JP2017049452A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱可塑性の記録媒体を加熱手段で加熱する構成において、記録媒体の搬送が停止された後で記録媒体を加熱手段から遠ざける構成に比べて、記録媒体の搬送が停止されたときの加熱手段における記録媒体の変形を抑制する。【解決手段】定着装置20は、加熱部30と、離間機構部50とを有する。加熱部30は、熱可塑性で長尺状のフィルム15を搬送する中間転写ロール42A及び転写ロール42Bと搬送ロール44との間に配置され、搬送されるフィルム15上のトナーTを加熱する。離間機構部50は、フィルム15の少なくとも一部が搬送されている状態において、加熱部30からフィルム15を離間させる。【選択図】図2
Description
本発明は、定着装置及び画像形成装置に関する。
特許文献1には、印刷用紙の搬送方向で一対の定着ロールよりも上流側にプレヒータ及び突出部材を設けて、非定着時にプレヒータ上に存在する印刷用紙を突出部材により押し上げる定着装置が示されている。
記録媒体の搬送動作を停止させてから突出部材により記録媒体を加熱手段から離す構成では、搬送動作が停止された状態で記録媒体が加熱手段の近くにいる時間が長いため、加熱手段の熱で記録媒体が過熱され、記録媒体の変形が大きくなる可能性がある。
本発明は、熱可塑性の記録媒体を加熱手段で加熱する構成において、記録媒体の搬送が停止された後で記録媒体を加熱手段から遠ざける構成に比べて、記録媒体の搬送が停止されたときの加熱手段における記録媒体の変形を抑制することを目的とする。
本発明の請求項1に係る定着装置は、熱可塑性で長尺状の記録媒体を搬送する第1搬送部材と第2搬送部材との間に配置され、搬送される記録媒体上の現像剤を加熱する加熱手段と、前記記録媒体の少なくとも一部が搬送されている状態において、前記加熱手段から前記記録媒体を離間させる離間手段と、を有する。
本発明の請求項2に係る定着装置の前記記録媒体の搬送方向における前記加熱手段よりも上流側又は下流側には、前記離間手段が前記記録媒体を前記加熱手段から離間させるときに前記記録媒体に作用する張力の増加を抑制する抑制手段が設けられている
本発明の請求項3に係る定着装置の前記加熱手段は、軸の周りに回転し外周面の一部に前記記録媒体が巻き掛けられた回転部材を有し、前記離間手段は、前記回転部材の径方向外側で前記軸の軸方向に沿って配置され、前記記録媒体が前記回転部材に巻き掛けられていない第1領域及び前記記録媒体が前記回転部材に巻き掛けられている第2領域の一方又は他方へ移動可能に設けられ、前記第2領域で前記記録媒体を支持する複数の支持部材と、複数の前記支持部材を、前記第1領域及び前記第2領域の一方又は他方へ駆動する駆動手段と、を有する。
本発明の請求項4に係る定着装置の前記加熱手段は、軸の周りに回転し外周面が前記記録媒体と間隔をあけて配置された回転部材を有し、前記離間手段は、周長が前記回転部材の周長よりも長く、前記回転部材が軸方向を揃えて内側に挿入され、前記記録媒体と接触する筒部材と、前記筒部材を前記記録媒体との接触部へ向けて周方向に移動させる第1移動部材と、前記周方向で前記接触部よりも下流側でかつ前記第1移動部材よりも上流側に配置され、前記筒部材を前記第1移動部材へ向けて移動させる第2移動部材と、前記第1移動部材による前記筒部材の第1速度と前記第2移動部材による前記筒部材の第2速度との間に速度差を生じさせる制御を行う制御手段と、を有する。
本発明の請求項5に係る画像形成装置は、記録媒体に現像剤像を形成する現像剤像形成手段と、前記現像剤像を加熱して前記記録媒体に定着する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の定着装置と、を有する。
請求項1の発明は、熱可塑性の記録媒体を加熱手段で加熱する構成において、記録媒体の搬送が停止された後で記録媒体を加熱手段から遠ざける構成に比べて、記録媒体の搬送が停止されたときの加熱手段における記録媒体の変形を抑制することができる。
請求項2の発明は、記録媒体を加熱手段に対して離間させるときに記録媒体に作用する張力の増加を抑制しない構成に比べて、記録媒体を加熱手段から離間させ易くすることができる。
請求項3の発明は、複数の支持部材を第1領域に移動させない構成に比べて、加熱手段から記録媒体への熱伝達効率を高めることができる。
請求項4の発明は、回転部材の周方向に複数の支持部材を配置して記録媒体を加熱手段から離間させる構成に比べて、記録媒体に作用する力の局所的な集中を抑制することができる。
請求項5の発明は、記録媒体の少なくとも一部が搬送されている状態において加熱手段から記録媒体を離間させない構成に比べて、記録媒体が変形することにより生じる画像不良を抑制することができる。
[第1実施形態]
第1実施形態に係る定着装置及び画像形成装置の一例について説明する。
第1実施形態に係る定着装置及び画像形成装置の一例について説明する。
〔全体構成〕
図1には、第1実施形態に係る画像形成装置10が示されている。画像形成装置10は、繰出ロール12と、現像剤像形成手段の一例としての画像形成部14と、定着装置20と、巻取ロール16と、制御部18と、複数のロール19とを有している。また、画像形成装置10は、記録媒体の一例としてのフィルム15上に画像形成部14により現像剤像の一例としてのトナー画像TAを形成して、定着装置20によりトナー画像TAを加熱してフィルム15に定着するようになっている。
図1には、第1実施形態に係る画像形成装置10が示されている。画像形成装置10は、繰出ロール12と、現像剤像形成手段の一例としての画像形成部14と、定着装置20と、巻取ロール16と、制御部18と、複数のロール19とを有している。また、画像形成装置10は、記録媒体の一例としてのフィルム15上に画像形成部14により現像剤像の一例としてのトナー画像TAを形成して、定着装置20によりトナー画像TAを加熱してフィルム15に定着するようになっている。
なお、以下の説明では、図1に矢印Yで示す方向を装置高さ方向、矢印Xで示す方向を装置幅方向とする。また、装置高さ方向及び装置幅方向のそれぞれに直交する方向(Zで示す)を装置奥行き方向とする。そして、画像形成装置10を操作者(図示省略)が立つ側から見て(正面視して)、装置高さ方向、装置幅方向、装置奥行き方向をY方向、X方向、Z方向と記載する。さらに、X方向、Y方向、Z方向のそれぞれ一方側と他方側を区別する必要がある場合は、画像形成装置10を正面視して、上側をY側、下側を−Y側、右側をX側、左側を−X側、奥側をZ側、前側を−Z側と記載する。
(繰出ロール)
繰出ロール12は、Z方向を軸方向として、図示しないフレームに回転可能に設けられている。また、繰出ロール12の外周には、予め、フィルム15が巻き付けられている。フィルム15は、繰出ロール12の外周面からX側へ引き出され、複数のロール19を経由して画像形成部14、定着装置20及び巻取ロール16へ搬送されるようになっている。また、フィルム15は、巻取ロール16との間で設定された張力で張られている。
繰出ロール12は、Z方向を軸方向として、図示しないフレームに回転可能に設けられている。また、繰出ロール12の外周には、予め、フィルム15が巻き付けられている。フィルム15は、繰出ロール12の外周面からX側へ引き出され、複数のロール19を経由して画像形成部14、定着装置20及び巻取ロール16へ搬送されるようになっている。また、フィルム15は、巻取ロール16との間で設定された張力で張られている。
(巻取ロール)
巻取ロール16は、Z方向を軸方向として、図示しないフレームに図示しない駆動源により回転可能に設けられている。また、巻取ロール16は、繰出ロール12からX側へ離れた位置に配置されており、フィルム15を巻き取るようになっている。
巻取ロール16は、Z方向を軸方向として、図示しないフレームに図示しない駆動源により回転可能に設けられている。また、巻取ロール16は、繰出ロール12からX側へ離れた位置に配置されており、フィルム15を巻き取るようになっている。
(ロール)
複数のロール19は、一例として、ステンレス鋼製で、Z方向を軸方向として図示しないフレームに回転可能に設けられている。
複数のロール19は、一例として、ステンレス鋼製で、Z方向を軸方向として図示しないフレームに回転可能に設けられている。
(フィルム)
フィルム15は、一例として、熱可塑性で長尺状のOPP(Oriented Polypropylene)フィルムで構成されている。また、フィルム15は、連帳フィルムであり、張力が付与された状態で画像形成部14及び定着装置20に搬送されるようになっている。
フィルム15は、一例として、熱可塑性で長尺状のOPP(Oriented Polypropylene)フィルムで構成されている。また、フィルム15は、連帳フィルムであり、張力が付与された状態で画像形成部14及び定着装置20に搬送されるようになっている。
<画像形成部>
画像形成部14は、帯電、露光、現像、転写を含む公知の電子写真方式の装置で構成されている。また、画像形成部14は、一例として、4つの画像形成ユニット14Y、14M、14C、14Kを有している。さらに、画像形成部14は、一例として、液体現像剤Gを用いて、フィルム15に現像剤の一例としてのトナーTからなるトナー画像TAを形成するようになっている。なお、以後の説明では、フィルム15におけるトナー画像TAが形成される側の面を表面と称し、表面側とは反対側の面を裏面と称する。
画像形成部14は、帯電、露光、現像、転写を含む公知の電子写真方式の装置で構成されている。また、画像形成部14は、一例として、4つの画像形成ユニット14Y、14M、14C、14Kを有している。さらに、画像形成部14は、一例として、液体現像剤Gを用いて、フィルム15に現像剤の一例としてのトナーTからなるトナー画像TAを形成するようになっている。なお、以後の説明では、フィルム15におけるトナー画像TAが形成される側の面を表面と称し、表面側とは反対側の面を裏面と称する。
画像形成ユニット14Kは、画像形成ユニット14Y、14M、14Cよりも下流側でかつ加熱部30よりも上流側に配置されている。また、画像形成ユニット14Kは、一例として、後述する搬送部40の一部を構成する中間転写ロール42A及び転写ロール42Bを有している。中間転写ロール42A及び転写ロール42Bは、Z方向を軸方向として図示しないモータにより回転可能に設けられている。また、中間転写ロール42A及び転写ロール42Bは、フィルム15を表面側及び裏面側から挟んでおり、図示しない電源により電位差が形成されている。これにより、中間転写ロール42A及び転写ロール42Bは、画像形成ユニット14Kで形成されたトナー像TAをフィルム15上に転写するようになっている。
(液体現像剤及びトナー)
液体現像剤Gは、現像剤の一例としてのトナーTと、図示しないオイルとを含んでいる。トナーTは、一例として、ポリエステル系の樹脂で構成されている。図示しないオイルは、一例として、シリコーンオイルで構成されている。
液体現像剤Gは、現像剤の一例としてのトナーTと、図示しないオイルとを含んでいる。トナーTは、一例として、ポリエステル系の樹脂で構成されている。図示しないオイルは、一例として、シリコーンオイルで構成されている。
<制御部>
制御部18は、コンピュータで構成された図示しないコントローラを含んで構成されている。また、制御部18は、画像形成装置10の各部の動作を制御するようになっている。
制御部18は、コンピュータで構成された図示しないコントローラを含んで構成されている。また、制御部18は、画像形成装置10の各部の動作を制御するようになっている。
〔要部構成〕
次に、定着装置20について説明する。
次に、定着装置20について説明する。
図2に示す定着装置20は、トナーTを加熱する加熱手段の一例としての加熱部30と、フィルム15を加熱部30へ搬送する搬送部40と、加熱部30からフィルム15を離間させる離間手段の一例としての離間機構部50とを有している。また、定着装置20には、フィルム15の搬送方向における加熱部30よりも下流側に抑制手段の一例としてのバッファ部80が設けられている。
<加熱部>
加熱部30は、回転部材の一例としての加熱ロール32と、加熱ロール32の内側に設けられたヒータ34と、図示しない温度センサとを有している。
加熱部30は、回転部材の一例としての加熱ロール32と、加熱ロール32の内側に設けられたヒータ34と、図示しない温度センサとを有している。
加熱ロール32は、Z方向を軸方向とする軸の一例としての軸部36を有し、全体が円筒状に形成され、外周面の一部にフィルム15が巻き掛けられている。軸部36は、円筒状に形成されており、軸部36の内側には、ヒータ34が設けられている。軸部36は、定着装置20の本体の一部を構成するフレーム22A、22B(図3参照)にZ方向を軸方向として回転可能に支持されている。軸部36のZ方向端部(Z側端部)には、軸部36よりも大径でかつ加熱ロール32よりも小径であり、Z方向に見て軸部36と同じ回転中心を有するタイミングプーリ37が設けられている。
軸部36の径方向でタイミングプーリ37の外周と対向する位置には、Z方向を軸方向とするギヤ38が設けられている。ギヤ38は、モータ35によって回転駆動されるようになっている。モータ35の駆動制御は、制御部18(図1参照)により行われる。さらに、タイミングプーリ37の図示しない歯部とギヤ38の図示しない歯部とには、タイミングベルト39の図示しない歯部が噛み合っている。
図3に示すように、加熱ロール32は、モータ35によりギヤ38が駆動され、ギヤ38の回転力がタイミングベルト39を介してタイミングプーリ37に伝達されることで、軸部36と共に回転する(軸部36の軸周りに回転する)ようになっている。
図2に示す加熱ロール32は、一例として、径方向内側から外側へ向けて、基層、弾性層及び離型層を有する多層構造となっている。基層は、一例として、SUS(ステンレス鋼)製となっている。弾性層は、一例として、シリコンゴム製となっている。離型層は、一例として、PFA(4フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレンン共重合体)製となっている。さらに、加熱ロール32は、ヒータ34により加熱されることで、フィルム15上のトナー画像TAを加熱するようになっている。
ヒータ34は、一例として、ハロゲンヒータであり、図示しない電源からの通電によって発熱し、加熱ロール32を内側から加熱するようになっている。また、ヒータ34は、加熱ロール32の外周面の温度が設定温度となるように、図示しない温度センサの測定温度(出力)に基づいて、制御部18(図1参照)によりフィードバック制御されるようになっている。
<搬送部>
搬送部40は、第1搬送部材の一例としての既述の中間転写ロール42A及び転写ロール42Bと、第2搬送部材の一例としての搬送ロール44とを有している。なお、既述の加熱部30は、フィルム15の搬送経路において、中間転写ロール42A及び転写ロール42Bと、搬送ロール44との間に配置されている。
搬送部40は、第1搬送部材の一例としての既述の中間転写ロール42A及び転写ロール42Bと、第2搬送部材の一例としての搬送ロール44とを有している。なお、既述の加熱部30は、フィルム15の搬送経路において、中間転写ロール42A及び転写ロール42Bと、搬送ロール44との間に配置されている。
搬送ロール44は、一例として、フィルム15の搬送方向で加熱部30よりも下流側でありかつ後述するバッファロール84よりも上流側に配置されている。また、搬送ロール44は、Z方向を軸方向として図示しないフレームに回転可能に支持されており、フィルム15を表面側及び裏面側から挟んで一対設けられている。さらに、搬送ロール44は、図示しないモータにより駆動されるようになっている。なお、搬送ロール44の軸の位置は固定されている。
<離間機構部>
図2及び図3に示すように、離間機構部50は、一例として、4本の支持部材63と、支持部材63を駆動する駆動手段の一例としての駆動部70とを有している。
図2及び図3に示すように、離間機構部50は、一例として、4本の支持部材63と、支持部材63を駆動する駆動手段の一例としての駆動部70とを有している。
(支持部材)
支持部材63は、一例として、円柱状(棒状)に形成されている。また、支持部材63は、加熱ロール32の径方向外側でZ方向に沿って(Z方向を軸方向として)配置されている。支持部材63のZ方向の長さは、加熱ロール32のZ方向の長さ(幅)よりも長くなっている。さらに、支持部材63は、外周面が加熱ロール32の外周面と対向するように、加熱ロール32の径方向で加熱ロール32の外側に配置されている。加えて、4本の支持部材63は、加熱ロール32の周方向に間隔をあけて配置されている。
支持部材63は、一例として、円柱状(棒状)に形成されている。また、支持部材63は、加熱ロール32の径方向外側でZ方向に沿って(Z方向を軸方向として)配置されている。支持部材63のZ方向の長さは、加熱ロール32のZ方向の長さ(幅)よりも長くなっている。さらに、支持部材63は、外周面が加熱ロール32の外周面と対向するように、加熱ロール32の径方向で加熱ロール32の外側に配置されている。加えて、4本の支持部材63は、加熱ロール32の周方向に間隔をあけて配置されている。
図3に示すように、支持部材63は、Z方向の両端部が、後述するアーム部材62、64、66、68の図示しない軸受部材により回転可能に支持されている。つまり、支持部材63は、アーム部材62、64、66、68に対して回転可能となっている。また、支持部材63は、後述する第2領域S2(図2参照)に配置された状態で、外周面の周方向の一部がフィルム15(図2参照)と接触して、フィルム15を支持するようになっている。
(駆動部)
図2に示す駆動部70は、一例として、モータ71と、駆動ギヤ72と、伝達ギヤ74と、ギヤ76と、アーム部材62、64、66、68とを有している。伝達ギヤ74は、駆動ギヤ72の回転力をギヤ76に伝達する。また、駆動部70は、制御部18(図1参照)により動作制御されるようになっている。具体的には、駆動部70は、搬送部40によりフィルム15の少なくとも一部が搬送されている状態において、加熱ロール32からフィルム15が離間するように制御部18により動作制御される。
図2に示す駆動部70は、一例として、モータ71と、駆動ギヤ72と、伝達ギヤ74と、ギヤ76と、アーム部材62、64、66、68とを有している。伝達ギヤ74は、駆動ギヤ72の回転力をギヤ76に伝達する。また、駆動部70は、制御部18(図1参照)により動作制御されるようになっている。具体的には、駆動部70は、搬送部40によりフィルム15の少なくとも一部が搬送されている状態において、加熱ロール32からフィルム15が離間するように制御部18により動作制御される。
図2に示すモータ71は、駆動ギヤ72を正方向(矢印Aで示す)又は逆方向(矢印−Aで示す)に回転可能となっている。逆方向の回転とは、アーム部材62、64、66、68を格納状態(後述する第1領域S1)から展開状態(後述する第2領域S2)へ移行させるときの駆動ギヤ72の回転方向である。正方向の回転とは、アーム部材62、64、66、68を展開状態(第2領域S2)から格納状態(第1領域S1)へ移行させるときの駆動ギヤ72の回転方向である。
駆動ギヤ72が逆方向に回転することで、伝達ギヤ74を介してギヤ76に回転力が伝達され、アーム部材62が反時計周り方向(以後、−R方向と称する)に移動して、アーム部材64、66、68が−R方向に順次、移動する。また、駆動ギヤ72が正方向に回転することで、伝達ギヤ74を介してギヤ76に回転力が伝達され、アーム部材62が時計周り方向(以後、+R方向と称する)に移動して、アーム部材64、66、68が+R方向に順次、移動する。このように、駆動部70は、アーム部材62、64、66、68を後述する第1領域S1及び第2領域S2の一方又は他方へ駆動するようになっている。
図3に示すように、加熱ロール32の−Z側、Z側には、軸部36に回転可能に連結されたアーム部材62、64、66、68が配置されている。また、それぞれ1組のアーム部材62、64、66、68は、それぞれ1本の支持部材63のZ方向両端部を回転可能に支持している。
ここで、1組のアーム部材62と1本の支持部材63とをまとめて揺動部材52と称し、1組のアーム部材64と1本の支持部材63とをまとめて揺動部材54と称する。また、1組のアーム部材66と1本の支持部材63とをまとめて揺動部材56と称し、1組のアーム部材68と1本の支持部材63とをまとめて揺動部材58と称する。なお、アーム部材62、64、66、68は、支持部材63のZ方向中央に対してZ側と−Z側とで対称形状となっているため、以後は、−Z側のアーム部材62、64、66、68について説明し、Z側のアーム部材62、64、66、68の説明を省略する。
1組のアーム部材64は、1組のアーム部材62の内側に配置されている。また、1組のアーム部材66は、1組のアーム部材64の内側に配置されている。さらに、1組のアーム部材68は、1組のアーム部材66の内側に配置されている。
アーム部材62は、連結部62Aと、アーム部62Bと、リンク部62C(図4参照)とを有している。連結部62Aは、Z方向に見て円板状に形成されている。また、連結部62Aには、軸部36を挿入可能な大きさでZ方向に貫通する図示しない貫通孔が形成されている。そして、連結部62Aは、この貫通孔に軸部36が挿入されることにより、軸部36の外周面に沿って揺動可能となっている。なお、加熱ロール32の−Z側に位置する連結部62Aの−Z側の面には、Z方向を軸方向とするギヤ76が固定されている。
図4に示すように、アーム部62Bは、連結部62A(図3参照)の外周面の一部から軸部36及び加熱ロール32の径方向を長手方向として延びる板状に形成されている。また、アーム部62Bの長手方向における連結部62A側とは反対側の端部には、Z方向を軸方向とする図示しない軸受部材が設けられている。この図示しない軸受部材は、支持部材63のZ方向両端部を回転可能に支持している。
リンク部62Cは、アーム部62Bの図示しない軸受部材が設けられた部位よりも連結部62A(図3参照)側の部位から、軸部36の周方向の一方側へ該周方向に沿って円弧状に延びた板状部である。また、リンク部62Cには、リンク部62CをZ方向に貫通すると共に軸部36の周方向に沿った長孔であるガイド孔62Dが形成されている。
アーム部材64は、連結部64A(図3参照)と、アーム部64Bと、リンク部64Cとを有している。連結部64Aは、Z方向に見て円板状に形成されている。また、連結部64Aには、軸部36を挿入可能な大きさでZ方向に貫通する図示しない貫通孔が形成されている。そして、連結部64Aは、この貫通孔に軸部36が挿入されることにより、軸部36の外周面に沿って揺動可能となっている。なお、連結部64Aには、ギヤ76は固定されていない。
アーム部64Bは、連結部64A(図3参照)の外周面の一部から軸部36及び加熱ロール32の径方向を長手方向として延びる板状に形成されている。また、アーム部64Bの長手方向における連結部64A側とは反対側の端部には、Z方向を軸方向とする図示しない軸受部材が設けられている。この図示しない軸受部材は、支持部材63のZ方向両端部を回転可能に支持している。
アーム部64Bの図示しない軸受部材と連結部64Aとの間の部位には、−Z側に向けて突出したピン64Dが設けられている。ピン64Dは、Z方向を軸方向とする円柱状に形成されている。また、ピン64Dは、ガイド孔62Dに挿入されており、ガイド孔62Dの孔壁と接触している。つまり、ピン64Dは、ガイド孔62Dに沿って移動可能とされており、ピン64Dが周方向におけるガイド孔62Dの一端又は他端と接触することで、アーム部材62に対するアーム部材64の周方向の移動が規制されるようになっている。
リンク部64Cは、アーム部64Bの図示しない軸受部材が設けられた部位よりも連結部64A側の部位から、軸部36の周方向の一方側へ該周方向に沿って円弧状に延びた板状部である。また、リンク部64Cには、リンク部64CをZ方向に貫通すると共に軸部36の周方向に沿った長孔であるガイド孔64Eが形成されている。
アーム部材66は、連結部66A(図3参照)と、アーム部66Bと、リンク部66Cとを有している。連結部66Aは、Z方向に見て円板状に形成されている。また、連結部66Aには、軸部36を挿入可能な大きさでZ方向に貫通する図示しない貫通孔が形成されている。そして、連結部66Aは、この貫通孔に軸部36が挿入されることにより、軸部36の外周面に沿って揺動可能となっている。なお、連結部66Aには、ギヤ76は固定されていない。
アーム部66Bは、連結部66Aの外周面の一部から軸部36及び加熱ロール32の径方向を長手方向として延びる板状に形成されている。また、アーム部66Bの長手方向における連結部66A側とは反対側の端部には、Z方向を軸方向とする図示しない軸受部材が設けられている。この図示しない1組の軸受部材は、支持部材63のZ方向両端部を回転可能に支持している。
アーム部66Bの図示しない軸受部材と連結部66Aとの間の部位には、−Z側に向けて突出したピン66Dが設けられている。ピン66Dは、Z方向を軸方向とする円柱状に形成されている。また、ピン66Dは、ガイド孔64Eに挿入されており、ガイド孔64Eの孔壁と接触している。つまり、ピン66Dは、ガイド孔64Eに沿って移動可能とされており、ピン66Dが周方向におけるガイド孔64Eの一端又は他端と接触することで、アーム部材64に対するアーム部材66の周方向の移動が規制されるようになっている。
リンク部66Cは、アーム部66Bの図示しない軸受部材が設けられた部位よりも連結部66A側の部位から、軸部36の周方向の一方側へ該周方向に沿って円弧状に延びた板状部である。また、リンク部66Cには、リンク部66CをZ方向に貫通すると共に軸部36の周方向に沿った長孔であるガイド孔66Eが形成されている。
アーム部材68は、連結部68A(図3参照)とアーム部68Bとを有している。連結部68Aは、Z方向に見て円板状に形成されている。また、連結部68Aには、軸部36を挿入可能な大きさでZ方向に貫通する図示しない貫通孔が形成されている。そして、連結部68Aは、この貫通孔に軸部36が挿入されることにより、軸部36の外周面に沿って揺動可能となっている。なお、連結部68Aには、ギヤ76は固定されていない。
アーム部68Bは、連結部68Aの外周面の一部から軸部36及び加熱ロール32の径方向を長手方向として延びる板状に形成されている。また、アーム部68Bの長手方向における連結部68A側とは反対側の端部には、Z方向を軸方向とする図示しない軸受部材が設けられている。この図示しない1組の軸受部材は、支持部材63のZ方向両端部を回転可能に支持している。
アーム部68Bの図示しない軸受部材と連結部68Aとの間の部位には、−Z側に向けて突出したピン68Cが設けられている。ピン68Cは、Z方向を軸方向とする円柱状に形成されている。また、ピン68Cは、ガイド孔66Eに挿入されており、ガイド孔66Eの孔壁と接触している。つまり、ピン68Cは、ガイド孔66Eに沿って移動可能とされており、ピン68Cが周方向におけるガイド孔66Eの一端又は他端と接触することで、アーム部材66に対するアーム部材68の周方向の移動が規制されるようになっている。
なお、揺動部材58は、後述する第1領域S1においてストッパ部材59A(図2参照)と接触することにより、周方向の移動が規制されている。言い換えると、揺動部材58がストッパ部材59Aと接触することで、Z方向に見て、揺動部材52、54、56、58が第1領域S1において重なった状態で格納されるようになっている。なお、ストッパ部材59Aは、図2のみ示して他の図では図示を省略する。
図4に示すように、アーム部材62、64、66、68の径方向の長さは、一例として、ほぼ同じ長さとなっている。また、軸部36の回転中心Oからリンク部62Cまでの径方向の長さをR1、回転中心Oからリンク部64Cまでの径方向の長さをR2、回転中心Oからリンク部66Cまでの径方向の長さをR3とすると、R1>R2>R3となっている。さらに、周方向におけるガイド孔62D、64E、66Eの長さは、一例として、アーム部材62とアーム部材64、アーム部材64とアーム部材66、アーム部材66とアーム部材68が、それぞれ最大中心角45〔°〕で離れるように設定されている。
また、アーム部材62、64、66、68は、一例として、Z方向に見て、回転中心Oから支持部材63の中心までの長さが、それぞれR4となっている。なお、長さR4は、アーム部材68のみ示しており、アーム部材62、64、66の長さR4については、図示を省略している。長さR4は、加熱ロール32の半径rよりも長くなっている。これにより、揺動部材52、54、56、58が後述する第2領域S2に配置されたとき、フィルム15が、加熱ロール32の外周面から離間されるようになっている。
このように、アーム部材62、64、66、68は、加熱ロール32の外側で軸部36の軸方向(Z方向の)の一方側と他方側とに配置され、軸部36を中心として加熱ロール32の周方向に揺動可能とされている。また、アーム部材62、64、66、68は、加熱ロール32の径方向に延びており、フィルム15と接触するようになっている。
(第1領域と第2領域)
図2に示すように、フィルム15が加熱ロール32の外周面の一部に巻き掛けられた状態において、フィルム15が加熱ロール32に巻き掛けられていない領域を第1領域S1と称する。また、フィルム15が加熱ロール32に巻き掛けられている領域を第2領域S2と称する。なお、以後の説明では、加熱ロール32の周方向の一方を−R方向、他方をR方向と称する。
図2に示すように、フィルム15が加熱ロール32の外周面の一部に巻き掛けられた状態において、フィルム15が加熱ロール32に巻き掛けられていない領域を第1領域S1と称する。また、フィルム15が加熱ロール32に巻き掛けられている領域を第2領域S2と称する。なお、以後の説明では、加熱ロール32の周方向の一方を−R方向、他方をR方向と称する。
言い換えると、第1領域S1は、加熱ロール32の外周面のうちフィルム15が巻き掛けられていない部分と加熱ロール32の径方向で対向する径方向外側の領域であり、加熱ロール32と加熱ロール32から剥離されたフィルム15との間の領域である。また、第2領域S2は、離間機構部50がフィルム15を加熱ロール32から離間させたときに、もともとフィルム15が巻き掛けられていた加熱ロール32の外周面の一部と、離間されたフィルム15との間の領域を含んでいる。
図6(B)に示すように、揺動部材52、54、56、58が移動する位置には、ストッパ部材59B、59C、59D、59Eが設けられている。ストッパ部材59Bは、アーム部材62と接触して第2領域S2における支持部材63の矢印−R方向の移動を規制する。ストッパ部材59Cは、アーム部材64と接触して第2領域S2における支持部材63の矢印−R方向の移動を規制する。ストッパ部材59Dは、アーム部材66と接触して第2領域S2における支持部材63の矢印−R方向の移動を規制する。ストッパ部材59Eは、アーム部材68と接触して第2領域S2における支持部材63の矢印−R方向の移動を規制する。なお、ストッパ部材59B、59C、59D、59Eは、図6(B)のみ示して他の図では図示を省略する。
図2に示すように、フィルム15の搬送方向における加熱ロール32よりも下流側には、搬送ロール44と、バッファ部80と、ロール対86とが設けられている。ロール対86は、バッファ部80よりも下流側において回転軸の位置が固定されており、フィルム15に対して同じ位置で接触するようになっている。
(バッファ部)
バッファ部80は、一例として、Y方向に沿った長孔82Aが形成されZ方向に間隔をあけて設けられた一対のガイド板82と、長孔82Aに挿入されZ方向を軸方向として回転可能とされたシャフト84Aを備えたバッファロール84とを有している。バッファロール84は、Y方向に移動可能となっている。
バッファ部80は、一例として、Y方向に沿った長孔82Aが形成されZ方向に間隔をあけて設けられた一対のガイド板82と、長孔82Aに挿入されZ方向を軸方向として回転可能とされたシャフト84Aを備えたバッファロール84とを有している。バッファロール84は、Y方向に移動可能となっている。
バッファロール84は、外周面の一部にフィルム15が巻き掛けられている。そして、バッファロール84は、フィルム15に作用する張力が設定張力よりも大きくなったときに長孔82Aに沿ってY側へ移動し、フィルム15に作用する張力が設定張力に戻るときに長孔82Aに沿って−Y側へ移動するようになっている。言い換えると、バッファ部80は、離間機構部50がフィルム15を加熱ロール32から離間させるときにフィルム15に作用する搬送方向の張力の増加を抑制(調整)可能となっている。以後、バッファロール84の位置のうち、−Y側端となる位置を下端位置P1と称し、Y側端となる位置を上端位置P2と称する。
[作用]
次に、第1実施形態の作用について説明する。
次に、第1実施形態の作用について説明する。
図1に示す画像形成装置10において、画像形成部14がフィルム15上にトナー画像TAを形成する。そして、トナー画像TAが形成されたフィルム15は、搬送部40(図2参照)により画像形成部14よりも下流側に搬送される。
図2に示すように、フィルム15が搬送されかつ離間機構部50が駆動されていないときは、揺動部材52、54、56、58の各支持部材63が第1領域S1内に配置(格納)され、バッファロール84が下端位置P1に配置されている。この状態で、加熱ロール32によりトナー画像TAが加熱及び溶融されてフィルム15上に定着される。フィルム15上に定着されたトナー画像TAは、加熱ロール32及び搬送部40により加熱ロール32よりも下流側に搬送される。
(展開動作)
定着装置20では、画像形成装置10(図1参照)の画像形成動作が終了しかつ加熱ロール32が回転されフィルム15が搬送されているときに、揺動部材52、54、56、58の展開動作が開始される。
定着装置20では、画像形成装置10(図1参照)の画像形成動作が終了しかつ加熱ロール32が回転されフィルム15が搬送されているときに、揺動部材52、54、56、58の展開動作が開始される。
フィルム15へのトナー画像TAの定着が終了した後でかつフィルム15の搬送が停止される前において、制御部18(図1参照)が駆動部70のモータ71を動作させ、駆動ギヤ72を−A方向に回転させる。これにより、揺動部材52のみが、第1領域S1から−R方向に移動する。
図5(A)に示すように、揺動部材52の−R方向への展開動作が進行すると、揺動部材52の支持部材63がフィルム15と加熱ロール32との間に進入すると共にフィルム15の裏面に接触する。また、揺動部材52のリンク部62Cの端が揺動部材54のピン64Dに接触することで、揺動部材54が揺動部材52に引っ張られ、揺動部材54の−R方向への展開動作が開始される。このとき、揺動部材54のリンク部64Cの一端部は、揺動部材56のピン66Dに接触していないため、揺動部材56、58は停止している。
図5(B)に示すように、揺動部材52、54の展開動作が進行し、揺動部材54の支持部材63がフィルム15と加熱ロール32との間に進入すると共にフィルム15の裏面に接触する。また、揺動部材54のリンク部64Cの一端部が揺動部材56のピン66Dに接触することで、揺動部材56の−R方向への展開動作が開始される。このとき、揺動部材56のリンク部66Cの端は、揺動部材58のピン68Cに接触していないため、揺動部材58は停止している。
図6(A)に示すように、揺動部材52、54、56の展開動作が進行し、揺動部材56の支持部材63がフィルム15と加熱ロール32との間に進入すると共にフィルム15の裏面に接触する。また、揺動部材56のリンク部66Cの一端部が揺動部材58のピン68Cに接触することで、揺動部材58の−R方向の展開動作が開始される。
図6(B)に示すように、揺動部材52、54、56、58の展開動作が進行し、揺動部材58の支持部材63がフィルム15と加熱ロール32との間に進入すると共にフィルム15の裏面に接触する。揺動部材52、54、56、58がストッパ部材59B、59C、59D、59Eと接触するとき、制御部18(図1参照)によりモータ71(図2参照)の動作が停止される。このようにして、離間機構部50における揺動部材52、54、56、58(4本の支持部材63)が第2領域S2に展開され、展開動作が完了する。展開動作が完了した後で、搬送部40によるフィルム15の搬送が停止される。
(格納動作)
定着装置20では、画像形成装置10(図1参照)における画像形成動作が行われる前に、揺動部材52、54、56、58の格納動作が行われる。
定着装置20では、画像形成装置10(図1参照)における画像形成動作が行われる前に、揺動部材52、54、56、58の格納動作が行われる。
図6(B)に示す揺動部材52、54、56、58(4本の支持部材63)が第2領域S2に展開された展開状態において、駆動部70のモータ71(図2参照)が、駆動ギヤ72を正方向に回転させる。これにより、図7(A)に示すように、揺動部材52のみが、矢印+R方向に移動する。そして、揺動部材52のリンク部62Cの他端部が、揺動部材54のピン64Dと接触することで、揺動部材54の矢印+R方向への移動が開始される。このとき、揺動部材54のリンク部64Cは、揺動部材56のピン66Dに接触していないため、揺動部材56、58は停止している。
図7(B)に示すように、揺動部材52、54の格納動作が進行し、揺動部材54のリンク部64Cの他端部が揺動部材56のピン66Dに接触することで、揺動部材56が揺動部材54に押されて、揺動部材56の格納動作が開始される。このとき、揺動部材56のリンク部66Cの他端部は、揺動部材58のピン68Cに接触していないため、揺動部材58は停止している。
図8(A)に示すように、揺動部材52、54、56の格納動作が進行し、揺動部材56のリンク部66Cの他端部が揺動部材58のピン68Cに接触することで、揺動部材58が揺動部材56に押され、揺動部材58の格納動作が開始される。
図8(B)に示すように、揺動部材52、54、56、58の格納動作が進行し、揺動部材52、54、56、58が重なった状態で、フィルム15の搬送範囲外である第1領域S1に到達する。このとき、揺動部材52、54、56、58の各支持部材63は、フィルム15から離れている。そして、駆動部70が停止されることにより、揺動部材52、54、56、58の格納動作が完了する。
以上、説明したように、定着装置20では、フィルム15の搬送中において、展開される揺動部材52、54、56、58の支持部材63がフィルム15と接触して回転すると共にフィルム15を加熱ロール32から径方向に離間させる。つまり、フィルム15は、搬送されている状態において、加熱ロール32の外周面から離れる。このため、フィルム15の搬送が停止された状態で加熱ロール32からフィルム15を離間させる構成に比べて、加熱ロール32の周囲に位置するフィルム15が、加熱ロール32により直接加熱されることが抑制される。これにより、フィルム15の加熱ロール32周辺に位置する部位と、フィルム15の加熱ロール32周辺に位置しない他の部位との温度差が小さくなるので、フィルム15の搬送が停止されたときの加熱ロール32におけるフィルム15の変形が抑制される。
また、図5(A)、(B)、図6(A)、(B)に示すように、定着装置20では、揺動部材52、54、56、58が加熱ロール32に対してフィルム15を離間させるときに、フィルム15の搬送経路の長さが長くなる。このため、フィルム15に作用する搬送方向の張力が増加する。ここで、バッファロール84がフィルム15に押されて下端位置P1から上端位置P2へ移動(上昇)することで、加熱ロール32からロール対86までのフィルム15の搬送経路の長さが、バッファロール84が下端位置P1にあるときと同程度の長さに調整される。このように、定着装置20では、フィルム15に作用する張力の増加を抑制しない構成に比べて、フィルム15の搬送経路の長さの変動が抑制される。これにより、搬送中のフィルム15に作用する負荷が小さくなるので、モータ71に作用するトルクが小さくなり、フィルム15を加熱ロール32から離間させ易くなる。
さらに、定着装置20では、加熱部30において定着動作が行われているときは、駆動部70が支持部材63を第1領域S1に移動(格納)させている。これにより、定着動作が行われているときに支持部材63を第1領域S1に移動させない構成に比べて、加熱部30の熱がフィルム15に直接伝わるので、加熱部30からフィルム15への熱伝達効率が高まる。
加えて、定着装置20では、支持部材63が揺動部材52、54、56、58に対して回転可能となっている。このため、フィルム15を加熱ロール32から径方向に離すときに、フィルム15と接触している支持部材63が、フィルム15の移動に合わせて回転するので、支持部材63が回転しない構成に比べて、フィルム15と支持部材63との摩擦が抑制される。
画像形成装置10では、定着装置20においてフィルム15の変形が抑制されるので、フィルム15が変形することにより生じる画像不良(例えば、フィルム15が延びることでのトナー画像TAの位置ずれ)が抑制される。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る定着装置及び画像形成装置の一例について説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部材及び部位には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
次に、第2実施形態に係る定着装置及び画像形成装置の一例について説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部材及び部位には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
図9(A)、(B)には、第2実施形態に係る定着装置100が示されている。定着装置100は、第1実施形態の画像形成装置10(図1参照)において、定着装置20(図1参照)に換えて設けられている。
図9(B)に示すように、定着装置100は、加熱部30と、搬送部40と、加熱部30からフィルム15を離間させる離間手段の一例としての離間機構部110とを有している。また、定着装置100には、搬送ロール44よりも下流側にバッファ部80が設けられている。定着装置100では、加熱ロール32の外周面が、フィルム15と間隔をあけて配置されている。
<離間機構部>
図9(B)に示す離間機構部110は、筒部材の一例としてのベルト112と、第1移動部材の一例としての2本の第1駆動ロール114と、第2移動部材の一例としての2本の第2駆動ロール116と、制御手段の一例としての制御部118とを有している。また、離間機構部110には、ガイドロール119が設けられている。
図9(B)に示す離間機構部110は、筒部材の一例としてのベルト112と、第1移動部材の一例としての2本の第1駆動ロール114と、第2移動部材の一例としての2本の第2駆動ロール116と、制御手段の一例としての制御部118とを有している。また、離間機構部110には、ガイドロール119が設けられている。
(ベルト)
図9(B)に示すように、ベルト112は、周長が加熱ロール32の周長よりも長い筒状に形成され、加熱ロール32が軸方向(Z方向)を揃えて内側に挿入され、周方向の一部がフィルム15と加熱ロール32とで挟まれている。言い換えると、ベルト112は、周方向の一部が加熱ロール32の外周面の一部に巻き掛けられかつ該周方向の一部の外側の面がフィルム15の裏面と接触している。また、ベルト112は、フィルム15よりも剛性が高い部材でかつ熱伝導率が高い部材で構成されることが望ましい。このため、本実施形態では、一例として、ベルト112が、ステンレス製ベルトで構成されている。
図9(B)に示すように、ベルト112は、周長が加熱ロール32の周長よりも長い筒状に形成され、加熱ロール32が軸方向(Z方向)を揃えて内側に挿入され、周方向の一部がフィルム15と加熱ロール32とで挟まれている。言い換えると、ベルト112は、周方向の一部が加熱ロール32の外周面の一部に巻き掛けられかつ該周方向の一部の外側の面がフィルム15の裏面と接触している。また、ベルト112は、フィルム15よりも剛性が高い部材でかつ熱伝導率が高い部材で構成されることが望ましい。このため、本実施形態では、一例として、ベルト112が、ステンレス製ベルトで構成されている。
ベルト112のZ方向の幅は、一例として、加熱ロール32のZ方向の幅よりも狭くかつフィルム15のZ方向の幅よりも広くなっている。また、ベルト112は、加熱ロール32が内側に挿入された状態において、既述のように、周方向の一部が加熱ロール32の外周面と接触している。さらに、ベルト112と加熱ロール32との間には、1本の第1駆動ロール114と、1本の第2駆動ロール116と、ガイドロール119とが配置されている。なお、ベルト112において、ベルト112とフィルム15とが接触する部位を接触部Cと称する。また、ベルト112において、接触部Cの周方向中央に対して径方向の反対側に位置する部位を対向部Dと称する。
(ガイドロール)
ガイドロール119は、ベルト112と加熱ロール32との間でZ方向を軸方向として回転可能に設けられている。また、ガイドロール119は、一例として、ベルト112の対向部Dと対向して配置されている。さらに、ガイドロール119と加熱ロール32とは接触していない。
ガイドロール119は、ベルト112と加熱ロール32との間でZ方向を軸方向として回転可能に設けられている。また、ガイドロール119は、一例として、ベルト112の対向部Dと対向して配置されている。さらに、ガイドロール119と加熱ロール32とは接触していない。
(第1駆動ロール)
第1駆動ロール114は、加熱ロール32の回転方向における接触部Cよりも上流側でかつ対向部Dよりも下流側であり、加熱ロール32とフィルム15との間の領域に2本配置されている。また、2本の第1駆動ロール114は、ベルト112を挟んでいる。さらに、2本の第1駆動ロール114は、Z方向を軸方向として図示しないモータにより回転駆動されるようになっている。2本の第1駆動ロール114の駆動制御は、後述する制御部118により行われる。加えて、第1駆動ロール114は、ベルト112をフィルム15との接触部Cへ向けて周方向に移動させるように構成されている。
第1駆動ロール114は、加熱ロール32の回転方向における接触部Cよりも上流側でかつ対向部Dよりも下流側であり、加熱ロール32とフィルム15との間の領域に2本配置されている。また、2本の第1駆動ロール114は、ベルト112を挟んでいる。さらに、2本の第1駆動ロール114は、Z方向を軸方向として図示しないモータにより回転駆動されるようになっている。2本の第1駆動ロール114の駆動制御は、後述する制御部118により行われる。加えて、第1駆動ロール114は、ベルト112をフィルム15との接触部Cへ向けて周方向に移動させるように構成されている。
(第2駆動ロール)
第2駆動ロール116は、加熱ロール32の回転方向における接触部Cよりも下流側でかつ第1駆動ロール114及び対向部Dよりも上流側であり、加熱ロール32とフィルム15との間の領域に2本配置されている。また、2本の第2駆動ロール116は、ベルト112を挟んでいる。さらに、2本の第2駆動ロール116は、Z方向を軸方向として図示しないモータにより回転駆動されるようになっている。2本の第2駆動ロール116の駆動制御は、後述する制御部118により行われる。加えて、第2駆動ロール116は、ベルト112を接触部Cから第1駆動ロール114へ向けて周方向に移動させるように構成されている。
第2駆動ロール116は、加熱ロール32の回転方向における接触部Cよりも下流側でかつ第1駆動ロール114及び対向部Dよりも上流側であり、加熱ロール32とフィルム15との間の領域に2本配置されている。また、2本の第2駆動ロール116は、ベルト112を挟んでいる。さらに、2本の第2駆動ロール116は、Z方向を軸方向として図示しないモータにより回転駆動されるようになっている。2本の第2駆動ロール116の駆動制御は、後述する制御部118により行われる。加えて、第2駆動ロール116は、ベルト112を接触部Cから第1駆動ロール114へ向けて周方向に移動させるように構成されている。
(制御部)
制御部118は、コンピュータで構成された図示しないコントローラを含んで構成されている。また、制御部118は、第1駆動ロール114によるベルト112の移動速度である第1速度と、第2駆動ロール116によるベルト112の移動速度である第2速度との間に速度差を生じさせる制御を行うようになっている。以下、制御部118の詳細について説明する。
制御部118は、コンピュータで構成された図示しないコントローラを含んで構成されている。また、制御部118は、第1駆動ロール114によるベルト112の移動速度である第1速度と、第2駆動ロール116によるベルト112の移動速度である第2速度との間に速度差を生じさせる制御を行うようになっている。以下、制御部118の詳細について説明する。
制御部118では、加熱ロール32における加熱動作を開始するときに、第2速度を第1速度(速度=0を含む)よりも高くする制御を行うようにプログラムが設定されている。加熱ロール32における加熱動作とは、ヒータ34に図示しない電源から通電され、加熱ロール32が加熱される動作を意味する。また、制御部118では、加熱ロール32による加熱動作が行われているときに、ベルト112の移動速度がフィルム15の搬送速度とほぼ同じ速度となるように、第1駆動ロール114及び第2駆動ロール116を駆動する制御を行うプログラムが設定されている。
さらに、制御部118では、ヒータ34による加熱ロール32の加熱動作を終了するときに、第2速度を第1速度よりも低くする制御を行うようにプログラムが設定されている。加えて、制御部118では、加熱動作終了後の加熱動作の開始において、搬送ロール44によるフィルム15の搬送速度を中間転写ロール42A及び転写ロール42Bによるフィルム15の搬送速度よりも高くする制御を行うようにプログラムが設定されている。ここで、図11に示す離間動作のフローチャートと、図12に示す接触動作のフローチャートとについて説明する。
図11及び図9(B)に示すように、ステップS10では、搬送ロール44の回転が停止され、ステップS12に移行する。ステップS12では、第2駆動ロール116の回転が停止され、ステップS14に移行する。ステップS14では、第1駆動ロール114の回転が停止され、ステップS16に移行する。ステップS16では、中間転写ロール42A及び転写ロール42Bの回転が停止され、ステップS18に移行する。ステップS18では、加熱ロール32の回転及びヒータ34による加熱が停止され、プログラムが終了する。なお、ステップS10とステップS12とは、フィルム15のたるみ抑制のために、ほぼ同時に行われることが望ましい。ステップS14とステップS16とは、フィルム15のたるみ抑制のために、ほぼ同時に行われることが望ましい。
図12及び図9(B)に示すように、ステップS30では、加熱ロール32の回転及びヒータ34による加熱が開始され、ステップS32に移行する。ステップS32では、中間転写ロール42A及び転写ロール42Bの回転が開始され、ステップS34に移行する。ステップS34では、第2駆動ロール116の回転が開始され、ステップS36に移行する。ステップS36では、第1駆動ロール114の回転が開始され、ステップS38に移行する。ステップS38では、搬送ロール44の回転が開始され、以後、定着動作が行われる。なお、ステップS30とステップS32とは、フィルム15の張り過ぎを抑制するために、ほぼ同時に行われることが望ましい。ステップS34、S36、S38は、フィルム15とベルト112、ベルト112と加熱ロール32の相互のこすれ抑制のために、ほぼ同時に行われることが望ましい。
[作用]
次に、第2実施形態の作用について説明する。
次に、第2実施形態の作用について説明する。
図1に示す画像形成装置10において、画像形成部14がフィルム15上にトナー画像TAを形成する。そして、トナー画像TAが形成されたフィルム15は、搬送部40(図9(B)参照)により画像形成部14よりも下流側に搬送される。
図10(A)に示すように、フィルム15の搬送が開始されるとき(通常の画像形成時)に、ベルト112が加熱ロール32の外周面の一部に巻き掛けられ、フィルム15と加熱ロール32とでベルト112が挟まれている。このとき、ガイドロール119はベルト112とは接触していない。続いて、搬送部40によりフィルム15の搬送が開始され、加熱ロール32によりトナー画像TAが加熱及び溶融されてフィルム15上に定着される。フィルム15上に定着されたトナー画像TAは、加熱ロール32及び搬送部40により加熱ロール32よりも下流側に搬送される。
(離間動作)
定着装置100では、加熱ロール32による定着動作(画像形成装置10(図1参照)による画像形成動作)が終了しかつ加熱ロール32が回転されフィルム15が搬送されているときに、加熱ロール32に対してフィルム15を離間させる離間動作が行われる。なお、離間動作の制御は、図11に示す既述のフローチャートに基づいて行われる。
定着装置100では、加熱ロール32による定着動作(画像形成装置10(図1参照)による画像形成動作)が終了しかつ加熱ロール32が回転されフィルム15が搬送されているときに、加熱ロール32に対してフィルム15を離間させる離間動作が行われる。なお、離間動作の制御は、図11に示す既述のフローチャートに基づいて行われる。
図10(B)に示すように、中間転写ロール42A及び転写ロール42B、搬送ロール44、第1駆動ロール114及び第2駆動ロール116が回転している状態で、搬送ロール44の回転が停止される。これにより、中間転写ロール42A及び転写ロール42Bによるフィルム15の搬送速度が、搬送ロール44によるフィルム15の搬送速度よりも高くなり、フィルム15がたるみ始める。
続いて、第2駆動ロール116の回転が停止される。このため、第1駆動ロール114によるベルト112の移動速度である第1速度と、第2駆動ロール116によるベルト112の移動速度である第2速度との間に速度差が生じる。つまり、第1速度が第2速度よりも高くなる。これにより、ベルト112がフィルム15側にたるみ始めると共にベルト112がガイドロール119に徐々に近づいて接触する。
続いて、図10(C)に示すように、第1駆動ロール114の回転が停止される。ここで、ベルト112の剛性がフィルム15の剛性よりも高いため、停止した第1駆動ロール114から第2駆動ロール116までの範囲のベルト112が、フィルム15を加熱ロール32から離れる方向に押し付ける。続いて、中間転写ロール42A及び転写ロール42Bの回転が停止される。これにより、定着装置100におけるフィルム15の搬送が停止されると共に、フィルム15がたるみ過ぎることが抑制される。そして、加熱ロール32の回転が停止される。
(接触動作)
定着装置100では、加熱ロール32による定着動作が開始される前に加熱ロール32に対してベルト112を介してフィルム15を接触させる接触動作が行われる。なお、接触動作の制御は、図12に示す既述のフローチャートに基づいて行われる。
定着装置100では、加熱ロール32による定着動作が開始される前に加熱ロール32に対してベルト112を介してフィルム15を接触させる接触動作が行われる。なお、接触動作の制御は、図12に示す既述のフローチャートに基づいて行われる。
図10(C)に示す離間状態において、加熱ロール32の回転が開始される。続いて、中間転写ロール42A及び転写ロール42Bの回転が開始され、第1駆動ロール114の回転が開始される。このとき、フィルム15及びベルト112は、加熱ロール32から離間している。
続いて、第2駆動ロール116の回転が開始される。ここで、制御部118(図9(B)参照)により制御されることで、第2駆動ロール116によるベルト112の移動速度(第2速度)が、第1駆動ロール114によるベルト112の移動速度(第1速度)よりも高くなる。つまり、第1速度と第2速度との速度差が生じる。このため、第1駆動ロール114から第2駆動ロール116までのベルト112の長さが徐々に短くなる。これにより、図10(B)に示すように、ベルト112が加熱ロール32の外周面に接触する。なお、ベルト112が加熱ロール32の外周面に接触することが時間管理により検出された後は、第2速度が、第1速度と同じ速度となるように制御される。
続いて、搬送ロール44の回転が開始される。ここで、制御部118により制御されることで、搬送ロール44によるフィルム15の搬送速度が、中間転写ロール42A及び転写ロール42Bによるフィルム15の搬送速度よりも高くなる。これにより、図10(A)に示すように、加熱ロール32の周辺でのフィルム15のたるみが解消される。なお、フィルム15のたるみが解消されることが時間管理により検出された後は、搬送ロール44によるフィルム15の搬送速度が、中間転写ロール42A及び転写ロール42Bによるフィルム15の搬送速度と同じ速度となるように制御される。
以上、説明したように、定着装置100では、フィルム15が搬送されている状態において、中間転写ロール42A及び転写ロール42Bと搬送ロール44とに速度差を生じさせ、第1駆動ロール114と第2駆動ロール116とに速度差を生じさせる。そして、これらの速度差を利用して、ベルト112及びフィルム15をたるませる。さらに、ベルト112の剛性を利用することにより、フィルム15を加熱ロール32から径方向に離間させる。
つまり、フィルム15は、搬送されている状態において、加熱ロール32の外周面から離れる。このため、フィルム15の搬送が停止された状態で加熱ロール32からフィルム15を離間させる構成に比べて、加熱ロール32の周囲に位置するフィルム15が、加熱ロール32により直接加熱されることが抑制される。これにより、フィルム15の加熱ロール32周辺に位置する部位と、フィルム15の加熱ロール32周辺に位置しない他の部位との温度差が小さくなるので、フィルム15の搬送が停止されたときの加熱ロール32におけるフィルム15の変形が抑制される。
また、定着装置100では、フィルム15と加熱ロール32との間にベルト112を配置して、ベルト112とフィルム15とを広い範囲で接触させることで、加熱ロール32からフィルム15を離間させている。このため、加熱ロール32の周方向に複数の支持部材を配置してフィルム15を加熱ロール32に対して離間させる構成に比べて、フィルム15と支持部材(ベルト112)との接触面積が広くなる。これにより、フィルム15に作用する力の局所的な集中が抑制される。
さらに、定着装置100では、加熱ロール32によるフィルム15の加熱動作を開始するときに、第2駆動ロール116によるベルト112の移動速度(第2速度)が、第1駆動ロール114によるベルト112の移動速度(第1速度)よりも高くなる。このため、第2速度と、第1速度とが同じ速度となっている構成に比べて、ベルト112が加熱ロール32に接触するまでの時間が短くなる。これにより、加熱ロール32の熱が、加熱ロール32からベルト112を介してフィルム15に伝達されるまでの時間が短くなるので、フィルム15への熱伝達効率が高まる。
画像形成装置10では、定着装置100においてフィルム15の変形が抑制されるので、フィルム15が変形することにより生じる画像不良(例えば、フィルム15が延びることでのトナー画像TAの位置ずれ)が抑制される。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
加熱手段は、フィルム15と接触する加熱ロール32に限らず、フィルム15と非接触状態でフィルム15を加熱する構成であってもよい。例えば、ハロゲンランプと反射板を用いてフィルム15を加熱してもよい。なお、本実施形態における「離間」とは、加熱手段と記録媒体とが接触した位置から記録媒体が加熱手段に対して離れること、及び加熱手段と記録媒体とが非接触となる位置から記録媒体が加熱手段に対してさらに離れることを意味している。
搬送部40は、一対のロールに限らず、1本のロールやベルトを用いてフィルム15を搬送する構成であってもよい。
離間機構部50では、4つの揺動部材52、54、56、58を用いるものに限らず、4つ以外の複数の揺動部材を用いてもよい。揺動部材52、54、56、58は、加熱ロール32の軸方向の両側に配置されるものに限らず、Z側又は−Z側で片持ち状態で配置されるものであってもよい。
抑制手段は、バッファロール84のシャフト84Aをガイド板82により案内する構成に限らず、シャフト84Aを支持する軸受部材を支柱とスプリングとで上下動させる構成であってもよい。また、定着装置20、100において、バッファ部80の配置場所は、加熱ロール32の下流側に限らず、加熱ロール32の上流側であってもよい。なお、加熱ロール32の上流側にバッファ部80を設ける場合は、フィルム15のトナー画像TA側の面とは反対側にバッファロール84を接触させればよい。
さらに、定着装置20、100において、バッファ部80を設けずに中間転写ロール42A及び転写ロール42Bと、搬送ロール44との少なくとも一方の回転速度を変更して、フィルム15に作用する張力を調整してもよい。
第1駆動ロール114によるベルト112の第1速度と、第2駆動ロール116によるベルト112の第2速度との速度差は、第1速度及び第2速度の一方の速度を0にする(回転を停止する)速度差に限らない。第1速度及び第2速度の一方の速度を他方の速度よりも高く又は低くする(回転を停止させない)速度差であってもよい。
10 画像形成装置
14 画像形成部(現像剤像形成手段の一例)
15 フィルム(記録媒体の一例)
20 定着装置
30 加熱部(加熱手段の一例)
32 加熱ロール(回転部材の一例)
42A 中間転写ロール(第1搬送部材の一例)
42B 転写ロール(第1搬送部材の一例)
44 搬送ロール(第2搬送部材の一例)
50 離間機構部(離間手段の一例)
63 支持部材
70 駆動部(駆動手段の一例)
80 バッファ部(抑制手段の一例)
100 定着装置
110 離間機構部(離間手段の一例)
112 ベルト(筒部材の一例)
114 第1駆動ロール(第1移動部材の一例)
116 第2駆動ロール(第2移動部材の一例)
118 制御部(制御手段の一例)
C 接触部
S1 第1領域
S2 第2領域
T トナー(現像剤の一例)
TA トナー画像(現像剤像の一例)
14 画像形成部(現像剤像形成手段の一例)
15 フィルム(記録媒体の一例)
20 定着装置
30 加熱部(加熱手段の一例)
32 加熱ロール(回転部材の一例)
42A 中間転写ロール(第1搬送部材の一例)
42B 転写ロール(第1搬送部材の一例)
44 搬送ロール(第2搬送部材の一例)
50 離間機構部(離間手段の一例)
63 支持部材
70 駆動部(駆動手段の一例)
80 バッファ部(抑制手段の一例)
100 定着装置
110 離間機構部(離間手段の一例)
112 ベルト(筒部材の一例)
114 第1駆動ロール(第1移動部材の一例)
116 第2駆動ロール(第2移動部材の一例)
118 制御部(制御手段の一例)
C 接触部
S1 第1領域
S2 第2領域
T トナー(現像剤の一例)
TA トナー画像(現像剤像の一例)
Claims (5)
- 熱可塑性で長尺状の記録媒体を搬送する第1搬送部材と第2搬送部材との間に配置され、搬送される記録媒体上の現像剤を加熱する加熱手段と、
前記記録媒体の少なくとも一部が搬送されている状態において、前記加熱手段から前記記録媒体を離間させる離間手段と、
を有する定着装置。 - 前記記録媒体の搬送方向における前記加熱手段よりも上流側又は下流側には、前記離間手段が前記記録媒体を前記加熱手段から離間させるときに前記記録媒体に作用する張力の増加を抑制する抑制手段が設けられている請求項1に記載の定着装置。
- 前記加熱手段は、軸の周りに回転し外周面の一部に前記記録媒体が巻き掛けられた回転部材を有し、
前記離間手段は、
前記回転部材の径方向外側で前記軸の軸方向に沿って配置され、前記記録媒体が前記回転部材に巻き掛けられていない第1領域及び前記記録媒体が前記回転部材に巻き掛けられている第2領域の一方又は他方へ移動可能に設けられ、前記第2領域で前記記録媒体を支持する複数の支持部材と、
複数の前記支持部材を、前記第1領域及び前記第2領域の一方又は他方へ駆動する駆動手段と、
を有する請求項1又は請求項2に記載の定着装置。 - 前記加熱手段は、軸の周りに回転し外周面が前記記録媒体と間隔をあけて配置された回転部材を有し、
前記離間手段は、
周長が前記回転部材の周長よりも長く、前記回転部材が軸方向を揃えて内側に挿入され、前記記録媒体と接触する筒部材と、
前記筒部材を前記記録媒体との接触部へ向けて周方向に移動させる第1移動部材と、
前記周方向で前記接触部よりも下流側でかつ前記第1移動部材よりも上流側に配置され、前記筒部材を前記第1移動部材へ向けて移動させる第2移動部材と、
前記第1移動部材による前記筒部材の第1速度と前記第2移動部材による前記筒部材の第2速度との間に速度差を生じさせる制御を行う制御手段と、
を有する請求項1又は請求項2に記載の定着装置。 - 記録媒体に現像剤像を形成する現像剤像形成手段と、
前記現像剤像を加熱して前記記録媒体に定着する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の定着装置と、
を有する画像形成装置。
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- 2015-09-02 JP JP2015173192A patent/JP2017049452A/ja active Pending
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