JP2005060138A - プレライニング用急硬セメントコンクリート、プレライニング用急結セメントコンクリート、及びそれを用いたプレライニング工法 - Google Patents

プレライニング用急硬セメントコンクリート、プレライニング用急結セメントコンクリート、及びそれを用いたプレライニング工法 Download PDF

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Abstract

【課題】プレライニング工法において、(1)流動性が高く掘削溝やスリットへの大量のセメントコンクリートの圧送や充填作業等が容易にできる、(2)セメントコンクリート打設時に、型枠とセメントコンクリート覆工体の間の隙間やジャンカ等の欠陥が発生しにくい等の特徴を有するプレライニング用急結セメントコンクリートを提供する。
【解決手段】 高性能減水剤、セメント、急硬材、及び液状凝結調整剤を含有するプレライニング用急硬セメントコンクリート及びそれを用いることを特徴とするプレライニング用急結セメントコンクリート。本発明のプレライニング用急結セメントコンクリートは、流動性が高く圧送及び掘削溝への隙間ない充填作業等が容易にでき、強度発現が速やかで、しかも初期から4週にかけての強度が十分高いので、超大断面、扁平断面、高深度トンネルにおけるプレライニング工法に適する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、トンネル外周面を先受けするセメントコンクリート覆工体を切羽の前方に構築するためのプレライニング工法において採用されるプレライニング用急硬セメントコンクリート、プレライニング用急結セメントコンクリート、及びそれを用いたプレライニング工法に関する。なお、本発明のセメントコンクリートとは、モルタル及びコンクリートを総称するものである。また、本発明における部や%は、特に規定のない限り質量基準である。
トンネルの構築等、地下を掘削する際の工法の一つとして、プレライニング工法と呼ばれる工法が用いられている。プレライニング工法とは、通常、トンネル等の外周面を先受けする型枠にセメントコンクリート(以下、スリットコンクリートともいう)を流し込んで、セメントコンクリート覆工体(以下、スリットともいう)を切羽の前方に形成し、このセメントコンクリート覆工体に覆われた部分を掘削しつつ、トンネル等をその掘削方向に順次構築していく工法である。
かかるセメントコンクリート覆工体は、例えば、チェーンカッター等の細溝掘削機械を用いて、トンネル外周に沿って所定幅の掘削溝を順次形成するとともに、当該掘削溝にセメントコンクリート圧送管を通じてスリットコンクリートを充填打設する工程を、トンネル外周面の円周方向に沿って順次行い、一体なセメントコンクリート覆工体として形成される(特許文献1、2等参照)。
プレライニング工法において、スリットコンクリートを打設してセメントコンクリート覆工体とする方法としては、現場プラント又は工場プラントで、あらかじめ急硬材や凝結調整剤等を添加したプレライニング用急硬セメントコンクリートを調製し、該プレライニング用急硬セメントコンクリートを生コン車等で運搬し、コンクリートポンプ等により該急硬セメントコンクリートを生コン車等から打設現場までコンクリート圧送管を介して圧送し、切羽の直前においてこの圧送中のセメントコンクリートに急結剤を合流混合して打設する方法が用いられていた(特許文献2〜4参照等)。
しかしながら、このような方法で形成されたセメントコンクリート覆工体は、トンネルの施工に際し大きな荷重が発生する用途では、荷重に対する強度が不足することがあった。また、このような大きな荷重は、超大断面や扁平断面のトンネル等において特に発生しやすく、プレライニング用急結セメントコンクリート硬化体の圧縮強度を改善してほしいというニーズが常に存在する。
このように、トンネルの施工に際し大きな荷重が発生することが予想される工事、すなわち超大断面、扁平断面、又は高深度のトンネル等の工事では、プレライニング工法を効率よく速やかに行うためのセメントコンクリートに必要とされる条件として、(1)流動性が高く掘削溝やスリットへ大量のセメントコンクリートの圧送や充填作業等が容易にできる、(2)セメントコンクリート打設時に、型枠とセメントコンクリート覆工体の間の隙間やジャンカ等の欠陥が発生しにくい、(3)強度発現性が速やかで、しかも(4)硬化した際の強度が十分に高いこと等が挙げられる。
すなわち、プレライニング工法において、プレライニング用急硬セメントコンクリートは、生コン車から施工現場まで、少なくとも数十メートルの距離を、過剰圧力や、詰まりを発生することなく、短時間で大量に圧送できることや、掘削溝に隙間やジャンカ等を発生することがなく、均一に充填できる流動性を有することが求められる。また、急結剤を混合した直後も、ただちに硬化すると、型枠とセメントコンクリート覆工体の間に隙間が発生したり、ジャンカが発生する原因となるため、均一に充填打設するためには、少なくとも数分間以上の間、充填に必要な流動性を備えることが要求される。
セメントコンクリート覆工体は、掘削溝を形成し、これに充填打設する工程を円周方向に繰り返して一体形成されるので、このような工程を順次連続して繰り返すことができるよう、打設したセメントコンクリートが、充填打設したセメントコンクリートの切羽側の端面を押さえる型枠である妻型枠を外せる程度の自立性を打設後5〜10分程度の短時間で速やかに発現できることが好ましいとされている。
セメントコンクリート覆工体の形成後、該セメントコンクリート覆工体によって覆われた部分を速やかに掘削できるよう、例えば、打設後4〜6時間程度で外周地山の土圧に耐え得る強度を発現できることが要求される。
このように、プレライニング用急硬セメントコンクリートは、生コン車から型枠に充填するまでは、配管等を詰まらせることや、欠陥なく流動性を保持することが要求され、打設時は隙間やジャンカなどの欠陥を発生させることなく、打設後は数分程度に速やかに硬化を開始し、数時間でトンネルのライニングとしての機能を満足する強度を発現し得ることが要求される。
しかしながら、特許文献2等の処方をもとに、更なる強度増加を目的として、単に急硬材の使用量を増やしたり(特許文献4参照)、水/結合材比を下げただけでは、スリットコンクリートに要求される流動性が確保できず、圧送中に配管が詰まったり、過剰圧力により圧送作業が中断されるという課題や、型枠とセメントコンクリート覆工体の間に隙間やジャンカ等が発生し、覆工体中に欠陥が発生しやすくなる等の課題があった。
そこで、本発明者らが鋭意検討した結果、特定の配合のプレライニング用急硬セメントコンクリートやプレライニング用急結セメントコンクリートが、(1)流動性が高く掘削溝やスリットへ大量のセメントコンクリートの圧送や充填作業等が容易にでき、(2)セメントコンクリート打設時に、型枠とセメントコンクリート覆工体の間の隙間やジャンカ等の欠陥が発生しにくく、(3)強度発現性が速やかで、しかも(4)硬化した際の強度が十分に高いことを知見して本発明を完成するに至った。
特開平05-025995号公報 特開2002-047049号公報 特開平06-212877号公報 特願2002-030741号
トンネルの施工でセメントコンクリート覆工体を形成することを特徴とするプレライニング工法において、(1)流動性が高く掘削溝やスリットへの隙間ない大量のセメントコンクリートの圧送や充填作業等が容易にでき、(2)セメントコンクリート打設時に、型枠と覆工体の間の隙間やジャンカ等の欠陥が発生しにくく、(3)強度発現性が速やかで、しかも(4)硬化した際の強度が十分に高い等の特徴を有する、プレライニング用途に適した急硬性セメントコンクリートやそれを用いたプレライニング工法を提供する。
本発明は、高性能減水剤、セメント、急硬材、及び液状凝結調整剤を含有するプレライニング用急硬セメントコンクリートであり、セメント100部に対して急硬材を14〜25部含有することを特徴とする該プレライニング用急硬セメントコンクリートであり、アルカリ金属炭酸塩と有機酸類を含有する液状凝結調整剤を含有する該プレライニング用急硬セメントコンクリートであり、該プレライニング用急硬セメントコンクリート及び液体急結剤を含有するプレライニング用急結セメントコンクリートであり、該プレライニング用急硬セメントコンクリートを圧送し、切羽手前で液体急結剤を合流混合し、打設箇所にて硬化させる工程を含むことを特徴とする、プレライニング工法である。
プレライニング用急硬セメントコンクリートは、セメント、急硬材、液状凝結調整剤、及び高性能減水剤等を含有するものである。
プレライニング用急硬セメントコンクリートでは、水/結合材比を小さくすることが好ましい。ここでいう結合材とは、セメント及び急硬材を指すものであり、また、高炉水砕スラグやシリカヒュームやフライアッシュ等の潜在水硬性物質を併用した場合は、これらの物質も結合材に含めるものとする。水はプレライニング用急硬セメントコンクリートに含まれる水分全部の合計であり、液状凝結調整剤中の水分や、各種混和材料等に含まれる水分も含む。
プレライニング用急硬セメントコンクリートの水/結合材比は特に限定されないが、30〜45%が好ましい。水/結合材比が30%未満ではプレライニング用急硬セメントコンクリート等の混練や圧送が困難となる場合があり、45%を超えると、強度発現性が低下することがある。
高性能減水剤とは、例えばアルキルアリルスルホン酸系、ナフタレンスルホン酸系、メラミンスルホン酸系、リグニンスルホン酸系、ポリカルボン酸系及びポリエチレングリコール系等の高性能減水剤(高性能AE減水剤を含む)が挙げられ、セメント、急硬材、及び水等を含有し、さらに水/結合材比45%以下であるプレライニング用急硬セメントの初期のスランプ値を高い値、たとえば初期のスランプ値を18cm以上とすることができることが重要である。
高性能減水剤には、液体状や粉末状で、その成分も多様なものが市販されており、いずれも使用可能であるが、強度発現性や、プレライニング用急硬セメントコンクリートの流動性確保等がしやすく、プレライニング用急結セメントコンクリート充填時の覆工体と型枠の隙間やジャンカなどの欠陥の発生を抑制する等の観点から、ポリカルボン酸系及びポリエチレングリコール系が好ましく、ポリエチレングリコール系が最も好ましい。
高性能減水剤の使用量は、高性能減水剤の成分等により左右されるため、特に限定されないが、結合材100部に対して1〜2部とすることが好ましい。高性能減水剤の使用量が少ないと、圧送時にコンクリートポンプに過剰な圧力がかかったり、セメントコンクリート覆工体と型枠の間の隙間やジャンカなどの欠陥が発生する原因となることがあり、多いと更なる効果が期待できず、また、コストアップの要因となることがある。
急硬材は、セメントの水和反応を促進して短時間に硬化させるために用いるもので、カルシウムアルミネート及び硫酸カルシウム等を主体とするものが広く用いられている。また、カルシウムアルミネートの代わりにカルシウムサルホアルミネート等を用いてもよい。
カルシウムアルミネートとは、カルシアを含む原料と、アルミナを含む原料等を混合して、キルンでの焼成や電気炉での溶融等の熱処理をして得られるもので、CaOとAl2O3を主たる成分とし、水和活性を有する物質の総称である。CaO及び/又はAl2O3の一部が、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化鉄、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属硫酸塩、及びアルカリ土類金属硫酸塩等と置換した化合物、あるいは、CaOとAl2O3を主成分とするものに、これらが少量固溶した物質であってもよい。鉱物形態としては、結晶質又は非晶質のいずれであってもよい。
CaOとAl2O3の比率は、CaO/Al2O3モル比で1〜3が好ましく、1.5〜2.5がより好ましい。CaO/Al2O3モル比が1未満では急硬性が低下することがあり、CaO/Al2O3モル比が3を超えると過剰なCaOが不純物となることがある。これらの中では、反応活性の面で、12CaO・7Al2O3(以下、C12A7という)組成に対応する熱処理物を急冷した非晶質カルシウムアルミネートが更に好ましい。
カルシウムアルミネートの粒度は、初期強度発現性の面で、ブレーン比表面積値(以下、ブレーン値という)で4,000cm2/g以上が好ましく、5,000〜8,000cm2/g以上がより好ましい。4,000cm2/g未満では初期強度発現性が低下する場合があり、8,000cm2/gを超えると過剰な粉砕動力が必要となる場合がある。
硫酸カルシウムとしては、無水、半水、及び2水の石膏が挙げられ、そのうち、強度発現性が大きい面で、無水石膏が好ましく、無水石膏の中でも特にII型無水石膏や天然無水石膏がより好ましい。
硫酸カルシウムの粒度は、ブレーン値で3,000cm2/g以上が好ましく、4,000〜8,000cm2/gがより好ましい。3,000cm2/g未満では初期強度発現性が低下する場合があり、8,000cm2/gを超えると過剰な粉砕動力が必要となる場合がある。
硫酸カルシウムの使用量は、結晶水を除いた無水石膏換算値で、カルシウムアルミネート100部に対して、70〜150部が好ましく、90〜110部がより好ましい。硫酸カルシウムの使用量が少ないとプレライニング用急硬セメントコンクリートの流動性保持が困難となり、初期強度発現性が低下する場合があり、多いと短期強度発現性が悪くなる場合がある。
硫酸カルシウム及びカルシウムアルミネートを主体とする急硬材の使用量は特に限定されないが、セメント100部に対して、14〜25部とすることが好ましく、20〜25部が好ましい。急硬材の使用量が少ないと施工条件に十分な初期強度発現性が顕著でない場合があり、多いと長期強度が低下する場合がある。
液状凝結調整剤とは、プレライニング用急硬セメントコンクリートのハンドリングを調整するものであり、アルカリ金属炭酸塩と有機酸類を含有する凝結調整剤の水溶液又はスラリーをいう。
液状凝結調整剤としては、プレライニング用急硬セメントコンクリートの混練水にアルカリ金属炭酸塩と有機酸類を添加したものを使用することも可能である。
アルカリ金属炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、及び重炭酸ナトリウム等が挙げられ、これらのうちの一種又は二種以上が使用可能である。これらの中では、プレライニング用急硬セメントコンクリートの可使時間が長く、初期強度発現性がよく、プレライニング用急硬セメントコンクリートが硬化しやすいなどの点から、炭酸カリウムが好ましい。
有機酸類としては、例えば、グルコン酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、及び乳酸又はこれらの塩等が挙げられ、これらのうちの一種又は二種以上が使用可能である。これらの中では、プレライニング用急硬セメントコンクリートの流動性保持が容易で、初期強度発現性がよい面などの点から、クエン酸やグルコン酸又はこれらの塩が好ましい。
アルカリ金属炭酸塩の使用量は、凝結調整剤100部中、50〜85部が好ましく、60〜80部がより好ましい。50部未満ではプレライニング用急硬セメントコンクリートの可使時間は長くなるが、初期強度発現性が低下し、プレライニング用急硬セメントコンクリートが硬化しにくい場合があり、85部を超えるとプレライニング用急硬セメントコンクリートのフロー保持やスランプ保持が困難となる場合がある。
有機酸類の使用量は、凝結調整剤100部中、50〜15部が好ましく、40〜20部がより好ましい。有機酸類の使用量が15部未満ではプレライニング用急硬セメントコンクリートのフロー保持やスランプ保持が困難となる場合があり、50部を超えるとプレライニング用急硬セメントコンクリートの可使時間は長くなるが、初期強度発現性が低下し、急結セメントコンクリートが硬化しにくい場合がある。
液状凝結調整剤の配合は、水100部に対してアルカリ金属炭酸塩及び有機酸類を主体とする凝結調整剤の固形成分が10〜95部であることが好ましく、35〜50部がより好ましい。液状凝結調整剤が少ないとプレライニング用急硬セメントコンクリートの流動性を保持したり、スランプを保持するために必要とする液状凝結調整剤の使用量が多くなるために、水/液状凝結調整剤比が高くなり、プレライニング用急結セメントコンクリートの強度発現性が低下する場合があり、液状凝結調整剤が多いと凝結調整剤が析出する場合がある。
液状凝結調整剤の使用量は、施工温度(環境温度)により変わるので一義的には決定できるものではないが、結合材100部に対して、固形分換算で0.1〜2.0部が好ましく、1.0〜1.6部がより好ましい。液状凝結調整剤の使用量が少ないと流動性の確保が難しい場合があり、多いと初期強度発現性が低下する場合がある。
本発明では、プレライニング用急硬セメントコンクリートの凝結や硬化を促進するために、プレライニング用急硬セメントコンクリートと液体急結剤とを圧送し、合流混合してプレライニング用急結セメントコンクリートとして打設する。
本発明で使用する液体急結剤は、あらかじめ急結剤と水を混合したもので、プレライニング用急硬セメントコンクリート中に均一に分散しやすいものである。
液体急結剤としては、例えば、アルミン酸ナトリウムやアルミン酸カリウム等のアルミン酸塩、硫酸アルミニウム等のアルミニウム塩、及びケイ酸ナトリウム(水ガラス)等が挙げられ、本発明ではこれらのうちの一種又は二種以上が使用可能である。これらの中では、強度発現性と流動性が確保できる面で、アルミン酸カリウムが好ましい。
液体急結剤の固形分濃度は、30〜55%が好ましく、40〜50%がより好ましい。30%未満では強度発現性が低下する場合があり、55%を超えると自立時間が短かすぎて流動性が確保しにくい場合がある。
液体急結剤の使用量は、セメントと急硬材の合計100部に対して、固形分換算で0.5〜5部が好ましく、1〜2.5部がより好ましい。0.5部未満では急結性が不足し初期強度発現性が低下する場合があり、5部を超えると強度が不足する場合がある。
セメントとしては、特に制限されないが、ポルトランドセメントを含むセメントが好ましく、例えば、通常市販されている普通、早強、中庸熱、及び超早強等の各種ポルトランドセメント、これらポルトランドセメントにフライアッシュ又は高炉スラグ等を混合した各種混合セメント、各種混合セメントを微粉末化したもの、並びに、市販の微粒子セメント等が挙げられる。
本発明は、セメント、急硬材、液状凝結調整剤等を主体とする本発明のプレライニング用急硬セメントコンクリートを圧送し、さらに切羽手前で液体急結剤と合流混合して本発明のプレライニング用急結セメントコンクリートとし、該プレライニング用急結セメントコンクリートを打設箇所へ充填打設するプレライニング工法である。
本発明では、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、又はシリカヒューム等の混和材料、細骨材、粗骨材、安定化剤、防凍剤、AE剤、増粘剤、又は各種微粉等の各種混和材料を本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で併用することが可能である。
本発明のプレライニング用急結セメントコンクリートは、流動性が高く圧送及び掘削溝への隙間ない充填作業等が容易にでき、強度発現が速やかで、しかも初期から4週にかけての強度が十分高いので、超大断面、扁平断面、高深度トンネルにおけるプレライニング工法に適する。
パン型強制ミキサを用いて、セメント、急硬材、粗骨材、水、高性能減水材及び液状凝結調整剤を配合し、更に細骨材(残部、約800〜900kg/m3)をプレライニング用セメントコンクリートの打設用設備(以下、実機という)で混合し、表1に示す急硬コンクリートを調製した。
<使用材料>
セメント(C) :普通ポルトランドセメント、比表面積3,200cm2/g、密度3.16g/cm3
急硬材(P) :非晶質カルシウムアルミネートC12A7及び無水石膏を主体。
凝結調整剤(D):アルカリ炭酸塩及びクエン酸を主体。
細骨材(S) :田川産、密度2.56g/cm3、吸水率1.97%、F.M.;2.34
粗骨材(G) :足柄産、密度2.58g/cm3、吸水率2.97%、最大粒径15mm
高性能減水剤(F):ポリエチレングリコール系、商品名「FTN−30W」、グレースケミカルズ株式会社製。
水(W) :水道水
Figure 2005060138
調整した急硬コンクリートをJIS A 1101に従って行い、混練直後から30分おきに150分までのスランプ値の経時変化を測定した結果を表2に示す。なお、急硬コンクリートの練混ぜや測定は、20℃、相対湿度80%の恒温室内で行った。また、従来の標準的な配合の1つを実験No.1-1とし、その配合及び評価結果を表1〜表3に併記する
<測定方法>
スランプ経時変化:スランプ値の測定はJIS A 1101に準拠。混練直後から30分おきに150分までの経時変化を測定した。室温20℃、相対湿度80%の恒温室内で行った。
Figure 2005060138
注:表中の−印は、コンクリートが硬化し、スランプ値が測定不能となったことを示す。
さらに、調製した急硬コンクリートと、急硬コンクリート1m3あたり16kgの液体急結剤を圧送し、Y字管で合流混合して急結コンクリートを調製した。但し、急硬コンクリートの(2)及び(3)は圧送時に脈流が発生し、安定して圧送できなかったため、手作業で液体急結剤と混練した。
<使用材料>
液体急結剤(L) :アルミン酸カリウムを主体。
<評価方法>
急結コンクリートの圧縮強度:急結コンクリートでφ10cm×20cmの円柱形の成形体を作製し、JIS A 1108に従い圧縮強度を測定した。
充填性:幅3m、高さ3m、長さ5mの模擬トンネル内に厚さ10cmのライニングの型枠を構築し、プレライニング用急結コンクリートを充填し、目視にて、型枠とコンクリート覆工体の隙間の有無及びジャンカの有無を確認した。
Figure 2005060138
注:実験No.3-2及びNo.3-3は急硬コンクリートを安定して圧送できないため、実機で試験できず、
手作業で混練した。
実施例1の配合(2)における高性能減水剤の種類を変え、急硬コンクリートの流動性の保持性状を確認した。配合を表3に、経時変化の結果を表4及び図2に示す。なお、試験方法、試験の測定方法、及び使用した材料は、実施例1と同様である。
Figure 2005060138
注:急硬コンクリートの配合No.(4)-1〜.(4)-3の配合は、表1の(4)の配合と同様である。
但し、急硬コンクリートの配合No.(4)-1〜.(4)-3の高性能減水剤の種類は
(4)-1:ポリエチレングリコール系
(4)-2:ポリカルボン酸系
(4)-3:ナフタレンスルホン酸系
Figure 2005060138
注:(1)実験No.5-2は実機では急硬コンクリートを安定して混合できないため、手作業で混練した。
(2)表中の「−」は急硬コンクリートが硬化し、評価不能となったことを示す。
実施例1の(2)の配合においてセメントに対する急硬材の添加量を変化させた。配合を表6に示す。また、急結コンクリートの圧縮強度及び充填性の評価を実施例1と同様に評価した結果を表7に示す。
Figure 2005060138
Figure 2005060138
注:実験No.7-1は急硬コンクリートを安定して圧送できないため、手作業で混練した。また、実験No.7-1は均一に充填できず、型枠とコンクリート覆工体の間に隙間が発生していた。
本発明プレライニング用急結セメントコンクリートは、流動性が高く圧送及び掘削溝への大量の充填作業等が容易にでき、ジャンカや、型枠とセメントコンクリート覆工体の間に隙間が発生しにくく、強度発現が速やかで、しかも初期から4週にかけての強度が十分高いので、超大断面、扁平断面、高深度トンネルにおけるプレライニング工法に適する。

Claims (5)

  1. 高性能減水剤、セメント、急硬材、及び液状凝結調整剤を含有するプレライニング用急硬セメントコンクリート。
  2. セメント100部に対して急硬材を14〜25部含有することを特徴とする請求項1記載のプレライニング用急硬セメントコンクリート。
  3. アルカリ金属炭酸塩と有機酸類を含有する液状凝結調整剤を含有する請求項1又は請求項2記載のプレライニング用急硬セメントコンクリート。
  4. 請求項1〜請求項3のうちの1項記載のプレライニング用急硬セメントコンクリート及び液体急結剤を含有するプレライニング用急結セメントコンクリート。
  5. 請求項1〜請求項3のうちの1項記載のプレライニング用急硬セメントコンクリートを圧送し、液体急結剤を合流混合させてプレライニング用急結セメントコンクリートとして打設し、硬化させる工程を含むことを特徴とするプレライニング工法。

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