JP2017054646A - 高周波電源装置、当該高周波電源装置を備えているプラズマ処理システムおよび非接触給電システム - Google Patents

高周波電源装置、当該高周波電源装置を備えているプラズマ処理システムおよび非接触給電システム Download PDF

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Abstract

【課題】スイッチング素子に発生する電圧を抑制することができる高周波電源装置を提供する。【解決手段】高周波電源装置1において、直流電流をスイッチング素子Qsのスイッチング動作により高周波電流に変換する高周波変換部3と、高周波変換部3の一方の出力端子に一端が接続された伝送線路41とを備えるようにした。伝送線路41は、高周波変換部3が出力する高周波の、伝送線路41における伝送波長の略8分の1の長さであり、他端が開放されている。伝送線路41には、高周波変換部3が出力する高周波の(4k−2)倍(kは自然数)の高調波(2次高調波、6次高調波など)の電流を流して、電圧を減衰させる。これにより、スイッチング素子Qsに発生する電圧に含まれる成分のうちの一部の高調波の分が削減されるので、電圧を抑制することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、直流電力を高周波電力に変換して出力する高周波電源装置、当該高周波電源装置を備えているプラズマ処理システムおよび非接触給電システムに関する。
半導体ウエハの薄膜形成やエッチング処理などを行うプラズマ処理システムにおいて、高周波電力の発生源として高周波電源装置が用いられている。当該高周波電源装置は、13.56[MHz]、27.12[MHz]、40.68[MHz]等の出力周波数、数kW〜数十kWの定格出力が要求され、使用する電力が大きいため、高周波電源装置内部の損失を小さくして、高効率化するように、要求されている。このような高周波電源装置には、スイッチング素子を2個使用したハーフブリッジ型のインバータ回路や、スイッチング素子を4個使用したフルブリッジ型のインバータ回路が一般的に用いられている。これらのインバータ回路を駆動するドライブ回路は、デッドタイムを設ける必要から回路構成が複雑になる。
それらスイッチング素子を2個使用したハーフブリッジ型のインバータ回路や、スイッチング素子を4個使用したフルブリッジ型のインバータ回路の高電位側のスイッチング素子をインダクタに置き換えることでスイッチング素子を減らし、ドライブ回路の構成を単純にした高周波電源装置が知られている。例えば、特許文献1には、このような高周波電源装置を用いた非接触電力伝送装置が記載されている。
特開2013-115908号公報
しかしながら、このような高周波電源装置においては、スイッチング素子に発生する電圧が大きくなり、インバータ回路に入力される直流電圧の3倍以上になることが知られている。したがって、用いるスイッチング素子を高耐圧のものにする必要がある。
本発明は上記した事情のもとで考え出されたものであって、スイッチング素子に発生する電圧を抑制することができる高周波電源装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面によって提供される高周波電源装置は、直流電圧を出力する直流電源の高電位側の出力端子に直列接続されるインダクタと、前記インダクタの下流側で、前記直流電源に並列接続されるスイッチング素子とを有し、前記直流電源が出力する直流電流を前記スイッチング素子のスイッチング動作により高周波電流に変換する高周波変換手段と、前記高周波変換手段の一方の出力端子に一端が接続された第1の伝送線路とを備えており、前記第1の伝送線路は、前記高周波変換手段が出力する高周波の、前記第1の伝送線路における伝送波長の略8分の1の長さであり、他端が開放されていることを特徴とする。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1の伝送線路は、同軸ケーブルである。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記高周波電源装置は、前記高周波変換手段の一方の出力端子に一端が接続された第2の伝送線路をさらに備えており、前記第2の伝送線路は、前記伝送波長の略8分の1の長さであり、他端が短絡されている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第2の伝送線路は、同軸ケーブルである。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記前記高周波変換手段が出力する高周波の周波数は、13.56[MHz]である。
本発明の第2の側面によって提供されるプラズマ処理システムは、本発明の第1の側面によって提供される高周波電源装置と、前記高周波電源装置から電力を供給されるプラズマ処理装置とを備えていることを特徴とする。
本発明の第3の側面によって提供される非接触給電システムは、送電装置から受電装置に非接触で電力を供給する非接触給電システムであって、前記送電装置は、本発明の第1の側面によって提供される高周波電源装置を備えていることを特徴とする。
本発明によると、第1の伝送線路は、高周波変換手段が出力する高周波の伝送波長の略8分の1の長さであり、他端が開放されている。したがって、当該高周波の2次高調波、6次高調波、10次高調波などの周波数に対するインピーダンスが「0」になる。したがって、これらの高調波成分が吸収されて減衰するので、スイッチング素子に発生する電圧を抑制することができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
第1実施形態に係る高周波電源装置を説明するための図である。 第1実施形態に係る伝送線路のインピーダンスの大きさの周波数特性を示す図である。 図1(b)に示す回路構成で行ったシミュレーションでの各波形を示す図である。 図1(b)に示す回路において伝送線路部を設けなかった回路構成で行ったシミュレーションでの各波形を示す図である。 第2実施形態に係る高周波電源装置を説明するための図である。 第2実施形態に係る伝送線路のインピーダンスの大きさの周波数特性を示す図である。 図5に示す回路構成で行ったシミュレーションでの各波形を示す図である。 高周波変換部の変形例を説明するための図である。 図8に示す回路構成で行ったシミュレーションでの各波形を示す図である。 第3実施形態に係る非接触給電システムを説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態を、本発明に係る高周波電源装置をプラズマ処理システムに用いた場合を例として、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、第1実施形態に係る高周波電源装置1を説明するための図である。図1(a)は、高周波電源装置1の内部構成を説明するための機能ブロック図である。図1(b)は、高周波電源装置1の一部(高周波変換部3、伝送線路部4、共振回路5、トランス6、および、フィルタ回路7)の回路図である。
高周波電源1は、例えば、負荷Lであるプラズマ処理装置に高周波電力を所定の高周波で供給する電源である。プラズマ処理装置は、フッ素系のガスと半導体ウエハや液晶ガラス基板等の被加工物をチャンバー(図示省略)内に封入し、そのチャンバー内の一対の電極(図示省略)に高周波電源1からの高周波電力を供給して放電させ、その放電によりガスのプラズマを発生させて被加工物に薄膜形成処理やエッチング処理を行う装置である。
高周波電源1は、可変直流電源2、高周波変換部3、伝送線路部4、共振回路5、トランス6、フィルタ回路7、電力検出部8、および、制御部9を備える。
高周波電源1は、可変直流電源2で生成した直流電流Idcを高周波変換部3および共振
回路5からなるインバータによって高周波電流Iinvに変換し、その高周波電流Iinv
トランス6を介して負荷側に出力する。トランス6から出力される高周波電流は、フィルタ回路7で高調波が除去されて正弦波の高周波電流Ioutとなり、負荷Lに出力される。
制御部9は、フィードバック制御によって、可変直流電源2で生成される直流電圧Vdcのレベルを変化させることにより、インバータから出力される高周波電流Iinvのレベル
を変化させる。高周波電流Iinvのレベルが変化すると、高周波電源1から負荷Lに供給
される進行波電力Pfが変化するので、制御部9は、進行波電力Pfと目標出力電力Pfsの偏差ΔPfを監視し、その誤差ΔPfがゼロになるように可変直流電源2の出力電圧Vdcを調整する。
可変直流電源2は、直流電圧Vdcを生成し、高周波変換部3に出力するものである。可変直流電源2は、制御部9からの駆動信号S1に応じて、生成する直流電圧Vdcのレベルを変化させる。可変直流電源2は、入力される交流電圧(例えば、商用電源200[v]など)を、図示しない整流回路によって整流し、図示しない平滑回路によって平滑することで、直流電圧に変換する。そして、図示しないDC−DCコンバータによって、所定の電圧範囲内の任意の直流電圧に変換する。可変直流電源2は、制御部9から入力される駆動信号S1によってDC−DCコンバータの変換動作を制御することにより、整流、平滑後の直流電圧を直流電圧Vdcに変換する。
高周波変換部3は、可変直流電源2より入力される直流電流Idcを高周波電流Iinv
変換するものである。高周波変換部3および共振回路5からなるインバータは、いわゆるE級アンプであり、制御部9より入力される駆動信号S2でスイッチング素子Qsをスイッチングすることで、高周波電流Iinvを生成する。高周波変換部3は、可変直流電源2から直流電流を供給するためのインダクタL3と、インダクタL3に直列接続されたスイッチング素子Qsと、スイッチング素子Qsに逆並列接続されたダイオードD3と、スイッチング素子Qsに並列接続されたコンデンサC3とを備えている。スイッチング素子Qsが内部にダイオードの動作をする機能を有する場合は、ダイオードD3を設けないようにしてもよい。
スイッチング素子Qsは、制御部9から入力される駆動信号S2に応じて、オン状態とオフ状態とを切り替えるものである。本実施形態では、スイッチング素子QsとしてMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を使用している。なお、スイッチング素子QsはMOSFETに限定されず、バイポーラトランジスタ、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor : 絶縁ゲート・バイポーラトランジスタ)などであってもよい。スイッチング素子Qsのドレイン端子は、インダクタL3の一方の端子(可変直流電源2の出力端子に接続されたのとは異なる方の端子)に接続されている。スイッチング素子Qsのソース端子は、可変直流電源2の出力端子の低電位側に接続されている。スイッチング素子Qsのゲート端子には、制御部9から駆動信号S2が入力される。駆動信号S2は、後述する様に、所定の周波数f(例えば、13.56[MHz])でハイレベルとローレベルとを繰り返すパルス信号である。スイッチング素子Qsは、駆動信号S2がローレベルのときオフ状態になり、駆動信号S2がハイレベルのときオン状態になる。これにより、可変直流電源2より入力される直流電流Idcは、駆動信号S2に応じてスイッチングされ、高周波電流Iinvが出力される。高周波電流Iinvの周波数は、駆動信号S2と同じ周波数fになる。
ダイオードD3は、いわゆるフライホイールダイオードであって、スイッチング素子Qsのドレイン端子とソース端子との間に、逆並列に接続されている。すなわち、ダイオードD3のアノード端子はスイッチング素子Qsのソース端子に接続され、ダイオードD3のカソード端子はスイッチング素子Qsのドレイン端子に接続されている。ダイオードD3は、スイッチング素子Qsの切り替えによって発生する逆起電力による逆方向の高い電圧がスイッチング素子Qsに印加されないようにするためのものである。
伝送線路部4は、高周波変換部3が生成する高周波から、所定次数の高調波成分を減衰させるものである。伝送線路部4は、伝送線路41および伝送線路42を備えている。伝送線路41は、一端が高周波変換部3の出力端子(図1(b)においては、上側の端子)に接続され、他端が開放された伝送線路である。伝送線路42は、一端が高周波変換部3の出力端子(図1(b)においては、上側の端子)に接続され、他端が短絡された伝送線路である。本実施形態においては、伝送線路41,42を、同軸ケーブルとしている。なお、伝送線路41,42は、同軸ケーブルに限定されず、例えば、導波管、銅板、同軸管、基板上に形成された線路などであってもよい。
伝送線路41,42の長さは、高周波変換部3が出力する高周波の、伝送線路41,42における伝送波長の略8分の1の長さとしている。具体的には、高周波変換部3が出力する高周波の波長λは、周波数をfとし、伝送線路内の電波の速度をνとすると、λ[m]=ν[m/s]/f[Hz]で表わされる。同軸ケーブル上の電波の速度νは、真空中の電波の速度(3.0×108[m/s])の約66%程度であり、周波数fが13.56[MHz]なので、高周波変換部3が出力する高周波の波長λは、λ=(3.0×108)×(66/100)/(13.56×106)≒14.60[m]となる。伝送線路41,42の長さは、この波長λの1/8であるので、14.60×(1/8)≒1.8[m]となる。
図2は、伝送線路41および伝送線路42を、スイッチング素子Qsのドレイン端子側から見たインピーダンスの大きさの周波数特性を示す図である。横軸が周波数を示しており、縦軸がインピーダンスの大きさを示している。同図に示すように、周波数f(=13.56[MHz])および周波数fの奇数倍の周波数で、インピーダンスが無限大になり、周波数fの偶数倍の周波数で、インピーダンスが0「Ω」になっている。つまり、伝送線路部4には、高周波変換部3が出力する高周波の基本波および奇数倍高調波(3次高調波、5次高調波など)の電流は流れず、偶数倍高調波(2次高調波、4次高調波など)の電流を流して、スイッチング素子Qsに発生する高調波成分の電圧を減衰させる。
共振回路5は、インダクタL5とコンデンサC5との直列共振回路であり、周波数fで共振するように設計されている。したがって、高周波変換部3が出力する高周波のうち、周波数fである基本波が高周波電流Iinvとして出力される。共振回路5は、トランス6の一次巻線に直列に接続されている。トランス6は、高周波を発生する高周波発生段と高周波を負荷Lに出力する高周波出力段を電気的に絶縁するものである。フィルタ回路7は、例えば、2個のキャパシタと1個のインダクタをπ型に接続したローパスフィルタであり、トランス6の二次巻線に並列に接続されている。フィルタ回路7は、高周波電流Iinvの周波数f(基本周波数)よりも高い周波数の信号の通過を阻止することにより、高周波変換部3で発生する高調波を除去する。また、トランス6およびフィルタ回路7は、インピーダンス変換の機能も有している。
電力検出部8は、負荷Lに供給される進行波電力Pfをモニタするためのものである。電力検出部8は、方向性結合器を含み、その方向性結合器から高周波電圧voutに含まれる進行波電圧vfと反射波電圧vrとを検出する。電力検出部8は、進行波電圧vfを進行波電力Pfに変換して制御部9に出力する。反射波電圧vrも反射波電力Prに変換して制御部9に出力するようにしてもよい。なお、高周波電源1は、例えば、特性インピーダンスRo=50Ωで設計されているので、進行波電力Pf及び反射波電力Prは、Pf=vf 2/Ro、Pr=vr 2/Roの演算式により変換される。
制御部9は、高周波電源1を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備えるマイクロコンピュータやFPGAで構成される。
制御部9は、電力検出部8から入力される進行波電力Pfに基づいて駆動信号S1を生成して、可変直流電源2に出力する。駆動信号S1は、高周波電源1の出力電力(進行波電力Pf)が目標出力電力Pfsとなるように、可変直流電源2の出力電圧Vdcを制御する信号である。目標出力電力Pfsは、図示しない入力装置を操作することで、手動で入力するようにしてもよいし、予め設定されたプログラムにより、自動で入力するようにしてもよい。制御部9は、電力検出部8から入力される進行波電力Pfの検出値と目標出力電力Pfsの偏差ΔPf(=Pfs−Pf)を演算し、その偏差ΔPfをゼロにするための制御パルス信号を生成する。そして、当該制御パルス信号を図示しないドライブ回路でDC−DCコンバータを駆動できるレベルに増幅して、駆動信号S1として可変直流電源2に出力する。
また、制御部9は、基準クロックに基づいて、所定の周波数fのパルス信号(なお、正弦波信号などでもよい)を生成し、当該パルス信号を図示しないドライブ回路でスイッチング素子Qsを駆動できるレベルに増幅して、駆動信号S2として高周波変換部3に出力する。
図3は、高周波変換部3のスイッチング素子Qsに発生する電圧を説明するための図であり、図1(b)に示す回路構成としてシミュレーションしたときの各波形を示している。図3(a)は、スイッチング素子Qsのドレイン‐ソース間電圧Vdsの波形を示しており、図3(b)は、スイッチング素子Qsのドレイン電流Idの波形を示している。また、図3(c)は、スイッチング素子Qsのゲート‐ソース間電圧Vgsの波形を示しており、図3(d)は、高周波電源装置1の出力電圧(高周波電圧vout)の波形を示している。本シミュレーションでは、可変直流電源2から入力される直流電圧Vdcを200[V]とし(図3(a)に示す)、負荷Lを50[Ω]の抵抗とし、高周波変換部3に入力される駆動信号S2を、周波数f=13.56[MHz]の矩形波信号としている。図4は、図3と比較するための図であり、図1(b)に示す回路において、伝送線路部4(伝送線路41および伝送線路42)を設けなかった回路構成としてシミュレーションしたときの各波形を示している。その他の条件は、図3のものと同様である。
図4(a)に示すように、伝送線路部4を設けなった場合には、直流電圧Vdcが200[V]であるのに対して、ドレイン‐ソース間電圧Vdsが3.5倍の700[V]以上になっている。これに対して、図3(a)に示すように、伝送線路部4を設けた場合には、直流電圧Vdcが200[V]であるのに対して、ドレイン‐ソース間電圧Vdsが2倍の400[V]程度に収まっている。以上のように、伝送線路部4を設けたことで、スイッチング素子Qsに発生する電圧を抑制できることが確認できた。
本実施形態によると、伝送線路部4は、高周波変換部3が出力する高周波の偶数倍高調波(2次高調波、4次高調波など)を吸収して減衰させる。これにより、スイッチング素子Qsに発生する電圧に含まれる成分のうちの偶数倍高調波の分が削減されるので、電圧を抑制することができる。したがって、スイッチング素子Qsを高耐圧のものにしなくてもよい。
また、本実施形態によると、伝送線路41,42は、同軸ケーブルを所定の長さ(伝送波長の略8分の1の長さ)にして接続するだけである。インダクタやコンデンサを用いて同様の周波数特性を有するフィルタを作成する場合と比べて、容易に作成することができる。
なお、本実施形態においては、高周波電流Iinvの周波数(高周波電源装置1の出力周
波数)fが13.56[MHz]の場合について説明したが、これに限られない。周波数(高周波電源装置1の出力周波数)fは、より大きい27.12[MHz]、40.68[MHz]等であってもよいし、より小さい6.78[MHz]等であってもよい。ただし、周波数fが低くなるほど、伝送線路41,42の長さを長くする必要がある。
上記第1実施形態においては、伝送線路部4が伝送線路41および伝送線路42を備えている場合について説明したが、これに限られない。伝送線路42を備えておらず、伝送線路41だけを備えている場合を第2実施形態として、以下に説明する。
図5は、第2実施形態に係る高周波電源装置1’を説明するための図である。図5は、図1(b)に対応する図であり、高周波電源装置1’の一部(高周波変換部3、伝送線路部4’、共振回路5、トランス6、および、フィルタ回路7)の回路図を示している。図1(a)に対応する、高周波電源装置1’の内部構成を説明するための機能ブロック図は、図1(a)と同様になるので、記載を省略している。図5において、第1実施形態に係る高周波電源装置1(図1参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
図5に示す高周波電源装置1’は、伝送線路部4に代えて伝送線路部4’を設けた点で、第1実施形態に係る高周波電源装置1と異なる。伝送線路部4’は、伝送線路42を備えておらず、伝送線路41だけを備えている。
図6は、伝送線路41を、スイッチング素子Qsのドレイン端子側から見たインピーダンスの大きさの周波数特性を示す図である。横軸が周波数を示しており、縦軸がインピーダンスの大きさを示している。同図に示すように、周波数f(=13.56[MHz])の4倍、8倍、…、4k倍(kは自然数)の周波数で、インピーダンスが無限大になり、周波数fの2倍、6倍、…、(4k−2)倍(kは自然数)の周波数で、インピーダンスが0「Ω」になっている。つまり、伝送線路部4’に、高周波変換部3が出力する高周波の(4k−2)倍(kは自然数)の高調波(2次高調波、6次高調波など)の電流を流して、スイッチング素子Qsに発生する高調波成分の電圧を減衰させる。
図7は、高周波変換部3のスイッチング素子Qsに発生する電圧を説明するための図であり、図5に示す回路構成としてシミュレーションしたときの各波形を示している。図7(a)は、スイッチング素子Qsのドレイン‐ソース間電圧Vdsの波形を示しており、図7(b)は、スイッチング素子Qsのドレイン電流Idの波形を示している。また、図7(c)は、スイッチング素子Qsのゲート‐ソース間電圧Vgsの波形を示しており、図7(d)は、高周波電源装置1の出力電圧(高周波電圧vout)の波形を示している。本シミュレーションの各条件は、図3のものと同様であり、可変直流電源2から入力される直流電圧Vdcを200[V]とし(図7(a)に示す)、負荷Lを50[Ω]の抵抗とし、高周波変換部3に入力される駆動信号S2を、周波数f=13.56[MHz]の矩形波信号としている。
図7(a)に示すように、伝送線路部4’を設けた場合には、直流電圧Vdcが200[V]であるのに対して、ドレイン‐ソース間電圧Vdsが2.5倍の500[V]程度に収まっている。以上のように、伝送線路41だけを備えている場合(図7参照)でも、伝送線路41および伝送線路42を備えている場合(図3参照)ほどの電圧の抑制効果はないが、伝送線路41および伝送線路42のどちらも備えていない場合(図4参照)と比べると、スイッチング素子Qsに発生する電圧を抑制できることが確認できた。
第2実施形態によると、伝送線路部4’は、高周波変換部3が出力する高周波の(4k−2)倍(kは自然数)の高調波(2次高調波、6次高調波など)の電流を吸収して電圧を減衰させる。これにより、スイッチング素子Qsに発生する電圧に含まれる成分のうちの一部の高調波の分が削減されるので、電圧を抑制することができる。
また、第2実施形態によると、伝送線路41は、同軸ケーブルを所定の長さ(伝送波長の略8分の1の長さ)にして接続するだけである。インダクタやコンデンサを用いて同様の周波数特性を有するフィルタを作成する場合と比べて、容易に作成することができる。さらに、伝送線路42を設ける必要がないので、第1実施形態よりも容易に作成することができるし、高周波電源装置1’を高周波電源装置1より小型軽量化することができる。
上記第1および第2実施形態においては、高周波変換部3をいわゆる一石のE級アンプとした場合について説明したが、これに限られない。例えば、図8に示すように、プッシュプル回路で構成するようにしてもよい。高周波変換部3’は、高周波変換部3を正負対称に接続して、それぞれが一方の極性の信号のみを増幅するようにした、いわゆるプッシュプル方式のアンプである。伝送線路部4”および共振回路5’も、それぞれ、伝送線路部4および共振回路5を正負対称に接続したものとしている。この場合でも、伝送線路部4”によって、高周波変換部3’が出力する高周波の一部の高調波(2次高調波など)の電流が吸収されて発生する電圧が減衰するので、スイッチング素子Qsに発生する電圧に含まれる成分のうちの一部の高調波の分が削減されて、電圧を抑制することができる。
図9は、高周波変換部3’の各スイッチング素子Qsに発生する電圧を説明するための図であり、図8に示す回路構成としてシミュレーションしたときの各波形を示している。図9(a)は、上側のスイッチング素子Qsのドレイン‐ソース間電圧Vds1の波形を示しており、図9(b)は、上側のスイッチング素子Qsのドレイン電流Id1の波形を示している。また、図9(c)は、下側のスイッチング素子Qsのドレイン‐ソース間電圧Vds2の波形を示しており、図9(d)は、下側のスイッチング素子Qsのドレイン電流Id2の波形を示している。図9(e)は、高周波電源装置1の出力電圧(高周波電圧vout)の波形を示している。本シミュレーションの各条件は、図3のものと同様であり、可変直流電源2から入力される直流電圧Vdcを200[V]とし(図9(a)に示す)、負荷Lを50[Ω]の抵抗とし、高周波変換部3’に入力される駆動信号S2を、周波数f=13.56[MHz]の矩形波信号としている。
図9(a)に示すように、直流電圧Vdcが200[V]であるのに対して、ドレイン‐ソース間電圧Vds1が2倍の400[V]程度に収まっている。以上のように、図8に示す回路構成でも、図1(b)に示す回路構成の場合と同様に、スイッチング素子Qsに発生する電圧を抑制できることが確認できた。
なお、図8に示す伝送線路部4”において、伝送線路42を備えずに伝送線路41だけを備えるようにしてもよい。また、高周波変換部3(3’)を複数備えて、それぞれの出力を合成して出力する構成としてもよい。
上記第1および第2実施形態においては、本発明に係る高周波電源装置を、プラズマ処理システムに用いた場合を例として説明したが、これに限られない。本発明に係る高周波電源装置は、高周波電力を用いるあらゆるシステムに用いることができる。例えば、非接触給電システムの送電装置の電源として用いることもできるし、誘導加熱装置の電源として用いることもできる。本発明に係る高周波電源装置を非接触給電システムに用いた場合を、第3実施形態として、以下に説明する。
図10は、第3実施形態に係る非接触給電システムを説明するための図である。なお、高周波電源装置1の詳細な内部構成の記載を省略している。
図10に示す非接触給電システムは、高周波電力を送電する送電装置11、および、送電装置11が送電した高周波電力を受電する受電装置15を備えている。
送電装置11は、第1実施形態に係る高周波電源装置1、および、高周波電源装置1より電力を供給される送電ユニット10を備えている。受電装置15は、受電ユニット、整流平滑回路13、および、充電回路14を備えている。送電装置11は、高周波電源装置1が出力する高周波電流を送電ユニット10のコイルに流すことで、コイルに発生する磁束を変化させる。磁束の変化により、送電ユニット10のコイルに磁気結合する受電ユニット12のコイルに高周波電流が流れる。なお、送電ユニット10および受電ユニット12の直列接続されたコンデンサのキャパシタンスとコイルのインダクタンスとは、高周波電源装置1が出力する周波数に共振する値に調整されている。これにより、送電ユニット10から受電ユニット12に、非接触で電力が供給される。受電ユニット12に供給された高周波電力は、整流平滑回路13によって直流電力に変換され、充電回路14によってバッテリに充電される。
第3実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。なお、高周波電源装置1に代えて、高周波電源装置1’を用いるようにしてもよい。
本発明に係る高周波電源装置、プラズマ処理システムおよび非接触給電システムは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る高周波電源装置、プラズマ処理システムおよび非接触給電システムの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
1,1’ 高周波電源装置
2 可変直流電源
3,3’ 高周波変換部
4,4’,4” 伝送線路部
41 伝送線路(第1の伝送線路)
42 伝送線路(第2の伝送線路)
5,5’ 共振回路
6 トランス
7 フィルタ回路
8 電力検出部
9 制御部
L 負荷
10 送電ユニット
11 送電装置
12 受電ユニット
13 整流平滑回路
14 充電回路
15 受電装置

Claims (7)

  1. 直流電圧を出力する直流電源の高電位側の出力端子に直列接続されるインダクタと、前記インダクタの下流側で、前記直流電源に並列接続されるスイッチング素子とを有し、前記直流電源が出力する直流電流を前記スイッチング素子のスイッチング動作により高周波電流に変換する高周波変換手段と、
    前記高周波変換手段の一方の出力端子に一端が接続された第1の伝送線路と、
    を備えており、
    前記第1の伝送線路は、前記高周波変換手段が出力する高周波の、前記第1の伝送線路における伝送波長の略8分の1の長さであり、他端が開放されている、
    ことを特徴とする高周波電源装置。
  2. 前記第1の伝送線路は、同軸ケーブルである、
    請求項1に記載の高周波電源装置。
  3. 前記高周波変換手段の一方の出力端子に一端が接続された第2の伝送線路をさらに備えており、
    前記第2の伝送線路は、前記高周波変換手段が出力する高周波の、前記第2の伝送線路における伝送波長の略8分の1の長さであり、他端が短絡されている、
    請求項1または2に記載の高周波電源装置。
  4. 前記第2の伝送線路は、同軸ケーブルである、
    請求項3に記載の高周波電源装置。
  5. 前記前記高周波変換手段が出力する高周波の周波数は、13.56[MHz]である、
    請求項1ないし4のいずれかに記載の高周波電源装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の高周波電源装置と、
    前記高周波電源装置から電力を供給されるプラズマ処理装置と、
    を備えていることを特徴とするプラズマ処理システム。
  7. 送電装置から受電装置に非接触で電力を供給する非接触給電システムであって、
    前記送電装置は、
    請求項1ないし5のいずれかに記載の高周波電源装置を備えている、
    ことを特徴とする非接触給電システム。
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