JP2017053655A - 薄膜磁界センサおよびアレイ型薄膜磁界センサ - Google Patents

薄膜磁界センサおよびアレイ型薄膜磁界センサ Download PDF

Info

Publication number
JP2017053655A
JP2017053655A JP2015176032A JP2015176032A JP2017053655A JP 2017053655 A JP2017053655 A JP 2017053655A JP 2015176032 A JP2015176032 A JP 2015176032A JP 2015176032 A JP2015176032 A JP 2015176032A JP 2017053655 A JP2017053655 A JP 2017053655A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
magnetic field
magnet
magnetic
field sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015176032A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6576175B2 (ja
Inventor
早坂 淳一
Junichi Hayasaka
淳一 早坂
白川 究
Kiwamu Shirakawa
究 白川
伸聖 小林
Nobukiyo Kobayashi
伸聖 小林
荒井 賢一
Kenichi Arai
賢一 荒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Res Inst For Electromagnetic Mat
Research Institute for Electromagnetic Materials
Original Assignee
Res Inst For Electromagnetic Mat
Research Institute for Electromagnetic Materials
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Res Inst For Electromagnetic Mat, Research Institute for Electromagnetic Materials filed Critical Res Inst For Electromagnetic Mat
Priority to JP2015176032A priority Critical patent/JP6576175B2/ja
Publication of JP2017053655A publication Critical patent/JP2017053655A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6576175B2 publication Critical patent/JP6576175B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Hall/Mr Elements (AREA)
  • Measuring Magnetic Variables (AREA)

Abstract

【課題】磁気バイアス機構としての薄膜磁石からの漏洩磁界が極めて小さい薄膜磁界センサおよびそのような薄膜磁界センサを複数個有するアレイ型薄膜磁界センサを提供する。【解決手段】薄膜磁界センサ10は、外部磁場に対して電気抵抗が変化する磁気抵抗薄膜1と、磁気抵抗薄膜1の両側に配された一対の軟磁性薄膜2と、磁気抵抗薄膜1に対して磁気バイアスを与える薄膜磁石3とを有する。薄膜磁石3は基板4上に形成され、軟磁性薄膜2は、薄膜磁石3の上に形成されるとともに、薄膜磁石3の少なくとも磁極を含む部分を覆うように設けられている。また、薄膜磁界センサ10を基板上に複数個配置することにより、アレイ型薄膜磁界センサが形成される。【選択図】図1

Description

本発明は、磁気抵抗効果を利用した薄膜磁界センサに関し、特に、磁気バイアス機構としての薄膜磁石を有する薄膜磁界センサおよびそれを用いたアレイ型薄膜磁界センサに関する。
磁気抵抗素子は、ホール素子や半導体型磁気抵抗素子に比べて微小磁界に対する感度が高く、これを利用した薄膜磁界センサが広く用いられている。このような薄膜磁界センサとしては、特許文献1および特許文献2に提案されたものが知られている。
図9は、特許文献1に記載された薄膜磁界センサの構造を示す斜視図である。この薄膜磁界センサは、外部磁場に対して電気抵抗が変化する磁気抵抗薄膜31と、その磁気抵抗薄膜31の両側に配された一対の軟磁性薄膜32と、軟磁性薄膜32の下に設けられた薄膜磁石である一対の硬磁性薄膜33とを有している。硬磁性薄膜33と軟磁性薄膜32は、基板上に積層されており、磁気抵抗薄膜31は、一対の軟磁性薄膜32の間および一対の硬磁性薄膜33の間に介在されるように基板34上に形成されている。
図9の薄膜磁界センサにおいて、軟磁性薄膜32は、外部磁場を収束し磁気抵抗薄膜31の磁気感度を高める機能を有し、硬磁性薄膜33は、磁気抵抗薄膜31に磁気バイアスを印加するための磁界発生源としての機能を有する。硬磁性薄膜33から磁気バイアスを印加することにより、磁界の大きさばかりでなく磁界の方向も検出することができる。
また、特許文献1には、硬磁性薄膜が軟磁性薄膜に接していても離れていてもよく、さらには一対の硬磁性薄膜のうちどちらか一つでも磁気バイアスを付与できると記載されている。
図10は、特許文献2に記載された薄膜磁界センサの構造を示す図である。この薄膜磁界センサは、磁気抵抗素子41と、2個の薄膜磁石42,43が同一チップ上に形成され、薄膜磁石42,43は、磁気抵抗素子41を挟んで両側に異極が対向するように配置されている。このように、磁気抵抗素子41と2個の薄膜磁石42,43を同一基板上に作成するため、位置合わせ精度が高く、また間隔をあけて配置された2個の薄膜磁石42,43の極間で発生した平行磁界をバイアス磁界として利用するので、正負の磁界検出が対称性良く高精度でできるとしている。
特開2003−078187号公報 特開平06−148301号公報
しかしながら、従来の薄膜磁界センサは、磁界発生源である薄膜磁石から外部への漏洩磁界が少なからず存在し、その影響により微小磁界の計測が困難な場合がある。例えば、金属のような高い電気導電性を有する構造体が移動していて、その移動する構造体中から発生する微小磁界を計測するような場合、薄膜磁界センサの薄膜磁石からの漏洩磁界が存在すると、構造体には誘導電流が生じ、それによって生成される磁界の影響が無視できない。
また、薄膜磁石を有する薄膜磁界センサを複数個、同一基板上に並べるようなアレイ型薄膜磁界センサにおいては、薄膜磁石の漏洩磁界が近接する他の薄膜磁界センサと磁気的に干渉し合うおそれがある。
したがって、本発明は、磁気バイアス機構としての薄膜磁石からの漏洩磁界が極めて小さい薄膜磁界センサおよびそのような薄膜磁界センサを複数個有するアレイ型薄膜磁界センサを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の(1)〜(5)を提供する。
(1)外部磁場に対して電気抵抗が変化する磁気抵抗薄膜と、
前記磁気抵抗薄膜の両側に配された一対の軟磁性薄膜と、
前記磁気抵抗薄膜に対して磁気バイアスを与える薄膜磁石と
を有し、
前記薄膜磁石は基板上に形成され、前記軟磁性薄膜は、前記薄膜磁石の上に形成されるとともに、前記薄膜磁石の少なくとも磁極を含む部分を覆うように設けられていることを特徴とする薄膜磁界センサ。
(2)前記軟磁性薄膜および前記薄膜磁石は、少なくとも一方が絶縁性材料で構成され、前記軟磁性薄膜は、前記薄膜磁石とが直接接するように設けられることを特徴とする(1)に記載の薄膜磁界センサ。
(3)前記軟磁性薄膜および前記薄膜磁石は、いずれも導電性材料で構成され、前記軟磁性薄膜と前記薄膜磁石との間に電気的絶縁膜が介在されていることを特徴とする(1)に記載の薄膜磁界センサ。
(4)前記軟磁性薄膜の厚みは、前記薄膜磁石の厚み以上であり、前記軟磁性薄膜の前記薄膜磁石の磁極端部からはみ出た領域の幅は、前記軟磁性薄膜の厚みの10倍以下であることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の薄膜磁界センサ。
(5)基板上に、(1)から(4)のいずれかに記載の薄膜磁界センサが複数個、周期的または非周期的に配置されてなることを特徴とするアレイ型薄膜磁界センサ。
本発明によれば、磁気バイアス機構としての薄膜磁石からの漏洩磁界が極めて小さい薄膜磁界センサおよびそのような薄膜磁界センサを複数個有するアレイ型薄膜磁界センサが提供される。
本発明の一実施形態に係る薄膜磁界センサを示す平面図および断面図である。 本発明の他の実施形態に係る薄膜磁界センサを示す断面図である。 薄膜磁界センサの電気抵抗の外部磁場依存性を示す図である。 本発明の一実施形態に係る薄膜磁界センサの一部を拡大して示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る薄膜磁界センサの一部を拡大して示す断面図である。 図2の薄膜磁界センサにおいて、薄膜磁石のエッジに勾配を設けた例を示す断面図である。 本発明の薄膜磁界センサの漏れ磁界特性を示す図である。 薄膜磁界センサを同一の基板上に複数個一括して形成したアレイ型薄膜磁界センサを示す平面図である。 特許文献1に記載された薄膜磁界センサの構造を示す斜視図である。 特許文献2に記載された薄膜磁界センサの構造を示す図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る薄膜磁界センサを示す平面図および断面図である。この薄膜磁界センサ10は、外部磁場に対して電気抵抗が変化する磁気抵抗薄膜1と、その磁気抵抗薄膜1の両側に配された一対の軟磁性薄膜2と、磁気抵抗薄膜1に磁気バイアスを与える薄膜磁石3とを有している。
薄膜磁石3は基板4上に形成されており、軟磁性薄膜2は薄膜磁石3の上に形成されている。このとき、軟磁性薄膜2は、薄膜磁石3の少なくとも磁極を含む部分を覆うように設けられている。すなわち、軟磁性薄膜2は、薄膜磁石3の少なくとも磁極を含む部分の上面、側面、端面を覆うように設けられている。
具体的には、薄膜磁石3は、基板4上にY方向に延びるように短冊状に形成されており、その長手方向の概ね両端部に磁極が形成される。薄膜磁石3の上の中央にはX方向に延びるように磁気抵抗薄膜1が形成されている。磁気抵抗薄膜1のX方向の長さは薄膜磁石3のX方向の長さよりも短くなっている。本例では、軟磁性薄膜2は、磁気抵抗薄膜1の両側に薄膜磁石3の上面および側面の大部分、および端面の全部を覆うように形成されて、これにより薄膜磁石3の少なくとも磁極が軟磁性薄膜2に覆われている。
図1の例では、軟磁性薄膜2および薄膜磁石3のうち少なくとも一方が絶縁性材料の場合であり、このため、図1(b)に示すように、軟磁性薄膜2と薄膜磁石3とが直接接するように設けられる。
これに対して、軟磁性薄膜2および薄膜磁石3の両方が導電性材料(金属材料)の場合は、図2に示すように、軟磁性薄膜2と薄膜磁石3との間に電気的絶縁膜5を介在させる。
基板4としては、適宜の厚み(例えば約0.5mm)を有し、表面に鏡面研磨を施したガラスを用いることができる。また、半導体IC回路と一体形成する場合には、基板4として、表面に熱酸化膜を形成したシリコン、SOI(Silicon on insulator)、SiC、サファイア、化合物半導体等が好適である。
薄膜磁石3は、磁気抵抗薄膜1に対して磁気バイアスを与えるため、外部に大きな磁界を生成する能力を有している。したがって、薄膜磁石3の材料としては、大きな最大磁束密度と高い保磁力を有するものが選択され、金属系のSmCo、Nd−Fe−B、Sm−Fe−N、Nd−Fe−N系磁石、あるいは、鉄酸化物系のハードフェライト磁石を好適に用いることができる。
軟磁性薄膜2は、約数千の高い透磁率を有し、多くの磁力線を収束して、磁気抵抗薄膜1の両側に強い磁界を付与する機能を有する。軟磁性薄膜2の厚みは、薄膜磁石3の厚み以上であることが望ましい。軟磁性薄膜2の材料としては、高い透磁率を有するFeNi、CoFeSiB、FeSiAl、FeNiNb系等の金属合金、あるいは酸化物系のソフトフェライトを好適に用いることができる。
薄膜磁石3がSmCo、Nd−Fe−B、Sm−Fe−N、Nd−Fe−N系磁石等の金属系であり、軟磁性薄膜2の材料がFeNi、CoFeSiB、FeSiAl、FeNiNb系等の金属系の場合には、上述した図2に示すように、これらの間に電気的絶縁膜5を形成する。電気的絶縁膜5としては、SiO膜やAl膜等を用いることができる。
磁気抵抗薄膜1は、外部磁界に対して高い電気抵抗変化を示すものであり、その厚みは、例えば約0.5μmである。磁気抵抗薄膜1の材料としては、磁気巨大磁気抵抗効果やトンネル磁気抵抗効果により、外部磁界に応じて数10%以上の高い電気抵抗変化を示すものが好ましく、CoAlO系、CoYO系、FeMgF系、FeCoMgF系、FeCoAlF系のナノグラニュラー合金等を好適に用いることができる。
磁気抵抗薄膜1、軟磁性薄膜2、および薄膜磁石3は、真空蒸着、スパッタリング等の公知の薄膜形成技術、およびフォトリソグラフィー、エッチング等の公知の微細加工技術により、所望の微細パターンに形成することができる。
本例の場合は、基板4上に薄膜磁石3を成膜し、短冊状に加工した後、薄膜磁石3およびその外側の基板4の領域に、直接または電気的絶縁膜5を介して軟磁性薄膜2を成膜し、その後、軟磁性薄膜2を所定形状に加工し、一対の軟磁性薄膜2の間の空隙に磁気抵抗薄膜1を形成することにより、図1または図2に示すパターンの薄膜磁界センサ10が得られる。
また、薄膜磁石3および軟磁性薄膜2は、所定の工程における磁場中熱処理により、任意の一軸異方性磁界と保磁力を付与することができる。
次に、以上のように構成される薄膜磁界センサ10の動作について動作原理を含めて説明する。
磁気抵抗薄膜1は、上述したように、巨大磁気抵抗効果やトンネル磁気抵抗効果により、外部磁界に応じて数10%以上の高い電気抵抗変化を示す。また、その磁気抵抗薄膜1の両側に設けられている一対の軟磁性薄膜2は、約数千の高い透磁率を有しており、多くの磁力線を収束するため、磁気抵抗薄膜1には強い磁界が加わる。したがって、磁気抵抗薄膜1と軟磁性薄膜2の組合せにより、外部の小さな磁界変化に対して、より大きな磁気抵抗変化を得ることができる。
一方、薄膜磁石3は、外部に大きな磁界を生成する能力を有しており、磁気抵抗薄膜1の両側に対して磁気バイアスを与える。本来、磁気抵抗薄膜1は、外部磁場に対して偶関数的な磁気特性を有し、磁界の方向を特定することができないが、磁気バイアスが与えられることにより、零磁界の近傍において陰関数的な特性に変換されるため、磁界の方向を特定することができる。なお、この磁気バイアスは、薄膜磁石の材料組成、サイズ、特に厚みによって、任意に調整することが可能である。
図3は、薄膜磁界センサの電気抵抗の外部磁場依存性を示す図である。同図中の点線に示すように、薄膜磁石がない薄膜磁界センサに関しては、外部磁場に対して偶関数的な磁気特性が示されるが、薄膜磁石により磁気バイアスが与えられると、同図中の実線のように、零磁界の近傍において陰関数的な特性に変換される。例えば、SmCo系の厚みが1μmの薄膜磁石により、約数Oe以上の磁界バイアスが磁気抵抗薄膜に印加される。
ところで、薄膜磁石3から生成される磁界は、薄膜磁界センサの外部にある計測対象物にも影響を及ぼすため、外部へ漏洩する磁界は極力小さくしなければならない。従来は、この点は考慮されておらず、上記特許文献1および2の薄膜磁界センサでは1Oe程度の漏洩磁界が発生し、微小磁界の測定が困難になる場合がある。
そこで、本実施形態では、薄膜磁石3の少なくとも磁極を含む部分を覆うように軟磁性薄膜2を設ける。すなわち、薄膜磁石3の少なくとも磁極を含む部分の上面、側面、端面を覆うように軟磁性薄膜2を設ける。具体的には、薄膜磁石3の上面の大部分、側面の大部分、端面の全部を軟磁性薄膜2で覆っている。薄膜磁石3からの漏洩磁界は、薄膜磁石3の磁極から放出されるため、少なくともその部分を軟磁性薄膜2で覆うことにより、薄膜磁石3から外部に漏洩する漏洩磁界を極めて小さくすることができる。
漏洩磁界をより小さくするためには、軟磁性薄膜2は低い磁気抵抗であることが好ましく、このように低い磁気抵抗を得る観点および製造上の観点から、軟磁性薄膜2の厚さを薄膜磁石3の厚さ以上にすることが望ましい。また、軟磁性薄膜2そのものの磁気抵抗を十分小さくするためには、その比透磁率が500以上であることが好ましい。
図4は図1(b)の薄膜磁界センサの一部を拡大して示す図であるが、上述したように、漏洩磁界をより小さくするためには、軟磁性薄膜2の厚みtsmが薄膜磁石3の厚みthm以上であることが望ましい他、薄膜磁石3の磁極の外側において軟磁性薄膜2が基板4に接する領域の幅、すなわち軟磁性薄膜2の薄膜磁石3の磁極端部からはみ出た領域の幅Wsmは、軟磁性薄膜2の厚みtsmの10倍以下であることが望ましい。Wsmがtsmの10倍を超えると、軟磁性薄膜2を経由して磁気抵抗薄膜1に向かう磁界が小さくなってしまう。
図5は、図2の軟磁性薄膜2と薄膜磁石3との間に電気的絶縁膜5を設けた薄膜磁界センサの一部を拡大して示す図であるが、同様に、軟磁性薄膜2の厚みtsmが薄膜磁石3の厚みthm以上であることが望ましい他、軟磁性薄膜2の薄膜磁石3の磁極端部からはみ出た領域の幅Wsmーsは、軟磁性薄膜2の厚みtsmの10倍以下であることが望ましい。
上記図4、図5に示すように、製造上、軟磁性薄膜2は、薄膜磁石3のエッジ近傍において薄くなりやすく、それによって磁気抵抗が増加するおそれがある。これを抑制するためには、軟磁性薄膜2の成膜の際に、例えば、基板に対して斜め入射スパッタリングによる追加成膜を行うか、または、図6のように薄膜磁石3のエッジ部に予め勾配を設けることが効果的である。図6は、図2の軟磁性薄膜2と薄膜磁石3との間に電気的絶縁膜5を設けた薄膜磁界センサにおいて、薄膜磁石3のエッジ部に勾配3aを設けた例であるが、図5に比べて薄膜磁石3のエッジ近傍における軟磁性薄膜2の厚みが厚いことがわかる。
図7は、本発明の薄膜磁界センサの漏れ磁界特性を示す図である。例えば、薄膜磁界センサの短冊状の薄膜磁石の長手方向において、ΔHで表される漏洩磁界は、約0.1Oe以下と極めて小さな値であった。
さらに、形状、成膜方法、材料等を最適化することにより、漏洩磁界が0.01Oe以下という極めて小さい値となることが期待される。
以上は、薄膜磁界センサ10そのものについて説明したが、図8に示すように、公知の薄膜形成技術および微細加工技術により、以上のような薄膜磁界センサ10を同一の基板15上に複数個一括して形成して、アレイ型薄膜磁界センサ20としてもよい。図8では薄膜磁界センサ10を周期的に形成しているが、非周期的に形成してもよい。
上述したように、薄膜磁界センサ10は薄膜磁石の漏洩磁界を小さくすることができるので、アレイ型薄膜磁界センサ20において、一つの薄膜磁界センサ10の薄膜磁石の漏洩磁界が、近接する他の薄膜磁界センサ10と磁気的に干渉し合うことを有効に防止することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、本発明の技術思想の範囲内で種々変形することが可能である。上記実施形態では薄膜磁石の上面の大部分、側面の大部分、端面の全部を軟磁性薄膜で被覆することで、薄膜磁石の少なくとも磁極を含む部分を軟磁性薄膜で被覆することを実現したが、薄膜磁石の磁極が被覆されていれば、それに限らない。また、上記実施形態では薄膜磁界センサの構成要素を単純化して示しているが、磁気抵抗薄膜、軟磁性薄膜、薄膜磁石の形状や配置については種々の形態をとることができ、また、それ以外の薄膜磁界センサの要素を付加することは許容される。
1;磁気抵抗薄膜
2;軟磁性薄膜
3;薄膜磁石
4;基板
5;電気的絶縁膜
10;薄膜磁界センサ
15;基板
20;アレイ型薄膜磁界センサ

Claims (5)

  1. 外部磁場に対して電気抵抗が変化する磁気抵抗薄膜と、
    前記磁気抵抗薄膜の両側に配された一対の軟磁性薄膜と、
    前記磁気抵抗薄膜に対して磁気バイアスを与える薄膜磁石と
    を有し、
    前記薄膜磁石は基板上に形成され、前記軟磁性薄膜は、前記薄膜磁石の上に形成されるとともに、前記薄膜磁石の少なくとも磁極を含む部分を被覆するように設けられていることを特徴とする薄膜磁界センサ。
  2. 前記軟磁性薄膜および前記薄膜磁石は、少なくとも一方が絶縁性材料で構成され、前記軟磁性薄膜は、前記薄膜磁石とが直接接するように設けられることを特徴とする請求項1に記載の薄膜磁界センサ。
  3. 前記軟磁性薄膜および前記薄膜磁石は、いずれも導電性材料で構成され、前記軟磁性薄膜と前記薄膜磁石との間に電気的絶縁膜が介在されていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜磁界センサ。
  4. 前記軟磁性薄膜の厚みは、前記薄膜磁石の厚み以上であり、前記軟磁性薄膜の前記薄膜磁石の磁極端部からはみ出た領域の幅は、前記軟磁性薄膜の厚みの10倍以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の薄膜磁界センサ。
  5. 基板上に、請求項1から請求項4のいずれかに記載の薄膜磁界センサが複数個、周期的または非周期的に配置されてなることを特徴とするアレイ型薄膜磁界センサ。
JP2015176032A 2015-09-07 2015-09-07 薄膜磁界センサおよびアレイ型薄膜磁界センサ Active JP6576175B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015176032A JP6576175B2 (ja) 2015-09-07 2015-09-07 薄膜磁界センサおよびアレイ型薄膜磁界センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015176032A JP6576175B2 (ja) 2015-09-07 2015-09-07 薄膜磁界センサおよびアレイ型薄膜磁界センサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017053655A true JP2017053655A (ja) 2017-03-16
JP6576175B2 JP6576175B2 (ja) 2019-09-18

Family

ID=58320697

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015176032A Active JP6576175B2 (ja) 2015-09-07 2015-09-07 薄膜磁界センサおよびアレイ型薄膜磁界センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6576175B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020110407A1 (ja) * 2018-11-29 2020-06-04 昭和電工株式会社 磁気センサおよび磁気センサの製造方法
JPWO2021181978A1 (ja) * 2020-03-11 2021-09-16

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04353611A (ja) * 1991-05-31 1992-12-08 Hitachi Ltd 磁気抵抗効果型ヘッド
JP2004363157A (ja) * 2003-06-02 2004-12-24 Res Inst Electric Magnetic Alloys 薄膜磁気センサ及びその製造方法
JP2008197089A (ja) * 2007-01-17 2008-08-28 Fujikura Ltd 磁気センサ素子及びその製造方法
JP2008249406A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Fujikura Ltd 磁気インピーダンス効果素子及びその製造方法
EP2703831A1 (en) * 2012-08-31 2014-03-05 Hitachi Ltd. Magnetic field sensor

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04353611A (ja) * 1991-05-31 1992-12-08 Hitachi Ltd 磁気抵抗効果型ヘッド
JP2004363157A (ja) * 2003-06-02 2004-12-24 Res Inst Electric Magnetic Alloys 薄膜磁気センサ及びその製造方法
JP2008197089A (ja) * 2007-01-17 2008-08-28 Fujikura Ltd 磁気センサ素子及びその製造方法
JP2008249406A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Fujikura Ltd 磁気インピーダンス効果素子及びその製造方法
EP2703831A1 (en) * 2012-08-31 2014-03-05 Hitachi Ltd. Magnetic field sensor

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020110407A1 (ja) * 2018-11-29 2020-06-04 昭和電工株式会社 磁気センサおよび磁気センサの製造方法
JP2020085766A (ja) * 2018-11-29 2020-06-04 昭和電工株式会社 磁気センサおよび磁気センサの製造方法
US11525871B2 (en) 2018-11-29 2022-12-13 Showa Denko K. K. Magnetic sensor and magnetic sensor manufacturing method
JP7259293B2 (ja) 2018-11-29 2023-04-18 株式会社レゾナック 磁気センサおよび磁気センサの製造方法
JPWO2021181978A1 (ja) * 2020-03-11 2021-09-16
JP7388539B2 (ja) 2020-03-11 2023-11-29 横河電機株式会社 装置および方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6576175B2 (ja) 2019-09-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Schmid et al. Transverse Spin Seebeck Effect versus Anomalous and Planar Nernst Effects<? format?> in Permalloy Thin Films
JP2008249406A (ja) 磁気インピーダンス効果素子及びその製造方法
JP5257007B2 (ja) 磁気センサー
US20100045285A1 (en) Magnetic sensor element and manufacturing method thereof
JP5210983B2 (ja) 地磁気センサ
JP5899012B2 (ja) 磁気センサ
JP6439413B2 (ja) 磁気センサ、磁気ヘッド及び生体磁気センサ
JP6413428B2 (ja) 磁気センサ、磁気ヘッド及び生体磁気センサ
US10001532B2 (en) Magnetic sensor device
US9110124B2 (en) Magnetic sensor and magnetic detection apparatus
JP2009162540A (ja) 磁気センサ及びその製造方法
JP2016125901A (ja) 磁界検知装置
JP6576175B2 (ja) 薄膜磁界センサおよびアレイ型薄膜磁界センサ
JP5802565B2 (ja) 磁気センサ
JP5935444B2 (ja) スピン伝導素子、及びスピン伝導を用いた磁気センサ及び磁気ヘッド
JP2005502052A (ja) 磁気抵抗センサのための三次元ストラップ
US8963544B2 (en) Signal transmission device
WO2013153949A1 (ja) 磁界測定装置及び磁界測定方法
JP2009271044A (ja) 電流センサ
KR101541992B1 (ko) 자발 홀 효과 마그네틱 센서 및 이를 포함하는 마그네틱 센싱 장치
JP6370768B2 (ja) 磁界検出センサ
JP2008197002A (ja) 磁気センサ
JP2011039021A (ja) 電流センサ
JP5630247B2 (ja) 回転角センサ
JP2015194389A (ja) 磁界検出装置および多面取り基板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180703

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190411

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190423

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190621

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190806

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190820

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6576175

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250