JP2017046394A - グロメット及びグロメット付電線 - Google Patents

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Abstract

【課題】グロメットとパネルとの間を通った水の浸入を抑制することを目的とする。
【解決手段】車両のパネルに形成された貫通孔に装着されるグロメット20であって、貫通孔内に配設可能な周壁部42と、弾性材料により形成され、周壁部42の一端側から外周側に張出すように設けられた環状部26と、貫通孔の周囲でパネルの一方主面に密着可能なように、環状部26から徐々に外周側に広がるように突出して形成された環状シール部28とを含む封止部24と、環状シール部28をパネルの一方主面に密着させた状態で、周壁部42を貫通孔内に配設した状態に保持するように、パネルのうち貫通孔の周囲に係止可能な係止部50と、封止部24を形成する弾性材料よりも高剛性材料により形成され、環状シール部28の延在方向の少なくとも一部に埋設された補強部60とを備える。
【選択図】図7

Description

この発明は、車両のパネルに形成された貫通孔を通って配設される電線を保護するための技術に関する。
特許文献1は、アウター部材とアウター部材に嵌入されるインナー部材とを備えるグロメットを開示している。アウター部材は、エラストマー等により形成される部材であり、環状の本体部と、パネルの表面に対して貫通孔部の周囲に密着可能な環状の密着部とを有している。密着部は、内側密着部と外側密着部とを有している。外側密着部は、本体部の一端部のうち外周部分から、本体部の軸方向において他端部側から一端部側に向かうと共に外周側に広がるように突出する鍔状に形成されている。そして、グロメットがパネルの貫通孔に取付けられた状態で、内周側密着部及び外周側密着部がパネルの表面に密着することで、貫通孔の周囲において、パネルと本体部との間を通った液体の浸入を阻止するようになっている。
特開2011−223747号公報
しかしながら、特許文献1に開示の技術によると、外側密着部は、本体部の一端部のうち外周部分から、本体部の軸方向において他端部側から一端部側に向かうと共に外周側に広がるように突出する鍔状に形成されている。しかも、アウター部材は、エラストマー等により形成される部材であるため、外側密着部もエラストマー等により形成される。このため、洗車時等において、水が勢いよく外側密着部とパネルとの間等に当ると、外側密着部が変形し易い。これにより、外側密着部とパネルとの間を通って水が浸入する恐れがある。
そこで、本発明は、グロメットとパネルとの間を通った水の浸入を抑制することを目的とする。
上記課題を解決するため、第1の態様は、車両のパネルに形成された貫通孔に装着されるグロメットであって、前記貫通孔内に配設可能な周壁部と、弾性材料により形成され、前記周壁部の一端側から外周側に張出すように設けられた環状部と、前記貫通孔の周囲で前記パネルの一方主面に密着可能なように、前記環状部から徐々に外周側に広がるように突出して形成された環状シール部とを含む封止部と、前記環状シール部を前記パネルの一方主面に密着させた状態で、前記周壁部を前記貫通孔内に配設した状態に保持するように、前記パネルのうち前記貫通孔の周囲に係止可能な係止部と、前記封止部を形成する弾性材料よりも高剛性材料により形成され、前記環状シール部の延在方向の少なくとも一部に埋設された補強部とを備える。
第2の態様は、第1の態様に係るグロメットであって、前記周壁部と前記係止部と前記補強部とが、前記封止部を形成する弾性材料よりも高剛性材料により一体形成されたインナー部材を備え、前記周壁部の一端部にその外周側に張出すように鍔部が一体形成されると共に、前記補強部が前記鍔部に一体形成され、前記環状部に前記鍔部を配設可能な環状溝部が形成されると共に、前記環状シール部内に前記補強部を配設可能な補強部配設凹部が前記環状溝部に連続して形成されているものである。
第3の態様は、第1又は第2の態様に係るグロメットであって、前記補強部は、前記環状シール部の周方向全体に埋設されているものである。
第4の態様は、第1又は第2の態様に係るグロメットであって、前記貫通孔の周方向において、前記係止部が前記パネルのうち前記貫通孔の周囲に係止する箇所と異なる位置で、前記補強部が前記環状シール部に部分的に埋設されている。
第5の態様は、第1又は第2の態様に係るグロメットであって、前記環状シール部は長円形状に形成され、前記補強部は、前記環状シール部のうち長尺方向に沿って延在する両側部に部分的に埋設されているものである。
第6の態様は、第1〜第5のいずれか1つの態様に係るグロメットであって、前記補強部は、先端側に向うに従って徐々に薄くなる形状に形成されているものである。
第7の態様に係るグロメット付電線は、第1〜第6のいずれか1つの態様に係るグロメットと、前記グロメット内に挿通された少なくとも1本の電線とを備える。
第1〜第7の態様によると、封止部の環状部から突出して形成された環状シール部を貫通孔の周囲でパネルの一方主面に密着させることにより、比較的小さい接触面積で、比較的強い力で環状シール部をパネルの一方主面に密着させることができる。また、封止部を形成する弾性材料よりも高剛性材料により形成された補強部が環状シール部の延在方向の少なくとも一部に埋設されているため、洗車時等において、水が環状シール部に当ったとしても、当該環状シール部は変形し難い。これにより、グロメットとパネルとの間を通った水の浸入を抑制することができる。
第2の態様によると、インナー部材の鍔部を環状部の環状溝部内に配設することによって、インナー部材と封止部とを合体させることができる。この際、鍔部の補強部を補強部配設凹部内に配設することにより、補強部を環状シール部の延在方向の少なくとも一部に容易に埋設することができる。
第3の態様によると、環状シール部を全体的にパネルの一方主面に強い力で押付けることができ、グロメットとパネルとの間を通った水の浸入を抑制することができる。
貫通孔の周方向において、係止部がパネルのうち貫通孔の周囲に係止する箇所と異なる箇所では、環状シール部がパネルの一方主面に押付けられる力が小さくなる。そこで、第4の態様のように、貫通孔の周方向において、係止部がパネルのうち貫通孔の周囲に係止する箇所と異なる位置で、補強部が環状シール部に部分的に埋設されている構成とすることで、補強部の配設領域を小さくしつつ、環状シール部をなるべく全体的にパネルの一方主面に強い力で押付けることができ、グロメットとパネルとの間を通った水の浸入を抑制することができる。
環状シール部が長円形状に形成されている場合、長尺方向に沿って延在する両側部で変形容易となる。そこで、第5の態様のように、補強部が、環状シール部のうち長尺方向に沿って延在する両側部に部分的に埋設された構成とすることで、補強部の配設領域を小さくしつつ、環状シール部をなるべく全体的にパネルの一方主面に強い力で押付けることができ、グロメットとパネルとの間を通った水の浸入を抑制することができる。
第6の態様によると、補強部は、先端側に向うに従って徐々に薄くなる形状に形成されているため、環状シール部をより大きく弾性変形させつつ、パネルの一方主面に密着させることができる。これにより、グロメットとパネルとの間を通った水の浸入を抑制することができる。
グロメットを示す概略平面図である。 図1のII−II線における概略断面図である。 封止部及びインナー部材が合体した状態を示す斜視図である。 インナー部材を示す平面図である。 インナー部材を示す正面図である。 インナー部材を示す側面図である。 図3のVII−VII線における部分断面図である。 環状シール部がパネルに密着した状態を示す部分断面図である。 第1変形例に係るインナー部材を示す平面図である。 第2変形例に係るインナー部材を示す平面図である。
以下、実施形態に係るグロメット及びグロメット付電線について説明する。図1はグロメット20を示す概略平面図であり、図2は図1のII−II線における概略断面図である。図2では、グロメット20内に少なくとも1本の電線Wが挿通されたグロメット付電線10の形態も示されている。
グロメット付電線10は、グロメット20と、グロメット20内に挿通された少なくとも1本の電線Wとを備える。ここでは、グロメット20内には複数本の電線Wが挿通されており、図2では、複数の電線Wが1本に束ねられた形態が示されている。
上記グロメット20は、車両に形成されたパネルP(例えば車体、ドア等のパネル)に形成された貫通孔Phに装着される(図4参照)。電線Wは、グロメット20内を通って貫通孔Phに通される。このグロメット20により、電線Wが貫通孔Phの周縁部から保護されると共に、貫通孔Phと電線Wの間を通った水の浸入が抑制される。
ここでは、グロメット20が、車体とバックドアとの間に配策される電線Wに装着され、グロメット20の一端部が車体側のパネルPに形成された貫通孔Phに装着され、グロメット20の他端部がバックドア側のパネルに形成された貫通孔に装着される例で説明する。もっとも、グロメット20の両端がパネルに形成された貫通孔に装着されることは必須ではない。例えば、本グロメットは、1箇所で、パネルに形成された貫通孔に装着されるものであってもよい。
また、ここでは、貫通孔Phは、長円形の孔状に形成されている例で説明する。長円形とは、第1の方向の長さ寸法が当該第1の方向に直交する第2の方向の長さ寸法よりも長い円形に類似した形状をいい、例えば、対向する一対の直線部分と、一対の直線部分を両端部同士結ぶ一対の円弧状の曲線部分とで規定される形状、及び、楕円形状を含む。ここでは、貫通孔Phが対向する一対の直線部分と一対の直線部分を両端部同士結ぶ一対の円弧状の曲線部分とで規定される形状であるとして説明する。もっとも、貫通孔は、その他、円形孔、矩形状孔等であってもよい。後述する封止部24及びインナー部材40は、貫通孔の形状に応じた環状形状に形成される。
グロメット20は、グロメット本体22と、インナー部材36、40とを備える。グロメット本体22は、ゴム等の弾性材料によって形成されており、インナー部材40は、グロメット本体22を形成する材料よりも剛性が高い材料、例えば、ポリプロピレン(PP)等の樹脂によって形成されている。
グロメット本体22は、弾性材料によって一体形成された部材であり、一方側の封止部24と、他方側の封止部30と、両封止部24、30の間に設けられるハーネスガイド筒部38とを備える。
一方側の封止部24は、インナー部材40と合体した状態で、上記貫通孔Phに装着される。これにより、電線Wと貫通孔Phとの直接的な接触を抑制して当該電線Wを保護すると共に、貫通孔Phと電線Wの間を通った水の浸入を抑制する。この封止部24及びインナー部材40については、後で詳述する。
他方側の封止部30は、長円環状に形成された封止部24に対して、円環状に形成されているという点を除いて、当該封止部24と同様構成である。この封止部24も、上記インナー部材40と同様のインナー部材36を用いてバックドア側のパネルの貫通孔に装着することができる。このため、封止部24についての詳細な説明はここでは省略する。
なお、細長板状のハーネス固定片39が、ハーネスガイド筒部38の内周面から封止部30内を通って外方に延出するように形成されている。そして、このハーネス固定片39が、封止部30を通って外方に延出する電線Wに沿って配設された状態で、当該ハーネス固定片39と電線Wとに粘着テープ等が巻回され、グロメット本体22に対する電線Wの位置決め保持がなされる。
ハーネスガイド筒部38は、バックドアを開いた状態で、車体側のパネルPの貫通孔Phと、バックドア側のパネルの貫通孔(図示省略)との間に配設可能な程度の長さ寸法の筒形状に形成されている。ハーネスガイド筒部38は、蛇腹状に形成されており、バックドアの開閉に伴って屈曲変形可能に形成されている。
上記封止部24及びインナー部材40についてより具体的に説明する。
図3は封止部24及びインナー部材40が合体した状態を示す斜視図であり、図4はインナー部材40を示す平面図であり、図5はインナー部材40を示す正面図であり、図6はインナー部材40を示す側面図であり、図7は図3のVII−VII線における部分断面図である。図4及び図5においては、貫通孔Phが形成されたパネルPの概形が図示され、図5においては封止部24の概形が図示されている。
封止部24は、グロメット本体22の一端側部分として形成された部分であり、従って、ゴム等の弾性材料によって形成されている。封止部24は、環状部26と、環状シール部28とを備える。
環状部26は、上記貫通孔Phよりも大きな(ここでは一回り大きな)長円形環状に形成されている。この環状部26は、封止部24とインナー部材40とが合体した状態で、インナー部材40の周壁部42の一端側から外周側に張出すように配設される。
環状部26には、インナー部材40の鍔部46を配設可能な環状溝部26gが形成されている。環状溝部26gは、環状部26の内周部の周方向全体に亘って形成されている。環状溝部26gは、内周側の開口で幅狭となり、奥側で幅広となる溝形状に形成されている(図7参照)。
環状シール部28は、環状部26の軸方向における当該環状部26の一方側の面に、当該環状部26の延在方向に沿って環状に形成された凸形状に形成されている。環状シール部28は、環状部26から徐々に外周側に広がるように突出して形成されている。すなわち、環状シール部28は、スカート状に広がるように形成されている。そして、封止部24が貫通孔Phの周囲でパネルの一方主面に押し当てられると、環状シール部28が貫通孔Phの周囲でパネルPの一方主面に変形しつつ密着する。
この環状シール部28内に、後述する補強部60を配設可能な補強部配設凹部28gが形成されている。ここでは、補強部配設凹部28gは、環状シール部28の周方向全体に亘って形成されている。補強部配設凹部28gは、環状部26の環状溝部26gに連続して形成されている。これにより、補強部60を、環状溝部26g側から補強部配設凹部28g内に配設することができる。
補強部配設凹部28gは、補強部60の外形状と同じ内周形状を有していることが好ましい。ここでは、補強部60が先端側に向けて徐々に薄肉になる形状に形成されているため、補強部配設凹部28gは先端側に向けて徐々に幅狭になる溝形状に形成されている。
インナー部材40は、上記封止部24に装着され、封止部24の環状シール部28が貫通孔Phの周囲でパネルPの一方主面に密着した状態となるように、封止部24を保持する部材である。
すなわち、インナー部材40は、樹脂等によって一体形成された部材であり、周壁部42と、鍔部46と、係止部50と、補強部60とを備える。
インナー部材40は、上記封止部24を形成する材料(ゴム等)よりも高剛性材料である樹脂等によって一体形成された部材である。
周壁部42は、電線Wを挿通可能でかつ貫通孔Ph内に配設可能な短筒形状に形成されている。より具体的には、周壁部42は、貫通孔Phの開口形状に対応した長円環状の筒形状(ここでは、貫通孔Phにがたつき無く嵌め込み可能な筒形状)に形成されている。そして、本周壁部42を貫通孔Ph内に嵌め込むことで、貫通孔Phの軸に直交する方向において、貫通孔Phに対するインナー部材40の位置決めがなされる。
周壁部42の外周部には、少なくとも1つの凹部43が形成されている。ここでは、周壁部42の外周部のうち、周壁部42の長軸方向中央部に位置する2箇所に凹部43が形成されている。この凹部43部分に係止部50が形成される。
鍔部46は、周壁部42の一端側開口周縁部から外周側に張出す環状板形状、ここでは、楕円環状板形状に形成されている。鍔部46は、好ましくは、環状溝部26gの深さ寸法と同じ突出寸法で且つ環状溝部26gの幅寸法と同じ厚さ寸法に設定されている。ここでは、鍔部46の先端側周縁部は、その基端側周縁部よりも大きい厚み寸法に形成されている。そして、本鍔部46を、環状部26の環状溝部26g内に嵌め込んだ状態で、貫通孔Phの周囲で鍔部46をパネルPの一方主面に押付けることで、環状部26が貫通孔Phの周囲でパネルPの一方主面に押付けられ、もって、環状シール部28が貫通孔Phの周囲でパネルPの一方主面に密着する。この際、鍔部46の先端側周縁部の厚い部分が環状溝部26gの奥側の幅広となる部分に抜止め状に収容されるため、鍔部46と環状部26との合体状態がより確実に維持される。
なお、鍔部46のうち周壁部42の凹部43に対応する部分には、開口47が形成されている。この開口47は、凹部43に係止部50を形成するための金型を挿脱するための開口である。
係止部50は、環状シール部28をパネルPの一方主面に密着させた状態で、周壁部42を貫通孔Ph内に配設した状態に保持するように、パネルPのうち貫通孔Phの周囲に係止可能に構成されている。すなわち、係止部50は、周壁部42の他端部(鍔部46が形成された端部の反対側の端部)から周壁部42の一端部(鍔部46が形成された側の端部)側に向けて延出するように形成されている。ここでは、ここでは、係止部50は、周壁部42のうち上記凹部43が設けられた部分に形成されている。係止部50は、周壁部42の他端側から周壁部42の外方に延出しつつ周壁部42の一端部に向うように湾曲した後、当該周壁部42の一端側の外周側に向けて延出する形状、すなわち、側面視逆J字形状に形成されている。この係止部50は、主として基端側の湾曲部分を中心に弾性変形することで、その延出部分の中間部及び先端部を、周壁部42の内外方向に変位させることができる。
また、係止部50の外面のうちその先端部よりも基端よりの位置にロック突部58が形成されている。ロック突部58は、係止部50の幅方向に沿って延びる凸形状に形成されている。ロック突部58のうち係止部50の基端側の部分は、係止部50の基端側に向けて徐々に突出寸法が小さくなる傾斜面58aに形成され、ロック突部58のうち係止部50の先端側の部分は、係止部50の基端側に向けて徐々に突出寸法が小さくなる傾斜面58bに形成されている。係止部50の延出方向に対する傾斜面58bの傾斜角度は、傾斜面58aの傾斜角度よりも大きくなるように形成されている。また、係止部50が原形状にある状態において、ロック突部58は、周壁部42の外周面よりも外方に突出するようになっている。
そして、鍔部46を環状溝部26gに嵌め込んでインナー部材40をグロメット本体22の封止部24に装着した状態で、パネルPの一方主面側から他方主面側に向けて、周壁部42をパネルPの貫通孔Phに嵌め込む。すると、ロック突部58の上記傾斜面58aが貫通孔Phの周縁部に接触して、係止部50が内向きに弾性変形するようになる。周壁部42をさらに貫通孔Phに向けて押し込み、ロック突部58が貫通孔Phの周縁部を乗越えると、係止部50が原形状に復帰する。これにより、ロック突部58の傾斜面58bが、パネルPの他方主面側から貫通孔Phの周縁部に抜止め係止するようになる。この状態では、環状シール部28は、圧縮変形された状態で、貫通孔Phの周縁部でパネルPの一方主面に押付けられている。環状シール部28が原形状に弾性変形しようとする力によって、係止部50及びロック突部58がパネルPの一方主面側に引込まれる。これにより、パネルPの貫通孔Phの周縁部が、環状シール部28とロック突部58との間で挟込まれた状態で、グロメット20の一端部がパネルPの貫通孔Phに装着されることになる。
補強部60は、封止部24を形成する弾性材料(ゴム等)よりも高剛性材料である樹脂により形成されている。この補強部60は、環状シール部28の延在方向の少なくとも一部に埋設されている。ここでは、補強部60は、鍔部46の外周部から徐々に外周側に広がるように突出して形成されている。すなわち、補強部60は、スカート状に広がるように形成されている。補強部60は、外周側に向けて徐々に薄くなるように形成されている。また、本実施形態においては、補強部60は、環状シール部28の周方向全体に埋設されるように、鍔部46の外周全体に亘って形成されている。
そして、鍔部46を環状溝部26g内に収容すると、補強部60も環状溝部26gを通って補強部配設凹部28g内に埋設状態に収容される。この状態では、補強部60の傾斜状態は、環状シール部28の傾斜状態と一致しており、従って、環状シール部28がスカート状に広がる傾斜姿勢に沿って補強部60が環状シール部28内に埋設される(図7参照)。
上記のように、封止部24とインナー部材40とが合体して貫通孔Phに装着された状態では、図8に示すように、環状シール部28は、変形しつつパネルPの一方主面に密着している。環状シール部28自体は、ゴム等の弾性材料によって形成されているため、パネルPの一方主面に対してはより確実に密着する。一方、環状シール部28内には、樹脂等の高剛性材料によって形成された補強部60が埋設されているため、変形し難い。
このため、洗車時等に水100が勢いよく環状シール部28の外周又は環状シール部28とパネルPとの境界に当ったとしても、環状シール部28は捲れるように変形し難い。これにより、環状シール部28とパネルPとの密着状態がより確実に維持され、環状シール部28とパネルPとの間を通って水が浸入し難い。
以上のように構成されたグロメット20及びグロメット付電線10によると、封止部24の環状部26から突出して形成された環状シール部28を貫通孔Phの周囲でパネルPの一方主面に密着させることにより、比較的小さい接触面積でかつ比較的強い力で、環状シール部28をパネルPの一方主面に密着させることができる。また、封止部24を形成するゴム等の弾性材料よりも高剛性材料により形成された補強部60が環状シール部28の延在方向の少なくとも一部に埋設されているため、洗車時等において、水が環状シール部28に勢いよく当ったとしても、環状シール部28は変形し難い。これにより、グロメット20とパネルPとの間を通った水の浸入を抑制することができる。
また、インナー部材40と封止部24とが合体する構成において、補強部60がインナー部材40の鍔部46に一体形成され、封止部24に鍔部46を配設可能な環状溝部26gが形成されると共に、環状シール部28に補強部60を配設可能な補強部配設凹部28gが環状溝部26gに連続して形成された構成とされているため、鍔部46を環状溝部26g内に配設して封止部24とインナー部材40とを合体させる際に、補強部60を環状シール部28内に容易に埋設することができる。
また、補強部60が、環状シール部28の周方向全体に埋設されているため、環状シール部28を全体的にパネルの一方主面に強い力で押付けることができ、グロメット20とパネルPとの間を通った水の浸入をより確実に抑制することができる。
また、補強部60は、先端側に向うに従って徐々に薄くなる形状に形成されているため、補強部60が埋設された環状シール部28は、先端に向う程変形容易となり、基端に向う程変形し難くなる。このため、補強部60が埋設された環状シール部28をパネルPの一方主面に押し当てると、環状シール部28の先端側をより大きく変形させつつ、環状シール部28をより強い力でパネルPに押付けて密着させることができる。これにより、グロメット20とパネルPとの間を通った水の浸入をより確実に抑制することができる。
{変形例}
なお、上記実施形態のように、補強部60が、インナー部材40の一部として一体形成されていることは必須ではない。例えば、補強部60に対応する部品が独立した部品として準備され、この部品が封止部を金型成形等する際にインサート部品として埋設された構成であってもよい。
また、上記実施形態のように、別体とされた封止部24とインナー部材40とが合体する構成であることは必須ではない。インナー部材40のうち補強部を除く部分が封止部に対応する部分と共にゴム等の弾性材料によって金型一体形成されてもよい。この場合、補強部は、上記したように、インサート部品として埋設すればよい。
また、上記実施形態のように、補強部60が環状シール部28の周方向全体に埋設されていることは必須ではない。補強部は、環状シール部の周方向の少なくとも一部に埋設されていれば、その埋設された部分で、環状シール部が変形し難いようにすることができるからである。
もっとも、複数の係止部が貫通孔Phの周縁部の一部に係止する構成を前提とすると、環状シール部は、その周方向において、係止部が設けられた部分で比較的強い力でパネルPに押付けられ、係止部が設けられていない部分で比較的弱い力でパネルPに押付けられる。そこで、図9に示す第1変形例に係るインナー部材140のように、係止部が貫通孔の周囲に係止する箇所と異なる位置で、補強部160が環状シール部に部分的に埋設される構成とすることが好ましい。
図9に示す例では、長円形状の周壁部42のうち長軸方向に沿って延在する一対の側部のそれぞれに係止部50が設けられている。また、長円形状の鍔部46のうち一対の弧状部分に対応する部分に、補強部160が設けられ、一対の直線状部分には補強部は設けられていない。
この第1変形例によると、貫通孔Phの周方向において、係止部50がパネルのうち貫通孔の周囲に係止する箇所と異なる位置で、補強部160が環状シール部に部分的に埋設されている構成とされるため、補強部160の配設領域を小さくしつつ、環状シール部をなるべく全体的にパネルの一方主面に強い力で押付けることができ、グロメットとパネルとの間を通った水の浸入を抑制することができる。
また、補強部160は、環状シール部の周方向の一部に設けられるため、補強部160を環状シール部に埋設する作業が容易となる。
また、環状シール部が長円形状に形成されている場合、環状シール部のうち比較的小さい曲率半径の弧を描く部分は変形し難く、環状シール部のうち直線状を描く部分又は比較的大きい曲率半径の弧を描く部分は変形し易い。
そこで、図10に示す第2変形例に係るインナー部材240では、補強部260は、環状シール部のうち長尺方向(長軸方向)に沿って延在する両側部に部分的に埋設されている。より具体的には、補強部260は、鍔部46のうち一対の直線部分に設けられている。また、ここでは、補強部260の両端部は、一対の弧状部分の両端部にも形成されている。しかしながら、一対の弧状部分の中央部には、補強部は設けられていない。
なお、第2変形例では、係止部50に対応する係止部250は、周壁部42に対応する周壁部242のうち一対の弧状部分の中央部に設けられており、一対の直線部分には設けられていない。もっとも、上記実施形態と同様に、周壁部のうち一対の直線部分に係止部が設けられていてもよい。
この第2変形例によると、補強部260が、環状シール部のうち長尺方向に沿って延在する両側部に部分的に埋設される構成とすることで、補強部260の配設領域を小さくしつつ、環状シール部をなるべく全体的にパネルの一方主面に強い力で押付けることができ、グロメットとパネルとの間を通った水の浸入を抑制することができる。
また、補強部260は、環状シール部の周方向の一部に設けられるため、補強部260を環状シール部に埋設する作業が容易となる。
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
10 グロメット付電線
20 グロメット
22 グロメット本体
24 封止部
26 環状部
26g 環状溝部
28 環状シール部
28g 補強部配設凹部
40、140、240 インナー部材
42、242 周壁部
43 凹部
46 鍔部
50、250 係止部
60、160、260 補強部
P パネル
Ph 貫通孔
W 電線

Claims (7)

  1. 車両のパネルに形成された貫通孔に装着されるグロメットであって、
    前記貫通孔内に配設可能な周壁部と、
    弾性材料により形成され、前記周壁部の一端側から外周側に張出すように設けられた環状部と、前記貫通孔の周囲で前記パネルの一方主面に密着可能なように、前記環状部から徐々に外周側に広がるように突出して形成された環状シール部とを含む封止部と、
    前記環状シール部を前記パネルの一方主面に密着させた状態で、前記周壁部を前記貫通孔内に配設した状態に保持するように、前記パネルのうち前記貫通孔の周囲に係止可能な係止部と、
    前記封止部を形成する弾性材料よりも高剛性材料により形成され、前記環状シール部の延在方向の少なくとも一部に埋設された補強部と、
    を備えるグロメット。
  2. 請求項1に記載のグロメットであって、
    前記周壁部と前記係止部と前記補強部とが、前記封止部を形成する弾性材料よりも高剛性材料により一体形成されたインナー部材を備え、
    前記周壁部の一端部にその外周側に張出すように鍔部が一体形成されると共に、前記補強部が前記鍔部に一体形成され、
    前記環状部に前記鍔部を配設可能な環状溝部が形成されると共に、前記環状シール部内に前記補強部を配設可能な補強部配設凹部が前記環状溝部に連続して形成されている、グロメット。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のグロメットであって、
    前記補強部は、前記環状シール部の周方向全体に埋設されている、グロメット。
  4. 請求項1又は請求項2に記載のグロメットであって、
    前記貫通孔の周方向において、前記係止部が前記パネルのうち前記貫通孔の周囲に係止する箇所と異なる位置で、前記補強部が前記環状シール部に部分的に埋設されている、グロメット。
  5. 請求項1又は請求項2に記載のグロメットであって、
    前記環状シール部は長円形状に形成され、
    前記補強部は、前記環状シール部のうち長尺方向に沿って延在する両側部に部分的に埋設されている、グロメット。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のグロメットであって、
    前記補強部は、先端側に向うに従って徐々に薄くなる形状に形成されている、グロメット。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のグロメットと、
    前記グロメット内に挿通された少なくとも1本の電線と、
    を備えるグロメット付電線。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022088575A1 (zh) * 2020-10-29 2022-05-05 浙江一舟电子科技股份有限公司 一种异形屏蔽线缆及异形屏蔽线缆的制造方法
WO2023112565A1 (ja) * 2021-12-15 2023-06-22 矢崎総業株式会社 グロメット及びワイヤハーネス

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