JP2017046569A - アクチュエータ及びそれを用いたレンズ鏡筒 - Google Patents
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Abstract
【課題】レンズ鏡筒の小型化に有効であるアクチュエータを提供する。【解決手段】アクチュエータ110は、y駆動マグネット66bと、y駆動マグネット66bとの間で吸引力が発生し、y駆動マグネット66bの磁化方向と垂直な面内でy駆動マグネット66bに対して相対的に移動可能なyヨーク68bとを有している。yヨーク68bは、平坦部68b1と、平坦部68b1からy駆動マグネット66bの方向に突出した凸部68b2とを有している。凸部68b2は、平坦部68b1の中央領域に設けられている。【選択図】図4D
Description
本開示は、電磁駆動方式のアクチュエータ及びそれを用いたレンズ鏡筒に関する。
特許文献1は、往復型リニアアクチュエータを開示する。この往復型リニアアクチュエータは、巻線を備えた固定子と、永久磁石を備えて固定子に対してギャップを介して対向するとともに往復運動可能に支持されている可動子とからなる。可動子は永久磁石の固定子と反対側の磁極同士がヨークで磁気的に接続され、可動子のヨークはその往復動方向の両端及び永久磁石の往復動方向に並ぶ異極間に固定子側に向けて突出する突起を有している。これにより、大型化を招くことなく磁気抵抗の減少による推力の向上を図ることができる。
本開示は、レンズ鏡筒の小型化に有効であるアクチュエータ及びレンズ鏡筒を提供する。
本開示におけるアクチュエータは、磁石とヨークとを有している。ヨークは、磁石との間で吸引力が発生する。磁石及びヨークの少なくとも一方は、磁石の磁化方向と垂直な面内で他方に対して相対的に移動可能である。ヨークは、平坦部と、平坦部から磁石の方向に突出した凸部とを有している。凸部は平坦部の中央領域に設けられている。
本開示におけるレンズ鏡筒は,像ぶれ補正装置を備えている。像ぶれ補正装置は、ベース部材と、可動部材と、磁石とヨークとを有している。可動部材には、レンズが固定される。ヨークは、磁石との間で吸引力が発生する。磁石及びヨークの少なくとも一方は、磁石の磁化方向と垂直な面内で他方に対して相対的に移動可能である。ヨークは、平坦部と、平坦部から磁石の方向に突出した凸部とを有している。凸部は平坦部の中央領域に設けられている。磁石とヨークのうちの一方が可動部材に設けられ、他方がベース部材に設けられている。
本開示におけるアクチュエータ及びレンズ鏡筒は、磁石とヨークとが相対的に移動するとき、スラスト吸引力の変化を小さくすることができ、コギング力を小さくすることができるので、レンズ鏡筒の小型化に有効である。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
(実施の形態1)
以下、図面を用いて、実施の形態1を説明する。
以下、図面を用いて、実施の形態1を説明する。
[1.レンズ鏡筒の構成]
図1A、図1Bは、本実施の形態におけるレンズ鏡筒100の斜視図である。図1Aは収納時のレンズ鏡筒100を示しており、図1Bは撮影時のレンズ鏡筒100を示している。
図1A、図1Bは、本実施の形態におけるレンズ鏡筒100の斜視図である。図1Aは収納時のレンズ鏡筒100を示しており、図1Bは撮影時のレンズ鏡筒100を示している。
図2は、本実施の形態におけるレンズ鏡筒100の分解斜視図である。レンズ鏡筒100は、撮像素子11に光を結像させる光学系をズーミング可能に保持する。本実施の形態では、便宜上、レンズ鏡筒100がカメラ本体に取り付けられた場合において、レンズ鏡筒100の光軸AXに平行な方向(光軸方向)における被写体側を「前」又は「z軸方向の正」とし、光軸方向におけるカメラ本体側を「後」又は「z軸方向の負」とする。光軸方向に被写体側から見て右側を「右」又は「x軸方向の正」とし、光軸方向に被写体側から見て左側を「左」又は「x軸方向の負」とする。光軸方向に被写体側から見て上側を「上」又は「y軸方向の正」とし、光軸方向に被写体側から見て下側を「下」又は「y軸方向の負」として説明する。
また、特段の説明が無い限り、光軸AXに平行な方向を「光軸方向」、光軸方向に垂直な方向を「径方向」、光軸AXを中心とする円に沿った方向を「周方向」と称する。光軸AXは、レンズ鏡筒100を構成する各枠の軸心と略一致する。
さらに、特段の説明が無い限り、「直進」とは、周方向に回転することなく光軸方向に移動することを意味する。「移動」は、周方向に回転しながら光軸方向に移動することも含む概念である。
図2においてレンズ鏡筒100は、撮像素子ユニット10、マスターフランジ20、5群ユニット30、カム枠40、4群ユニット50、3群ユニット60、中枠70、2群ユニット80および1群ユニット90を備える。
撮像素子ユニット10は、撮像素子11とフレキシブルプリント基板12とを備える。撮像素子11は、複数の光学素子で構成された光学系により結像された光を電気信号に変換する。フレキシブルプリント基板12は、撮像素子11と本体回路とを接続する。
マスターフランジ20は、カメラ本体に取り付けられる部材である。マスターフランジ20は、略円筒状であり、後端面の後側に撮像素子ユニット10が取り付けられる。また、マスターフランジ20は、カム枠40と、ズームモータユニット21と、を保持している。ズームモータユニット21は、駆動ギア22と、駆動ギア22を回転駆動するズームモータ23とを備える。ズームモータユニット21は、マスターフランジ20の後端面の前側に取り付けられる。カム枠40は、マスターフランジ20に、光軸方向へ移動不能かつ光軸回りに回転可能に保持される。
5群ユニット30は、変倍作用を持つレンズを保持している。5群ユニット30は、径方向へ突出した5群カムフォロア32を有する。5群カムフォロア32は、中枠70の3群/5群直進溝71に挿通されてカム枠40内周の5群カム溝(図示せず)に係合されている。カム枠40の回転により5群カムフォロア32が5群カム溝に案内されることで、5群ユニット30は、光軸方向へ直進する。
カム枠40は、内周面にヘリコイド溝41、3群カム溝42、2群カム溝43、5群カム溝および被駆動ギア(図示せず)を有し、外周面に1群カム溝44を有する。ヘリコイド溝41は、内周面における前側に、前端部から螺旋状に形成されている。ヘリコイド溝41は、ヘリコイド突起72と係合されている。カム枠40の回転によりヘリコイド溝41にヘリコイド突起72が案内されることで、中枠70が光軸AX回りに回転しながら光軸方向へ移動する。2群カム溝43は、内周面における前側に、前端部からヘリコイド溝41と交差するように形成されている。2群カム溝43は、2群カムフォロア81と係合される。カム枠40の回転により2群カム溝43に2群カムフォロア81が案内されることで、2群ユニット80が光軸方向へ直進する。3群カム溝42は、内周面における光軸方向の中間付近に形成されている。3群カム溝42は、3群カムフォロア62と係合される。カム枠40の回転により3群カム溝42に3群カムフォロア62が案内されることで、3群ユニット60が光軸方向へ直進する。5群カム溝は、後端部に形成されている。カム枠40の回転により5群カム溝に案内されることで、5群ユニット30が光軸方向へ直進する。被駆動ギアは、内周面の後側に後端部まで形成されている。被駆動ギアは、ズームモータユニット21の駆動ギア22と噛み合う。ズームモータ23により駆動ギア22が回転されることで、カム枠40全体が回転駆動される。1群カム溝44は、外周面の前端部から後端部付近まで形成されている。1群カム溝44は、1群カムフォロア(図示せず)と係合される。カム枠40の回転により1群カム溝44に1群カムフォロアが案内されることで、1群ユニット90が光軸方向へ直進する。
4群ユニット50は、フォーカス調整を行うためのレンズを保持している。4群ユニット50は、フォーカス調整を行うために、フォーカスモータユニット51により光軸方向へ直進される。フォーカスモータユニット51は、リードスクリューと、リードスクリューを回転駆動するフォーカスモータとを有する。リードスクリューは、フォーカスモータのモータ軸に直結されている。4群ユニット50は、リードスクリューと係合されるラックを有する。4群ユニット50は、リードスクリューの回転駆動により、光軸方向へ直進される。
3群ユニット60は、3群枠61を有し、3群枠61の外周面に、3群カムフォロア62を有する。3群カムフォロア62は、3群枠61から径方向へ突出している。3群カムフォロア62は、中枠70の3群/5群直進溝71に挿通されてカム枠40の3群カム溝42に係合されている。カム枠40の回転により3群カムフォロア62が3群カム溝42に案内されることで、3群ユニット60は、光軸方向へ直進する。
中枠70は、略円筒状であり、外周面の後側に、4群ユニット50を駆動するためのフォーカスモータユニット51を保持する。中枠70は、前端部に外径方向へ立設されたフランジ部を有する。フランジ部には、外径方向へ立設された直進突起が形成されている。直進突起は、1群ユニット90の内周面に形成された直進溝と係合され、1群ユニット90を直進案内する。中枠70は、外周面に、フランジ部の後側からフォーカスモータユニット51の前側までの間に、螺旋状のヘリコイド突起72を有する。ヘリコイド突起72は、カム枠40のヘリコイド溝41と係合される。中枠70は、内周面から外周面に貫通した3群/5群直進溝71及び2群直進溝73を有する。3群/5群直進溝71は、ヘリコイド突起72の後側から後端まで形成されている。また、3群/5群直進溝71には3群カムフォロア62及び5群カムフォロア32と係合され、カム枠40の回転により3群ユニット60及び5群ユニット30が直進案内される。2群直進溝73は、前端部からヘリコイド突起72より後側まで設けられている。2群直進溝73には2群カムフォロア81が係合され、カム枠40の回転により2群ユニット80が直進案内される。
2群ユニット80は、略円筒状であり、前端面にズームを行うためのレンズが固定されている。2群ユニット80は、外周面に2群カムフォロア81を有する。2群カムフォロア81は、2群直進溝73に挿通されて2群カム溝43と係合されている。カム枠40の回転により2群カムフォロア81が2群カム溝43に案内されることで、2群ユニット80が直進される。
1群ユニット90は、略円筒状であり、前端面にズームを行うためのレンズが固定されている。1群ユニット90は、内周面に直進溝及び1群カムフォロアを有し、中枠70のフランジ部に形成された直進突起により、直進案内される。また、1群カムフォロアは、カム枠40の1群カム溝44と係合される。カム枠40の回転により1群カムフォロアが1群カム溝44に案内されることで、1群ユニット90が光軸方向へ直進する。
以上のように、レンズ鏡筒100は、カム枠40を所定の角度に回転することにより、1群ユニット90、2群ユニット80、3群ユニット60、5群ユニット30が所定の位置に移動されることで、ズーミングが行われる。また、レンズ鏡筒100は、フォーカスモータユニット51で4群ユニット50が所定の位置に直進されることにより、フォーカス調整が行われる。
[2.3群ユニットの詳細構成]
以下、図3及び図4を用いて、本開示における実施の形態の像ぶれ補正装置について説明する。
以下、図3及び図4を用いて、本開示における実施の形態の像ぶれ補正装置について説明する。
図3は、本実施の形態における3群ユニット60の分解斜視図である。図3に示すように、3群ユニット60は、ベース部601と、可動部602と、シャッター部603とから構成される。
ベース部601は、3群枠61に、x駆動コイル63a、y駆動コイル63b、xセンサ64a、yセンサ64b、回動軸BX、xヨーク68a、yヨーク68bおよびフレキシブルプリント基板604が固定された構成となっている。x駆動コイル63aおよびy駆動コイル63bは像ぶれ補正レンズLを動かすための部材である。xセンサ64aおよびyセンサ64bは像ぶれ補正レンズLの位置を検出するための部材である。回動軸BXは像ぶれ補正レンズLの移動を案内するための部材である。前述のように、3群枠61には3群カムフォロア62が形成されており、3群枠61はズーム時に光軸方向に進退する。
可動部602は、像ぶれ補正レンズ枠65に、複数の像ぶれ補正レンズL、xマグネット66a、y駆動マグネット66b、yセンサマグネット66cおよび遮光キャップ69が固定された構成となっている。像ぶれ補正レンズLは1枚であってもよい。
像ぶれ補正レンズ枠65は3群枠61に対し3個のセラミックボール67によって、光軸AX方向に支持される事により、光軸AXと直交する平面内で移動可能に支持される。また同時に、像ぶれ補正レンズ枠65のスリット部65aが、回動軸BXが挿入されることにより、回動軸BXの周りに回転可能、かつ回動軸BXと垂直方向に移動可能に支持されている。
ここでxマグネット66aはベース部601のx駆動コイル63aと対向しており、x駆動コイル63aに通電することにより、像ぶれ補正レンズLを移動するx方向の推力を発生させる。また、xマグネット66aは、ベース部601のxセンサ64aと対向しており、xセンサ64aでの磁束密度の変化を検出することにより像ぶれ補正レンズLの位置を検出する。
y駆動マグネット66bは、ベース側のy駆動コイル63bと対向しており、y駆動コイル63bに通電することにより、像ぶれ補正レンズLを移動するy方向の推力を発生させる。また、yセンサマグネット66cはベース側のyセンサ64bと対向しており、yセンサ64bでの磁束密度の変化を検出することにより像ぶれ補正レンズLの位置を検出する。
xヨーク68aは強磁性材料からなり、3群枠61のxマグネット66aと対向する位置に接着固定されている。yヨーク68bは強磁性材料からなり、3群枠61のy駆動マグネット66bと対向する位置に接着固定されている。
遮光キャップ69は像ぶれ補正レンズ枠65に位置決め固定されており、像ぶれ補正レンズLの外周部分の不要光を遮光し、フレア及びゴーストの発生を抑制する。
像ぶれ補正レンズ枠65は可動部材の一例であり、3群枠61はベース部材の一例であり、マグネット66、xマグネット66aおよびy駆動マグネット66bは磁石の一例であり、ヨーク68、xヨーク68aおよびyヨーク68bはヨークの一例である。
ここで、アクチュエータの構成について、図4A〜図4Dを用いてさらに詳細に説明を行う。図4A〜図4Dは、本実施の形態におけるy側のアクチュエータ110を示す図であり、y側のアクチュエータ110は、y駆動マグネット66bとy駆動コイル63bとyヨーク68bとにより構成される。図4Dに示すように、y駆動マグネット66bはy駆動コイル63bと対向する面が分極線Dm(磁極のN極、S極が切り替わる位置)を境としてN極とS極の2極に着磁されている。すなわち、y駆動マグネット66bはy駆動コイル63bと対向する面が多極着磁されている。yヨーク68bは、y駆動コイル63bを挟んでy駆動マグネット66bの反対側に固定されている。yヨーク68bの光軸AXに垂直な平面への投影面積が、y駆動マグネット66bの光軸AXに垂直な平面への投影面積より小さい。yヨーク68bは、四角形(ここでは長方形)の平坦部68b1と、その平坦部68b1の上に形成された凸部68b2とを有している。凸部68b2は、平坦部68b1の対向する2辺(ここでは長辺)間の中央部分に、その2辺に平行に形成されている。すなわち、凸部68b2は平坦部68b1の中央領域に設けられている。凸部68b2の断面(ここでは長辺に垂直な平面で切った断面)の形状は、長方形や台形などの形状である。図4では、凸部68b2の対向する2辺が弧状となっている。そして、y駆動マグネット66bの分極線Dmに対向する付近にyヨーク68bの凸部68b2が位置するように、アクチュエータ110が構成されている。また、yヨーク68bの凸部68b2が、y駆動マグネット66bの磁極が切り替わる領域(分極線Dmの近傍の領域)と対向する位置(対向位置)またはその対向位置の近傍に位置するように、アクチュエータ110を構成してもよい。
また、x側のアクチュエータは、xマグネット66aとx駆動コイル63aとxヨーク68aとにより構成される。図示を省略するが、xヨーク68aはyヨーク68bと同じ構成を有しており、xマグネット66aはy駆動マグネット66bと同じ構成を有している。また、xヨーク68aとxマグネット66aの位置関係は、上記yヨーク68bとy駆動マグネット66bの位置関係と同様となっている。すなわち、xヨーク68aの光軸AXに垂直な平面への投影面積が、xマグネット66aの光軸AXに垂直な平面への投影面積より小さい。xヨーク68aはyヨーク68bと同様な形状であり、平坦部と凸部とを有している。xマグネット66aの分極線に対向する付近にxヨーク68aの凸部が位置するように、x側のアクチュエータが構成されている。
この様に、yヨーク68bに凸部を設けると、y駆動マグネット66bとyヨーク68bとの間に働く光軸方向の磁気吸引力(以下「スラスト吸引力」と称する)の変化を小さくすることができ、光軸AXと直角方向に働く磁気吸引力(以下「コギング力」と称する)を小さくすることができる。xヨーク68aの凸部についても同様である。
スラスト吸引力が変化すると可動部602が移動した際に、像ぶれ補正レンズ枠65を変形させる力が発生し、像ぶれ補正レンズ枠65が振動を起こし易くなる。
またコギング力は、駆動コイルにより発生する推力と反対向きになる場合があり、駆動コイルの推力を十分に取らないと駆動できなかったり、駆動できたとしても、像ぶれ補正レンズLの位置精度が悪くなり、像ぶれ補正装置の性能が悪化したりする原因となる。
従って、一般的にはスラスト吸引力はできるだけ変化が小さく、コギング力は小さい方が良い。
次に、ヨークの形状とスラスト吸引力およびコギング力との関係について説明する。
図5Aは本実施の形態の一例(実施例)のヨーク68とマグネット66の位置関係を示す図である。図5Bは比較例のヨーク68とマグネット66の位置関係を示す図である。
図5Aにおいてマグネット66は分極線Dmを境としてN極とS極の2極に着磁されている。なお、分極線Dm付近の領域Rでは殆ど着磁されていない、あるいは、着磁が周辺より弱い状態となっており、領域Rはマグネット66の磁極が切り替わる領域である。ヨーク68は、平坦部と凸部を有している。マグネット66の領域Rと対向する位置またはその位置の近傍にヨーク68の凸部が位置するように、マグネット66とヨーク68が配置されている。ここで、領域Rと対向する位置の近傍に凸部が位置するとは、凸部が領域Rから外れてさらに凸部の幅だけ移動した位置までにある状態をいうものとする。例えば、凸部の幅eおよび領域Rの幅が0.5mmの場合、領域Rと対向する位置の近傍に凸部が位置するとは、分極線Dmと中心線68cとの距離が1mm以内となる状態である。図5A及び図5Bの破線はヨーク68の中心線68cを表している。図5Bに示す比較例は、図5Aに示す実施例に対し、ヨーク68の形状が平坦部のみで構成されており、凸部が形成されていないところのみ異なる。
図6は、図5A、図5Bの各構成において、マグネット66を移動方向に沿って移動した場合のマグネット66の移動量と、マグネット66に働くコギング力の関係を示す図である。図6において、横軸は、マグネット66の移動量を示し、縦軸はマグネット66の移動方向と平行な方向のコギング力を示している。図5A、図5Bにおいて、マグネット66の分極線Dmの位置がヨーク68の中心線68cの位置と一致しているときマグネット66の移動量を0とする。この移動量を0の位置を基準として、マグネット66が図5A、図5B中に示す移動方向に移動する場合の移動量を正とし、マグネット66が図5A、図5B中に示す移動方向と逆方向に移動する場合の移動量を負とする。また、マグネット66に働くコギング力が、図5A、図5B中に示す移動方向と同じ方向に働く場合を正のコギング力とし、図5A、図5B中に示す移動方向と逆の方向に働く場合を負のコギング力とする。
なお、図6に示すコギング力は、ある設計例について、コンピュータを用いた磁界解析により値を求めたものであり、図5A、図5Bを参照して設計例を示す。マグネット66について、幅a=6.4mm、厚みb=1.2mm、奥行き(図面に垂直方向の長さ)=9.1mmである。ヨーク68について、平坦部の幅c=4.2mm、平坦部の厚みd=0.4mm、凸部の幅e=0.5mm、凸部の高さf=1.05mm、奥行き(図面に垂直方向の長さ)=6.5mmである。ヨーク68の平坦部とマグネット66との距離g=3.05mmである。
図6に示すとおり、実施例では移動量が−0.5mm〜+0.5mmの範囲では殆どコギング力が発生しない。これに対して、比較例では移動量が0の付近でコギング力が大きく変化し、移動量が正となる場合では負のコギング力が発生し、移動量が負となる場合では正のコギング力が発生する。これはマグネット66を移動量0付近に引き戻そうとするコギング力が発生することを示している。
もし比較例において磁石を0.5mm移動させようとした場合、0.02Nのコギング力が発生するため、通常の負荷(例えば像ぶれ補正レンズLの慣性負荷)以外に0.02N余計に力を発生する必要があり、実施例と比較してアクチュエータのサイズを大きくしないと駆動できない。
一方実施例では、移動量−0.5mm〜+0.5mmの範囲では殆どコギング力が発生しないので、通常の負荷のみを駆動できるサイズのアクチュエータで十分なため、比較例に比べアクチュエータのサイズを小さくすることができる。
移動量が±0.5mm程度は像ぶれ補正装置として好適なストロークであり、アクチュエータのサイズを小さくできるということは、像ぶれ補正ユニットのサイズ、更には像ぶれ補正ユニットを含むレンズ鏡筒のサイズを小さくすることができる。
図7は、図5A、図5Bにおいてマグネット66を移動方向に沿って移動した場合の、マグネット66の移動量とマグネット66に働くスラスト吸引力の関係を示す図である。
図7において、横軸はマグネット66の移動量を示し、縦軸はスラスト吸引力を示した図である。マグネット66の移動量の定義(0、正、負の移動量の意味)については図6の場合と同じである。以下に説明する図8、9においても同じである。また、マグネット66に働くスラスト吸引力が「z軸方向の正」の方向に働く場合を正のスラスト吸引力とする。
なお、図7に示すスラスト吸引力は、図6のコギング力と同時に、コンピュータを用いた磁界解析により値を求めたものである。
図7に示すとおり、本実施例ではスラスト吸引力が0.11N前後で大きく変化しないのに対し、比較例では移動量0でスラスト吸引力が最大となり、どちらに移動してもスラスト吸引力が低下する。
像ぶれ補正装置に本実施例の構成を使用する場合、スラスト吸引力は、像ぶれ補正レンズLを含む可動部が光軸AX方向にがたつかない様に、一定値以上の吸引力が必要となる。
また、スラスト吸引力が変化すると、像ぶれ補正レンズ枠65を変形させる力が加わり、像ぶれ補正レンズ枠65が振動する等の課題が発生する場合がある。
実施例の場合、比較例と比較しスラスト吸引力の変化が少ないので、必要以上にスラスト吸引力を強くする必要がなく、像ぶれ補正レンズ枠65の振動も発生し難い。
以下図8、図9を用いて、実施例のヨーク形状が、コギング力が少なく、スラスト吸引の変化が少ない理由について説明する。
図8はコギング力低減原理を示す説明図である。図8において、破線はヨーク68の平坦部によって発生するコギング力を示し、一点鎖線はヨーク68の凸部によって発生するコギング力を示す。実線は破線で示すコギング力と一点鎖線で示すコギング力との和であり、ヨーク68全体によって発生するコギング力である。
図8において破線で示すヨーク68の平坦部によって発生するコギング力は、図6に示した比較例のコギング力とほぼ同様の波形である。これは平坦部がマグネット66のN極、S極の両極にまたがって対向しているため、マグネット66がどちらに移動しても平坦部を通過する磁束が減少するためである。これに対し、ヨーク68の凸部によって発生するコギング力は、ヨーク68の平坦部によって発生するコギング力と符号が逆のコギング力が発生していることが分かる。これはヨーク68の凸部は分極線Dm付近のマグネット66の着磁が弱い部分に対向しているため、マグネット66のN極またはS極どちらかに吸引される方向の力が発生するためである。
ここで、マグネット66とヨーク68の距離や平坦部の幅、凸部の高さ等を調整することにより、実施例の様に、一定の可動範囲内ではコギング力が殆ど発生しない状態を作り出すことができる。
図9はスラスト吸引力の変化量低減原理を示す説明図である。図9において、破線はヨーク68の平坦部によって発生するスラスト吸引力を示し、一点鎖線はヨーク68の凸部によって発生するスラスト吸引力を示す。
図9において破線で示すヨーク68の平坦部によって発生するスラスト吸引力は、図7に示した比較例のスラスト吸引力とほぼ同様の波形であり、マグネット66の移動量が0の際に最大となり、マグネット66がどちらの方向に移動しても減少する波形である。これはヨーク68の平坦部がマグネット66のN極、S極の両極にまたがって対向しているため、マグネット66がどちらの方向に移動してもヨーク68の平坦部を通過する磁束が減少するためである。これに対し、ヨーク68の凸部によって発生するスラスト吸引力は、ヨーク68の平坦部によって発生するスラスト吸引力は移動量0付近が極小となり、どちらに移動しても増加する波形となっていることが分かる。これはヨーク68の凸部は分極線Dm付近のマグネット66の着磁が弱い部分(領域R)に対向しているため、N極またはS極のどちらかに近づくにつれて磁束が増えていくため、スラスト吸引力が高くなるためである。
ここで、マグネット66とヨーク68の距離やヨーク68の平坦部の幅、ヨーク68の凸部の高さ等を調整することにより、一定の可動範囲内ではスラスト吸引力の変化量が少ない状態を作り出すことができる。
以上に示す様に、ヨーク68の形状を工夫することにより、マグネット66とヨーク68とが相対的に移動するとき、コギング力が小さく、かつ、スラスト吸引力の変化量が少ないアクチュエータを提供できる。
更に、上記実施例では、一定の移動範囲においてコギング力が殆ど発生しない状態としたが、マグネット66とヨーク68の距離やヨーク68の平坦部の幅、ヨーク68の凸部の高さ等を調整することにより、意図的に一定量のコギング力を残して、中心方向に向う力を発生させ、中心保持し易くするアクチュエータを構成することができる。また、ヨーク68の凸部をマグネット66の分極線Dmから少しずれた位置に設けることにより、中心位置では常に1方向のコギング力を意図的に発生させるようにアクチュエータを構成することができる。
次に、ヨーク68の作成方法について図10A〜図10Cを参照して説明する。図10Aに示す様に1枚の板材を折り曲げて凸部を形成し、平坦部と凸部を有するヨーク68を形成することができる。また、図10Bに示す様に、平坦部と凸部を分けて作成しそれらをビスで固定してヨーク68を形成することができる。また、図10Cに示す様に、T型に打ち抜いた板材を複数積層してヨーク68を作成することができる。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、磁石とヨークを備えるアクチュエータ及びレンズ鏡筒に適用可能である。また、像ぶれ補正レンズが固定される可動部材に磁石またはヨークが設置された構成の像ぶれ補正装置に適用可能である。
100 レンズ鏡筒
10 撮像素子ユニット
11 撮像素子
12 フレキシブルプリント基板
20 マスターフランジ
21 ズームモータユニット
22 駆動ギア
30 5群ユニット
32 5群カムフォロア
40 カム枠
41 ヘリコイド溝
42 3群カム溝
43 2群カム溝
44 1群カム溝
50 4群ユニット
51 フォーカスモータユニット
60 3群ユニット
61 3群枠
62 3群カムフォロア
63a x駆動コイル
63b y駆動コイル
64a xセンサ
64b yセンサ
65 像ぶれ補正レンズ枠
66 マグネット
66a xマグネット
66b y駆動マグネット
66c yセンサマグネット
67 セラミックボール
68 ヨーク
68a xヨーク
68b yヨーク
69 遮光キャップ
70 中枠
71 3群/5群直進溝
72 ヘリコイド突起
73 2群直進溝
80 2群ユニット
81 2群カムフォロア
90 1群ユニット
110 アクチュエータ
601 ベース部
602 可動部
603 シャッター部
604 フレキシブルプリント基板
AX 光軸
BX 回動軸
L 像ぶれ補正レンズ
10 撮像素子ユニット
11 撮像素子
12 フレキシブルプリント基板
20 マスターフランジ
21 ズームモータユニット
22 駆動ギア
30 5群ユニット
32 5群カムフォロア
40 カム枠
41 ヘリコイド溝
42 3群カム溝
43 2群カム溝
44 1群カム溝
50 4群ユニット
51 フォーカスモータユニット
60 3群ユニット
61 3群枠
62 3群カムフォロア
63a x駆動コイル
63b y駆動コイル
64a xセンサ
64b yセンサ
65 像ぶれ補正レンズ枠
66 マグネット
66a xマグネット
66b y駆動マグネット
66c yセンサマグネット
67 セラミックボール
68 ヨーク
68a xヨーク
68b yヨーク
69 遮光キャップ
70 中枠
71 3群/5群直進溝
72 ヘリコイド突起
73 2群直進溝
80 2群ユニット
81 2群カムフォロア
90 1群ユニット
110 アクチュエータ
601 ベース部
602 可動部
603 シャッター部
604 フレキシブルプリント基板
AX 光軸
BX 回動軸
L 像ぶれ補正レンズ
Claims (4)
- 磁石と、
前記磁石との間で吸引力が発生するヨークと、を有し、
前記磁石及び前記ヨークの少なくとも一方は、前記磁石の磁化方向と垂直な面内で他方に対して相対的に移動可能であり、
前記ヨークは、平坦部と、前記平坦部から前記磁石の方向に突出した凸部とを有し、前記凸部は前記平坦部の中央領域に設けられた、
アクチュエータ。 - 前記凸部は、前記磁石の磁極が切り替わる領域と対向する位置または前記位置の近傍に配置された、
請求項1に記載のアクチュエータ。 - ベース部材と、
レンズが固定される可動部材と、
磁石と、
前記磁石との間で吸引力が発生するヨークと、を有し、
前記磁石及び前記ヨークの少なくとも一方は、前記磁石の磁化方向と垂直な面内で他方に対して相対的に移動可能であり、
前記ヨークは、平坦部と、前記平坦部から前記磁石の方向に突出した凸部とを有し、前記凸部は前記平坦部の中央領域に設けられ、
前記磁石と前記ヨークのうちの一方が、前記可動部材に設けられ、他方が前記ベース部材に設けられた、
像ぶれ補正装置を備えた、
レンズ鏡筒。 - 前記凸部は、前記磁石の磁極が切り替わる領域と対向する位置または前記位置の近傍に配置された、
請求項3に記載のレンズ鏡筒。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US15/228,145 US20170059880A1 (en) | 2015-08-25 | 2016-08-04 | Actuator and lens barrel using same |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015165329 | 2015-08-25 | ||
JP2015165329 | 2015-08-25 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017046569A true JP2017046569A (ja) | 2017-03-02 |
Family
ID=58210513
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016118896A Pending JP2017046569A (ja) | 2015-08-25 | 2016-06-15 | アクチュエータ及びそれを用いたレンズ鏡筒 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017046569A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20200116402A (ko) * | 2019-04-01 | 2020-10-12 | 삼성전기주식회사 | 카메라 모듈 |
CN111796473A (zh) * | 2019-04-01 | 2020-10-20 | 三星电机株式会社 | 相机模块 |
WO2021075885A1 (en) * | 2019-10-16 | 2021-04-22 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Electronic device including camera |
-
2016
- 2016-06-15 JP JP2016118896A patent/JP2017046569A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20200116402A (ko) * | 2019-04-01 | 2020-10-12 | 삼성전기주식회사 | 카메라 모듈 |
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KR102273899B1 (ko) * | 2019-04-01 | 2021-07-06 | 삼성전기주식회사 | 카메라 모듈 |
US11513308B2 (en) | 2019-04-01 | 2022-11-29 | Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. | Camera module |
US12025851B2 (en) | 2019-04-01 | 2024-07-02 | Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. | Camera module |
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