JP2013086982A - 焼結ダイヤモンド製スクライビングホイール及びその製造方法 - Google Patents

焼結ダイヤモンド製スクライビングホイール及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高温状態の脆性材料基板のスクライブに有用な焼結ダイヤモンド製スクライビングホイール及びその製造方法を提供する
【解決手段】ダイヤモンド微粒子と、コバルトを主成分とする鉄系金属からなる結合材と、超微粒子炭化物と、を含み、ディスク状ホイールの円周部に沿った全周にわたりV字型の刃が形成されている焼結ダイヤモンド製スクライビングホイール10であって、刃の結合材の濃度は、加工により低くされている。刃の結合材の濃度を低くするには、焼結ダイヤモンド製スクライビングホイール10をフッ化水素酸と硝酸との混合溶液中に浸漬し、結合材の一部を溶解させればよい。
【選択図】図7

Description

本発明は、焼結ダイヤモンド製スクライビングホイール及びその製造方法に関し、特に高温状態のガラス基板をスクライブしても寿命が長い焼結ダイヤモンド製スクライビングホイール及びその製造方法に関する。
従来、液晶表示パネルや有機エレクトロルミネッセンス(EL)パネル等のフラットディスプレイパネル、太陽電池等の製造工程では、マザーガラス基板等の脆性材料基板のスクライブ工程が設けられている。また、ガラス素材の製造工程においても、ガラスリボンからのガラス板の切り出し工程が設けられている。これらの分断工程ないし切り出し工程では、スクライビングホイールに脆性基板の材質や厚み等の諸条件に見合った加重を負荷しながら、スクライビングホイールを脆性基板の表面上を転動させてスクライブラインを形成し、脆性基板に所定の力を負荷することによって脆性基板をスクライブラインに沿って分断し、個々のパネルやガラス板を製造している。
これらのスクライビングホイールとして、ディスク状ホイールの円周部に沿ってV字形の刃を形成したもの(下記特許文献1参照)や、ディスク状ホイールの円周部に沿ってV字型分の刃を形成すると共にこのV字形の刃に一定ピッチで一定高さの突起ないし一定深さの溝を形成したもの(下記特許文献2参照)も知られている。さらに、スクライビングホイールとして、鋼や超硬合金製のものだけでなく、焼結ダイヤモンド製のものも知られている(下記特許文献3参照)。
なお、焼結ダイヤモンドは、ダイヤモンド微粒子と、コバルト、ニッケル及び鉄等の鉄属金属を含む結合材とから、高温高圧条件下で作製されており、他に、タングステンや、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム及びモリブデンからなる群より選択される少なくとも1種の金属の炭化物が添加される場合もある(下記特許文献4参照)。
特開平06−056451号公報 特許第3074143号明細書 特開2011−093189号公報 特開2010−208942号公報 特開2001−080928号公報
焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールは、焼結ダイヤモンド自体が強度、耐摩耗性、耐衝撃性に優れているため、常温下でのガラスのスクライビングに用いると非常に長寿命のものとなることが知られている。しかしながら、近年、ガラス板の製造効率の向上の目的で、切断対象のガラス板が常温まで冷却されていない高温状態のまま、すなわち、ガラス板が約200℃〜400℃の範囲にあるうちに切断することが要求されるようになってきている(上記特許文献5参照)。しかしながら、このような高温状態のガラス板のスクライブラインの形成に焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールを使用すると、その寿命が大幅に短くなることが問題となっている。
ここで、使用前後の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの刃先の電子顕微鏡写真を図8に示す。なお、図8Aは使用前(スクライビングホイールの走行前)の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの刃先の電子顕微鏡写真であり、図8Bは高温状態のガラス板のスクライブに使用して寿命が到来した焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの刃先の電子顕微鏡写真であり、スクライビングホイールの形状は上記特許文献2に開示されているものと同様に、ディスク状ホイールの円周部に沿ってV字型分の刃を形成すると共にこのV字形の刃に一定ピッチで一定高さの突起ないし一定深さの溝を形成したものである。
図8A及び図8Bを対比すると明らかなように、高温状態のガラス板のスクライブに使用した焼結ダイヤモンド製スクライビングホイール(図8B)は、刃先稜線の摩耗の仕方が激しく、いびつな形状に摩耗していることが認められた。このような現象が生じる理由は、以下のとおりであると推測される。すなわち、焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールは、主成分として、ダイヤモンド微粒子とコバルトを主成分とする鉄系金属からなる結合材とで構成されているため、高温時にダイヤモンド微粒子とコバルトを主成分とする鉄系金属からなる結合材とが固溶し、ダイヤモンド微粒子の黒鉛化によってスクライビングホイールの素材の劣化が促進されること、さらには、熱膨張率がダイヤモンド微粒子とコバルトを主成分とする鉄系金属からなる結合材とで異なるために、スクライビングホイールの素材に歪みが生じることにより劣化し易くなり、スクライビングホイールの寿命が短くなるものとも推測される。
発明者等は、上述のような焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールにおける従来技術の問題点を解決すべく種々検討を重ねた結果、スクライビングホイールの表面側のコバルトを主成分とする鉄系金属からなる結合材濃度を内部側のコバルトを主成分とする鉄系金属からなる結合材濃度よりも低くすると、従来のものよりも、スクライビングホイールの素材強度は低下するが、高温状態のガラス板のスクライブラインの形成においてはスクライビングホイールの寿命が長くなることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、高温状態のガラス基板をスクライブしても寿命が長い焼結ダイヤモンド製スクライビングホイール及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールは、ダイヤモンド微粒子と、コバルトを主成分とする鉄系金属からなる結合材と、を含み、ディスク状ホイールの円周部に沿った全周にわたりV字型の刃が形成されている焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールであって、前記刃の表面側のコバルトを主成分とする鉄系金属からなる結合材の濃度を低くする加工がされていることを特徴とする。
焼結ダイヤモンドは、ダイヤモンドと、コバルトを主成分とする鉄系金属からなる結合材を含んでいるが、高温条件下ではコバルトを主成分とする鉄系金属からなる結合材が存在すると、ダイヤモンドとコバルトを主成分とする鉄系金属からなる結合材とが固溶し、ダイヤモンドの黒鉛化が促進される。ダイヤモンドが黒鉛化すると、機械的強度が低下するため、焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの寿命低下につながる。また、ダイヤモンドとコバルトを主成分とする鉄系金属からなる結合材とでは熱膨張率が異なるため、加熱及び冷却が繰り返されると、焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの劣化につながる。
本発明の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールにおいては、刃の表面側のコバルトを主成分とする鉄系金属からなる結合材の濃度が刃内部側のコバルトを主成分とする鉄系金属からなる結合材の濃度よりも低くされているので、表面側の機械的強度が20%〜30%程度低下するが、ダイヤモンドの黒鉛化が生じ難くなっているので、高温条件下、例えば200℃〜400℃程度の高温状態のガラスのスクライブに使用すると、従来の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールを用いた場合よりも寿命が長くなる。
また、本発明の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールにおいては、前記刃の表面側において、前記ダイヤモンド微粒子が軽石状に結合され、前記ダイヤモンド微粒子の間隙から前記結合材が除去されていることが好ましい。
また、本発明の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールにおいては、前記結合材の含有量は、前記刃の表面側において5質量%以下であることが好ましい。
また、本発明の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールにおいては、前記刃の表面側の結合材の濃度は、刃の内部側の結合材の濃度よりも低くされていることが好ましい。
本発明の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールにおいては、前記刃の内部側において、前記ダイヤモンド微粒子の平均粒子径が0.1〜10μmの範囲のものを65.0〜95.0質量%、コバルトを主成分とする鉄系金属からなる結合材を5.0〜35.0質量%含んでいることが好ましい。
焼結ダイヤモンド中のダイヤモンド微粒子の平均粒子径及び含有量、コバルトを主成分とする鉄系金属からなる結合材の含有量が上記範囲内になるものとすると、耐摩耗性及び耐衝撃性に優れた焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールが得られる。なお、焼結ダイヤモンド中のダイヤモンド微粒子の含有量は、65質量%未満であると耐摩耗性が低下し、95質量%を越えると、相対的に結合材の含有量が低下するので、結合材の効果が十分に奏されなくなる。
また、ダイヤモンド微粒子の平均粒径が0.1μm未満であると、ダイヤモンド微粒子の粒界においてクラックが伝播し易くなり、スクライビングホイールに衝撃が加わるとスクライビングホイールの欠損が増加する。また、ダイヤモンド微粒子の平均粒径が1.5μm以上であると、何らの加工も行わない状態では刃先の先端の鋭利さに欠けるようになり、ガラスに良好なスクライブラインを形成し難くなる。この場合でも、ダイヤモンド微粒子の平均粒径が10.0μm以下であれば、さらに刃先の稜線付近を研磨することにより、刃先の先端を鋭利にすることができる。
結合材の含有量が、表面側が5質量%以下であれば、表面においてよりダイヤモンドの黒鉛化が生じ難く、高温条件下、例えば200℃〜400℃程度の高温状態のガラスに用いた場合に従来の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールよりも刃先寿命が長い焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールが得られる。なお、結合材の含有量は0%に近くなるほどダイヤモンドの黒鉛化が生じ難いが、5質量%以下であればよい。焼結ダイヤモンドは、ダイヤモンド微粒子によって軽石のようなネットワークが形成されており、結合材は通常その隙間に存在している。このネットワークにおいては結合材が完全にダイヤモンド微粒子に囲まれている部分があり、ダイヤモンド微粒子に囲まれた結合材を除去することは困難であることから、内部側の結合材の含有量にかかわらず、表面側の結合材中のコバルト含有量を0%とすることは困難である。
また、本発明の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールにおいては、前記ディスク状ホイールの円周部に沿って形成されたV字型の刃に、一定ピッチで一定高さの突起ないし一定深さの溝が形成されているものとしてもよい。
ディスク状ホイールの円周部に沿って形成されたV字型の刃に一定ピッチで一定高さの突起ないし一定深さの溝が形成されているものとすると、スクライブ時に、水平クラックが発生し難く、長い垂直クラックを発生させることができるようになる。
なお、本発明の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールにおいては、例えばタングステン、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム及びモリブデンからなる群より選択される少なくとも1種の金属の炭化物からなる超微粒子炭化物を含んでいてもよい。
これらの超微粒炭化物粒子は、炭素のゲッターとして作用し、しかも、結合材中へある程度炭化物としても固溶するため、結合材中へのダイヤモンドの溶解、析出を穏やかにすることができるので、ダイヤモンド微粒子が粗大化し難く、より長寿命の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールが得られる。
また、本発明の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールにおいては、超微粒子炭化物を3.0〜20.0質量%含んでいるものとしてもよい。
焼結ダイヤモンド中の超微粒子炭化物の含有量は、3.0質量%未満ではダイヤモンド微粒子の異常な粒成長を抑制し難くなり、20.0質量%を越えると相対的に結合材の含有量が低下するので、結合材の効果が十分に奏されなくなる。
また、上記目的を達成するため、本発明のスクライビングホイールは、結合材の少なくとも一部を除去された焼結ダイヤモンドからなることを特徴とする。
本発明のスクライビングホイールにおいては、結合材の少なくとも一部を除去された焼結ダイヤモンドからなるので、表面側の機械的強度が20%〜30%程度低下するが、ダイヤモンドの黒鉛化が生じ難くなっているので、高温条件下、例えば200℃〜400℃程度の高温状態のガラスのスクライブに使用すると、従来のスクライビングホイールを用いた場合よりも寿命が長くなる。
また、上記目的を達成するため、本発明の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの製造方法は、
ダイヤモンド微粒子と、コバルトを主成分とする鉄系金属からなる結合材と、を含み、ディスク状ホイールの円周部に沿った全周にわたりV字型分の刃が形成されている焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールを作成する第1の工程と、
前記第1の工程で作成された焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールをフッ化水素酸と硝酸との混合溶液中に浸漬し、結合材中のコバルトの一部を溶解させる第2の工程と、
を備えることを特徴とする。
本発明の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの製造方法によれば、容易に刃の結合材の濃度を低くすることができ、容易に上記本発明の効果を奏する焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールを製造することができるようになる。なお、本発明の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの製造方法における第1の工程においては、所定厚さの円盤状の焼結ダイヤモンドを作製した後、周辺部を両側からベベル研削(砥石の面を使用して研削し、傾斜面を形成)することによりスクライビングホイールを作製することができる。なお、第2の工程において使用するフッ化水素酸と硝酸との混合溶液としては、例えばシリコンのエッチングに普通に使用されているフッ化水素酸と硝酸との混合溶液を使用し得る。
また、本発明の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの製造方法においては、前記第2の工程を、25〜160℃で1時間〜15時間行うことが好ましい。
本発明の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの製造方法では、最適な第2の工程の処理温度及び処理時間はフッ化水素酸と硝酸との混合溶液の濃度によって変化するが、例えばシリコンのエッチングに普通に使用されているフッ化水素酸と硝酸との混合物を使用した場合、150℃で5時間以上行えば、高温状態のガラスのスクライブに使用した際に、従来の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールを用いた場合よりも刃先寿命が長い焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールを作製することができる。
また、本発明の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの製造方法においては、さらに、前記ディスク状ホイールの円周部に沿って形成されたV字型の刃に、一定ピッチで一定高さの突起ないし一定深さの溝を形成する第3の工程を備えることが好ましい。
なお、第3の工程としては、レーザ加工、放電加工、又は研削加工等の従来公知の加工方法を採用し得る。これにより、スクライブ時に、水平クラックが発生し難く、長い垂直クラックを発生させることができる焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールを容易に作製することができる。第3の工程は、第2の工程の前に行われると、刃に形成された溝の表面から第2の工程において短時間で均一に結合材を除去することができる。また、スクライビングホイールの中心部分まで均一に結合材を除去する場合には、第2の工程は第1の工程の前に行われても良く、また第3の工程の前に行われてもよい。
本発明の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの側面図である。 図1の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの正面図である。 図1のIII部分の拡大図である。 ホイールユニットの斜視図である。 図4のホイールユニットをホルダー取付部に挿入する前の状態を示す部分拡大斜視図である。 ホイールユニットをホルダー取付部に挿入した状態の断面図である。 高温状態のガラスのスクライブの原理を説明する概念図である。 図8Aは走行前の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの刃先の電子顕微鏡写真であり、図8Bは高温状態のガラス板のスクライブに使用して刃先寿命が到来した、走行後の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの刃先の電子顕微鏡写真である。
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの一例を示すものであって、本発明をこの焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適用し得るものである。
[スクライビングホイールの形状]
最初に本実施形態の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールについて、図1〜図3を参照して説明する。なお、図1は本発明の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの側面図である。図2は図1の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの正面図である。図3は図1のIII部分の拡大図である。
図1〜図3に示すように、本実施形態の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイール10は、ディスク状ホイールの円周部に沿った全周にわたりV字型の刃が形成された形状を備えている。より詳細には、下底面が上底面より面積が大きい2つの円錐台の下底面同士が互いに対向するように配置された形状を備えており、算盤玉形状を有している。この焼結ダイヤモンド製スクライビングホイール10は、本体部11と、刃12と、刃先12aと、を有している。
本体部11は、図1及び図2に示すように、円盤状とされており、本体部11の中心付近には回転軸10bに沿って本体部11を貫通する貫通孔10aが設けられている。また、本体部11の外周には、円環状の刃12が設けられている。
刃12は、図1に示すように、回転軸10bを中心とした同心円状の内周及び外周により形成される円環状体である。また、刃12は、図2に示すように、正面視V字状とされている。回転軸10bに沿った刃12の厚さtは、回転軸10b側から刃先12aに向かうに従って徐々に小さくなっている。刃先12aは刃12の最外周部に沿って設けられている。図3に示すように、刃先12aは、突起部14を有するとともに、溝13と、稜線14aとが設けられている。
複数の溝13は刃先12aに設けられた側面視略V字状の凹みであり、隣接する溝13は刃12の外周に沿って所望のピッチPだけ隔てて形成されている。複数の突起部14は、本体部11の最外周部に沿って設けられており、より具体的には、刃先12aに沿って設けられた複数の溝13のうちの隣接する溝13の間に設けられている。
なお、図3には、図示の都合上、3つの溝13及び4つの突起部14のみが記載されている。また、刃先12aに形成されている複数の溝13はμmオーダで意図的に規則的に加工されたものであり、刃先12a形成時の研削加工により必然的に形成される不規則な研削条痕とは明確に区別される。
ここで、スクライビングホイール10の外径D(図2参照)は、好ましくは1〜10mmの範囲である。スクライビングホイール10の外径Dが1mmより小さい場合には、スクライビングホイール10の取り扱い性及び耐久性が低下する。一方、スクライビングホイール10の外径Dが10mmより大きい場合には、スクライブ時の垂直クラックが脆性材料基板に対して深く形成されないことがある。
また、スクライビングホイール10の厚さTは、好ましくは0.2〜1.5mmの範囲である。スクライビングホイール10の厚さTが0.2mmより小さい場合には加工性及び取り扱い性が低下することがある。一方、スクライビングホイール10の厚さTが1.5mmより大きい場合にはスクライビングホイール10の製造のためのコストが高くなる。
また、刃12の刃先角θは、通常鈍角であり、好ましくは、90°<θ≦160°の範囲である。なお、刃先角θの具体的角度は、切断する脆性材料基板の材質や厚さ等から適宜設定される。また、刃先12aに形成される溝13の深さh(すなわち突起部14の高さh)は、好ましくは0.5〜60μmの範囲である。
また、隣接する溝13の間のピッチP(図3参照)は、好ましくは5〜200μmの範囲である。隣接する溝13の間のピッチPが5μmより小さい場合には、スクライビングホイール10の刃先12aの摩耗が大きくなって耐久性が低下することがある。一方、このピッチPが200μmより大きい場合には、良好な垂直クラックを脆性材料基板に形成できないことがある。
また、隣接する溝13の間に形成される稜線14aの長さLは、好ましくは2.5〜75μmの範囲である。この稜線14aの長さLが2.5μmより小さい場合には、十分な有効切削長さを確保できず、スクライビングホイール10の寿命が短くなるという問題が生ずる。また、稜線14aの長さLに対する溝13の幅Wの割合R(=W/L)は、十分な有効切削長さを確保するためには0.5〜5.0の範囲であることが必要である。
[スクライビングホイールの組成]
スクライビングホイール10の成形に用いられる焼結ダイヤモンドは、ダイヤモンド微粒子と、コバルトを主成分とする鉄系金属からなる結合材と、を含有しており、隣り合うダイヤモンド微粒子同士が互いに結合していることが好ましい。隣り合うダイヤモンド微粒子同士が互いに結合していることによって、優れた耐摩耗性及び強度が得られる。
ダイヤモンド微粒子の平均粒子径は、好ましくは、0.1〜10μmの範囲である。スクライビングホイール10では、突起部14の稜線14aにおいて鋭利さが求められるため、何らかの加工を行わない場合にはダイヤモンド微粒子の平均粒子径は少なくとも1.5μm以下の超微粒子であることが必要とされる。また、スクライビングホイールを形成した後、さらに研磨加工を行って稜線を鋭利にする場合には、ダイヤモンド微粒子の平均粒子径は1.5μm〜10.0μmの範囲とすることができる。一方、ダイヤモンドの平均粒子径が0.1μm未満となる場合、ダイヤモンド粒界においてクラックが伝播し易くなる。そのため、刃先12aの突起部14に繰り返し捩り力が働くと、この突起部14の欠損が助長される。その結果としてスクライビングホイール10の刃先寿命が短くなるという問題が生ずる。
焼結ダイヤモンド中におけるダイヤモンド微粒子の含有量は、好ましくは、65.0〜95.0質量%の範囲である。ダイヤモンド微粒子の含有量が65.0質量%未満の場合、燒結ダイヤモンドの耐摩耗性が低下する。ダイヤモンド微粒子の含有量が95.0質量を超えると、焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの強度が低下する。
さらに、焼結ダイヤモンドは、超微粒子炭化物を含有していることが好ましい。超微粒子炭化物としては、例えばタングステン、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム及びモリブデンからなる群より選択される少なくとも1種の金属の炭化物からなるものを使用し得る。焼結ダイヤモンド中における超微粒子炭化物の含有量は、好ましくは3.0〜20.0質量%の範囲である。これにより、焼結過程におけるダイヤモンドの溶融−凝固時において、ダイヤモンド微粒子の異常粒成長を抑制することができ、耐摩耗性及び機械的強度を向上させることができるようになる。
また、結合材としては、通常、コバルトを主成分とする鉄族元素が使用される。鉄族元素としては、他にニッケル、鉄等が挙げられる。また、焼結ダイヤモンド中における結合材の含有量は、好ましくはダイヤモンドの残部または超微粒子炭化物が含まれる場合にはダイヤモンドおよび超微粒子炭化物の残部であり、さらに好ましくは、5.0〜35.0質量%の範囲である。なお、本明細書における「質量%」は、焼結ダイヤモンドの表面のEDX(エネルギー分散型X線分光分析法:Energy Dispersive X-ray spectrometry)を用いた元素分析に基づいて求められるものである。
スクライビングホイールの製造方法に際しては、所定のダイヤモンド微粉末、超微粒子炭化物及び残部がコバルトを主成分とする鉄系金属からなる結合材微粉末を混合し、次に、ダイヤモンドが熱力学的に安定となる高温および超高圧下において、これらの混合物を焼結することにより、焼結ダイヤモンドを製造する。焼結時の超高圧発生装置の金型内の圧力は、好ましくは5〜8GPaの範囲であり、この金型内の温度は好ましくは1500〜1900℃の範囲である。この金型の寸法を適宜に調整することにより、厚さ0.5〜1.2mmの焼結ダイヤモンドを製造することができる。
[スクライビングホイールの成形]
上述のようにして製造された焼結ダイヤモンドから、所望の径を有する円盤状の焼結ダイヤモンドディスクを切り取る。次に、図2に示したように、回転軸10bに沿った刃12の厚さtが回転軸10b側から刃先12aに向かうに従って徐々に小さくなるように、円盤の周縁部を研削する。これにより、円盤の周縁部に正面視V字状の刃12が形成される(本発明の「第1の工程」に対応)。
そして、レーザ加工、放電加工、または研削加工等の従来公知の加工方法によって、刃先12aに複数の溝13が形成される(本発明の「第3の工程」に対応)。なお、本実施の形態のスクライビングホイール10は、上述のように小径1〜10mmであり、溝13の形成には加工精度が求められるので、溝13の加工方法として、YAGレーザを用いたレーザ加工法を用いることが好ましい。
ここでは、スクライビングホイールとして、外形D=2mm、厚さt=0.65mm、θ=125°、深さh=3μm、ピッチP=35μm、W=10μm、稜線L=25μm、R=W/L=2のものを作製し、スクライビングホイールは、以下の結合材除去工程(本発明の「第2の工程」に対応)を行った例について説明する。
結合材除去工程は、上述のようにして作製されたスクライビングホイールを、フッ化水素酸と硝酸との混合溶液中に25℃〜160℃で1時間〜15時間浸漬し、その後に水洗して乾燥することにより行われる。浸漬時間が短い場合には、スクライビングホイールの表面から徐々に結合材が溶解して表面の結合材濃度が下がっていく。浸漬時間が長くなると、スクライビングホイール内部まで均一に結合材を除去することができる。
なお、本実施形態においては刃先12aに複数の溝13を形成した後に結合材除去工程を行っている。これは、刃に形成された溝の表面から短時間で均一に結合材を除去することができるためである。結合材除去工程においてスクライビングホイールを長時間フッ化水素酸と硝酸との混合溶液中に浸漬することにより、スクライビングホイールの中心部分まで均一に結合材を除去する場合には、結合材除去工程は第1の工程の前、すなわち円盤状の焼結ダイヤモンドディスクの状態で行われても良く、また第3の工程の前、すなわち刃先に複数の溝を形成する前に行われてもよい。
上述の結合材除去工程では、焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの表面側において、結合材が大幅に溶解・除去されると共に、炭化タングステンなどの超微粒子炭化物も一部が溶解・除去される。なお、結合材の含有量は0%に近くなるほどダイヤモンドの黒鉛化が生じ難いが、5質量%以下であればよい。焼結ダイヤモンドは、ダイヤモンド微粒子によって軽石のようなネットワークが形成されており、結合材は通常その隙間に存在している。この軽石状ネットワークにおいては結合材が完全にダイヤモンド微粒子に囲まれている部分があり、ダイヤモンド微粒子に囲まれた結合材を除去することは困難であるため、内部側の結合材の含有量にかかわらず、表面側の結合材中のコバルト含有量を0%とすることは困難である。
結合材除去後の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの表面を走査型電子顕微鏡で観察することにより、結合材が除去されているか否かを確認することができる。除去前の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの表面においては、ダイヤモンド微粒子が結合して軽石状ネットワークを形成しており、さらにその間隙を結合材が満たしている。これに対し、上述の結合材除去工程では、ダイヤモンド微粒子の隙間に存在する結合材を除去しているので、結合材除去後の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの表面の軽石状のネットワークにおいて、ダイヤモンド微粒子の間は空隙となっている。
上述のようにして作製された本実施形態の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイール10は、図4〜図6に示されているように、ホルダー31に取り付けられてホイールユニット30とされ、このホイールユニット30がホルダー取付部40に取り付けられて、図7に示したように、高温状態のガラスのスクライブに使用される。なお、図4はホイールユニットの斜視図であり。図5は図4のホイールユニットをホルダー取付部に挿入する前の状態を示す部分拡大斜視図であり、図6はホイールユニットをホルダー取付部に挿入した状態の断面図である。
ホイールユニット30は、スクライビングホイール10と、スクライビングホイール10を固定するホルダー31と、スクライビングホイール10をホルダー31に固定するためのピン36を有している。ホルダー31の形状は、ここでは底面の径がスクライビングホイール10の外径と略同じな円形状である略円筒形状であって金属又は樹脂で形成されており、外周面部の全周囲にわたって、円環状の窪み32が形成されている。ホルダー31の一方の底面からは、スクライビングホイール10の厚さよりも幅広の切り欠き34が、側面に垂直に設けられており、この切り欠き34によって脚部33a及び33bが形成されている。また、脚部33aの下端側にはその面に垂直な方向の貫通孔35が形成され、脚部33b側にはピン受け部(図示省略)が形成されている。
スクライビングホイール10は、ピン36を貫通孔35及びピン受け部に挿入する際に同時にスクライビングホイール10の中心の貫通孔10aを通すことにより、ピン36に回転自在に保持されている。ピン36は、貫通孔35及びピン受け部に挿通された際、抜けないように固定され、回転自在となるように保持されている。なお、ピン36にスクライビングホイール10を保持した後は、スクライビングホイール10の交換を要する場合にもスクライビングホイール10を取り外すことなく、ホルダー31と共にホイールユニット30全体が交換される。ホルダー31の側面からは、ホルダー取付部40への挿入方向を容易に規制するとともに脱着を容易にするための操作バー37が、垂直に突出して形成されている。
ホルダー取付部40は直方体形状であり、その一底面から垂直に、ホイールユニット30を挿入し保持するための略円柱状の保持孔部41及びホイールユニット30の操作バー37を導入するためのバー導入溝42が形成されている。なお、保持孔部41には、例えばボールプランジャーやバネ部材などの弾性部材43(図7参照)が設けられており、この弾性部材43がホイールユニット30の円環状の窪み32に当接するようになされている。
ホイールユニット30は、操作バー37をバー導入溝42に導入しながら、保持孔部41に挿入される。ホイールユニット30が保持孔部41に挿入されて操作バー37がバー導入溝42内に引き上げられ、ホイールユニット30の上端が保持孔部41の上端と当接したとき、ホイールユニット30の窪み32が、保持孔部41の弾性部材43と係合し、ホイールユニット30がホルダー取付部40に着脱可能に保持・固定される。また、操作バー37はバー導入溝42で回転方向の動きが抑止されるので、ホイールユニット30は、ホルダー取付部40の保持孔部41内で正確に位置決めされる。
次に、高温状態のガラスリボンのスクライブ方法を、図7を用いて説明する。なお、図7は高温状態のガラスのスクライブの原理を説明する概念図であり、上記特許文献5に開示されている方法と同様のものである。また、図7中の矢印は、ガラスリボンの搬送方向を示す。
このスクライブ装置50は、ガイドバー51にホルダー取付部40が設けられており、このホルダー取付部40にホイールユニット30が取り付けられている。ガラスリボン52の連続生産中に、ガラスリボン52の軟化点以下の温度領域において、搬送方向と同方向の割断予定線53上にスクライビングホイール10の稜線の延在方向と割断予定線53とが一致するようにスクライブ装置50が固定されている。このスクライブ装置50には、スクライビングホイール10をガラスリボン52の割断予定線53に所定の荷重で接触させながら回転させることにより、予備亀裂54が入れられ、ガラスリボン52が割断されるものである。なお、通常の刃先寿命を測定するには連続的に直線状のスクライブラインを形成し、スクライブラインが形成されなくまるまでの距離を測定すればよい。
上述のようにして表面の結合材が除去された焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールを用い、常温のガラスをスクライブすると、表面の結合材が除去された焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの刃先寿命は表面の結合材を除去しない焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの刃先寿命よりも短くなる。これは、表面の結合材が除去されることにより、素材強度が低下するためと考えられる。
しかしながら、200〜400℃の高温状態のガラスを連続的にスクライブする場合には、表面の結合材が除去された焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの刃先寿命は表面の結合材を除去しない焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの刃先寿命と比べて長くなる。本実施形態の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールは、特に、より高温状態のガラスを切断する場合に、黒鉛化の影響を小さくすることができる。
なお、上記実施形態では、ディスク状ホイールの円周部に沿って形成されたV字型の刃に一定ピッチで一定高さの突起ないし一定深さの溝が形成されている焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの場合を例にとり説明したが、ディスク状ホイールの円周部に沿って形成されたV字型の刃を備える、いわゆるノーマルホイールの場合においても同様の効果が奏される。
このような本発明の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの効果は、刃先の結合材の濃度が低くなるように加工されたことにより奏されるものである。そのため、焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールによれば、高温時にダイヤモンドの炭素と結合材との固溶が抑制され、ダイヤモンド微粒子の黒鉛化が生じ難くなり、刃先寿命が長くなったものと認められる。したがって、本発明の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールは、常温での脆性部材のスクライブよりも高温状態の脆性材料のスクライビング用として有益となる。
10:(焼結ダイヤモンド製)スクライビングホイール 10a:貫通孔 10b:回転軸 11:本体部 12:刃 12a:刃先 13:溝 14:突起部 14a:稜線 30…ホイールユニット 31…ホルダー 33a、33b…脚部 35…貫通孔 36…ピン 37…操作バー 40…ホルダー取付部 41…保持孔部 42…バー導入溝 43…弾性部材 50…スクライブ装置 51…ガイドバー 52…ガラスリボン 53…割断予定線 54…予備亀裂 D:外形 t:厚さ θ:刃先角度 h:溝の深さ(突起の高さ) P:ピッチ W:溝の幅 L:稜線の長さ R:W/L

Claims (12)

  1. ダイヤモンド微粒子と、コバルトを主成分とする鉄系金属からなる結合材と、を含み、ディスク状ホイールの円周部に沿った全周にわたりV字型の刃が形成されている焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールであって、
    前記刃の結合材の濃度を低くする加工がされていることを特徴とする焼結ダイヤモンド製スクライビングホイール。
  2. 前記刃の表面側において、前記ダイヤモンド微粒子が軽石状に結合され、前記ダイヤモンド微粒子の間隙から前記結合材が除去されていることを特徴とする請求項1に記載の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイール。
  3. 前記結合材の含有量は、表面側が5質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイール。
  4. 前記刃の表面側の結合材の濃度は、刃の内部側の結合材の濃度よりも低くされていることを特徴とする請求項1に記載の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイール。
  5. 前記刃の内部側において、前記ダイヤモンド微粒子の平均粒子径が0.1〜10μmの範囲のものを65.0〜95.0質量%、コバルトを主成分とする鉄系金属からなる結合材を5.0〜35.0質量%含んでいることを特徴とする請求項4に記載の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイール。
  6. 前記焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールは、超微粒子炭化物を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイール。
  7. 刃の内部側において、前記超微粒子炭化物を3.0〜20.0質量%含んでいることを特徴とする請求項6に記載の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイール。
  8. 前記焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールは、前記断面がV字形の刃に交差する方向に一定ピッチで一定深さの溝が形成されているものであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイール。
  9. 結合材の少なくとも一部を除去された焼結ダイヤモンドからなるスクライビングホイール。
  10. ダイヤモンド微粒子と、コバルトを主成分とする鉄系金属からなる結合材と、超微粒子炭化物と、を含み、ディスク状ホイールの円周部に沿った全周にわたりV字型分の刃が形成されている焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールを作成する第1の工程と、
    前記第1の工程で作成された焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールをフッ化水素酸と硝酸との混合溶液中に浸漬し、表面側の前記コバルトを主成分とする鉄系金属からなる結合材の一部を溶解させる第2の工程と、
    を備えることを特徴とする焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの製造方法。
  11. 前記第2の工程を、25℃〜160℃で1時間〜15時間行うことを特徴とする請求項10に記載の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの製造方法。
  12. さらに、前記ディスク状ホイールの円周部に沿って形成されたV字型の刃に、一定ピッチで一定高さの突起ないし一定深さの溝を形成する第3の工程を備えることを特徴とする請求項10又は11に記載の焼結ダイヤモンド製スクライビングホイールの製造方法。
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