JP2017054660A - リチウムイオン電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄膜化した電極を用いたリチウムイオン電池において、容量、低温特性を両立し、且つ、空隙率のバラつきによる抵抗の上昇を抑制したリチウムイオン電池を提供すること。【解決手段】電極に負極合剤を塗布した負極を有するリチウムイオン二次電池において、前記負極合剤は、負極活物質として、黒鉛とSi系負極活物質を有し、前記黒鉛と前記Si系負極活物質との総計に対する前記Si系負極活物質の割合は、2〜17wt%の範囲であり、前記負極合剤の空隙率は30〜60%の範囲であり、前記負極活物質のD50粒径と、前記合剤層の膜厚との比率(膜厚/D50)は3〜10であり、前記負極合剤層の厚さは、30μm以下であり、前記黒鉛と前記Si系負極活物質の粒径比率(Si系負極活物質のD50/黒鉛のD50)は、0.6〜1.2の範囲であるリチウムイオン電池。【選択図】図2
Description
本発明は、リチウムイオン電池に関する。
環境保護、省エネルギーの観点から、エンジンとモーターとを動カ源として併用したハイブリッド自動車が開発,製品化されている。また、将来的には、燃料電池をエンジンの替わりに用いる燃料電池ハイブリッド自動車の開発も盛んになっている。
このハイブリッド自動車のエネルギー源として電気を繰返し充電放電可能な二次電池は必須の技術である。なかでも、リチウムイオン電池は、その動作電圧が高く、高い出力を得やすい高エネルギー密度の特徴を有する電池であり、今後、ハイブリッド自動車の電源として益々重要性が増している。電気自動車へのハイブリッド自動車の用途では、高容量、高出力化、低温特性のよい電池が重要視されている。高容量、高出力、低温特性良好のためには電極の空隙率、膜厚、活物質組成に関する設計が重要となる。
特許文献1、2には、負極活物質として黒鉛粒子および、金属粒子を用い、空隙率、重量比を調節する技術が開示されている。
リチウムイオン電池の出力を向上させる一つの方法として、電極、合剤層を薄くすることが挙げられる。電極内のLiイオン拡散経路を短くすることで、抵抗が減少し、この結果、高出力化することができる。しかし、活物質の量を変えずに合剤層を薄くした場合、電解液量が減る為、低温特性が下がる可能性がある。この為、ある程度の空隙率を担保した状態で電極の薄膜化をする必要がある。空隙率を担保した状態で薄膜化する場合、活物質量が減る為、容量が減ることとなる。このように、空隙率は低温特性と容量とのトレードオフの関係が成り立つ。
空隙率を保った状態で容量を確保するためには、特許文献1,2のように負極活物質にSi系活物質を用いることが考えられる。負極活物質としてSi系活物質を用いた場合、Si系活物質と黒鉛との間で粒径に差がある場合、負極合剤中の空隙率にばらつきが生じる可能性がある。特にSi系活物質は、充放電による粒径の変化が大きいため、ある箇所では空隙率が高く活物質粒子同士が孤立化し、ある場所では活物質が密となり、電池全体としては抵抗が上がる可能性がある。
そこで本発明では、薄膜化した電極を用いたリチウムイオン電池において、容量、低温特性を両立し、且つ、空隙率のバラつきによる抵抗の上昇を抑制したリチウムイオン電池を提供することを目的とした。
本発明の特徴は、例えば、以下の通りである。電極に負極合剤を塗布した負極を有するリチウムイオン二次電池において、前記負極合剤は、負極活物質として、黒鉛とSi系負極活物質を有し、前記黒鉛と前記Si系負極活物質との総計に対する前記Si系負極活物質の割合は、2〜17wt%の範囲であり、前記負極合剤の空隙率は30〜60%の範囲であり、前記負極活物質のD50粒径と、前記合剤層の膜厚との比率(膜厚/D50)は3〜10であり、前記負極合剤層の厚さは、30μm以下であり、前記黒鉛と前記Si系負極活物質の粒径比率(Si系負極活物質のD50/黒鉛のD50)は、0.6〜1.2の範囲であるリチウムイオン電池。
本発明により、薄膜化した電極を用いたリチウムイオン電池において、容量、低温特性を両立し、且つ、空隙率のバラつきによる抵抗の上昇を抑制したリチウムイオン電池を提供することができる。
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の説明は本発明の内容の具体例を示すものであり、本発明がこれらの説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。
<リチウムイオン二次電池>
図1は、本発明の一実施形態に係る電池の内部構造を模式的に表す図である。図1に示す本発明の一実施形態に係る電池1は、正極10、セパレータ11、負極12、電池容器(即ち電池缶)13、正極集電タブ14、負極集電タブ15、内蓋16、内圧開放弁17、ガスケット18、正温度係数(Positive temperature coefficient;PTC)抵抗素子19、及び電池蓋20、軸心21から構成される。電池蓋20は、内蓋16、内圧開放弁17、ガスケット18、及びPTC抵抗素子19からなる一体化部品である。また、軸心21には、正極10、セパレータ11及び負極12が捲回されている。
図1は、本発明の一実施形態に係る電池の内部構造を模式的に表す図である。図1に示す本発明の一実施形態に係る電池1は、正極10、セパレータ11、負極12、電池容器(即ち電池缶)13、正極集電タブ14、負極集電タブ15、内蓋16、内圧開放弁17、ガスケット18、正温度係数(Positive temperature coefficient;PTC)抵抗素子19、及び電池蓋20、軸心21から構成される。電池蓋20は、内蓋16、内圧開放弁17、ガスケット18、及びPTC抵抗素子19からなる一体化部品である。また、軸心21には、正極10、セパレータ11及び負極12が捲回されている。
セパレータ11を正極10及び負極12の間に挿入し、軸心21に捲回した電極群を作製する。軸心21は、正極10、セパレータ11及び負極12を担持できるものであれば、公知の任意のものを用いることができる。電極群は、図1に示した円筒形状の他に、短冊状電極を積層したもの、又は正極10と負極12を扁平状等の任意の形状に捲回したもの等、種々の形状にすることができる。電池容器13の形状は、電極群の形状に合わせ、円筒形、偏平長円形状、扁平楕円形状、角形等の形状を選択してもよい。
電池容器13の材質は、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼製等、非水電解質に対し耐食性のある材料から選択される。また、電池容器13を正極10又は負極12に電気的に接続する場合は、非水電解質と接触している部分において、電池容器13の腐食やリチウムイオンとの合金化による材料の変質が起こらないように、電池容器13の材料の選定を行う。
電池容器13に電極群を収納し、電池容器13の内壁に負極集電タブ15を接続し、電池蓋20の底面に正極集電タブ14を接続する。電解液は、電池の密閉の前に電池容器内部13に注入する。電解液の注入方法は、電池蓋20を解放した状態にて電極群に直接添加する方法、又は電池蓋20に設置した注入口から添加する方法がある。
その後、電池蓋20を電池容器13に密着させ、電池全体を密閉する。電解液の注入口がある場合は、それも密封する。電池を密閉する方法には、溶接、かしめ等公知の技術がある。
<正極>
正極10は、正極合剤と、正極集電体とを備え、正極活物質及び結着材を含む正極合剤が、アルミニウム箔などの正極集電体に塗布されることにより形成される。なお、電子抵抗の低減のため更に正極合剤層に導電剤を加えても良い。
正極10は、正極合剤と、正極集電体とを備え、正極活物質及び結着材を含む正極合剤が、アルミニウム箔などの正極集電体に塗布されることにより形成される。なお、電子抵抗の低減のため更に正極合剤層に導電剤を加えても良い。
正極合剤は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極活物質を有する。正極活物質としては、組成式LiαMnxM1yM2zO2(式中、M1は、Co,Niから選ばれる少なくとも1種、M2は、Co,Ni,Al,B,Fe,Mg,Crから選ばれる少なくとも1種であり、x+y+z=1,0<α<1.2,0.2≦x≦0.8,0.1≦y≦0.4,0.05≦z≦0.4)で表されるリチウム複合酸化物が好ましい。その中でも、M1がNi又はCoであって、M2がCo又はNiであることが好ましい。Niを多くすると容量が大きく取れ、Coを多くすると低温での出力が向上でき、Mnを多くすると材料コストを抑制できる。また、添加元素は、サイクル特性を安定させるのに効果がある。
正極合剤は、粒子間の結合を保つために結着材を用いることができる。結着材は、正極を構成する材料と正極用集電体を密着させるものであればよく、例えば、フッ化ビニリデン,四フッ化エチレン,アクリロニトリル,エチレンオキシドなどの単独重合体又は共重合体,スチレン−ブタジエンゴムなどを挙げることができる。導電剤は、例えば、カーボンブラック,グラファイト,カーボンファイバー及び金属炭化物などのカーボン材料であり、それぞれ単独でも混合して用いても良い。
正極は、上述の、正極合剤層形成用の正極合剤含有組成物を用いて、例えば、上述の負極形成の方法と同じように形成できる。正極に関しても、膜厚は薄くすると出力は向上する。負極と同様30μm以下にすると、出力が高くなるため、望ましい。
<負極活物質>
負極は、負極合剤と、負極集電体とを備え、負極活物質及び結着材を含む負極合剤が、銅箔などの負極集電体に塗布されることにより形成される。なお、電子抵抗の低減のため更に負極合剤層に導電剤を加えても良い。
負極は、負極合剤と、負極集電体とを備え、負極活物質及び結着材を含む負極合剤が、銅箔などの負極集電体に塗布されることにより形成される。なお、電子抵抗の低減のため更に負極合剤層に導電剤を加えても良い。
負極活物質粒子としては、黒鉛などの炭素材料とリチウムと合金を形成することでリチウムを吸蔵する活物質を混合して用いることが好ましい。
リチウムと合金を形成することでリチウムを吸蔵する活物質としては、例えば、Si(シリコン)、Sn(スズ)、Al(アルミニウム)、Mg(マグネシウム)、P(リン)、Sb(鉛)などを用いることができる。また、Fe2O3(酸化鉄(III))、NiO(酸化ニッケル(II))などのリチウムと化合物を形成する材料を用いることが好ましい。これらの活物質は、黒鉛と比較するとリチウム吸蔵に伴う体積変化は大きいが、リチウム吸蔵量が大きく、リチウムイオン二次電池の容量を増加させることができる。特にSiを含むSi系負極活物質は理論容量密度が約4200mAh/gと、これらの中でも最大であるため、Si系負極活物質を負極活物質に用いることが好ましい。
Si系負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵、放出するSi化合物であれば特に限定されることはないが、例えば、SiOx(酸化ケイ素)、SiNx(窒化ケイ素)などの酸化物、窒化物や、SiNixなどの遷移金属化合物を用いることができる。(xは0.5〜1.5の範囲である)
バインダ樹脂(結着剤)は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、スチレンブタジエンゴム、ポリアルギン酸、ポリアクリル酸等を用いることができる。Si系活物質は活物質にLiが挿入脱離する時、活物質が膨張収縮する。その際、活物質同士の結着、または活物質と集電体との結着が欠落してしまい、容量が劣化してしまう。容量劣化を防ぐためには、バインダの強度を大きくすることであり、その指標として、バインダ膜の引っ張り強度が上げられる。Si系活物質より、Liが挿入脱離しても、容量が劣化しない、バインダの引っ張り強度は100MPa以上が望ましい。ポリイミド、ポリアミドイミドは強度を向上させるために、真空中での熱処理を行う必要があり、この熱処理の温度によって、バインダの強度を変えることが可能である。
<負極の電極構造>
高出力な電池を実現するためには、負極合剤層の膜厚は30μm以下にするのがよい。30μm以上の膜厚の場合、正極―負極間の距離が長くなり、高レートにおいて、Liイオンの濃度勾配が大きくなりやすくなり、抵抗が増加し、出力が低下する。一方、薄すぎても、電極内の空隙のばらつきが起こりやすくなるため、抵抗が増加しやすくなる。このため、負極合剤層の膜厚は、負極活物質のD50粒径と、負極合剤層の膜厚との比率(膜厚/D50)が3〜10となるよう調節することが好ましい。
高出力な電池を実現するためには、負極合剤層の膜厚は30μm以下にするのがよい。30μm以上の膜厚の場合、正極―負極間の距離が長くなり、高レートにおいて、Liイオンの濃度勾配が大きくなりやすくなり、抵抗が増加し、出力が低下する。一方、薄すぎても、電極内の空隙のばらつきが起こりやすくなるため、抵抗が増加しやすくなる。このため、負極合剤層の膜厚は、負極活物質のD50粒径と、負極合剤層の膜厚との比率(膜厚/D50)が3〜10となるよう調節することが好ましい。
<Si系活物質の混合量>
図3にSi系活物質として酸化シリコンSiOを用い、黒鉛と混合させた場合のSiOと炭素の混合比と負極電位との関係を示す。充電状態SOC(StateOf Charge)が50%における負極電位を示した。SiOの混合比率が15%までは負極電位は0.1V付近で大きな変化はないが、SiOの混合比率が15%以上になると負極電位が上昇しはじめる。さらにSiOが17%を超えると、SOC50%の負極電位が0.2Vをこえ、SiOからLiが駆動することになる。Si系負極活物質は黒鉛よりもLiの拡散係数が高いため、抵抗が高い。このため、SiOが駆動し始めると、負極の抵抗が上がり、電池全体の抵抗も増加してしまい、結果出力が減少ししまう。さらに、負極の電位があがることは、電池の作動電位が下がってしまうため、出力が低下してしまう。このため、電池の抵抗が上がらなく、かつ、作動電位が下がらない範囲で、SiOを混合するのがよい。このため、SiOの混合量は全体の負極活物質量に対して17%以内にするのが望ましい。また、SiOの量を2%以上にすると、低温特性が向上する。このため、出力と低温特性を両立させるために2〜17%の間に設定するのがよい。
図3にSi系活物質として酸化シリコンSiOを用い、黒鉛と混合させた場合のSiOと炭素の混合比と負極電位との関係を示す。充電状態SOC(StateOf Charge)が50%における負極電位を示した。SiOの混合比率が15%までは負極電位は0.1V付近で大きな変化はないが、SiOの混合比率が15%以上になると負極電位が上昇しはじめる。さらにSiOが17%を超えると、SOC50%の負極電位が0.2Vをこえ、SiOからLiが駆動することになる。Si系負極活物質は黒鉛よりもLiの拡散係数が高いため、抵抗が高い。このため、SiOが駆動し始めると、負極の抵抗が上がり、電池全体の抵抗も増加してしまい、結果出力が減少ししまう。さらに、負極の電位があがることは、電池の作動電位が下がってしまうため、出力が低下してしまう。このため、電池の抵抗が上がらなく、かつ、作動電位が下がらない範囲で、SiOを混合するのがよい。このため、SiOの混合量は全体の負極活物質量に対して17%以内にするのが望ましい。また、SiOの量を2%以上にすると、低温特性が向上する。このため、出力と低温特性を両立させるために2〜17%の間に設定するのがよい。
<負極合剤層の空隙について>
低温特性を考慮した場合、空隙率は30〜60%である。空隙が小さいと低温特性が悪くなくなる傾向がみられる。これは、空隙が小さくなると、空隙に存在するLiイオンの数が少なくなるためである。低温では電解液中のLiイオンの伝導度が悪くなるため、空隙内に存在するLiイオンの数が低温下での特性に左右される。このため、空隙が30%未満の場合、低温で駆動するために十分なLiイオン数が確保できないため、特性が低下する。一方、空隙が大きすぎる場合、活物質同士の接触が十分でなくなり、室温および低温での電子伝導に影響がでてくる。空隙が60%を超えると、容量減少が起こる。このような理由より、空隙は30〜60%にするのが望ましい。さらに、40%〜50%の間にすると、さらに、容量、出力、低温特性の特性を両立させることができる。
低温特性を考慮した場合、空隙率は30〜60%である。空隙が小さいと低温特性が悪くなくなる傾向がみられる。これは、空隙が小さくなると、空隙に存在するLiイオンの数が少なくなるためである。低温では電解液中のLiイオンの伝導度が悪くなるため、空隙内に存在するLiイオンの数が低温下での特性に左右される。このため、空隙が30%未満の場合、低温で駆動するために十分なLiイオン数が確保できないため、特性が低下する。一方、空隙が大きすぎる場合、活物質同士の接触が十分でなくなり、室温および低温での電子伝導に影響がでてくる。空隙が60%を超えると、容量減少が起こる。このような理由より、空隙は30〜60%にするのが望ましい。さらに、40%〜50%の間にすると、さらに、容量、出力、低温特性の特性を両立させることができる。
<粒径について>
空隙率を保った状態で容量を確保するためには、負極活物質にSi系活物質を用いることが考えられる。負極活物質としてSi系活物質を用いた場合、Si系活物質と黒鉛との間で粒径に差がある場合、負極合剤中の空隙率にばらつきが生じる可能性がある。特にSi系活物質は、充放電による粒径の変化が大きいため、ある箇所では空隙率が高く活物質粒子同士が孤立化し、ある場所では活物質が密となり、電池全他としては抵抗が上がる可能性がある。
空隙率を保った状態で容量を確保するためには、負極活物質にSi系活物質を用いることが考えられる。負極活物質としてSi系活物質を用いた場合、Si系活物質と黒鉛との間で粒径に差がある場合、負極合剤中の空隙率にばらつきが生じる可能性がある。特にSi系活物質は、充放電による粒径の変化が大きいため、ある箇所では空隙率が高く活物質粒子同士が孤立化し、ある場所では活物質が密となり、電池全他としては抵抗が上がる可能性がある。
特に負極活物質に対して負極合剤が薄い場合にバラつきが生じる傾向が大きくなる。例えば30μm以下の負極合剤において、粒径10μmの粒子を用いた場合、断面方向の粒子の積層数は3層となり、積層数が少ないことが分かる。積層数が少ない場合、Si系負極活物質が膨張収縮した場合の逃げ場が少なく、上記バラつきが生じやすい。
また、積層数が少ないとプレスによる電極形成時に影響が出る。例えば、粒度分布の大きい粒子で電極を形成した場合、つまり、電極中に大きな粒子と小さな粒子が存在する場合、電極の膜厚が薄い場合、粒子の充填にも問題が生じる。合剤層の膜厚が厚い場合は、大きな粒子も小さな粒子も粒子同士が接触するため、粒子同士の接触が確保される。一方、膜厚が薄い場合、粒子またはプレスするための電極に電気的に接触しない粒子も存在することとなる。このため、伝導性を持たない粒子が存在しやすくなる。また、粒子が孤立し、空隙率が大きい場所が生じたとしても、膜厚が薄い場合、粒子の動きが制限される為、バラつきが解消されにくい。
薄膜において、粒子の孤立化、空隙率のバラつきを防ぐためには、粒度分布を小さく調節することが好ましい。例えば、Si系負極活物質の粒径と黒鉛の粒径を同等程度に設定するのが好ましく、黒鉛とSi系負極活物質の粒径比率(Si系負極活物質のD50/黒鉛のD50)は、0.6〜1.2の範囲が好ましく、さらには0.9〜1.1の範囲とすると、さらに特性が向上する。また、それぞれのD50は具体的には3〜10μmの範囲とすると30μm以下の電極を形成しやすくなる。
<負極合剤層の構造>
上記を総括すると、二次電池の出力を向上させるために負極合剤層の膜厚は、30μm以下とし、負極活物質のD50粒径と、負極合剤層の膜厚との比率(膜厚/D50)は3〜10が好ましい。低温特性および容量を確保するために負極合剤の空隙率は30〜60%の範囲、黒鉛とSi系負極活物質との総計に対するSi負極の割合は、2〜17wt%の範囲とすることが好ましい。また、このような薄膜電極において、空隙率のバラつきを防ぐために、黒鉛とSi系負極活物質の粒径比率(Si系負極活物質のD50/黒鉛のD50)は、0.6〜1.2の範囲とすることが好ましい。負極合剤層をこのように作ることで、出力、容量、低温特性を両立し、且つ、空隙率のバラつきによる抵抗の上昇を抑制したリチウムイオン電池を製造することができる。
上記を総括すると、二次電池の出力を向上させるために負極合剤層の膜厚は、30μm以下とし、負極活物質のD50粒径と、負極合剤層の膜厚との比率(膜厚/D50)は3〜10が好ましい。低温特性および容量を確保するために負極合剤の空隙率は30〜60%の範囲、黒鉛とSi系負極活物質との総計に対するSi負極の割合は、2〜17wt%の範囲とすることが好ましい。また、このような薄膜電極において、空隙率のバラつきを防ぐために、黒鉛とSi系負極活物質の粒径比率(Si系負極活物質のD50/黒鉛のD50)は、0.6〜1.2の範囲とすることが好ましい。負極合剤層をこのように作ることで、出力、容量、低温特性を両立し、且つ、空隙率のバラつきによる抵抗の上昇を抑制したリチウムイオン電池を製造することができる。
<電解液>
電解液は、リチウムイオンを含む化合物を電解質として含む非水溶媒である。電解液に使用される非水溶媒としては、低温特性、負極電極上の被膜形成の観点から、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)及びエチルメチルカーボネート(EMC)等が例示され、ビニレンカーボネート(VC)等の添加物を加えてもよい。
電解液は、リチウムイオンを含む化合物を電解質として含む非水溶媒である。電解液に使用される非水溶媒としては、低温特性、負極電極上の被膜形成の観点から、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)及びエチルメチルカーボネート(EMC)等が例示され、ビニレンカーボネート(VC)等の添加物を加えてもよい。
電解液に用いるリチウム塩としては、特に限定はないが、無機リチウム塩では、LiPF6,LiBF4,LiClO4,LiI,LiCl,LiBr等、また、有機リチウム塩では、LiB[OCOCF3]4,LiB[OCOCF2CF3]4,LiPF4(CF3)2,LiN(SO2CF3)2,LiN(SO2CF2CF3)2等を用いることができる。特に、LiPF6は、品質の安定性から好適な材料であり、民生用電池で多く用いられている。また、LiB[OCOCF3]4は、解離性,溶解性が良好で、低い濃度で高い導電率を示すので有効である。
<セパレータ>
正負極の短絡を防止するセパレータとして、公知のリチウムイオン電池に使用されているセパレータを用いることができ、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン製の微孔性フィルムや不織布などが挙げられる。電池の高出力化の観点からは、セパレータの厚みは、20μm以下とすることが好ましく、18μm以下とすることがより好ましい。このような厚みのセパレータを用いることで、電池の体積あたりの容量を大きくすることができる。しかし、セパレータを薄くしすぎると、取り扱い性が損なわれたり、正負極間の隔離を充分に保てない可能性がでる。厚みの下限は10μmであることが好ましい。
正負極の短絡を防止するセパレータとして、公知のリチウムイオン電池に使用されているセパレータを用いることができ、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン製の微孔性フィルムや不織布などが挙げられる。電池の高出力化の観点からは、セパレータの厚みは、20μm以下とすることが好ましく、18μm以下とすることがより好ましい。このような厚みのセパレータを用いることで、電池の体積あたりの容量を大きくすることができる。しかし、セパレータを薄くしすぎると、取り扱い性が損なわれたり、正負極間の隔離を充分に保てない可能性がでる。厚みの下限は10μmであることが好ましい。
(比較例1)
次に、実施例を挙げて本実施形態をより具体的に説明する。
<リチウムイオン二次電池の作製>
図3に示すようなロッキングチェア型のリチウムイオン二次電池を作製した。
次に、実施例を挙げて本実施形態をより具体的に説明する。
<リチウムイオン二次電池の作製>
図3に示すようなロッキングチェア型のリチウムイオン二次電池を作製した。
<正極>
正極活物質としての層状LiMO2(Mは、Ni0.8Co0.1Mn0.1を表す)と、導電材としてアセチレンブラックと、結着材としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とが重量比で93:4:3となるようにN−メチルピロリドン(NMP)を溶媒として混合した。そして、N−メチルピロリドン(NMP;溶媒)にこの混合物を混合し、正極合剤スラリーを調製した。そして、この正極合剤スラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔に塗布し、大気中で乾燥した。乾燥して得られた正極をロールプレスにより成型し、正極を作製した。
正極活物質としての層状LiMO2(Mは、Ni0.8Co0.1Mn0.1を表す)と、導電材としてアセチレンブラックと、結着材としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とが重量比で93:4:3となるようにN−メチルピロリドン(NMP)を溶媒として混合した。そして、N−メチルピロリドン(NMP;溶媒)にこの混合物を混合し、正極合剤スラリーを調製した。そして、この正極合剤スラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔に塗布し、大気中で乾燥した。乾燥して得られた正極をロールプレスにより成型し、正極を作製した。
<負極>
黒鉛と導電材、および結着材としてカルボキシメチルセルロース(CMC)とスチレンブタジエンゴム(SBR)が重量比で98:1:1となるように水を溶媒として混合した。そして、水にこの混合物を混合し(負極合剤スラリーを調製した。そして、この負極合剤スラリーを厚さ10μmの銅箔に塗布し、真空中で乾燥した。乾燥して得られた負極をロールプレスにより成型し、負極を作製した。
このときの負極合剤層の膜厚は5μm、空隙率が25%になるようにプレスをし、電極を調整した。
黒鉛と導電材、および結着材としてカルボキシメチルセルロース(CMC)とスチレンブタジエンゴム(SBR)が重量比で98:1:1となるように水を溶媒として混合した。そして、水にこの混合物を混合し(負極合剤スラリーを調製した。そして、この負極合剤スラリーを厚さ10μmの銅箔に塗布し、真空中で乾燥した。乾燥して得られた負極をロールプレスにより成型し、負極を作製した。
このときの負極合剤層の膜厚は5μm、空隙率が25%になるようにプレスをし、電極を調整した。
<セパレータ>
セパレータとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリプロピレンが3層に積層された総厚み20μmのセパレータを用いた。2枚のセパレータで正極を挟み込み、周辺3辺を熱溶着させて袋状にして用いた。のセパレータを用いた。
セパレータとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリプロピレンが3層に積層された総厚み20μmのセパレータを用いた。2枚のセパレータで正極を挟み込み、周辺3辺を熱溶着させて袋状にして用いた。のセパレータを用いた。
<電解液>
電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)を体積比1:2:2で混合した有機溶媒 に、1.0mol/Lになるようにリチウムヘキサフルオロホスフェート(LiPF6)を溶解させたものを用いた。
電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)を体積比1:2:2で混合した有機溶媒 に、1.0mol/Lになるようにリチウムヘキサフルオロホスフェート(LiPF6)を溶解させたものを用いた。
そして、袋状セパレータ3に収納された正極1及び負極2を挿入し、これらを積層して積層体を得た。そして、この積層体において、外部に露出している正極1及び負極2の部分(集電箔露出部)に、それぞれ、正極端子5及び負極端子6を超音波溶接にて接続し、図3に示す電極体4を得た。次に、図4に示すように、2枚の熱溶着可能なシート7の間に電極体4を配設し、シート7の電解液注入箇所以外の部分を熱溶着させることで、図5に示す電極配設容器9を得た。
そして、この電極配設容器9内に前記の電解液を注入した。電解液注入後、開口部を熱溶着することで図6に示す電池11を作製した。そして、封止後8時間の電解液含浸時間を設け、その後、4.2V−2.5Vの電圧範囲を0.2Aの電流値で3サイクル充放電させて、以下の試験に供する電池11を完成させた。
<電池容量評価方法>
上記のようにして作製した電池を定電流0.5Aで4.2Vまで充電し、30分の運転休止の後、0.5Aで2.5Vまで放電し、容量を求めた(Ah)。比較例2の容量を100とし、容量比を算出した。測定結果を表1に示す。
上記のようにして作製した電池を定電流0.5Aで4.2Vまで充電し、30分の運転休止の後、0.5Aで2.5Vまで放電し、容量を求めた(Ah)。比較例2の容量を100とし、容量比を算出した。測定結果を表1に示す。
<出力評価方法>
電池を定電流0.5AでSOC50%まで充電し、30分の運転休止の後、30Aで2.5Vまで放電し、出力(W)を求めた。比較例2の出力を100とし、出力比を算出した。測定結果を表1に示す。
電池を定電流0.5AでSOC50%まで充電し、30分の運転休止の後、30Aで2.5Vまで放電し、出力(W)を求めた。比較例2の出力を100とし、出力比を算出した。測定結果を表1に示す。
<低温特性評価方法>
電池を定電流0.5AでSOC50%まで充電し、30分の運転休止の後、1Aで2.5Vまで放電し、低温特性を求めた。低温特性は、−30℃で測定した場合の抵抗値(Ω)として求めた。比較例2の低温特性を100とし、低温特性比を算出した。測定結果を表1に示す。
電池を定電流0.5AでSOC50%まで充電し、30分の運転休止の後、1Aで2.5Vまで放電し、低温特性を求めた。低温特性は、−30℃で測定した場合の抵抗値(Ω)として求めた。比較例2の低温特性を100とし、低温特性比を算出した。測定結果を表1に示す。
(比較例2)
比較例1において、負極合剤層の膜厚が20μm、空隙率が25%になるようにプレスをし、電極を調整した。その他は比較例1と同様にして電池を作製した。
比較例1において、負極合剤層の膜厚が20μm、空隙率が25%になるようにプレスをし、電極を調整した。その他は比較例1と同様にして電池を作製した。
(比較例3)
比較例1において負極合剤層の膜厚は40μm、空隙率が25%になるようにプレスをし、電極を調整した。その他は比較例1と同様にして電池を作製した。
比較例1において負極合剤層の膜厚は40μm、空隙率が25%になるようにプレスをし、電極を調整した。その他は比較例1と同様にして電池を作製した。
<評価結果>
負極の活物質には黒鉛のみを用い、負極の電極内の空隙率を一定にし、厚みを変えて、電池を作製し、比較例1に示す方法で電池容量、出力を評価した。その結果を表に示す。尚、電池容量、出力は比較例2を規準とし、値を100とした。
負極の活物質には黒鉛のみを用い、負極の電極内の空隙率を一定にし、厚みを変えて、電池を作製し、比較例1に示す方法で電池容量、出力を評価した。その結果を表に示す。尚、電池容量、出力は比較例2を規準とし、値を100とした。
この結果、厚みが20μmの比較例2では出力が高い結果となった。これに対して、厚みが薄すぎる比較例1では逆に出力が低い結果となった。この結果から、負極合剤の厚さは少なくとも30μm以下、さらに、5〜20μmの範囲に調整することが好ましいことが分かる。
(比較例4)
比較例2において、空隙率が45%になるようにプレスをし、電極を調整した。その他は比較例2と同様にして電池を作製した。
比較例2において、空隙率が45%になるようにプレスをし、電極を調整した。その他は比較例2と同様にして電池を作製した。
(比較例5)
比較例2において、空隙率が65%になるようにプレスをし、電極を調整した。その他は比較例2と同様にして電池を作製した。
比較例2において、空隙率が65%になるようにプレスをし、電極を調整した。その他は比較例2と同様にして電池を作製した。
<評価結果>
負極の活物質には黒鉛のみを用い、負極の電極内の厚みを一定にし、空隙率を変えて、電池を作製し、比較例1に示す方法で電池容量、出力を評価した。その結果を表に示す。尚、電池容量、出力は比較例2を規準とし、値を100とした。
負極の活物質には黒鉛のみを用い、負極の電極内の厚みを一定にし、空隙率を変えて、電池を作製し、比較例1に示す方法で電池容量、出力を評価した。その結果を表に示す。尚、電池容量、出力は比較例2を規準とし、値を100とした。
この結果、空隙率が45%の比較例4にて高い低温特性が得られた。この結果から空隙率は30〜60%の範囲に調節することが好ましいことが分かった。なお、低温特性は、抵抗値に当たる値であるため、低いほど低温特性が高いことを意味する。
(比較例6)
比較例4において、負極活物質を黒鉛とSiOを用いたものに変更した。
比較例4において、負極活物質を黒鉛とSiOを用いたものに変更した。
負極合剤には負極活物質として黒鉛とSiOを用い、結着材としてのSBRおよびCMCを用いた。重量比はそれぞれ97.02:0.98:1:1となるように水を溶媒として混合した。そして、水にこの混合物を混合し(負極合剤スラリーを調製した。そして、この負極合剤スラリーを厚さ10μmの銅箔に塗布し、真空中で乾燥した。乾燥して得られた負極をロールプレスにより成型し、負極を作製した。このときの負極合剤層の膜厚は20μm、空隙率が45%になるようにプレスをし、電極を調整した。
(比較例7)
比較例4において、負極活物質を黒鉛とSiOを用いたものに変更した。
比較例4において、負極活物質を黒鉛とSiOを用いたものに変更した。
負極合剤には負極活物質として黒鉛とSiOを用い、結着材としてのSBRおよびCMCを用いた。重量比は68.6:29.4:1:1となるように水を溶媒として混合した。そして、水にこの混合物を混合し(負極合剤スラリーを調製した。そして、この負極合剤スラリーを厚さ10μmの銅箔に塗布し、真空中で乾燥した。乾燥して得られた負極をロールプレスにより成型し、負極を作製した。このときの負極合剤層の膜厚は20μm、空隙率が45%になるようにプレスをし、電極を調整した。
<評価結果>
負極の活物質には黒鉛およびSiOを用い、負極の電極内の厚み、空隙率を一定にし、電池を作製し、比較例1に示す方法で電池容量、出力を評価した。その結果を表に示す。尚、電池容量、出力は比較例2を規準とし、値を100とした。
負極の活物質には黒鉛およびSiOを用い、負極の電極内の厚み、空隙率を一定にし、電池を作製し、比較例1に示す方法で電池容量、出力を評価した。その結果を表に示す。尚、電池容量、出力は比較例2を規準とし、値を100とした。
この結果から、SiOの濃度を10%以上とした比較例7にて高い電池容量が得られた。比較例7でも高い容量が得られたが、SiOは黒鉛よりも抵抗が高く、SiOの量が17%を超えると、抵抗値が高くなり、出力が低下してしまうため、SiOのの割合は、2〜17wt%の範囲とすることが好ましい。
(比較例8)
実施例1において、負極活物質の黒鉛とSiOの粒径を変更した。
実施例1において、負極活物質の黒鉛とSiOの粒径を変更した。
黒鉛とSiOと結着材としてのSBRおよびCMCが重量比で88.2:9.8:1:1となるように水を溶媒として混合した。そして、水にこの混合物を混合し(負極合剤スラリーを調製した。そして、この負極合剤スラリーを厚さ10μmの銅箔に塗布し、真空中で乾燥した。乾燥して得られた負極をロールプレスにより成型し、負極を作製した。黒鉛の粒径(D50_C)はD50で5μm、SiOの粒径(D50_Si)はD50で1.5μmの粒子を用いた。
このときの負極合剤層の膜厚は20μm、空隙率が45%になるようにプレスをし、電極を調整した。
(比較例9)
比較例4において、負極活物質の黒鉛とSiOの粒径を変更した。
比較例4において、負極活物質の黒鉛とSiOの粒径を変更した。
黒鉛とSiOと結着材としてのSBRおよびCMCが重量比で88.2:9.8:1:1となるように水を溶媒として混合した。そして、水にこの混合物を混合し(負極合剤スラリーを調製した。そして、この負極合剤スラリーを厚さ10μmの銅箔に塗布し、真空中で乾燥した。乾燥して得られた負極をロールプレスにより成型し、負極を作製した。このときに用いた粒子の粒径D50では、黒鉛D50_C=3μm、SiOD50_SiO=6μmのものを用いた。このときの負極合剤層の膜厚は20μm、空隙率が45%になるようにプレスをし、電極を調整した。
(実施例1)
比較例9において、D50Si/D50黒鉛の値を1にした以外は比較例9と同様に電極を作製した。
比較例9において、D50Si/D50黒鉛の値を1にした以外は比較例9と同様に電極を作製した。
黒鉛とSiOと結着材としてのSBRおよびCMCが重量比で88.2:9.8:1:1となるように水を溶媒として混合した。そして、水にこの混合物を混合し(負極合剤スラリーを調製した。そして、この負極合剤スラリーを厚さ10μmの銅箔に塗布し、真空中で乾燥した。乾燥して得られた負極をロールプレスにより成型し、負極を作製した。このときに用いた粒子の粒径D50では、黒鉛D50_C=5μm、SiOD50_SiO=5μmのものを用いた。
このときの負極合剤層の膜厚は20μm、空隙率が45%になるようにプレスをし、電極を調整した。
このときの負極合剤層の膜厚は20μm、空隙率が45%になるようにプレスをし、電極を調整した。
(実施例2)
実施例1において、負極活物質の黒鉛とSiOの粒径を変更した。
実施例1において、負極活物質の黒鉛とSiOの粒径を変更した。
黒鉛とSiOと結着材としてのSBRおよびCMCが重量比で88.2:9.8:1:1となるように水を溶媒として混合した。そして、水にこの混合物を混合し(負極合剤スラリーを調製した。そして、この負極合剤スラリーを厚さ10μmの銅箔に塗布し、真空中で乾燥した。乾燥して得られた負極をロールプレスにより成型し、4負極を作製した。このときに用いた粒子の粒径D50では、黒鉛D50_C=3μm、SiOD50_SiO=3μmのものを用いた。
このときの負極合剤層の膜厚は20μm、空隙率が45%になるようにプレスをし、電極を調整した。
このときの負極合剤層の膜厚は20μm、空隙率が45%になるようにプレスをし、電極を調整した。
(実施例3)
実施例1において、負極活物質の黒鉛とSiOの粒径を変更した。
実施例1において、負極活物質の黒鉛とSiOの粒径を変更した。
黒鉛とSiOと導電材、結着材としてのポリイミド(PI)が重量比で81:9:5:5となるようにNMPを溶媒として混合した。そして、NMPにこの混合物を混合し(負極合剤スラリーを調製した。そして、この負極合剤スラリーを厚さ10μmの銅箔に塗布し、真空中で乾燥した。乾燥して得られた負極をロールプレスにより成型し、負極を作製した。このときに用いた粒子の粒径D50では、黒鉛D50_C=3μm、SiOD50_SiO=3μmのものを用いた。
このときの負極合剤層の膜厚は20μm、空隙率が45%になるようにプレスをし、電極を調整した。
このときの負極合剤層の膜厚は20μm、空隙率が45%になるようにプレスをし、電極を調整した。
<評価結果>
負極の活物質には黒鉛およびSiOを用い、負極の電極内の厚み、空隙率を一定にし、電池を作製し、比較例1に示す方法で電池容量、出力を評価した。その結果を表に示す。尚、電池容量、出力は比較例2を規準とし、値を100とした。
負極の活物質には黒鉛およびSiOを用い、負極の電極内の厚み、空隙率を一定にし、電池を作製し、比較例1に示す方法で電池容量、出力を評価した。その結果を表に示す。尚、電池容量、出力は比較例2を規準とし、値を100とした。
この結果、黒鉛とSiO粒子の粒径に差がある比較例8,9では、出力が低い結果となった。これは、合剤中の空隙にバラつきが生じている為と考えられる。このように、薄膜電極においては、空隙率のバラつきを防ぐために、黒鉛とSi系負極活物質の粒径比率(Si系負極活物質のD50/黒鉛のD50)は、0.6〜1.2の範囲とすることが好ましいことが分かった。
図1:電池1、正極10、セパレータ11、負極12、電池容器(電池缶)13、正極集電タブ、14、負極集電タブ15、内蓋16、内圧開放弁17、ガスケット18、正温度係数抵抗素子19、電池蓋20、軸心21
図3〜図6:電池1011、正極101、負極102、セパレータ103、電極体104、正極端子105、負極端子106、シート107、熱溶着部108
図3〜図6:電池1011、正極101、負極102、セパレータ103、電極体104、正極端子105、負極端子106、シート107、熱溶着部108
Claims (3)
- 電極に負極合剤を塗布した負極を有するリチウムイオン二次電池において、
前記負極合剤は、負極活物質として、黒鉛とSi系負極活物質を有し、
前記黒鉛と前記Si系負極活物質との総計に対する前記Si系負極活物質の割合は、2〜17wt%の範囲であり、
前記負極合剤の空隙率は30〜60%の範囲であり、
前記負極活物質のD50粒径と、前記合剤層の膜厚との比率(膜厚/D50)は3〜10であり、
前記負極合剤層の厚さは、30μm以下であり、
前記黒鉛と前記Si系負極活物質の粒径比率(Si系負極活物質のD50/黒鉛のD50)は、0.6〜1.2の範囲であるリチウムイオン電池。 - 請求項1において、
前記黒鉛の粒径(D50)は、3〜10μmの範囲であり、
前記Si系負極活物質の粒径(D50)は、3〜10μmの範囲であるリチウムイオン電池。 - 請求項2において、
前記Si系負極活物質SiOx、SiNx、SiNixで(xはいずれも1〜1.5の範囲である)表わされる化合物の少なくともいずれかを含むリチウムイオン電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015177135A JP2017054660A (ja) | 2015-09-09 | 2015-09-09 | リチウムイオン電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Country | Link |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112234163A (zh) * | 2020-11-11 | 2021-01-15 | 珠海冠宇电池股份有限公司 | 一种负极片及锂离子电池 |
WO2021020290A1 (ja) * | 2019-08-01 | 2021-02-04 | 株式会社Gsユアサ | 非水電解質蓄電素子、その製造方法、及び蓄電装置 |
-
2015
- 2015-09-09 JP JP2015177135A patent/JP2017054660A/ja active Pending
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