JP2017047639A - セメント組成物への凝結調整剤の添加方法 - Google Patents

セメント組成物への凝結調整剤の添加方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、凝結遅延剤であるリンゴ酸や凝結促進剤である炭酸リチウムからなる凝結調整剤をセメント組成物に添加してセメント混練物を調製する際に、特に水への溶解度が低い前記凝結促進剤を、均質にセメント混練物に含有させることができるとともに、適度な可使時間を有し、急硬性に優れるとともに、短時間で高強度を発現することができる、凝結調整剤をセメント組成物に添加する方法を提供する。
【解決手段】 本発明のセメント組成物への凝結調整剤の添加方法は、リンゴ酸及び炭酸リチウムを水に添加して、リンゴ酸濃度が5〜20質量%で炭酸リチウム濃度が2.5〜10質量%の凝結調整剤混合水溶液を予め調製し、該凝結調整剤混合水溶液を、セメント混練物を調製するために添加する混練水の一部としてセメント組成物に配合する、セメント組成物への凝結調整剤の添加方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、セメント組成物への凝結調整剤の添加方法に関し、特に凝結性能に優れるとともに、強度発現性に優れるセメント混練物を得るためのセメント組成物への凝結調整剤の添加方法に関する。
土木、建築分野における補修工事や緊急工事には、一定の可使時間を確保して作業性を向上させるとともに、速硬性及び強度発現性が要求される。
従来、コンクリートやモルタルの硬化を促進する方法としては、アルミン酸ナトリウム、炭酸リチウム、C12A7等のカルシウムアルミネート類等の凝結促進剤を添加する方法が用いられていた。
一方で、このような凝結促進剤を含有する場合には、可使時間を確保するために、凝結遅延剤を含有させることが一般的である。
凝結遅延剤としては、有機カルボン酸、糖類、リン酸塩等が知られている
凝結遅延剤と凝結促進剤をセメント組成物に添加する方法としては、例えば、特開2007−45654号公報(特許文献1)に、オキシカルボン酸またはその塩と炭酸リチウムからなる凝結遅延剤を、ベースコンクリートの練り混ぜ時、または練り混ぜ直後に添加することが記載されている。具体的には、かかる凝結遅延剤は、水、骨材とともに、セメントに同時に添加配合されたベースコンクリートが調製されていることが記載されている。
また、特開2003−80515号公報(特許文献2)には、超速硬セメント100重量部に対してオキシカルボン酸及びそのアルカリ金属塩から選ばれた少なくとも一種の凝結遅延剤を0.1重量部以上含有する超速硬セメントモルタル又は超速硬コンクリートに水を加えて混練し、ポンプで圧送した後、吹付けガンの先端部で、アルミン酸アルカリ金属塩及び炭酸アルカリ金属塩から選ばれた少なくとも一種の凝結促進剤を含有する水溶液を、超速硬セメント100重量部に対して凝結促進剤量として0.1重量部以上混合して施工面に吹付けることを特徴とする超速硬セメントモルタル又は超速硬コンクリートの湿式吹付け施工方法であって、凝結遅延剤が酒石酸ナトリウム・カリウムであり、凝結促進剤が炭酸リチウムである、超速硬セメントモルタル又は超速硬コンクリートの湿式吹付け施工方法が記載されている。
ところで、炭酸リチウムは粉末状であるため、現場での使用形態としては、予めセメント粉体と混合されたプレミクス製品であることが通常である。
かかる炭酸リチウムは、水への溶解性が低く、従って、プレミクス粉体製品を水と混練りする際に、均質に分散混合することが難しく、まだら混合となってしまい、従って、強度発現性に劣るという問題があった。
特開2007−45654号公報 特開2003−80515号公報
本発明は、上記課題を解決し、凝結遅延剤であるリンゴ酸や凝結促進剤である炭酸リチウムを含む凝結調整剤をセメント組成物に添加してセメント混練物を調製する際に、特に水への溶解度が低い凝結促進剤を、均質にセメント混練物に含有させることができるとともに、適度な可使時間を有し、良好な凝結性能である急硬性に優れるとともに、短時間で高強度を発現することができる、凝結調整剤をセメント組成物に添加する方法を提供することである。
なお、セメント組成物とは、セメント粉体、モルタル粉体、コンクリート粉体を含む概念であり、セメント混練物とは、セメント組成物に水を添加配合してなる、セメントペースト、セメントモルタル、コンクリートを含む概念である。
本発明は、凝結遅延剤や凝結促進剤を含む凝結調整剤のセメント組成物への添加方法に着目し、凝結遅延剤であるリンゴ酸及び凝結促進剤である炭酸リチウムを、高濃度で水に溶解させた高濃度水溶液を予め調製し、該高濃度水溶液を水に希釈混合して混練水とする2段階ステップを経て、セメント組成物と該混練水とを混練する、凝結調整剤の添加方法により、上記課題が達成できるものである。
即ち、請求項1記載のセメント組成物への凝結調整剤の添加方法は、リンゴ酸及び炭酸リチウムを水に添加して、リンゴ酸濃度が5〜20質量%で炭酸リチウム濃度が2.5〜10質量%の凝結調整剤混合水溶液を予め調製し、該凝結調整剤混合水溶液を、セメント混練物を調製するために添加する混練水の一部としてセメント組成物へ配合することを特徴とする、セメント組成物への凝結調整剤の添加方法である。
請求項2記載のセメント混練物への凝結調整剤の添加方法は、請求項1記載のセメント組成物への凝結調整剤の添加方法において、前記凝結調整剤混合水溶液を水と混合して予め混練水を調製し、該混練水をセメント組成物に配合することを特徴とする、セメント組成物への凝結調整剤の添加方法である。
請求項3記載のセメント組成物への凝結調整剤の添加方法は、請求項1又は2記載のセメント組成物への凝結調整剤混合水溶液のpHは1〜5であることを特徴とする、セメント組成物への凝結調整剤の添加方法である。
請求項4記載のセメント混練物への凝結調整剤への添加方法は、請求項1乃至3いずれかの項記載のセメント組成物への凝結調整剤の添加方法において、セメント組成物は、超速硬セメント組成物であることを特徴とする、セメント組成物への凝結調整剤の添加方法である。
本発明のセメント混練物への凝結調整剤の添加方法により、凝結調整剤である凝結遅延剤及び凝結促進剤を均質にセメント組成物へ配合することができ、従って、得られるセメント混練物が、適度な可使時間を有することができ、優れた凝結性能である急硬性に優れるとともに、短時間で高強度を発現することが可能となる。
これまでは、炭酸リチウム等の凝結促進剤は、一般的にプレミクス粉体として予め配合されていたところ、炭酸リチウムの凝結促進剤は水への溶解度が小さいため、セメント混練物を調製する際には、炭酸リチウムの凝結促進剤の配合がまだらになってしまい、均質に混練り配合することが困難であり、従って強度発現性に問題があった。本発明の添加方法によれば、セメント混練物中に炭酸リチウムが均質に分散配合されることができることが可能となり、凝結促進性能のみならず、早期強度発現性に優れることができる。
本発明を以下の好適例により説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明の、リンゴ酸及び炭酸リチウムを水に添加して、リンゴ酸濃度が5〜20質量%で炭酸リチウム濃度が2.5〜10質量%の凝結調整剤混合水溶液を予め調製し、該凝結調整剤混合水溶液を、セメント混練物を調製するために添加する混練水の一部としてセメント組成物へ配合することを特徴とする、セメント組成物への凝結調整剤の添加方法である。
本発明においては、凝結調整剤としては、特定の凝結遅延剤と特定の凝結促進剤を用いるものであり、具体的には凝結遅延剤であるリンゴ酸と、凝結促進剤である炭酸リチウムを組み合わせて使用する。
かかる組み合わせにおいて、凝結遅延剤としてリンゴ酸を用いることで、十分な可使時間を得ることが可能となる。
本発明においては、凝結遅延剤としてリンゴ酸以外のオキシカルボン酸、例えばクエン酸等では、本発明の課題を解決することができず、本発明においては、リンゴ酸と炭酸リチウムの組み合わせを用いる必要がある。
具体的には、リンゴ酸と炭酸リチウムとを予め水に溶解して、高濃度の凝結調整剤混合水溶液を調製する。
かかる凝結調整剤混合水溶液の濃度は、リンゴ酸と炭酸リチウムが高濃度で溶解・存在することができれば、特に限定されないが、リンゴ酸と炭酸リチウムを組み合わせた溶解性の点から、リンゴ酸濃度が5〜20質量%で炭酸リチウム濃度が2.5〜10質量%の混合水溶液とする。
リンゴ酸と炭酸リチウムとを上記濃度で組み合わせて用いて凝結調整剤混合水溶液とすることで、一定の可使時間を確保できるとともに、凝結調整剤である凝結遅延剤及び凝結促進剤を均質にセメント組成物へ配合することができ、従って、得られるセメント混練物が、適度な可使時間を有することができ、優れた凝結性能である急硬性に優れるとともに、短時間で高強度を発現することが可能となる。
本発明における凝結調整剤混合水溶液は、含有されるリンゴ酸の存在により酸性となるため、粉体の炭酸リチウムの水への溶解性が向上し、炭酸リチウムが混合水溶液中に均一に溶解することが可能となる。
かかる凝結調整剤混合水溶液のpHは、1〜5程度とすることが、炭酸リチウムの水への均一な溶解性を保持するため望ましい。
かかる凝結調整剤が高濃度で溶解している凝結調整剤混合水溶液を、セメント組成物への混練水の一部として用いる。
具体的には、まず該凝結調整剤混合水溶液を水に希釈して凝結調整剤含有混練水を予め調製し、該混練水を、セメント組成物に配合して混練りすることにより、セメント混練物を調製する。
本発明においては、凝結調整剤混合水溶液と水とをセメント組成物に直接配合するのではなくて、上記したように、凝結調整剤混合水溶液を予め水で希釈して混練水とし、該混練水を用いることで、セメント組成物へ凝結調整剤であるリンゴ酸と炭酸リチウムとが均質に分散混練されることが容易となり、上記本発明の効果を有効に発現することができる。
本発明の方法に用いるセメント組成物には、任意の公知のセメントを用いることができ、セメントの種類は特に限定されず、例えば、普通、早強、超早強、中庸熱、低熱などの各種ポルトランドセメントや、高炉セメント、シリカセメント及びフライアッシュセメントの各種混合セメントや、白色ポルトランドセメント及びアルミナセメント、超速硬セメント等、市場で入手できる種々のセメントを例示することができ、これらを単独で又は混合して用いることができるが、凝結性の点から超速硬セメントを用いることが好ましい。
また、粉体中に占めるセメントの割合は、20質量%程度以上とすることが好ましい。
また、本発明で使用するセメントには、長期強度の向上、乾燥収縮の緩和のため、ポゾラン活性を有する材料である高炉スラグ粉末、フライアッシュ、シリカヒューム、石灰石粉末、石英粉末、硫酸塩等の混和材を、単独でもしくは併用して、適量配合することも可能である。
硫酸塩としては、例えば、芒硝(硫酸ナトリウム)、硫酸カリウムなどのアルカリ金属硫酸塩、硫酸マグネシウム、石こう(硫酸カルシウム)などのアルカリ土類金属硫酸塩、硫酸アルミニウムなどが挙げられ、強度発現性から、石膏の使用が、あるいは石こうと芒硝の併用が好ましい。
石膏としては、無水石膏、半水石膏、二水石膏、またはこれらの混合物が例示できる。
また、その他必要に応じて配合が可能な材料として消石灰が挙げられる。当該消石灰は更なる強度増進のために添加される。
これらの硫酸塩や消石灰等の細かさは、特に限定するものではないが、好ましくは3000cm/g以上である。強度発現性およびコストを考慮した場合、より好ましいのは4000〜10000cm/gの細かさのものである。
特に、セメント組成物には必要に応じて、カルシウムアルミネート系鉱物を含有することができる。
カルシウムアルミネート系鉱物を含有すると、速硬性能を更に有効に発現することができ、例えば、12CaO・7Al、CaO・Al、3CaO・Al、CaO・2Alなどの化学成分としてCaOとAlからなる結晶質又はガラス化が進んだ構造のものの他、他の化学成分も加わった4CaO・3Al・SO、11CaO・7Al・CaX(Xはハロゲン)、NaO・8CaO・3Alなどの広義のカルシウムアルミネートも含まれる。
かかるカルシウムアルミネートは、セメント混練物を調製する際に、添加配合してもよい。
また、本発明の方法に用いるセメント組成物であるモルタルやコンクリートには、細骨材や粗骨材の骨材が含有されるが、これらの粗骨材や細骨材の種類は、特に限定されるものではない。
必要に応じて含有される細骨材としては、特に限定はなく、山砂、川砂、陸砂、砕砂、海砂、珪砂3〜7号等の比較的粒径の細かい細骨材、または珪石粉、石灰石粉等の微粉末等の公知の細骨材やこれらの混合物を使用できる。また、本発明では、細骨材としては、土木建築学会で規定される、5mmふるいを85重量%以上通過するものを用いることもできる。
また、粗骨材としては、特に限定はなく、一般的に用いられる任意の粗骨材を用いることができ、例えば、川砂利、陸砂利、砕石等を用いることができる。粗骨材は、通常、最大粒径5mm〜30mmの、例えば4号〜7号砕石を用いることができる。
その配合割合は特に限定されず、使用する用途に応じて決定することができる。
また、本発明の方法に用いるセメント組成物には、各種添加剤を必要に応じて、配合されることができる。
各種添加剤や混和剤としては、コンクリートを調製する際に添加される公知の添加剤や混和剤であれば、用途に応じて添加することができ、例えば、消泡剤、防錆剤、防凍剤、着色剤、減水剤、高性能減水剤等の各種の混和剤や、耐久性を向上させるための炭素繊維や鋼繊維などの補強材を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で使用することが可能である。
上記セメント組成物は、セメント、凝結調整剤混合水溶液を水で希釈した混練水、及び、必要に応じて添加配合される混和材や添加剤を混練りすることにより、セメント混練物を調製することができる。
セメント混練物の調製法は、特に限定するものではなく、慣用のミキサーで原料を混合すれば良い。
混練には、通常のコンクリートの混練に用いられるミキサー、例えば、オムニタイプミキサー、パンタイプミキサー、2軸ミキサー等を用いることができる。混練方法は、特に限定されないが、一般的には、材料を一括してミキサーに投入して、混練すればよい。また、モルタルを先練りし、これを粗骨材にまぶす方法によってコンクリート混練物としてもよい。
このようにして得られたセメント混練物は、適度な可使時間を有するとともに、良好な凝結性能の急硬性に優れ、短時間で高強度を発現することができる強度発現性に優れることができる。
本発明を具体的な実施例、比較例及び試験例により詳述するが、これらに限定されるものではない。
(使用材料)
以下の材料を用いて、下記実施例及び比較例を実施した。
・超速硬モルタル粉体:製品名:FB−JU1、住友大阪セメント株式会社製 カルシウムアルミネート系
・リンゴ酸:扶桑化学工業株式会社製
・クエン酸:扶桑化学工業株式会社製
・炭酸リチウム粉体:本庄ケミカル株式会社製
・水:上水道
(実施例1)
リンゴ酸及び炭酸リチウム粉体を、リンゴ酸濃度が5質量%で炭酸リチウム濃度が2.5質量%となるように予め水に溶解させた凝結調整剤混合水溶液1を調製した。
水の総量が850gとなるように、250ccの凝結調整剤混合水溶液1と水を混合して、混練水1を調製した。
超速硬モルタル粉体5000gに、該混練水1を添加して、均一に混練することによりセメント混練物1を得た。
得られたセメント混練物1中、超速硬モルタル粉体100質量部に対して含有されるリンゴ酸は0.25質量%(12.5g)、炭酸リチウムは0.13質量%(6.25g)、水は17質量%(850g)であった。なお、配合を以下の表1に示す。
(実施例2)
リンゴ酸及び炭酸リチウム粉体を、リンゴ酸濃度が10質量%で炭酸リチウム濃度が5質量%となるように予め水に溶解させた凝結調整剤混合水溶液2を調製した。
水の総量が850gとなるように、125ccの凝結調整剤混合水溶液2と水を混合して、混練水2を調製した。
超速硬モルタル粉体5000gに、該混練水2を添加して、均一に混練することによりセメント混練物2を得た。
得られたセメント混練物2中、超速硬モルタル粉体100質量部に対して含有されるリンゴ酸は0.25質量%(12.5g)、炭酸リチウムは0.13質量%(6.25g)、水は17質量%(850g)であった。なお、配合を以下の表1に示す。
(実施例3)
リンゴ酸及び炭酸リチウム粉体を、リンゴ酸濃度が20質量%で炭酸リチウム濃度が10質量%となるように予め水に溶解させた凝結調整剤混合水溶液3を調製した。
水の総量が850gとなるように、62.5ccの凝結調整剤混合水溶液3と水を混合して、混練水3を調製した。
超速硬モルタル粉体5000gに、該混練水3を添加して、均一に混練することによりセメント混練物3を得た。
得られたセメント混練物3中、超速硬モルタル粉体100質量部に対して含有されるリンゴ酸は0.25質量%(12.5g)、炭酸リチウムは0.13質量%(6.25g)、水は17質量%(850g)であった。なお、配合を以下の表1に示す。
なお、実施例1〜3の凝結調整剤混合水溶液のpHは全て5〜1の範囲内のpHを有していた。
(比較例1)
リンゴ酸12.5gを、850gの水に混合して、凝結遅延剤混合水溶液4を予め調製した。
超速硬セメントモルタル粉末5000gに、凝結遅延剤混合水溶液4を添加して、均一に混練することによりセメント混練物4を得た。
得られたセメント混練物4中、超速硬モルタル粉体100質量部に対して含有されるリンゴ酸は0.25質量%(12.5g)、炭酸リチウムは0質量%(0g)、水は17質量%(850g)であった。なお、配合を以下の表1に示す。
(比較例2)
炭酸リチウム粉体6.25gを超速硬モルタル粉体5000gに予め混合して、混合粉体5を調製した。
得られた混合粉体5に、水850gを配合して、均一に混練することによりセメント混練物5を調製した。
得られたセメント混練物5中、含有されるリンゴ酸は0質量%(0g)、炭酸リチウムは0.13質量%(6.25g)、水は17質量%(850g)であった。なお、配合を以下の表1に示す。
(比較例3)
炭酸リチウム粉体6.25gを超速硬モルタル粉体5000gに予め混合して、混合粉体6を調製した。
リンゴ酸12.5gを水850gに混合して、凝結遅延剤混合水溶液6を調製した。
得られた混合粉体6に、凝結遅延剤混合水溶液6を配合して、均一に混練することによりセメント混練物6を調製した。
得られたセメント混練物6中、超速硬モルタル粉体100質量部に対して含有されるリンゴ酸は0.25質量%(12.5g)、炭酸リチウムは0.13質量%(6.25g)、水は17質量%(850g)であった。なお、配合を以下の表1に示す。
(比較例4)
リンゴ酸12.5gと炭酸リチウム粉体6.25gを、850gの水に混合して、凝結調整剤混合水溶液7を予め調製した。
超速硬セメントモルタル粉末5000gに、凝結調整剤混合水溶液7を混練水として添加して、均一に混練することによりセメント混練物7を得た。
得られたセメント混練物7中、超速硬モルタル粉体100質量部に対して含有されるリンゴ酸は0.25質量%(12.5g)、炭酸リチウムは0.13質量%(6.25g)、水は17質量%(850g)であった。なお、配合を以下の表1に示す。
(比較例5)
リンゴ酸12.5gと炭酸リチウム粉体12.5gを、850gの水に混合して、凝結調整剤混合水溶液8を予め調製した。
超速硬セメントモルタル粉末5000gに、凝結調整剤混合水溶液8を混練水として添加して、均一に混練することによりセメント混練物8を得た。
得られたセメント混練物8中、超速硬モルタル粉体100質量部に対して含有されるリンゴ酸は0.25質量%(12.5g)、炭酸リチウムは0.26質量%(12.5g)、水は17質量%(850g)であった。なお、配合を以下の表1に示す。
(比較例6)
クエン酸及び炭酸リチウム粉体を、クエン酸濃度が5質量%で炭酸リチウム濃度が2.5質量%となるように予め水に溶解させた凝結調整剤混合水溶液9を調製した。
水の総量が850gとなるように、250ccの凝結調整剤混合水溶液9と水を混合して、混練水9を調製した。
超速硬モルタル粉体5000gに、該混練水9を添加して、均一に混練することによりセメント混練物9を得た。
得られたセメント混練物9中、超速硬モルタル粉体100質量部に対して含有されるクエン酸は0.25質量%(12.5g)、炭酸リチウムは0.13質量%(6.25g)、水は17質量%(850g)であった。なお、配合を以下の表1に示す。
(比較例7)
クエン酸及び炭酸リチウム粉体を、クエン酸濃度が10質量%で炭酸リチウム濃度が5質量%となるように予め水に溶解させた凝結調整剤混合水溶液10を調製した。
水の総量が850gとなるように、125ccの凝結調整剤混合水溶液10と水を混合して、混練水10を調製した。
超速硬モルタル粉体5000gに、該混練水10を添加して、均一に混練することによりセメント混練物10を得た。
得られたセメント混練物10中、超速硬モルタル粉体100質量部に対して含有されるクエン酸は0.25質量%(12.5g)、炭酸リチウムは0.13質量%(6.25g)、水は17質量%(850g)であった。なお、配合を以下の表1に示す。
(比較例8)
クエン酸及び炭酸リチウム粉体を、クエン酸濃度が20質量%で炭酸リチウム濃度が10質量%となるように予め水に溶解させた凝結調整剤混合水溶液11を調製した。
超速硬モルタル粉体5000gに、水の総量が850gとなるように、62.5ccの凝結調整剤混合水溶液11と水を直接混合して、混練することによりセメント混練物11を得た。
得られたセメント混練物11中、超速硬モルタル粉体100質量部に対して含有されるリンゴ酸は0.25質量%(12.5g)、炭酸リチウムは0.13質量%(6.25g)、水は17質量%(850g)であった。なお、配合を以下の表1に示す。
(比較例9)
リンゴ酸及び炭酸リチウム粉体を、リンゴ酸濃度が5質量%で炭酸リチウム濃度が2.5質量%となるように予め水に溶解させた凝結調整剤混合水溶液12を調製した。
水の総量が850gとなるように、250ccの凝結調整剤混合水溶液12と水とを、超速硬モルタル粉体5000gに、直接それぞれ添加して、混練することによりセメント混練物12を得た。
得られたセメント混練物12中、超速硬モルタル粉体100質量部に対して含有されるリンゴ酸は0.25質量%(12.5g)、炭酸リチウムは0.13質量%(6.25g)、水は17質量%(850g)であった。なお、配合を以下の表1に示す。
(比較例10)
リンゴ酸及び炭酸リチウム粉体を、リンゴ酸濃度が10質量%で炭酸リチウム濃度が5質量%となるように予め水に溶解させた凝結調整剤混合水溶液13を調製した。
水の総量が850gとなるように、125ccの凝結調整剤混合水溶液13と水とを、超速硬モルタル粉体5000gに、直接それぞれ添加して、混練することによりセメント混練物13を得た。
得られたセメント混練物13中、超速硬モルタル粉体100質量部に対して含有されるリンゴ酸は0.25質量%(12.5g)、炭酸リチウムは0.13質量%(6.25g)、水は17質量%(850g)であった。なお、配合を以下の表1に示す。
(比較例11)
リンゴ酸及び炭酸リチウム粉体を、リンゴ酸濃度が20質量%で炭酸リチウム濃度が10質量%となるように予め水に溶解させた凝結調整剤混合水溶液13を調製した。
水の総量が850gとなるように、62.5ccの凝結調整剤混合水溶液13と水とを、超速硬モルタル粉体5000gに、直接それぞれ添加して、混練することによりセメント混練物13を得た。
得られたセメント混練物13中、超速硬モルタル粉体100質量部に対して含有されるリンゴ酸は0.25質量%(12.5g)、炭酸リチウムは0.13質量%(6.25g)、水は17質量%(850g)であった。なお、配合を以下の表1に示す。
Figure 2017047639
(試験例)
実施例1〜3及び比較例1〜11で得られた各セメント混練物について、以下の試験を実施して、各性能を評価した。
(試験例1)凝結試験(硬化)
実施例1〜3及び比較例1〜11で得られた各セメント混練物について、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に規定された試験方法に基づき、凝結の始発時間及び終結時間を測定した。その結果を、下記表2に示す。
また、比較例1の凝結性能値を基準として、各セメント混練物について、以下の基準で評価を行った。
+++・・比較例1の基準値と比較して、始発及び終結時間が10分を超えて促進された場合
++・・・比較例1の基準値と比較して、始発及び終結時間が6分を超え10分以内で促進された場合
+・・・・比較例1の基準値よりも、始発及び終結時間が6分以内で促進された場合
0・・・・比較例1の基準値とほぼ同じ場合
−・・・・比較例1の基準値よりも劣る場合
(試験例2)強度試験
上記試験例1での凝結試験で、十分な可使時間が得られたセメント混練物について、強度試験を実施した。
具体的には、実施例1〜3、比較例1、比較例3〜5及び比較例9〜11の各セメント混練物について、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に規定された試験方法に基づき、材齢2時間における圧縮強度を測定した。なお、各セメント混練物について2回測定し、各測定結果及び平均値を、下記表2に示す。
また、比較例1の圧縮強度性能値を基準として、各セメント混練物の平均値について、以下の基準で評価を行った。
+++・・比較例1の基準値と比較して、2時間強度が1N/mm以上向上している場合
++・・・比較例1の基準値と比較して、2時間強度が0.5N/mm以上且つ1N/mm未満で向上している場合
+・・・・比較例1の基準値と比較して、2時間強度が0.5N/mm未満内で向上している場合
0・・・・比較例1の基準値とほぼ同じ場合
−・・・・比較例1の基準値よりも劣る場合
Figure 2017047639
上記表2より、本発明の凝結調整剤のセメント組成物への添加方法により得られた実施例のセメント混練物は、凝結調整性能に優れるとともに、早期強度発現性に優れることがわかる。
比較例3のように、炭酸リチウム粉体を超速硬モルタル粉体と混合し、またリンゴ酸を配合する混練水と混合した場合には、凝結性能が向上せず、また比較例4及び比較例5のように、リンゴ酸と炭酸リチウムを混練水全体に添加する場合には、凝結調整性能はかわらず、また強度発現性が向上しないことがわかる。
また、比較例2のように、リンゴ酸を用いない場合や、比較例6〜8のように、クエン酸を用いても、クエン酸と炭酸リチウムの組み合わせでは十分な可使時間が取れず、また比較例9〜11のように、凝結調整剤混合水溶液を直接セメント組成物に添加配合した場合では、凝結調整剤が均質に配合されないため、強度発現性に劣ることがわかる。これは、凝結調整剤がセメントに対して局所的に作用し、部分的に促進又は遅延が発生し、高強度が発現しにくいものと推測される。
本発明のセメント組成物への凝結調整剤の添加方法を適用して得られたセメント混練物は、シールドトンネル等の裏込め、橋梁やダム、道路舗装体や河川の護岸等の土木構造体や建築構造体の種々の用途、特に緊急工事や補修工事等に適用することができる。

Claims (4)

  1. リンゴ酸及び炭酸リチウムを水に添加して、リンゴ酸濃度が5〜20質量%で炭酸リチウム濃度が2.5〜10質量%の凝結調整剤混合水溶液を予め調製し、該凝結調整剤混合水溶液を、セメント混練物を調製するために添加する混練水の一部としてセメント組成物に配合することを特徴とする、セメント組成物への凝結調整剤の添加方法。
  2. 請求項1記載のセメント組成物への凝結調整剤の添加方法において、前記凝結調整剤混合水溶液を水と混合して予め混練水を調製し、該混練水をセメント組成物に配合することを特徴とする、セメント組成物への凝結調整剤の添加方法。
  3. 請求項1又は2記載のセメント組成物への凝結調整剤の添加方法において、凝結調整剤混合水溶液のpHは1〜5であることを特徴とする、セメント組成物への凝結調整剤の添加方法。
  4. 請求項1乃至3いずれかの項記載のセメント組成物への凝結調整剤の添加方法において、セメント組成物は、超速硬セメント組成物であることを特徴とする、セメント組成物への凝結調整剤の添加方法。
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