号φ2は、連続する2つの期間T(例えば、期間T(1)と期間T(2))を単位として波形が繰り返される。
第1転送信号φ1は、期間T(1)の開始時刻bで「H」から「L」に移行し、時刻fで「L」から「H」に移行する。そして、期間T(2)の終了時刻iにおいて、「H」から「L」に移行する。
第2転送信号φ2は、期間T(1)の開始時刻bにおいて「H」であって、時刻eで「H」から「L」に移行する。そして、期間T(2)の終了時刻iにおいて「L」を維持している。
第1転送信号φ1と第2転送信号φ2とを比較すると、第2転送信号φ2は、第1転送信号φ1を時間軸上で期間T後ろにずらしたものに当たる。第1転送信号φ1は、期間T(1)及び期間T(2)での波形を、期間T(3)以降において繰り返す。一方、第2転送信号φ2は、期間T(1)において破線で示す波形及び期間T(2)での波形を、期間T(3)以降において繰り返す。第2転送信号φ2の期間T(1)の波形が期間T(3)以降と異なるのは、期間T(1)は発光チップUが動作を開始する期間であるためである。
第1転送信号φ1と第2転送信号φ2との一組の転送信号は、後述するように、図2、図3に示した転送サイリスタTを番号順にオン状態を伝播させることにより、オン状態の転送サイリスタTと同じ番号の発光サイリスタLを、点灯又は非点灯の制御(点灯制御)の対象として指定する。
次に、発光チップUのφI端子に送信される点灯信号φIについて説明する。
ここでは、発光チップUの発光サイリスタL1に対する点灯制御の期間T(1)において、点灯信号φIを説明する。
発光サイリスタL1を点灯させる場合、点灯信号φIは、期間T(1)の開始時刻bにおいて「H」であって、時刻cで「H」から「L」に移行する。そして、時刻dで「L」から「H」に移行し、期間T(1)の終了時刻eにおいて「H」を維持している。
では、図2を参照しつつ、図5に示したタイミングチャートにしたがって、発光チップUの動作を説明する。なお、以下では、発光サイリスタL1及びL2を点灯制御する期間T(1)、T(2)について説明する。
(1)時刻a
時刻aにおいて、発光チップUのVsub端子は基準電位Vsub(「H」(0V))に、電源線71は電源電位Vga(「L」(−3.3V))に設定される。
また、第1転送信号φ1、第2転送信号φ2がそれぞれ「H」に設定される。これにより、発光チップUのφ1端子及びφ2端子が「H」になる。電流制限抵抗R1を介してφ1端子に接続されている第1転送信号線72の電位も「H」になり、電流制限抵抗R2を介してφ2端子に接続されている第2転送信号線73も「H」になる。
そして、点灯信号φIが「H」に設定される。これにより、発光チップUのφI端子が、外部に設けられた電流制限抵抗を介して「H」になり、φI端子に接続された点灯信号線75も「H」になる。
なお、図5及び以下における説明では、電位がステップ(階段)状に変化するとしているが、電位は徐々に変化する。よって、電位が変化の途上であっても、下記に示す条件が満たされれば、サイリスタがターンオン又はターンオフし、結合トランジスタQがオン状態とオフ状態との間で変化しうる。
転送サイリスタT、発光サイリスタLのアノードは、Vsub端子に接続されているので、「H」(0V)に設定される。
奇数番号の転送サイリスタT1、T3、T5、…のそれぞれのカソードは、第1転送信号線72に接続され、「H」に設定されている。偶数番号の転送サイリスタT2、T4、T6、…のそれぞれのカソードは、第2転送信号線73に接続され、「H」に設定されている。よって、転送サイリスタTは、アノード及びカソードがともに「H」であるためオフ状態にある。
発光サイリスタLのカソードは、「H」の点灯信号線75に接続されている。よって、発光サイリスタLも、アノード及びカソードがともに「H」であるためオフ状態にある。
図2中の転送サイリスタ列の一端の第1ゲートGtf1は、前述したように、スタート抵抗R0の一方の端子に接続されている。第1ゲートGtf1は、電源線抵抗Rg1を介して、「L」(−3.3V)の電源線71に接続されている。そして、スタート抵抗R0の他方の端子は、電流制限抵抗R2を介して、「H」(0V)の第2転送信号線73に接続されている。よって、第1ゲートGtf1は、電源線71の「L」(−3.3V)と第2転送信号線73の「H」(0V)との電位差を電源線抵抗Rg1及びスタート抵抗R0で分圧された電位となる。なお、第2転送信号線73は電流制限抵抗R2を介して「H」(0V)のφ2端子に接続されているので、第1ゲートGtf1は、電源線71の「L」(−3.3V)とφ2端子の「H」(0V)との電位差を電源線抵抗Rg1、スタート抵抗R0、電流制限抵抗R2で分圧された電位となるとしてもよい。ここでは、スタート抵抗R0、電流制限抵抗R2が電源線抵抗Rg1より小さいとして、第1ゲートGtf1は、例として−1Vになっているとする。よって、転送サイリスタT1のしきい電圧は、−2.5Vになっている。
なお、第1ゲートGtf1の電位は、電源線抵抗Rg1、スタート抵抗R0、電流制限抵抗R2により設定できる。
そして、発光サイリスタL1の第1ゲートGlf1は、転送サイリスタT1の第1ゲートGtf1に接続されているので、発光サイリスタL1のしきい電圧も−2.5Vになっている。
このとき、アノード(p型の半導体層83)、カソード(n型の半導体層87)がともに「H」(0V)であって、転送サイリスタT1がオフ状態にあるので、第1ゲートGtf1(p型の半導体層86)が−1Vになっても、第2ゲートGts1(n型の半導体層84)は、「H」(0V)から拡散電位Vd(1.5V)を引いた電位(−1.5V)より低くならない。よって、結合トランジスタQ1はオン状態になることができずオフ状態にある。なお、転送サイリスタT2の第1ゲートGtf2は、電源線抵抗Rg2を介して、電源線71の「L」(−3.3V)になっている。すなわち、転送サイリスタT2のしきい電圧は−4.8Vである。同様に、他の転送サイリスタT3、T4、T5、…のしきい電圧も−4.8Vである。
また、発光サイリスタL2、3、4、…の第1ゲートGlf2、Glf3、Glf4、…は、それぞれ転送サイリスタT2、T3、T4、…の第1ゲートGtf2、Gtf3、Gtf4、…に接続されているので、しきい電圧は−4.8Vである。
(2)時刻b
図5に示す時刻bにおいて、第1転送信号φ1が、「H」から「L」に移行する。
第1転送信号φ1が「H」から「L」に移行すると、φ1端子及び電流制限抵抗R1を介して、第1転送信号線72の電位が「H」から「L」(−3.3V)に移行する。すると、しきい電圧が−2.5Vである転送サイリスタT1のカソードの電位が「L」(−3.3V)になるので、転送サイリスタT1がターンオンする。しかし、第1転送信号線72にカソードが接続された番号が3以上の奇数番号の転送サイリスタTは、しきい電圧が−4.8Vであるのでターンオンできない。一方、偶数番号の転送サイリスタTは、第2転送信号φ2が「H」(0V)であって、第2転送信号線73が「H」(0V)であるのでターンオンできない。
転送サイリスタT1がターンオンすると、第1転送信号線72の電位は、アノードの基準電位Vsub(「H」(0V))から拡散電位Vd(1.5V)を引いた−1.5Vになる。そして、第1ゲートGtf1の電位は、転送サイリスタT1のアノードの基準電位Vsub(「H」(0V))の「H」(0V)になる。転送サイリスタT1の第1ゲートGtf1に接続されている発光サイリスタL1の第1ゲートGlf1の電位も「H」(0V)になる。そして、発光サイリスタL1のしきい電圧が−1.5Vになる。
一方、転送サイリスタT1がターンオンすると、結合トランジスタQ1がオフ状態からオン状態に移行する。そして、結合トランジスタQ1のコレクタC1(転送サイリスタT2の第1ゲートGtf2)の電位が−1Vに移行する。これにより、転送サイリスタT2及び発光サイリスタL2のしきい電圧が−2.5Vになる。
しかし、第2転送信号線73は、「H」(0V)であるので、発光サイリスタL2はターンオンしない。
なお、転送サイリスタT2はオフ状態にあるので、前述したように結合トランジスタQ2はオフ状態であって、転送サイリスタT3の第1ゲートGtf3は「L」(−3.3V)である。よって、転送サイリスタT3及び発光サイリスタL3のしきい電圧は、−4.8Vである。同様に、番号が4以上の転送サイリスタT及び発光サイリスタLもしきい電圧が−4.8Vである。
時刻bの直後(ここでは、時刻bにおける信号の電位の変化によってサイリスタなどの変化が生じた後、定常状態になったときをいう。)において、転送サイリスタT1、結合トランジスタQ1がオン状態にあって、他の転送サイリスタT及び結合トランジスタQ、すべての発光サイリスタLはオフ状態にある。
なお、以下では、オン状態の転送サイリスタT、結合トランジスタQ、発光サイリスタLを表記し、オフ状態の転送サイリスタT、結合トランジスタQ、発光サイリスタLについては表記しない。
(3)時刻c
時刻cにおいて、点灯信号φIが「H」から「L」に移行する。
点灯信号φIが「H」から「L」に移行すると、φI端子を介して、点灯信号線75が「H」(0V)から「L」(−3.3V)に移行する。すると、しきい電圧が−1.5Vである発光サイリスタL1がターンオンして、点灯(発光)する。これにより、点灯信号線75の電位が−1.5Vに近い電位(絶対値が1.5Vより大きい負の電位)になる。なお、発光サイリスタL2はしきい電圧が−2.5Vであるが、しきい電圧が−1.5Vと高い発光サイリスタL1がターンオンして、点灯信号線75が−1.5Vに近い電位(絶対値が1.5Vより大きい負の電位)になるので、発光サイリスタL2はターンオンしない。
時刻cの直後において、転送サイリスタT1、結合トランジスタQ1がオン状態にあって、発光サイリスタL1がオン状態で点灯(発光)している。
(4)時刻d
時刻dにおいて、点灯信号φIが「L」から「H」に移行する。
点灯信号φIが「L」から「H」に移行すると、φI端子を介して、点灯信号線75の電位が「L」から「H」に移行する。すると、発光サイリスタL1は、アノードとカソードとがともに「H」になるのでターンオフして消灯(非点灯)する。発光サイリスタL1の点灯期間は、点灯信号φIが「H」から「L」に移行した時刻cから、点灯信号φIが「L」から「H」に移行する時刻dまでの、点灯信号φIが「L」である期間となる。
時刻dの直後において、転送サイリスタT1、結合トランジスタQ1がオン状態にある。
(5)時刻e
時刻eにおいて、第2転送信号φ2が「H」から「L」に移行する。ここで、発光サイリスタL1を点灯制御する期間T(1)が終了し、発光サイリスタL2を点灯制御する期間T(2)が開始する。
第2転送信号φ2が「H」から「L」に移行すると、φ2端子を介して第2転送信号線73の電位が「H」から「L」に移行する。前述したように、転送サイリスタT2は、しきい電圧が−2.5Vになっているので、ターンオンする。これにより、第1ゲートGtf2(第1ゲートGlf2)の電位が「H」(0V)になる。よって、発光サイリスタL2のしきい電圧は−1.5Vになる。
転送サイリスタT2がターンオンすることにより、結合トランジスタQ2がオフ状態からオン状態に移行し、転送サイリスタT3の第1ゲートGtf3が−1Vになる。よって、転送サイリスタT3及び発光サイリスタL3のしきい電圧が−2.5Vになる。
なお、番号が4以上の転送サイリスタT及び発光サイリスタLのしきい電圧は−4.8Vである。
なお、点灯信号φIは「H」(0V)であるので、いずれの発光サイリスタLも点灯しない。
時刻eの直後において、転送サイリスタT1、T2、結合トランジスタQ1、Q2がオン状態にある。
(6)時刻f
時刻fにおいて、第1転送信号φ1が「L」から「H」に移行する。
第1転送信号φ1が「L」から「H」に移行すると、φ1端子を介して第1転送信号線72の電位が「L」から「H」に移行する。すると、オン状態の転送サイリスタT1は、アノードとカソードとがともに「H」になって、ターンオフする。
第1ゲートGtf1(第1ゲートGlf1)は、電源線抵抗Rg1を介して電源線71(「L」(−3.3V))に接続されるとともに、スタート抵抗R0を介して「L」(−3.3V)である第2転送信号線73に接続されている。よって、第1ゲートGtf1(第1ゲートGlf1)の電位は「H」(0V)から「L」(−3.3V)になる。これにより、転送サイリスタT1及び発光サイリスタL1のしきい電圧は−4.8Vになる。
時刻fの直後において、転送サイリスタT2がオン状態にある。
(7)その他
時刻gにおいて、点灯信号φIが「H」から「L」に移行すると、時刻cでの発光サイリスタL1と同様に、発光サイリスタL2がターンオンして、点灯(発光)する。
そして、時刻hにおいて、点灯信号φIが「L」から「H」に移行すると、時刻dでの発光サイリスタL1と同様に、発光サイリスタL2がターンオフして消灯する。
さらに、時刻iにおいて、第1転送信号φ1が「H」から「L」に移行すると、時刻bでの転送サイリスタT1又は時刻eでの転送サイリスタT2と同様に、しきい電圧が−2.5Vの転送サイリスタT3がターンオンする。このとき、転送サイリスタT1はしきい電圧が−4.8Vであるので、ターンオンできない。
時刻iで、発光サイリスタL2を点灯制御する期間T(2)が終了し、発光サイリスタL3を点灯制御する期間T(3)が開始する。
以降は、これまで説明したことの繰り返しとなる。
なお、発光サイリスタLを点灯(発光)させないで、消灯(非点灯)のままとするときは、図5の発光サイリスタL4を点灯制御する期間T(4)における時刻jから時刻kに示す点灯信号φIのように、点灯信号φIを「H」(0V)のままとすればよい。このようにすることで、発光サイリスタL4は、しきい電圧が−1.5Vであっても、消灯(非点灯)のままとなる。
以上説明したように、転送サイリスタTは結合トランジスタQによって相互に接続されている。よって、前段の転送サイリスタTがターンオンすると、結合トランジスタQがオフ状態からオン状態に移行し、後段の転送サイリスタTのしきい電圧を高くする。これにより、後段の転送サイリスタTのカソードに接続された第1転送信号φ1又は第2転送信号φ2が「H」(0V)から「L」(−3.3V)に移行するタイミングにおいて、後段の転送サイリスタTがターンオンする。
そして、転送サイリスタTがターンオンすると、第1ゲートGtfが「H」(0V)になる。転送サイリスタTの第1ゲートGtfと発光サイリスタLの第1ゲートGlfとは接続されているので、発光サイリスタLのしきい電圧が−1.5Vとなる。そして、点灯信号φIが「H」(0V)から「L」(−3.3V)に移行するタイミングにおいて、発光サイリスタLがターンオンして点灯(発光)する。
すなわち、転送サイリスタTはオン状態になることで、点灯制御の対象である発光サイリスタLを指定し、点灯可能な状態に設定する。点灯信号φIは、点灯制御の対象である点灯可能な状態となった発光サイリスタLを点灯又は非点灯に設定する。
このように、画像データに応じて点灯信号φIの波形を設定することで、各発光サイリスタLの点灯又は非点灯を制御する。
なお、図2において、結合トランジスタQを用いずに、転送サイリスタTの第1ゲートGtf間を順にダイオードで結合させる方法がある。この場合には、スタート抵抗R0の代わりに、スタートダイオードが用いられる。
このようにすると、結合させるダイオードの拡散電位も1.5Vであるので、ターンオンする前の転送サイリスタTのしきい電圧は−3Vであって、第1転送信号φ1及び第2転送信号φ2の「L」(−3.3V)との差は−0.3Vに過ぎない。
これに対して、本実施の形態が適用される発光チップUでは、転送サイリスタTのターンオンする前のしきい電圧は−2.5Vであって、第1転送信号φ1及び第2転送信号φ2の「L」(−3.3V)との差は、−0.8Vと絶対値において大きい。
すなわち、転送サイリスタTを結合トランジスタQにより接続した本実施の形態が適用される発光チップUは、動作マージンが広いため、ノイズなどの影響を受けにくく、制御部101における転送サイリスタTのオン状態の伝搬が途切れるという転送不良の発生が抑制される。
(発光チップUの製造方法)
本実施の形態が適用される発光チップUの製造方法について説明する。
ここでは、フォトリソグラフィ及びウェットエッチングによって、発光チップUを製造するとする。
図6は、本実施の形態が適用される発光チップUの製造方法を説明する断面図である。図6(a)は、半導体積層体形成工程、図6(b)はゲート形成工程、図6(c)は、分離工程である。上から平面図、a−a断面、b−b断面を示す。a−a断面は、第1アイランド301において、結合トランジスタQ1が形成される部分(制御部101)、b−b断面は、第1アイランド301において、発光サイリスタL1が形成される部分(発光部102)である。なお、他の部分も同様である。
なお、図6には、発光チップUの製造方法の前半部分を示している。
図6(a)に示す半導体積層体形成工程では、p型の基板80上に、p型の半導体層81、電流狭窄層82、p型の半導体層83、n型の半導体層84、真性の半導体層85、p型の半導体層86、n型の半導体層87を順に積層して半導体積層体を形成する。
例えば、p型の基板80は、GaAsである。p型の半導体層81、p型の半導体層83、n型の半導体層84、真性の半導体層85、p型の半導体層86、n型の半導体層87は、GaAlAsである。
そして、電流狭窄層82は、例えば、AlAsで構成されている。そして、電流狭窄層82の電流阻止部82b(後述する図7(b)参照)は、AlAsなどに含まれるAlを水蒸気酸化法などで酸化することで、電流を通さない絶縁性のAlとすることで形成される。よって、電流狭窄層82には、AlAsのようにAl組成比が高い材料を使用するのがよい。なお、Al組成比が98%以上のAlGaAsであってもよい。前述したように、電流狭窄層82の酸化されない部分である電流通過部82aは、p型の半導体として働く。
導電型及び不純物濃度は、添加される不純物により設定される。なお、真性の半導体層85は、不純物が添加されていないか、極めて少量である。
次に、図6(b)に示すゲート形成工程では、一部の領域においてn型の半導体層87を除去して、転送サイリスタTの第1ゲートGtf1及び結合トランジスタQのコレクタC1となるp型の半導体層86を露出させる。
ここでは、まず、フォトリソグラフィにより、フォトレジストのマスクパタン91を形成する。
そして、マスクパタン91で覆われていない部分において、n型の半導体層87をエッチングして、p型の半導体層86の表面を露出させる。なお、n型の半導体層87を完全に除去するために、p型の半導体層86の厚さ方向の一部がエッチングされるようにするのがよい。
その後、マスクパタン91を除去する。
これにより、発光サイリスタL1のカソードである領域311及び転送サイリスタT1のカソードである領域312が形成される。
そして、図6(c)の分離工程では、アイランド(第1アイランド301、図3に示す第2アイランド302など)間を分離するために、アイランド間のp型の半導体層86、真性の半導体層85、n型の半導体層84を除去する。
ここでは、まず、フォトリソグラフィにより、フォトレジストのマスクパタン92を形成する。
そして、マスクパタン92で覆われていない部分において、p型の半導体層86、真性の半導体層85、n型の半導体層84をエッチングして、p型の半導体層83の表面を露出させる。なお、p型の半導体層86、真性の半導体層85、n型の半導体層84をエッチングにおいて、n型の半導体層84を完全に除去するために、p型の半導体層83の厚さ方向の一部がエッチングされるようにするのがよい。
その後、マスクパタン92を除去する。
これにより、アイランド(第1アイランド301、図3に示す第2アイランド302など)が分離される。
図7は、本実施の形態が適用される発光チップUの後半の製造方法を説明する断面図である。図7(a)は、電流狭窄層露出工程、図7(b)は酸化工程、図7(c)は、トランジスタ形成工程である。図6と同様に、上から平面図、a−a断面、b−b断面を示す。a−a断面は、第1アイランド301において、結合トランジスタQ1が形成される部分(制御部101)、b−b断面は、第1アイランド301において、発光サイリスタL1が形成される部分(発光部102)である。なお、他の部分も同様である。
なお、図7には、発光チップUの製造方法の後半部分を示している。
図7(a)に示す電流狭窄層露出工程では、発光部102における発光サイリスタL1の周囲におけるp型の半導体層83、電流狭窄層82を除去して、電流狭窄層82の側面を露出させる。
ここでは、まず、フォトリソグラフィにより、フォトレジストのマスクパタン93を形成する。マスクパタン93は、発光サイリスタL1の周囲の電流狭窄層82の側面を露出させる部分が開口となる(覆わない)ように形成される。よって、制御部101(転送サイリスタT1及び結合トランジスタQ1などの部分)は、マスクパタン93で覆われている。
そして、マスクパタン93で覆われていない部分において、p型の半導体層83、電流狭窄層82をエッチングして、電流狭窄層82の側面を露出させる。なお、電流狭窄層82の側面を露出させるために、p型の半導体層81の厚さ方向の一部がエッチングされるようにするのがよい。
その後、マスクパタン93を除去する。
これにより、発光サイリスタL1の周囲(図7(b)では、上側を除く三方)において、電流狭窄層82の側面が露出する。しかし、結合トランジスタQ1及び転送サイリスタT1の周囲では、電流狭窄層82の側面は露出しない。
次に、図7(b)に示す酸化工程では、露出した電流狭窄層82の側面から酸化させて、電流阻止部82bを形成する。
ここでは、例えば、300〜400℃での水蒸気酸化により、AlAsである電流狭窄層82の露出した側面から酸化を進行させる。
これにより、発光サイリスタL1の周囲における三方にAlの酸化物であるAlによる電流阻止部82bが形成される。
なお、結合トランジスタQ1及び転送サイリスタT1の部分では、電流狭窄層82の側面は露出していないので、酸化されることがない。
そして、図7(c)に示すトランジスタ形成工程では、結合トランジスタQ1が形成される部分において、p型の半導体層86を除去して、結合トランジスタQ1を形成する。
ここでは、まず、フォトリソグラフィにより、フォトレジストのマスクパタン94を形成する。マスクパタン94は、結合トランジスタQ1が形成される部分において、p型の半導体層86を除去する部分が開口になる(覆われない)ように形成される。なお、平面図に示しているように、マスクパタン94は、開口が第1アイランド301(U字状の右側部分)を横切るように設けられている。
次いで、マスクパタン94で覆われていない部分において、p型の半導体層86をエッチング(取り除いて)して、真性の半導体層85の表面を露出させる。
その後、マスクパタン94を除去する。
これにより、結合トランジスタQ1が形成される部分において、p型の半導体層86が除去され、結合トランジスタQ1が形成される。なお、n型の半導体層84に到達しない範囲において、真性の半導体層85が厚さ方向にエッチングされてもよい。n型の半導体層84がエッチングされなければ、結合トランジスタQ1のベースB1と転送サイリスタT1の第2ゲートGts1との接続抵抗が変動することが抑制される(図4(c)参照)。
このとき、結合トランジスタQ1の両側のマスクパタン94(開口)がU字状の第1アイランド301の右側部分を横切る部分、すなわち、結合トランジスタQ1の両側において、p型の半導体層83及び電流狭窄層82もエッチングされる。そして、電流狭窄層82の側面が露出する。
しかし、酸化工程は、既に終了しているので、結合トランジスタQ1が形成される部分においては、電流狭窄層82が酸化されることがない。
電流狭窄層82により、発光サイリスタLの周囲に電流の流れを阻止する電流阻止部82bを設けることにより、発光サイリスタLに流れる電流を中央部に集中させる(狭窄する)ことで、キャリア密度を高くして正孔と電子との結合効率を高くする。よって、発光サイリスタLの発光効率が向上する。
しかし、結合トランジスタQ及び転送サイリスタTの周囲に電流阻止部82bを設けると、オン状態における抵抗が増加する。また、結合トランジスタQ及び転送サイリスタTの特性が、酸化工程のばらつきの影響を受けて、ばらついてしまう。すなわち、結合トランジスタQ及び転送サイリスタTでは、電流狭窄層82に電流阻止部82bを設けないことが好ましい。
以上説明したように、本実施の形態における製造方法では、結合トランジスタQ及び転送サイリスタTなどが形成される制御部101における電流狭窄層82に電流阻止部82bが形成されないようにしている。
次に、マスクパタン94の開口(覆わない部分)が、第1アイランド301(U字状の右側部分)を横切るように設けていることを説明する。
図8は、図7(c)に示したトランジスタ形成工程における結合トランジスタQ1の断面形状を説明する図である。図8(a1)、(a2)は、本実施の形態が適用される製造方法による場合、図8(b1)、(b2)は、本実施の形態が適用されない製造方法による場合である。ここでは、図6、図7におけるa−a線での断面における結合トランジスタQ1を示している。
結合トランジスタQ1は、図6(c)の分離工程で残された、p型の半導体層86を除けば(エッチングすれば)完成する。
ここでは、図8(a1)に示すように、本実施の形態が適用される製造方法では、マスクパタン94の開口(覆わない部分)は、結合トランジスタQ1が形成される部分の第1アイランド301を横切って設けられている。
このため、図8(a2)に示すように、p型の半導体層86が除去されるとともに、マスクパタン94の開口(覆わない部分)に露出したp型の半導体層83及び電流狭窄層82も除去(エッチング)されてしまう。これにより、結合トランジスタQ1などの周囲において、矢印αで示すように電流狭窄層82の側面が露出することになる。
一方、図8(b1)に示すように、本実施の形態が適用されない製造方法では、電流狭窄層82の側面が露出しないようにするため、p型の半導体層86上にマスクパタン94による開口(覆わない部分)を設ける。なお、マスクパタン94による開口(覆わない部分)は、ウェットエッチングによるサイドエッチング量を考慮して設定される。
すると、ウェットエッチングでは、等方的にエッチングが進むため、図8(b2)において矢印βで示すように、マスクパタン94による開口(覆わない部分)の周囲に、p型の半導体層86が帯状に残る恐れがある。
すると、p型の半導体層86により、結合トランジスタQ1のコレクタC1と転送サイリスタT1の第1ゲートGtf1とが接続されることになる(図4(c)参照)。このため、結合トランジスタQ1は、動作ができなくなってしまう。
マスクパタン94による開口(覆わない部分)の大きさの調整や、エッチングの制御の精度向上により、p型の半導体層86が帯状に残らないようにすることが考えられる。しかし、マスクパタン94のずれ(マスクずれ)などを考慮すると、現実的ではない。
そこで、本実施の形態が適用される製造方法では、図8(a1)、(a2)に示したように、マスクパタン94を結合トランジスタQ1が形成される部分の第1アイランド301を横切って設けることで、p型の半導体層86が帯状に残らないようにしている。
そして、本実施の形態が適用される製造方法では、結合トランジスタQ1の周囲において、電流狭窄層82の露出した側面が酸化されないように、酸化工程(図7(b))をトランジスタ形成工程(図7(c))の前に設けている。
なお、酸化工程(図7(b))をトランジスタ形成工程(図7(c))の後に設けると、結合トランジスタQ1の周囲において、電流狭窄層82の露出した側面が酸化されてしまう。よって、酸化工程(図7(b))をトランジスタ形成工程(図7(c))の後に設けないことがよい。
なお、ここでは、n型オーミック電極321、322、p型オーミック電極331、332及び裏面電極89の形成について、説明しなかったが、n型オーミック電極321、322は、図6(b)のゲート形成工程の前、p型オーミック電極331、332は、図6(b)のゲート形成工程の後に、リフトオフなどにより形成すればよい。また、裏面電極89は、図7(c)のトランジスタ形成工程の後に、形成すればよい。
なお、エッチングは、エッチング液(エッチャント)を用いたウェットエッチングで行うとした。これは、反応性のガスをプラズマ化してエッチングするドライエッチングより、膜厚方向のエッチングの精度が高いためである。
本実施の形態では、サイリスタ(転送サイリスタT、発光サイリスタL)はアノードが基板80に接続されたアノードコモンとし、結合トランジスタQはpnpバイポーラトランジスタとして説明した。回路の極性を変更することによって、サイリスタ(転送サイリスタT、発光サイリスタL)はカソードがn型の基板に接続されたカソードコモンとしてもよく、結合トランジスタQはnpnバイポーラトランジスタとしてもよい。
さらに、本実施の形態では、発光サイリスタL、転送サイリスタT、結合トランジスタQを含む発光チップUで説明した。発光チップUは、発光サイリスタL、転送サイリスタT、結合トランジスタQの他に、制御用のサイリスタ及び/又は制御用のトランジスタを含んでいてもよい。この場合には、転送サイリスタT、結合トランジスタQ、制御用のサイリスタ及び/又は制御用のトランジスタを制御部101として、本発明を適用すればよい。
そして、本実施の形態では、発光素子を発光サイリスタLとしたが、発光素子はp型の半導体層とn型の半導体層とが積層された発光ダイオード(LED)であってもよい。
71…電源線、72…第1転送信号線、73…第2転送信号線、75…点灯信号線、75a…幹部、75b…枝部、80…基板、81、83、86…p型の半導体層、82…電流狭窄層、82a…電流通過部、82b…電流阻止部、84、87…n型の半導体層、85…真性(イントリンシック)の半導体層、91、92、93、94…マスクパタン、101…制御部、102…発光部、φ1…第1転送信号、φ2…第2転送信号、φI…点灯信号、Glf(Glf1、Glf2、…)、Gtf(Gtf1、Gtf2、Gtf3、…)…第1ゲート、Gls(Gls1、Gls2、…)、Gts(Gts1、Gts2、Gts3、…)…第2ゲート、L(L1、L2、L3、…)…発光サイリスタ、T(T1、T2、T3、…)…転送サイリスタ、Q(Q1、Q2、Q3、…)…結合トランジスタ、U…発光チップ、Vga…電源電位、Vsub…基準電位

Claims (3)

  1. 複数の発光サイリスタを含む発光部と、当該複数の発光サイリスタに対応して設けられ、それぞれが対応する発光サイリスタの点灯を制御する複数のトランジスタを含む制御部と、を備えた発光部品の製造方法であって、
    基板上に、アルミニウムを含む電流狭窄層と、第1の導電型の第1の半導体層と、当該第1の導電型と異なる第2の導電型の第2の半導体層と、当該第1の導電型の第3の半導体層と、当該第2の導電型の第4の半導体層とを順に含むように積層した半導体積層体を形成する半導体積層体形成工程と、
    前記半導体積層体の前記第4の半導体層の一部を除去して前記複数の発光サイリスタのゲートを形成するゲート形成工程と、
    前記半導体積層体を、前記電流狭窄層に到達しない溝を形成して複数の島に分離する分離工程と、
    前記複数の島の前記発光部が構成される部分において、前記電流狭窄層の側面を露出させる電流狭窄層露出工程と、
    前記電流狭窄層の側面からアルミニウムを酸化させる酸化工程と、
    前記酸化工程の後に、前記複数のトランジスタが形成される部分の前記第3の半導体層を除去して当該トランジスタを形成するトランジスタ形成工程と
    を含む発光部品の製造方法。
  2. 前記トランジスタ形成工程において、前記第3の半導体層を除去する際に用いるマスクパタンは、前記島の幅より広い開口を有することを特徴とする請求項1に記載の発光部品の製造方法。
  3. 前記半導体積層体は、前記第2の半導体層と前記第3の半導体層との間に、真性の半導体層をさらに含み、
    前記トランジスタ形成工程において、前記第3の半導体層を除く際に、前記真性の半導体層の厚さ方向の一部を含んで除去することを特徴とする請求項1又は2に記載の発光部品の製造方法。
JP2015178368A 2015-09-10 2015-09-10 発光部品の製造方法 Active JP6613741B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015178368A JP6613741B2 (ja) 2015-09-10 2015-09-10 発光部品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015178368A JP6613741B2 (ja) 2015-09-10 2015-09-10 発光部品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017054953A true JP2017054953A (ja) 2017-03-16
JP6613741B2 JP6613741B2 (ja) 2019-12-04

Family

ID=58321144

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015178368A Active JP6613741B2 (ja) 2015-09-10 2015-09-10 発光部品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6613741B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6369613B1 (ja) * 2017-09-21 2018-08-08 富士ゼロックス株式会社 発光部品、プリントヘッド及び画像形成装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6369613B1 (ja) * 2017-09-21 2018-08-08 富士ゼロックス株式会社 発光部品、プリントヘッド及び画像形成装置
JP2019057652A (ja) * 2017-09-21 2019-04-11 富士ゼロックス株式会社 発光部品、プリントヘッド及び画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6613741B2 (ja) 2019-12-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107219741B (zh) 发光部件、打印头和图像形成装置
CN108428707B (zh) 发光部件、发光装置和图像形成装置
JP5874678B2 (ja) 発光部品、プリントヘッド、画像形成装置及び発光部品の製造方法
JP2010045230A (ja) 発光素子チップ、露光装置および画像形成装置
JP6332535B2 (ja) 積層構造体、発光部品、プリントヘッド及び画像形成装置
JPH0992885A (ja) 面発光素子および自己走査型発光装置
KR20110031077A (ko) 발광 장치, 프린트 헤드 및 화상 형성 장치
US8754354B2 (en) Light-emitting device including a memory thyristor array, print head and image forming apparatus including the same
CN113451348A (zh) 发光零件
JP5884767B2 (ja) 発光部品、プリントヘッド及び画像形成装置
JPH0292650A (ja) 自己走査型発光素子アレイ
JP6613741B2 (ja) 発光部品の製造方法
JP7039905B2 (ja) 発光部品の製造方法
JP5636655B2 (ja) 発光チップ、プリントヘッドおよび画像形成装置
JPH09283792A (ja) 面発光サイリスタおよび自己走査型発光装置
JP2016152244A (ja) 発光素子、発光素子アレイ、光書込みヘッドおよび画像形成装置
JP6696132B2 (ja) 発光部品、プリントヘッド及び画像形成装置
JP6728604B2 (ja) 発光部品、プリントヘッドおよび画像形成装置
JP4367191B2 (ja) 自己走査型発光素子アレイ
JP2024048241A (ja) 発光アレイ、発光装置、測定装置及び発光アレイの製造方法
JP5510469B2 (ja) 論理演算回路、発光素子チップ、露光装置および画像形成装置
JP2024048239A (ja) 発光部品、半導体積層基板、発光装置、および測定装置
JP2015074178A (ja) 発光部品、プリントヘッド及び画像形成装置
KR101424659B1 (ko) 발광 소자 어레이 구동 장치, 프린트 헤드, 화상 형성 장치 및 신호 공급 방법
JPH0985987A (ja) 自己走査型発光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180717

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190529

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190618

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190731

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191008

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191021

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6613741

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350