JP2015209350A - スクライビングツールの製造方法、スクライビングツール、スクライブ装置及びスクライブ方法 - Google Patents

スクライビングツールの製造方法、スクライビングツール、スクライブ装置及びスクライブ方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構成でありながら、スクライビングポイントを他のスクライビングポイントに変更しても、スクライビングポイントが適切な方向となり、非常に高精度のスクライブラインを形成することができる、スクライビングツールの製造方法、スクライビングツール、スクライブ装置及びスクライブ方法を提供する。【解決手段】脆性材料基板15の分断において、脆性材料基板に対してスクライビングポイント32を移動させることにより、スクライブラインを形成する際に用いるスクライビングツール30の製造方法であって、円板状部材31を研磨することにより、円板状部材の円周に沿って全周稜線36と全周稜線の両側に伸びる傾斜面37とを形成する工程と、全周稜線を切欠くことにより、複数のスクライビングポイント32を形成する工程と、を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、ガラス基板等の脆性材料基板の分断において、脆性材料基板の表面にスクライブラインを形成するためのスクライビングツールの製造方法、スクライビングツール、スクライブ装置及びスクライブ方法に関する。
ガラス基板の分断は、通常、スクライビングツールを用いてガラス基板の表面にスクライブラインを形成することにより行われている。このスクライビングツールとしてスクライビングホイールがよく知られている。このスクライビングホイールとしては、例えば特許文献1に記載されているホイールカッターがある。
特許文献1に記載されているホイールカッターは、円板状の部材からなるとともに、円板状の部材の外周が研磨され、稜線と稜線の両側の傾斜面からなる刃を備えている。そしてホイールカッターは、カッターホルダーに保持されるとともに、カッターピンが挿入された回転軸を中心に回転することで、脆性材料基板の表面にスクライブラインを形成していく。
また、スクライビングホイール以外のスクライビングツールとして、例えば特許文献2や特許文献3に記載されている、円柱状や角柱状からなる支持部の先端にダイヤモンドチップ等を取り付け、チップ表面を研磨してスクライビングポイントを形成したものが知られている。
特許文献2や特許文献3に記載されているようなスクライビングツールは、脆性材料基板に対してスクライビングポイントを圧接し、この状態で摺動させる。したがって、基板上でスクライビングポイントが引き摺られることになり、その際に脆性材料基板の表面にスクライブラインが形成されていく。
このようにスクライビングポイントが形成されたスクライビングツールは、固定された状態で脆性材料基板の上を相対的に移動するため、スクライビングホイールのようなスクライビングツールに比べ左右へのぶれが生じない。したがって、スクライビングポイントが形成されたスクライビングツールは、高精度のスクライブラインを形成できる利点を有している。
また、このようなスクライビングツールは、スクライビングポイントが摩耗してくると、支持部の中心軸を中心に回転(脆性材料基板の表面と平行な方向で回転)させ、他のスクライビングポイントを用いてスクライブラインを形成できるため、スクライビングツールの寿命を延ばすことができる。
特開2013−245135号公報 特開2003−183040号公報 特開2005−079526号公報
しかしながら、スクライビングポイントを他のスクライビングポイントに変更する際に、スクライビングポイントを適切な方向に向けて固定することは非常に難しい。また特許文献3のような構造を採用すると、スクライビングポイントの形状が複雑になるため、スクライビングツールの加工が難しく高価なスクライビングツールやスクライブ装置になってしまう。
本発明は、簡単な構成でありながら、スクライビングポイントを他のスクライビングポイントに変更しても、スクライビングポイントが適切な方向となり、非常に高精度のスクライブラインを形成することができる、スクライビングツールの製造方法、スクライビングツール、スクライブ装置及びスクライブ方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のスクライビングツールの製造方法は、脆性材料基板の分断において、前記脆性材料基板に対してスクライビングポイントを相対的に移動させることにより、前記脆性材料基板の表面にスクライブラインを形成する際に用いるスクライビングツールの製造方法であって、円板状部材を研磨することにより、前記円板状部材の円周に沿って全周稜線と前記全周稜線の両側に伸びる傾斜面とを形成する工程と、前記全周稜線を切欠くことにより、複数のスクライビングポイントを形成する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明のスクライビングツールの製造方法によれば、円板状部材の円周に沿って最初に全周稜線を形成し、全周稜線を切欠いてスクライビングポイントを形成しているため、円板状部材の円周に形成されたスクライビングポイントの円板状部材の側面からの位置を全て精度良くそろえることができる。したがって、スクライビングポイントを他のスクライビングポイントに変更した際にも、スクライビングポイントの位置がずれないため、高精度のスクライブラインを形成することができる。
また、本発明のスクライビングツールの製造方法は、前記スクライビングポイントにダイヤモンド膜を形成し、表面の最大高さRz0.05μm以下となるまで前記ダイヤモンド膜を研磨する工程を更に含むことを特徴とする。
本発明のスクライビングツールの製造方法によれば、スクライブラインを形成する際に脆性材料基板の微細な欠けの発生を抑えることができ、良好なスクライブラインを形成することができる。
また、本発明のスクライビングツールの製造方法は、前記全周稜線への切欠きが、前記円板状部材の側面視において非対称となっていることを特徴とする。
本発明のスクライビングツールの製造方法によれば、円板状部材の円周に効率良くスクライビングポイントを形成することができる。
また、本発明のスクライビングツールは、脆性材料基板の分断において、前記脆性材料基板に対してスクライビングポイントを相対的に移動させることにより、前記脆性材料基板の表面にスクライブラインを形成する際に用いるスクライビングツールであって、前記スクライビングポイントは、前記円板状部材の円周に沿って伸びる稜線と前記円板状部材の円周部分を切欠いてできた切欠稜線との交点に形成されるとともに、前記スクライビングポイントは、前記円板状部材の円周に沿って複数形成されていることを特徴とする。
本発明のスクライビングツールによれば、スクライビングポイントが円板状部材の円周に沿って伸びる稜線と、円板状部材の円周部分を切欠いてできた切欠き稜線との交点に形成されているため、円板状部材の側面を基準に稜線を形成しておくことで、スクライビングポイントの位置を全て精度良くそろえることができる。したがって、スクライビングポイントを他のスクライビングポイントに変更した際にも、スクライビングポイントの位置がずれないため、高精度のスクライブラインを形成することができる。
また、本発明のスクライビングツールは、前記スクライビングポイントが、ダイヤモンドからなることを特徴とする。
本発明のスクライビングツールによれば、スクライビングポイントの表面粗さを小さくすることができる。
また、本発明のスクライビングツールは、前記スクライビングポイントが、最大高さRz0.05μm以下であることを特徴とする。
本発明のスクライビングツールによれば、スクライブラインを形成する際に脆性材料基板の微細な欠けの発生を抑えることができ、良好なスクライブラインを形成することができる。
また、本発明のスクライブ装置は、前記スクライビングツールと、前記スクライビングツールを保持するツール保持部と、を備えることを特徴とする。
本発明のスクライブ装置によれば、スクライビングポイントを他のスクライビングポイントに変更した際にも、スクライビングポイントの位置がずれないため、高精度のスクライブラインを形成することができるスクライブ装置となる。
また、本発明のスクライブ装置は、前記ツール保持部が、前記円板状部材の円周方向に沿って前記スクライビングツールを自動回転させるツール回動手段を備えていることを特徴とする。
本発明のスクライブ装置によれば、効率良くスクライビングポイントを変更することができる。
また、本発明のスクライブ方法は、前記スクライビングツールを用いて前記脆性材料基板の分断のためのスクライブラインを形成することを特徴とする。
本発明のスクライブ方法によれば、スクライビングポイントを他のスクライビングポイントに変更した際にも、スクライビングポイントの位置がずれないため、高精度のスクライブラインを形成することができるスクライブ方法となる。
また、本発明のスクライブ方法は、前記円板状部材の円周部分を切欠いてできた前記切欠稜線は、前記円板状部材の側面視において前記稜線に対して斜め方向に伸びており、前記脆性材料基板の表面にスクライブラインを形成する際、前記スクライビングポイントの移動は、前記切欠稜線側を先にして進めて行くことを特徴とする。
本発明のスクライブ方法によれば、スクライビングポイントを移動させた際の脆性材料基板に対する抵抗が抑えられ、良好なスクライブラインを形成することができる。
実施形態のスクライブ装置の概略図である。 図2(A)は実施形態のスクライビングツールの側面図であり、図2(B)はスクライビングツールの正面図である。 実施形態のスクライビングツールの製造工程を示した工程図である。 図4(A)は実施形態のスクライビングツールのスクライビングポイントを用いてスクライブラインを形成している拡大図であり、図4(B)は他のスクライビングポイントを用いてスクライブラインを形成している拡大図である。 図5(A)は実施形態のツール回動手段の側面図であり、図5(B)はツール回動手段の正面図である。 図6(A)は、実施形態のスクライビングツールの当初のスクライビングポイントを用いてスクライブラインを形成している拡大図であり、図6(B)は接触部となる位置を変えてスクライブラインを形成している拡大図である。 図7(A)は他の実施形態のスクライビングツールの側面図であり、図7(B)はスクライビングツールの正面図であり、図7(C)は、スクライビングポイントを用いてスクライブラインを形成している側面図である。
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための一例を示すものであり、本発明をこの実施形態に特定することを意図するものではない。本発明は、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態にも適応できるものである。
図1は、本発明の実施形態に係るスクライブ装置1の概略図である。スクライブ装置1は、移動台10を備えている。移動台10は、ボールネジ11と螺合されており、モータの駆動によりこのボールネジ11が回転することで、一対の案内レール12に沿ってy軸方向に移動可能となっている。
移動台10の上面には、モータ13が設置されている。モータ13は、上部に位置するテーブル14をxy平面で回転させて所定角度に位置決めする。モータ13により水平回転可能なテーブル14は、図示しない真空吸着手段を備えており、テーブル14上に載置された脆性材料基板15をこの真空吸着手段によって保持する。
この脆性材料基板15は、ガラス基板、低温焼成セラミックスや高温焼成セラミックスからなるセラミック基板、シリコン基板、化合物半導体基板、サファイア基板、石英基板等である。また、脆性材料基板15は、基板の表面又は内部に薄膜或いは半導体材料を付着させたり、含ませたりしたものであってもよい。また、脆性材料基板15は、その表面に脆性材料に該当しない薄膜等が付着されていても構わない。
スクライブ装置1は、テーブル14に載置された脆性材料基板15の上方に、この脆性材料基板15の表面に形成されたアライメントマークを撮像する二台のCCDカメラ16を備えている。移動台10とその上部のテーブル14とを跨ぐように、ブリッジ17が支柱18a、18bに架設されている。
ブリッジ17にはガイド19が取り付けられており、スクライブヘッド20はこのガイド19に案内されてx軸方向に移動するように設置されている。スクライブヘッド20には、ツール保持部21を介してスクライビングツール30が取り付けられている。
ここで、スクライブ装置1を用いて脆性材料基板15へスクライブラインを形成する工程の概略を説明する。まず、スクライビングツール30がツール保持部21へ取り付けられたスクライブ装置1は、一対のCCDカメラ16によって脆性材料基板15の位置決めを行う。次いで、スクライブ装置1は、スクライブヘッド20を所定の位置に移動させ、ツール保持部21を介してスクライビングツール30に対して所定の荷重を印加しつつ、後述するスクライビングツール30のスクライビングポイント32を脆性材料基板15へ接触させる。そして、スクライブ装置1は、スクライビングツール30をX軸方向に摺動させることにより、脆性材料基板15の表面に所定のスクライブラインを形成する。なお、スクライブ装置1は、必要に応じてテーブル14を回動ないしY軸方向に移動し、上記の場合と同様にしてスクライブラインを形成する。
次に、スクライブヘッド20のツール保持部21に取り付けられたスクライビングツール30の詳細について図を用いて説明する。図2(A)はスクライビングツール30の側面図であり、図2(B)はスクライビングツール30の正面図である。
スクライビングツール30は、円板状部材31の円周に沿って、スクライビングポイント32が複数形成されている。
円板状部材31は超硬合金製の部材である。円板状部材31は、外径20〜30mmで、厚さ0.4〜1.2mmの部材である。円板状部材31の中心には、スクライビングツール30をツール保持部21に取り付けるための保持孔33が形成されている。なお、特許文献1等に記載されているスクライビングホイールは、通常外径は1、0〜3.0mm程度である。したがって、スクライビングツール30は、回転しながらスクライブラインを形成する特許文献1等のスクライビングホイールに比べると、非常に大きなものである。
スクライビングポイント32は、円板状部材31の円周に沿って伸びる稜線34と、円板状部材31の円周部分を切欠いてできた2本の切欠稜線35との交点に形成されている。なお、スクライビングポイント32は、超硬合金製の円板状部材31の表面にダイヤモンド膜を形成し、このダイヤモンド膜の表面を研磨して形成されている。
そして、スクライブ装置1は、スクライビングポイント32を脆性材料基板15に圧接した状態で摺動させることにより、脆性材料基板15の表面にスクライブラインを形成する。また、スクライビングポイント32が摩耗してくると、スクライブ装置1はスクライビングツール30を円周方向に回転し、他のスクライビングポイント32に変更して、スクライブラインを形成する。
このようなスクライビングツール30の製造方法について図を用いて説明する。図3はスクライビングツール30の製造工程を示した工程図である。まず、超硬合金製の円柱部材を所定の厚さに切断し、円板状部材31aが製造される(ステップ1)。
次に、円板状部材31aの円周部分を両側面から研磨することにより、円周に沿って全周稜線36と、全周稜線36の両側に伸びる傾斜面37とを備える円板状部材31bが製造される(ステップ2)。この時、円板状部材31bは、全周稜線36を円板状部材31aの側面を基準にして研磨して形成することで、側面からの全周稜線36の位置が全周に渡って全て同じ位置になるように形成することができる。
次に、円板状部材31bの全周稜線36を切欠き、切欠部38が形成された円板状部材31cが製造される(ステップ3)。なお、切欠部38は、ワイヤ放電加工やレーザ加工等の既知の切断手段によって形成される。
このように、円板状部材31cの全周にわたって、等間隔で切欠部38を形成することによって、円板状部材31dが製造される(ステップ4)。本実施形態では、円板状部材31dに12個の切欠き部38が形成されている。
なお、切欠部38は、側面視において非対称に形成されている。具体的には切欠部38は、全周稜線36から斜めに切欠いた切欠斜面38aと、全周稜線36から垂直又は斜めに切欠いた切欠斜面38bと、切欠底部38cと、から構成されている。そして、傾斜面37と切欠斜面38a、38bとの間に、それぞれ切欠稜線35が形成されることになる。なお、本実施形態においては切欠斜面38aと切欠斜面38bとは側面視において非対称とされているが、対称となるように形成されても良い。稜線と切欠斜面38aまたは切欠斜面38bとがなす角度が、従来の円柱状や角柱状からなる支持部の先端にダイヤモンドチップ等を取り付け、チップ表面を研磨して形成されたスクライビングポイントと同様の角度をなすことが好ましい。
また、先に述べたように、円板状部材31は、従来から知られているスクライビングホイールのようなスクライビングツールに比べて、外径が非常に大きくなっている。したがって、例えば円板状部材31bの状態で、そのままスクライブラインを形成しようとすると、スクライビングツールと脆性材料基板との接触面積が大きいことからスクライブラインを形成するための荷重が非常に大きくなってしまう。しかしながら、円板状部材31dのように切欠部38を形成しておくことで、スクライビングツールと基板との接触面積を小さくすることができ、スクライビングポイント32を用いてスクライブラインを形成する際の荷重を、従来のスクライビングツールと同程度の荷重とすることができる。
次に、円板状部材31dの円周にダイヤモンド膜を成膜形成し、円板状部材31eが製造される(ステップ5)。なお、図3のステップ5においてダイヤモンド膜は黒く塗り潰して示されている。ダイヤモンド膜は、例えば、傾斜面37、切欠斜面38a、切欠斜面38b、切欠底部38cの表面を粗面としておき、所定の温度、圧力、雰囲気等に保ち、ダイヤモンド核をまず形成し、ダイヤモンド核を化学気相成長法によって成長させることによって形成する等、種々の方法を用いることができる。なお、ダイヤモンド膜は、円板状部材31dの側面等、円板状部材31dの表面全体に成膜しても構わないが、スクライビングポイント32を形成する傾斜面37や切欠斜面38a等に成膜することで、スクライビングホイール30を安価に製造することができる。
最後に、円板状部材31eのダイヤモンド膜表面を研磨し、稜線34と切欠稜線35との交点にスクライビングポイント32が形成された円板状部材31fを製造することにより、スクライビングツール30が完成する(ステップ6)。なお、図3のステップ6において、ダイヤモンド膜は斜線で示されている。この時、ダイヤモンド膜の表面粗さはできるだけ小さい方が好ましく、表面は最大高さRz0.05μm以下になるように研磨されている。
上記のように製造されたスクライビングツール30を用いて、脆性材料基板15の表面にスクライブラインを形成する方法について図を用いて説明する。図4(A)は、スクライビングポイント32aを用いてスクライブラインを形成している拡大図であり、図4(B)は、他のスクライビングポイント32bを用いてスクライブラインを形成している拡大図である。
図4(A)に示すように、スクライブ装置1は、スクライビングツール30のスクライビングポイント32aを脆性材料基板15に対して圧接し、その状態を保持したままでスクライビングツール30を稜線34と平行な方向(矢印Dの方向)に移動し、スクライビングポイント32aを摺動することによって、脆性材料基板15の表面にスクライブラインを形成する。この時、スクライビングポイント32aは、脆性材料基板15へ食込み、接触部39が形成される。
スクライビングポイント32aを用いてスクライブラインを形成していると、スクライビングポイント32aでの摩耗が生じる。したがって、スクライビングポイント32aが摩耗し、スクライブラインを形成することが困難になると、スクライブ装置1は、図4(B)に示すように次のスクライビングポイント32bに変更する。そして、スクライブ装置1は、スクライビングポイント32bを脆性材料基板15に対して圧接し、スクライビングツール30を稜線34と平行な方向(矢印Dの方向)に移動し、スクライビングポイント32bを摺動することによって、脆性材料基板15の表面にスクライブラインを形成する。
スクライビングポイント32aからスクライビングポイント32bへの変更は、スクライビングツール30を円周方向(矢印Rの方向)に回転させることによって行われる。なお、スクライビングツール30の回転は、例えば作業者が手動で回転させたり、作業者がツール保持部21からスクライビングツール30を外して手動で取り付け直したりすることにより行われる。このようにスクライビングツール30を回転できるよう、ツール保持部21にツール回動手段22が備わっている。
このツール回動手段22の具体例について図を用いて説明する。図5(A)はツール回動手段22の側面図であり、図5(B)はツール回動手段22の正面図である。ツール回動手段22は、一対のツール保持部21にそれぞれ形成された貫通孔23と、スクライビングツール30をツール保持部21に固定するボルト24とナット25と、から構成されている。そして、ツール保持部21の貫通孔23とスクライビングツール30の保持孔33との位置を合わせ、ボルト24とナット25を締めることにより、一対のツール保持部21がスクライビングツール30に圧接され、スクライビングツール30がこれらツール保持部21の間に回転できない状態で固定される。この状態でスクライビングポイント32を摺動し脆性材料基板15の表面にスクライブラインを形成する。そして、他のスクライビングポイント32への変更が必要になると、ボルト24とナット25を緩め、スクライビングホール30を所望の位置に回転した後でまたボルト24とナット25を締めてスクライビングホイール30を回転できない状態に固定する。
なお、ツール回動手段22は、スクライビングツール30を手動により回転させる構成でも構わないが、ツール保持部21にモータ等の駆動手段からなるツール回動手段を設けておき、自動で回転させても構わない。スクライブ装置1は、自動式ツール回動手段を備えておくことで、例えば作業時間を累積し、一定の作業時間に達すると、自動でスクライビングポイント32を変更する構成等を採用することができ、作業の効率化と共に、常に良好なスクライブラインを形成することができる。
また、スクライビングポイント32aの稜線34もスクライビングポイント32bの稜線34も、図3のスクライビングツール30の製造方法で説明したように、円板状部材31の側面を基準にして全周稜線36を形成した後、切欠部38を形成することにより形成されている。したがって、スクライビングポイント32aの稜線34も、スクライビングポイント32bの稜線34も、円板状部材31の側面からの距離が同じになっている。したがって、特許文献2や特許文献3のような、スクライビングポイントの位置合わせの困難性や、構造の複雑化という問題もなく、スクライブ装置1は、スクライビングツール30を回転させるだけで、スクイビングポイント32を変更することができる。また、スクライブ装置1は、スクライビングポイント32aを他のスクライビングポイント32bに変更したとしても、稜線34の位置は変わらないので、極めて精度の高いスクライブラインを引き続き形成することができる。
また、図3で説明したスクライビングツール30の製造工程の説明において、切欠部38は、側面視において非対称に形成されている点を説明した。具体的には切欠部38は、全周稜線36から斜めに切欠いた切欠斜面38aと、全周稜線36から垂直又は斜めに切欠いた切欠斜面38bと、切欠底部38cと、から構成されている。一方、切欠部38を側面視において対称に形成すると、稜線と切欠斜面38a、38bの角度によってはスクライビングポイントとその前方に位置するスクライビングポイントを形成する稜線34との間が狭くなり過ぎてしまうおそれがある。この場合、十分な接触部39を形成する前に、前方に位置する稜線34が脆性材料基板15表面に接触してしまうことになる。また、あるスクライビングポイントとその前方に位置するスクライビングポイントを形成する稜線34との間をあまり広くし過ぎてしまうと、円板状部材31の円周に形成できるスクライビングポイント32の数が減ってしまう。
したがって、スクライビングツール30は、切欠部38を非対称に形成しておくことで、図4で示すように、スクライビングポイント32aと、その前方に位置するスクライビングポイント32cを形成する稜線34との間を接触部39形成に十分な距離だけ離すことができ、更にスクライビングポイント32を円板状部材31の円周に効率良く形成することができる。
なお、スクライビングポイント32aでの摩耗が生じると、直ぐに次のスクライビングポイント32aに変更するだけでなく、スクライビングツール30を矢印Rの方向に少しだけ回転させることにより、接触部39となる位置を変えて、スクライビングポイント32aを使用しても構わない。具体的には、図6(A)に示すように、最初はスクライビングポイント32aにおける稜線34の先端部でスクライブラインを形成する。この時の稜線34と脆性材料基板15との間の角度は、角度αとなる。
そして、スクライビングポイント32aが摩耗し、稜線34が短くなると、スクライビングツール30を少しだけ回転させ、図6(B)に示すように、スクライビングポイント32aの短くなかった稜線34の先端部を用いてスクライブラインを形成する。この時の稜線34と脆性材料基板15との間の角度は、角度βとなり、α>βとなる。このように、接触部39となる位置を変えてスクライビングポイント32aを使用することにより、スクライビングポイント32aでの作業時間を更に増やすことができる。
また、図3で説明したスクライビングツール30の製造工程の説明において、円板状部材31eでのダイヤモンド膜表面の研磨は、表面が最大高さRz0.05μm以下になるように研磨する点を述べた。この点、ステップ5、ステップ6の工程を経ない、円板状部材31dの超硬合金製のスクライビングポイントからなるスクライビングツールを用いて、ガラス基板に対してスクライブラインを形成してみたところ、微細なガラス粉が多数発生してしまった。一方で、ステップ5、ステップ6の工程を経たスクライビングツール30を用いて、ガラス基板に対してスクライブラインを形成してみたところ、微細なガラス粉の発生はなく、非常に良好なスクライブラインを形成することができた。これは、超硬合金を製造する際に含有された結合材や硬質粒子が、超硬合金の表面を研磨する際に取れてしまい、表面が粗くなり易く、ダイヤモンド膜のように最大高さRz0.05μm以下になるまで研磨することが難しいためであると思われる。したがって、スクライビングポイント32は、単結晶ダイヤモンドや化学気相成長法等による多結晶ダイヤモンドのように、表面の最大高さRz0.05μm以下に研磨できるものが好ましい。
また、本実施形態において、スクライビングツール30は、スクライビングポイント32を、稜線34と2本の切欠稜線35との交点に形成しており、この2本の切欠稜線35は傾斜面37と切欠斜面38aとの間で形成されたものである。したがって、切欠稜線35は、円板状部材31の側面視において、稜線34に対して斜め方向に伸びており、スクライブラインを形成する際には、切欠稜線35側が先に脆性材料基板15と接触するため、スクライブ装置1は、スクライビングポイント32を摺動させた際の脆性材料基板15に対する抵抗が抑えられ、良好なスクライブラインを形成することができる。
一方、他の実施形態として、2本の切欠稜線35を傾斜面37と切欠斜面38bとの間で形成されたものでもよい。この点について、図を用いて説明する。図7(A)はスクライビングツール130の側面図であり、図7(B)はスクライビングツール130の正面図であり、図7(C)は、スクライビングポイント132を用いてスクライブラインを形成している側面図である。
スクライビングツール130は、円板状部材131の円周に沿って、スクライビングポイント132が複数形成されている。このスクライビングポイント132は、円板状部材131の円周に沿って伸びる稜線134と、円板状部材131の円周部分を切欠いた切欠部138によりできた2本の切欠稜線135との交点に形成されている。そして、切欠部138は、側面視において非対称に形成されており、具体的には切欠斜面138aと、切欠斜面138bと、切欠底面138cと、から構成されている。そして、切欠稜線135は、傾斜面137と切欠斜面138bとの間に形成されたものである。したがって、切欠稜線135は、円板状部材131の側面視において、稜線134に対して直交する方向に伸びている。
このようなスクライビングツール130は、スクライブ装置1のツール保持部21に保持されるとともに、スクライビングポイント132を脆性材料基板15に対して圧接した状態で、スクライビングツール30とは反対方向となる矢印D´の方向にスクライビングポイント132を摺動させることにより、スクライブラインを形成することになる。そして、スクライビングツール130は、切欠斜面138bの角度を切欠斜面138aと異ならせていることにより、厚さの異なるガラス基板や、ガラス基板よりも固い基板に対してスクライブラインを形成する場合にも良好なスクライブラインを形成することができる。また、スクライビングポイント132は、稜線134側が脆性材料基板15と進行方向後方で接触することになり、ガラス基板のような脆性材料基板に対してチッピングが少なく、非常に良好なスクライブラインを形成することができる。なお、スクライビングツール130は、脆性材料基板の種類や厚さに応じてスクライブラインを形成する際の移動方向を図7(C)の矢印D´の方向とは反対の方向に移動させて用いることもできる。
1…スクライブ装置
10…移動台
11…ボールネジ
12…案内レール
13…モータ
14…テーブル
15…脆性材料基板
16…CCDカメラ
17…ブリッジ
18a、18b…支柱
19…ガイド
20…スクライブヘッド
21…ツール保持部
22…ツール回動手段
23…貫通孔
24…ボルト
25…ナット
30、130…スクライビングツール
31、131…円板状部材
32、132…スクライビングポイント
33…保持孔
34、134…稜線
35、135…切欠稜線
36…全周稜線
37、137…傾斜面
38、138…切欠部
38a、38b、138a、138b…切欠斜面
38c、138c…切欠底面
39…接触部

Claims (10)

  1. 脆性材料基板の分断において、前記脆性材料基板に対してスクライビングポイントを相対的に移動させることにより、前記脆性材料基板の表面にスクライブラインを形成する際に用いるスクライビングツールの製造方法であって、
    円板状部材を研磨することにより、前記円板状部材の円周に沿って全周稜線と前記全周稜線の両側に伸びる傾斜面とを形成する工程と、
    前記全周稜線を切欠くことにより、複数のスクライビングポイントを形成する工程と、
    を含むことを特徴とするスクライビングツールの製造方法。
  2. 前記スクライビングポイントにダイヤモンド膜を形成し、表面の最大高さRz0.05μm以下となるまで前記ダイヤモンド膜を研磨する工程を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のスクライビングツールの製造方法。
  3. 前記全周稜線への切欠きは、前記円板状部材の側面視において非対称となっていることを特徴とする請求項1または2に記載のスクライビングツールの製造方法。
  4. 脆性材料基板の分断において、前記脆性材料基板に対してスクライビングポイントを相対的に移動させることにより、前記脆性材料基板の表面にスクライブラインを形成する際に用いるスクライビングツールであって、
    前記スクライビングポイントは、前記円板状部材の円周に沿って伸びる稜線と前記円板状部材の円周部分を切欠いてできた切欠稜線との交点に形成されるとともに、
    前記スクライビングポイントは、前記円板状部材の円周に沿って複数形成されていることを特徴とするスクライビングツール。
  5. 前記スクライビングポイントは、ダイヤモンドからなることを特徴とする請求項4に記載のスクライビングツール。
  6. 前記スクライビングポイントは、最大高さRz0.05μm以下であることを特徴とする請求項4または5に記載のスクライビングツール。
  7. 請求項4から6の何れか1項に記載のスクライビングツールと、前記スクライビングツールを保持するツール保持部と、を備えることを特徴とするスクライブ装置。
  8. 前記ツール保持部は、前記円板状部材の円周方向に沿って前記スクライビングツールを自動回転させるツール回動手段を備えていることを特徴とする請求項7に記載のスクライブ装置。
  9. 請求項4から6の何れか1項に記載のスクライビングツールを用いて前記脆性材料基板の分断のためのスクライブラインを形成することを特徴とするスクライブ方法。
  10. 前記円板状部材の円周部分を切欠いてできた前記切欠稜線は、前記円板状部材の側面視において前記稜線に対して斜め方向に伸びており、
    前記脆性材料基板の表面にスクライブラインを形成する際、前記スクライビングポイントの移動は、前記切欠稜線側を先にして進めて行くことを特徴とする請求項9に記載のスクライブ方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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