JP2017052019A - 研磨布用ドレッサー - Google Patents

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Abstract

【課題】高いパッド研削速度と高いパッド平坦性とを同時に満たすドレッサーを提供する。【解決手段】本発明は、金属製支持材の表面に複数個のダイヤモンド砥粒が単層に固着された研磨布用ドレッサーである。前記ドレッサーは、前記ダイヤモンド砥粒が、ろう材層を介して前記金属製支持材の表面に接合されて固着されており、前記ダイヤモンド砥粒の平均粒径dが3μm以上100μm未満であり、かつ、前記ろう材層の厚みが0.1d以上0.4d未満である。【選択図】なし

Description

本発明は、化学的かつ機械的平面研磨(Chemical Mechanical Planarization、以下「CMP研磨」と略す)の工程で、研磨布の平坦性を維持するため、および、目詰まりや異物除去を行うために使用される研磨布用ドレッサーに関する。
半導体ウェーハの表面を研磨する装置、あるいは、集積回路を製造する途中の配線や絶縁層の表面を平坦化する装置、磁気ハードディスク基板に使用されるAl板やガラス板の表面を平坦化する装置、等ではCMP研磨が用いられている。このCMP研磨とは、例えば、ウレタン製の研磨パッドが貼り付けられた回転基板に、微細な砥粒を含むスラリー液を供給しながら、被研磨面を押し当てて、被研磨面を平坦化する方法である。当然のことながら、この研磨パッドの研磨能力は使用時間と共に低下していくが、この低下を抑制するために、一定時間毎に研磨パッド表層部を研削して研磨パッドの平坦性を維持しながら、常に新しい面が出るようにドレッシングしている。このドレッシングに使用する部品をドレッサーと呼び、ドレッサーは、金属基板に砥粒(ダイヤモンド砥粒など)をろう付け等によって接合させて得られる。ダイヤモンド砥粒のろう付けに使用されるろう材として、例えば、Ni−Cr−Si−B−P系のろう材が特許文献1に記載されている。
最近では、集積回路のライン/スペ−スの極狭化によるパターン露光装置の浅焦点深度化、あるいは磁気ハードディスクの記録容量増加、などに伴って、被研磨面に発生するスクラッチ傷をなくすという従来からの要求に加えて、被研磨面のうねりを低減させるなど、平坦性への要求が益々高くなってきている。これらの要求に応えていくためには、ドレッシングによってパッド表面を均一に研削してパッドの平坦性を維持することが要求される。さらには、ドレッシングには、より速くパッドの目詰まりや異物を除去できる、パッド研削速度も要求される。
特許文献2は、ダイヤモンド砥粒の粒径dと隣り会う砥粒同士の中心間距離Lとを、d≦L<2dであるドレッサーが、速いパッド研削速度と高いパッドの平坦性とを両立できることを開示する。特許文献3および特許文献4は、ダイヤモンド砥粒が樹脂によって単層に固着され、かつダイヤモンド砥粒と樹脂との間に金属層が存在し、樹脂に接する金属層の表面が凹凸部を有するドレッサーが、速いパッド研削速度と高いパッドの平坦性とを両立できることを開示する。
特開2007−83352号公報 特開2009−196025号公報 特開2012−232388号公報 特開2014−14898号公報
前述したように、従来からパッド表面を均一に研削するドレッサーが開示されてはいるものの、より高いパッド研削速度とより高いパッド平坦性と同時に満たすドレッサーに対する要求は高い。しかし、パッド研削速度とパッド平坦性とはトレードオフの関係にあり、両者を同時に高めることは容易ではない。たとえば、パッド平坦性を向上させるために、砥粒径がより小さいダイヤモンド砥粒を用いようとすると、ダイヤモンド砥粒の先端部の突き出し高さが小さくなるため、パッド研削力が低下し、CMP工程の生産性が低下することがある。一方で、小さい砥粒径でより大きなパッド研削力を得るために、ろう材厚みを薄くして砥粒の突き出し高さを高くしようとすると、ろう材と砥粒との接合力が低下するため砥粒の脱落が生じ易くなることがある。
本発明は、前述した課題を解決するために、高いパッド研削速度と高いパッド平坦性とを同時に満たすドレッサーを提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明の第一は、下記の研磨布用ドレッサーである。
[1]金属製支持材の表面に複数個のダイヤモンド砥粒が単層に固着された研磨布用ドレッサーであって、
前記ダイヤモンド砥粒が、ろう材層を介して前記金属製支持材の表面に接合されて固着されており、
前記ダイヤモンド砥粒の平均粒径dが3μm以上100μm未満であり、かつ、
前記ろう材層の厚みが0.1d以上0.4d未満であることを特徴とする、研磨布用ドレッサー。
[2]前記ろう材層の組成が、質量%で、
70%≦Ni+Fe≦95%(ただし、0≦Fe/(Ni+Fe)≦0.4)、
2%≦Si+B≦15%(ただし、0≦B/(Si+B)≦0.8)、
1%≦Cr≦15%、
0.5%≦P≦4%、および、
0.2%≦X≦3%、
(ただし、XはTi、Nb、Ta、VおよびZrからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、0.2≦X/P≦4である)
であることを特徴とする、[1]に記載の研磨布用ドレッサー。
[3]前記ろう材の組成において、0.4≦X/P≦2.0であることを特徴とする、[2]に記載の研磨布用ドレッサー。
[4]前記ろう材層が、元素Xとして少なくともTiを含有し、Tiの含有量が、質量%で、0.5%≦Ti≦3%であることを特徴とする、[2]または[3]に記載の研磨布用ドレッサー。
[5]前記ろう材層が、元素Xとして少なくともTiを含有し、Tiの含有量が、質量%で、0.5%≦Ti≦1%であることを特徴とする、[2]〜[4]のいずれかに記載の研磨布用ドレッサー。
[6]隣り合うダイヤモンド砥粒同士の中心間距離をLとした場合、
前記研磨布用ドレッサー全体の砥粒数に対する、隣り会う砥粒同士の前記Lがd≦L<2dであるように配置された砥粒の割合が全体の砥粒数に対して70%以上であることを特徴とする、
[1]〜[5]のいずれかに記載の研磨布用ドレッサー。
[7]前記金属製支持材がステンレス鋼製であることを特徴とする、[1]〜[6]のいずれかに記載の研磨布用ドレッサー。
本発明の第二は、下記の研磨布用ドレッサーである。
[8]金属製支持材の表面に複数個のダイヤモンド砥粒が単層に固着された研磨布用ドレッサーであって、
前記ダイヤモンド砥粒が、ろう材層を介して前記金属製支持材の表面に接合されて固着されており、
前記ろう材層の組成が、質量%で、
70%≦Ni+Fe≦95%(ただし、0≦Fe/(Ni+Fe)≦0.4)、
2%≦Si+B≦15%(ただし、0≦B/(Si+B)≦0.8)、
1%≦Cr≦15%、
0.5%≦P≦4%、および、
0.2%≦X≦3%
(ただし、XはTi、Nb、Ta、VおよびZrからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、0.2≦X/P≦4である)
であることを特徴とする研磨布用ドレッサー。
本発明によれば、高いパッド研削速度と高いパッド平坦性とを同時に満たすドレッサーが提供される。
図1は、本発明の好ましい態様で使用するろう材に含まれるPと元素Xの量的関係を示すグラフである。
本発明に係る研磨布用ドレッサーは、金属製支持材の表面に複数個のダイヤモンド砥粒が単層に固着された研磨布用ドレッサーである。本発明に係る研磨布用ドレッサーにおいて、ダイヤモンド砥粒は、ろう材層を介して前記金属製支持材の表面に接合されて固着されており、ダイヤモンド砥粒の平均粒径dは、3μm以上100μm未満であり、かつ、前記ろう材層の厚みは、0.1d以上0.4d未満である。
本発明に係る研磨布用ドレッサーは、研削されたパッドの平坦性を高めるために、ダイヤモンド砥粒の平均粒径dを小さくしている。一方で、本発明に係る研磨布用ドレッサーは、研磨布用ドレッサーの研削速度を高めるために、ダイヤモンド砥粒の平均粒径dに対するろう材層の厚さの比率を小さくしている。しかし、前記したように、パッドの平坦性とパッドの研削速度とは、トレードオフの関係にある。本発明者は、両者を共に満足させる条件を探索した結果、ダイヤモンド砥粒の平均粒径dを3μm以上100μm未満とし、かつ、ろう材層の厚みを0.1d以上0.4d未満とすることで、研削されたパッドの平坦性をより高め、同時に、研削速度を速くすることができることを見いだした。
ダイヤモンド砥粒の平均粒径dは、任意の数のダイヤモンド砥粒の粒径を測定し、その数平均粒径とすることができる。上記ダイヤモンド砥粒の粒径は、研磨布用ドレッサーに固着していない砥粒について測定して得た値でもよいし、固着した砥粒の粒径をそのまま測定して得た値でもよい。研磨布用ドレッサーに固着していない砥粒の粒径は、研磨布用ドレッサーに固着される前の砥粒を測定して得てもよいし、研磨布用ドレッサーから剥がして集めた砥粒を測定して得てもよく、篩分級法、レーザー回折法、遠心沈降法および走査型電子顕微鏡(SEM)を含む直接観察法により測定することができる。固着した砥粒の粒径は、SEMによる直接観察法により得られる円相当径とすることができる。
上記平均粒径dを3μm以上とすることで、ダイヤモンド砥粒の一つの晶癖面を金属製支持材の表面に略平行に配置しやすくなり、パッド表面をより平坦に研磨することが可能になる。また、上記平均粒径dを100μm未満とすることで、粒径の小さいダイヤモンド砥粒を金属製支持材の表面により高密度で配置することができるため、パッド表面をより平坦に研磨することが可能になる。上記観点からは、平均粒径dは3μm以上50μm未満であれば2.0μm/分以上の研削速度と0.5μm以下のパッド平坦性が得られるため好ましく、3μm以上20μm未満であれば2.0μm/分以上の研削速度を維持した状態で0.2μm以下のパッド平坦性が得られるためより好ましい。
上記ろう材層の厚みを0.1d以上とすることで、ダイヤモンド砥粒を十分な保持力で金属製支持材の表面に固着させることができる。また、上記ろう材層の厚みを0.4d未満とすることで、従来の研磨布用ドレッサーよりもろう材層の上部に突き出した上記ダイヤモンド砥粒の高さを大きくできるため、研削力をより高め、研削速度をより速くすることが可能になる。上記観点からは、ろう材層の厚みは0.14d以上0.38d未満であればそれぞれの砥粒の平均粒径において、パッド研削速度とパッド平坦性のバランスが最適化されるためることが好ましく、0.32d以上0.38d未満であればより好ましい。
なお、上記平均粒径dの範囲において研削速度をより速くする観点からは、隣り合うダイヤモンド砥粒同士の中心間距離をLとした場合の、研磨布用ドレッサー全体の砥粒数に対する、隣り会う砥粒同士の中心間距離Lがd≦L<2dであるように配置された砥粒の割合が、全体の砥粒数に対して70%以上であることが好ましい。これは、ダイヤモンド砥粒の平均粒径dが100μm未満と小さくなる場合には、ダイヤモンド砥粒間の距離を小さくすることで研削速度を速くし、かつパッドの平坦性を高めることができるという、本発明者の知見による。上記中心間距離Lを2d以上とすることで、ダイヤモンド砥粒間の距離を小さくして、研削速度をより早くすることが可能になる。なお、上記中心間距離Lがダイヤモンド砥粒の平均粒径dよりも小さい場合は、もはや単層の砥粒を金属製支持材の表面に配置させることができない。
上記ろう材層の材料は、上記平均粒径dを有するダイヤモンド砥粒を上記ろう材層の厚さで金属製支持材の表面に十分に固着することができるものであればよい。たとえば、本発明者らの新たな知見によれば、Ni−Fe−Cr−Si系の組成のろう材に、Pと、Ti、Nb、Ta、VおよびZrからなる群から選択される少なくとも1種の元素と、を含有させたろう材によって、上記ダイヤモンド砥粒を金属製支持材の表面に十分に固着することができる。
好ましくは、上記ろう材は、質量%で、以下の組成を有する。
70%≦Ni+Fe≦95%
(ただし、0≦Fe/(Ni+Fe)≦0.4)、
2%≦Si+B≦15%
(ただし、0≦B/(Si+B)≦0.8)、
1%≦Cr≦15%、
0.5%≦P≦4%、および、
0.2%≦X≦3%、
(ただし、XはTi、Nb、Ta、VおよびZrからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、0.2≦X/P≦4である。)
Niは、上記ろう材の主元素である。NiとFeとを合わせた含有量が70%以上95%以下であり、かつ、Feの(Ni+Fe)の合計に対する割合が0.4以下であると、ろう材の融点を低くすることができ、ろう付け温度の上昇による金属製支持材への熱変形による反りおよび接合不良を生じにくくすることができるため、研削速度を速くし、研削されたパッドもより平坦にし、ダイヤモンド砥粒の脱落も生じにくくすることができる。NiとFeの好ましい含有量は72%以上93%以下であり、より好ましい含有量は75%以上93%以下である。なお、金属製支持材にステンレス等を用いる場合には、0<Fe/(Ni+Fe)≦0.4であることが好ましい。金属製支持材中にFeが含まれるために、ろう材中にもFeを含有させた方がろう材と支持材との接合性が良くなるためである。
Crは、ろう材の耐食性を上げるために含有させる。研磨布用ドレッサーは、通常、酸性あるいはアルカリ性のスラリーの下で使用される。そのため、Crの含有量を1%以上とすることで、酸またはアルカリに対する、ろう材の耐食性をより高めることができる。なお、Crの含有量を15%以下より多くしてもよいが、それ以上の耐食性の向上は見られない。
Si及びBは、ろう材の融点を低下させるために含有させる。SiとBとを合わせた含有量が2%以上15%以下であり、かつ、(Si+B)の合計に対するBの割合が0.8以下であると、ろう材の融点を低くすることができ、ろう付け温度の上昇による金属製支持材への熱変形による反りおよび接合不良を生じにくくすることができるため、研削速度を速くし、研削されたパッドもより平坦にし、ダイヤモンド砥粒の脱落も生じにくくすることができる。SiとBの好ましい含有量は、3%以上15%以下である。
ろう材の形状には、箔状と粉末状の2種類があり、箔状の形態のものを得るためには、例えば、単ロール急冷法によってアモルファス箔とする製造法が一般的に用いられている。Bは、アモルファス形成に必要な元素であるため、箔状のろう材を製造する場合には、少なくともBを1%以上は含有させる必要がある。粉末状のろう材を製造する場合には、所望の融点が得られるならば、Bは必ずしも含有させる必要はない。なお、(Si+B)の合計に対するBの対する割合を0.8より多くしても、アモルファスの形成がさらに良くなるわけではなく、かえって、箔自体が脆くなる傾向が生じてしまう。
Xは、炭化物を形成しやすい元素であり、ダイヤモンドとの炭化物を形成させてダイヤモンドとろう材との接合強度を高めて、ダイヤモンド砥粒の脱落を生じにくくするために添加する。XであるTi、Nb、Ta、VおよびZrは、炭化チタン、炭化ニオブ、炭化タンタル、炭化バナジウムおよび炭化ジルコニウムなどの炭化物を生成しやすく、これらの炭化物がダイヤモンドと接合合金との界面に生成する、ダイヤモンドの接合に有効な金属である。Xの含有量が0.2%以上であると、ろう材が高温となったときに、Xがダイヤモンド内に拡散して炭化物(たとえば、XがTiであるときは炭化チタン)を形成し、ダイヤモンドとろう材層との接合強度をより高めることができる。Xの含有量を3.0%より多くしても、上記効果の上積みは見られない。Xは、Ti、Nb、Ta、VまたはZrであり、ろう材中に1種のみ含まれても、2種以上含まれていてもよい。ろう材がXを2種以上含むときは、2種以上のXを合計した含有量を0.2%以上3.0%以下とする。好ましいXの含有量は、0.5%以上3%以下である。
接合強度を高めて上記効果をより効率的に奏する観点からは、ろう材は、Xとして少なくともTiを含有し、かつ、ろう材中におけるTiの含有量が、0.5%以上3.0%以下であることが好ましい。上記観点からは、ろう材は、Xとして少なくともTiを含有し、かつ、ろう材中におけるTiの含有量が、0.5%以上1%以下であることがより好ましい。
Pは、ろう材単独で測定した融点とろう材を金属製支持材に接合させて測定した融点の差をなくして、溶融温度を安定化させるために、含有させる。Pは、ろう材の厚み、接合温度、接合時間が変わった場合においても溶融温度を安定化させることを可能にするため、従来は余裕をみて高めに設定していたろう付け温度を低下させることを可能とし、金属製支持材の熱による変形も軽減させる。また、Pは、砥粒を金属製支持材にろう付けする場合に、砥粒とろう材との濡れ性を高めるため、接合性を安定化させ、砥粒の脱落も抑制する。Pの含有量を0.5%以上とすることで、このような融点安定化の効果を得ることができる。Pの含有量を4%以下とすることで、砥粒とろう材との濡れ性を適切な範囲に調整し、ろう材が砥粒を覆ってしまうことを防ぐことができる。より好ましいPの含有量の範囲は0.5%≦P≦4%である。砥粒サイズが小さくなると、砥粒がろう材でより覆われ易くなるが、Pの上限を4%とすることによって、より確実にそれを防ぐことができるからである。
また、本発明者は、Pが、Xの添加によるダイヤモンド表面の黒鉛化を防ぐことを見出した。ろう材にXを添加すると、上記のように、ダイヤモンドを構成する炭素がXとの炭化物となってろう材とダイヤモンドとの接合強度が高くなるが、一方で、上記炭素の結晶構造が変化し、黒鉛化してしまうため、接合強度の向上には限界がある。これに対し、ろう材にXとPとを複合して添加することで、ダイヤモンドの接合強度をより高め、ダイヤモンド砥粒の脱落を生じにくくすることができる。これは、Pの添加により、Xによる上記ダイヤモンドの黒鉛化が抑制されるためと考えられる。XとPとの含有量の比(X/P)が0.2以上であれば、Pによる、上記ダイヤモンドの黒鉛化の抑制効果が見られる。また、X/Pを4.0以下とすることで、Xに対して十分な量のPがろう材中に存在し、かつダイヤモンド砥粒とろう材との間の濡れ性が大きくなり過ぎないため、Xによる上記ダイヤモンドの黒鉛化をPが十分に抑制し、ダイヤモンドとろう材層との接合強度を高めることができる。好ましいX/Pの範囲は、0.4以上2.0以下である。
図1は、本発明の好ましい態様で使用するろう材に含まれるPと元素Xの量的関係を示すグラフであり、abdefhで囲われた領域が、0.5%≦P≦4.0%、0.2%≦X≦3.0%、および0.2≦X/P≦4.0の3つの条件を全て満たす領域である。このグラフから明らかなように、Pの含有量が増えるにつれて、Xの下限値は上昇する。その理由は、Pが増えると、化合物P−Xも増え、カ−バイド形成に費やされるべきXの一部が消費されてしまうからである。本発明においてより好ましい範囲は、0.5%≦P≦4.0%、0.2%≦X≦3.0%、および0.4≦X/P≦2.0の3つの条件を全て満たす、グラフ中のcdghiで囲われた領域である。この領域においては、Pの含有量が増えるにつれて、Xの下限値は更に上昇する。
上記の組成を有するろう材層は、ダイヤモンドへの接合力が高いため、ダイヤモンド砥粒の平均粒径dを3μm以上100μm未満とし、かつ、ろう材層の厚みを0.1d以上0.4d未満としたときでも、金属製支持材の表面にダイヤモンド砥粒を十分に固着することができる。
金属製支持材は、酸性あるいはアルカリ性のスラリーとの反応が生じにくいことが好ましく、具体的にはステンレス鋼が好ましい。金属製支持材に好ましく用いられるステンレス鋼の例には、代表的なステンレスであるSUS304、SUS316およびSUS430が含まれる。また、炭素鋼等の一般構造用鋼の表面にNi等のめっきをしたものも使用可能である。
金属製支持材の形状は、特に限定されるものではなく、八角形、二十角形等の多角形の形状でもよいが、金属製支持材自体が回転しながらパッドを研削するので、均一研削性を担保するためには円盤状であることが好ましい。
本発明に係る研磨布用ドレッサーは、以下のように製造されうる。先ず、金属製支持材の表面にろう材を仮付けする。その後、ダイヤモンド砥粒を、ろう材を仮付けした金属製支持材の表面に、所定の間隔で配列する。このとき、ダイヤモンド砥粒がずれないように糊などで仮止めしてもよい。次に、10−3Pa程度に真空引きした後、ろう材が溶融する温度まで環境を昇温する。糊等は、昇温の途中で殆どが気化する。ろう材を溶融させる温度は、ろう材の融点以上であって、できるだけ低温であることが好ましい。高くてもろう材の液相線温度+20℃程度以内が好ましい。温度が高い場合には、金属製支持材の熱による変形が大きくなるからである。ろう付け温度における保持時間は、5〜30分程度あれば十分である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り、「質量%」を表す。
[実施例1]
ダイヤモンド砥粒として、平均粒径dが、1.5μm、3.5μm、7.5μm、15μm、50μm、75μm、95μm、110μmのものをそれぞれ使用し、ろう材厚みが0.2μm〜80μmである研磨布用ドレッサーを作製した。
ろう材の組成は、Ni−4.2%Si−3.0%B−7.0%Cr−1.0%P−2.0%Tiだった。
1.ドレッサーの製造
上記ろう材の組成を有する合金を溶製し、母合金を作製した。この母合金を用いて、公知の単ロール急冷法によって、厚みが15μm〜40μm、幅が50mmの箔を製造した。具体的には、0.4mm〜0.6mm×50mmのスロットノズルを備えた石英るつぼで溶製した母合金を溶解し、周速20〜30mm/秒で回転しているCu製冷却ロール上にスロットノズルを通じて溶湯を噴出して箔を製造した。この方法で得られた箔の厚みは、15〜40μmであった。これらの箔のうち、所望の厚みのものを選択して、ろう材厚みが15〜40μmのろう材とした。また、これらの箔に対して、フッ酸系、あるい、塩酸系の化学エッチング液を用いてエッチングを行い、ろう材厚みを15μmより薄くしたろう材を製造した。単ロール法によって得られる箔はアモルファスであり、箔内の組成が均一となっているためエッチングによって均一に薄くすることができた。また、複数枚の上記箔を重ねて、ろう材厚みを40μmより厚くしたろう材を製造した。
金属製支持材には、SUS304ステンレス製の直径100mm、厚み4mmの円盤を用いた。この金属製支持材の片面に描いた半径35mmの円と半径48mmの円の間のドーナツ状領域に砥粒を配置した。その際、ドーナツ状領域を金属製支持材の中心からから見て等角度で6つのアーク状に分割し、それぞれの隣どうしのアーク状領域に2mm幅で砥粒を配置しない領域を設けた。ダイヤモンド砥粒の配置パターンは正方形配置とした。
砥粒を配置するために、それぞれのドレッサーに固着させる砥粒の大きさdと所定の砥粒間隔Lの配置パターンと同じパターンに合わせて篩を作製し、この篩を通して砥粒を金属製支持材上に配置していった。具体的には、砥粒を配置する領域に所定厚みのろう材をスポット領域で仮固定する。この箔の上に有機系バインダーを塗布し、その上から篩を通じて砥粒を配置した。その後、加熱炉を用いて、1000℃で20分間、10−3Paの真空中でろう付け処理を行った。ろう材の厚みは、断面を光学顕微鏡、または、SEMで観察して測定した。
このようにして、表1および表2に記載のそれぞれのドレッサーを製造した。
2.ドレッサーの評価
上記作製したドレッサーを用いて、実際にパッドを研削し、研削後のパッド厚み減少量からパッドの研削速度、パッド平坦性およびダイヤモンド砥粒の脱落数を求めた。パッドは発砲ポリウレタン製であり、パッドの直径は250mmだった。
このパッドを研磨盤の上に貼り付けた。ドレッサーを、回転機構とパッドの半径方向に揺動する機構を備えた装置に固定し、加圧機構によって1kgの加重を加えて、パッドに押し付けた。ドレッサーの中心をパッド半径方向にパッド中心から30mm〜90mmの範囲で半径方向に揺動させた。パッド回転数は90rpm、ドレッサー回転数は80rpm、揺動は10往復/分とした。パッド回転方向とドレッサーの回転方向は同じである。研削全面が水の膜で覆われる程度に水を供給した。
研削開始後5分が経過した時点で一端、研削を中断して、互いに直交する2本の直径上に沿ってパッド厚みを測長顕微鏡で測定した。1つの直径を等間隔で10等分し、等分した部位のほぼ真中付近を合計で20点測定し、平均値を求めた。再び研削を続けて、15時間後に同様な測定を行った。パッド厚みの平均値から、研削開始後5分から15時間の研削時間の間における平均のパッド研削速度を求めた。平坦性は、15時間後に測定した20点の値の中で最大値から最小値を引いた値として求めた。
ダイヤモンド砥粒の脱落数は、ドレッサーに固着しているダイヤモンド砥粒の個数を研削の前後それぞれにマイクロスコープで観察して数えて、研削前に固着しているダイヤモンド砥粒の個数から、研削後に固着しているダイヤモンド砥粒の個数を減算して求めた。
上記測定されたパッドの研削速度、パッド平坦性およびダイヤモンド砥粒の脱落数の結果を、砥粒平均粒径d、ろう材厚み、ろう材層厚み/d、L/dおよびd≦L<2dを満たす砥粒割合と共に表1および表2に示す。
Figure 2017052019
Figure 2017052019
表1および表2から明らかなように、ダイヤモンド砥粒の平均粒径dが3μm以上100μm未満であり、かつ、前記ろう材層の厚みが0.1d以上0.4d未満である発明例のドレッサーは、研削速度が速く、研削されたパッドもより平坦であり、ダイヤモンド砥粒の脱落も生じなかった。
一方、ダイヤモンド砥粒の平均粒径dが3μm未満である比較例No.1および比較例No.2のドレッサーは、ダイヤモンド砥粒の脱落数が12個以上であった。また、ダイヤモンド砥粒の平均粒径dが100μmより大きい比較例No.32〜比較例No.35のドレッサーは、パッドの厚みの差が大きく、平坦性が他のドレッサーよりも劣化していた。
ろう材層の厚みが0.1dより小さい比較例No.3、比較例No.7、比較例No.12、比較例No.17、比較例No.22、比較例No.27、比較例No.32は、おそらくはダイヤモンド砥粒の接合強度が低下したため、ダイヤモンド砥粒の脱落数が5個以上であった。
ろう材層の厚みが0.4dより大きい比較例No.2、比較例No.6、比較例No.11、比較例No.16、比較例No.21、比較例No.26、比較例No.31、比較例No.35のドレッサーは、L/dの値が同じ比較例No.1、発明例No.5、発明例No.9、発明例No.14、発明例No.19、発明例No.24、発明例No.29、発明例No.34とそれぞれ比較したときに、パッド研削速度が0.78〜0.85倍に遅くなった。
隣り会う砥粒同士の前記Lがd≦L<2dであるように配置された砥粒の割合が全体の砥粒数に対して70%以上である発明例No.9、発明例No.14、発明例No.19、発明例No.24、発明例No.29のドレッサーは、上記配置された砥粒の割合が70%未満である発明例No.10、発明例No.15、発明例No.20、発明例No.25、発明例No.30とそれぞれ比較したときに、パッド研削速度はほぼ変わらないが、一方でパッド平坦性が0.59〜0.66倍と小さかった。
[実施例2]
ダイヤモンド砥粒として、平均粒径dが15μmのものを使用し、実施例1と同様にしてドレッサーを製造し、実施例1と同様にしてパッドの研削速度、パッド平坦性およびダイヤモンド砥粒の脱落数を測定した。
このとき、ろう材の組成は、Pを1.0%、Tiを2.0%としたほかは、表3および表4に記載のように変更した。ろう材層の厚みは、ろう材層の厚み/dが0.32〜0.37の範囲になるよう調整した。L/dは、1.5とした。隣り会う砥粒同士の中心間距離Lがd≦L<2dであるように配置された砥粒の割合は、全体の砥粒数に対して100%だった。
上記測定されたパッドの研削速度、パッド平坦性およびダイヤモンド砥粒の脱落数の結果を、ろう材層の組成と共に表3および表4に示す。
Figure 2017052019
Figure 2017052019
表3および表4の結果から明らかなように、ろう材中のNi+Feの含有量が70%以上95%以下であり、Fe/(Ni+Fe)が0.4%以下であり、Si+Bの含有量が2%以上15%以下であり、B/(Si+B)が0.8%以下であり、Pの含有量が0.5%以上4%以下であり、X(Ti)の含有量が0.2%以上3%以下である発明例のドレッサーは、研削速度が速く、研削されたパッドもより平坦であり、ダイヤモンド砥粒の脱落も生じなかった。
一方で、Ni+Feの含有量が70%以上95%以下、またはFe/(Ni+Fe)が0.4%以下の条件を満たさない発明例No.41、発明例No.52、発明例No.56のドレッサーは、1個以上3個以下のダイヤモンド砥粒の脱落が生じた。
Si+Bの含有量が2%以上15%以下の条件を満たさない発明例No.42、発明例No.51では、おそらくはろう材の融点が上昇して、1000℃のろう付け温度ではダイヤモンド砥粒の接合不良が生じたため、1個以上3個以下のダイヤモンド砥粒の脱落が生じた。
B/(Si+B)が0.8%より多い発明例No.61では、おそらくはろう材が脆くなったため、3個のダイヤモンド砥粒の脱落が生じた。
[実施例3]
ダイヤモンド砥粒として、平均粒径dが50μmのものを使用し、実施例1と同様にしてドレッサーを製造し、実施例1と同様にしてパッドの研削速度、パッド平坦性およびダイヤモンド砥粒の脱落数を測定した。
このとき、ろう材の組成は、Pを3.7%、Tiを2.8%としたほかは、表5に記載のように変更した。ろう材層の厚みは、ろう材層の厚み/dが0.32〜0.37の範囲になるよう調整した。L/dは、1.7とした。隣り会う砥粒同士の中心間距離Lがd≦L<2dであるように配置された砥粒の割合は、全体の砥粒数に対して100%だった。
上記測定されたパッドの研削速度、パッド平坦性およびダイヤモンド砥粒の脱落数の結果を、ろう材層の組成と共に表5に示す。
Figure 2017052019
表5の結果から明らかなように、ろう材中のNi+Feの含有量が70%以上95%以下であり、Fe/(Ni+Fe)が0.4%以下であり、Si+Bの含有量が2%以上15%以下であり、B/(Si+B)が0.8%以下であり、Pの含有量が0.5%以上4%以下であり、X(Ti)の含有量が0.2%以上3%以下である発明例のドレッサーは、ダイヤモンド砥粒の平均粒径dが50μmであっても、研削速度が速く、研削されたパッドもより平坦であり、ダイヤモンド砥粒の脱落も生じなかった。
[実施例4]
ダイヤモンド砥粒として、平均粒径dが15μmのものを使用し、実施例1と同様にしてドレッサーを製造し、実施例1と同様にしてパッドの研削速度、パッド平坦性およびダイヤモンド砥粒の脱落数を測定した。
このとき、ろう材の組成は、Feを0.08%、Siを4.2%、Bを3.0%、Crを7.0、PおよびXを表6および表7に記載の量、Niを残量とした。ろう材層の厚みは、ろう材層の厚み/dが0.32〜0.37の範囲になるよう調整した。L/dは、1.5とした。隣り会う砥粒同士の中心間距離Lがd≦L<2dであるように配置された砥粒の割合は、全体の砥粒数に対して100%だった。
上記測定されたパッドの研削速度、パッド平坦性およびダイヤモンド砥粒の脱落数の結果を、ろう材層の組成と共に表6および表7に示す。
尚、表6および表7において、「図1の範囲」の欄には、XとPの含有量が、図1のcdghiで囲まれる範囲内のものを「A」、abciで囲まれる範囲内のものを「B1」、場合をdefgで囲まれる範囲内のものを「B2」、これら範囲から外れるものを「C」と表記した。また、「X」の欄には、Xとして用いた元素を括弧内に表記した。
Figure 2017052019
Figure 2017052019
表6および表7の結果から明らかなように、ろう材中のNi+Feの含有量が70%以上95%以下であり、Fe/(Ni+Fe)が0.4%以下であり、Si+Bの含有量が2%以上15%以下であり、B/(Si+B)が0.8%以下であり、Pの含有量が0.5%以上4%以下であり、X(Ti)の含有量が0.2%以上3%以下である発明例のドレッサーは、ダイヤモンド砥粒の平均粒径dが50μmであっても、研削速度が速く、研削されたパッドもより平坦であり、ダイヤモンド砥粒の脱落も2個以下と少なかった。
さらに、X/Pが0.4以上2.0以下であり、図1のcdghiで囲まれる範囲内に含まれる発明例No.89、発明例No.90、発明例No.94〜発明例No.96、発明例No.99、発明例No.100、発明例No.103〜発明例No.105、発明例No.107では、ダイヤモンド砥粒の脱落が生じなかった。これは、X/Pがこの範囲であると、接合に寄与するカーバイドが十分に形成されて接合強度が大きくなり、かつ、Pによるダイヤモンド表面の黒鉛化の抑制効果もより十分に発揮されたためと考えられる。
一方で、Pの含有量が0.5%より少ない発明例No.81、発明例No.86、発明例No.92、発明例No.98、発明例No.106では、おそらくはPによる黒鉛化の抑制効果が少なかったため、2個または3個のダイヤモンド砥粒の脱落が生じた。
Pの含有量が4.0%より多い発明例No.85、発明例No.91、発明例No.97、発明例No.102では、おそらくはダイヤモンド砥粒とろう材との間の濡れ性が過大となって、ダイヤモンド砥粒の突き出し高さが十分とならなかったため、研削速度が低下する傾向が観られた。
X(Ti)の含有量が0.2%未満である発明例No.110、発明例No.111では、おそらくは炭化物形成元素の含有量が少なく、カーバイドによる接合強度がより小さかったため、4個のダイヤモンド砥粒の脱落が生じた。
X(Ti)の含有量が3.0%より大きい発明例No.81〜発明例No.85でも、研削速度、パッド平坦性、およびダイヤモンド砥粒の脱落に変化はなかった。そのため、おそらくは3.0%でX(Ti)の効果は飽和していると考えられる。
X/Pが0.2より小さい発明例No.109、発明例No.110、発明例No.111では、おそらくは炭化物形成元素の含有量が少なく、カーバイドによる接合強度がより小さかったため、3個または4個のダイヤモンド砥粒の脱落が生じた。
[実施例5]
実施例4で製造したドレッサーのうち、表8に示すものについて、パッドを研削するときの加重を3.5kgにした以外は実施例4と同様にしてダイヤモンド砥粒の脱落数を測定した。
上記測定されたダイヤモンド砥粒の脱落数の結果を、ろう材層の組成と共に表8に示す。
尚、表8において、「図1の範囲」の欄には、XとPの含有量が、図1のcdghiで囲まれる範囲内のものを「A」、abciで囲まれる範囲内のものを「B1」、場合をdefgで囲まれる範囲内のものを「B2」、これら範囲から外れるものを「C」と表記した。また、「X」の欄には、Xとして用いた元素を括弧内に表記した。
Figure 2017052019
表8の結果から明らかなように、元素XとしてTiを含有し、Tiの含有量が、0.5%以上3%以下である発明例No.89、発明例No.90、発明例No.94〜発明例No.96、発明例No.100、発明例No.103〜発明例No.105、では、加重が3.5kgに増えても、ダイヤモンド砥粒の脱落は少なかった。
さらに、元素XとしてTiを含有し、Tiの含有量が、0.5%以上1%以下である発明例No.103〜発明例No.105では、加重が3.5kgに増えても、ダイヤモンド砥粒の脱落が生じなかった。
一方で、Tiの含有量が、0.5%未満である発明例No.107、発明例No.108では、加重が3.5kgに増えると、ダイヤモンド砥粒の脱落数が増えた。
[実施例6]
ダイヤモンド砥粒として、平均粒径dが15μmのものを使用し、実施例1と同様にしてドレッサーを製造し、実施例1と同様にしてパッドの研削速度、パッド平坦性およびダイヤモンド砥粒の脱落数を測定した。
このとき、ろう材の組成は、Feを0.08%、Siを4.2%、Bを3.0%、Crを7.0、PおよびXを表9および表10に記載の量、Niを残量とした。ろう材層の厚みは、ろう材層の厚み/dが0.32〜0.37の範囲になるよう調整した。L/dは、1.5とした。隣り会う砥粒同士の中心間距離Lがd≦L<2dであるように配置された砥粒の割合は、全体の砥粒数に対して100%だった。
上記測定されたパッドの研削速度、パッド平坦性およびダイヤモンド砥粒の脱落数の結果を、ろう材層の組成と共に表9および表10に示す。
尚、表9および表10において、「図1の範囲」の欄には、XとPの含有量が、図1のcdghiで囲まれる範囲内のものを「A」、abciで囲まれる範囲内のものを「B1」、場合をdefgで囲まれる範囲内のものを「B2」、これら範囲から外れるものを「C」と表記した。また、「X」の欄には、Xとして用いた元素を括弧内に表記した。
Figure 2017052019
Figure 2017052019
表9および表10の結果から明らかなように、XとしてNb、Ta、VまたはZrを含有する発明例のドレッサーも、研削速度が速く、研削されたパッドもより平坦であり、ダイヤモンド砥粒の脱落も2個以下と少なかった。
また、XがTiの場合と同様に、X/Pが0.4以上2.0以下であり、図1のcdghiで囲まれる範囲内に含まれる発明例No.122〜発明例No.124、発明例No.126、発明例No.128〜発明例No.130、発明例No.132、発明例No.134〜発明例No.136、発明例No.138、発明例No.140〜発明例No.142、発明例No.144では、ダイヤモンド砥粒の脱落が生じなかった。これは、X/Pがこの範囲であると、接合に寄与するカーバイドが十分に形成されて接合強度が大きくなり、かつ、Pによるダイヤモンド表面の黒鉛化の抑制効果もより十分に発揮されたためと考えられる。
[実施例7]
ダイヤモンド砥粒として、平均粒径dが15μmのものを使用し、実施例1と同様にしてドレッサーを製造し、実施例1と同様にしてパッドの研削速度、パッド平坦性およびダイヤモンド砥粒の脱落数を測定した。ただし、ダイヤモンド砥粒の脱落数は、パッドを研削するときの加重を1.0kgとしたときと3.5kgとしたときの両方で測定した。
このとき、ろう材の組成は、Feを0.08%、Siを4.2%、Bを3.0%、Crを7.0、PおよびXを表11、表12および表13に記載の量、Niを残量とした。ろう材層の厚みは、ろう材層の厚み/dが0.32〜0.37の範囲になるよう調整した。L/dは、1.5とした。隣り会う砥粒同士の中心間距離Lがd≦L<2dであるように配置された砥粒の割合は、全体の砥粒数に対して100%だった。
上記測定されたパッドの研削速度、パッド平坦性およびダイヤモンド砥粒の脱落数の結果を、ろう材層の組成と共に表11、表12および表13に示す。
尚、表11、表12および表13において、「図1の範囲」の欄には、XとPの含有量が、図1のcdghiで囲まれる範囲内のものを「A」と表記した。また、「X」の欄には、Xとして用いた元素を括弧内に表記した。
Figure 2017052019
Figure 2017052019
Figure 2017052019
表11〜表13の結果から明らかなように、XとしてTi、Nb、Ta、VまたはZrのうち2種類以上の元素を含有する本発明のドレッサーも、研削速度が速く、研削されたパッドもより平坦であり、ダイヤモンド砥粒の脱落も加重1kgでは生じなかった。
ただし、Tiを含有しない発明例No.167〜発明例No.178のドレッサーは、加重を3.5kgにしたときに2個以上4個以下のダイヤモンド砥粒の脱落が見られた。
また、Xの含有量が0.2%以上3%以下の範囲内であり、Xとして少なくともTiを含有していても、Tiの含有量が0.5%未満である発明例No.151、発明例No.155、発明例No.159、発明例No.163のドレッサーでは、加重を3.5kgにしたときに2個のダイヤモンド砥粒の脱落が見られた。
また、Xの含有量が0.2%以上3%以下の範囲内であり、Xとして少なくともTiを含有していても、Tiの含有量が1.0%より多い発明例No.154、発明例No.158、発明例No.162、発明例No.166のドレッサーでは、加重を3.5kgにしたときに1個のダイヤモンド砥粒の脱落が見られた。
これらの結果から、元素Xとして少なくともTiを含有し、Tiの含有量が0.5%≦Ti≦1%であると、ダイヤモンド砥粒の接合力が高くなり、ダイヤモンド砥粒の脱落が抑制できることがわかった。
[実施例8]
実施例1と同様にしてろう材層を製造した。
金属製支持材には、SUS304ステンレス製の直径100mm、厚み4mmの円盤を用いた。この金属製支持材の片面に描いた半径35mmの円と半径48mmの円の間のドーナツ状領域に平均粒径dが50μmのダイヤモンド砥粒を配置した。その際、ドーナツ状領域を金属製支持材の中心からから見て等角度で6つのアーク状に分割し、それぞれの隣どうしのアーク状領域に2mm幅で砥粒を配置しない領域を設けた。
ダイヤモンド砥粒配置領域に格子状にメッシュを描き、その交点にダイヤモンド砥粒を配置した。格子間隔が砥粒中心間距離Lに相当する。その際、格子間隔を85μm(L=1.7d)と160μm(L=3.2d)の二つとし、両者を所定の割合でランダムに配置させた。具体的には、先ず、ステンレス製支持材のダイヤモンド配置領域にスポット溶接で箔状のろう材を仮付けした。次に、ダイヤモンドが通り抜ける程度の穴を配置した篩を作製し、その篩を支持材の上に置いて篩を通してダイヤモンドを配置した。篩に穴を開ける場合の穴に位置決めは、間隔が85μmである格子と160μmである格子をランダムに配置させた格子を描き、それらの各格子点に穴を開けた。Lが85μmである格子辺の数をN85、160μmである数をN160とした場合、{N85/(N85+N160)}×100(%)が表8に示す値になるように設計した。
このようにして、表14に記載のそれぞれのドレッサーを製造した。
表14に記載のそれぞれのドレッサーについて、パッドの研削速度、パッド平坦性およびダイヤモンド砥粒の脱落数を、実施例1と同様に測定した。
上記測定されたパッドの研削速度、パッド平坦性およびダイヤモンド砥粒の脱落数の結果を、{N85/(N85+N160)}×100(%)と共に表14に示す。
Figure 2017052019
表14の結果から明らかなように、隣り会う砥粒同士の前記Lがd≦L<2dであるように配置された砥粒の割合が全体の砥粒数に対して70%以上である発明例No.181〜発明例No.183のドレッサーでは、研削速度が速く、研削されたパッドもより平坦だった。
したがって、本発明の研磨布用ドレッサーは、様々な研磨装置の研磨パッドのドレッシングに適用可能である。

Claims (8)

  1. 金属製支持材の表面に複数個のダイヤモンド砥粒が単層に固着された研磨布用ドレッサーであって、
    前記ダイヤモンド砥粒が、ろう材層を介して前記金属製支持材の表面に接合されて固着されており、
    前記ダイヤモンド砥粒の平均粒径dが3μm以上100μm未満であり、かつ、
    前記ろう材層の厚みが0.1d以上0.4d未満であることを特徴とする、研磨布用ドレッサー。
  2. 前記ろう材層の組成が、質量%で、
    70%≦Ni+Fe≦95%(ただし、0≦Fe/(Ni+Fe)≦0.4)、
    2%≦Si+B≦15%(ただし、0≦B/(Si+B)≦0.8)、
    1%≦Cr≦15%、
    0.5%≦P≦4%、および、
    0.2%≦X≦3%、
    (ただし、XはTi、Nb、Ta、VおよびZrからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、0.2≦X/P≦4である)
    であることを特徴とする、請求項1に記載の研磨布用ドレッサー。
  3. 前記ろう材の組成において、0.4≦X/P≦2.0であることを特徴とする、請求項2に記載の研磨布用ドレッサー。
  4. 前記ろう材層が、元素Xとして少なくともTiを含有し、Tiの含有量が、質量%で、0.5%≦Ti≦3%であることを特徴とする、請求項2または3に記載の研磨布用ドレッサー。
  5. 前記ろう材層が、元素Xとして少なくともTiを含有し、Tiの含有量が、質量%で、0.5%≦Ti≦1%であることを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の研磨布用ドレッサー。
  6. 隣り合うダイヤモンド砥粒同士の中心間距離をLとした場合、
    前記研磨布用ドレッサー全体の砥粒数に対する、隣り会う砥粒同士の前記Lがd≦L<2dであるように配置された砥粒の割合が全体の砥粒数に対して70%以上であることを特徴とする、
    請求項1〜5のいずれかに記載の研磨布用ドレッサー。
  7. 前記金属製支持材がステンレス鋼製であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の研磨布用ドレッサー。
  8. 金属製支持材の表面に複数個のダイヤモンド砥粒が単層に固着された研磨布用ドレッサーであって、
    前記ダイヤモンド砥粒が、ろう材層を介して前記金属製支持材の表面に接合されて固着されており、
    前記ろう材層の組成が、質量%で、
    70%≦Ni+Fe≦95%(ただし、0≦Fe/(Ni+Fe)≦0.4)、
    2%≦Si+B≦15%(ただし、0≦B/(Si+B)≦0.8)、
    1%≦Cr≦15%、
    0.5%≦P≦4%、および、
    0.2%≦X≦3%
    (ただし、XはTi、Nb、Ta、VおよびZrからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、0.2≦X/P≦4である)
    であることを特徴とする研磨布用ドレッサー。
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