JP2017054047A - 感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法 - Google Patents

感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】感度及びナノエッジラフネス性能に優れる感放射線性樹脂組成物及びこの感放射線性樹脂組成物を用いるレジストパターン形成方法の提供を目的とする。【解決手段】本発明は、酸の作用により現像液への溶解性が変化する第1成分、放射線の作用により酸を発生する第2成分、及び式(1)で表される化合物を含有する感放射線性樹脂組成物である。式(1)中、Ar1は、炭素数6〜20の(m+1)価の芳香族炭化水素基である。Ar2は、炭素数6〜20の(n+1)価の芳香族炭化水素基である。R1及びR2は、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、スルファニル基、アミノ基又は炭素数1〜20の1価の有機基である。1のR1とAr2の芳香族炭化水素基の芳香環を構成する炭素原子とが互いに合わせられ、R1が有する−O−、−S−、−NR’−又は炭素数1〜10の有機基を介して環を形成していてもよい。R3は、酸の作用により解離する基である。【選択図】なし

Description

本発明は、感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法に関する。
リソグラフィーによる微細加工に用いられる感放射線性樹脂組成物は、ArFエキシマレーザー光、KrFエキシマレーザー光等の遠紫外線、極端紫外線(EUV)等の電磁波、電子線等の荷電粒子線などの照射により露光部に酸を発生させ、この酸を触媒とする化学反応により露光部と未露光部との現像液に対する溶解速度に差を生じさせ、基板上にパターンを形成する。
かかる感放射線性樹脂組成物には、加工技術の微細化に伴ってレジスト性能を向上させることが要求される。この要求に対し、組成物に用いられる重合体、酸発生剤、その他の成分の種類や分子構造が検討され、さらにその組み合わせについても詳細に検討されている(特開平11−125907号公報、特開平8−146610号公報及び特開2000−298347号公報参照)。
現状、パターンの微細化は線幅40nm以下のレベルまで進展しているが、感放射線性樹脂組成物には、さらに高いレジスト性能、特に電子線、EUV等の露光光に対しても感度が高いこと、加えて、パターンのナノエッジラフネスがさらに小さいことも求められている。しかし、これらの要求を共に満たすことはできていない。
特開平11−125907号公報 特開平8−146610号公報 特開2000−298347号公報
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、感度及びナノエッジラフネス性能に優れる感放射線性樹脂組成物及びこの感放射線性樹脂組成物を用いるレジストパターン形成方法を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた発明は、酸の作用により現像液への溶解性が変化する第1成分(以下、「[A]成分」ともいう)、放射線の作用により酸を発生する第2成分(以下、「[B]成分」ともいう)、及び下記式(1)で表される化合物(以下、「[C]化合物」ともいう)を含有する感放射線性樹脂組成物である。
Figure 2017054047
(式(1)中、Arは、炭素数6〜20の(m+1)価の芳香族炭化水素基である。mは、0〜11の整数である。Arは、炭素数6〜20の(n+1)価の芳香族炭化水素基である。nは、0〜11の整数である。R及びRは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、スルファニル基、アミノ基又は炭素数1〜20の1価の有機基である。mが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のRのうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する炭素鎖と共に環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のRのうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する炭素鎖と共に環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。mが1以上かつnが10以下の場合、1のRとArの芳香族炭化水素基の芳香環を構成する炭素原子とが互いに合わせられ、Rが有する−O−、−S−、−NR’−又は炭素数1〜20の有機基を介して環を形成していてもよい。R’は、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。Rは、酸の作用により解離する基である。)
上記課題を解決するためになされた別の発明は、当該感放射線性樹脂組成物を用いて、基板にレジスト膜を形成する工程と、第2成分が吸収する第1波長の放射線を含む第1露光光で上記レジスト膜をパターン露光する第1露光工程と、上記第1波長よりも長い第2波長の放射線を含む第2露光光で、上記第1露光光でパターン露光されたレジスト膜を露光する第2露光工程と、上記第2露光光で露光されたレジスト膜を現像する工程とを備えるレジストパターン形成方法である。
ここで、「炭化水素基」とは、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基が含まれる。この「炭化水素基」は、飽和炭化水素基でも不飽和炭化水素基でもよい。「鎖状炭化水素基」とは、環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された炭化水素基をいい、直鎖状炭化水素基及び分岐状炭化水素基の両方を含む。「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては脂環構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基をいい、単環の脂環式炭化水素基及び多環の脂環式炭化水素基の両方を含む。但し、脂環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を含んでいてもよい。「芳香族炭化水素基」とは、環構造として芳香環構造を含む炭化水素基をいう。但し、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環構造を含んでいてもよい。「環員数」とは、脂環構造、芳香環構造、脂肪族複素環構造及び芳香族複素環構造の環を構成する原子数をいい、多環の場合は、この多環を構成する原子数をいう。
本発明の感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法によれば、高い感度を発揮させることができ、かつナノエッジラフネスが小さいレジストパターンを形成することができる。従って、これらは今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイス製造用に好適に用いることができる。
(a)〜(e)は、本実施形態のレジストパターン形成方法の工程を示す模式図である。 実施形態のレジストパターン形成方法におけるエネルギー照射量−残膜率曲線を示す図である。 ラインパターンを上方から見た際の模式的な平面図である。 ラインパターン形状の模式的な断面図である。
<感放射線性樹脂組成物>
当該感放射線性樹脂組成物は、[A]成分、[B]成分及び[C]化合物を含有する。当該感放射線性樹脂組成物は、好適成分として、[D]酸拡散制御体及び/又は[E]溶媒を含有していてもよく、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の任意成分を含有していてもよい。以下、各成分について説明する。
<[A]成分>
[A]成分は、酸の作用により現像液への溶解性が変化する成分である。[A]成分としては、上記性質を有するものであれば特に限定されないが、酸解離性基を有する重合体(以下、「[A]重合体」ともいう)が好ましい。「酸解離性基」とは、カルボキシ基、スルホ基、フェノール性水酸基等の水素原子を置換する基であって、酸の作用により解離する基をいう。
[[A]重合体]
[A]重合体は、酸解離性基を有する重合体である。[A]重合体は酸解離性基を有するので、後述する[B]成分から生じる酸の作用によりその酸解離性基が解離する。その結果、[A]重合体の現像液に対する溶解性が変化するので、当該感放射線性樹脂組成物によれば、レジストパターンを形成することができる。
[A]重合体は、通常、酸解離性基を含む構造単位(以下、「構造単位(I)」ともいう)を有している。[A]重合体は、構造単位(I)以外にも、フェノール性水酸基を含む構造単位(II)、ラクトン構造、環状カーボネート構造、スルトン構造又はこれらの組み合わせを含む構造単位(III)を有していてもよく、(I)〜(III)以外のその他の構造単位を有していてもよい。[A]重合体は、各構造単位を1種又は2種以上有していてもよい。以下、各構造単位について説明する。
[構造単位(I)]
構造単位(I)は、酸解離性基を含む構造単位である。構造単位(I)としては、例えば下記式(a−1)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−1)」ともいう)、下記式(a−2)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−2)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2017054047
上記式(a−1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Rは、炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。R及びR10は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の炭化水素基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造を表す。
上記式(a−2)中、R11は、水素原子又はメチル基である。Lは、単結合、−COO−又は−CONH−である。R12は、水素原子又は炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。R13及びR14は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基である。
構造単位(I−1)としては下記式(a−1−1)〜(a−1−4)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−1−1)〜(I−1−4)」ともいう)が好ましい。構造単位(I−2)としては、下記式(a−2−1)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−2−1)」ともいう)が好ましい。
Figure 2017054047
上記式(a−1−1)〜(a−1−4)中、R〜R10は、上記式(a−1)と同義である。iは、それぞれ独立して、1〜4の整数である。
上記式(a−2−1)中、R11〜R14は、上記式(a−2)と同義である。
構造単位(I−1)としては例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2017054047
Figure 2017054047
上記式中、Rは、上記式(a−1)と同義である。
構造単位(I−2)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2017054047
上記式中、R11は、上記式(a−2)と同義である。
構造単位(I−1)としては、構造単位(I−1−2)及び構造単位(I−1−3)が好ましく、1−アルキルシクロペンタン−1−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び2−(アダマンタン−1−イル)プロパン−2−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位がより好ましい。構造単位(II−2)としては、構造単位(II−2−1)が好ましく、1−オキシ炭化水素置換−1−アルキルオキシスチレンに由来する構造単位がより好ましく、1−シクロアルキルオキシ−1−アルキルオキシスチレンに由来する構造単位がさらに好ましく、1−シクロヘキシルエチルオキシ−1−エチルオキシスチレンに由来する構造単位が特に好ましい。
構造単位(I)の含有割合の下限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%が好ましく、20モル%がより好ましく、30モル%がさらに好ましく、40モル%が特に好ましい。上記含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、70モル%がより好ましく、60モル%がさらに好ましく、55モル%が特に好ましい。構造単位(I)の含有割合を上記範囲とすることで、感度及びナノエッジラフネス性能をより向上させることができる。
[構造単位(II)]
構造単位(II)は、フェノール性水酸基を含む構造単位である。[A]重合体は構造単位(II)をさらに有することで、現像液に対する溶解性をより適度に調整することができ、その結果、ナノエッジラフネス性能をより向上させることができる。また、パターンの基板への密着性を向上させることができる。さらに、KrF露光、EUV露光又は電子線露光の場合、感度をより高めることができる。
構造単位(II)としては、例えば下記式(a−3)で表される構造単位(以下、「構造単位(II−1)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2017054047
上記式(a−3)中、R15は、水素原子又はメチル基である。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。R16は、炭素数1〜20の1価の有機基である。pは、0〜2の整数である。qは、0〜9の整数である。qが2以上の場合、複数のR16は同一でも異なっていてもよい。rは、1〜3の整数である。
構造単位(II)としては、例えば下記式(a−3−1)〜(a−3−7)で表される構造単位(以下、「構造単位(II−1)〜(II−7)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2017054047
上記式(a−3−1)〜(a−3−7)中、R15は上記式(a−3)と同義である。
これらの中で、構造単位(II−1)が好ましい。
[A]重合体が構造単位(II)を有する場合、構造単位(II)の含有割合としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%が好ましく、30モル%がより好ましく、45モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、60モル%がより好ましく、55モル%がさらに好ましい。構造単位(II)の含有割合を上記範囲とすることで、ナノエッジラフネス性能をさらに向上させることができる。また、KrF露光、EUV露光又は電子線露光の場合の感度をさらに高めることができる。
[構造単位(III)]
構造単位(III)は、ラクトン構造、環状カーボネート構造、スルトン構造又はこれらの組み合わせを含む構造単位である。[A]重合体は、構造単位(III)をさらに有することで、現像液への溶解性をより調整することができ、その結果、ナノエッジラフネス性能をより向上させることができる。また、パターンと基板との密着性をより向上させることができる。
構造単位(III)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2017054047
Figure 2017054047
Figure 2017054047
Figure 2017054047
上記式中、RL1は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
構造単位(III)としては、これらの中で、ラクトン構造を含む構造単位が好ましく、ノルボルナンラクトン構造を含む構造単位及びシアノノルボルナンラクトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位がより好ましい。
[A1]重合体が構造単位(III)を有する場合、構造単位(III)の含有割合の下限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、5モル%が好ましく、10モル%がより好ましく、40モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、70モル%が好ましく、60モル%がより好ましく、55モル%がさらに好ましい。上記含有割合を上記範囲とすることで、ナノエッジラフネス性能をさらに向上させることができる。またパターンの基板への密着性をさらに向上させることができる。
[その他の構造単位]
[A]重合体は、構造単位(I)〜(III)以外にもその他の構造単位を有してもよい。その他の構造単位としては、例えば極性基を含む構造単位、非解離性の炭化水素基を含む構造単位等が挙げられる。極性基としては、例えばアルコール性水酸基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、スルホンアミド基等が挙げられる。非解離性の炭化水素基としては、例えば直鎖状のアルキル基等が挙げられる。その他の構造単位の含有割合の上限としては、20モル%が好ましく、10モル%がより好ましい。
[A]重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)の下限としては、2,000が好ましく、4,000がより好ましく、5,500がさらに好ましく、6,500が特に好ましい。上記Mwの上限としては、50,000が好ましく、20,000がより好ましく、10,000がさらに好ましく、9,000が特に好ましい。[A]重合体のMwを上記範囲とすることで、感度及びナノエッジラフネス性能をより向上させることができる。
[A1]重合体のGPCによるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)に対するMwの比(Mw/Mn)の上限としては、5が好ましく、3がより好ましく、2がさらに好ましい。上記比の下限は、通常1であり、1.3が好ましい。
本明細書における重合体のMw及びMnは、以下の条件によるGPCを用いて測定される値である。
GPCカラム:例えば東ソー社の「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本及び「G4000HXL」1本
カラム温度:40℃
溶出溶媒:テトラヒドロフラン(和光純薬工業社)
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
[A]重合体の含有量の下限としては、当該感放射線性樹脂組成物の全固形分に対して、70質量%が好ましく、80質量%がより好ましく、85質量%がさらに好ましい。当該感放射線性樹脂組成物の「全固形分」とは、[E]溶媒以外の成分の総和をいう。
<[A]重合体の合成方法>
[A]重合体は、例えば各構造単位を与える単量体を、ラジカル重合開始剤等を用い、適当な溶媒中で重合することにより合成できる。
ラジカル重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系ラジカル開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系ラジカル開始剤等が挙げられる。これらの中で、AIBN及びジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートが好ましく、AIBNがより好ましい。これらのラジカル開始剤は1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
重合に使用される溶媒としては、例えば
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン;
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素;
クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル;
アセトン、メチルエチルケトン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン;
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン等のエーテル;
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール等のアルコールなどが挙げられる。これらの重合に使用される溶媒は、1種単独で又は2種以上を併用してもよい。
重合における反応温度の下限としては、40℃が好ましく、50℃がより好ましい。上記反応温度の上限としては、150℃が好ましく、120℃がより好ましい。重合体における反応時間の下限としては、1時間が好ましく、2時間がより好ましい。上記反応時間の上限としては、48時間が好ましく、24時間がより好ましい。
<[B]成分>
[B]成分は、放射線の作用により酸を発生する成分である。「放射線の作用により酸を発生する」とは、[B]成分が露光光を直接吸収することにより分解して酸を発生すること以外に、後述する[C]化合物から生成した増感体が露光光を吸収し、その吸収したエネルギーを授受することにより[B]成分が分解することによって酸を発生することも含まれる。この発生した酸により[A]成分が有する酸解離性基等が解離してカルボキシ基、フェノール性水酸基等が生じ、[A]成分の現像液への溶解性が変化するため、レジストパターンを形成することができる。当該感放射線性樹脂組成物における[B]成分の含有形態としては、低分子化合物である感放射線性酸発生剤(以下、「[B]酸発生剤」ともいう)の形態でも、酸を発生する基を有する重合体の形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[[B]酸発生剤]
[B]酸発生剤としては、例えばオニウム塩化合物、N−スルホニルオキシイミド化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物等が挙げられる。
オニウム塩化合物としては、例えばスルホニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられる。
[B]酸発生剤の具体例としては、例えば特開2009−134088号公報の段落[0080]〜[0113]に記載されている化合物等が挙げられる。
スルホニウム塩としては、例えばトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート、トリフェニルスルホニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−6−(1−アダマンタンカルボニロキシ)−ヘキサン−1−スルホネート等が挙げられる。
テトラヒドロチオフェニウム塩としては、例えば1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムカンファースルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムカンファースルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムカンファースルホネート等が挙げられる。
ヨードニウム塩としては、例えばジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムカンファースルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムカンファースルホネート等が挙げられる。
N−スルホニルオキシイミド化合物としては、例えばN−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−(3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド等を挙げることができる。
[B]酸発生剤としては、例えば下記式(3)で表される酸発生剤等が挙げられる。[B]酸発生剤が下記構造を有することで、[A]重合体の構造単位(I)等との相互作用等により、露光により発生する酸のレジスト膜中の拡散長がより適度に短くなると考えられ、その結果、ナノエッジラフネス性能をより向上させることができる。
Figure 2017054047
上記式(3)中、Rp1は、環員数6以上の環構造を含む1価の基である。Rp2は、2価の連結基である。Rp3及びRp4は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は炭素数1〜20の1価のフッ素化炭化水素基である。Rp5及びRp6は、それぞれ独立して、フッ素原子又は炭素数1〜20の1価のフッ素化炭化水素基である。np1は、0〜10の整数である。np2は、0〜10の整数である。np3は、1〜10の整数である。np1が2以上の場合、複数のRp2は同一でも異なっていてもよい。np2が2以上の場合、複数のRp3は同一でも異なっていてもよく、複数のRp4は同一でも異なっていてもよい。np3が2以上の場合、複数のRp5は同一でも異なっていてもよく、複数のRp6は同一でも異なっていてもよい。Yは、1価の感放射線性オニウムカチオンである。
p1で表される環員数6以上の環構造を含む1価の基としては、例えば環員数6以上の脂環構造を含む1価の基、環員数6以上の脂肪族複素環構造を含む1価の基、環員数6以上の芳香環構造を含む1価の基、環員数6以上の芳香族複素環構造を含む1価の基等が挙げられる。
上記環員数6以上の脂環構造としては、例えば
シクロヘキサン構造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構造、シクロノナン構造、シクロデカン構造、シクロドデカン構造等の単環のシクロアルカン構造;
シクロヘキセン構造、シクロヘプテン構造、シクロオクテン構造、シクロデセン構造等の単環のシクロアルケン構造;
ノルボルナン構造、アダマンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等の多環のシクロアルカン構造;
ノルボルネン構造、トリシクロデセン構造等の多環のシクロアルケン構造などが挙げられる。
上記環員数6以上の脂肪族複素環構造としては、例えば
ヘキサノラクトン構造、ノルボルナンラクトン構造等のラクトン構造;
ヘキサノスルトン構造、ノルボルナンスルトン構造等のスルトン構造;
オキサシクロヘプタン構造、オキサノルボルナン構造等の酸素原子含有複素環構造;
アザシクロヘキサン構造、ジアザビシクロオクタン構造等の窒素原子含有複素環構造;
チアシクロヘキサン構造、チアノルボルナン構造のイオウ原子含有複素環構造などが挙げられる。
上記環員数6以上の芳香環構造としては、例えばベンゼン構造、ナフタレン構造、フェナントレン構造、アントラセン構造等が挙げられる。
上記環員数6以上の芳香族複素環構造としては、例えばフラン構造、ピラン構造、ベンゾピラン構造等の酸素原子含有複素環構造、ピリジン構造、ピリミジン構造、インドール構造等の窒素原子含有複素環構造などが挙げられる。
p1の環構造の環員数の下限としては、7が好ましく、8がより好ましく、9がさらに好ましく、10が特に好ましい。一方、上記環員数の上限としては、15が好ましく、14がより好ましく、13がさらに好ましく、12が特に好ましい。上記環員数を上記範囲とすることで、上述の酸の拡散長をさらに適度に短くすることができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をより向上させることができる。
p1の環構造が有する水素原子の一部又は全部は、置換基で置換されていてもよい。上記置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アシル基、アシロキシ基等が挙げられる。これらの中でヒドロキシ基が好ましい。
p1としては、これらの中で、環員数6以上の脂環構造を含む1価の基及び環員数6以上の脂肪族複素環構造を含む1価の基が好ましく、環員数9以上の脂環構造を含む1価の基及び環員数9以上の脂肪族複素環構造を含む1価の基がより好ましく、アダマンチル基、ヒドロキシアダマンチル基、ノルボルナンラクトン−イル基、ノルボルナンスルトン−イル基及び5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−イル基がさらに好ましく、アダマンチル基が特に好ましい。
p2で表される2価の連結基としては、例えばカルボニル基、エーテル基、カルボニルオキシ基、スルフィド基、チオカルボニル基、スルホニル基、2価の炭化水素基等が挙げられる。Rp2で表される2価の連結基としては、カルボニルオキシ基、スルホニル基、アルカンジイル基及びシクロアルカンジイル基が好ましく、カルボニルオキシ基及びシクロアルカンジイル基がより好ましく、カルボニルオキシ基及びノルボルナンジイル基がさらに好ましく、カルボニルオキシ基が特に好ましい。
p3及びRp4で表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20のアルキル基等が挙げられる。Rp3及びRp4で表される炭素数1〜20の1価のフッ素化炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20のフッ素化アルキル基等が挙げられる。Rp3及びRp4としては、水素原子、フッ素原子及びフッ素化アルキル基が好ましく、フッ素原子及びパーフルオロアルキル基がより好ましく、フッ素原子及びトリフルオロメチル基がさらに好ましい。
p5及びRp6で表される炭素数1〜20の1価のフッ素化炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20のフッ素化アルキル基等が挙げられる。Rp5及びRp6としては、フッ素原子及びフッ素化アルキル基が好ましく、フッ素原子及びパーフルオロアルキル基がより好ましく、フッ素原子及びトリフルオロメチル基がさらに好ましく、フッ素原子が特に好ましい。
p1としては、0〜5の整数が好ましく、0〜3の整数がより好ましく、0〜2の整数がさらに好ましく、0及び1が特に好ましい。
p2としては、0〜5の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましく、0及び1がさらに好ましく、0が特に好ましい。
p3としては、1〜5の整数が好ましく、1〜4の整数がより好ましく、1〜3の整数がさらに好ましく、1及び2が特に好ましい。
で表される1価の感放射線性オニウムカチオンは、露光光の照射により分解するカチオンである。露光部では、この感放射線性オニウムカチオンの分解により生成するプロトンと、スルホネートアニオンとからスルホン酸を生じる。1価の感放射線性オニウムカチオンとしては、例えば下記式(Y−1)で表されるカチオン(以下、「カチオン(Y−1)」ともいう)、下記式(Y−2)で表されるカチオン(以下、「カチオン(Y−2)」ともいう)、下記式(Y−3)で表されるカチオン(以下、「カチオン(Y−3)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2017054047
上記式(Y−1)中、Ra1、Ra2及びRa3は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、−OSO−R若しくは−SO−Rであるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられ構成される環構造を表す。R及びRは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数5〜25の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。k1、k2及びk3は、それぞれ独立して0〜5の整数である。Ra1〜Ra3並びにR及びRがそれぞれ複数の場合、複数のRa1〜Ra3並びにR及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記式(Y−2)中、Rb1は、置換若しくは非置換の炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6〜8の芳香族炭化水素基である。k4は0〜7の整数である。Rb1が複数の場合、複数のRb1は同一でも異なっていてもよく、また、複数のRb1は、互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。
b2は、置換若しくは非置換の炭素数1〜7の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6若しくは7の芳香族炭化水素基である。k5は、0〜6の整数である。Rb2が複数の場合、複数のRb2は同一でも異なっていてもよく、また、複数のRb2は互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。rは、0〜3の整数である。Rb3は、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。tは、0〜2の整数である。
上記式(Y−3)中、Rc1及びRc2は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、−OSO−R若しくは−SO−Rであるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられ構成される環構造を表す。R及びRは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数5〜25の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。k6及びk7は、それぞれ独立して0〜5の整数である。Rc1、Rc2、R及びRがそれぞれ複数の場合、複数のRc1、Rc2、R及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
a1〜Ra3、Rb1、Rb2、Rc1及びRc2で表される非置換の直鎖状のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等が挙げられる。
a1〜Ra3、Rb1、Rb2、Rc1及びRc2で表される非置換の分岐状のアルキル基としては、例えばi−プロピル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
a1〜Ra3、Rc1及びRc2で表される非置換の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
b1及びRb2で表される非置換の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、トリル基、ベンジル基等が挙げられる。
b3で表される2価の有機基としては、例えば上記式(3)のLの2価の有機基として例示したものと同様の基等が挙げられる。
アルキル基及び芳香族炭化水素基が有する水素原子を置換していてもよい置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アシル基、アシロキシ基等が挙げられる。これらの中で、ハロゲン原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
a1〜Ra3、Rb1、Rb2、Rc1及びRc2としては、非置換の直鎖状又は分岐状のアルキル基、フッ素化アルキル基、非置換の1価の芳香族炭化水素基、−OSO−R”及び−SO−R”が好ましく、フッ素化アルキル基及び非置換の1価の芳香族炭化水素基がより好ましく、フッ素化アルキル基がさらに好ましい。R”は、非置換の1価の脂環式炭化水素基又は非置換の1価の芳香族炭化水素基である。
式(Y−1)におけるk1、k2及びk3としては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、0がさらに好ましい。式(X−2)におけるk4としては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、1がさらに好ましい。k5としては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、0がさらに好ましい。rとしては、2及び3が好ましく、2がより好ましい。tとしては、0及び1が好ましく、0がより好ましい。式(Y−3)におけるk6及びk7としては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、0がさらに好ましい。
としては、これらの中で、カチオン(Y−1)及びカチオン(Y−3)が好ましく、トリフェニルスルホニウムカチオン及びジフェニルヨードニウムカチオンがより好ましい。
[B]酸発生剤としては例えば下記式(3−1)〜(3−16)で表される化合物(以下、「化合物(3−1)〜(3−16)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2017054047
上記式(3−1)〜(3−16)中、Yは、1価の感放射線性オニウムカチオンである。
[B]酸発生剤としては、オニウム塩化合物が好ましく、化合物(3−15)及び(3−16)がより好ましく、化合物(3−16)がさらに好ましい。
[酸を発生する基を有する重合体]
[B]成分の酸を発生する基を有する重合体としては、例えば下記式(4)で表される構造単位を有する重合体等が挙げられる。
Figure 2017054047
上記式(4)中、R17は、水素原子又はメチル基である。Lは、単結合、−COO−、置換若しくは非置換の2価の炭化水素基、置換若しくは非置換の2価のカルボニルオキシ炭化水素基又は置換若しくは非置換のスルホニルオキシ炭化水素基である。R18は、炭素数1〜10のフッ素化アルカンジイル基である。Yは、1価の感放射線性オニウムカチオンである。
[B]成分が[B]酸発生剤の場合、[B]酸発生剤の含有量の下限としては、[A]成分100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、1質量部がより好ましく、5質量部がさらに好ましく、10質量部が特に好ましく、15質量%がさらに特に好ましい。上記含有量の上限としては、50質量部が好ましく、40質量部がより好ましく、30質量部がさらに好ましい。[B]酸発生剤の含有量を上記範囲とすることで、感度をさらに向上させることができる。また、その結果、ナノエッジラフネス性能をさらに向上させることができる。[B]成分は、1種又は2種以上を用いることができる。
<[C]化合物>
[C]化合物は、下記式(1)で表される化合物である。
Figure 2017054047
上記式(1)中、Arは、炭素数6〜20の(m+1)価の芳香族炭化水素基である。mは、0〜11の整数である。Arは、炭素数6〜20の(n+1)価の芳香族炭化水素基である。nは、0〜11の整数である。R及びRは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、スルファニル基、アミノ基又は炭素数1〜20の1価の有機基である。mが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のRのうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する炭素鎖と共に環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のRのうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する炭素鎖と共に環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。mが1以上かつnが10以下の場合、1のRとArの芳香族炭化水素基の芳香環を構成する炭素原子とが互いに合わせられ、Rが有する−O−、−S−、−NR’−又は炭素数1〜20の有機基を介して環を形成していてもよい。R’は、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。Rは、酸の作用により解離する基である。
[C]化合物は、下記スキームで表されるように、酸(H)の作用によりR(酸の作用により解離する基)が解離して、ジアリールアミン構造を与える。
Figure 2017054047
このジアリールアミン構造によれば、365nm等の紫外光を吸収してその吸収したエネルギーを[B]成分に与える増感体としての機能を発揮することができる。従って、当該感放射線性樹脂組成物によれば、EUV等の露光光で露光することにより[B]成分から酸が発生し、この酸の作用により[C]化合物から増感体が生じる。次いで、高圧水銀ランプを備える露光機等を用いて紫外光を照射することにより、この増感体の作用により[B]成分から効果的に酸を発生させることができる。すなわち、当該感放射線性樹脂組成物は高い感度を発揮することができる。また、その結果、ナノエッジラフネス性能を優れたものとすることができる。
Arで表される炭素数6〜20の(m+1)価の芳香族炭化水素基及びArで表される炭素数6〜20の(n+1)価の芳香族炭化水素基としては、例えば炭素数6〜20の芳香族炭化水素基から1〜12個の水素原子を除いた基等が挙げられる。
炭素数6〜20の芳香族炭化水素基としては、例えばベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、フェナレン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、テトラセン、ペリレン等が挙げられる。
m及びnとしては、0〜2の整数が好ましく、0及び1が好ましく、0がさらに好ましい。
及びRで表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば炭素数1〜20の1価の炭化水素基、この炭化水素基の炭素−炭素間に2価のヘテロ原子含有基を含む基(α)、上記炭化水素基及び基(α)が有する水素原子の一部又は全部を1価のヘテロ原子含有基で置換した基等が挙げられる。
炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基としては、例えば
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基などが挙げられる。
炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば
シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基;
シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基等の多環のシクロアルキル基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基等の多環のシクロアルケニル基などが挙げられる。
炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、アントリルメチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
1価及び2価のヘテロ原子含有基を構成するヘテロ原子としては、例えば酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、ハロゲン原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
2価のヘテロ原子含有基としては、例えば−O−、−CO−、−S−、−CS−、−NR’−、これらのうちの2つ以上を組み合わせた基等が挙げられる。R’は、水素原子又は1価の炭化水素基である。これらの中で、−O−が好ましい。
1価のヘテロ原子含有基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、アミノ基、スルファニル基(−SH)等が挙げられる。これらの中で、フッ素原子が好ましい。
及びRでとしては、ヒドロキシ基、スルファニル基及びアミノ基が好ましく、スルファニル基がより好ましい。
複数のRのうちの2つ以上又は複数のRのうちの2つ以上が形成してもよい環員数3〜20の環構造としては、例えば
シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、シクロオクタン構造、ノルボルナン構造、アダマンタン構造、シクロペンテン構造、シクロヘキセン構造等の脂環構造;
ベンゼン構造、ナフタレン構造、アントラセン構造、フェナントレン構造等の芳香環構造などが挙げられる。
mが1以上かつnが10以下の場合、1のRとArの芳香族炭化水素基の芳香環を構成する炭素原子とが互いに合わせられ、−O−、−S−、−NR’−又は炭素数1〜20の有機基を介して形成される環構造としては、フェノキサジン構造、フェノチアジン構造、ジヒドロフェナジン構造、ジヒドロアクリジン構造等が挙げられる。これらの中で、フェノキサジン構造及びフェノチアジン構造が好ましく、フェノチアジン構造がより好ましい。
R’としては、炭素数1〜10の1価の炭化水素基及び酸の作用により解離する基が好ましい。
で表される酸の作用により解離する基としては、この性質を有するものであれば特に限定されないが、例えば下記式(2)で表される基(以下、「基(2)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2017054047
上記式(2)中、Rは、炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1〜20の1価の炭化水素基であるか、又はこの炭化水素基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造を表す。*は、上記式(1)中の窒素原子に結合する部位を示す。
、R及びRで表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば上記R及びRとして例示した炭化水素基と同様の基等が挙げられる。
及びRの炭化水素基が互いに合わせられ構成される環員数3〜20の脂環構造としては、例えば
シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構造等の単環のシクロアルカン構造;
ノルボルナン構造、アダマンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等の多環のシクロアルカン構造;
シクロプロペン構造、シクロブテン構造、シクロペンテン構造、シクロヘキセン構造、シクロヘプテン構造、シクロオクテン構造等の単環のシクロアルケン構造;
ノルボルネン構造、トリシクロデセン構造、テトラシクロドデセン構造等の多環のシクロアルケン構造などが挙げられる。
としては、鎖状炭化水素基及び芳香族炭化水素基が好ましく、アルキル基及びアリール基がより好ましく、メチル基及びフェニル基がより好ましい。
及びRとしては、水素原子及び鎖状炭化水素基が好ましく、水素原子及びアルキル基が好ましく、水素原子及びメチル基がさらに好ましい。
基(2)としては、例えばt−ブチル基、t−アミル基、1−メチルシクロペンタン−1−イル基、2−エチルアダマンタン−2−イル基、ベンジル基等が挙げられる。これらの中で、t−ブチル基及びベンジル基が好ましい。
[C]化合物としては、例えば下記式(1−1)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2017054047
上記式(1−1)中、R、R、R、m及びnは、上記式(1)と同義である。Xは、O、S又はNR’である。R’は、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。Rが複数の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。Rが複数の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。a及びbは、それぞれ独立して、0〜3の整数である。
上記Xとしては、O及びSが好ましく、Sがより好ましい。
a及びbとしては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、0がさらに好ましい。
[C]化合物としては、例えば下記式(c1)〜(c12)で表される化合物(以下、「化合物(c1)〜(c12)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2017054047
これらの中で、化合物(c1)〜(c6)が好ましい。
化合物(c1)及び(c4)は、下記スキームで表されるように、[B]酸発生体から発生した酸の作用により、フェノチアジンを生じる。このフェノチアジンは、例えば高圧水銀ランプを備える露光機等の紫外光を吸収して[B]成分から酸を効果的に発生させる増感体に成り得る。
Figure 2017054047
[C]化合物の含有量の下限としては、[A]成分100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましく、2質量部が特に好ましい。上記含有量の上限としては、30質量部が好ましく、20質量部がより好ましく、10質量部がさらに好ましく、7質量部が特に好ましい。[C]化合物の含有量を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の感度及びナノエッジラフネス性能をさらに向上させることができる。
<[C]化合物の製造方法>
[C]化合物は、例えば(R−Ar−NH−Ar−(Rの構造を有するジアリールアミン化合物の窒素原子に結合する水素原子を、公知の反応により、Rで表される酸の作用により解離する基に置換することで合成することができる。このような反応のための化合物としては、Rが−COOR’かつR’が炭化水素基の場合、例えば(R’OCO)Oで表される酸無水物化合物、R’OCOZ(Zはハロゲン原子)で表させる酸ハライド化合物等が挙げられる。[C]化合物は下記スキームで示されるように、例えばフェノチアジン等のジアリールアミン化合物と、上記酸無水物化合物又は上記酸ハライド化合物とを、ジメチルアミノピリジン等の塩基存在下、塩化メチレン等の溶媒中で反応させることにより合成することができる。
Figure 2017054047
<[D]酸拡散制御体>
[D]酸拡散制御体は、露光により[B]酸発生体から生じる酸のレジスト膜中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する効果を奏する。また、感放射線性組成物の貯蔵安定性がさらに向上すると共に、レジストとしての解像度がより向上する。さらに、露光から現像処理までの引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に優れた感放射線性組成物が得られる。[D]酸拡散制御体の当該感放射線性樹脂組成物における含有形態としては、低分子化合物(以下、適宜「[D]酸拡散制御剤」という)の形態でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[D]酸拡散制御剤としては、例えば下記式(5)で表される化合物(以下、「含窒素化合物(I)」ともいう)、同一分子内に窒素原子を2個有する化合物(以下、「含窒素化合物(II)」ともいう)、窒素原子を3個有する化合物(以下、「含窒素化合物(III)」ともいう)、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等が挙げられる。
Figure 2017054047
上記式(5)中、R19、R20及びR21は、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基である。
含窒素化合物(I)としては、例えばn−ヘキシルアミン等のモノアルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類;トリエチルアミン、トリn−ペンチルアミン等のトリアルキルアミン類;アニリン等の芳香族アミン類等が挙げられる。
含窒素化合物(II)としては、例えばエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられる。
含窒素化合物(III)としては、例えばポリエチレンイミン、ポリアリルアミン等のポリアミン化合物;ジメチルアミノエチルアクリルアミド等の重合体等が挙げられる。
アミド基含有化合物としては、例えばホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
ウレア化合物としては、例えば尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリブチルチオウレア等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、例えばピリジン、2−メチルピリジン等のピリジン類;N−プロピルモルホリン、N−(ウンデカン−1−イルカルボニルオキシエチル)モルホリン等のモルホリン類;ピラジン、ピラゾール等が挙げられる。
また、上記含窒素化合物として、酸解離性基を有する化合物を用いることもできる。このような酸解離性基を有する含窒素化合物としては、例えばN−t−ブトキシカルボニルピペリジン、N−t−ブトキシカルボニルイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール、N−(t−ブトキシカルボニル)ジ−n−オクチルアミン、N−(t−ブトキシカルボニル)ジエタノールアミン、N−(t−ブトキシカルボニル)ジシクロヘキシルアミン、N−(t−ブトキシカルボニル)ジフェニルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−アミルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン等が挙げられる。
また、[D]酸拡散制御剤として、露光により感光する光崩壊性塩基を用いることもできる。光崩壊性塩基は、未露光部ではその塩基性により酸拡散制御性を発揮するが、露光部では、露光により分解して発生した酸により塩基性が低減するため、酸拡散制御性を失う。光崩壊性塩基としては、例えばオニウム塩化合物等が挙げられる。オニウム塩化合物としては、例えば下記式(6−1)で表されるスルホニウム塩化合物、下記式(6−2)で表されるヨードニウム塩化合物等が挙げられる。
Figure 2017054047
上記式(6−1)及び式(6−2)中、R22〜R26は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基又はハロゲン原子である。E及びQは、それぞれ独立して、OH、Rβ−COO、Rβ−SO 又は下記式(6−3)で表されるアニオンである。Rβは、アルキル基、アリール基又はアラルキル基である。
Figure 2017054047
上記式(6−3)中、R27は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のフッ素化アルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基である。uは、0〜2の整数である。uが2の場合、2つのR27は同一でも異なっていてもよい。
光崩壊性塩基としては、例えば下記式で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2017054047
上記光崩壊性塩基としては、これらの中で、スルホニウム塩が好ましく、トリアリールスルホニウム塩がより好ましく、トリフェニルスルホニウムサリチレート及びトリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネートがさらに好ましい。
当該感放射線性樹脂組成物が[D]酸拡散制御剤を含有する場合、[D]酸拡散制御剤の含有量の下限としては、[A]成分100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、20質量部が好ましく、10質量部がより好ましく、5質量部がさらに好ましく、3質量部が特に好ましい。[D]酸拡散制御剤の含有量を上記範囲とすることで、感放射線性樹脂組成物の解像性、ナノエッジラフネス性能等をより向上させることができる。
<[E]溶媒>
当該感放射線性樹脂組成物は、通常[E]溶媒を含有する。[E]溶媒は、少なくとも[A]成分、[B]成分、[C]化合物及び所望により含有される[D]酸拡散制御体等を溶解又は分散可能な溶媒であれば特に限定されない。
[E]溶媒としては、例えばアルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒等が挙げられる。
アルコール系溶媒としては、例えば
メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、iso−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等のモノアルコール系溶媒;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等の多価アルコール系溶媒;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等の多価アルコール部分エーテル系溶媒等が挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えば
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のジアルキルエーテル系溶媒;
テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル系溶媒;
ジフェニルエーテル、アニソール等の芳香環含有エーテル系溶媒等が挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えば
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、2−ヘプタノン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン等の鎖状ケトン系溶媒;
シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン系溶媒;
2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン等が挙げられる。
アミド系溶媒としては、例えば
N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドン等の環状アミド系溶媒;
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド等の鎖状アミド系溶媒等が挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えば
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸i−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル等の酢酸エステル系溶媒;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の多価アルコール部分エーテルアセテート系溶媒;
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート系溶媒;
γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン系溶媒;
ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸iso−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチルなどが挙げられる。
炭化水素系溶媒としては、例えば
n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、iso−ヘキサン、n−ヘプタン、iso−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、iso−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、iso−プロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、iso−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−iso−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。
これらの中で、エステル系溶媒が好ましく、多価アルコール部分エーテルアセテート系溶媒及びラクトン系溶媒がより好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びγ−ブチロラクトンがさらに好ましい。[E]溶媒は、1種又は2種以上を用いることができる。
<その他の任意成分>
当該感放射線性樹脂組成物は、上記[A]〜[E]成分以外にも、その他の任意成分として、例えばフッ素原子含有重合体、界面活性剤等を含有していてもよい。当該感放射線性樹脂組成物は、その他の任意成分をそれぞれ1種又は2種以上含有していてもよい。
[フッ素原子含有重合体]
フッ素原子含有重合体は[A]成分よりもフッ素原子含有率が大きい重合体である。当該感放射線性樹脂組成物がフッ素原子含有重合体を含有すると、レジスト膜を形成した際に、レジスト膜中のフッ素原子含有重合体の撥油性的特徴により、その分布がレジスト膜表面近傍に偏在化する傾向があり、液浸露光等の際における酸発生体、酸拡散制御体等が液浸媒体に溶出することを抑制することができる。また、このフッ素原子含有重合体の撥水性的特徴により、レジスト膜と液浸媒体との前進接触角を所望の範囲に制御でき、バブル欠陥の発生を抑制することができる。さらに、レジスト膜と液浸媒体との後退接触角が高くなり、水滴が残らずに高速でのスキャン露光が可能となる。このように、当該感放射線性樹脂組成物は、フッ素原子含有重合体をさらに含有することで、液浸露光法に好適なレジスト膜を形成することができる。
フッ素原子含有重合体の含有量の下限としては、[A]成分100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、20質量部が好ましく、15質量部がより好ましく、10質量部がさらに好ましい。
[界面活性剤]
界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する効果を奏する。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤;市販品としては、KP341(信越化学工業社)、ポリフローNo.75、同No.95(以上、共栄社化学社)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(以上、トーケムプロダクツ社)、メガファックF171、同F173(以上、DIC社)、フロラードFC430、同FC431(以上、住友スリーエム社)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子工業社)等が挙げられる。上記界面活性剤の含有量の上限としては、[A]重合体100質量部に対して、2質量部が好ましい。
当該感放射線性樹脂組成物は、特に極端紫外線(EUV、真空紫外線)露光用及び電子線露光用に好ましく用いることができる。従来の感放射線性樹脂組成物は、EUV及び電子線に対する感度及びナノエッジラフネス性能が不十分であるので、本発明を用いる利益が特に大きい。
<感放射線性樹脂組成物の調製方法>
当該感放射線性樹脂組成物は、例えば[A]成分、[B]成分、[C]化合物、[E]溶媒及び必要に応じて他の任意成分を所定の割合で混合し、好ましくは、得られた混合物を孔径0.2μm程度のメンブランフィルターでろ過することにより調製することができる。当該感放射線性樹脂組成物の固形分濃度の下限としては、0.1質量%が好ましく、0.5質量%がより好ましく、1質量%がさらに好ましく、1.5質量%が特に好ましい。上記固形分濃度の上限としては、50質量%が好ましく、30質量%がより好ましく、10質量%がさらに好ましく、5質量%が特に好ましい。
当該感放射線性樹脂組成物は、アルカリ現像液を用いるポジ型パターン形成用にも、有機溶媒を含有する現像液を用いるネガ型パターン形成用にも用いることができる。
<レジストパターン形成方法>
当該レジストパターン形成方法は、上述の当該感放射線性樹脂組成物を用いて、基板にレジスト膜を形成する工程(以下、「レジスト膜形成工程」ともいう)と、[B]成分が吸収する第1波長(以下、「波長(I)」ともいう)の放射線を含む第1露光光(以下、「露光光(I)」ともいう)で上記レジスト膜をパターン露光する第1露光工程(以下、「露光工程(1)」ともいう)と、波長(I)よりも長い第2波長(以下、「波長(II)」ともいう)の放射線を含む第2露光光(以下、「露光光(II)」ともいう)で、露光光(I)で露光されたレジスト膜を露光する第2露光工程(以下、「露光工程(2)」ともいう)と、露光光(II)で露光されたレジスト膜を現像する工程とを備える。
当該レジストパターン形成方法において、露光工程(2)で、露光工程(1)で露光光(I)が照射されない領域においては[B]成分から酸が実質的に発生しないことが好ましい。また、当該レジストパターン形成方法においては、後述するように、通常、露光工程(1)において、[B]から発生した酸の作用により、[C]化合物から増感体が生じ、また、露光工程(2)で、露光工程(1)で露光された露光部において、上記増感体の作用により[B]成分から酸が発生する。
当該レジストパターン形成方法によれば、上述の当該感放射線性樹脂組成物を用いるので、高い感度を発揮しつつ、ナノエッジラフネスが小さいレジストパターンを形成することができる。以下、各工程について説明する。
[レジスト膜形成工程]
まず、図1(a)に示すように、レジスト膜形成工程(S101)において、基板11の一方の面側にレジスト膜12を形成する。具体的には、基板11(例えばウェハー)を用意し、基板11上に感放射線性樹脂組成物を塗布してプリベークを行うことでレジスト膜12を形成する。
感放射線性樹脂組成物の塗布方法としては、例えばスピンコート法、ロールコート法、ディップ法等が挙げられる。プレベークの温度の下限としては、50℃が好ましく、80℃がより好ましい。プレベークの温度の上限としては、150℃が好ましく、120℃がより好ましい。プレベークの時間の下限としては、10秒が好ましく、30秒がより好ましい。プレベークの時間の上限としては、600秒が好ましく、300秒がより好ましい。レジスト膜の平均厚みの下限としては、10nmが好ましく、20nmがより好ましい。上記平均厚みの上限としては、300nmが好ましく、150nmがより好ましい。
図2に示すように、現像液がアルカリ現像液である場合、レジスト膜へ照射したエネルギー量が閾値Ea(以下、「潜像形成エネルギー」ともいう)を超えると、レジスト膜12には潜像が形成され、潜像が形成された部分は、現像液において溶解し始める。エネルギー量が更に増加して閾値Et(以下、「必要エネルギー量」ともいう)を超えると、潜像が形成した部分は現像液において完全に溶解し除去される。
当該レジストパターン形成方法においては、このレジスト膜形成工程の前に、上記基板の上記レジスト膜を形成する面側に有機下層膜を形成する工程をさらに備えていてもよい。有機下層膜としては、例えばレジスト下層膜用組成物を用いて形成する有機膜、従来公知のCVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成される炭素膜等が挙げられる。
また、上記有機下層膜形成工程と上記レジスト膜形成工程との間に、上記有機下層膜の上記レジスト膜を形成する面側にシリコン含有膜を形成する工程をさらに備えていてもよい。シリコン含有膜は、例えばポリシロキサン及び溶媒を含有するポリシロキサン組成物を用いて形成される。ポリシロキサンとしては、シロキサン結合を有するポリマーである限り特に限定されないが、加水分解性基を有するシラン化合物を含む化合物の加水分解縮合物が好ましい。
レジスト膜形成工程の後に、上記レジスト膜の上記基板とは反対の面側に保護膜を形成する工程を備えていてもよい。保護膜の形成により、液浸露光を行う場合の液浸液がレジスト膜と直接接触することを防ぎ、レジスト膜内部への液浸液の浸透及びレジスト膜成分の液浸液への溶出によるレジスト性能の劣化を抑制し、また、液浸液への溶出成分による露光装置のレンズ汚染を防止することができる。また、EUV、電子線等の放射線を用いる露光の際に、レジスト膜からのアウトガスの蒸散を低減することができるので、露光装置の汚染を防止することができる。保護膜は、例えばフッ素原子及び/又はケイ素原子を有する重合体と溶媒とを含有する組成物を用いて形成することができる。
<露光工程(1)>
次に、図1(b)に示すように、露光工程(1)(S103)において、露光光(I)の照射によってレジスト膜12を露光する。この露光光(I)は、[B]成分が吸収して酸を発生することができる波長(I)の放射線を含む。露光光(I)の照射により、レジスト膜12内の[B]成分から酸が発生し、この酸の作用により[C]化合物から上記式(1’)で表される化合物である増感体が生成する。レジスト膜12には、[B]成分からの酸の発生及び[C]化合物からの増感体の生成の両方が起こる。[B]成分から発生した酸の作用により、[A]成分において極性変換、架橋、分解反応等が起こり、その結果、[A]成分の現像液への溶解性が変化する。現像によりレジストパターンを形成するには、[B]成分からの一定量の酸の発生が必要である。露光光(I)は、後述する露光光(II)における波長(II)の放射線を実質的に含まないことが好ましい。露光光(I)が波長(II)の放射線を実質的に含まないことで、レジストパターンのナノエッジラフネス性能をより向上させることができる。
露光工程(1)は、例えば真空又は不活性雰囲気で行われる。露光光(I)は、レジスト膜12を上方から照射するように、露光光源21から出射される。ここでは、露光光(I)はレジスト膜12内の一面に照射される。図1に示すように、露光光(I)は例えばレジスト膜12内の全面に照射される。しかし、露光光(I)はレジスト膜12内の全体に対して、パターン状等、一部の領域のみに照射されてもよい。なお、露光光(I)は、例えば可視光、UV(紫外線)、DUV(深紫外線)、EUV、X線のような電磁波である。また、露光光(I)は電子線やイオンビームであってもよい。露光光(I)としては、これらの中で、EUV及び電子線が好ましい。
図2に示すように、露光工程(1)(S103)において、露光光(I)の照射量Efは、潜像形成エネルギー量Eaを超えない照射量である。即ち、露光工程(1)(S103)では、[B]成分から現像時にレジストパターンを形成するのに必要な量よりも少ない酸を生成する。このため、露光工程(1)(S103)を実行した段階では、現像液においてレジスト膜12は溶解せず、レジストパターンは形成されない。
<保持工程>
露光工程(1)の後、図1(c)に示すように、保持工程(S105)において、レジスト層12の状態を保持する工程を備えていてもよい。具体的には、後述する露光工程(2)(S107)が実行されるまでに、プリベークを行うことなく、環境を制御し、露光工程(1)(S103)において露光光(I)を照射したレジスト膜12内の[B]成分から発生した酸の量及び[C]化合物から生成した増感体の量の減少を抑制する。
例えば、レジスト膜12周辺の環境は、露光工程(1)において生成した酸及び増感体の量の減少を制御できる雰囲気である。酸及び増感体の量の減少を制御できる雰囲気は、塩基性物質を含まない不活性ガス雰囲気又は真空雰囲気であってもよい。また、塩基性物質及び/又は酸素を遮断する保護膜が設けられてもよい。不活性ガス雰囲気の場合には、不活性ガスとして、例えば窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等が用いられ、減圧、加圧下で用いることが可能である。真空雰囲気の場合には、レジスト膜12の周辺が真空下であれば良く、好ましくは、レジスト膜12の周辺を1Pa以下の真空にする。不活性ガス雰囲気又は真空雰囲気の環境中では、レジスト膜12に生成された増感体の量の減少が抑制される。
また、レジスト膜12周辺の環境は、レジスト膜12中の酸及び/又は増感体の量を増大できる雰囲気又は液体であってもよい。酸及び/又は増感体の量を増大できる雰囲気として活性ガス雰囲気を使用する。活性ガス雰囲気として、例えば吸収波長シフト用の反応性ガスを使用する。酸及び増感体の量を増大できる活性液体として、例えば吸収波長シフト用の反応性液体を使用する。レジスト膜12に生成された増感体は、活性ガス又は活性液体と反応し、後述する露光工程(2)(S107)において活性物質α又は安定物質α1に変換される。活性物質α又は安定物質α1は[C]化合物から生成した増感体と同様に増感体として機能し得る。活性物質αは、例えば芳香族化合物ラジカル、ヨウ素化合物ラジカルであり、安定物質α1は例えば芳香族化合物、ヨウ素化合物である。なお、活性液体を使用した場合には、露光工程(2)(S107)が実行される前にレジスト膜12から活性液体を除去してもよく、活性液体を除去せずに露光工程(2)(S107)を実行してもよい。
また、環境の制御の手法として、レジスト膜12の温度を制御する手法を用いてもよい。レジスト膜12の温度がある閾値温度を超えると酸及び/又は増感体の量が減少するため、レジスト層12の温度を閾値温度以下に保持することにより、レジスト膜12の酸及び/又は増感体の量の減少を抑制することができる。例えば、露光工程(1)(S103)の後に、保持工程(S105)において急冷処理を行うことによってレジスト膜12の温度を閾値温度以下に下げる。閾値温度は例えば30℃である。また、露光工程(1)(S103)を所定の温度以下で行い、保持工程(S105)においてレジスト膜12の温度を閾値温度以下のままに保持してもよい。
また、露光工程(2)(S107)が実行されるまでの間に、レジスト膜12が予期しない放射線に照射されると、酸及び/又は増感体の量が減少してしまうことがある。このため、保持工程(S105)において、レジスト膜12を放射線に照射されない環境に位置させる。
また、酸及び/又は増感体の量は時間が経過するにつれて減少するため、露光工程(1)(S103)と後述する露光工程(2)(S107)との間の経過時間を制御することで、レジスト膜12の酸及び/又は増感体の量の減少を抑制することもできる。露光工程(1)から後述する露光工程(2)までの時間は、60分以内であることが好ましい。なお、温度、照度又は時間の制御は、レジスト膜12周辺の環境の制御と同時に行われてもよい。
<露光工程(2)>
露光工程(1)(S103)又は保持工程(S105)の後に、図1(d)に示すように、露光工程(2)(S107)を実行する。露光工程(2)では、波長(I)よりも長い波長(II)の放射線を含む露光光(II)の照射によって、露光光(I)で露光されたレジスト膜12にパターン潜像を形成する。露光光(II)は、[C]化合物から生成した増感体、活性物質α及び/又は安定物質α1に作用し、[B]成分から酸を発生させることができる波長(II)を含む放射線である。露光光(II)によって照射されたレジスト膜12の部位では、[C]化合物から生成した増感体及び活性物質α/安定物質α1の作用により、[C]化合物からの増感体の生成、及び[B]成分からの酸(又はこの酸とは構造が異なる酸)の発生が起こる。また、露光光(II)は、増感体及び活性物質α/安定物質α1の作用により[B]成分から酸を発生させると共に、レジスト膜12において、[B]成分から酸を発生させる放射線であってもよい。この場合、露光光(II)によって照射されたレジスト膜12の部位では、[B]成分から酸(又はこの酸とは構造が異なる酸)が生成すると共に、増感体及び活性物質α/安定物質α1の作用により[C]化合物から増感体が生成し、また、[B]成分から酸(又はこの酸とは構造が異なる酸)が発生する。図2に示すように、露光工程(2)(S107)において、露光光(II)の照射量Epは、潜像形成エネルギー量Eaを超えない照射量であり、且つ、露光光(II)の照射量Epと露光光(I)の照射量Efの総和は、必要エネルギー量Etを超える。言い換えると、露光工程(2)(S107)において、増感体及び活性物質α/安定物質α1の作用により[B]成分から発生した酸の量は、露光工程(1)(S103)において[B]成分から酸を生成しない場合を除き、現像時にレジストパターンを形成するのに必要な量よりも少ないが、露光工程(1)(S103)において[B]成分から生成された酸の量と露光工程(2)(S107)において[B]成分から得られた酸の量との総和は、現像時にレジストパターンを形成するのに必要な量を超える。
露光光(II)は、レジスト膜12を上方から照射するように、露光光源(2)22から出射される。露光光源(2)22は、露光光(I)を出射する露光光源(1)21と同一であってもよく、露光光源(1)21と異なってもよい。ここでは、露光光(I)を照射したレジスト膜12の領域内に対して、露光光(II)をパターン状に照射する。なお、露光光(II)は、形成するパターンの解像度に応じて選択でき、例えばUV、DUV、EUV、X線のような電磁波であってよく、電子線やイオンビームであってもよい。露光工程(2)は、例えば真空雰囲気、活性ガス雰囲気又は不活性雰囲気で行われる。このように、レジスト膜12には、露光光(I)のみによって照射された露光部位(A)121と、露光光(I)及び露光光(II)の両方によって照射された露光部位(B)122を有する(図1参照)。
<現像工程>
露光工程(2)の後に、図1(e)に示すように、現像工程(S110)を実行する。現像工程において、レジスト膜12を現像する。レジスト膜12の現像は、例えば、ポストエクスポージャーベークを行った後、基板11を現像液槽に入れること等によって実行される。本実施形態において、レジスト膜12の露光部位(A)121が受けた照射量Efは、潜像形成エネルギー量Eaを超えていない。露光部位(A)121で[B]成分から生成された酸の量がレジストパターンの形成に必要な量より少ないため、現像液において露光部位(A)121は溶解しない。一方、レジスト膜12の露光部位(B)122が受けたエネルギー量Es(即ち、Ef+Ep)は、必要エネルギー量Etを超えている。露光部位(A)121では、露光工程(1)において[B]成分から生成された酸の量と、増感体等の作用により生成した酸の量との総和がレジストパターンの形成に必要な量を超えているため、現像液に露光部位(B)122は溶解する。このように、基板11上には、所定のレジストパターンが形成される。
現像工程で用いる現像液としては、アルカリ現像液でも、有機溶媒現像液でもよい。アルカリ現像液を用いることにより、ポジ型のレジストパターンが得られる。有機溶媒現像液を用いることにより、ネガ型のレジストパターンが得られる。
アルカリ現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ水溶液等が挙げられる。これらの中で、TMAH水溶液が好ましく、2.38質量%TMAH水溶液がより好ましい。
有機溶媒現像液としては、例えば炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒等の有機溶媒、又は有機溶媒を含有する液が挙げられる。有機溶媒としては、例えば上述の感放射線性樹脂組成物の[E]溶媒として例示した溶媒の1種又は2種以上等が挙げられる。これらの中でも、エステル系溶媒及びケトン系溶媒が好ましい。エステル系溶媒としては、酢酸エステル系溶媒が好ましく、酢酸n−ブチルがより好ましい。ケトン系溶媒としては、鎖状ケトンが好ましく、2−ヘプタノンがより好ましい。有機溶媒現像液中の有機溶媒の含有量の下限としては、80質量%が好ましく、90質量%がより好ましく、95質量%がさらに好ましく、99質量%が特に好ましい。有機溶媒現像液中の有機溶媒以外の成分としては、例えば水、シリコンオイル等が挙げられる。
これらの現像液は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、現像後は、水等で洗浄し、乾燥することが一般的である。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。各物性の測定は、下記方法により行った。
[重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)]
重合体のMw及びMnは、東ソー社のGPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本及びG4000HXL 1本)を用い、流量1.0mL/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、試料濃度1.0質量%、試料注入量100μL、カラム温度40℃の分析条件で、検出器として示差屈折計を使用し、単分散ポリスチレンを標準とするGPCにより測定した。
13C−NMR分析]
重合体の構造単位の含有割合を求めるための13C−NMR分析は、核磁気共鳴装置(日本電子社の「JNM−ECX400」)を使用し、測定溶媒としてCDClを用い、テトラメチルシラン(TMS)を内部標準として行った。
<[A]成分の合成>
[A]成分の重合体の合成に用いた単量体を下記に示す。
Figure 2017054047
[合成例1]
上記化合物(M−1)55g(50モル%)、上記化合物(M−2)45g(50モル%)及びAIBN3g(化合物の合計に対して3.6モル%)を、メチルエチルケトン300gに溶解した後、窒素雰囲気下、反応温度を78℃に保持して、6時間重合させた。重合反応終了後、重合反応液を2,000gのメタノール中に滴下して、重合体を凝固させた。次いで、この重合体を300gのメタノールで2回洗浄し、得られた白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥し、重合体(A−1)を得た。重合体(A−1)は、Mwが7,000、Mw/Mnが2.10であった。また、13C−NMR分析の結果、(M−1)及び(M−2)に由来する構造単位の含有割合は、それぞれ52モル%及び48モル%であった。
[合成例2]
上記化合物(M−3)55g(42モル%)、上記化合物(M−1)45g(58モル%)、AIBN3g及びt−ドデシルメルカプタン1gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル150gに溶解した後、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、16時間重合させた。重合反応終了後、重合反応液を1,000gのn−ヘキサン中に滴下して、重合体を凝固精製した。次いで、この重合体に、プロピレングリコールモノメチルエーテル150gを加えた後、さらに、メタノール150g、トリエチルアミン37g及び水7gを加えて、沸点にて還流させながら、8時間加水分解反応を行って、(M−3)に由来する構造単位の脱アセチル化を行った。反応後、溶媒及びトリエチルアミンを減圧留去し、得られた重合体をアセトン150gに溶解した後、2,000gの水中に滴下して凝固させ、生成した白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥し、重合体(A−2)を得た。重合体(A−2)は、Mwが6,000、Mw/Mnが1.90であった。また、13C−NMR分析の結果、(M−1)及びヒドロキシスチレンに由来する構造単位の含有割合は、それぞれ50モル%及び50モル%であった。
[合成例3及び4]
下記表1に示す種類及び量の単量体を用いた以外は合成例2と同様に操作して重合体(A−3)及び(A−4)を合成した。得られた各重合体のMw、Mw/Mn及び各構造単位含有割合について表1に合わせて示す。
Figure 2017054047
[[C]化合物の合成]
[合成例5]
300mLの3口フラスコに、塩化メチレン100mL、フェノチアジン(下記式(PTZ)で表される化合物)10.0g(50.1mmol)及びジメチルアミノピリジン6.13g(50.2mmol)を仕込み、滴下ロートより二炭酸ジtert−ブチル10.9g(50mmol)と塩化メチレン20mLとの混合溶液を窒素気流下かつ氷冷下で、30分かけて滴下し、滴下終了後、室温で2時間撹拌した。次に、生成した塩を反応溶液と濾別した後、得られた有機層を超純水にて3回洗浄を行って、塩とジメチルアミノピリジン等の水可溶部を除去し、有機層を回収後、減圧濃縮した。得られた濃縮物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて酢酸エチル/ヘキサン(1/1(質量比))を用いて精製し、下記式(PT−PTZ)で表される化合物を収率60%で得た。
Figure 2017054047
[合成例6及び7]
原料化合物をフェノチアジンから変えた以外は合成例5と同様に操作して、下記式(PT−MeOPTZ)で表される化合物及び下記式(PT−CFPTZ)で表される化合物をそれぞれ合成した。
Figure 2017054047
上記合成した化合物(PT−PTZ)、化合物(PT−MeOPTZ)及び化合物(PT−CFPTZ)のH−NMRスペクトル及びGC−Mass分析の測定結果について以下に示す。
化合物(PT−PTZ):H−NMR(CDCl、δ:ppm);7.70−7.00(8H、Ar)、1.38(9H、tert−Bu)、GC−Mass;m/z=299.10
化合物(PT−MeOPTZ):H−NMR(CDCl、δ:ppm);7.70−6.90(7H、Ar)、3.83(3H、−OMe)、1.38(9H、tert−Bu)、GC−Mass;m/z=329.10
化合物(PT−CFPTZ):H−NMR(CDCl、δ:ppm);7.70−7.00(7H、Ar)、1.38(9H、tert−Bu)、GC−Mass;m/z=367.10
[合成例8]
300mLの3口フラスコに、塩化メチレン100mL、フェノチアジン10.0g(50.1mmol)及びジメチルアミノピリジン6.13g(50.2mmol)を仕込み、滴下ロートよりクロロギ酸ベンジル7.17mL(50mmol)と塩化メチレン20mLとの混合溶液を窒素気流下かつ氷冷下で、30分かけて滴下し、滴下終了後、室温で2時間撹拌した。次に、塩と反応溶液とを濾別し、反応溶液を超純水にて3回洗浄を行って、塩とジメチルアミノピリジン等の水可溶部を除去し、有機層を回収後、減圧濃縮した。得られた濃縮物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて酢酸エチル/ヘキサン(1/1(体積比))を用いて精製し、下記式(PZ−PTZ)で表される化合物を収率70%で得た。
Figure 2017054047
[合成例9及び10]
原料化合物をフェノチアジンから変えた以外は合成例8と同様に操作して、下記式(PZ−MeOPTZ)で表される化合物及び下記式(PZ−CFPTZ)で表される化合物をそれぞれ合成した。
Figure 2017054047
上記合成した化合物(PZ−PTZ)、化合物(PZ−MeOPTZ)及び化合物(PZ−CFPTZ)のH−NMRスペクトル及びGC−Mass分析の測定結果について以下に示す。
化合物(PZ−PTZ):H−NMR(CDCl、δ:ppm);7.70−7.00(13H、Ar)、5.08(2H、−CH−)、GC−Mass;m/z=333.10
化合物(PZ−MeOPTZ):H−NMR(CDCl、δ:ppm);7.70−6.90(13H、Ar)、5.09(2H、−CH−)、3.83(3H、−OMe)、GC−Mass;m/z=363.10
化合物(PZ−CFPTZ):H−NMR(CDCl、δ:ppm);7.70−7.00(7H、Ar)、5.09(2H、−CH−)、GC−Mass;m/z=367.10
<感放射線性樹脂組成物の調製>
感放射線性樹脂組成物の調製に用いた[A]成分以外の各成分を以下に示す。
[[B]成分]
B−1:トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート(下記式(B−1)で表される化合物)
B−2:ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート(下記式(B−2)で表される化合物)
Figure 2017054047
[[C]化合物]
上記合成した化合物(PT−PTZ)、化合物(PT−MeOPTZ)、化合物(PT−CFPTZ)、化合物(PZ−PTZ)、化合物(PZ−MeOPTZ)及び化合物(PZ−CFPTZ)
[[C’]化合物]
フェノチアジン(下記式(PTZ)で表される化合物)及びジ(4−メトキシフェニル)ケトン(下記式(MeOBzP)で表される化合物)
Figure 2017054047
[[D]酸拡散制御剤]
D−1:N−t−アミルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン(下記式(D−1)で表される化合物)
Figure 2017054047
[[E]溶媒]
E−1:酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル
E−2:γ−ブチロラクトン
[実施例1]
[A]成分としての(A−1)100質量部、[B]成分としての(B−1)20質量部、[C]化合物としてのPT−PTZ 5質量部、[D]酸拡散制御剤としての(D−1)2質量部並びに[E]溶媒としての(E−1)4,300質量部及び(E−2)1,900質量部を混合し、得られた混合液を孔径0.20μmのメンブランフィルターでろ過し、感放射線性樹脂組成物(S−1)を調製した。感放射線性樹脂組成物(S−1)の固形分濃度は2.0質量%であった。
[実施例2〜14及び比較例1〜3]
下記表2に示す種類及び含有量の各成分を用いた以外は実施例1と同様に操作して各感放射線性樹脂組成物を調製した。各感放射線性樹脂組成物の固形分濃度(質量%)を表2に合わせて示す。
Figure 2017054047
<レジストパターンの形成>
[実施例1]
東京エレクトロン社の「クリーントラックACT−8」内で、シリコンウエハ上に上記調製した感放射線性樹脂組成物(S−1)をスピンコートした後、110℃、60秒の条件でPBを行い、平均厚み50nmのレジスト膜を形成した。続いて、簡易型の電子線描画装置(日立製作所社の「HL800D」、出力;50KeV、電流密度;5.0アンペア/cm)を用いて電子線を照射し、パターニングを行った。電子線の照射後、以下(a)又は(b)の操作を行った。
(a)上記電子線の照射後、すぐに上記クリーントラックACT−8内で、100℃、60秒の条件でPEBを行った後、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用い、23℃で1分間、パドル法により現像し、純水で水洗し、乾燥して、ポジ型レジストパターンを形成した。
(b)上記電子線の照射後、東芝社のブラックライト(波長320nm)を用い、1mW/hの照射量となるように大気中で10分間全面露光した。この後、すぐに上記クリーントラックACT−8内で、100℃、60秒の条件でPEBを行った後、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用い、23℃で1分間、パドル法により現像し、純水で水洗し、乾燥して、ポジ型レジストパターンを形成した
[実施例2〜13及び比較例1〜3]
下記表3に示す感放射線性樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様に操作し、各レジストパターンを形成した。
<評価>
当該感放射線性樹脂組成物の感度及びナノエッジラフネス性能について、上記形成されたポジ型レジストパターンを下記方法に従い測定を行うことにより評価した。評価結果を表3に合わせて示す。
[感度]
線幅150nmのライン部と隣り合うライン部とによって形成される間隔が150nmのスペース部とからなるライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とし、この最適露光量を感度(μC/cm)とした。感度が35μC/cm以下である場合は「A(良好)」と、35μC/cmを超える場合は「B(不良)」と評価した。
[ナノエッジラフネス(LER)性能]
上記ライン・アンド・スペースパターン(1L1S)のラインパターンを、高分解能FEB測長装置(日立製作所社の「S−9220」)を用いて観察した。基板内の任意の20点を観察し、観察された形状について、図3及び図4に示すように、シリコンウエハ1上に形成したレジスト膜のライン部2の横側面2aに沿って生じた凹凸の最も著しい箇所における線幅と、設計線幅150nmとの差「ΔCD」を測定し、このΔCDの平均値をナノエッジラフネス性能(nm)とした。ナノエッジラフネス性能が15.0nm以下である場合は「AA(極めて良好)」と、15.0nmを超え16.5nm以下である場合は「A(良好)」と、16.5nmを超える場合は「B(不良)」と評価した。なお、図3及び図4で示す凹凸は、実際より誇張して記載している。
Figure 2017054047
表3の結果から分かるように、実施例の感放射線性樹脂組成物は、比較例の感放射線性樹脂組成物に比べて、感度及びナノエッジラフネス性能に共に優れる。実施例の感放射線性樹脂組成物によれば、PEB後にブラックライト照射をしないプロセス(a)によってもナノエッジラフネスの小さいレジストパターンを形成することができるが、PEB後にブラックライト照射を行うプロセス(b)を行うことにより、感度を優れたものにすることができ、かつナノエッジラフネス性能をさらに向上させることができる。なお、一般的に、電子線露光によれば、EUV露光の場合と同様の傾向を示すことが知られており、従って、実施例の感放射線性樹脂組成物によれば、EUV露光の場合においても、感度及びナノエッジラフネス性能に優れると推測される。
本発明の感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法によれば、高い感度を発揮させることができ、かつナノエッジラフネスが小さいレジストパターンを形成することができる。従って、これらは今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイス製造用に好適に用いることができる。
1 基材
2 レジストパターン
2a レジストパターンの横側面
11 基板
12 レジスト膜
21 露光光源(1)
22 露光光源(2)
121 露光部位(A)
122 露光部位(B)

Claims (11)

  1. 酸の作用により現像液への溶解性が変化する第1成分、
    放射線の作用により酸を発生する第2成分、及び
    下記式(1)で表される化合物
    を含有する感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2017054047
    (式(1)中、Arは、炭素数6〜20の(m+1)価の芳香族炭化水素基である。mは、0〜11の整数である。Arは、炭素数6〜20の(n+1)価の芳香族炭化水素基である。nは、0〜11の整数である。R及びRは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、スルファニル基、アミノ基又は炭素数1〜20の1価の有機基である。mが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のRのうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する炭素鎖と共に環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のRのうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する炭素鎖と共に環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。mが1以上かつnが10以下の場合、1のRとArの芳香族炭化水素基の芳香環を構成する炭素原子とが互いに合わせられ、Rが有する−O−、−S−、−NR’−又は炭素数1〜20の有機基を介して環を形成していてもよい。R’は、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。Rは、酸の作用により解離する基である。)
  2. 上記第1成分が酸解離性基を有する重合体である請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
  3. 上記第2成分が感放射線性酸発生剤である請求項1又は請求項2に記載の感放射線性樹脂組成物。
  4. 上記第2成分が酸を発生する基を有する重合体である請求項1又は請求項2に記載の感放射線性樹脂組成物。
  5. 上記化合物が、下記式(1−1)で表される請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2017054047
    (式(1−1)中、R、R、R、m及びnは、上記式(1)と同義である。Xは、O、S又はNR’である。R’は、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。Rが複数の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。Rが複数の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。a及びbは、それぞれ独立して、0〜3の整数である。)
  6. 上記化合物がフェノチアジン骨格を有する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  7. 上記式(1)におけるRが下記式(2)で表される請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2017054047
    (式(2)中、Rは、炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1〜20の1価の炭化水素基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造を表す。*は、上記式(1)中の窒素原子に結合する部位を示す。)
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物を用いて、基板にレジスト膜を形成する工程と、
    第2成分が吸収する第1波長の放射線を含む第1露光光で上記レジスト膜をパターン露光する第1露光工程と、
    上記第1波長よりも長い第2波長の放射線を含む第2露光光で、上記第1露光光でパターン露光されたレジスト膜を露光する第2露光工程と、
    上記第2露光光で露光されたレジスト膜を現像する工程と
    を備えるレジストパターン形成方法。
  9. 上記第2露光工程で、上記第1露光工程で第1露光光が照射されない領域においては上記第2成分から酸が実質的に発生しない請求項8に記載のレジストパターン形成方法。
  10. 上記第1露光工程において、上記第2成分から発生した酸の作用により、上記式(1)で表される化合物から増感体が生じることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のレジストパターン形成方法。
  11. 上記第2露光工程で、上記第1露光光で露光された露光部において、上記増感体の作用により上記第2成分から酸が発生することを特徴とする請求項10に記載のレジストパターン形成方法。
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