JP2017048333A - 帯電防止塗料及びこれを用いた塗り床 - Google Patents

帯電防止塗料及びこれを用いた塗り床 Download PDF

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雅和 森本
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Abstract

【課題】床材に適度な導電性を与える帯電防止塗料材を低コストで提供する。
【解決手段】炭素繊維と、合成樹脂と、を有し、前記炭素繊維は、体積抵抗率が10〜100μΩ・m、且つ、長さ加重平均繊維長が0.20〜1.50mmであり、前記合成樹脂100質量部に対して、前記炭素繊維が、2〜5質量部混合されている、帯電防止塗料。好ましくは、炭素繊維以外の導電フィラーを含まない構成とし、合成樹脂として硬化剤を使用するエポキシ樹脂を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、静電気の蓄積を防止する床材用の帯電防止塗料及びこれを用いた塗り床に関する。
電子機器や精密機械の生産工場、病院の精密機器室等では、人体に蓄積される静電気が製造又は使用する機器等に悪影響を及ぼす。また、可燃物質や粉塵等を取り扱う場では、静電気が引火や爆発の原因となりうる。このため、このような場所に使用する床材は、人体に静電気を蓄積させにくいことが望まれている。
ここで、床材の表面抵抗率が低いと、人体に蓄積された静電気を床材に逃げ易くできるが、床材の表面抵抗率が低すぎると、静電気が人体から床材に逃げる際に電気ショックを感じる(感電する)おそれがある。このため、床材の表面抵抗率は105〜109Ω/□程度に制御する必要がある。
このような中、特許文献1は、炭素繊維、炭素粒子、金属や金属酸化物粒子等の導電フィラーを含んだ塗膜を床材表面に形成した帯電防止塗り床に関する技術を提案している。
特開平2013−40446号公報
特許文献1は、硬化性のバインダ樹脂、前記バインダ樹脂100質量部あたり1質量部以上、60質量部以下の、長径の平均値が5μm以上、15μm以下である柱状の導電性酸化チタン粉末、および前記バインダ樹脂100質量部あたり0.1質量部以上、2質量部未満の、平均繊維長が0.1mm以上、1.0mm以下である炭素繊維を含んでいる流しのべ塗り床材に関する技術を開示している。
本発明者らが、炭素繊維を用いる床材の帯電防止塗料について鋭意検討したところ、次のような問題点があることを知った。
炭素繊維を帯電防止塗料に含ませると、これを用いてなる塗膜には炭素繊維相互による良好な導電接点が形成されるため、塗膜(塗り床)の表面抵抗率を小さくし易い。ここで、十分な導電接点を形成するためには炭素繊維をある程度含ませる必要があるが、炭素繊維は炭素粒子や金属粒子等の他の導電フィラーに比べて高コストであるとともに、多量に配合させると塗料の粘性が高くなって作業性を低下させてしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、粘性を高めることなく床材に適度な導電性を付与する帯電防止塗料を低コストでもって実現することを目的とする。
上記課題を解決するための帯電防止塗料に係る本発明は、次のように構成されている。
炭素繊維と、合成樹脂と、を有し、前記炭素繊維は、体積抵抗率が10〜100μΩ・m、且つ、長さ加重平均繊維長が0.20〜1.50mmであり、前記合成樹脂100質量部に対して、前記炭素繊維が、2〜5質量部混合されている、帯電防止塗料。
繊維長が長すぎる炭素繊維を用いると、炭素繊維相互の導電接点が多くなり塗り床の導電性を低くし易いが、炭素繊維の凝集が起きやすく、帯電防止塗料内に炭素繊維を均一に分散させることが難しくなる。炭素繊維が不均一に分散された帯電防止塗料を用いると、塗り床における導電性のバラツキが大きくなり、塗り床全体において所望の帯電防止効果を実現することが困難となる。
他方、繊維長が短すぎる炭素繊維を用いる場合、炭素繊維相互の導電接点が不十分となる。このため、十分な導電性を与えるためには、炭素繊維を多量に用いなければならず、コスト高となる問題を解決できない。
また、体積抵抗率が大きすぎる炭素繊維を用いると塗り床の導電性を小さくし難く、十分な導電性を与えるためには、炭素繊維を多量に用いなければならない。他方、炭素繊維の体積抵抗率を10μΩ・mより小さくするためには易黒鉛化性のメソフェーズピッチを使用する必要があり、コスト高を招く要因ともなる。また、体積抵抗率が小さすぎると帯電防止用の添加剤としての性能が発揮しにくいという側面もある。なお、体積抵抗率は、JIS R 7609に準拠したものである。
これらに対し、上記のように体積抵抗率が低く且つ長さ加重平均繊維長が規制された炭素繊維を、合成樹脂100質量部に対して、2〜5質量部混合することにより、床材に適度な導電性を付与する帯電防止塗料を、コスト高を招くことなく実現できる。
ここで、炭素繊維の長さとは実際の繊維の長さを意味し、曲状の炭素繊維においては引っ張った状態の両端点間距離を意味する。
また、炭素繊維の体積抵抗率は、炭素繊維表面の酸素含有官能基(水酸基やカルボキシル基)の数が多いほど高くなり、黒鉛化が進行するほど低くなる。炭素繊維の原料や製造条件等によっても異なるが、炭素繊維を熱処理(例えば、1200〜2000℃で1〜5時間熱処理)すると、酸素含有官能基の一部ないし全部を除去でき、且つ、黒鉛化を進行させることができる。つまり、熱処理によって体積抵抗率が本発明のごとく規制された炭素繊維を得ることができる。
また、本明細書でいう炭素繊維とは広義のものを意味し、黒鉛化が進行していない非晶質の炭素繊維から、黒鉛化が高度に進行した黒鉛質の炭素繊維をすべて含んだものを意味する。中でも、非晶質の炭素繊維は黒鉛質の炭素繊維よりも低コストであるため、好ましい。
また、合成樹脂としては、塗り床に求められる強度や薬品耐性、炭素繊維の分散保持機能等を有していれば特に限定されることはない。塗工の容易さから、帯電防止塗料が常温(25℃)で液体状である(合成樹脂そのものが液体であるか、溶剤に溶解されている)ことが好ましい。なかでも、硬化剤を使用する2液性のエポキシ樹脂を用いることが、塗工の容易さや塗り床の強度等の観点から好ましい。
また、合成樹脂の質量とは、塗り床の塗膜に残存する合成樹脂の質量のことを意味し、硬化剤等の2成分以上を混合することが必須の場合には、すべての成分を含んだものを意味する。
また、帯電防止塗料には、合成樹脂を溶解する溶剤や各種の添加剤(顔料・揺変剤・分散剤・表面調整剤等)が含まれていてもよい。なお、これらの成分は合成樹脂の質量には含めないものとする。
ここで、本発明に係る帯電防止塗料は、炭素繊維のみの添加で十分な導電性を確保できるため、炭素繊維以外の導電フィラーが含まれない構成とすることが好ましい。炭素繊維以外の導電フィラー(例えば、金属、金属酸化物、金属コート材料や、繊維状以外の炭素、黒鉛等、体積抵抗率がおよそ200Ω・m以下のフィラー)が含まれない構成とすると、生産コストを低減できる。また、本発明では所定の繊維長の炭素繊維の含有量が2〜5質量%に規制されているが、このような構成では顔料による発色を炭素繊維が大きく阻害することはない。このため、炭素繊維以外の導電フィラーが含まれない構成であると、好適な顔料を選択・添加して塗り床の美観を高めることができる。
上記課題を解決するための帯電防止塗膜が形成された塗り床に係る本発明は、次のように構成されている。
表面に帯電防止塗膜が形成された塗り床であって、前記帯電防止塗膜は、炭素繊維と、硬化された合成樹脂と、を有し、前記炭素繊維は、体積抵抗率が10〜100μΩ・m、且つ、長さ加重平均繊維長が0.20〜1.50mmであり、前記炭素繊維と、前記合成樹脂との質量混合比が、2:98〜5:95である。
ここで、上記塗膜の表面抵抗率は、105〜109Ω/□であることが好ましい。また、帯電防止塗膜の厚みは、0.5〜3mmであることが好ましい。
以上に説明したように、本発明によると、低コストでもって感電や静電気の蓄積を防止し得た帯電防止塗料を実現することができる。
図1は、表面抵抗率と炭素繊維配合率との相関を示すグラフである。 図2は、体積抵抗率と炭素繊維配合率との相関を示すグラフである。 図3は、表面抵抗率と炭素繊維の長さ加重平均繊維長との相関を示すグラフである。
(実施の形態)
本発明に係る帯電防止塗料は、炭素繊維と、合成樹脂と、を有し、前記炭素繊維は、体積抵抗率が10〜100μΩ・m、且つ、長さ加重平均繊維長が0.20〜1.50mmである。また、合成樹脂100質量部に対して、炭素繊維が、2〜5質量部混合されている。
炭素繊維の体積抵抗率が高すぎると、炭素繊維を多量に含ませないと塗り床に所望の導電性を付与できなくなる。他方、炭素繊維の体積抵抗率を10μΩ・m未満より小さくするためには易黒鉛化性のメソフェーズピッチを使用する必要があり、コスト高を招く要因ともなるとともに、体積抵抗率が小さすぎると帯電防止用の添加剤としての性能が発揮しにくいという側面もある。このため、炭素繊維は、体積抵抗率は10〜100μΩ・mに規制する。
また、炭素繊維の繊維長が長すぎると、炭素繊維が凝集しやすく均一な分散が難しくなる。このため、塗り床の抵抗率にムラが生じやすくなり、所望の抵抗率となるように制御することが困難となる。他方、炭素繊維の繊維長が短すぎると、炭素繊維による導電接点が不十分となり、炭素繊維を多量に含ませないと所望の塗り床抵抗率を実現できなくなる。このため、炭素繊維の長さ加重平均繊維長は、0.20〜1.50mmに規制する。
このように長さ加重平均繊維長と体積抵抗率とが規制された炭素繊維を、合成樹脂100質量部に対して、2〜5質量部混合することにより、塗り床に適度な導電性を付与することができる帯電防止塗料となる。
ここで、炭素繊維としては、特に限定されることはなく、例えば石油ピッチ系、ポリアクリロニトリル(PAN)系、レーヨン系、フェノール樹脂系、セルロース系等の炭素繊維を、単一種又は複数種混合して用いることができる。なかでも、等方性ピッチ系炭素繊維は低コストであるため好ましい。また、炭素繊維の微視的な構造としては特に限定されず、形状(巻縮型、直線型、断面形状等)が同一のもののみを用いてもよく、また異なる構造のものが混合されていてもよい。
また、炭素繊維の平均径(直径)は、5〜20μmであることが好ましく、7〜18μmであることがより好ましく、10〜15μmであることがさらに好ましい。炭素繊維の径は一定の幅のバラつきを有しているのが一般的である。平均径は、例えば100個の炭素繊維を任意に選択して各々の直径を測定し、その平均値を算出することにより求めることができる。
また、合成樹脂としては、塗り床の表面層として求められる強度や薬品耐性等と、炭素繊維の分散保持機能と、を備えるものであれば特に限定されることはなく、市販の様々な合成樹脂を用いることができる。このような樹脂材料としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等が好ましい。特に、帯電性塗料は常温(25℃)で液体状である(合成樹脂そのものが液体であるか、有機溶剤に溶解されている)ことが好ましく、なかでも、2液性のエポキシ樹脂を用いる(帯電防止塗料を、炭素繊維とエポキシ樹脂の主剤とを含んだ第1液と、硬化剤を含んだ第2液と、の2液構成とする)ことがより好ましい。
ここで、合成樹脂と炭素繊維との混合方法は特に限定されることはなく、公知の方法で混合すればよい。また、帯電防止塗料には、合成樹脂・炭素繊維以外に、合成樹脂を溶解する溶剤や各種の添加剤(顔料・揺変剤・分散剤・表面調整剤等)が含まれていてもよい。
このような帯電防止塗料の塗布対象となる床材の材料は特に限定されることはなく、コンクリート、木材、樹脂材料、石材等に使用することができる。帯電防止塗料の塗膜厚みは、硬化後において0.5〜3mmであることが好ましい。
また、帯電防止塗膜は、床材に直接形成してもよく、床材と帯電防止塗膜との間に1層又は2以上の下塗層を形成してもよい。下塗層の構成は、公知のものを適宜採用できる。
(実施例1)
平均径が13μm、長さ加重平均繊維長が0.46mmの等方性ピッチ系炭素繊維(大阪ガスケミカル(株)製)を、1200℃で2時間熱処理した。この炭素繊維の体積抵抗率は熱処理前で143μΩ・m、熱処理後で38μΩ・mであった。ここで、長さ加重平均繊維長は、マイクロスコープで100点実測した値を、WinROOF2013(三谷商事(株)製)を用いて算出した。また、体積抵抗率は、JIS R 7609に準拠して測定した値の算術平均値(ランダムに抽出した5点)である。
合成樹脂としての、2液硬化型エポキシ樹脂、DIC(株)製EPICLON850と、三菱化学(株)製jER871との等質量混合物と、これらの硬化剤(DIC(株)製ラッカマイドF4)を準備した。この等質量混合物と硬化剤との合計質量100質量部に対して、1〜15質量部となるように、熱処理後の炭素繊維を上記等質量混合物に加えた。炭素繊維添加等質量混合物と、硬化剤と、が、本実施例に係る帯電防止塗料である。
大きさ100mm×100mmのシリコーンゴム製型枠に、上記の2液からなる帯電防止塗料を、硬化後の厚みが1〜2mmとなるように流し込み、エポキシ樹脂を硬化させて、実施例1に係る帯電防止塗膜形成塗り床(サイズ100mm×100mm、厚み1〜2mm)を作製した。
(実施例2)
炭素繊維の熱処理温度を2000℃としたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例2に係る帯電防止塗膜形成塗り床を作製した。上記実施例1と同様にして測定した熱処理後の炭素繊維の体積抵抗率は、33μΩ・mであった。
(比較例1)
熱処理を行っていない炭素繊維を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例1に係る帯電防止塗膜形成塗り床を作製した。
(比較例2)
熱処理を行っていない、長さ加重平均繊維長が0.11mmの等方性ピッチ系炭素繊維(大阪ガスケミカル(株)製)を用い、等質量混合物と硬化剤との合計質量100質量部に対して、炭素繊維が5〜15質量部となるように配合したこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例2に係る帯電防止塗膜形成塗り床を作製した。
(比較例3)
2000℃で2時間熱処理を行った炭素繊維を用いたこと以外は、上記比較例2と同様にして、比較例3に係る帯電防止塗膜形成塗り床を作製した。
(比較例4)
熱処理を行っていない、長さ加重平均繊維長が2.20mmの等方性ピッチ系炭素繊維(大阪ガスケミカル(株)製)を用い、等質量混合物と硬化剤との合計質量100質量部に対して、炭素繊維が0.3〜5質量部となるように配合したこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例4に係る帯電防止塗膜形成塗り床を作製した。
(比較例5)
2000℃で2時間熱処理を行った炭素繊維を用いたこと以外は、上記比較例4と同様にして、比較例5に係る帯電防止塗膜形成塗り床を作製した。
(抵抗測定試験)
上記のように作製された実施例1、2、比較例1〜5に係る塗り床の表面抵抗率及び体積抵抗率を、(株)三菱化学アナリテック製ハイレスタ−UXを用いて測定した。表面抵抗率と炭素繊維配合率との相関図を図1に、体積抵抗率と炭素繊維配合率との相関を図2に示す。なお、図1,2において示しているのは最小二乗法により求めた近似曲線であり、この曲線算出の際の表面抵抗率、体積抵抗率は、いずれも3点の算術平均値である。
図1、2から、炭素繊維の長さ加重平均繊維長が長くなるほど、少ない配合量で表面抵抗率や体積抵抗率を小さくできることが分かる(抵抗率の関係は、炭素繊維の熱処理なしでは比較例4<比較例1<比較例2、熱処理有りでは比較例5<実施例1、2<比較例3)。ここで、塗り床の表面抵抗率は、大きすぎると人体の帯電を十分に防止できず、小さすぎると感電が起きやすくなる。使用する用途(静電気防止、防爆等)によっても異なるが、おおむね塗り床の表面抵抗率は105〜109Ω/□程度や105〜108Ω/□程度とすることがよい。
ここで、繊維長が長すぎると、少ない炭素繊維配合量で表面抵抗率が小さくなるが、均一な撹拌が難しくなる。実際、実施例1,2、比較例1〜3では凝集は確認されなかったものの、比較例4,5では、帯電防止塗料(炭素繊維添加等質量混合物)において炭素繊維の凝集が確認された。炭素繊維の凝集が生じると、撹拌ムラによって塗り床に局所的に抵抗が大きい部分や小さい部分が生じやすくなってしまい、均一な導電性の塗り床を作製することが難しくなる。
また、繊維長が短すぎると、炭素繊維を多量に配合しても目的の表面抵抗率を達成できない(比較例2,3参照)。また、炭素繊維の多量の使用は、コスト高を招いてしまう。
ここで、長さ加重平均繊維長が0.20〜1.50mmに規制され、炭素繊維自体の体積抵抗率が10〜100μΩ・mに規制されている場合には、撹拌の困難性を招くことなく、比較的少ない炭素繊維配合量(2〜5質量%)で目的の塗り床の表面抵抗率を達成できる(実施例1,2参照)。しかしながら、長さ加重平均繊維長が0.20〜1.50mmに規制されていても、炭素繊維自体の体積抵抗率が100μΩ・mを超える場合には、比較的多量の炭素繊維(5〜10質量%)を用いなければ、目的の塗り床の表面抵抗率を達成できなくなる(比較例1参照)。
(実施例3)
帯電防止塗料における炭素繊維の配合量を、合成樹脂の合計質量100質量部に対して、5質量部とし、炭素繊維の長さ加重平均繊維長を0.10〜2.50mmと変化させたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例3に係る帯電防止塗膜形成塗り床を作製した。
(抵抗測定試験)
実施例3に係る塗り床の表面抵抗率を、(株)三菱化学アナリテック製ハイレスタ−UXを用いて測定した。表面抵抗率と長さ加重平均繊維長との相関図を図3に示す。なお、図3において示しているのは最小二乗法により求めた近似曲線であり、この曲線算出の際の表面抵抗率は、3点の算術平均値である。
図3から、長さ加重平均繊維長が長くなるほど表面抵抗率を小さくでき、長さ加重平均繊維長が0.20mmで108〜109Ω/□程度の表面抵抗率を達成している。このため、炭素繊維の長さ加重平均繊維長の下限は0.20mmとする。また、図3から、長さ加重平均繊維長が1.50mmを超えると表面抵抗率の減少がほとんどなくなることが分かる。ここで、炭素繊維の繊維長が長くなるほど炭素繊維の凝集が起きやすくなることから、炭素繊維の長さ加重平均繊維長の上限は1.50mmとする。
上記で説明したように、本発明によると、床材に適度な導電性を付与できる帯電防止塗料を低コストでもって実現できるので、その産業上の利用可能性は大きい。

Claims (4)

  1. 炭素繊維と、合成樹脂と、を有し、
    前記炭素繊維は、体積抵抗率が10〜100μΩ・m、且つ、長さ加重平均繊維長が0.20〜1.50mmであり、
    前記合成樹脂100質量部に対して、前記炭素繊維が、2〜5質量部混合されている、帯電防止塗料。
  2. 炭素繊維以外の導電フィラーを含まない、
    ことを特徴とする請求項1に記載の帯電防止塗料。
  3. 前記合成樹脂は、硬化剤を使用するエポキシ樹脂である、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の帯電防止塗料。
  4. 表面に帯電防止塗膜が形成された塗り床であって、
    前記帯電防止塗膜は、炭素繊維と、硬化された合成樹脂と、を有し、
    前記炭素繊維は、体積抵抗率が10〜100μΩ・m、且つ、長さ加重平均繊維長が0.20〜1.50mmであり、
    前記合成樹脂100質量部に対して、前記炭素繊維が、2〜5質量部混合されている、塗り床。
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