JP2017053919A - 液晶セルの製造方法及び調光フィルムの製造方法 - Google Patents

液晶セルの製造方法及び調光フィルムの製造方法 Download PDF

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啓介 三浦
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【課題】調光フィルムの液晶層に気泡が残存しないようにして、短時間で液晶材料を注入する方法を提供する。【解決手段】透明フィルム基材6に透明電極11、配向層13を作製して第1の積層体5Dを作製する工程と、透明フィルム基材15に少なくとも配向層17を作製して第2の積層体5Uを作製する工程と、第1及び第2の積層体5D及び5Uを積層して一体化し、液晶材料を注入する部位が空隙8である液晶セルに係る積層体4を作製する工程と、積層体4に形成された注入口から空隙8に液晶材料8Aを注入する工程と、注入口を封止剤により封止する封止工程とを備える。液晶注入工程は、排気した環境で、容器に保持した液晶材料8Aに注入口を浸漬した後、注入口より逆側端が低くなるように、積層体4を保持した状態で、大気圧以上により与圧し、容器に保持した液晶材料8Aを空隙8に注入する。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば窓に貼り付けて外来光の透過を制御する電子ブラインド等に利用可能な調光フィルムに関する。
従来、例えば窓に貼り付けて外来光の透過を制御する調光フィルムに関する工夫が種々に提案されている(特許文献1、2)。このような調光フィルムの1つに、液晶を利用したものがある。この液晶を利用した調光フィルムは、透明電極を作製した透明フィルム材により液晶材料を挟持して液晶セルが作製され、この液晶セルを直線偏光板により挟持して作成される。これによりこの調光フィルムでは、液晶に印加する電界の可変により液晶の配向を可変して外来光を遮光したり透過したりし、さらには透過光量を可変したりし、これらにより外来光の透過を制御する。
また液晶表示装置では、従来、画素単位で印加電圧の可変により液晶の配向を可変して透過光量を制御することにより、所望の画像を表示している。このような液晶表示装置に関して、特許文献3には、液晶表示パネルの端面に液晶注入口を設け、排気した環境において、この液晶注入口を液晶材料による液面に浸漬することにより、毛細管現象を利用して液晶材料を注入し、液晶セルを作製する方法が開示されている。
ところで調光フィルムにおいて、液晶材料による液晶層に気泡が残存すると、この気泡によって透過光の制御が局所的に損なわれることになる。従って液晶層には、気泡が残存しないことが望まれる。これにより例えば特許文献3に開示の手法を適用して液晶材料を注入することが考えられる。しかしながらこのように端面に設けた液晶注入口を液晶材料による液面に浸漬して毛細管現象により液晶材料を注入する場合にあっては、液晶材料の注入に時間を要し、これにより著しく生産性が低い問題がある。
特開平03−47392号公報 特開平08−184273号公報 特開平5−11259号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、調光フィルム等に関して、液晶層に気泡が残存しないようにして、短時間で液晶材料を注入できるようにすることを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、注入口を浸漬する液晶材料による液面に比して、液晶層に係る空隙が低くなるように全体を折り曲げて液晶材料を注入する、との着想に至り、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1) 透明フィルム材による基材に透明電極、配向層を作製して第1の積層体を作製する第1の積層体作製工程と、
透明フィルム材による基材に少なくとも配向層を作製して第2の積層体を作製する第2の積層体作製工程と、
前記第1及び第2の積層体を積層して一体化し、液晶材料を注入する部位が空隙である液晶セルに係る積層体を作製する積層一体化工程と、
前記液晶セルに係る積層体に形成された注入口から前記空隙に液晶材料を注入する液晶注入工程と、
前記注入口を封止剤により封止する封止工程とを備え、
前記液晶注入工程は、
排気した環境で、容器に保持した液晶材料に前記注入口を浸漬した後、
前記注入口より逆側端が低くなるように、前記液晶セルに係る積層体を保持した状態で、大気圧以上により与圧し、前記容器に保持した液晶材料を前記空隙に注入する
液晶セルの製造方法。
(1)によれば、排気した環境で、容器に保持した液晶材料に注入口を浸漬した後、注入口より逆側端が低くなるように、液晶セルに係る積層体を保持した状態で、大気圧以上に与圧し、容器に保持した液晶材料を注入することにより、可撓性を有する液晶セルに係る積層体の特性を有効に利用して、容器に保持した液晶材料の液面に比して、液晶層に係る空隙が極力低くなるように保持して大気圧以上の与圧により液晶材料を注入することができる。これにより液晶材料への重力が、液晶材料の注入を促す方向となるようにして液晶材料を注入することができ、短時間で十分に液晶材料を注入することができ、これにより気泡の発生を有効に回避して短時間で液晶材料を注入することができる。
(2) (1)に記載の液晶セルの製造方法により液晶セルを作製する液晶セルの作製工程と、
直線偏光板により前記液晶セルを挟持して調光フィルムを作製する調光フィルムの作製工程とを備える調光フィルムの製造方法。
(2)によれば、液晶材料への重力が、液晶材料の注入を促す方向となるようにして液晶材料を注入することができ、短時間で十分に液晶材料を注入することができ、これにより気泡の発生を有効に回避して短時間で液晶材料を注入して、調光フィルムを生産することができる。
本発明によれば、調光フィルム等に関して、液晶層に気泡が残存しないようにして、短時間で液晶材料を注入することができる。
本発明の第1実施形態に係る調光フィルムを示す図である。 図1の調光フィルムの製造工程を示すフローチャートである。 図2の製造工程における積層体の説明に供する図である。 図3の積層体の他の例を示す図である。 図3の積層体の図4の例とは異なる他の例を示す図である。 図3の積層体の図4及び図5の例とは異なる他の例を示す図である。 図2の製造工程における液晶注入工程の説明に供する図である。 図7の工程の説明に供する図である。
〔第1実施形態〕
〔調光フィルム〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る調光フィルムを示す断面図である。この調光フィルム1は、建築物の窓ガラス、ショーケース、屋内の透明パーテーション等の調光を図る部位に、粘着剤層等により貼り付けて使用され、印加電圧の可変により透過光の光量を制御する。
この調光フィルム1は、液晶を利用して透過光を制御するフィルム材あり、直線偏光板2、3により調光フィルム用の液晶セル4を挟持して構成される。ここで直線偏光板2、3は、ポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素等を含浸させた後、延伸して直線偏光板としての光学的機能を果たす光学機能層が形成され、TAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルム材による基材により光学機能層を挟持して作製される。直線偏光板2、3は、クロスニコル配置により、紫外線硬化性樹脂等による接着剤層により液晶セル4に配置される。なお直線偏光板2、3には、それぞれ液晶セル4側に光学補償に供する位相差フィルムを設けるようにしてもよい。
液晶セル4は、後述する透明電極への印加電圧により透過光の偏光面を制御する。これにより調光フィルム1は、透過光を制御して種々に調光を図ることができるように構成される。
〔液晶セル〕
液晶セル4は、フィルム形状による第1及び第2の積層体である上側積層体5U及び下側積層体5Dにより液晶層8を挟持して構成される。下側積層体5Dは、透明フィルム材による基材6に、透明電極11、配向層13を作製して形成される。上側積層体5Uは、透明フィルム材による基材15に、透明電極16、配向層17を積層して形成される。液晶セル4は、この上側積層体5U及び下側積層体5Dに設けられた透明電極11、16の駆動により、TN(Twisted Nematic)方式により液晶層8に設けられた液晶材料の配向を制御し、これにより透過光の偏光面を制御する。
なおTN方式に代えて、VA(Virtical Alignment)方式、IPS(In−Place−Switching)方式等の駆動方式を適用するようにしてよい。なおIPS方式により駆動する場合、上側積層体5U又は下側積層体5Dの透明電極11又は16の何れか一方を省略し、他方の透明電極のパターンニングにより駆動用の電界を印加する。
基材6、15は、この種のフィルム材に適用可能な種々の透明フィルム材を適用することができるものの、光学異方性の小さなフィルム材を適用することが望ましい。この実施形態において、基材6、15は、ハードコート層6A、15Aを備えてなるポリカーボネートフィルムが適用されるものの、COP(シクロオレフィンポリマー)フィルム、TACフィルム等を適用してもよい。
透明電極11、16は、この種のフィルム材に適用される各種の電極材料を適用することができ、この実施形態ではITO(Indium Tin Oxide)による透明電極材により形成される。
配向層13、17は、ポリイミド樹脂層をラビング処理して作製される。なお配向層13、17は、液晶層8に係る液晶材料に対して配向規制力を発現可能な各種の構成を適用することができ、いわゆる光配向層により作製してもよく、ラビング処理、研磨処理による微細なライン状凹凸形状を賦型処理により作製して形成してもよい。
なお光配向材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を適用することができるものの、この実施形態では、一旦配向した後には、紫外線の照射によって配向が変化しない、例えば光2量化型の材料を使用する。この光2量化型の材料については、「M.Schadt, K.Schmitt, V. Kozinkov and V. Chigrinov : Jpn. J. Appl.Phys., 31, 2155 (1992)」、「M. Schadt, H. Seiberle and A. Schuster : Nature, 381, 212(1996)」等に開示されている。
液晶層8は、この種の調光フィルムに適用可能な各種の液晶材料を広く適用することができる。液晶セル4は、液晶層8を囲む枠形状によりシール剤19が配置され、このシール剤19により上側積層体5U、下側積層体5Dが一体に保持され、液晶材料の漏出が防止される。調光フィルム1において、液晶層8には、ビーズ形状のスペーサ12がランダムに配置されており、このスペーサ12により液晶層8の厚みが規定される。なおスペーサ12は、このようなビーズ形状のスペーサ12に代えて、柱形状のスペーサを適用してもよい。なおこのような柱形状のスペーサは、透明電極11を作製してなる基材6の上に、フォトレジストを塗工して露光、現像することにより作製することができる。
〔製造工程〕
図2は、調光フィルム1の製造工程を示すフローチャートである。この製造工程は、電極作製工程SP2において、スパッタリング装置を使用したスパッタリングにより、下側積層体5D及び上側積層体5Uに係る基材6、15にそれぞれ透明電極11、16を作製する。なおIPS方式による場合、透明電極11、16のうちの一方の作成が省略され、また他方の透明電極11又は16をパターンニングするパターンニング工程が設けられる。
この製造工程は、続く配向層作製工程SP3において、このようにして透明電極11、16を作製してなる基材6、15にそれぞれ配向層13、17に係る塗工液を塗工して乾燥した後、加熱して硬化し、これにより配向層13、17の材料層を作製する。またこのようにして配向層13、17の材料層を作製してなる上側積層体5U及び下側積層体5Dに係る基材6、15をラビング処理し、配向層13、17を作製する。なお配向層13、17に光配向層を適用する場合には、このようなラビング処理に係る工程に代えて光配向層に係る塗工液の塗工、露光の処理が実行される。
この製造工程は、続く積層一体化工程SP4において、上側積層体5U又は下側積層体5Dに液晶層8を囲む枠形状によりシール剤19を塗工した後、スペーサ12を配置する。続いて上側積層体5U及び下側積層体5Dを対向するように保持して積層した後、押圧し、その後、シール剤19を硬化させて上側積層体5U及び下側積層体5Dを一体化する。なおこの硬化の処理は、例えば、紫外線の照射によりシール剤19を半硬化させた後、加熱して熱硬化させることにより実行される。
続いてこの製造工程は、液晶注入工程SP5において、この積層一体化した上側積層体5U及び下側積層体5Dの間に、液晶材料を注入して液晶層8を作製する。また続くトリミング工程SP6において、液晶材料の注入に供した部位等を切り取った後、続く封止工程SP7において、液晶材料の注入に供した部位を紫外線硬化性樹脂等による封止剤により封止し、これにより液晶材料の漏出を防止する。この製造工程は、このようにして液晶セル4を作製し、貼合工程SP8において、紫外線硬化性樹脂等の接着剤によりこの液晶セル4に直線偏光板2、3を貼り合せて調光フィルム1を作製する。
これらによりこの製造工程では、電極作製工程SP2、配向層作製工程SP3により、透明フィルム材による基材に透明電極、配向層を作製して第1の積層体を作製する第1の積層体作製工程と、透明フィルム材による基材に少なくとも配向層を作製して第2の積層体を作製する第2の積層体作製工程とが構成される。
〔液晶注入工程〕
図3は、積層一体化工程により積層一体化された上側積層体5U及び下側積層体5Dによる積層体(液晶セル4に係る積層体である)5Aの構成を示す平面図である。この実施形態では、積層一体化工程SP4において、液晶層8を作製する部位を囲む枠形状によりシール剤19を塗工した後、スペーサ12を配置して上側積層体5U及び下側積層体5Dを積層一体化することにより、この積層体5Aに、スペーサ12の厚みによる空隙8Bが形成される。調光フィルム1は、この空隙8Bに液晶材料を注入して液晶層8が作製される。
この実施形態では、この空隙8Bに液晶材料を注入可能に、この空隙8Bに連通する液晶注入口19Aがシール剤19の塗工により形成される。液晶注入工程SP5は、この注入口19Aを介して液晶材料を注入して液晶層8を作製する。
ここでこの注入口19Aは、この図3の例では、矩形形状により液晶層8を形成するようにして、この矩形形状に係る1つの長辺のほぼ中央に形成される。なお単時間で液晶材料の注入を完了する観点より、注入口19Aは、この矩形形状に係る短辺より長辺に設けることが望ましい。しかしながら短辺に設けるようにしてもよく、図3との対比により図4に示すように角部に設けるようにしてもよい。
また注入口19Aは、封止工程SP7により封止するまでの間、注入した液晶材料の漏出を充分に防止できる範囲で、充分に幅広く作製して短時間で液晶材料を注入することができ、これによりこの種の調光フィルムに適用される液晶材料の粘度から、注入口19Aは、幅Wが10mm以上500mm以下により、より好ましくは50mm以上100mm以下により作製される。
また注入口19Aは、図5に示すように、複数個設けるようにしてもよい。また図6により示すように、多数個取りにより1枚の積層体5Aから複数の液晶セルを切り出して作製する場合には、この複数の液晶セルに係る液晶材料を注入する各空隙8Bについては、その配列方向に連続する空隙8Bを注入口19Aにより接続して、他の空隙8Bを介して続く空隙8Bに液晶材料を注入してもよい。またこのとき、この液晶材料の注入による液量材料の流れの方向と直交する方向に、隣接する空隙8Bを、注入口19Aと同様の連通口19Bにより接続し、液晶材料の注入の完了した空隙8Bから液晶材料の注入の完了していない空隙8Bに液晶材料を振り分けて注入し、これにより液晶材料の注入に要する時間を短縮するようにしてもよい。
図7は、このようにして作製されてなる積層体5Aへの液晶材料の注入の説明に供する図である。液晶注入工程SP5においては、注入口19Aに対してこれとは逆側端が低くなるように折り曲げた状態で、複数の積層体5Aが積層されて治具に保持される(図7(A))。より具体的に、この図7の例では、複数の積層体5Aを積層して折り曲げることにより、一方の側に注入口19Aを纏め、さらに各積層体5Aにおいては、それぞれ注入口19Aに対してこれとは逆側端が低くなるように保持して、これら複数の積層体5Aを配置する。
この液晶注入工程SP5は、このように積層した複数の積層体5Aを、チャンバ21に保持し、このチャンバ21内の空気を排気する。ここでこのチャンバ21には、液晶材料8Aが満たされた容器22が保持されている。チャンバ21内の排気が充分に完了すると、液晶注入工程SP5は、図7(B)に示すように、注入口19Aの逆側端が容器22の外周より飛び出すようにこれら複数の積層体5Aを保持した状態で、治具と一体にこれら複数の積層体5Aを降下させ、容器22に保持された液晶材料8Aに各積層体5Aの注入口19Aを浸漬させる。続いて液晶注入工程SP5は、チャンバ21内に空気を導入して常圧(大気圧)に戻す。これにより液晶注入工程SP5は、積層体5Aを折り曲げて、注入口19Aの逆側端が、注入口19Aより低くなるように保持した状態で、排気した環境で注入口19Aを液晶材料8Aの液面に浸漬した後、大気圧により液晶材料8Aを空隙8Bに注入する。
これにより液晶注入工程SP5は、液晶層8に気泡が残存しないようにして、短時間で液晶材料8Aを注入して液晶層8を作製し、これにより高い生産性を確保して充分な信頼性を確保する。
すなわち図7との対比により図8に示すように、排気した環境下で、液晶材料8Aに注入口19Aを浸漬し、積層体5Aを液晶材料8Aの液面に対して垂直に保持する。この場合、空隙8Bに注入される液晶材料8Aには、大気圧F2と、毛細管現象による力F3とが、空隙8Bに液晶材料8Aを流入させる方向に働き、液晶材料8Aへの重力F1が、空隙8Bへの液晶材料8Aの流入を阻害する方向に働くことになる。
これに対してこの実施形態のように、積層体5Aを折り曲げて、注入口19Aの逆側端が、注入口19Aより低くなるように保持した状態で、排気した環境で注入口19Aを液晶材料8Aの液面に浸漬した後、大気圧により液晶材料8Aを空隙8Bに注入する場合には、大気圧F2、毛細管現象による力F3、液晶材料8Aへの重力F1が、何れも空隙8Bへ液晶材料8Aを流入させる方向に働き、これにより短時間で液晶材料を注入することができる。またこの場合、空隙8Bに充分に液晶材料8Aを注入できることにより、気泡の発生も十分に防止することができる。
具体的に、一辺が100mmの矩形形状による空隙に対して液晶材料の注入に要する時間を計測した。なおこの空隙8Bは、厚み4μmであり、図3の形状により長さ50mm、幅(W)10mmにより注入口19Aを作製した。この試験材料を液晶材料の液面に垂直に保持し、排気した環境下で注入口19Aを浸漬し、その後大気圧に戻して空隙への液晶材料の注入に要する時間を計測したところ、約14時間の時間を要した。なおこの時間は、液晶材料が液晶層8に係る矩形形状の領域に対して侵入を開始した後、この矩形形状の領域が液晶材料により満たされるまでの時間である。またこの場合、試験した5個の全てにおいて、注入口19Aとは逆側の端部に、気泡の残留が確認された。
これに対してこの試験材料を図7について上述したように保持して、同様にして液晶材料の注入に要する時間を計測したところ、5時間で液晶材料の注入が完了し、また試験した5個の試料の何れにおいても気泡の残留が認められなかった。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態を組み合わせることができ、さらには種々に変更することができる。
すなわち上述の実施形態では、液晶材料に注入口を浸漬した後、チャンバ内を大気圧に戻す場合について述べたが、本発明はこれに限らず、大気圧以上に与圧して、さらに液晶材料の注入を促進するようにしてもよい。
また上述の実施形態では、積層体5Aを折り曲げた状態で、容器22に保持された液晶材料8Aに積層体5Aの注入口19Aを浸漬させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、液晶材料を注入する段階で注入口より逆側端が低くなっていれば良く、積層体5Aを折り曲げるタイミングにあっては、種々に変更することができる。
1 調光フィルム
2、3 直線偏光板
4 液晶セル
5D 下側積層体
5U 上側積層体
5A 積層体
6、15 基材
6A、15A ハードコート層
8 液晶層
8A 液晶材料
8B 空隙
11、16 透明電極
12 スペーサ
13、17 配向層
19 シール剤
19A 注入口
19B 連通口
21 チャンバ
22 容器

Claims (2)

  1. 透明フィルム材による基材に透明電極、配向層を作製して第1の積層体を作製する第1の積層体作製工程と、
    透明フィルム材による基材に少なくとも配向層を作製して第2の積層体を作製する第2の積層体作製工程と、
    前記第1及び第2の積層体を積層して一体化し、液晶材料を注入する部位が空隙である液晶セルに係る積層体を作製する積層一体化工程と、
    前記液晶セルに係る積層体に形成された注入口から前記空隙に液晶材料を注入する液晶注入工程と、
    前記注入口を封止剤により封止する封止工程とを備え、
    前記液晶注入工程は、
    排気した環境で、容器に保持した液晶材料に前記注入口を浸漬した後、
    前記注入口より逆側端が低くなるように、前記液晶セルに係る積層体を保持した状態で、大気圧以上により与圧し、前記容器に保持した液晶材料を前記空隙に注入する
    液晶セルの製造方法。
  2. 請求項1に記載の液晶セルの製造方法により液晶セルを作製する液晶セルの作製工程と、
    直線偏光板により前記液晶セルを挟持して調光フィルムを作製する調光フィルムの作製工程とを備える
    調光フィルムの製造方法。
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