JP5925286B2 - スクライビングホイール、スクライブ装置及びスクライビングホイールの製造方法 - Google Patents

スクライビングホイール、スクライブ装置及びスクライビングホイールの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、脆性材料基板の表面にスクライブラインを形成する際のスクライビングホイール、スクライブ装置及びスクライビングホイールの製造方法に関し、特にスクライビングホイールの稜線部に複数の溝が形成されたスクライビングホイール、このスクライビングホイールを用いたスクライブ装置及びこのスクライビングホイールの製造方法に関する。
液晶パネル等の製造においてガラス基板を分断する際には、一般的にスクライブ装置が用いられ、このスクライブ装置のスクライビングホイールによって、基板平面に対して直角な方向にクラックが形成される。
このようなスクライビングホイールとして、超硬合金製或いは焼結ダイヤモンド製の円板を外周面に沿って両面から研磨することで、外周縁に断面V字状となる刃を形成し、刃先となる稜線が形成されたものが一般的に知られている。
一方、特許文献1に記載されているように、刃先となる稜線に一定間隔で溝を形成することで、より深いクラックを形成することが可能な溝付きのスクライビングホイールが知られている。
この溝付きのスクライビングホイールは、突起状の刃先部分と溝部分とが基板上に交互に存在することにより、刃先部分が間欠的に基板に当たるようになる。その結果、基板に打点衝撃を与えつつスクライブラインが形成されるので、スクライブラインに沿って伸展する垂直クラックの深さが上述した溝のないスクライビングホイールにより形成されるクラックの深さよりもはるかに深くなる。また、刃先部分に集中的に圧接の荷重が加わるようになり、これによってもクラックの深さがより深くなる。このような理由によって、溝付きのスクライビングホイールは溝のないスクライビングホイールよりも高いクラックの浸透性を備えたものとなる。
特許第3074143号公報 国際公開WO2005/072926号パンフレット 国際公開WO2007/004700号パンフレット
近年、携帯電話やスマートフォン等の携帯型の電子機器やTV等、表示用パネルを備える電子機器はますます薄型化が進んでいる。このような薄型の電子機器においては、当然ながら液晶パネル等の表示用パネルも薄型化が進んでおり、表示用パネルを構成するガラス基板等の脆性材料基板は非常に薄くなってきている。さらに、携帯型電子機器向けの表示用パネルとして、高い端面強度が求められるようになってきている。そして、このような薄い脆性材料基板にスクライブラインを形成し、端面強度を高めるために、特許文献2及び特許文献3に記載されているスクライビングホイールのように、溝の微細化も進んでいる。
しかしながら、溝が微細になってくると、スクライビング時に生じるカレットが溝に入り込んで溜まりやすくなり、溝による打点衝撃を低下させ、安定した切断性や高い浸透力等のスクライブ性能を得られなくなってしまうという問題がある。
また、液晶パネル等の表示用パネルには、ガラス基板表面に透明導電膜や絶縁膜等の様々な材料が成膜されている。したがって、ガラス基板のスクライビング時には成膜材料等からなる微細な異物も生じており、これらの異物が溝に入り込むことによって溝に溜まってしまい、クラックの浸透性をより低下させてしまうという問題がある。
また、カレットや異物はスクライビングホイールに形成されている溝に均一に入り込むものではないため、溝毎に溜まったカレットや異物の量が変わってしまい、脆性材料基板に形成されるクラックの深さにばらつきが生じてしまうという問題がある。
そこで、本発明者は、これらの問題を解消すべく種々検討を重ねた結果、円板の円周部に沿ってV字状の稜線をなす刃と、この刃に形成された円板の厚さ方向への幅を持つ底部を有する複数の溝と、を有するスクライビングホイールにおいて、この刃の傾斜面に、溝の底部の端につながる窪み部を形成することにより、この問題を解消し得ることに想到し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、上記問題を解決することを課題とし、脆性材料基板を分断する際に、打点衝撃の低下に伴うクラックの浸透性の低下やクラックの深さのばらつきによる分断不良が生じ難いスクライビングホイール、スクライブ装置及びスクライビングホイールの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様は円板の円周部に沿って、稜線と、前記稜線の両側の傾斜面からなる刃と、前記稜線に形成された、前記円板の厚さ方向への幅を持つ底部を有する複数の溝と、を有するスクライビングホイールであって、前記刃の傾斜面には、前記溝の底部の端につながる窪み部が形成されていることを特徴とする。
本発明の第1の態様によれば、刃の傾斜面に、溝の底部のにつながる窪み部が形成されているので、脆性材料基板を分断する際に生じたカレットや異物は、溝に入り込んできたとしても、溝にそのまま溜まってしまうことなく、窪み部を介してスクライビングホイールの外へ排出されることになる。したがって、クラックの浸透性の低下やクラックの深さのばらつきによる分断不良が生じ難いスクライビングホイールが提供できる。
また、本発明の第2の態様は、第1の態様にかかるスクライビングホイールであって、前記窪み部は前記溝から離れるにしたがって幅が広くなっていることを特徴とする。
本発明の第2の態様によれば、溝に入り込んできたカレットや異物が窪み部からより排出されやすくなる。
また、本発明の第3の態様は、第1の態様にかかるスクライビングホイールであって、前記窪み部は前記溝から離れるにしたがって深さが浅くなっていることを特徴とする。
本発明の第3の態様によれば、溝に入り込んできたカレットや異物が窪み部からより排出されやすくなる。
また、本発明の第4の態様は、第1から3の何れかの態様にかかるスクライビングホイールを回転自在に保持するホルダーと、前記ホルダーが取り付けられたスクライブヘッドと、を有するスクライブ装置であることを特徴とする。
本発明の第4の態様によれば、クラックの浸透性の低下やクラックの深さのばらつきによる分断不良が生じ難いスクライブ装置が提供できる。
また、本発明の第5の態様は、円板の円周部に沿って、稜線と、前記稜線の両側の傾斜面からなる刃と、前記稜線に形成された、前記円板の厚さ方向への幅を持つ底部を有する複数の溝と、を有するスクライビングホイールの製造方法であって、前記刃の稜線に前記溝を形成する工程と、前記円板の稜線正面側から前記溝の底部の端に対してレーザー光を照射し、前記刃の傾斜面に前記溝の底部の端とつながる窪み部を形成する工程と、を有することを特徴とする。
本発明の第5の態様によれば、クラックの浸透性の低下やクラックの深さのばらつきによる分断不良が生じ難いスクライビングホイールが製造できる。
本発明の一実施形態におけるスクライブ装置の概略図である。 本発明の一実施形態におけるスクライブ装置が有するホルダージョイントの正面図である。 本発明の一実施形態におけるスクライビングホイールの側面図及び正面図である。 本発明の一実施形態におけるスクライビングホイールの部分拡大側面図及び部分拡大断面図である。 本発明の一実施形態の変形例に係るスクライビングホイールの正面拡大図である。 本発明の一実施形態のさらに別の変形例に係るスクライビングホイールの正面拡大図である。
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するためのスクライビングホイール、スクライブ装置及びスクライビングホイールの製造方法の一例を示すものであって、本発明をこのスクライビングホイール、スクライブ装置及びスクライビングホイールの製造法に特定することを意図するものではなく、本発明は特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも適応し得るものである。
本発明の一実施形態に係るスクライブ装置10の概略図を図1に示す。スクライブ装置10は、移動台11が一対の案内レール12a,12bに沿って、y軸方向に移動自在に保持されている構成となっている。そして、この移動台11はボールネジ13と螺合している。このボールネジ13は、モータ14の駆動により回転し、移動台11を案内レール12a,12bに沿って、y軸方向に移動させる。
移動台11の上面には、モータ15が設けられている。モータ15は、テーブル16をxy平面で回転させて所定角度に位置決めするものである。脆性材料基板17は、このテーブル16上に載置され、図示しない真空吸引手段などにより保持される。この脆性材料基板17は、ガラス基板、セラミック基板、サファイア基板、シリコン基板等の脆性材料からなる基板である。
スクライブ装置10の上部には、脆性材料基板17のアライメントマークを撮像する2台のCCDカメラ18が設けられている。そして、スクライブ装置10には、移動台11とその上部のテーブル16を跨ぐようにブリッジ19がx軸方向に沿って支柱20a,20bにより架設されている。
ブリッジ19には、ガイド22が取り付けられており、スクライブヘッド21はガイド22に沿ってx軸方向に沿って移動可能となっている。そして、このスクライブ装置10のスクライブヘッド21には、ホルダージョイント23を介して、スクライビングホイール40を回転自在に保持しているホルダー24が取り付けられている。
図2には、このホルダージョイント23の正面図が示されている。ホルダージョイント23は略円柱状をしており、回転軸部23aと、ジョイント部23bで構成されている。
そして、スクライブヘッド21にホルダージョイント23が装着された状態においては、この回転軸部23aには、ホルダージョイント23を回動自在に保持するための二つのベアリング25a,25bが円筒形のスペーサ25cを介して取り付けられた状態になっている。なお、図2には、ホルダージョイント23の正面図が示されるとともに、回転軸部23aに取り付けられたベアリング25a,25bとスペーサ25cの断面図が併せて示されている。
円柱形のジョイント部23bには、下端側に円形の開口26が形成されている。また、この開口26の上部にはマグネット27が埋設されている。そして、この開口26には、ホルダー24が着脱自在に取り付けられている。
このホルダー24は略円柱形の金属等からなり、その下端側には平坦部29a,29bが設けられている。なお、図2でホルダー24の下端側を拡大している図は矢印Aで示す横方向から観察した場合の拡大図を示している。
この平坦部29aと平坦部29bとの間に、スクライビングホイール40を保持するための保持溝30が形成されている。また、平坦部29a,29bには、スクライビングホイール40を固定するために孔状のピン孔31がそれぞれ形成されている。このピン孔31にピン32が貫通され、スクライビングホイール40が回転自在に取り付けられている。
ホルダー24の上端側には位置決め用の取付部33が設けられている。この取付部33は、ホルダー24を切り欠いて形成されており、傾斜部33aと平坦部33bを有している。
そして、このホルダー24は開口26へ、ホルダー24の取付部33側から挿入される。その際、ホルダー24の上端側の金属部分がマグネット27によって引き寄せられ、取付部33の傾斜部33aが開口26の内部を通る平行ピン28と接触し、位置決めが行われ、ホルダー24はホルダージョイント23に固定される。反対に、ホルダージョイント23からホルダー24を取り外す際には、ホルダー24を下方へ引く抜くことで、ホルダー24は容易に取り外すことができる。
なお、スクライビングホイール40は消耗品であるため定期的な交換が必要となる。本実施形態においては、ホルダージョイント23を介してホルダー24がスクライブヘッド21に装着されているので、ホルダー24の着脱が容易に行える。したがって、スクライビングホイール40をホルダー24から取り外したりすることなく、スクライビングホイール40とホルダー24を一体として扱い、ホルダー24そのものを交換することも可能なので、スクライビングホイール40の交換作業が容易に行える。
図3(a),(b)には、ホルダー24の先端に取り付けられているスクライビングホイール40の側面図、正面図が示されている。また、図4(a),(b)には、図3(a)に示されたホルダー24の円B部分の拡大側面図と、図3(b)に示されたIVb−IVbの拡大断面図が示されている。
このスクライビングホイール40は、主として本体部41と、刃42と、刃先43と、溝44と、窪み部46を有している。
本体部41は円板状をしている。本体部41の中心付近には、回転軸に沿って本体部41を貫通する貫通孔45が設けられている。この貫通孔45にピン32が挿入されており、スクライビングホイール40はこのピン32を介してホルダー24に回転自在に保持されている。そして、この本体部41の外周には、円環状の刃42が形成されている。
刃42は回転軸を中心とした同心円状の内周及び外周により形成される円環状体である。また、刃42は正面視で略V字状となっており、回転軸に沿った刃42の厚さは稜線部となる刃先43に向かうに従って徐々に小さくなっている。
刃先43は、刃42の最外周部に沿って設けられている。そして刃42の最外周部には、刃先43と交互に溝44が形成されている。
溝44は深さH、幅L(稜線の延在方向における長さ)の大きさがあり、稜線の延在方向においてU字状をしている。なお、溝44の深さHは破線で示す仮想の稜線から最も深い溝44の底部44aまでの距離である。また、溝44の幅Lは仮想の稜線の長さのことである。そして、刃先43と溝44とが交互に脆性材料基板17上を転動した際、刃先43は脆性材料基板17に食い込むとともに、溝44が刃先43の食い込みを制限する抵抗として働き、刃先43が脆性材料基板17に深く食い込み過ぎないようになる。また、刃先43が間欠的に脆性材料基板17に当たるようになるため、脆性材料基板に対して打点
衝撃を与えつつスクライブラインが形成されていく。
窪み部46は刃42を構成する二つの傾斜面42aのそれぞれにおいて、溝44につながるように形成されている。つまり、窪み部46は溝44の底部44aから、傾斜面42aに沿って貫通孔45の方向に向かって伸びている。この窪み部46によって、スクライビングの際に生じたカレットや異物が溝44に溜まることなく排出される。
次に、スクライビングホイール40の製造方法に関して説明する。スクライビングホイール40は超硬合金や焼結ダイヤモンドから形成される。又は超硬合金等の基材にダイヤモンド等の硬質材料の膜をコーティングしたものを用いても良い。例えば、焼結ダイヤモンド製のスクライビングホイール40は主としてダイヤモンド粒子と、残部の添加剤及び結合材からなる結合相と、から作られている。
このダイヤモンド粒子の平均粒子径は1.5μm以下のものが用いられている。そして、焼結ダイヤモンド中におけるダイヤモンドの含有量は75.0〜90.0vol%の範囲である。
添加剤としては、例えば、タングステン、チタン、ニオブ、タンタルより選ばれる少なくとも1種以上の元素の超微粒子炭化物が好適に使用される。焼結ダイヤモンド中における超微粒子炭化物の含有量は3.0〜10.0vol%の範囲であり、この超微粒子炭化物は1.0〜4.0vol%の炭化チタンと、残部の炭化タングステンと、を含む。
結合材としては、通常、鉄族元素が好適に使用される。鉄族元素としては、例えばコバルト、ニッケル、鉄等が挙げられ、この中でもコバルトが好適である。また、焼結ダイヤモンド中における結合材の含有量は好ましくはダイヤモンド及び超微粒子炭化物の残部であり、更に好ましくは20.0〜20.5vol%の範囲である。
そして、まず、上述のダイヤモンド粒子、添加剤、結合材を混合し、ダイヤモンドが熱力学的に安定となる高温及び超高圧下において、これら混合物を焼結させる。これにより焼結ダイヤモンドが製造される。この焼結時において、超高圧発生装置の金型内の圧力は5.0〜8.0GPaの範囲であり、金型内の温度は1500〜1900℃の範囲である。
次に、製造された焼結ダイヤモンドから所望の半径となる円板が切り取られる。そして、この円板の周縁部において、両面側それぞれを削ることで二つの傾斜面42aで形成された断面略V字状の刃42を有するスクライビングホイール40ができる。
そして、このスクライビングホイール40の稜線となる刃先43に対し、直交するようにして円板状の砥石を当接させることで、刃先43に図4(a)に示すようなU字状の溝44が形成される。この時、この溝44の底部44aは図4(b)に示すように幅Wとなっている。また、一つの溝44を形成するごとに、砥石は退避させる。
そして、スクライビングホイール40を所定のピッチに相当する回転角だけ回転させた後、また砥石を当接させることで、次の溝44が形成される。このようにしてスクライビングホイール40の刃42の先端には、刃先43と溝44とが交互に等ピッチで設けられる。なお、溝44はU字状となっているため底部44aは線状(スクライビングホイール40の厚さTh方向へ伸びる線状)となっているが、底部44aが面状となるように溝44が矩形状でも構わない。さらに、溝の底部44aはスクライビングホイールの回転軸に対して平行となっているが、回転軸に対して傾いていても構わない。
次に、この溝44が形成されたスクライビングホイール40に対して、刃先43の正面方向である図4(b)の矢印Cの方向から、溝44の底部44aの両端部のそれぞれにレーザー光を照射し、底部44aの周辺から刃42の一部を削ることにより、窪み部46が形成される。
この時、形成された窪み部46は図4(a)に示すように、底部44aから貫通孔45のある中心側に向かうにつれて、その幅KLが徐々に広がるように形成されている。また、窪み部46の形状は底部44aから貫通孔45のある中心側に向かうにつれて、凹み深さKWが徐々に減っていき、図4(b)に示すように、最終的に窪み部46は刃42の傾斜面42aと同化する。このように、窪み部46の形状が中心側に向かうにつれて、徐々に幅KLが広くなり、凹み深さKWが浅くなることで、カレットや異物がより溝44から排出され易くなっている。また、窪み部46をレーザー加工により形成することにより、レーザーの焦点の設定やレーザーの拡散を利用することで、上述のような窪み部46の形状を比較的簡単に形成することが可能となる。
なお、本実施形態において窪み部46は刃42の傾斜面42aの刃先43側にのみ設けられているが、傾斜面42aの全面に渡って設けられていてもよい。スクライブの際に所定の荷重を受けた状態でガラスに接する部分を越えて窪み部が設けられていれば、カレットや異物を排出する効果がより高くなる。
次に、このスクライビングホイール40の寸法について説明する。スクライビングホイール40の外径Dmは1.0〜5.0mm、好ましくは1.0〜3.0mmの範囲である。スクライビングホイール40の外径Dmが1.0mmより小さい場合には、スクライビングホイール40の取り扱い性が低下する。一方、スクライビングホイール40の外径Dmが5.0mmより大きい場合には、スクライブ時の垂直クラックが脆性材料基板17に対して深く形成されないことがある。
また、スクライビングホイール40の厚さThは、0.4〜1.2mm、好ましくは0.4〜1.1mmの範囲である。スクライビングホイール40の厚さThが0.4mmより小さい場合には、加工性及び取り扱い性が低下することがある。一方、スクライビングホイール40の厚さThが1.2mmより大きい場合には、スクライビングホイール40の材料及び製造のためのコストが高くなる。
また、刃42の刃先角θ1は、通常鈍角であり、90≦θ1≦160(deg)、好ましくは90≦θ1≦140(deg)の範囲である。なお、刃先角θ1の具体的角度は、切断する脆性材料基板17の材質、厚さ等から適宜設定される。
また、溝44は、溝の深さHが大体0.5〜20.0μmの範囲であり、溝の幅Lが大体2.0〜50.0μmの範囲である。そして、溝44は刃42の先端全周に20.0〜2000.0μmのピッチで形成される。溝の深さが浅いほど、カレットが溝に詰まりやすく、また溝の詰まりにより容易にスクライブ性能が低下しやすくなるため、溝の深さHが0.5〜5.0μmのスクライビングホイールにおいては特に窪み部を設けることによる効果が大きくなる。
このように、スクライビングホイール40の傾斜面42aのそれぞれに溝44の底部44aにつながる窪み部46を形成しておくことにより、脆性材料基板17を分断する際に生じたカレットや異物が溝44に入り込んできたとしても、溝44にそのまま溜まってしまうことなく、窪み部46を介してスクライビングホイール40の外へ排出される。したがって、スクライビングホイール40を用いれば、溝44にカレットや異物が溜まってしまうことによる打点衝撃の低下やクラックの深さのばらつきによる分断不良を防止することができる。そして、図4(b)に示すように、窪み部46は幅Wからなる溝44の底部44aの一部を削るだけなので、クラックの浸透性を高め、刃先43の食い込みを制限する等の溝44の機能について、窪み部46を設けたことによる影響は少ない。
[変形例1]
刃42の傾斜面42aに形成された窪み部46の変形例を説明する。変形例1を示す図5には、スクライビングホイール40の正面拡大図が示されている。変形例1の窪み部47は、刃42を構成する二つの傾斜面42aの内、一方の傾斜面42aにのみ形成されている。このように、一方の傾斜面42aにのみ窪み部47が形成されていても、溝44に入り込んできたカレットや異物は、窪み部47を介してスクライビングホイール40の外へ排出されることになる。
また、一方の傾斜面42aにのみ窪み部47を形成すればよいので、両方の傾斜面42aに窪み部47を形成する場合に比べ、スクライビングホイール40の製造工程が短縮される。
さらに、一方の傾斜面42aにのみ窪み部47が形成されているため、スクライブの際に基板のスクライブラインが形成される面に対して垂直な方向(通常の垂直クラックが伸展する方向)から窪み部47の形成された側に傾斜したクラックが伸展しやすくなり、曲線のスクライブラインを形成する際(特に円形の穴を切り抜く際)などに効果的である。
[変形例2]
変形例2を示す図6には、スクライビングホイール40の正面拡大図が示されている。変形例2の窪み部48は、隣り合う溝44毎に、傾斜面42aを交互に変えて形成されている。したがって、窪み部48は、底部44aの片方の端とつながっている。このように、傾斜面42aを交互に変えて窪み部48が形成されていても、溝44に入り込んできたカレットや異物は、窪み部48を介してスクライビングホイール40の外へ排出されることになる。
また、両方の傾斜面42aにそれぞれ窪み部48を形成する場合に比べ、スクライビングホイール40の製造工程が短縮されるとともに、スクライビングホイール全体として窪み部48の数を減らすことができるため、スクライブにおける窪み部の形成の影響をさらに小さくすることができる。
なお、本実施形態においては、スクライビングホイール40の刃42に溝44を形成する方法として、円板状の砥石を使った研磨による方法について説明したが、例えばレーザー加工による方法等他の方法で溝が形成されたスクライビングホイールでも構わない。特に、レーザー加工による方法で溝を形成する場合、溝の形はV字状に近くなるが、V字状の溝はU字状や矩形状の溝と比較して溝の底部が狭くなっており、カレットが溝に詰まりやすい。しかし、本実施形態の窪み部を形成することで、溝の形がV字状であっても、溝に入り込んだカレットを排出することができ、溝の詰まりを防止することによりスクライ
ブ性能の低下を防ぐことができる。
また、本実施形態においては、窪み部46の形成方法として、刃先43である稜線の正面側から溝44の底部44aの両端にレーザー光を照射する方法について説明したが、このような方法以外には砥石による研磨によって窪み部46を形成する方法等でも構わない。
また、本実施形態においては、窪み部46は、溝44の底部44aにつながっているが、必ずしも溝44の底部44aにつながっていなくても、溝44の底部44aの近傍につながるような窪み部46が形成されていても構わない。
また、本実施形態においては、窪み部46は、貫通孔45のある中心側に向かって伸びているが、例えば窪み部46はスクライビングホイール40の回転方向に向かって伸びる形状であっても構わない。このような形状であっても、窪み部46を介してクラックや異物が排出される。
また、本実施形態においてスクライブ装置10は、スクライビングホイール40を保持するホルダー24をスクライブヘッド21に取り付ける際に、ホルダージョイント23を介して取り付ける構成となっている。しかしながら、スクライブ装置10はスクライブヘッド21に直接ホルダー24を取り付ける構成であっても構わない。
また、本実施形態においては、スクライブ装置10として、スクライブヘッド21を移動させためのガイド22やブリッジ19が設けられていたり、脆性材料基板17が載置されるテーブル16を回転させる移動台11が備わっていたりするものを示したが、このようなスクライブ装置10に限定されるものではない。例えば、ホルダー24が取り付けられたスクライブヘッド21をユーザーが握れるようにするために、スクライブヘッド21の一部形状が柄の形状をしており、ユーザーがこの柄を持って移動させることで脆性材料基板17の分断を行うような、所謂手動式のスクライブ装置であっても適用可能である。
10…スクライブ装置
24…ホルダー
40…スクライビングホイール
41…本体部
42…刃
42a…傾斜面
43…刃先
44…溝
44a…底部
46,47,48…窪み部

Claims (5)

  1. 円板の円周部に沿って、稜線と、前記稜線の両側の傾斜面からなる刃と、前記稜線に形成された、前記円板の厚さ方向への幅を持つ底部を有する複数の溝と、を有するスクライビングホイールであって、
    前記刃の傾斜面には、前記溝の底部の端につながる窪み部が形成されていることを特徴とするスクライビングホイール。
  2. 前記窪み部は前記溝から離れるにしたがって幅が広くなっていることを特徴とする請求項1に記載のスクライビングホイール。
  3. 前記窪み部は前記溝から離れるにしたがって深さが浅くなっていることを特徴とする請求項1に記載のスクライビングホイール。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載のスクライビングホイールを回転自在に保持するホルダーと、
    前記ホルダーが取り付けられたスクライブヘッドと、を有するスクライブ装置。
  5. 円板の円周部に沿って、稜線と、前記稜線の両側の傾斜面からなる刃と、前記稜線に形成された、前記円板の厚さ方向への幅を持つ底部を有する複数の溝と、を有するスクライビングホイールの製造方法であって、
    前記刃の稜線に前記溝を形成する工程と、
    前記円板の稜線正面側から前記溝の底部の端に対してレーザー光を照射し、前記刃の傾斜面に前記溝の底部の端とつながる窪み部を形成する工程と、
    を有することを特徴とするスクライビングホイールの製造方法。
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