JP2017048913A - 駆動伝達装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スラスト方向におけるバネ力変動に起因した回転ムラが発生するのを抑制できる駆動伝達装置及び画像形成装置を提供する。【解決手段】駆動伝達装置において、駆動源と駆動連結している第一回転体と、駆動源からの駆動力が伝達される第二回転体と、前記第一回転体と前記第二回転体とを駆動連結し、且つ、前記第一回転体及び前記第二回転体に軸線方向両端部がそれぞれ支持される駆動連結部材と、前記駆動連結部材を前記第一回転体側から前記第二回転体側に向かって押圧するバネ部材とを備えており、前記駆動連結部材の軸線方向両端部の周面に複数の係合部をそれぞれ有し、前記第一回転体及び前記第二回転体に、前記駆動連結部材の前記複数の係合部がそれぞれ軸線方向で進退可能な複数の溝部を有し、前記駆動連結部材の軸線方向第二回転体側端面が球面形状である。【選択図】図1

Description

本発明は、駆動伝達装置及び画像形成装置に関するものである。
電子写真方式の画像形成装置は、感光体や現像ローラなどの回転体を備えており、この回転体を回転駆動させて画像を形成する。回転体の多くは、交換可能なように画像形成装置本体から着脱自在に構成されている。そのため、画像形成装置本体の駆動源から回転体へ駆動力を伝達する駆動伝達装置には、両者を着脱可能に接続するカップリングが設けられている。
特許文献1に記載の駆動伝達装置においては、駆動軸と回転体軸とを連結し、両軸の偏角や軸心ずれが発生したときに生じる回転速度変動を抑制して伝達する連結手段が、一対の外輪とその両者間を結ぶトリポード部材とで構成されている。各外輪の内周には、それぞれ軸方向に延びる3本の溝が設けられている。また、トリポード部材の軸方向両端には、各外輪の溝それぞれに軸方向へスライド自在に収容されることで、各外輪とトリポード部材との相互間で軸周りのトルク伝達を可能とする3つの突出部がそれぞれ設けられている。このような一対の外輪とトリポート部材とで前記連結手段を構成することで、駆動軸と回転体軸との両軸の偏角や軸心ずれが発生したときに生じ得る回転ムラを抑制することができるとされている。
特許文献2に記載の駆動伝達装置は、被回転部材と連結されるカップリング部材の後端と一端側が当接し、他端側が駆動モータからの駆動を伝達する駆動伝達ギヤの側面と当接する圧縮スプリングが設けられている。そして、この圧縮スプリングのバネ力により、カップリング部材を被回転部材側に押圧することで、カップリング部材と被回転部材とが駆動連結中に外れるのを抑制している。
しかしながら、特許文献1に記載の駆動伝達装置に設けられる連結手段に対して、特許文献2に記載の駆動伝達装置に設けられる圧縮スプリングを適用した場合、スラスト方向におけるバネ力変動に起因した回転ムラが発生するといった問題が生じ得る。
上記課題を解決するために、本発明は、駆動伝達装置において、駆動源と駆動連結している第一回転体と、駆動源からの駆動力が伝達される第二回転体と、前記第一回転体と前記第二回転体とを駆動連結し、且つ、前記第一回転体及び前記第二回転体に軸線方向両端部がそれぞれ係合する駆動連結部材と、前記駆動連結部材を前記第一回転体側から前記第二回転体側に向かって押圧するバネ部材とを備え、前記駆動連結部材の軸線方向両端部の周面に複数の係合部をそれぞれ有し、前記第一回転体及び前記第二回転体に、前記駆動連結部材の前記複数の係合部がそれぞれ軸線方向で進退可能な複数の溝部を有しており、前記駆動連結部材の軸線方向第二回転体側端面が球面形状であることを特徴とする。
以上、本発明によれば、スラスト方向におけるバネ力変動に起因した回転ムラが発生するのを抑制できるという優れた効果がある。
(a)先端面が球面形状のジョイントで駆動連結された感光体ドラムフランジと第二ギヤとが同軸上に位置する状態の駆動伝達装置の断面図、(b)先端面が球面形状のジョイントで駆動連結された感光体ドラムフランジと第二ギヤとに軸心ズレが発生した状態の駆動伝達装置の断面図。 実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図。 駆動伝達装置の断面図。 駆動伝達装置の組み立て図。 (a)感光体ドラムフランジの斜視図、(b)第二ギヤの斜視図。 ジョイントの形状の一例を示す斜視図。 ジョイントの形状の他例を示す斜視図。 ジョイントの形状の他例を示す断面図。 突き当て部を球面にした感光体ドラムフランジの断面図。 実施形態2に係る駆動伝達装置の断面図。 カップリング解除部材の斜視図。 実施形態2に係る駆動伝達装置の組み立て図。 カップリング解除部材の孔部の内壁面に傾斜を設けた場合の模式図。 円錐台部の周面の傾斜角度についての説明図。 (a)内部を肉抜きしたジョイントの断面図、(b)内部を肉抜きしたジョイントを後端側から見た模式図。 (a)カップリング解除部材の移動量とジョイントの移動量との関係を示したグラフ、(b)カップリング解除部材の断面図、(c)カップリング解除部材の正面図、(d)ジョイントが連結位置に位置するときの駆動伝達装置の断面図、(e)ジョイントが解除位置に位置するときの駆動伝達装置の断面図。 (a)ジョイントが連結位置に位置するときの駆動伝達装置の斜視図、(b)ジョイントが解除位置に位置するときの駆動伝達装置の斜視図。 実施形態3に係る駆動伝達装置の断面図。 (a)ジョイントの外観斜視図、(b)ジョイントを軸線方向先端側から見た外観図。 先端爪部や後端爪部などの爪部の数による回転ムラについて示した図。 ジョイントの成型における金型構造の説明に用いる図。 比較例1に係るジョイントの成型における金型構造の説明に用いる図。 比較例2に係るジョイントの成型における金型構造の説明に用いる図。 爪部の数や形状のみが異なる3つのジョイントを用いて、同じ負荷トルクを想定したときの耐久強度の安全率を示したグラフ。 爪部の数や形状のみが異なる3つのジョイントを示す図。 (a)実施形態4に係るジョイントを軸線方向と直交する方向から見た外観図、(b)実施形態4に係るジョイントを軸線方向感光体ドラムフランジ側から見た斜視図。 (a)実施形態4に係る感光体ドラムフランジを軸線方向ジョイント側から見た斜視図、(b)実施形態4に係る感光体ドラムフランジを軸線方向ジョイント側から見た外観図。 (a)ジョイント傾斜面と接触するフランジ傾斜面が3箇所の場合における感光体ドラムフランジを軸線方向ジョイント側から見た斜視図、(b)ジョイント傾斜面と接触するフランジ傾斜面が3箇所の場合における感光体ドラムフランジを軸線方向ジョイント側から見た外観図。 (a)感光体ドラムフランジのフランジ傾斜面及びその近傍の断面図、(b)感光体ドラムフランジのフランジ傾斜面及びその近傍の拡大断面図。 (a)ジョイントの断面図、(b)ジョイントのジョイント傾斜面及びその近傍の拡大断面図。 h1<h2、且つ、θ1>θ2の関係を満たす場合における、軸ずれや位相ずれが起きたときのジョイントの挙動について説明する図。 h1>h2の関係を満たす場合における、軸ずれや位相ずれが起きたときのジョイントの挙動について説明する図。 l1>l2の関係を満たす場合における、軸ずれや位相ずれが起きたときのジョイントの挙動について説明する図。
[実施形態1]
以下、本発明を適用した画像形成装置の実施形態(以下、実施形態1という)について説明する。図2は、実施形態1に係る電子写真方式の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。同図において、タンデム型中間転写式の画像形成装置の本体1は、記録材である用紙を収容して供給する記録材供給手段としての給紙部である給紙テーブル200上に載せられている。図中の符号の添え字Y、M、C、Kはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(黒)の各色をそれぞれ示す。
画像形成装置の本体1の中央付近には、複数の支持ローラ13,14,15,16,63に掛け回されて図中時計回りに回転搬送可能な無端ベルト状の像担持体である中間転写体としての中間転写ベルト10が設けられている。図示の例では、支持ローラの1つである二次転写対向ローラ16の左に中間転写ベルト用のクリーニング装置17が設けられている。クリーニング装置17は、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去する。また、支持ローラ14と支持ローラ15間に張り渡した中間転写ベルト10上には、その搬送方向に沿って、4つのトナー像形成ユニット18Y,18M,18C,18Kを横に並べて配置してタンデム画像形成装置20を構成する。
タンデム画像形成装置20の上には、図2に示すように、光書込手段としての光書込装置である露光装置21が設けられている。タンデム画像形成装置20の各トナー像形成ユニット18Y,18M,18C,18Kは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の潜像が形成される像担持体としての感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kを有している。感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kそれぞれの表面は、帯電装置60Y,60M,60C,60Kで一様に帯電された後、画像データに基づいて露光装置21で露光される。これにより、感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kそれぞれの表面に潜像が形成される。
感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kの潜像はそれぞれ、現像装置61Y,61M,61C,61Kで現像され、これにより、感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kそれぞれの表面に可視像である各色のトナー像が担持される。また、感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kから中間転写ベルト10にトナー像を転写する一次転写位置には、一次転写ローラ62Y,62M,62C,62Kが設けられている。また、支持ローラ14は中間転写ベルト10を回転駆動する駆動ローラである。ブラック単色画像を中間転写ベルト10上に形成する場合には、支持ローラ14以外の支持ローラ13,15を移動させて、イエロー、マゼンタ、シアンの感光体ドラム40Y,40M,40Cを中間転写ベルト10から離間させることも可能である。
中間転写ベルト10を挟んでタンデム画像形成装置20と反対の側には、二次転写装置22を備える。二次転写装置22は、図示の例では、二次転写対向ローラ16に二次転写ローラ12を押し当て転写電界を印加することにより、中間転写ベルト10上の画像を用紙に転写する。
二次転写装置22の横には、用紙上の転写画像を定着する定着手段としての定着装置25が設けられている。定着装置25は、記録材搬送部材としての無端ベルトである定着ベルト26に加圧部材としての加圧ローラ27を押し当てて構成する。また、支持ローラ23に掛け回されて回転駆動される記録材搬送部材である搬送ベルト24により、画像転写後の用紙が定着装置25へ搬送される。
なお、図示の例では、二次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置20と平行に、用紙の両面に画像を記録すべく用紙を反転する用紙反転装置28を備える。
上記構成の画像形成装置において、画像形成装置の本体1に画像データが送られ、作像開始の信号を受けると、駆動モータで支持ローラ14を回転駆動して他の複数の支持ローラを従動回転し、中間転写ベルト10を回転搬送する。同時に、個々のトナー像形成ユニット18Y,18M,18C,18Kで各感光体ドラム40Y,40M,40C,40K上にそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの単色画像を形成する。そして、中間転写ベルト10の搬送とともに、それらの単色画像を一次転写ローラ62Y,62M,62C,62Kが対向する一次転写部で順次転写して中間転写ベルト10上に合成カラー画像を形成する。
また、給紙部の給紙テーブル200の給紙ローラ58の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つから用紙を繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れる。搬送ローラ47で搬送して画像形成装置の本体1内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上の用紙を繰り出し、分離ローラで1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。そして、中間転写ベルト10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写ベルト10と二次転写装置22の二次転写ローラ12との間に用紙を送り込み、二次転写装置22で転写して用紙上にカラー画像を記録する。画像転写後の用紙は、二次転写装置22で搬送して定着装置25へと送り込まれ、熱と圧力とを加えて転写画像を定着した後、排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪で切り換えて用紙反転装置28に入れ、そこで反転して再び二次転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
一方、画像転写後の中間転写ベルト10は、中間転写ベルト用のクリーニング装置17により、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーが除去され、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
以上の構成たる画像形成装置において、本体1のフロント側(図2中紙面手前側)には、本体1に対して支軸によって回動し開閉可能に取り付けられフロントカバーが設けられている。そして、このフロントカバーを支軸を中心に回動させて本体1に対し開くことにより、本体1の内部に収納された、感光体と帯電装置と現像装置とクリーニング装置とを1つのユニットとして着脱することができる。感光体ドラム40と帯電装置と現像装置とクリーニング装置とのうち、寿命となる部品があった際にはユニットごと取り外され、新しいユニットと交換される。そのため、画像形成装置本体の駆動源としての駆動モータから、感光体ドラム40などの駆動伝達対象の回転体へ駆動力を伝達する駆動伝達装置には、両者を着脱可能に連結する駆動連結部材であるジョイントが設けられている。
なお、本実施形態においては、感光体ドラム40に駆動を伝達する駆動伝達装置を例に挙げて説明するが、駆動伝達対象が、現像装置に設けられた現像ローラやトナー補給スクリュ、給紙テーブル200の給紙ローラ58給紙ローラなど別の回転体であっても良い。
図3は、駆動伝達装置70の断面図である。図4は、駆動伝達装置70の組み立て図である。図5(a)は感光体ドラムフランジ41の斜視図であり、図5(b)は第二ギヤ82の斜視図である。図3、図4及び図5などを用いて、駆動伝達装置70に設けられたジョイント90前後の駆動列の部品構成について説明する。本実施形態に係る駆動伝達装置70は、駆動モータ30からの回転駆動力を、第一ギヤ81、第二ギヤ82、ジョイント90、感光体ドラムフランジ41を介して、感光体ドラム40に伝達する。第一ギヤ81及び第二ギヤ82は、第一ブラケット71に設けられた支軸71a,71bに回転可能に支持されている。駆動モータ30は、第二ブラケット72に支持されている。また、この第二ブラケット72は、ジョイント90を保持するとともに、ジョイント90や第二ギヤ82の軸線方向の移動を規制するためのホルダ74が組み付けられている。第二ギヤ82とジョイント90と感光体ドラムフランジ41とは同軸上に位置するように配置されており、ジョイント90が第二ギヤ82と感光体ドラムフランジ41とを軸線方向に離脱可能に連結している。
図6は、ジョイント90の形状の一例を示す斜視図である。ジョイント90は、軸線方向感光体ドラムフランジ41側端部であり感光体ドラムフランジ41と係合する先端係合部91と、軸線方向第二ギヤ82側端部であり第二ギヤ82と係合する後端係合部92とを有している。また、ジョイント90の軸線方向で先端係合部91と後端係合部92との間に、先端係合部91側の周面の半径が後端係合部92側の周面の半径よりも小さくなるような、周面93aが軸線方向に対して傾斜した円錐台部93を有している。先端係合部91の球面形状の周面91aには、その周面91aから突出した複数の円柱状の係合部である2つの先端爪部91bが設けられている。また、後端係合部92の球面形状の周面92aには、その周面92aから突出した複数の円柱状の係合部である2つの後端爪部92bが設けられている。なお、ジョイント90の先端係合部91と後端係合部92に設ける爪部の数は2つに限らず任意である。
図5(a)に示すように、感光体ドラムフランジ41にはジョイント90の先端係合部91が挿入されて係合する被係合部41aが設けられている。この被係合部41aには、ジョイント90の2つの先端爪部91bそれぞれが軸線方向で進退可能に嵌り込む2つの溝部41bと、ジョイント90の先端面(先端係合部91の端面)91cが突き当たる突き当て部41cとが設けられている。また、図5(b)に示すように、第二ギヤ82にはジョイント90の後端係合部92が挿入されて係合する被係合部82aが設けられている。ジョイント90の2つの後端爪部92bがそれぞれ軸線方向で進退可能に嵌り込む2つの溝部82bが設けられている。そして、ジョイント90の先端係合部91と感光体ドラムフランジ41の被係合部41aとを係合させ、ジョイント90の後端係合部92と第二ギヤ82の被係合部82aとを係合させる。これにより、第二ギヤ82とジョイント90と感光体ドラム40とが駆動連結される。
ジョイント90の後端係合部92と第二ギヤ82との間には、圧縮コイルバネ73が配置されている。圧縮コイルバネ73の一端側は第二ギヤ82の被係合部82a内にある側面82cと当接し、他端側はジョイント90の後端係合部92の端面(ジョイント90の後端面)と当接している。そして、圧縮コイルバネ73のバネ力によりジョイント90が感光体ドラムフランジ41側に押圧されることで、感光体ドラムフランジ41とジョイント90とが駆動連結中に外れるのを防止している。
ホルダ74の円中心部にはジョイント90が挿入される挿入孔74aが開いており、第一ブラケット71と第二ブラケット72を締結することで、第二ブラケット72に組み付けられたホルダ74の挿入孔74aの縁と、ジョイント90の後端係合部92とが接する。これにより、軸線方向におけるジョイント90の感光体ドラムフランジ41側への移動がホルダ74によって規制され、圧縮コイルバネ73によるジョイント90の飛び出しが抑制される。
図7は、ジョイント90の形状の他例を示す斜視図である。図7に示すジョイント90においては、2つの先端爪部91bの半径が互いに異なっており、一方が他方に比べて半径が大きくなっている。同様に、2つの後端爪部92bの半径も互いに異なっており、一方が他方に比べて半径が大きくなっている。また、図7に示すジョイント90においては、2つの先端爪部91bそれぞれのジョイント軸線方向先端側には、感光体ドラムフランジ41の溝部41bに先端爪部91bを挿入するときのガイドをなす挿入用テーパー部91dが設けられている。2つの先端爪部91bにそれぞれ設けられた挿入用テーパー部91dの形状は、互いに異なっている。すなわち、図7に示すジョイント90においては、先端係合部91に設けられた2つの先端爪部91bと、後端係合部92に設けられた2つの後端爪部92bとが、それぞれ非対称形状となっている。
感光体ドラムフランジ41とジョイント90との連結時に、感光体ドラムフランジ41の溝部41bにジョイント90の先端爪部91bがスムーズに入るための勾配である挿入用テーパー部91dが、先端爪部91bに設けられている。そして、2つの先端爪部91bに設けられた挿入用テーパー部91dは、図7や図8に示すように一方が他方に比べて先端が長い。これにより、ジョイント90の先端爪部91bや感光体ドラムフランジ41の溝部41bの配置角度に加工上のズレがあったとしても、先端爪部91bが挿入用テーパー部91dによって溝部41bにガイドされ無理なく挿入することができる。
また、ジョイント90の先端係合部91に設けられた2つの先端爪部91bと、後端係合部92に設けられた2つの後端爪部92bとを、それぞれ非対称にする。このことで、第二ギヤ82とジョイント90と感光体ドラムフランジ41との偏心成分を、位相合わせして組み付け、相殺することが可能になる。ジョイント90の先端係合部91や後端係合部92にそれぞれ設けられた複数の爪部の非対称な構成の例としては、次の(1)〜(4)のものが挙げられる。(1)複数の爪部のうち1つだけ半径が異なる。(2)複数の爪部のうち1つだけ高さが異なる。(3)複数の爪部の配置角度が等分でない(爪部を周方向に3つ配置するなら120[°]等分でない)。(4)駆動連結用の爪部とは別に、位相合わせ用の凹凸部を設ける。なお、このようなジョイント90の先端係合部や後端係合部に設けられた複数の爪部の非対称な構成に合わせて、ジョイント90の各爪部が嵌り込む相手側の感光体ドラムフランジ41や第二ギヤ82の溝部41b,82bの形状や数、配置角度等を設定すればよい。
ここで、ジョイント90の軸線方向の長さが長く且つ径が細いとねじり剛性が低く、用紙が転写に突入する際の瞬間的な負荷トルク変動が発生した際、ジョイント90がねじれて回転精度が悪化し、ショックジターが発生する問題があった。さらに、ねじり剛性が低いために、ねじりの固有振動数も小さい。そのため、ギヤ噛み合いなどとの共振が発生しやすく、回転ムラとなりやすい問題があった。ジョイント90の軸線方向で先端係合部91から後端係合部92にかけて半径を大きくすると、ジョイント90のねじり剛性が増し共振を回避することはできる。ところが、同時に感光体ドラムフランジ41や感光体ドラム40を大きくする必要があり、レイアウト上好ましくない。そこで、ジョイント90の軸線方向で先端係合部91と後端係合部92との間に、上述したような軸線方向に対して周面93aが傾斜した円錐台部93を設ける。これにより、ジョイント90のねじり剛性が増し、共振を回避することができる。また、ジョイント90の材質に金属を使用することなく、樹脂材料であってもジョイント90のねじり剛性を増すことができるので、ジョイント90の軽量化や省資源化を図ることが可能となる。
図9は、突き当て部41cを球面形状にした感光体ドラムフランジ41の断面図である。感光体ドラムフランジ41の突当て部41cを球面形状で設けることで、金型の構成上、ジョイント90の先端面の球面形状にバリが発生したとしても、回転ムラが悪化しない。なお、感光体ドラムフランジ41の突き当て部41cに設ける球面形状の球面半径は、図9に示すように、ジョイント90の先端面の球面半径と同じ場合に限らず、ジョイント90の先端面の球面半径より大きくても良い。
ここで、ジョイント90の先端面91cが平面であると、軸心ズレや偏角が発生したときにジョイント90が軸線方向に対して傾くことで、感光体ドラムフランジ41の突き当て部41cに対してジョイント90の先端面91cが平面ではなく縁で当たってしまう。これにより、感光体ドラムフランジ41の突き当て部41cに対してジョイント90の先端面が平面で当たっているときに比べて、ジョイント90への感光体ドラムフランジ41からの反力が大きくなる。そのため、感光体ドラムフランジ41の突き当て部41cに対してジョイント90の先端面91cが平面で当たっているときよりも、圧縮コイルバネ73がジョイント90により押されて縮み、圧縮コイルバネ73の荷重高さが変化する。そのため、スラスト方向におけるバネ力変動に起因した回転ムラが発生するといった問題が生じる。
図1(a)は、先端面91cが球面形状のジョイント90で駆動連結された感光体ドラムフランジ41と第二ギヤ82とが同軸上に位置する状態の駆動伝達装置70の断面図である。図1(b)は、先端面91cが球面形状のジョイント90で駆動連結された感光体ドラムフランジ41と第二ギヤ82とに軸心ズレが発生した状態の駆動伝達装置70の断面図である。本実施形態に係る駆動伝達装置70のように、ジョイント90の先端面91cを球面形状とする。このことで、軸心ズレや偏角が発生したときにジョイント90が軸線方向に対して傾いても、感光体ドラムフランジ41の突き当て部41cに対してジョイント90の先端面91cが球面で当たった状態となる。このため、軸心ズレや偏角が発生しても、圧縮コイルバネ73により感光体ドラムフランジ41に向かって押圧されているジョイント90への感光体ドラムフランジ41からの反力の大きさの変動が抑えられ、圧縮コイルバネ73の荷重高さの変化を抑制できる。よって、軸心ズレや偏角が発生しても、スラスト方向におけるバネ力変動に起因した回転ムラが発生するのを抑制することができる。したがって、感光体ドラム40の回転ムラが抑えられ、形成された画像にバンディングや濃度ムラなどが生じるのを抑制し、良好な画像形成を行うことができる。
なお、ジョイント90の先端面91cを単に球面、例えば、先端係合部91の周面91aと一体の球面形状とすると、先端面91cが平面の場合よりもジョイント90の軸線方向の長さが長くなって、装置の大型化を招いてしまうおそれがある。そのため、本実施形態においては、先端面91cの球面半径を周面91aの球面半径よりも大きくする。このことで、先端面91cの球面半径が周面91aの球面半径と同じ場合(先端面91cと周面91aとが一体の球面形状の場合)よりも、ジョイント90の軸線方向の長さを短くすることができる。よって、その分、装置の小型化を図ることが可能となる。
また、感光体ドラムフランジ41の突き当て部41cにジョイント90の先端面91cが突き当たった状態で、ジョイント90が軸線方向に対して傾いたときに、先端面91cの球面半径が大きいほど軸線方向に対するジョイント後端の傾き度合いを小さくできる。そのため、ジョイント90の先端面91cの球面半径を周面91aの球面半径よりも大きくすることで、先端面91cの球面半径が周面91aの球面半径と同じ場合よりも、ジョイント後端の軸線方向における位置変動を小さくできる。よって、ジョイント後端を押圧するバネの荷重高さの変化をより低減させることができ、その分、スラスト方向におけるバネ力変動に起因した回転ムラをより確実に抑えることができる。
[実施形態2]
本発明を適用した画像形成装置の他の実施形態(以下、実施形態2という)について説明する。ここで、本実施形態2に係る画像形成装置及び駆動伝達装置70の基本的な構成は、実施形態1に係る画像形成装置及び駆動伝達装置70の構成と同様なので、その説明は省略する。
図10は、実施形態2に係る駆動伝達装置70の断面図である。図12は、実施形態2に係る駆動伝達装置70の組み立て図である。第二ギヤ82とジョイント90と感光体ドラムフランジ41とが同軸上に配置されており、ジョイント90が第二ギヤ82と感光体ドラムフランジ41とを軸線方向に離脱可能に連結している。第二ギヤ82と感光体ドラムフランジ41との間には、ジョイント90が挿入される孔部101を有しジョイント90と感光体ドラムフランジ41とのカップリング(連結)を解除するカップリング解除部材100が設けられている。軸線方向で第二ギヤ82とジョイント90の間には圧縮コイルバネ73が配置されており、ジョイント90は圧縮コイルバネ73からの押圧力によって感光体ドラムフランジ41に突き当てられている。第二ギヤ82の被係合部82a内には、ジョイント90と感光体ドラムフランジ41との係合部分よりも軸線方向で第二ギヤ82側にジョイント90が退避することが可能な隙間がある。ジョイント90が軸線方向で第二ギヤ82側に退避することで、ジョイント90と感光体ドラムフランジ41とのカップリング(連結)が解除される。これにより、回転軸の一端部に感光体ドラムフランジ41が設けられた感光体ドラム40を、回転軸と直交する方向に着脱可能な構成となっている。
図11は、カップリング解除部材100の斜視図である。図11に示すように、カップリング解除部材100は、ジョイント90が挿入される長手方向に長尺な孔部101を有する薄い板状部材であり、前記孔部101の幅は長手方向で徐々(なめらか)に変化している。
ここで、従来の駆動伝達装置においては、カップリング解除装置は解除機構に傾斜面を付ける必要があること、またカップリング押圧部材もしくは駆動連結部材の外周に鍔を付ける必要があるなど駆動伝達装置が大型のものとなってしまう。一方、本実施形態の駆動伝達装置70に設けられる上述したようなカップリング解除部材100を用いることで、従来の解除装置のように大きな傾斜を付ける必要がなくなり解除装置を小型化することできる。また、カップリング押圧部材や連結部材外周に鍔が必要なくなり駆動連結部材自体も小型化できる。よって、省スペースで連結解除を行うことができ、駆動伝達装置70ひいては画像形成装置の小型化を図ることができる。
なお、カップリング解除部材100によるカップリングの連結と解除とは、カップリング解除部材100をジョイント軸線方向と直交する方向にスライド移動させて行うが、手動でカップリング解除部材100を直接スライド移動させる構成に限るものではない。例えば、リンク機構などを設けて、画像形成装置の駆動伝達装置70やトナー像形成ユニット18を覆うフロントカバーの開閉動作に連動させてカップリング解除部材100をスライド移動させて、カップリングの連結と解除とを行うようにするのが好ましい。これにより、画像形成装置のフロントカバーの開閉動作によってカップリング解除部材100をスライドさせ、カップリングの連結や解除が行われるため、ユニット交換に必要な手順を減らすことができ、作業性を向上させることができる。
ジョイント90の形状としては、先端係合部91の球面形状である周面91aの半径を、後端係合部92の球面形状である周面92aの半径よりも小さくしている。これにより、第二ギヤ82とジョイント90との軸線方向(スラスト方向)への移動止め部材として機能するホルダ74を、第二ギヤ82の前面から付けることが可能となる。すなわち、第二ギヤ82にジョイント90を嵌めた状態で、ホルダ74を配置することができ、組み立て性を向上させることができる。なお、ジョイント90の先端係合部91の周面91aと、後端係合部92の周面92aとの半径が同じ場合(球面形状が同じ場合)には、第二ギヤ82にジョイント90を嵌めた状態で、ホルダ74を付けることができない。
図13は、カップリング解除部材100の孔部101の内壁面101aに傾斜を設けた場合の模式図である。図13に示すように、カップリング解除部材100の孔部101の内壁面101aに、ジョイント90の円錐台部93の周面93cと同等または略同等の傾斜を設けるのが望ましい。これにより、カップリング解除部材100の内壁面101aとジョイント90の周面93aとが面で接触することから、カップリング解除時に必要な力が安定し、カップリング解除での操作性を向上させることができる。
また、図14に示すように、ジョイント90の円錐台部93における根元部分での周面93aのジョイント軸線方向と直交する方向に対する傾斜角度θを、45度以下にするのが望ましい。カップリング解除部材100によりジョイント90を退避させるときには、カップリング解除部材100からジョイント90の円錐台部93の周面93aに対して垂直に力がかかる。そのため、ジョイント90の円錐台部93の周面93aの傾斜角度θが小さいほうが、ジョイント90の退避方向に力が大きくかかるため、ジョイント90の退避時に必要な力が小さくて済み、その結果、ジョイント90などの耐久性を向上させることが可能となる。
図15(a)は、内部を肉抜きしたジョイント90の断面図である。図15(b)は、内部を肉抜きしたジョイント90を後端側から見た模式図である。図15(a)及び図15(b)に示すように、ジョイント90の内部を肉抜きし、ジョイント90の肉厚が均一になるようにすることでジョイント90の成形性を向上させることが可能となる。また、ジョイント90を肉抜きした分の材料費を削減することができるため、低コスト化を図ることが可能となる。また、ジョイント90の材質としては、炭素繊維もしくはガラス繊維で強化されたポリアセタール(POM)などの高剛性樹脂を用いるのが良い。ねじりの振動の固有振動数Fは、下記数1に示す関係を満たすようになっている。そのため、高剛性樹脂(ヤング率Gの高い樹脂)を用いることで、ねじり振動の固有振動数を変化させることができる。よって、ギヤの噛み合いなどとねじり振動が共振していた場合、ジョイント90の材質として高剛性樹脂を用いていることで、ジョイント90のねじれ剛性強化により回転ムラを抑制することができる。
Figure 2017048913
図16(a)は、カップリング解除部材100の移動量とジョイント90の移動量との関係を示したグラフである。図16(b)は、カップリング解除部材100の断面図である。図16(c)は、カップリング解除部材100の正面図である。図16(d)は、ジョイント90が連結位置に位置するときの駆動伝達装置70の断面図である。図16(e)は、ジョイント90が解除位置に位置するときの駆動伝達装置70の断面図である。また、図17(a)は、ジョイント90が連結位置に位置するときの駆動伝達装置70の斜視図である。図17(b)は、ジョイント90が解除位置に位置するときの駆動伝達装置70の斜視図である。
カップリング解除部材100の孔部101における、図16(b)や図16(c)で一点鎖線で示した連結位置にジョイント90が位置するとき(図17(a)参照)には、カップリング解除部材100とジョイント90とは接触していない。この状態では、図16(d)のようにジョイント90と感光体ドラムフランジ41とが連結している。カップリング解除部材100の孔部101における、図16(b)や図16(c)で二点鎖線で示した解除位置にジョイント90が位置するとき(図17(b)参照)には、カップリング解除部材100とジョイント90とが接触している。この状態では、図16(e)のようにジョイント90と感光体ドラムフランジ41との連結が解除されている。カップリング解除部材100の孔部101の幅は、図16(c)に示すように、カップリング解除部材長手方向で連結位置から解除位置に向かうにつれて徐々に狭まっている。
ジョイント90と感光体ドラムフランジ41とを連結状態から解除状態にするときには、次のような動作を行う。すなわち、カップリング解除部材100の孔部101内でジョイント90が連結位置から解除位置に移動するように、カップリング解除部材100を図16(c)中の矢印A方向にスライド移動させる。すると、カップリング解除部材100の孔部101における内側面101aとジョイント90の円錐台部93の周面93aとが接触し、カップリング解除部材100によりジョイント90がジョイント軸線方向で第二ギヤ82側に押される。カップリング解除部材100をスライド移動させていくと、図16(a)に示すようなカップリング解除部材100の移動量とジョイント90の移動量との関係で、ジョイント90が圧縮コイルバネ73からのバネ力に抗して第二ギヤ82側に移動する。そして、カップリング解除部材100の孔部101における解除位置にジョイント90が到達すると、図16(e)に示すようにジョイント90と感光体ドラムフランジ41との連結が解除される。
一方、ジョイント90と感光体ドラムフランジ41とを解除状態から連結状態にするときには、次のような動作を行う。すなわち、カップリング解除部材100の孔部101内でジョイント90が解除位置から連結位置に移動するように、カップリング解除部材100を図16(c)中の矢印A方向とは逆向きにスライド移動させる。図16(a)に示すようなカップリング解除部材100の移動量とジョイント90の移動量との関係で、ジョイント90が圧縮コイルバネ73からのバネ力によって感光体ドラムフランジ41側に移動する。そして、カップリング解除部材100の孔部101における解除位置にジョイント90が到達すると、カップリング解除部材100の孔部101における内側面101aとジョイント90の円錐台部93の周面93aとが接触しなくなる。これにより、図16(d)に示すようにジョイント90と感光体ドラムフランジ41とが連結する。
なお、本実施形態において、カップリング解除部材100の移動量とジョイント90の移動量とは比例関係にあり、連結位置と解除位置との間でのカップリング解除部材100の移動には遊びがある。
[実施形態3]
本発明を適用した画像形成装置のさらに他の実施形態(以下、実施形態3という)について説明する。なお、本実施形態3に係る画像形成装置及び駆動伝達装置70の基本的な構成は、実施形態1に係る画像形成装置及び駆動伝達装置70の構成と同様であり、その説明は省略する。
図18は、実施形態3に係る駆動伝達装置70の断面図である。図19(a)は、実施形態3に係る駆動伝達装置70に設けられるジョイント90の外観斜視図である。図19(b)は、実施形態3に係る駆動伝達装置70に設けられるジョイント90を軸線方向先端側から見た外観図である。本実施形態に係る駆動伝達装置70おいても、ジョイント90が第二ギヤ82と感光体ドラムフランジ41とを軸線方向に離脱可能に連結している。ジョイント90は、軸線方向感光体ドラムフランジ41側端部であり感光体ドラムフランジ41と係合する先端係合部91と、軸線方向第二ギヤ82側端部であり第二ギヤ82と係合する後端係合部92とを有している。また、ジョイント90の軸線方向で先端係合部91と後端係合部92との間に、先端係合部91側の半径が後端係合部92側の半径よりも小さい二段円筒部94を有している。また、ジョイント90の先端面(先端係合部91の端面)91cを球面形状としており、第二ギヤ82と感光体ドラムフランジ41との間に軸心ずれや偏角が発生した場合に、ジョイント90が傾くことで回転ムラを抑制することができる。
先端係合部91の球面形状の周面91aには、その周面91aから突出した係合部である先端爪部91bが回転方向に等間隔で4つ設けられている。また、後端係合部92の球面形状の周面92aには、その周面92aから突出した係合部である後端爪部92bが回転方向に等間隔で4つ設けられている。
4つの先端爪部91b1,91b2,91b3,91b4のうち、先端爪部91b1,91b3の外側形状は、互いに平行な一対の平面部と一対の円弧面部とからなる断面角丸長方形状(小判型、オーバル型)である。そして、残りの先端爪部91b2,91b4の外側形状は、前記断面角丸長方形状のうちの図1(b)中反時計回り方向下流側の前記円弧面部を平面部としている。すなわち、ジョイント90の回転方向において、先端爪部91b1,91b3は回転方向下流側と上流側の両方に円弧面部を有し、先端爪部91b2,91b4は回転方向下流側のみに円弧面部を有するようにしている。感光体ドラムフランジ41の被係合部41aと、ジョイント90の先端係合部91とを係合させた状態では、被係合部41aに設けた溝部41bの壁面に、先端係合部91に設けた先端爪部91bの前記円弧面部が回転方向で接触することで駆動伝達が可能となる。一方、先端爪部91bの前記平面部は、溝部41bの壁面と回転方向で接触せず駆動伝達には寄与していない。
また、4つの後端爪部92b1,92b2,92b3,92b4のうち、後端爪部92b1,92b3の外側形状は、互いに平行な一対の平面部と一対の円弧面部とからなる断面角丸長方形状(小判型、オーバル型)である。そして、残りの後端爪部92b2,92b4の外側形状は、前記断面角丸長方形状のうちの図1(b)中時計回り方向下流側の前記円弧面部を平面部としている。すなわち、ジョイント90の回転方向において、後端爪部92b1,92b3は回転方向下流側と上流側の両方に円弧面部を有し、後端爪部92b2,92b4は回転方向下流側のみに円弧面部を有するようにしている。第二ギヤ82の被係合部82aと、ジョイント90の後端係合部92とを係合させた状態では、被係合部82aに設けられた溝部82bの壁面に、後端係合部92に設けられた後端爪部92bの前記円弧面部が回転方向で接触することで駆動伝達が可能となる。一方、後端爪部92bの前記平面部は、溝部82bの壁面と回転方向で接触せず駆動伝達には寄与していない。
本実施形態で用いられるジョイント90においては、回転方向によって駆動伝達に用いる先端爪部91b及び後端爪部92bの数が異なっている。すなわち、図1(b)中時計回り方向にジョイント90が回転するとき(正回転時)には、4つの先端爪部91b1,91b2,91b3,91b4と、2つの後端爪部92b1,92b3とによって駆動伝達を行う。逆に、図1(b)中反時計回りにジョイント90が回転するとき(逆回転時)には、2つの先端爪部91b1,91b3と、4つの後端爪部92b1,91b2,91b3,91b4とによって駆動伝達を行う。なお、ジョイント90の正回転時と逆回転時との両方で駆動伝達に用いる、先端爪部91b1,91b3及び後端爪部92b1,92b3の外側形状を前記断面角丸長方形状にすることで、円形状の場合に比べて耐久性を向上させることができる。
ここで、ジョイント90において、耐久性を高くするために先端爪部91bや後端爪部92bの数を3つ以上にすると、安価な設備でジョイント90の成型を行うと、先端爪部91bや後端爪部92bの肉厚が均一になり難く、ジョイント90の部品精度が出にくい。また、ジョイント90の部品精度向上のために、先端爪部91bや後端爪部92bの肉抜きを行うと、ジョイント90の成型に用いる金型の構造が複雑化し、ジョイント90ひいて駆動伝達装置70や画像形成装置の製造コストが高くなってしまう。
図20は、先端爪部91bや後端爪部92bなどの爪部の数による回転ムラについて示した図である。なお、図中実線のグラフは爪部が4つの場合の回転ムラを示したものであり、図中点線のグラフは爪部が2つのときの回転ムラを示したものである。また、横軸が時間であり、縦軸が目的の角速度からのズレとなっている。図20からわかるように、爪部が2つの場合に比べて、爪部が4つの場合のほうが回転ムラが小さく回転精度が高いことが分かる。
図21(a)及び図21(b)は、本実施形態に係るジョイント90の成型における金型構造の説明に用いる図である。図21においては、軸線方向と直交する方向であって、先端爪部91b2,91b4及び後端爪部92b2,92b4を通るパーティングラインP1が形成されるように、二つの金型D1,D2を合わせてジョイント90を成型する。二つの金型D1,D2を分割するときには図中矢印方向に金型D1,D2を移動させて行う。本実施形態に係るジョイント90のように、一方向の回転時のみ駆動伝達を行う係合部である先端爪部91b2,91b4や後端爪部92b2,92b4を設けることで、安価な設備で各先端爪部91bや各後端爪部92bの肉抜きを行うことが可能となる。
ジョイント90の正回転と逆回転との両方向の回転に、先端爪部91bや後端爪部92bなどの爪部を4つ全て用いて駆動伝達を行う場合、各爪部の肉抜きを行うと、金型構造が複雑化しコストアップにつながる。また、金型構造によって以下の不具合がある。
図22は、比較例1に係るジョイント90の成型における金型構造の説明に用いる図である。図22に示す比較例1においては、4つの金型D11,D12,D13,D14を、図22に示すような位置にパーティングラインP1,P2が形成されるように合わせて、ジョイント90を成型する。パーティングラインP1は、先端爪部91b2,91b4を通るような、ジョイント90の軸線方向と直交する方向に形成される。パーティングラインP2は、先端爪部91b1,91b3を通るような、ジョイント90の軸線方向と直交する方向に形成される。比較例1に係る金型構造においては、爪部の肉抜きが均一にできず、爪部の根元側が肉厚になり、部品精度が低下する。
図23は、比較例2に係るジョイント90の成型における金型構造の説明に用いる図である。比較例2においては、4つの金型D21,D22,D23,D24を、図23に示すような位置にパーティングラインP1,P2が形成されるように合わせて、ジョイント90を成型する。パーティングラインP1は、先端爪部91b1と先端爪部91b2との間、及び、先端爪部91b3と先端爪部91b4との間を通るような、ジョイント90の軸線方向と直交する方向に形成される。また、パーティングラインP2は、先端爪部91b1と先端爪部91b4との間、及び、先端爪部91b2と先端爪部91b4との間を通るような、ジョイント90の軸線方向と直交する方向に形成される。比較例2に係る金型構造においては、パーティングラインP1,P2が第二ギヤ82及び感光体ドラムフランジ41と係合する部分に発生し、回転精度が低下する。
図24は、図25(a),(b),(c)に示すような、先端爪部91bや後端爪部92bなどの爪部の数や形状のみが異なる3つのジョイント90を用いて、同じ負荷トルクを想定したときの耐久強度の安全率を示したグラフである。なお、図24の示すグラフの縦軸は、図25(c)に示すジョイント90における安全率を「1」として規格化している。また、図24における(a)、(b)、(c)は、図25(a),(b),(c)のジョイント90に対応している。
図25(a)に示すジョイント90は、先端係合部91と後端係合部92それぞれに爪部を2つ設けた構成であり、爪部全てが前記断面角丸長方形状となっている。図25(a)に示すジョイント90は、先端係合部91と後端係合部92それぞれに爪部を2つ設けた構成であるため、各爪部の突出方向を金型の引き抜き方向とした2つの金型構造でジョイント90が成型可能であり、安価な設備で成形することができる。図25(b)に示すジョイント90は、図18に示した本実施形態に係るジョイント90であり、図25(a)に示したジョイント90と同じく、2つの金型により安価な設備で成型することができる。図25(c)に示すジョイント90は、先端係合部91と後端係合部92それぞれに爪部を4つ設けた構成であり、爪部全てが前記断面角丸長方形状となっており、正回転と逆回転との両回転方向に爪部全てを用いる。図25(c)に示すジョイント90は、図22や図23に示したような4つの金型構造により成型することになるため、図25(a)や図25(b)に示したジョイント90に比べて、金型構造が複雑化しコストが高くなる。また、図24に示す安全率のグラフからわかるように、図25(b)に示したジョイント90は、図25(c)に示したジョイント90に比べて耐久強度はやや低くなるが、図25(a)に示したジョイント90よりかは高い耐久強度を示す。よって、図25(b)に示すジョイント90、すなわち、本実施形態に係るジョイント90は、低コストと耐久性とを両立したジョイントであると言える。
[実施形態4]
本発明を適用した画像形成装置のさらに他の実施形態(以下、実施形態4という)について説明する。なお、本実施形態4に係る画像形成装置及び駆動伝達装置70の基本的な構成は、実施形態1に係る画像形成装置及び駆動伝達装置70の構成と同様であり、その説明は省略する。
図26(a)は、本実施形態に係るジョイント90を軸線方向と直交する方向から見た外観図である。図26(b)は、本実施形態に係るジョイント90を軸線方向感光体ドラムフランジ側から見た斜視図である。ジョイント90は、感光体ドラムフランジ41と係合する部分であり、先端爪部91bの軸線方向感光体ドラムフランジ41側であって回転方向両側に、軸線方向に対して傾斜したジョイント傾斜面95を有している。
図27(a)は、本実施形態に係る感光体ドラムフランジ41を軸線方向ジョイント側から見た斜視図である。図27(b)は、本実施形態に係る感光体ドラムフランジ41を軸線方向ジョイント90側から見た外観図である。感光体ドラムフランジ41は、ジョイント90と係合する部分であって、被係合部41bと複数の溝部41bそれぞれの縁と、被係合部41aの内周面における隣り合う溝部41bを繋ぐ縁とに、軸線方向に対して傾斜したフランジ傾斜面41dを有している。
軸ずれ時や位相ずれ時に、ジョイント傾斜面95とフランジ傾斜面41dとが接触することで、ジョイント軸中心と感光体ドラムフランジ軸中心とが一致する方向にジョイント90を移動させる力を生じされることができる。これにより、ジョイント90と感光体ドラムフランジ41とが連結しやすい方向にジョイント90が移動するので、ジョイント90と感光体ドラムフランジ41との連結における軸ずれや位相ずれに対するロバスト性を向上させることができる。
図28(a)は、ジョイント傾斜面95と接触するフランジ傾斜面41dが3箇所の場合における感光体ドラムフランジ41を軸線方向ジョイント側から見た斜視図である。図28(b)は、ジョイント傾斜面95と接触するフランジ傾斜面41dが3箇所の場合における感光体ドラムフランジ41を軸線方向ジョイント側から見た外観図である。図28に示す感光体ドラムフランジ41においては、図中矢印で示した3箇所にあるフランジ傾斜面41dしかジョイント90と接触しない構成となっている。また、前記3箇所にあるフランジ傾斜面41dを回転方向で120[°]ごとに配置することで、どの方向に軸ずれしてもジョイント90を連結する方向に力を与えることができる。
図29(a)は、感光体ドラムフランジ41のフランジ傾斜面41d及びその近傍の断面図である。図29(b)は、感光体ドラムフランジ41のフランジ傾斜面41d及びその近傍の拡大断面図である。本実施形態においては、フランジ傾斜面41dの軸線方向の高さをh1とし、フランジ傾斜面41dの軸線方向と直交する方向の長さをl1とし、フランジ傾斜面41dの軸線方向と直交する方向に対する傾斜角度をθ1とする。
図30(a)は、ジョイント90の断面図である。図30(b)は、ジョイント90のジョイント傾斜面95及びその近傍の拡大断面図である。本実施形態においては、ジョイント傾斜面95の軸線方向の高さをh2とし、先端爪部91bの軸線方向と直交する方向の長さをl2とし、ジョイント傾斜面95の軸線方向に対する傾斜角度をθ2とする。
図31は、h1<h2、且つ、θ1>θ2の関係を満たす場合における、軸ずれや位相ずれが起きたときのジョイント90の挙動について説明する図である。ジョイント90を軸線方向で感光体ドラムフランジ方向へ移動させて、ジョイント90と感光体ドラムフランジ41との連結を行うときには、ジョイント傾斜面95とフランジ傾斜面41dとが最初に接触する。このようにジョイント90と感光体ドラムフランジ41とが接触すると、図中矢印Fで示すような、フランジ傾斜面41dからジョイント傾斜面95に軸線方向と直交する方向であって、ジョイント軸中心とフランジ軸中心とが一致する方向に力を受ける。これにより、ジョイント90は感光体ドラムフランジ41に対して連結しやすい方向に移動し、ジョイント90と感光体ドラムフランジ41との連結のロバスト性が向上する。
図32は、比較例としてh1>h2の関係を満たす場合における、軸ずれや位相ずれが起きたときのジョイント90の挙動について説明する図である。ジョイント90を軸線方向で感光体ドラムフランジ方向へ移動させて、ジョイント90と感光体ドラムフランジ41との連結を行うときには、図32(a)に示すように先端爪部92bと被係合部41aの端面とが最初に接触する。このように接触すると、ジョイント90が圧縮コイルバネ73によって感光体ドラムフランジ41側に付勢されているため、図32(b)に示すように軸線方向に対して軸ずれが悪化する方向にジョイントが傾いてしまう。そのため、ジョイント90と感光体ドラムフランジ41との連結がしづらくなる。
図33は、他の比較例としてl1>l2の関係を満たす場合における、軸ずれや位相ずれが起きたときのジョイント90の挙動について説明する図である。ジョイント90を軸線方向で感光体ドラムフランジ方向へ移動させて、ジョイント90と感光体ドラムフランジ41との連結を行うときには、図33(a)に示すようにジョイント傾斜面95とフランジ傾斜面41dとが最初に接触する。これにより、ジョイント90の先端係合部91が感光体ドラムフランジ41の被係合部41aに嵌りやすい方向に、ジョイント90が移動する。すると、図33(b)に示すようにジョイント90が軸線方向に対して傾いた状態となり、ジョイント90の先端爪部92bとフランジ傾斜面41dとが接触し、軸ずれが悪化する方向に力を受け、ジョイント90と感光体ドラムフランジ41との連結がしづらくなる。よって、本実施形態においては、l1<l2の関係を満たすように構成することで、先端爪部92bとフランジ傾斜面41dとが接触するのが抑えられ、ジョイント90と感光体ドラムフランジ41との連結がしづらくなるのを抑制し、ジョイント90と感光体ドラムフランジ41との連結のロバスト性が向上する。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
駆動伝達装置において、駆動源と駆動連結している第一回転体と、駆動源からの駆動力が伝達される第二回転体と、前記第一回転体と前記第二回転体とを駆動連結し、且つ、前記第一回転体及び前記第二回転体に軸線方向両端部がそれぞれ係合する駆動連結部材と、前記駆動連結部材を前記第一回転体側から前記第二回転体側に向かって押圧するバネ部材とを備え、前記駆動連結部材の軸線方向両端部の周面に複数の係合部をそれぞれ有し、前記第一回転体及び前記第二回転体に、前記駆動連結部材の前記複数の係合部がそれぞれ軸線方向で進退可能な複数の溝部を有しており、前記駆動連結部材の軸線方向第二回転体側端面が球面形状である。
(態様A)においては、上記実施形態について説明したように、軸心ズレや偏角が発生しても、スラスト方向におけるバネ力変動に起因した回転ムラが発生するのを抑制できる。
(態様B)
(態様A)において、前記駆動連結部材の軸線方向第二回転体側端面の球面形状は、前記駆動伝達部材の軸線方向第二回転体側端部の周面の半径よりも大きな半径を有する。これによれば、上記実施形態について説明したように、装置の小型化を図ることが可能となるとともに、軸心ズレや偏角の発生時のスラスト方向におけるバネ力変動に起因した回転ムラをより確実に抑えることができる。
(態様C)
(態様A)または(態様B)において、前記駆動連結部材の軸線方向第一回転体側端部の周面の半径が、前記駆動伝達部材の軸線方向第二回転体側端部の周面の半径よりも大きくなるような、周面が軸線方向に対して傾斜した円錐台部を、前記駆動連結部材の軸線方向両端部の間に設けた。これによれば、上記実施形態について説明したように、駆動連結部材のねじり剛性が増し、共振を回避することができる。
(態様D)
(態様A)乃至(態様C)のいずれかにおいて、前記複数の係合部の半径が1つだけ異なる。これによれば、上記実施形態について説明したように、駆動伝達部材の複数の係合部を非対称にすることで、第一回転体と駆動伝達部材と第二回転体との偏心成分を、位相合わせして組み付け、相殺することが可能になる。
(態様E)
(態様A)乃至(態様C)のいずれかにおいて、前記複数の係合部の高さが1つだけ異なる。これによれば、上記実施形態について説明したように、駆動伝達部材の複数の係合部を非対称にすることで、第一回転体と駆動伝達部材と第二回転体との偏心成分を、位相合わせして組み付け、相殺することが可能になる。
(態様F)
(態様A)乃至(態様E)において、前記駆動連結部材の軸線方向第二回転体側端面が突き当たる、前記第二回転体に設けられた突き当て部が球面形状である。これによれば、上記実施形態について説明したように、駆動伝達部材の軸線方向第二回転軸側端面(球面)にバリが発生したとしても、回転ムラが悪化するのを抑制することが可能となる。
(態様G)
(態様A)または(態様C)において、前記駆動伝達部材が挿入される長手方向に長尺な孔部を有し、前記駆動伝達部材と前記第二回転部材との連結を解除する連結解除部材を備えており、前記連結解除部材を移動させることで、該連結解除部材の前記孔部の縁と前記駆動伝達部材の周面とが接触し、該連結解除部材により前記駆動伝達部材が前記バネ部材のバネ力に抗して押されることで、該駆動伝達部材を駆動伝達部材軸線方向第一回転体側に移動させて、前記駆動伝達部材と前記第二回転部材との連結を解除する。これによれば、上記実施形態について説明したように、省スペースで連結解除を行うことができ、駆動伝達装置の小型化を図ることができる。
(態様H)
(態様G)において、前記駆動連結部材の軸線方向第一回転体側端部の周面の半径が、前記駆動伝達部材の軸線方向第二回転体側端部の周面の半径よりも大きい。これによれば、上記実施形態について説明したように、駆動伝達装置の組み立て性を向上させることができる。
(態様I)
(態様G)または(態様H)において、前記駆動伝達部材の軸線方向両端部の周面が球形状である。これによれば、上記実施形態について説明したように、回転ムラを抑制することができる。
(態様J)
(態様G)乃至(態様I)のいずれかにおいて、前記連結解除部材の前記孔部における内側面が、前記駆動連結部材の円錐台部の周面の傾斜と同等または略同等の傾斜を有する。これによれば、上記実施形態について説明したように、連結解除時の操作性を向上させることができる。
(態様K)
(態様G)乃至(態様J)のいずれかにおいて、前記駆動連結部材は肉抜きを行っている。これによれば、上記実施形態について説明したように、駆動連結部材の成形性を向上させることが可能となるとともに、低コスト化を図ることができる。
(態様L)
(態様G)乃至(態様K)のいずれかにおいて、前記駆動連結部材の材質が炭素繊維もしくはガラス繊維によって強化された高剛性樹脂である。これによれば、上記実施形態について説明したように、駆動連結部材のねじれ剛性強化により回転ムラを抑制することができる。
(態様M)
(態様G)乃至(態様L)のいずれかにおいて、前記円錐台部の周面の軸線方向と直交する方向に対する傾斜角度が、45度以下である。これによれば、上記実施形態について説明したように、駆動連結部材と連結解除部材との摺動に要する力が少なくなり、耐久性を向上させることが可能となる。
(態様N)
(態様A)において、前記複数の係合部のうち、前記駆動連結部材の回転方向によって駆動伝達を行う前記係合部が異なる。これによれば、上記実施形態について説明したように、駆動連結部材の高耐久化や低コスト化や部品精度向上を図ることができる。
(態様O)
(態様N)において、前記駆動連結部材は、軸線方向両端部の周面にそれぞれ前記係合部を四つ有しており、前記駆動連結部材の一方向へは四つの前記係合部で駆動伝達を行い、逆方向には二つの前記係合部で駆動伝達を行う。これによれば、上記実施形態について説明したように、回転精度向上や耐久強度向上を図ることができる。
(態様P)
(態様N)または(態様O)において、前記駆動連結部材の両回転方向の駆動伝達に用いられる前記係合部の外側形状が、互いに平行な一対の平面部と一対の円弧面部とからなる断面角丸長方形状である。これによれば、上記実施形態について説明したように、前記係合部が円形状の場合に比べて耐久性を向上させることができる。
(態様Q)
(態様A)において、前記第二回転体は前記駆動連結部材と係合する部分に軸線方向に対して傾斜したフランジ傾斜面41dなどの第一傾斜面を有し、前記駆動連結部材は前記第二回転体と係合する部分に軸線方向に対して傾斜したジョイント傾斜面95などの第二傾斜面を有しており、前記駆動連結部材が軸線方向に移動して前記第二回転体と連結するときに、前記第一傾斜面と前記第二傾斜面とが接触し該第一傾斜面で該第二傾斜面が案内されて前記駆動連結部材が移動可能である。これによれば、上記実施形態について説明したように、前記駆動伝達部材と前記第二回転体との連結における軸ずれや位相ずれに対するロバスト性を向上させることが可能となる。
(態様R)
(態様Q)において、前記第一傾斜面の軸線方向の高さをh1とし、前記第一傾斜面の傾斜角度をθ1とし、前記第二傾斜面の軸線方向の高さをh2とし、前記第二傾斜面の傾斜角度をθ2としたときに、h1<h2、且つ、θ1>θ2の関係を満たす。これによれば、上記実施形態について説明したように、前記駆動伝達部材と前記第二回転体との連結における軸ずれや位相ずれに対するロバスト性を向上させることができる。
(態様S)
(態様Q)または(態様R)において、前記第一傾斜面の軸線方向と直交する方向の長さをl1とし、前記駆動連結部材の前記係合部の軸線方向と直交する方向の長さをl2としたとき、l1<l2の関係を満たす。これによれば、上記実施形態について説明したように、前記駆動連結部材の前記係合部と前記第二回転体の前記第一傾斜面とが接触するのが抑えられ、前記駆動連結部材と前記第二回転体との連結のロバスト性が向上する。
(態様T)
(態様Q)、(態様R)または(態様S)において、前記第二回転体に、前記第二傾斜面と接触する前記第一傾斜面を3箇所以上設けた。これによれば、上記実施形態について説明したように、どの方向に軸ずれが生じても、前記駆動連結部材を連結する方向に力を与えることができ、前記駆動連結部材と前記第二回転体との連結のロバスト性が向上する。
(態様U)
回転体と、該回転体に駆動源からの駆動力を伝達する駆動伝達手段とを備えた画像形成装置において、前記駆動伝達手段として、(態様A)乃至(態様T)のいずれか一記載の駆動伝達装置を用いた。これによれば、上記実施形態について説明したように、回転体の回転ムラを抑えて、良好な画像形成を行うことができる。
(態様V)
(態様U)において、前記第二回転体は、感光体ドラムの回転軸方向一端側に設けられた感光体ドラムフランジである。これによれば、上記実施形態について説明したように、感光体ドラムの回転ムラを抑えて、画像にバンディングや濃度ムラが生じるのを抑制することが可能となる。
(態様W)
(態様G)乃至(態様M)のいずれか一記載の駆動伝達装置を備えた(態様U)または(態様V)に記載の画像形成装置において、画像形成装置本体に対して開閉可能であり前記駆動伝達装置を覆うカバー部材を有しており、前記連結解除部材の連結解除を行う方向への移動を、前記カバー部材の開閉動作によって行うように構成した。これによれば、上記実施形態について説明したように、駆動伝達装置から駆動が伝達されるユニットの交換の作業性を向上させることができる。
1 本体
10 中間転写ベルト
12 二次転写ローラ
13 支持ローラ
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 二次転写対向ローラ
17 クリーニング装置
18 トナー像形成ユニット
20 タンデム画像形成装置
21 露光装置
22 二次転写装置
23 支持ローラ
24 搬送ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 用紙反転装置
30 駆動モータ
40 感光体ドラム
41 感光体ドラムフランジ
41a 被係合部
41b 溝部
41c 突き当て部
41d フランジ傾斜面
43 ペーパーバンク
44 給紙カセット
45 分離ローラ
46 給紙路
47 搬送ローラ
48 給紙路
49 レジストローラ
50 給紙ローラ
51 手差しトレイ
53 手差し給紙路
56 排出ローラ
57 排紙トレイ
58 給紙ローラ
60 帯電装置
61 現像装置
62 一次転写ローラ
63 支持ローラ
70 駆動伝達装置
71 第一ブラケット
71a 支軸
71b 支軸
72 第二ブラケット
73 圧縮コイルバネ
74 ホルダ
74a 挿入孔
81 第一ギヤ
82 第二ギヤ
82a 被係合部
82b 溝部
82c 側面
90 ジョイント
91 先端係合部
91a 周面
91b 先端爪部
91c 先端面
91d 挿入用テーパー部
92 後端係合部
92a 周面
92b 後端爪部
93 円錐台部
93a 周面
94 二段円筒部
95 ジョイント傾斜面
100 カップリング解除部材
101 孔部
101a 内側面
200 給紙テーブル
特開2014−231904号公報

Claims (23)

  1. 駆動源と駆動連結している第一回転体と、
    駆動源からの駆動力が伝達される第二回転体と、
    前記第一回転体と前記第二回転体とを駆動連結し、且つ、前記第一回転体及び前記第二回転体に軸線方向両端部がそれぞれ係合する駆動連結部材と、
    前記駆動連結部材を前記第一回転体側から前記第二回転体側に向かって押圧するバネ部材とを備え、
    前記駆動連結部材の軸線方向両端部の周面に複数の係合部をそれぞれ有し、
    前記第一回転体及び前記第二回転体に、前記駆動連結部材の前記複数の係合部がそれぞれ軸線方向で進退可能な複数の溝部を有しており、
    前記駆動連結部材の軸線方向第二回転体側端面が球面形状であることを特徴とする駆動伝達装置。
  2. 請求項1に記載の駆動伝達装置において、
    前記駆動連結部材の軸線方向第二回転体側端面の球面形状は、前記駆動伝達部材の軸線方向第二回転体側端部の周面の半径よりも大きな半径を有することを特徴とする駆動伝達装置。
  3. 請求項1または2に記載の駆動伝達装置において、
    前記駆動連結部材の軸線方向第一回転体側端部の周面の半径が、前記駆動伝達部材の軸線方向第二回転体側端部の周面の半径よりも大きくなるような、周面が軸線方向に対して傾斜した円錐台部を、前記駆動連結部材の軸線方向両端部の間に設けたことを特徴とする駆動伝達装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一記載の駆動伝達装置において、
    前記複数の係合部の半径が1つだけ異なることを特徴とする駆動伝達装置。
  5. 請求項1乃至3のいずれか一記載の駆動伝達装置において、
    前記複数の係合部の高さが1つだけ異なることを特徴とする駆動伝達装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一記載の駆動伝達装置において、
    前記駆動連結部材の軸線方向第二回転体側端面が突き当たる、前記第二回転体に設けられた突き当て部が球面形状であることを特徴とする駆動伝達装置。
  7. 請求項1または3に記載の駆動伝達装置において、
    前記駆動伝達部材が挿入される長手方向に長尺な孔部を有し、前記駆動伝達部材と前記第二回転部材との連結を解除する連結解除部材を備えており、
    前記連結解除部材を移動させることで、該連結解除部材の前記孔部の縁と前記駆動伝達部材の周面とが接触し、該連結解除部材により前記駆動伝達部材が前記バネ部材のバネ力に抗して押されることで、該駆動伝達部材を駆動伝達部材軸線方向第一回転体側に移動させて、前記駆動伝達部材と前記第二回転部材との連結を解除することを特徴とする駆動伝達装置。
  8. 請求項7に記載の駆動伝達装置において、
    前記駆動連結部材の軸線方向第一回転体側端部の周面の半径が、前記駆動伝達部材の軸線方向第二回転体側端部の周面の半径よりも大きいことを特徴とする駆動伝達装置。
  9. 請求項7または8に記載の駆動伝達装置において、
    前記駆動伝達部材の軸線方向両端部の周面が球形状であることを特徴とする駆動伝達装置。
  10. 請求項7乃至9のいずれか一記載の駆動伝達装置において、
    前記連結解除部材の前記孔部における内側面が、前記駆動連結部材の円錐台部の周面の傾斜と同等または略同等の傾斜を有することを特徴とする駆動伝達装置。
  11. 請求項7乃至10のいずれか一記載の駆動伝達装置において、
    前記駆動連結部材は肉抜きを行っていることを特徴とする駆動伝達装置。
  12. 請求項7乃至11のいずれか一記載の駆動伝達装置において、
    前記駆動連結部材の材質が炭素繊維もしくはガラス繊維によって強化された高剛性樹脂であることを特徴とする駆動伝達装置。
  13. 請求項7乃至12のいずれか一記載の駆動伝達装置において、
    前記円錐台部の周面の軸線方向と直交する方向に対する傾斜角度が、45度以下であることを特徴とする駆動伝達装置。
  14. 請求項1に記載の駆動伝達装置において、
    前記複数の係合部のうち、前記駆動連結部材の回転方向によって駆動伝達を行う前記係合部が異なることを特徴とする駆動伝達装置。
  15. 請求項14に記載の駆動伝達装置において、
    前記駆動連結部材は、軸線方向両端部の周面にそれぞれ前記係合部を四つ有しており、前記駆動連結部材の一方向へは四つの前記係合部で駆動伝達を行い、逆方向には二つの前記係合部で駆動伝達を行うことを特徴とする駆動伝達装置。
  16. 請求項14または15に記載の駆動伝達装置において、
    前記駆動連結部材の両回転方向の駆動伝達に用いられる前記係合部の外側形状が、互いに平行な一対の平面部と一対の円弧面部とからなる断面角丸長方形状であることを特徴とする駆動伝達装置。
  17. 請求項1に記載の駆動伝達装置において、
    前記第二回転体は前記駆動連結部材と係合する部分に軸線方向に対して傾斜した第一傾斜面を有し、
    前記駆動連結部材は前記第二回転体と係合する部分に軸線方向に対して傾斜した第二傾斜面を有しており、
    前記駆動連結部材が軸線方向に移動して前記第二回転体と連結するときに、前記第一傾斜面と前記第二傾斜面とが接触し該第一傾斜面で該第二傾斜面が案内されて前記駆動連結部材が移動可能であることを特徴とする駆動伝達装置。
  18. 請求項17に記載の駆動伝達装置において、
    前記第一傾斜面の軸線方向の高さをh1とし、前記第一傾斜面の傾斜角度をθ1とし、前記第二傾斜面の軸線方向の高さをh2とし、前記第二傾斜面の傾斜角度をθ2としたときに、h1<h2、且つ、θ1>θ2の関係を満たすことを特徴とする駆動伝達装置。
  19. 請求項17または18に記載の駆動伝達装置において、
    前記第一傾斜面の軸線方向と直交する方向の長さをl1とし、前記駆動連結部材の前記係合部の軸線方向と直交する方向の長さをl2としたとき、l1<l2の関係を満たすことを特徴とする駆動伝達装置。
  20. 請求項17、18または19に記載の駆動伝達装置において、
    前記第二回転体に、前記第二傾斜面と接触する前記第一傾斜面を3箇所以上設けたことを特徴とする駆動伝達装置。
  21. 回転体と、該回転体に駆動源からの駆動力を伝達する駆動伝達手段とを備えた画像形成装置において、
    前記駆動伝達手段として、請求項1乃至20のいずれか一記載の駆動伝達装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  22. 請求項21に記載の画像形成装置において、
    前記第二回転体は、感光体ドラムの回転軸方向一端側に設けられた感光体ドラムフランジであることを特徴とする画像形成装置。
  23. 請求項7乃至13のいずれか一記載の駆動伝達装置を備えた請求項21または22に記載の画像形成装置において、
    画像形成装置本体に対して開閉可能であり前記駆動伝達装置を覆うカバー部材を有しており、
    前記連結解除部材の連結解除を行う方向への移動を、前記カバー部材の開閉動作によって行うように構成したことを特徴とする画像形成装置。
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