JP2017048435A - 複合メッキ膜およびその製造方法、および磁気デバイス、パワーモジュール - Google Patents

複合メッキ膜およびその製造方法、および磁気デバイス、パワーモジュール Download PDF

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Abstract

【課題】直流磁化特性および交流磁化特性に優れ、安価で製造の容易な複合メッキ膜およびその製造方法を提供する。【解決手段】複合メッキ膜16の製造方法は、Ni、Fe、若しくはCoの1つの元素を有するメッキ液26を形成する工程と、メッキ液中にカソード30Kとアノード28Aとを浸漬させる工程と、メッキ液をメッキ膜成膜温度に保持する工程と、カソードとアノードとの間に複数の電解条件を発生させて、上記の元素を含む複合メッキ膜をカソード電極表面に析出させる複合メッキ膜形成工程とを有し、複数の電解条件の内、少なくとも1つの電解条件におけるカソードの電極電位が、水の分解電位よりも高く、上記の元素を水酸化させる工程を含む。複合メッキ膜16は、Ni、Fe、若しくはCoの1つの軟磁性体(34)と、軟磁性体の酸化物または水酸化物を少なくとも一部に有する粒界部(36)とを備える。【選択図】図2

Description

本実施の形態は、複合メッキ膜およびその製造方法、および磁気デバイス、パワーモジュールに関する。
高い比透磁率を持ったニッケル(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、フェライトなどの磁性材は、チョークコイルや絶縁トランス、非接触電流センサなど、様々な回路素子に用いるコア材として、幅広く適用されている。
その中でも集積回路(IC:Integrated Circuits)に内蔵させることを前提とした平滑用パワーインダクタや、パワーモジュールに内蔵させる非接触電流センサには、小型で、高い飽和磁束密度、かつ比透磁率の良好な周波数依存性が求められる。
一方、メッキを用いて磁性材を析出させる手法が存在し、NiFeなどの軟磁性体を微細なパターンで高速に形成することが可能である。
しかし、NiFeなどの軟磁性体は、純粋な金属であるため電気抵抗率が低く、渦電流の発生に起因する磁気損失や、磁場相殺によって高周波電流に対する比透磁率が低下する点で、高周波特性が悪いという欠点がある。
このような問題に対し、直流磁化特性に優れ、かつ交流磁化特性にも優れた非晶質軟磁性積層膜を、メッキを使って形成する方法が提案されている。しかしながら、製造上、複数のメッキ液を用意しなければならず、それらの間で被析出体を交互に行き来させる手間がある。
酸化物層と磁性金属層を有する複合メッキ膜による高抵抗軟磁性膜を形成する方法も提案されている。しかしながら、製造上、酸化物の原料として比較的高価なレアメタルをメッキ液中に添加する必要があった。
一方、炭化ケイ素(SiC:Silicon Carbide)は多くの機関で研究開発され、すでに複数の企業からパワーデバイス製品として世に供給されている。ワイドバンドギャップ半導体であるSiCを用いて作られたパワーデバイスの特長として、従来のSiパワーデバイスよりも優れた低オン抵抗、高速スイッチングおよび高温動作などを挙げることができる。
このようなSiCパワーデバイスを搭載したパワーモジュールに内蔵させる非接触電流センサには、小型で、大電流に対応し、かつ良好な周波数特性が求められる。
特開平06−132128号公報 特開平11−150020号公報 特開2015−125020号公報
本実施の形態は、直流磁化特性と交流磁化特性の両方に優れ、かつ安価で製造の容易な複合メッキ膜およびその製造方法、およびこの複合メッキ膜を適用した磁気デバイス、およびこの磁気デバイスを搭載したパワーモジュールを提供する。
本実施の形態の一態様によれば、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、若しくはコバルト(Co)の内の少なくとも1つの軟磁性体と、前記軟磁性体の酸化物または水酸化物を少なくとも一部に有する粒界部とを有する軟磁性層を備える複合メッキ膜が提供される。
本実施の形態の他の態様によれば、Ni、Fe、若しくはCoの内の少なくとも1つの軟磁性体と、前記軟磁性体の酸化物または水酸化物を少なくとも一部に有する粒界部とを有する軟磁性層を備える複合メッキ膜と、前記複合メッキ膜の表面に形成された凹部と、前記凹部の表面を覆うように形成された絶縁層と、前記凹部に埋め込まれた金属パターンとを備える磁気デバイスが提供される。
本実施の形態の他の態様によれば、金属配線と、前記金属配線の周囲を覆うように形成された絶縁層と、前記絶縁層の周囲に形成されたシード層と、Ni、Fe、若しくはCoの内の少なくとも1つの軟磁性体と、前記軟磁性体の酸化物または水酸化物を少なくとも一部に有する粒界部とを有する軟磁性層を備え、前記シード層上に形成された複合メッキ膜とを備える磁気デバイスが提供される。
本実施の形態の他の態様によれば、上記の磁気デバイスを内蔵し、前記磁気デバイスは、電流を検知可能であるパワーモジュールが提供される。
本実施の形態の他の態様によれば、主基板と、前記主基板上に配置され、正側電力端子に接続された第1電極パターンと、前記主基板上に配置され、負側電力端子に接続された第2電極パターンと、前記主基板上に配置され、出力端子に接続された第3電極パターンと、前記第1電極パターン上に第1ドレインが配置された第1パワートランジスタと、前記第3電極パターン上に第2ドレインが配置された第2パワートランジスタと、前記主基板上に配置された磁気デバイス部とを備え、前記磁気デバイス部は、上記の複合メッキ膜を備え、前記第1電極パターン、前記第2電極パターン若しくは前記第3電極パターンのいずれかに導通する電流によって発生する磁束を、前記磁気デバイス部の電極と接続された電流センスパッド電極の間の導通電流によって検出可能であるパワーモジュールが提供される。
本実施の形態の他の態様によれば、Ni、Fe、若しくはCoの内の少なくとも1つの元素を有するメッキ液を形成する工程と、前記メッキ液中にカソードとなる被析出体とアノードとを浸漬させる工程と、前記メッキ液をメッキ膜成膜温度に保持する工程と、前記被析出体と前記アノード電極との間に複数の電解条件を発生させて前記元素を含む複合メッキ膜を前記被析出体に析出させる複合メッキ膜形成工程とを有し、前記複合メッキ膜形成工程において、前記複数の電解条件のうち、少なくとも1つの電解条件における前記カソードの電極電位が水の分解電位よりも高く、前記元素を水酸化させる工程を有する複合メッキ膜の製造方法が提供される。
本実施の形態によれば、直流磁化特性と交流磁化特性の両方に優れ、かつ安価で製造の容易な複合メッキ膜およびその製造方法、およびこの複合メッキ膜を適用した磁気デバイス、およびこの磁気デバイスを搭載したパワーモジュールを提供することができる。
実施の形態に係る複合メッキ膜の模式的断面構造図。 実施の形態に係る複合メッキ膜の製造方法を説明する模式的構成図。 実施の形態に係る複合メッキ膜の製造方法において適用される電流波形の模式図。 実施の形態に係る複合メッキ膜の製造方法において適用されるメッキ液の組成および浴温、電流密度、印加時間等の成膜条件(条件1、条件2、条件3)を示す説明図。 実施の形態に係る複合メッキ膜の別の模式的断面構造図。 実施の形態に係る複合メッキ膜の断面SEM写真例。 実施の形態に係る複合メッキ膜の交流磁化特性例。 実施の形態に係る複合メッキ膜の直流磁化特性例。 実施の形態に係る複合メッキ膜を適用した磁気デバイスとして、巻線コイル構造を備えるインダクタンス素子の模式的鳥瞰構造図。 実施の形態に係る複合メッキ膜を適用した磁気デバイスとして、インダクタンス素子(図9)の製造方法であって、(a)一工程を示す模式的断面構造図(その1)、(b)一工程を示す模式的断面構造図(その2)、(c)一工程を示す模式的断面構造図(その3)。 実施の形態に係る複合メッキ膜を適用した磁気デバイスとして、インダクタンス素子(図9)の製造方法であって、(a)一工程を示す模式的断面構造図(その4)、(b)一工程を示す模式的断面構造図(その5)、(c)一工程を示す模式的断面構造図(その6)。 実施の形態に係る複合メッキ膜を適用した磁気デバイスとして、インダクタンス素子(図9)の製造方法であって、(a)一工程を示す模式的断面構造図(その7)、(b)一工程を示す模式的断面構造図(その8)。 実施の形態に係る複合メッキ膜を適用した磁気デバイスとして、インダクタンス素子(図9)の製造方法であって、最終工程を示す模式的断面構造図(その9)。 (a)実施の形態に係る複合メッキ膜を適用した磁気デバイスとして、トランスの模式的鳥瞰構造図、(b)図14(a)に示すトランスの等価回路構成図。 実施の形態に係る複合メッキ膜を適用した磁気デバイスとして、図14(a)に示されたトランスの隣接部分の模式的断面構造図。 実施の形態に係る複合メッキ膜を適用した磁気デバイスを搭載したパワーモジュールであって、ハーフブリッジ回路の模式的回路構成図。 実施の形態に係る複合メッキ膜を適用した磁気デバイスを搭載したパワーモジュールの模式的平面パターン構成図。 図17に示すパワーモジュールに搭載される磁気デバイスの模式的断面構造図。 実施の形態に係る複合メッキ膜を適用した磁気デバイスを搭載したパワーモジュールの別の模式的平面パターン構成図。 図19に示すパワーモジュールに搭載される磁気デバイスの模式的断面構造図。
次に、図面を参照して、実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施の形態は、技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
(複合メッキ膜の構造)
実施の形態に係る複合メッキ膜16Aは、図1に示すように、Ni、Fe、若しくはCoの内の少なくとも1つの軟磁性体34と、軟磁性体34の酸化物または水酸化物を少なくとも一部に有する粒界部36とを備える。
実施の形態に係る複合メッキ膜16Aは、Ni、Fe、若しくはCoの内の少なくとも1つの軟磁性体34を含むメッキ膜において、メッキ膜内部に軟磁性体34の酸化物または水酸化物を含有させている。結果として、実施の形態に係る複合メッキ膜16Aは、電気抵抗率を増加し、渦電流の発生を抑制できるため、比透磁率の高周波特性が改善可能である。
また、実施の形態に係る複合メッキ膜16Aは、軟磁性体34の酸化物または水酸化物を粒界部36に偏析させた構造を備えることで、最低限の絶縁体体積で、メッキ膜の電気抵抗率を増大可能であるため、飽和磁束密度BSを高く保ち、かつヒステリシスループの面積を小さく抑えることができる。
実施の形態に係る複合メッキ膜によれば、複数の高価な原料を使用した異種複合メッキ膜を組み合わせることなく、直流磁化特性と、交流磁化特性の両方に優れた複合メッキ膜を安価、容易に実現可能である。
軟磁性金属元素をMで表すと、酸化物は、例えば、MO、M23若しくはM34で表され、水酸化物は、例えば、MOH、M(OH)2若しくはM(OH)3で表される。Mは、遷移金属元素であり複数の価数を取り得る。また、酸化物は、メッキ形成工程で水酸化物を形成し、熱処理により、水酸化物が脱水して生成される。このため、酸化物と水酸化物の形成でメッキ条件が変わることはない。
実施の形態に係る複合メッキ膜16Aは、ホウ素(B)、リン(P)、硫黄(S)、炭素(C)、若しくは窒素(N)の内の少なくとも1つの非金属元素、若しくはこれらの組み合わせを更に備えていても良い。組み合わせ例としては、C+N+Sや、C+N+Pなど、C、Nと他の元素の組み合わせも可能である。
実施の形態に係る複合メッキ膜16Aにおいて、粒界部36には、B、P、S、C、若しくはNの内の少なくとも1つの非金属元素の少なくとも一部が偏析されていても良い。
B、P、S、C、若しくはNの内の少なくとも1つの非金属元素、若しくはこれらの組み合わせは、絶縁性を向上させるための添加物である。
軟磁性体34の内部若しくは粒界部36に、B、P、S、C、若しくはNといった異種元素を導入することで、複合メッキ膜16Aの電気抵抗率の更なる増大が可能であり、交流磁化特性を改善可能である。
実施の形態に係る複合メッキ膜16Aにおいて、B、P、S、C、若しくはNといった異種元素は、粒界部36に集中的に含まれていることで、最小限の絶縁体体積で複合メッキ膜16Aの電気抵抗率の増大が実現可能であり、直流磁化特性および交流磁化特性の両方に優れた軟磁性膜を形成可能である。
(製造装置の模式的構成と製造条件)
実施の形態に係る複合メッキ膜の製造方法を説明する模式的構成は、図2に示すように表される。また、実施の形態に係る複合メッキ膜の製造方法において適用される電流波形は、模式的に図3に示すように表される。
図3において、第1電流密度J1は相対的に低い電流密度であって、主として軟磁性体の形成を担う。一方、第2電流密度J2は相対的に高い電流密度であって、主として水酸化物の形成を担う。
ここで、電流の向きを図2に示すように、アノード28Aからカソード30Kへ向かう外部回路を導通する電流密度Jの向きとして定義すると、第1電流密度J1および第2電流密度J2は、いずれも図3に示すように、マイナス(−)の符号を付けて表される。
第1電流密度J1の印加時間パルス幅T1は、時刻t1と時刻t2間のパルス幅で表され、第2電流密度J2の印加時間パルス幅T2は、時刻t2と時刻t3間のパルス幅で表される。パルス周期は、(T1+T2)で表される。印加されるパルスの周波数は、例えば、約1Hz〜100Hz程度である。
例えば、一定の電流密度として第1電流密度J1が印加される場合には、直流メッキを実施することになるが、本実施の形態に係る複合メッキ膜の製造方法のように、第1電流密度J1と第2電流密度J2が交互にパルス状に印加される場合には、交流電解メッキを実施することになる。
―動作手順―
(A)軟磁性金属元素を含むメッキ液26中に電極(陽極となるアノード28A、陰極となるカソード30K)を浸漬し、アノード28A・カソード30K間に、パルス電源32を接続する。
(B)主として軟磁性体の形成を担う第1電流密度J1と、主として水酸化物の形成を担う第2電流密度J2を所望の値に設定し、かつ第1電流密度J1の印加時間パルス幅T1と、第2電流密度J2の印加時間パルス幅T2を所望の値に設定し、メッキ形成工程における電流を出力する。
(C)カソード30K表面において、本実施の形態に係る複合メッキ膜16が形成される。
メッキされる軟磁性体の原料元素は、各種水溶性塩として供給される。例えば、硫酸塩、塩化物塩、硝酸塩、リン酸塩、酢酸塩、スルファミン酸塩などを適用可能である。
メッキ液26は、軟磁性金属元素を含む水溶液であり、NiFe複合メッキ膜16の形成においては、塩化ニッケル(NiCl2)や硫酸ニッケル(NiSO4)、硫酸鉄(II)(硫酸第一鉄:FeSO4)などを含有している。メッキ液26には、複合メッキ膜16の膜質を向上させるために、ホウ酸、サッカリン、マロン酸などの助剤を添加しても良い。
また、実施の形態に係る複合メッキ膜の製造方法において、適用されるメッキ液の組成および浴温、電流密度、印加時間等の成膜条件(条件1、条件2、条件3)は、図4に示すように表される。
条件1(CON1)においては、図4に示すように、メッキ液26中に、硫酸ニッケル(NiSO4)=250g/L、塩化ニッケル(NiCl2)=40g/L、硫酸第一鉄(FeSO4)=80g/Lを投入している。浴温LT=30℃、第1電流密度J1=4A/dm2、第2電流密度J2=24A/dm2、第1電流密度J1の印加時間パルス幅T1=500msec、第2電流密度J2の印加時間パルス幅T2=50msecであり、メッキ液26のpH=2である。なお、チオ尿素(CH4 2S)は添加していない。
条件2(CON2)においては、図4に示すように、メッキ液26中に、NiSO4=250g/L、NiCl2=40g/L、FeSO4=480g/L、CH4 2S=0.05g/Lを投入している。浴温LT=30℃、第1電流密度J1=2A/dm2、第2電流密度J2=24A/dm2、第1電流密度J1の印加時間パルス幅T1=500msec、第2電流密度J2の印加時間パルス幅T2=500msecであり、メッキ液26のpH=2である。
条件3(CON3)においては、図4に示すように、メッキ液26中に、NiSO4=250g/L、NiCl2=40g/L、FeSO4=960g/L、CH4 2S=0.1g/Lを投入している。浴温LT=30℃、第1電流密度J1=1.2A/dm2、第2電流密度J2=24A/dm2、第1電流密度の印加時間パルス幅T1=500msec、第2電流密度の印加時間パルス幅T2=50msecであり、メッキ液26のpH=2である。
図3において、相対的に低い電流密度の第1電流密度J1における電解は、いわゆる通常の金属メッキにおける電解条件に対応している。このとき、メッキ液26中の金属イオンが、カソード30Kの表面上において還元されて、カソード30Kの表面上に軟磁性金属が析出し、複合メッキ膜16の軟磁性体34部分が形成される。ここで、金属析出に伴う化学反応式は、軟磁性金属元素をMで表すと、(1)式で表すことができる。

n++ne-→M(金属析出) (1)

図3において、相対的に高い電流密度の第2電流密度J2における電解時(第2電流密度J2の印加時間パルス幅T2に対応)は、上記の金属析出に加えて、水(H2O)の電気分解が起こっている。すなわち、水溶液系の電解液に浸漬したカソード電極に相対的に高い還元電位を印加すると、ある電位でH2Oの電気分解が始まる。ここで、H2Oの電気分解に伴う化学反応式は、(2)式で表すことができる。

2H2O+2e-→H2+2OH- (2)

ここで発生した水酸化物イオンOH-により、メッキ膜表面のpHが上昇し、Ni、Fe、若しくはCoの金属イオンが加水分解することで、メッキ膜表面近傍に金属水酸化物が生成する。その結果、これら金属水酸化物がメッキ膜中に共析することで、複合メッキ膜16が形成される。ここで、Ni、Fe、若しくはCoの金属イオンの加水分解により水酸化物が形成される化学反応式は、軟磁性金属元素をMで表すと、(3)式で表すことができる。

x++xOH-→M(OH)x (3)

この水酸化物の形成により、複合メッキ膜16の抵抗率が増大する。
一方、酸化物は、水酸化物と軟磁性金属を含む複合メッキ膜16を熱処理することで生成される。ここで、脱水反応の化学式は、例えば(4)式で表すことができる。

2M(OH)x→2MOx/2+xH2O (4)

絶縁性を向上させるための添加物であるB、P、S、C、若しくはNなどの非金属元素の原料となる各種化合物が、メッキ液26に添加されていても良い。ホウ素化合物としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウムやアルキルアミンボランなどを適用可能である。リン化合物としては、例えば、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸などを適用可能である。硫黄化合物としては、例えば、チオ尿素やチオ硫酸ナトリウムなどを適用可能である。炭素化合物としては、例えば、シュウ酸や各種有機化合物などを適用可能である。窒素化合物としては、例えば、硝酸塩や各種有機化合物などを適用可能である。
メッキ液26中に存在させる軟磁性金属イオンおよび非金属元素添加物の濃度は、約0.01mol/L〜約3mol/L程度であり、例えば、約1mol/Lである。メッキ液温度は、例えば、常温(約25℃)〜90℃程度である。
水酸化を主に担う電解条件においては、電流密度は、水の分解電位より高い電極電位が得られるように、十分に高く設定する必要がある。具体的には、例えば、図4のCON1−CON3に記載のメッキ液組成の場合、24A/dm2程度である。
軟磁性体形成を担う電解条件では、電流密度は、約0.1A/dm2〜100A/dm2程度であるが、メッキ液の組成など他の電解条件によって、適切な電流密度範囲は、変化し得る。
内部に水酸化物を含有する、強度の強い軟磁性体を形成するには、各電解条件の周期は、約10msec〜1000msec程度に設定するのが良く、例えば、約500msecである。
複合メッキ膜形成工程中は、メッキ液の撹拌を行っても良い。この撹拌手法は、空気バブリング、機械的な撹拌、その他当該技術分野において良く知られた技術を適用可能である。Fe2+イオンの酸化を防止するため、空気バブリングではなく機械的な撹拌技術を用いることが望ましい。
(複合メッキ膜の製造方法)
実施の形態に係る複合メッキ膜の製造方法においては、NiFe複合メッキ膜16を形成する際に、複数の電解条件を備えた交流電解を用い、NiFeのバルク膜を成長させる工程と、NiFeの水酸化物を巻き込みながらNiFe膜形成を行う工程を周期的に行うことで、NiFe水酸化化合物を粒界部36に偏析させた複合メッキ膜16を形成する。
実施の形態に係る複合メッキ膜の製造方法は、Ni、Fe、若しくはCoの内の少なくとも1つの元素を有するメッキ液26を形成する工程と、メッキ液26中にカソード30Kとなる被析出体とアノード28Aとを浸漬させる工程と、メッキ液26をメッキ膜成膜温度に保持する工程と、カソード30Kとアノード28Aとの間に複数の電解条件を発生させることで、Ni、Fe、若しくはCoの内の少なくとも1つの元素を含む複合メッキ膜16を被析出体に析出させる複合メッキ膜形成工程とを有する。
また、実施の形態に係る複合メッキ膜の製造方法は、複合メッキ膜形成工程において、複数の電解条件の内、少なくとも1つの電解条件におけるカソード30Kの電極電位が、水の分解電位よりも高く、Ni、Fe、若しくはCoの内の少なくとも1つの元素を水酸化させる工程を有していれば良い。
また、実施の形態に係る複合メッキ膜の製造方法において、メッキ液26は、B、P、S、C、若しくはNの内の少なくとも1つの非金属元素、若しくはこれらの組み合わせを有する添加物を含有していても良い。
メッキ液26は、B、P、S、C、若しくはNといった元素を含む添加物を入れておくことで、複合メッキ膜16中に非金属元素を導入し、さらに電気抵抗率を増大可能である。
すなわち、B、P、S、C、若しくはNといった非金属元素を添加することによって、軟磁性金属のバルク抵抗を増大させることと、粒界部における粒界絶縁に必要な絶縁性化合物の原料を供給することの2つの効果を発揮することができる。
(被析出体)
被析出体としては、例えば、銅(Cu)板、ステンレス板、チタン(Ti)板、白金(Pt)板、その他メッキ技術分野で適用可能な材料を用いることができる。Cu板、ステンレス板、Ti板、Pt板などは、導電性の基板である。但し、例えば、アルミニウム(Al)板、亜鉛(Zn)板などの酸性水溶液に溶解する電極は、使用することができない。一方、Cuなどの導電性のシード層を表面に形成していれば、シリコン(Si)基板やセラミックス基板上にも複合メッキ膜16を形成可能である。このため、Cuシード層で表面コーティングしたSi基板、セラミックス基板なども適用可能である。
また、実施の形態に係る複合メッキ膜の製造方法は、複合メッキ膜形成工程後、複合メッキ膜16を不活性ガス雰囲気中において、メッキ膜成膜温度以上再結晶温度未満でアニールする工程を更に有していても良い。メッキ膜成膜温度以上再結晶温度未満のアニール温度範囲とは、磁性材料の再結晶化を引き起こさずに添加物の拡散を促進させる温度範囲である。再結晶化された場合には、結晶粒径が大きくなり、透磁率μが低下し、保磁力HCが増大する。実験に用いたメッキ成膜温度は、例えば、約30℃であり、再結晶温度は、例えば、約380℃である。
ここで、不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴンなどを適用可能である。
アニール工程を実施することで、複合メッキ膜16中に導入した水酸化物、添加元素を粒界部36に偏析させ、直流磁化特性、交流磁化特性の両方を更に向上させることができる。
相対的低い電流密度と相対的に高い電流密度の電解条件が含まれていれば、図3に示すような2段パルスに限定されることなく、3段階のパルスでも4段階のパルスでも適用可能である。さらにいえば、パルス波形に限定されることもなく、例えば正弦波や三角波でも適用可能である。したがって、本実施の形態に係る複合メッキ膜の製造方法においては、カソードとアノードとの間に複数の電解条件を発生する複数段のパルス電流、あるいは相対的に低い電流密度と相対的に高い電流密度の電解条件を含む任意の電流波形を印加する工程を備えていても良い。
(水酸化物の形成)
元素の水酸化を主に担う電解条件と、軟磁性体形成を担う電解条件とを含む複数の電解条件を有する交流電解を用いることで、複数のメッキ液を用意せずに、複合メッキ膜内部への絶縁性化合物の導入を効率的に行うことができる。
水酸化を主に担う高電流密度での電解析出時には、水酸化物の形成と軟磁性体の析出が同時に起こる。メッキ液中のH2Oが電気分解され、カソード電極近傍の界面pHが上昇した状態でメッキ成長を行うことにより、OH基が複合メッキ膜内部に取り込まれる。
金属の水酸化物は一般的に脆く、実用上取扱いが困難である。軟磁性を有する金属とその水酸化物を適切な比率で複合化することにより、脆性が改善し、かつ良好な磁気特性を有する複合メッキ膜を形成することができる。
(多層化構造)
実施の形態に係る複合メッキ膜であって、別の模式的断面構造は、図5に示すように表される。
パルス時間の設定によっては、図5に示すように、軟磁性層371・372・…・37n-1・37nと高抵抗層351・352・…・35n-1・35nの多層化構造を備えていても良い。
実施の形態に係る複合メッキ膜16Bは、図5に示すように、Ni、Fe、若しくはCoの内の少なくとも1つの軟磁性体34と、軟磁性体34の酸化物または水酸化物を少なくとも一部に有する粒界部36とを備える複数の軟磁性層371・372・…・37n-1・37nと、軟磁性体34の酸化物または水酸化物を有する複数の高抵抗層351・352・…・35n-1・35nとの積層化構造を備える。
実施の形態に係る複合メッキ膜16Bは、軟磁性層371・372・…・37n-1・37n内部および高抵抗層351・352・…・35n-1・35nに軟磁性体34の酸化物または水酸化物を含有させることにより、メッキ膜の電気抵抗率を増大し、渦電流の発生を抑制し、比透磁率の高周波特性を改善させることができる。
また、実施の形態に係る複合メッキ膜16Bは、軟磁性体34の酸化物または水酸化物を粒界部36および高抵抗層351・352・…・35n-1・35nに偏析させた構造を備えることで、最低限の絶縁体体積で、複合メッキ膜16Bの電気抵抗率を増大可能であるため、飽和磁束密度BSを高く保ち、かつヒステリシスループの面積を小さく抑えることができる。
実施の形態に係る複合メッキ膜16Bによれば、直流磁化特性と、交流磁化特性の両方に優れた複合メッキ膜を安価、容易に実現可能である。
実施の形態に係る複合メッキ膜16Bは、B、P、S、C、若しくはNの内の少なくとも1つの非金属元素、若しくはこれらの組み合わせを更に備えていても良い。組み合わせ例としては、C+N+Sや、C+N+Pなど、C、Nと他の元素の組み合わせも可能である。
実施の形態に係る複合メッキ膜16Bにおいて、粒界部36および高抵抗層351・352・…・35n-1・35nには、B、P、S、C、若しくはNの内の少なくとも1つの非金属元素の少なくとも一部が偏析されていても良い。
軟磁性体34の内部若しくは粒界部36および高抵抗層351・352・…・35n-1・35nに、B、P、S、C、若しくはNといった異種元素を導入することで、複合メッキ膜16Bの電気抵抗率の更なる増大が可能であり、交流磁化特性を改善可能である。
実施の形態に係る複合メッキ膜16Bにおいて、B、P、S、C、若しくはNといった異種元素は、粒界部36および高抵抗層351・352・…・35n-1・35nに集中的に含まれていることで、最小限の絶縁体体積で複合メッキ膜16Bの電気抵抗率の増大が実現可能であり、直流磁化特性および交流磁化特性の両方に優れた軟磁性膜を形成可能である。
(断面SEM写真)
実施の形態に係る複合メッキ膜の断面SEM写真例は、図6に示すように表される。
実施の形態に係る複合メッキ膜は、図6に示すように、軟磁性体34と、軟磁性体34の酸化物または水酸化物を有する粒界部36とを備える。軟磁性体34は、Ni、Fe、若しくはCoを有し、粒界部(粒界面)36には、軟磁性体34の酸化物または水酸化物が偏析されていることが分析結果により確認されている。
(交流磁化特性)
実施の形態に係る複合メッキ膜の交流磁化特性例(比透磁率μrの周波数特性例)は、図7に示すように表される。
図7において、条件1、条件2、条件3は、それぞれ図4におけるCON1、CON2、CON3に対応する。
一方、図7において、NiFe単膜(比較例)の形成条件は、以下の通りである。
電解条件は、直流電解を使用し、膜厚は、約1.5μmである。メッキ液の条件は、NiSO4=250g/L、NiCl2=40g/L、FeSO4=80g/L、浴温LT=約50℃、直流電流密度=約4A/dm2、pH=約2である。
図7に示すように、実施の形態に係る複合メッキ膜では、条件1、条件2、条件3の形成条件で作成されたいずれの複合メッキ膜においても、NiFe単膜(比較例)に比べて、周波数fの上昇に対する比透磁率μrの低下率が小さく、周波数特性が改善されている。
(直流磁化特性)
実施の形態に係る複合メッキ膜の直流磁化特性例は、図8に示すように表される。
図8において、条件1、条件2、条件3は、それぞれ図4におけるCON1、CON2、CON3に対応する。
一方、図8おいて、NiFe単膜(比較例)の形成条件は、上記と同様である。
図8に示すように、実施の形態に係る複合メッキ膜では、条件1、条件2、条件3の形成条件で作成されたいずれの複合メッキ膜においても、NiFe単膜(比較例)と同様に、磁束密度−磁場関係グラフにおいて、飽和磁束密度BSが高く、ヒステリシスループの面積が狭く、良好なヒステリシス特性を示す。
(磁気デバイス)
―巻線コイル構造のインダクタンス素子―
実施の形態に係る複合メッキ膜16を適用した磁気デバイス52として、巻線コイル構造のインダクタンス素子の模式的鳥瞰構造は、図9に示すように表される。
また、実施の形態に係る複合メッキ膜16を適用した磁気デバイス52として、巻線コイル構造のインダクタンス素子の模式的断面構造は、図13に示すように表される。
実施の形態に係る複合メッキ膜16を適用した磁気デバイス52は、図9および図13に示すように、Ni、Fe、若しくはCoの内の少なくとも1つの軟磁性体(34)と、軟磁性体(34)の酸化物または水酸化物を少なくとも一部に有する粒界部(36)とを有する軟磁性層(37)を備える複合メッキ膜16と、複合メッキ膜16の表面に形成された凹部と、凹部の表面を覆うように形成された絶縁層18と、凹部に埋め込まれた金属パターン22とを備える。
絶縁層18は、例えば、SiO2やSiNにより形成される。
金属パターン22は、例えば、銅(Cu)により形成可能である。
実施の形態に係る複合メッキ膜16を適用した磁気デバイス52は、複合メッキ膜16の表面に凹部を設けて金属パターン22を形成することにより、金属パターン22に電流を流す磁気特性に優れた磁気デバイスを実現可能である。
実施の形態に係る複合メッキ膜16を適用した磁気デバイス52は、上記の複合メッキ膜の形成工程を有するため、スパッタリング技術などの真空成膜法と比較して、安価かつ高速に成膜可能である。例えば、スパッタリングによる成膜速度は、約0.001μm/min〜0.01μm/min程度であるが、実施の形態に係る複合メッキ膜16のメッキ技術による成膜速度は、約0.1μm/min〜1μm/min程度であり、スパッタリング手法と比べて相対的に高速である。
実施の形態に係る複合メッキ膜16を適用した磁気デバイス52は、良好な磁気特性を保持すると共に、微細パターンで小型形成可能であるため、小型化が進むパワーモジュールに内蔵させる非接触型の電流センサとして適用可能である。
―巻線コイル構造のインダクタンス素子の製造方法―
実施の形態に係る複合メッキ膜16を適用した磁気デバイスとして、巻線コイル構造のインダクタンス素子の製造方法を図10〜図13を参照して説明する。
(a)まず、図10(a)に示すように、セラミックス基板10を準備し、セラミックス基板10上にメッキ形成のためのシード層12を形成する。ここで、シード層12としては、Cuシード層を適用可能である。Cuシード層12の形成方法としては、例えば、スパッタリング技術若しくは無電解メッキ技術を用いることができる。Cuシード層12の厚さは、例えば、約300nmである。
(b)次に、図10(b)に示すように、シード層12上にレジスト層14を形成し、フォトリソグラフィー工程によって、パターニングする。
(c)次に、図10(c)に示すように、本実施の形態に係る複合メッキ膜の製造方法を用いて、パルス電解メッキで複合メッキ膜16を形成する。複合メッキ膜16の厚さは、例えば、約50μm〜100μm程度である。
(d)次に、図11(a)に示すように、レジスト層14を除去する。その後、複合メッキ膜16中に導入した水酸化物、添加元素を粒界部に偏析させるため、アニール処理を実行しても良い。アニール工程を実施することで、複合メッキ膜中に導入した水酸化物、添加元素を粒界部に偏析させ、直流磁化特性、交流磁化特性の両方を更に向上させることができる。アニール温度は、非金属元素が拡散し、かつ金属粒子の粗大化が起こらない温度範囲で実施する。これによって、電気抵抗率の増大、直流磁化特性、交流磁化特性の両方を向上させることができる。アニール処理温度としては、例えば、約25℃〜約400℃の範囲である。
(e)次に、図11(b)に示すように、ウェットエッチング技術を用いて、シード層12を除去する。アニール工程は、ここで実施しても良い。
(f)次に、図11(c)に示すように、デバイス表面全面に絶縁層18を形成する。
ここで、絶縁層18としては、SiO2を適用可能である。形成技術としては、例えば化学的気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)法を用いることができる。絶縁層18は、複合メッキ膜16の上面および側面、シード層12の側面、およびセラミックス基板10上に堆積されている。
(g)次に、図12(a)に示すように、デバイス表面全面にメッキ形成のためのシード層20を形成する。ここで、シード層20としては、Cuシード層を適用可能である。Cuシード層20の形成においては、例えば、スパッタリング技術を用い、絶縁層18の表面に形成である。
(h)次に、図12(b)に示すように、デバイス表面全面のシード層20上に、メッキ形成技術を用いてCuメッキ層22を形成する。ここで、Cuメッキ層22は、シード層20に対して凹部を埋め込むようにデバイス表面全面に形成される。
(i)次に、図13に示すように、化学的機械的研磨技術を用いて、デバイス表面を平坦化し、隣り合うCuメッキ層22を絶縁分離し、インダクタンス素子の配線層を形成すると共に、表面保護のためのパッシベーション層24をデバイス表面全面に形成する。パッシベーション層24としては、例えば、CVD酸化膜若しくは窒化膜などを適用可能である。
―トランス―
実施の形態に係る複合メッキ膜を適用した磁気デバイス54として、トランスの模式的鳥瞰構造は、図14(a)に示すように表され、図14(a)に示すトランスの等価回路構成は、図14(b)に示すように表される。
また、実施の形態に係る複合メッキ膜を適用した磁気デバイス54として、図14(a)に示されたトランスの隣接部分の模式的断面構造は、図15に示すように表される。
実施の形態に係る複合メッキ膜を適用した磁気デバイス54は、図14および図15に示すように、金属配線122A・122Bと、金属配線122A・122Bの周囲を覆うように形成された絶縁層118A・118Bと、絶縁層118A・118Bの周囲に形成されたシード層121A・121Bと、Ni、Fe、若しくはCoの内の少なくとも1つの軟磁性体(34)と、軟磁性体(34)の酸化物または水酸化物を少なくとも一部に有する粒界部(36)とを有する軟磁性層(37)を備え、シード層121A・121B上に形成された複合メッキ膜116とを備える。
実施の形態に係る複合メッキ膜を適用した磁気デバイス54は、図14(b)に示すようなトランスの等価回路構成を有する。トランスの1次側巻線は、122A−122Aからなる巻線で表され、1次側インダクタンスを構成する。トランスの2次側巻線は、122B−122Bからなる巻線で表され、2次側インダクタンスを構成する。
金属配線122A・122Bの周囲に上記の複合メッキ膜116を形成することにより、トランスなどの立体的で複雑な配線構造を備える磁気デバイス54を提供可能である。
―トランスの製造方法―
(a)まず、図15に示すように、磁性材被覆対象の金属配線122A・122Bの表面に、絶縁層118A・118Bを形成する。絶縁層118A・118Bには、例えば、ポリウレタンが適用可能である。金属配線122A・122Bには、例えば、Cuが適用可能である。
(b)次に、図15に示すように、絶縁層118A・118Bの表面にシード層121A・121Bを形成する。シード層121A・121Bは、Cuで形成可能である。シード層121A・121Bの形成方法としては、スパッタリング技術若しくは無電解メッキ技術を用いることができる。
(c)次に、図15に示すように、シード層121A・121Bの表面に本実施の形態に係る複合メッキ膜の製造方法を用いて、パルス電解メッキで複合メッキ膜116を形成する。このとき、図15に示すように、複合メッキ膜116は、隣接する配線の周囲で一体化されるように形成する。
(d)次に、図15に示すように、表面保護のためのパッシベーション層124を複合メッキ膜116の表面全面に形成する。パッシベーション層124としては、例えば、CVD酸化膜若しくは窒化膜などを適用可能である。
(パワーモジュール)
―ハーフブリッジ回路構成―
実施の形態に係る複合メッキ膜を適用した磁気デバイスを搭載したパワーモジュールであって、ハーフブリッジ回路の模式的回路構成は、図16に示すように表される。
図16に示すように、ハーフブリッジ回路において、SiC−MOSFET Q1のソースS1は、SiC−MOSFET Q4のドレインD4に電気的に接続されている。SiC−MOSFET Q1・Q4のゲートG1・G4、ソースセンスSS1・SS4は、外部取り出しのゲート端子GT1・GT4、ソースセンス端子SST1・SST4に接続されている。SiC−MOSFET Q1のドレインD1は、正側電力端子Pに接続され、SiC−MOSFET Q4のソースS4は、負側電力端子Nに接続されている。また、SiC−MOSFET Q1のソースS1およびSiC−MOSFET Q4のドレインD4は、出力端子Oに接続されている。また、SiC−MOSFET Q4のソースS4と負側電力端子Nとの間には、磁気デバイス部50が接続され、磁気デバイス部50には、電流センス端子CS1・CS2が接続されている。図示は省略するが、正側電力端子P・負側電力端子N間には、電源が外部接続される。
実施の形態に係る複合メッキ膜を適用した磁気デバイスは、良好な磁気特性を保持すると共に、微細パターンで小型形成可能であるため、小型化が進むパワーモジュールに内蔵させる非接触型の電流センサとして適用可能である。
前記磁気デバイスを内部に有し、電流を検知する機能を備えるパワーモジュールの例を図17および図19に示す。
―パワーモジュールの内部構造例1―
実施の形態に係る複合メッキ膜を適用した磁気デバイスを搭載したパワーモジュールの模式的平面パターン構成は、図17に示すように表される。
また、図17に示すパワーモジュールに搭載される磁気デバイスの模式的断面構造は、図18に示すように表される。
実施の形態に係る複合メッキ膜を適用した磁気デバイス部50を搭載したパワーモジュール200は、図17に示すように、主基板10と、主基板10上に配置されたパワートランジスタQ1・Q4と、主基板10上に配置された磁気デバイス部50とを備え、磁気デバイス部50は、パワートランジスタQ4を導通する電流を検知可能である。
パワートランジスタQ1・Q4は、SiC−MOSFET、SiC−IGBT、GaN−FET、Si−IGBT、Si−MOSFETのいずれかの半導体チップを備えていても良い。
更に詳細には、実施の形態に係る複合メッキ膜を適用した磁気デバイス部50を搭載したパワーモジュール200は、図17に示すように、主基板10と、主基板10上に配置され、正側電力端子Pに接続された第1電極パターン1201と、主基板10上に配置され、負側電力端子Nに接続された第2電極パターン120n(EP)と、主基板10上に配置され、出力端子Oに接続された第3電極パターン1204と、第1電極パターン1201上に第1ドレインが配置された第1SiC−MOSFET Q1と、第3電極パターン1204上に第2ドレインが配置された第2SiC−MOSFET Q4と、第2電極パターン120n(EP)上に配置された磁気デバイス部50とを備える。
ここで、磁気デバイス部50は、第2電極パターン120n(EP)に導通する電流によって発生する磁束Φを検出可能である。
図17に示すように、SiC−MOSFET Q1は、第1電極パターン1201上に2チップ配置されており、同様にSiC−MOSFET Q4は、第3電極パターン1204上に2チップ配置されている。
SiC−MOSFET Q1の第1ソースS1は、ソース用ボンディングワイヤBWS1を介して第3電極パターン1204と接続され、SiC−MOSFET Q4の第2ソースS4は、ソース用ボンディングワイヤBWS4を介して第2電極パターン120n(EP)と接続されている。
ここで、磁気デバイス部50は、図17・図18に示すように、主基板10(224)上に配置される絶縁層212と、絶縁層212上に配置される磁気デバイス214とを備える。主基板10は、図18に示すように、セラミックスからなる絶縁基板204と、絶縁基板204の表面および裏面にCu箔層206・202を備えるセラミックス基板224を備えていても良い。
また、磁気デバイス214上に第1電極2161および第2電極2162を備えていても良い。
また、磁気デバイス部50は、図17・図18に示すように、主基板10(224)上に配置され、第1電極2161と接続される第1電流センスパッド電極CL1と、主基板10(224)上に配置され、第2電極2162と接続される第2電流センスパッド電極CL2とを備え、第2電極パターン120n(EP)に導通するソース電流によって発生する磁束Φは、磁気デバイス214に発生する誘導起電力として、第1電流センスパッド電極CL1と第2電流センスパッド電極CL2との間の導通電流によって、電流センス端子CS1・CS2間で検出可能である。ここで、第1電流センスパッド電極CL1・第2電流センスパッド電極CL2には、電流センス端子CS1・CS2が接続されている。
ここで、磁気デバイス214は、実施の形態に係る複合メッキ膜を備える。
主基板10は、図18に示すように、セラミックス基板224を備えていても良く、また、複数のセラミックス基板と金属層の多層構造で構成された多層セラミックス基板を備えていても良い。
磁気デバイス部50は、図18に示すように、例えば、セラミックス基板224と、セラミックス基板224上に半田層208を介して配置される金属層210と、金属層210上に配置される絶縁層212と、絶縁層212上に配置される磁気デバイス214と、磁気デバイス214上に配置される第1電極2161および第2電極2162とを備える。
磁気デバイス214をセラミックス基板224上に、金属層210および金属層210上に配置される絶縁層212を介して、配置する理由は、下記の通りである。すなわち、物性により磁性材自体が絶縁体でない場合もあり、Cuパターン206に流れる電流が磁性材自体に流れることを防止するためである。例えば、アルミナ(Al23)などのセラミックス層を適用可能な絶縁層212を介して、磁気デバイス214をCuパターン206から絶縁することができる。
セラミックス基板224は、セラミックスからなる絶縁基板204と、絶縁基板204の表面に配置されるCu箔層206と、絶縁基板204の裏面に配置されるCu箔層202とを備える。ここで、セラミックス基板224としては、例えば、DBC(Direct Bonding Copper)基板を適用可能である。また、セラミックス基板224の代わりとして、DBA(Direct Brazing Aluminum)基板若しくはAMB(Active Metal Bonding)基板などを適用可能である。なお、DBC基板の代わりに、有機絶縁樹脂層を絶縁層基板として適用しても良い。
金属層210は、例えば、Cu箔層で形成可能である。
絶縁層212は、例えば、Al23層で形成可能である。
磁気デバイス214としては、例えば、上述の図9に示されたインダクタンス素子を適用可能である。
磁気デバイス214として、図9に示されたインダクタンス素子を適用する場合には、第1電極2161および第2電極2162は、図9の電極P1・P2に対応している。
磁気デバイス214上に配置される第1電極2161・第2電極2162は、ボンディングワイヤBWC1・BWC2を介して、電流センスパッド電極CL1・CL2に接続され、電流センスパッド電極CL1・CL2は、さらに電流センス端子CS1・CS2に接続されている。
磁気デバイス214は、ソースS4に接続される第2電極パターン120n(EP)に導通する電流によって発生する磁束Φを検出している。ここで、第2電極パターン120n(EP)は、絶縁基板204の表面に配置されるCu箔層206(図18)に対応している。
―パワーモジュールの内部構造例2―
実施の形態に係る複合メッキ膜を適用した磁気デバイスを搭載したパワーモジュールの別の模式的平面パターン構成は、図19に示すように表される。
また、図19に示すパワーモジュールに搭載される磁気デバイスの模式的断面構造は、図20に示すように表される。
実施の形態に係る複合メッキ膜を適用した磁気デバイス部50を搭載したパワーモジュール200は、図19に示すように、主基板10と、主基板10上に配置され、正側電力端子Pに接続された第1電極パターン1201と、主基板10上に配置され、負側電力端子Nに接続された第2電極パターン120n(EP)と、主基板10上に配置され、出力端子Oに接続された第3電極パターン1204と、第1電極パターン1201上に第1ドレインが配置された第1SiC−MOSFETQ1と、第3電極パターン1204上に第2ドレインが配置された第2SiC−MOSFETQ4と、主基板10上に、第2電極パターン120n(EP)に隣接して配置された磁気デバイス部50とを備える。
ここで、磁気デバイス部50は、第2電極パターン120n(EP)に導通するソース電流によって発生する磁束Φを検出可能である。
実施の形態に係る複合メッキ膜を適用した磁気デバイス部50を搭載したパワーモジュール200は、図19に示すように、主基板10上に配置される第1電流センスパッド電極CL1と、主基板10上に配置される第2電流センスパッド電極CL2とを備え、磁気デバイス部50は、第1電流センスパッド電極CL1と第2電流センスパッド電極CL2とに跨って配置されていても良い。
また、磁気デバイス部50は、図19・図20に示すように、第1電流センスパッド電極CL1と、第2電流センスパッド電極CL2とに跨って配置される絶縁層212と、絶縁層212上に配置される磁気デバイス214とを備えていても良い。
図19に示すパワーモジュールに搭載される磁気デバイス部50は、図20に示すように、例えば、セラミックス基板224と、セラミックス基板224の表面電極を構成する第1Cu箔層2061・第2Cu箔層2062上に跨って配置される絶縁層212と、絶縁層212上に配置される磁気デバイス214と、磁気デバイス214の側面に接続されかつ半田層2201・2202を介して第1Cu箔層2061・第2Cu箔層2062に接続される第1電極2181・第2電極2182とを備える。
実施の形態に係る複合メッキ膜を適用した磁気デバイス部50を搭載したパワーモジュール200においては、図19・図20に示すように、第2電極パターン120n(EP)(2063)を導通するソース電流によって発生する磁束Φは、磁気デバイス214に発生する誘導起電力として、第1電流センスパッド電極CL1(2061)と第2電流センスパッド電極CL2(2062)との間の導通電流によって、電流センス端子CS1・CS2間で検出可能である。
セラミックス基板224は、セラミックスからなる絶縁基板204と、絶縁基板204の表面に配置される第1Cu箔層2061・第2Cu箔層2062、および第3Cu箔層2063と、絶縁基板204の裏面に配置されるCu箔層202とを備える。
磁気デバイス214としては、例えば、上述の図9に示されたインダクタンス素子を適用可能である。
磁気デバイス214として、図9に示されたインダクタンス素子を適用する場合には、第1電極2181および第2電極2182は、図9の電極P1・P2に接続される。このとき、第1電極2181・第2電極2182は、磁気デバイス214に含まれる複合メッキ膜と電気的に絶縁されている必要があることに留意すべきである。
第1Cu箔層2061・第2Cu箔層2062は、電流センスパッド電極CL1・CL2に対応している。したがって、磁気デバイス214に接続される第1電極2181・第2電極2182は、電流センスパッド電極CL1・CL2に接続され、電流センスパッド電極CL1・CL2は、さらに電流センス端子CS1・CS2に接続されている。
磁気デバイス214は、ソースS4に接続される第2電極パターン120n(EP)に導通する電流によって発生する磁束Φを検出している。ここで、第2電極パターン120n(EP)は、絶縁基板204の表面に配置される第3Cu箔層2063(図20)に対応している。すなわち、磁気デバイス214は、離隔して配置される第3Cu箔層2063(図20)に導通する電流によって発生する磁束Φを検出している。
その他の構成は、図17に示したパワーモジュールの内部構造例1と同様である。
正側電力端子P・負側電力端子N、外部取り出し用のゲート端子GT1・GT2およびSST1・SST2は、例えば、Cuで形成可能である。
主基板10は、セラミックス基板で形成可能である。セラミックス基板は、例えば、Al、AlN、SiN、AlSiC、若しくは少なくとも表面が絶縁性のSiCなどで形成されていても良い。
電極パターンは、例えば、Cu、Alなどで形成可能である。
ゲート用ワイヤGW1・GW4、ソースセンス用ワイヤSSW1・SSW4およびソース用ボンディングワイヤBWS1・BWS4は、例えば、Al、AlCuなどで形成可能である。
SiC−MOSFET Q1・Q4としては、SiC−DI(ダブルイオン注入:Double Implanted)MOSFET、SiC−トレンチMOSFETなどを適用可能である。
以上説明したように、本実施の形態によれば、直流磁化特性と交流磁化特性の両方に優れ、かつ安価で製造の容易な複合メッキ膜およびその製造方法、およびこの複合メッキ膜を適用した磁気デバイス、この磁気デバイスを搭載したパワーモジュールを提供することができる。
[その他の実施の形態]
上記のように、実施の形態およびその変形例によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
このように、本実施の形態ここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。
本実施の形態に係る複合メッキ膜およびこの複合メッキ膜を適用した磁気デバイスは、パワーモジュール内蔵型電流センサ、IC内蔵パワーインダクタなどに適用可能であり、また、HEV/EV向け昇圧回路、3相インバータに適用可能であり、特に高周波動作させることでメリットが出るDC/DCコンバータなど幅広い応用分野に適用可能である。
10…主基板(セラミックス基板)
12、20、121A、121B…シード層
14…レジスト層
16、16A、16B、116…複合メッキ膜
18、118A、118B、212…絶縁層
22…金属パターン(Cuメッキ層)
24、124…パッシベーション層
26…メッキ液
28A…アノード電極
30K…カソード電極(被析出体)
32…パルス電源
34…軟磁性体
351、352、…、35n-1、35n…高抵抗層
36…粒界面(粒界部)
37、371、372、…、37n-1、37n…軟磁性層
50…磁気デバイス部
52、54、214…磁気デバイス
1201、1204、120n(EP)…電極パターン
122A、122B…金属配線
1401、1404…信号基板
200…パワーモジュール
202、206、2061、2062、2063…Cu箔層
204…絶縁基板
208、2201、2202…半田層
210…金属層
2161、2181…第1電極
2162、2182…第2電極
224…セラミックス基板
Q1、Q4…半導体デバイス(SiC−MOSFET)
J1…第1電流密度
J2…第2電流密度
T1…第1電流密度の印加時間パルス幅
T2…第2電流密度の印加時間パルス幅
LT…浴温
B…磁束密度
S…飽和磁束密度
H…磁場(磁界)
C、HC1…保磁力
μ、μ1…透磁率
μr…比透磁率
P…正側電力端子
N…負側電力端子
O…出力端子
S1、S4…ソース
D1、D4…ドレイン
SST1、SST4…ソースセンス
CS1、CS2…電流センス端子
CL1、CL2…電流センスパッド電極
GT1、GT4…ゲート端子
SST1、SST4…ソースセンス端子
SL1、SL4…ソースセンス用信号配線パターン
GL1、GL4…ゲート用信号配線パターン
GW1、GW4…ゲート用ワイヤ
SSW1、SSW4…ソースセンス用ワイヤ
BWS1、BWS4…ソース用ボンディングワイヤ
BWC1、BWC2…ボンディングワイヤ
P1、P2…電極

Claims (12)

  1. ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、若しくはコバルト(Co)の内の少なくとも1つの軟磁性体と、
    前記軟磁性体の酸化物または水酸化物を少なくとも一部に有する粒界部と
    を有する軟磁性層を備えることを特徴とする複合メッキ膜。
  2. 前記複合メッキ膜は、ホウ素(B)、リン(P)、硫黄(S)、炭素(C)、若しくは窒素(N)の内の少なくとも1つの非金属元素、若しくはこれらの組み合わせを更に有することを特徴とする請求項1に記載の複合メッキ膜。
  3. 前記粒界部は、前記非金属元素の少なくとも一部を有することを特徴とする請求項2に記載の複合メッキ膜。
  4. 前記軟磁性層と積層化され、前記軟磁性体の酸化物または水酸化物を有する高抵抗層を備えることを特徴とする請求項1〜3にいずれか1項に記載の複合メッキ膜。
  5. 前記高抵抗層は、B、P、S、C、若しくはNの内の少なくとも1つの非金属元素、若しくはこれらの組み合わせを更に有することを特徴とする請求項4に記載の複合メッキ膜。
  6. Ni、Fe、若しくはCoの内の少なくとも1つの軟磁性体と、前記軟磁性体の酸化物または水酸化物を少なくとも一部に有する粒界部とを有する軟磁性層を備える複合メッキ膜と、
    前記複合メッキ膜の表面に形成された凹部と、
    前記凹部の表面を覆うように形成された絶縁層と、
    前記凹部に埋め込まれた金属パターンと
    を備えることを特徴とする磁気デバイス。
  7. 金属配線と、
    前記金属配線の周囲を覆うように形成された絶縁層と、
    前記絶縁層の周囲に形成されたシード層と、
    Ni、Fe、若しくはCoの内の少なくとも1つの軟磁性体と、前記軟磁性体の酸化物または水酸化物を少なくとも一部に有する粒界部とを有する軟磁性層を備え、前記シード層上に形成された複合メッキ膜と
    を備えることを特徴とする磁気デバイス。
  8. 請求項6または7に記載の磁気デバイスを内蔵し、前記磁気デバイスは、電流を検知可能であることを特徴とするパワーモジュール。
  9. 主基板と、
    前記主基板上に配置され、正側電力端子に接続された第1電極パターンと、
    前記主基板上に配置され、負側電力端子に接続された第2電極パターンと、
    前記主基板上に配置され、出力端子に接続された第3電極パターンと、
    前記第1電極パターン上に第1ドレインが配置された第1パワートランジスタと、
    前記第3電極パターン上に第2ドレインが配置された第2パワートランジスタと、
    前記主基板上に配置された磁気デバイス部と
    を備え、
    前記磁気デバイス部は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合メッキ膜を備え、前記第1電極パターン、前記第2電極パターン若しくは前記第3電極パターンのいずれかに導通する電流によって発生する磁束を、前記磁気デバイス部の電極と接続された電流センスパッド電極の間の導通電流によって検出可能であることを特徴とするパワーモジュール。
  10. Ni、Fe、若しくはCoの内の少なくとも1つの元素を有するメッキ液を形成する工程と、
    前記メッキ液中にカソードとなる被析出体とアノードとを浸漬させる工程と、
    前記メッキ液をメッキ膜成膜温度に保持する工程と、
    前記被析出体と前記アノード電極との間に複数の電解条件を発生させて前記元素を含む複合メッキ膜を前記被析出体に析出させる複合メッキ膜形成工程と
    を有し、
    前記複合メッキ膜形成工程において、前記複数の電解条件のうち、少なくとも1つの電解条件における前記カソードの電極電位が水の分解電位よりも高く、前記元素を水酸化させる工程を有することを特徴とする複合メッキ膜の製造方法。
  11. 前記メッキ液は、B、P、S、C、若しくはNの内の少なくとも1つの非金属元素、若しくはこれらの組み合わせを有する添加物を含有することを特徴とする請求項10に記載の複合メッキ膜の製造方法。
  12. 前記複合メッキ膜形成工程後、前記メッキ膜を不活性ガス雰囲気中において、メッキ膜成膜温度以上再結晶温度未満でアニールする工程を更に有することを特徴とする請求項10または11に記載の複合メッキ膜の製造方法。
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