JP2017198749A - 調光フィルム及び調光フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ネガティブCプレート層を備えたVA方式による調光フィルムに関して、全体の厚みを一段と薄くすることができるようにする。
【解決手段】第1及び第2の透明電極12F、13C、第1及び第2の配向層12G、13D、第1及び第2の直線偏光板12D、13Fを備えた第1及び第2の積層体12及び13により液晶層14を挟持し、前記第1及び第2の透明電極12F、13Cによる駆動により透過光の光量を可変するVA方式による調光フィルム10において、第1の積層体12は、ネガティブCプレート層として機能する透明フィルム材12Aを備え、透明フィルム材12Aに前記第1の透明電極12F、前記第1の配向層12G、前記第1の直線偏光板12Dが設けられ、前記第1の直線偏光板12Dが、塗布型の直線偏光板である。
【選択図】図1

Description

本発明は、乗用車の窓等に貼り付けて外来光の透過を制御する調光フィルムに関する。
従来、例えば窓に貼り付けて外来光の透過を制御する調光フィルムに関する工夫が種々に提案されている(特許文献1、2)。このような調光フィルムの1つに、液晶を利用したものがある。この液晶を利用した調光フィルムは、透明電極を作製した透明フィルム材により液晶材料を挟持して液晶セルが作製され、この液晶セルを直線偏光板により挟持して作成される。これによりこの調光フィルムでは、液晶に印加する電界の可変により液晶の配向を可変して外来光を遮光したり透過したりし、さらには透過光量を可変したりし、これらにより外来光の透過を制御する。
このような調光フィルムでは、可撓性を有する透明フィルム材を使用して液晶セルを構成するものの、透過光の偏光面の制御により透過光量を制御することにより、この透明フィルム材には光学異方性の小さなフィルムが適用される。またこの液晶セルを挟持する直線偏光板は、クロスニコル又はパラレルニコルにより配置されるものの、これらの配置においては正面方向については充分に透過光を遮光できるものの、斜め方向については、透過光を充分に遮光することができない。これにより調光フィルムでは必要に応じて光学補償に供する補償フィルムを配置することが考えられる。
この液晶セルの駆動には、液晶表示パネルについて提案されている種々の駆動方法を適用することができる。具体的には、例えばTN(Twisted Nematic)方式、IPS(In−Place−Switching)方式、VA(Virtical Alignment)方式等の駆動方式を適用することができる。またVA方式においては、ネガティブCプレートによる光学補償フィルムを設けることにより、視野角特性を向上する工夫が提案されておいる。
これらの駆動方式のうちのIPS方式のFFS(フリンジフィールドスイッチング)方式による液晶表示装置に関して、特許文献3には、通常の直線偏光板であるO型の直線偏光板に、塗布型偏光板であるE型の直線偏光板を積層して液晶セルの出射面に配置することにより、斜め方向から観察する際の特性を向上する工夫が提案されている。また特許文献4等には、E型直線偏光板の構成が開示されている。
ここで調光フィルムでは、例えば窓ガラス等に貼り付けて外光を遮光することにより、遮光時における透過率を充分に低減することが求められ、このように外来光を遮光する程度を充分に確保する観点からは、VA方式により駆動することが考えられる。またこの場合、ネガティブCプレートとして機能する光学機能層を設けて光学特性を向上することが考えられる。なおここでVA方式は、液晶の配向を垂直配向と水平配向とで変化させて透過光を制御する方式であり、一般的に、無電界時、液晶を垂直配向させることにより、液晶層を垂直配向層により挟持して液晶セルが構成され、電界の印加により液晶材料を水平配向させるように構成される。
調光フィルムは、全体の厚みを薄くすることが望まれる。すなわち従来構成の調光フィルムは、液晶層が5μm程度により形成され、この液晶層を挟持するように厚み100μm程度の透明フィルム材に透明電極等を作製して配置される。また直緯線偏光板は、直線偏光板としての光学的機能を担う光学機能層を厚み数十μmの透明フィルム材により挟持して作製され、光学補償に供する補償フィルムは、厚み数十μmのCプレートが適用される。調光フィルムでは、これらの部材を厚み20μm程度の粘着剤層により順次積層して作製される。これらにより調光フィルムは、従来構成により斜め方向の透過光を充分に遮光できるようにする場合、厚み500μm以上により作製されることになり、可撓性すら十分に確保することが困難になる。これにより厚みに関して、従来の調光フィルムは、実用上未だ不充分な問題がある。
特開平03−47392号公報 特開平08−184273号公報 特開2011−59266号公報 特表平8−511109号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、ネガティブCプレート層を備えたVA方式による調光フィルムに関して、全体の厚みを一段と薄くすることができるようにする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、ネガティブCプレートとして機能するフィルム材を基材に適用して、この基材にE型直線偏光板を設ける、との着想に至り、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1) 第1の透明電極、第1の配向層、第1の直線偏光板を備えた第1の積層体と、
第2の透明電極、第2の配向層、第2の直線偏光板を備えた第2の積層体と、
により液晶層を挟持し、前記第1及び第2の透明電極による駆動により透過光の光量を可変するVA方式による調光フィルムにおいて、
前記第1の積層体は、
ネガティブCプレート層として機能する透明フィルム材を備え、
前記透明フィルム材に、前記第1の透明電極、前記第1の配向層、前記第1の直線偏光板が設けられ、
前記第1の直線偏光板が、E型の直線偏光板である
調光フィルム。
(1)によれば、ネガティブCプレート層として機能する透明フィルム材に透明電極、配向層、直線偏光板が設けられていることにより、このネガティブCプレート層として機能する透明フィルム材を基材として利用して、別途、基材を設けることなく、構成することができ、全体の厚みを薄くすることができる。またE型の直線偏光板の適用によっても、厚みを薄くすることができる。
(2) (1)において、
前記第1の積層体は、
前記透明フィルム材の前記液晶層側に、前記第1の透明電極、前記第1の配向層が順次設けられ、
前記透明フィルム材の前記液晶層側とは逆側に、前記第1の直線偏光板が設けられた調光フィルム。
(2)によれば、第1の積層体に関してより具体的構成により、ネガティブCプレート層を備えたVA方式による調光フィルムに関して、全体の厚みを一段と薄くすることができる。
(3) (2)において、
前記第2の積層体は、
ネガティブCプレート層として機能する透明フィルム材を備え、
当該透明フィルム材の前記液晶層側に、前記第2の透明電極、前記第2の配向層が順次設けられ、
前記透明フィルム材の前記液晶層側とは逆側に、前記第2の直線偏光板が設けられ、
前記第2の直線偏光板が、E型の直線偏光板である
調光フィルム。
(4) (2)において、
前記第2の積層体は、
透明フィルム材の前記液晶層側に、前記第2の透明電極、前記第2の直線偏光板、前記第2の配向層が順次設けられ、
前記第2の直線偏光板が、E型の直線偏光板である
調光フィルム。
(3)又は(4)によれば、第2の積層体に関してより具体的構成により、ネガティブCプレート層を備えたVA方式による調光フィルムに関して、全体の厚みを一段と薄くすることができる。
(5) VA方式による調光フィルムの製造方法において、
第1の透明電極、第1の配向層、第1の直線偏光板を備えた第1の積層体を作製する第1の積層体作製工程と、
第2の透明電極、第2の配向層、第2の直線偏光板を備えた第2の積層体を作製する第2の積層体作製工程と、
液晶層を間に挟んで前記第1及び第2の積層体を積層する積層工程とを備え、
前記第1の積層体作製工程は、
ネガティブCプレート層として機能する透明フィルム材の一方の面に、前記第1の透明電極、前記第1の配向層を順次作製すると共に、前記透明フィルム材の他方の面に、塗布型による前記第1の直線偏光板を作製する
調光フィルムの製造方法。
(5)によれば、ネガティブCプレート層として機能する透明フィルム材に透明電極、配向層、直線偏光板が設けられていることにより、このネガティブCプレート層として機能する透明フィルム材を基材として利用して、別途、基材を設けることなく、構成することができ、全体の厚みを薄くすることができる。またE型の直線偏光板の適用によっても、厚みを薄くすることができる。
本発明によれば、ネガティブCプレート層を備えたVA方式による調光フィルムに関して、全体の厚みを一段と薄くすることができる。
本発明の第1実施形態に係る調光フィルムを示す断面図である。 図1の調光フィルムの製造工程を示すフローチャートである。 図2の製造工程における上側積層体作製工程を示すフローチャートである。 図2の製造工程における下側積層体作製工程を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る調光フィルムを示す断面図である。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明に第1実施形態に係る調光フィルムの説明に供する断面図である。調光フィルム10は、VA方式による調光フィルムであり、フィルム形状の第1及び第2の積層体である下側積層体12及び上側積層体13により液晶層14を挟持して構成される。
下側積層体12は、TAC(トリアセチルセルロース)フィルム材等の透明フィルム材によりネガティブCプレート層12Aが形成され、このネガティブCプレート層12Aの両面にハードコート層12B、12Cが設けられる。また下側積層体12は、ハードコート層12Cに続いて第1の直線偏光板12Dが設けられ、さらにハードコート層12Eが設けられる。これに対して液晶層14側には、ハードコート層12Bに続いて第1の透明電極12F、第1の配向層12Gが設けられる。
また上側積層体13は、ネガティブCプレート層13Aが、同様に、透明フィルム材により構成され、このネガティブCプレート層13Aの液晶層14側に順次ハードコート層13B、第2の透明電極13C、第2の配向層13Dが設けられ、液晶層14とは逆側にハードコート層13E、第2の直線偏光板13Fが設けられる。
ここでハードコート層12B、12C、13B、13Eは、厚み5μm程度により作製され、ハードコート層12Eは、厚み10μm程度により作製される。ネガティブCプレート層12A、13Aは、厚み100μm程度であり、透明電極12F、13Cは、厚み50nmによるITOにより形成される。
直線偏光板12D、13Fは、E型の直線偏光板として機能する光学機能層である。ここでE型の直線偏光板は、特許文献3や4に記載されているように、色素分子の配向により形成された偏光層を備える直線偏光板である。この直線偏光板12D、13Fの偏光層は、色素分子の配列方向に対し、垂直な方向に吸収軸を有するものであり、異常光屈折率が常光屈折率よりも小さく、異常光線(Extraordinary Wave)の透過率が常光線(Ordinary Wave)よりも大きい偏光層のことである。
E型偏光層は、偏光層に係る色素分子を備えた塗工液を塗工して塗工膜を作製した後、この塗工層に機械的な応力(せん断力)を加えて色素分子を配向させることにより作製することができ、塗工液を塗工しながら応力を加える等、種々の作成方法を適用することができる。これにより、全体の厚みを薄くできるように構成される。
すなわち従来構成の調光フィルムにおいて、直線偏光板に入射する液晶層の透過光は、液晶層で制御された偏光面を損なわないようにすることが必要であることにより、光学異方性の小さな透明フィルム材を基材に適用することが必要であり、汎用性の高いフィルム材を基材に適用することが難しく、また全体の厚みを薄くことが難しい。
しかしながらこの実施形態では、ネガティブCプレート層12A、13Aに透明フィルム材を適用するようにして、この透明フィルム材を基材として使用して直線偏光板12D、13F、透明電極12F、13Cを設けることにより、従来の光学異方性の小さな透明フィルム材による基材を省略することができ、その分、全体の厚みを薄くすることができる。
またこのようにネガティブCプレート層12A、13Aに透明フィルム材を適用するようにして、この透明フィルム材を基材として使用して塗布型の直線偏光板12D、13F、を直接配置することにより、直線偏光板による構成についても、厚みを薄くすることができ、その結果、全体の厚みを薄くすることができる。
実際上、この図1の構成によれば、直線偏光板12D、13Fの厚みが1μm程度であることにより、調光フィルム10全体として厚みを200μm程度とすることができ、これにより従来に比して格段的に厚みを薄くすることができる。
ここでネガティブCプレート層12A、13Aには、ネガティブCプレート層として機能する各種の光学フィルムを適用することがでる。
ここで面内の主屈折率をnx(遅相軸方向)、nyを(進相軸方向)とし、厚み方向の屈折率をnzとする。ネガティブCプレートは、屈折率分布がnz<nx=nyを満足する負の一軸性位相差光学素子である。これによりネガティブCプレートは、斜め方向の光学特性を変化させる機能を備え、この機能により斜め方向から見た特性を正面方向から見た特性に近づけたりするために使用される。
ネガティブCプレートを構成するフィルム材としては、TAC(トリアセチルセルロース)等の延伸透明フィルム材の他に、配向層上に積層されたコレステリック液晶硬化物を適用することができる。なお、本発明における透明フィルム材とは、可視光線領域で透明なフィルム状物を意味し、樹脂フィルムのみならず、液晶硬化物を含む意味である。
透明電極12F、13Cには、ITOが適用される。直線偏光板12D、13Fは、塗布型偏光板であるE型直線偏光板が適用され、より具体的には例えば特表平8−511109号公報に開示の構成を適用することができ、垂直方向に光学異方性を発現する2色性有機色素の塗工膜により形成される。
配向層12G、13Dは、光配向層が適用されるものの、ラビング処理による配向層、微細なライン状凹凸形状を賦型処理により作製する配向層等、種々の構成を適用することができる。
なお調光フィルム10は、液晶層24の厚みを保持する柱形状のスペーサー15が、下側積層体12の配向層12Gの上に作製されるものの、ハードコート層12Bの上に設けるようにしても良い。また上側積層体13の側に設けてもよく、下側積層体12、上側積層体13の双方に設けてもよい。
なお調光フィルム10は、液晶層14を囲む枠形状によりシール剤が配置され、このシール剤により液晶層14に係る液晶の漏出が防止され、さらには上側積層体13及び下側積層体12が一体に保持される。ここでシール剤は、液晶の漏出を防止すると共に、上側積層体13及び下側積層体12を一体に保持可能な種々の材料を適用することができるものの、この実施形態では、例えばエポキシ樹脂による熱硬化型樹脂やアクリル樹脂による紫外線硬化樹脂、熱及び紫外線で硬化する硬化樹脂等が適用される。
図2は、調光フィルム10の製造工程の説明に供するフローチャートである。調光フィルムの製造工程は、上側積層体作製工程SP2及び下側積層体作製工程SP3において、それぞれ上側積層体13及び下側積層体12が作製される。また積層工程SP4において、液晶層24を間に挟んで、上側積層体13及び下側積層体12を積層した後、シール剤により一体化して調光フィルム10が作製される。
図3は、上側積層体作製工程SP2を詳細に示すフローチャートである。この上側積層体作製工程SP2(SP11)においては、電極作製工程SP12において、ハードコート層13B、13Eを作製してなるネガティブCプレート層13Aに係る透明フィルム材に、スパッタリング等によりITOによる透明電極13Cが作製される。また続く直線偏光板作製工程SP13において、直線偏光板13Fに係る塗工液を塗工した後、乾燥し、これにより直線偏光板13Fが作製される。なお直線偏光板作製工程SP13は、この塗工液の塗工時、又は塗工膜を作製した後、ブレード等により塗工膜を引き伸ばして塗工膜にせん断力を付与し、これによりこの引き伸ばした方向に直線偏光板13Fに係る色素を配向させ、これにより直線偏光板として機能するように直線偏光板13Fを作製する。続いてこの製造工程は、配向層作製工程SP14において、配向層13Dに係る塗工液を塗工して乾燥させ、続いて直線偏光による紫外線の照射により硬化することにより、配向層13Dを作製する。
図4は、下側積層体作製工程SP3を詳細に示すフローチャートである。この下側積層体作製工程SP3(SP21)においては、電極作製工程SP22において、ハードコート層12B、12Cを作製してなるネガティブCプレート層13Aに係る透明フィルム材に、スパッタリングによりITOによる透明電極12Fが作製される。続いてこの製造工程は、直線偏光板作製工程SP23において、直線偏光板作製工程SP13と同様にして、直線偏光板12Dの塗工液を塗工した後、乾燥し、これにより直線偏光板12Dが作製される。続いてこの製造工程は、配向層作製工程SP24において、配向層12Gに係る塗工液を塗工して乾燥、露光することにより、配向層12Gが形成される。また続いてスペーサー作製工程SP25において、全面にフォトレジスト材を塗布して乾燥、露光、現像することにより、スペーサー15が作製される。なおこれら上側積層体作製工程及び下側積層体作製工程において、直線偏光板の作製工程は、配向層作製工程の後に設けるようにしてもよく、透明電極作製工程の前に設けるようにしてもよい。
〔スペーサーの詳細構成〕
ここでこの実施形態では、円柱形状又は円錐台形状によりスペーサー15が形成される。さらにこの実施形態では、スペーサー15のビッカース硬度値Xs、スペーサー15の先端が当接する部位のビッカース硬度値Xfが、ビッカース硬度値2以上、ビッカース硬度値6以下であって、かつXs<Xfであるように設定され、これによりスペーサーに関する信頼性を従来に比して一段と向上する。
すなわちXf<Xsである場合、使用中の押圧力により、スペーサー15の先端が対向する面に貫入したりし、その結果、セルギャップが不均一化したり、局所的な配向不良が発生する。また甚だしい場合には、スペーサー15の先端が対向する積層体を突き破り、液晶材料が漏出することになる。しかしながらXs<Xfであることにより、使用中の押圧力等により、スペーサーの先端が対向する面に貫入したりする状況を低減することができ、これによりセルギャップの不均一化、局所的な配向不良の発生を低減することができ、さらには液晶材料の漏出を有効に回避することができる。
またビッカース硬度値2より小さい場合には、外圧によりスペーサーが潰れてセルギャップが低減したり、所望のセルギャップを得られなくなるものの、この実施形態ではビッカース硬度値2以上であることにより、このような状況を低減することができる。またビッカース硬度値6超である場合は、基材が傷つき易く、また全体を屈曲した際にクラックが生じるのに対し、この実施形態ではビッカース硬度値が6以下であることにより、基材の傷つきを低減し、また全体が屈曲した際のクラックの発生を低減することができる。これらによりスペーサーに関する信頼性を従来に比して一段と向上することができる。
Figure 2017198749
表1は、このスペーサーに関する構成の確認に供した試験結果を示す図表である。この表1における試験例1〜6の調光フィルムは、スペーサー及びこのスペーサーが当接する配向層に関する構成が異なる点を除いて、同一に構成される。より具体的に、これら試験例1〜6の調光フィルムは、下側積層体12にのみスペーサー15を設けるようにし、このスペーサー15に係る熱処理の条件により、スペーサー15のビッカース硬度値Xsを設定した。
すなわちスペーサー15は、スペーサー15に係る塗工液を塗工した後、乾燥させ、その後、露光装置を使用したマスク露光により、スペーサー15を作製する部位を選択的に露光する。なおこれはポジ型のフォトレジストの場合であり、ネガ型のフォトレジストではこれとは逆にスペーサー15を作製する部位を除く部位が選択的に露光処理される。その後、スペーサー15は、現像処理により未露光の部位又は露光処理した部位が選択的に除去されてリンス等の処理が実行され、必要に応じて乾燥等の処理が実行される。
この露光処理では、事前に加熱していわゆるハーフキュアーの状態で露光処理したり、加熱した環境下で露光処理する場合があり、また現像処理において、リンス等の処理を実行した後、加熱処理して反応を促進する場合がある。スペーサー15の硬度値Xsは、スペーサー15に係るフォトレジストの材料の選定、露光工程、現像工程における加熱の温度、時間の設定、露光光量及び露光時間の設定により設定することができる。
この実施形態では、この露光工程、現像工程における加熱の温度、時間の設定により、試験例1、5、6におけるスペーサー15のビッカース硬度値Xsをそれぞれ1.8、4.2、4.2に設定し、また試験例2、3、4におけるスペーサー15のビッカース硬度値Xsをそれぞれ2.2、3.7、4.2に設定した。なおスペーサー15は、直径15μm、高さ5μmの円柱形状により作製した。
これに対してこのスペーサーが当接する面である上側積層体13の配向層13Dにあっては、光配向層に代えてラビング処理により作製した。すなわち塗工液を塗工して乾燥、硬化することによりポリイミド膜を作製し、このポリイミド膜をラビング処理して作製した。またこのポリイミド膜を作製する際の硬化時の加熱温度、及び加熱時間の設定により、ビッカース硬度値Xfを設定した。なおラビング処理した後に改めて加熱処理してビッカース硬度値Xfを調整してもよい。これにより試験例1、5、6ではビッカース硬度値Xfを4.9、6.7、3.6に設定し、また試験例2、3、4ではビッカース硬度値Xfを4.9に設定した。
この実験では、定盤による硬度の高い平滑面に調光フィルムを載置した状態で、0.8MPaに相当する加重を印加した後、セルギャップを計測してセルギャップの減少を判断した。なお加重の時間は24時間である。またこのように加重した後、上側積層体及び下側積層体を剥離してスペーサーを顕微鏡により観察して、スペーサーの潰れ(スペーサー潰れ)を確認し、またスペーサーが当接する部位を顕微鏡により観察してスペーサー先端の貫入(フィルム貫入)を観察した。
ここでこの顕微鏡による観察にはSEM等の手法を用いて正面視、斜視、及び断面観察し、目視でスペーサーの変形を確認し、スペーサーの変形が確認された場合にはその状況に応じ、「セルギャップ減少、スペーサー潰れ」の有無を○×判定した。従ってこの表1において「○」は、対応する項目に係る異常が見られない場合であり、「×」は対応する項目に係る異常が見られる場合である。
また同様にスペーサーが当接する部位をSEM等の手法を用いて斜視した場合、窪み(凹部)が確認された場合、「フィルム貫入」を×判定とし、凹部が認められない場合、「フィルム貫入」を○判定とした。
また積層体12及び13を積層して0.1MPaに相当する加重を印加した状態で、積層体12及び13の相対位置を0.1cm/secにより変位させ、目視により傷の発生を確認した。ここで複数サンプルの半数以上で、傷の発生が確認された場合、「キズ(フィルム)」を「×」により示し、これとは逆に、複数サンプルの半数以上で、傷の発生が確認されない場合、「キズ(フィルム)」を「○」により示す。
また調光フィルムの状態で、JIS K5600−5−1の曲げ試験の規定に従って、直径2mmの円柱マンドレルに巻き付けてクラックの発生を確認した。この試験で複数サンプルの半数以上で、基材にクラックの発生が確認された場合、「クラック(フィルム)」を「×」により示し、これとは逆に、複数サンプルの半数以上で、基材にクラックの発生が確認されない場合、「クラック(フィルム)」を「○」により示す。
この表1の計測結果では、試験例1では、スペーサーの硬度が不足することにより、セルギャップ減少、スペーサー潰れが観察され、また試験例5ではスペーサー対向面のビッカース硬度値Xfが6を超えることにより、クラックの発生が観察され、さらにはセルギャップ減少、スペーサー潰れが観察された。また試験例6ではスペーサーのビッカース硬度値Xsが対向面のビッカース硬度値Xfより大きいことにより、基材の傷つきが観察され、さらにスペーサー先端の貫入も確認された。しかしながら試験例2、3、4では、これらの現象は観察されず、これによりスペーサーに関する信頼性を従来に比して一段と向上できることが確認された。
〔第2実施形態〕
図5は、本発明の第2実施形態に係る調光フィルムを示す断面図である。この調光フィルム20は、上側積層体23に係る構成が異なる点を除いて、第1実施形態に係る調光フィルム10と同一に構成される。なおこの図5においては、ハードコート層を省略して示す。
ここでこの調光フィルム20では、液晶層14の一方の側である下側積層体12の側にのみ、ネガティブCプレート層12Aが設けられる。これにより上側積層体23には、汎用性の高い透明フィルム材が基材23Aに適用され、この基材23Aに透明電極13C、直線偏光板13Fが設けられる。またこれら透明電極13C、直線偏光板13Fを基材23Aの液晶層14側に設けることにより、基材23Aに汎用性の高い材料を適用できるようにし、具体的にこの実施形態では、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム材が適用される。
すなわち従来構成の調光フィルムにおいて、直線偏光板に入射光する液晶層の透過光は、液晶層で制御された偏光面を損なわないようにすることが必要であることにより、光学異方性の小さな透明フィルム材を使用することが必要であり、汎用性の高いフィルム材を適用することが難しい。しかしながらこの実施形態のように、直線偏光板として機能する直線偏光板13Fを基材23Aの液晶層14側に設ける場合にあっては、基材23Aで液晶層14の透過光が種々に偏光しても、直線偏光板13Fの透過光には何ら偏光面に影響を与えることが無いようすることができ、これにより基材23Aには例えばPETフィルム等の光学異方性の大きなフィルム材を適用することも可能であり、これにより汎用性の高い透明フィルム材を使用することができる。
この実施形態では、液晶層14の一方の側にのみネガティブCプレート層を設ける場合であっても、この一方の側について構成を簡略化し、厚みを薄くすることができる。また他方の側については、塗布型の直線偏光板を基材液晶層側に設けることにより、汎用性の高い透明フィルム材を基材に適用して全体構成を簡略化し、厚みを薄くすることができる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態を組み合わせ、さらには上述の実施形態を種々に変更することができる。
すなわち上述の実施形態では、フォトレジストを使用して柱形状によりスペーサーを作製する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、いわゆるビーズスペーサーを適用するようにしてもよい。
10、20 調光フィルム
12 下側積層体(第1の積層体)
12A ネガティブCプレート層
12B、12C、12E、13B、13E ハードコート層
12D 第1の直線偏光板
12F 第1の透明電極
12G 第1の配向層
13A ネガティブCプレート層
13F 第2の直線偏光板
13C 第2の透明電極
13D 第2の配向層
13、23 上側積層体(第2の積層体)
14 液晶層
15 スペーサー

Claims (5)

  1. 第1の透明電極、第1の配向層、第1の直線偏光板を備えた第1の積層体と、
    第2の透明電極、第2の配向層、第2の直線偏光板を備えた第2の積層体と、
    により液晶層を挟持し、前記第1及び第2の透明電極による駆動により透過光の光量を可変するVA方式による調光フィルムにおいて、
    前記第1の積層体は、
    ネガティブCプレート層として機能する透明フィルム材を備え、
    前記透明フィルム材に、前記第1の透明電極、前記第1の配向層、前記第1の直線偏光板が設けられ、
    前記第1の直線偏光板が、E型の直線偏光板である
    調光フィルム。
  2. 前記第1の積層体は、
    前記透明フィルム材の前記液晶層側に、前記第1の透明電極、前記第1の配向層が順次設けられ、
    前記透明フィルム材の前記液晶層側とは逆側に、前記第1の直線偏光板が設けられた
    請求項1に記載の調光フィルム。
  3. 前記第2の積層体は、
    ネガティブCプレート層として機能する透明フィルム材を備え、
    当該透明フィルム材の前記液晶層側に、前記第2の透明電極、前記第2の配向層が順次設けられ、
    前記透明フィルム材の前記液晶層側とは逆側に、前記第2の直線偏光板が設けられ、
    前記第2の直線偏光板が、E型の直線偏光板である
    請求項2に記載の調光フィルム。
  4. 前記第2の積層体は、
    透明フィルム材の前記液晶層側に、前記第2の透明電極、前記第2の直線偏光板、前記第2の配向層が順次設けられ、
    前記第2の直線偏光板が、E型の直線偏光板である
    請求項2に記載の調光フィルム。
  5. VA方式による調光フィルムの製造方法において、
    第1の透明電極、第1の配向層、第1の直線偏光板を備えた第1の積層体を作製する第1の積層体作製工程と、
    第2の透明電極、第2の配向層、第2の直線偏光板を備えた第2の積層体を作製する第2の積層体作製工程と、
    液晶層を間に挟んで前記第1及び第2の積層体を積層する積層工程とを備え、
    前記第1の積層体作製工程は、
    ネガティブCプレート層として機能する透明フィルム材の一方の面に、前記第1の透明電極、前記第1の配向層を順次作製すると共に、前記透明フィルム材の他方の面に、塗布型による前記第1の直線偏光板を作製する
    調光フィルムの製造方法。
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