JP2017045963A - 光学基材、及びそれを用いた半導体発光素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来に比べて優れた発光効率を有する半導体発光素子を歩留りよく製造することが可能な光学基材を提供すること。【解決手段】微細凹凸構造のドット列は、第1方向において、複数のドットがピッチPxで配列され、第2方向において、ドット列がピッチPyで配列されている。第1方向のドット列は、平均ピッチの1.06倍より大きいピッチを有する区間を有し、区間に隣接した区間は、平均ピッチの1.06倍より小さくされる。第2方向には、ドット列間の平均ピッチの1.06倍より大きいピッチを有する区間を有し、区間に隣接した区間は、平均ピッチの1.06倍より小さくされる。平均ピッチの1.06倍より大きい区間の中点を結んで構成される直線群と、平均ピッチの1.06倍より大きいピッチを有する区間の二等分線と、で囲まれる領域に含まれるドットの個数が、5以上15以下である。【選択図】図3
Description
本発明は、表面の一部又は全面に微細凹凸構造を有する光学基材及び半導体発光素子に関する。
半導体発光素子、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)は、従来の蛍光灯や白熱球等の旧来の発光装置に比較して、多くの利点を有している。例えば、小型であること、電力効率が高いこと、オンオフ応答性が速いこと、振動に強いこと、及び、機器寿命が長いことが、利点として挙げられる。
このような利点を活かし、LEDを用いた照明が普及し始めている。しかしながら、従来の蛍光灯を代替するにはLEDの更なる高効率化・高出力化・低コスト化が必要である。効率については、LEDの半導体層界面や光出射面等に凹凸構造を付与することで、より改善することが知られている。例えば、特許文献1では半導体層の表面に凹凸構造を設けて光の進行方向を変更することにより、光取り出し効率の向上を図っている。特許文献2では、基板上に凹凸構造を設け、半導体結晶層での光の導波方向を変えて、光取り出し効率LEEを上げる技術が提案されている。特許文献3では、単結晶基板に設ける凹凸構造の大きさをナノサイズとした技術が提案されている。この技術により、内部量子効率が改善することが多々報告されている。特許文献4では、p型半導体層の上面に凹凸構造を設け、透明導電膜とのコンタクト抵抗を低減させることで、電子注入効率を改善する技術が提案されている。
LEDの効率は、内部量子効率、光取り出し効率、そして電子注入効率の三つの効率の積により決定される。そして、上記引用した特許文献に記載されるように、これらの効率は、マイクロオーダーからナノオーダーの凹凸構造の付与により改善できることが示されている。
しかしながら、LED照明の普及には、LEDの更なる効率化、コストダウンが求められている。このうち高効率化については、特に光学基材にナノスケールの凹凸構造を設けることによって、内部量子効率IQE及び光取出し効率LEEが向上することが知られているが、両者の向上は未だ十分とは言えない。凹凸構造の大きさが半導体発光素子中の光の波長の数倍程度となることで、光の波動性が顕著になる。換言すれば、この領域での光取出し効率の向上には、光の波動性を利用しており、凹凸構造の周期や高さ、形状によって極大化される。しかし、更なる光取出し効率の向上には、異なる物理現象によって光の進行方向を変えて光取出し効率を向上させることが必要となる。例えば、微細凹凸構造に対して、より大きいマイクロスケールでの分布を導入することで、散乱性を付与することが考えられる。分布としては、例えば位置や高さ、形状が考えられる。前記分布によって導入される散乱性により、更なる光取出しの向上が期待される。
しかしながら、前記分布の導入は容易ではない。何故なら、分布の導入によって凹凸構造が均一でなくなると、結晶成長も不均一になり易く、製造の歩留りが低下してしまう為である。一般に、LEDの製造においてCVD(Chemical Vapor Deposition)によって半導体層を成膜する。この際、初期の核形成が不均一となると、核に引きずられて結晶の成長が不均一となり、CVD工程での半導体層の平坦化が困難になる。つまりピットや荒れが形成され易くなる。これは発光層の成膜時に半導体組成の不均一を招くためである。半導体層の平坦化が困難になることで、LEDとしての性能にウエハ内で分布が出たり、リーク電流の増加を招き、結果としてウエハあたりのチップ収率が低下したりする。即ち、ナノスケールの微細凹凸構造を設けた光学基材において、更なる光取出し効率LEEの向上の為にマイクロスケールの分布を導入すると、核形成が不均一になり、半導体層成膜時に収率が低下するという課題があった。
本発明はかかる点を鑑みてなされたものであり、特に従来に比べて優れた発光効率を有する半導体発光素子を歩留りよく製造することが可能な光学基材及びそれを用いた半導体発光素子を提供することを目的とする。
本発明は、表面の一部又は全面に微細凹凸構造が形成された光学基材であって、前記微細凹凸構造は、複数のドット列から構成され、前記ドット列は、基材主面内の第1方向において、複数のドットがピッチPxで配列され、前記基材主面内の前記第1方向に直交する第2方向において、前記ドット列がピッチPyで配列されており、前記第1方向において、前記ドット列には、平均ピッチPxavの1.06倍より大きいピッチを有する区間を有し、前記区間に隣接した区間のピッチは、前記平均ピッチPxavの1.06倍より小さくされており、前記第2方向には、ドット列間の平均ピッチPyavの1.06倍より大きいピッチを有する区間を有し、前記区間に隣接した区間のピッチは、前記平均ピッチPyavの1.06倍より小さくされており、前記平均ピッチPxavの1.06倍より大きいピッチを有する区間の中点からなる点群のうち、最近接の点同士を結んで構成される直線群と、前記平均ピッチPyavの1.06倍より大きいピッチを有する区間における二等分線と、で囲まれる領域に含まれる前記ドットの個数Gが、5以上15以下であることを特徴とする。
本発明では、前記微細凹凸構造の前記平均ピッチPxav及び前記平均ピッチPyavが、夫々、200nm以上1500nm以下であることが好ましい。
また本発明における半導体発光素子は、上記に記載の光学基材の上に、少なくとも第一半導体層、発光半導体層、第二半導体層を積層して得られることを特徴とする。
本発明の光学素子によれば、内部量子効率及び光取出し効率の両方を向上させ、更に優れた発光効率を有する半導体発光素子を歩留りよく製造することが可能となる。
以下、本発明の一実施の形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、光学基材に設けるナノパターンの微細凹凸構造によって構成されるドット群が特定の条件を満たす場合、内部量子効率IQEの向上及び光取り出し効率LEEの向上を保ち、更に歩留り高く製造可能な半導体発光素子となることを見出した。
以下、本実施の形態に係る半導体発光素子100が効果を発揮する原理について説明する。本実施の形態に係る半導体発光素子100において、光学基材10は、以下の特徴的構成を備えている。
(1) 微細凹凸構造20が、複数のドット列から構成される。
(2) ドット列は、基材主面内の第1方向において、複数のドットがピッチPxで配列され、基材主面内の第1方向に直交する第2方向において、ドット列がピッチPyで配列されている。
(3) 第1方向において、ドット列には、平均ピッチPxavの1.06倍より大きいピッチを有する区間を有し、前記区間に隣接した区間のピッチは、平均ピッチPxavの1.06倍より小さくされている。
(4) 第2方向には、ドット列間の平均ピッチPyavの1.06倍より大きいピッチを有する区間を有し、前記区間に隣接した区間のピッチは、平均ピッチPyavの1.06倍より小さくされている。
(5) 平均ピッチPxavの1.06倍より大きいピッチを有する区間の中点からなる点群のうち、最近接の点同士を結んで構成される直線群と、平均ピッチPyavの1.06倍より大きいピッチを有する区間における二等分線と、で囲まれる領域に含まれるドットの個数Gが、5以上15以下である。
(2) ドット列は、基材主面内の第1方向において、複数のドットがピッチPxで配列され、基材主面内の第1方向に直交する第2方向において、ドット列がピッチPyで配列されている。
(3) 第1方向において、ドット列には、平均ピッチPxavの1.06倍より大きいピッチを有する区間を有し、前記区間に隣接した区間のピッチは、平均ピッチPxavの1.06倍より小さくされている。
(4) 第2方向には、ドット列間の平均ピッチPyavの1.06倍より大きいピッチを有する区間を有し、前記区間に隣接した区間のピッチは、平均ピッチPyavの1.06倍より小さくされている。
(5) 平均ピッチPxavの1.06倍より大きいピッチを有する区間の中点からなる点群のうち、最近接の点同士を結んで構成される直線群と、平均ピッチPyavの1.06倍より大きいピッチを有する区間における二等分線と、で囲まれる領域に含まれるドットの個数Gが、5以上15以下である。
図2を参照して、本実施の形態に係る光学用基材の構成について詳細に説明する。図2は、本実施の形態に係る光学基材の平面模式図である。図2に示すように、微細凹凸構造20は、光学基材10の主面から上方に突出する複数の凸部を含み、それぞれ特定の間隔を持って配置されている。なお、微細凹凸構造20は、複数の凸部でなく複数の凹部で構成されていてもよい。以下、微細凹凸構造を構成する凸部または凹部を「ドット」と称する。なお図2には代表的に一つのドットに符号21を付した。
図2に示すように、ドット21は、光学基材10の主面内の第1方向(図2では横方向)において、複数のドット21が不定間隔Px(図中のPij:i=0~4、j=1~4)で配列された複数のドット列を構成する。
また、図2に示すように、各ドット列は、光学基材10の主面内で第1方向に直交する第2方向において、不定間隔Py(ピッチPy1、Py2、Py3、Py4)で配置されている。
なお、Pxの定義は、微細凹凸構造20を構成するドット列のうち、同一ドット列内において、あるドットの中心と前記ドットに隣接するドットの中心との間の距離を、ピッチPxと定義する。
また、Pyの定義は、微細凹凸構造20を構成するドット列のうち、あるドット列の中心線と、前記ドット列に隣接するドット列の中心線との間の最短距離を、Pyと定義する。
まず、第1方向のPx及び第2方向のPyの平均を求める。ここで、観察に使用する局所的範囲とは、微細凹凸構造の平均ピッチPxav或いは平均ピッチPyavの5倍〜50倍程度の範囲として定義する。例えば、平均ピッチPxavが700nmであれば、3500nm〜35000nmの観察範囲の中で観察を行う。そのため、例えば7500nmの視野像を、微細凹凸構造を有する領域内の、例えば中央の位置で撮像し、該撮像を使用して相加平均を求める。前記視野像の撮像には、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)を用いることができる。
(相加平均)
ある要素(変量)の分布のN個の測定値をx1、x2…、xnとした場合に、相加平均値は、以下の式(1)にて定義される。
ある要素(変量)の分布のN個の測定値をx1、x2…、xnとした場合に、相加平均値は、以下の式(1)にて定義される。
相加平均を算出する際のサンプル点数Nは、20として定義する。20としたのは、下記局所的範囲内で任意に個々の凹凸構造を選んだ際、十分な統計平均を取るためである。
本実施の形態では、微細凹凸構造の平均ピッチPxav及び平均ピッチPyavが、夫々、200nm以上1500nm以下であることが好ましい。これにより結晶成長時の欠陥を減少させることができ、内部量子効率IQEの向上が可能となる。
次に、第1方向のピッチPxについて、前記で得た平均値Pxavの1.06倍より大きい区間を選び、その区間の中点を求める。そして、最近接の中点同士を選んで、直線群を構成する。
具体的には図2において、平均値Pxavの1.06倍より大きい区間は、P01、P04、P11、P14、P21、P24、P31、P34、P41、P44の各区間である。従って図3に示すように、P01、P04、P11、P14、P21、P24、P31、P34、P41、P44の各区間の中点O1〜O10を求める。そして、各中点O1〜O10において最近接の中点同士を選ぶ。中点O1に対する最近接の中点は中点O3であるため、中点O1と中点O3とを直線で結ぶ。また中点O3に対する最近接の中点は既に直線を結んだ中点O1を除くと中点O5であるため、中点O3と中点O5とを直線で結ぶ。このようにして最近接の中点同士を結ぶことで、図3に示す直線群L1、L2を得ることができる。
同様に、第2方向のピッチPyについても、前記で得た平均値Pyavの1.06倍より大きい区間を選び、その区間の二等分線を引く。
具体的には図2において、平均値Pyavの1.06倍より大きい区間は、Py1、Py4の各区間である。従って図3に示すように、Py1、Py4の各区間の二等分線L3、L4を引く。
そして、これら直線群L1、L2と二等分線L3、L4で囲まれた領域Aを得ることができる。
図3に示すように、領域Aには、9個のドットが含まれている。ここで本実施の形態では、この領域に含まれるドット数Gは、5以上、15以上であることが好ましい。これは以下の理由による。
一般に、半導体発光素子の発光効率は、内部量子効率IQEと光取り出し効率LEEによって決定される。IQE向上のために、結晶欠陥の低減及びdroopを抑えること、LEE向上のために、導波モードを崩して且つ効果的にチップ外部に取り出すこと、との両立が必要となる。
両者の両立の為には、例えば微細凹凸構造をナノオーダーとすることが用いられている。これは、ナノオーダーの凹凸構造によって、結晶欠陥のモードが乱れることによる結晶性の向上、及び、ナノ構造によって光の波動性を強調することができ、その結果生じる光回折、中でも回折のモード数と回折角度を制御することで、半導体発光素子内部の光を効果的にチップ外に取り出すことが可能となるためである。
しかしながら、更なる高効率化に向けて、特に光取出し効率の向上には、従来の規則的なナノオーダーの微細凹凸構造では十分でない。従って、波動性に加えて、別の物理現象によって光の進行方向を変えることで光取出し効率LEEを向上させることが求められていた。例えば、乱れによって散乱性を付与することによって、従来の波動性とは異なる成分が生じることになり、更なる光取出しの向上が可能になると思われた。
一方、微細凹凸構造に乱れがあると、前記光学基材を用いた半導体層の成膜が困難になる。半導体層の成膜に用いられるCVD工程では、初期に結晶の核を光学基材上に作り、前記核を起点として結晶成長を行う。光学基材に設けられる微細凹凸構造の分布が大きい場合、核が面内に偏在することで、結晶成長による半導体層の平坦化が困難になり、表面の荒れやピットの形成につながる。これにより、発光層成膜時の組成の不均一さや膜厚分布につながり、LEDとしての性能にウエハ内で分布が出る、或いは、リーク電流の増加を招き、結果としてウエハあたりのチップ収率が低下してしまう。
例えば、微細凹凸構造のパラメータを変えて屈折率に分布を持たせる場合、面内で微細凹凸構造の高さや形状を変化させることはエッチングの面から難しい。一方、ドット位置はパターン作成時のモールド、或いはマスクによって定まる為、変化させやすい。ここで、効果的に散乱性を発現させるために、ピッチの変化として1.06以上の部分が必要であることがわかった。
一方、所望のピッチ変化を設けると、基板上に露出する結晶成長面の面積にも分布が生じることになる。特に、結晶成長面が広く露出している部分、即ち前記ピッチが大きい部分に核が生じやすい。ここで、ドット群を構成するドット数Gが多い場合、微細凹凸構造20に対して、相対的に結晶核が生じやすい領域の間隔が離れることになる。この時、結晶核が成膜に従い、ある程度成長しないと核同士が会合しにくくなり、半導体層の表面の荒れやピットの形成につながり、リーク電流が多くなる。リーク電流はダイオードの電気特性を表す量であり、所定の量以上の電流値であると、成膜がうまくいっていないことを示す。
ドット群を構成するドット数Gは、ドットの位置分布によって生じる光散乱性が好適となるため、5以上が好ましく、6以上がより好ましい。一方、上限は、成膜条件の観点から、ドット群を構成するドット数Gは15以下が好ましく、12以下がより好ましい。
なお、微細凹凸構造20は、光学基材10の一方の主面に形成されている。微細凹凸構造20は主面の全面でも、主面の一部に設けることができる。また、ドットの形状は、例えば、円錐、円柱、四角錐、四角柱、六角錐、六角柱、多角錐、多角柱、二重リング状、多重リング状等の構造が挙げられる。なお、これらの形状は底面の外径が歪んだ形状や、側面が湾曲した形状を含む。
次に、上記した構成を備える光学基材10を用いて形成される半導体発光素子100の構造について説明する。
図1は、本実施の形態に係る半導体発光素子を示す断面概略図である。図1に示すように、半導体発光素子100において、光学基材10は、その表面に微細凹凸構造20を具備している。光学基材10の微細凹凸構造20を含む表面上に第1半導体層30、発光半導体層40及び第2半導体層50が順次積層されている。ここで、発光半導体層40にて発生した発光光は、第2半導体層50側又は光学基材10から取り出される。更に、第1半導体層30と第2半導体層50と、は互いに異なる半導体層である。ここで、第1半導体層30の表面は平坦化面であることが好ましい。第1半導体層30の表面が平坦化面であることにより、第1半導体層30の半導体としての性能を、発光半導体層40及び第2半導体層50へと反映させることができるため、内部量子効率IQEが向上する。
また、第1半導体層30は、図1に示すように、非ドープ第1半導体層31とドープ第1半導体層32とから構成されてもよい。ここで、非ドープ第1半導体層31の表面が平坦化面で形成されることにより、非ドープ第1半導体層31の半導体としての性能を、ドープ第1半導体層32、発光半導体層40及び第2半導体層50へと反映させることができ、内部量子効率IQEが向上する。
更に、非ドープ第1半導体層31は、図1に示すように、バッファー層33を含むと好ましい。半導体発光素子100においては、微細凹凸構造20上にバッファー層33を設け、続いて、非ドープ第1半導体層31及びドープ第1半導体層32を順次積層する。これにより、第1半導体層30の結晶成長の初期条件である核生成及び核成長が良好となり、第1半導体層30の半導体としての性能が向上するため、内部量子効率IQEの改善程度が向上する。ここでバッファー層33を厚くして、バッファー層33の表面が平坦化面となるように調整してもよいが、バッファー層33の成長速度は遅いため、半導体発光素子100の製造時間を短縮する観点から、バッファー層33上に設けられる非ドープ第1半導体層31の表面が平坦化面となるように調整することが好ましい。非ドープ第1半導体層31の表面が平坦化面となるように調整することにより、非ドープ第1半導体層31の半導体としての性能を、ドープ第1半導体層32、発光半導体層40及び第2半導体層50へと反映させることができ、内部量子効率IQEが向上する。なお、図1において、バッファー層33は微細凹凸構造20の表面全体を覆うように形成されているが、微細凹凸構造20の表面に部分的に設けることもできる。特に、微細凹凸構造20の凹部底部に優先的にバッファー層33を設けることができる。
更に、第2半導体層50上に透明導電膜60を、透明導電膜60の表面にアノード電極70を、第1半導体層30表面にカソード電極80を、そして光学基材10の裏面に反射層90を、それぞれ設けることができる。透明導電膜60、アノード電極70及びカソード電極80の配置は、半導体発光素子100により適宜、最適化できるため限定されないが、一般的に、図1に例示するように設けられる。
図1に示した半導体発光素子100は、ダブルヘテロ構造の半導体発光素子に適用した例であるが、第1半導体層30、発光半導体層40及び第2半導体層50の積層構造はこれに限定されるものではない。
本実施の形態の半導体発光素子100によれば、内部量子効率及び光取出し効率の両方を向上させることができ、更に優れた発光効率を有する。
次に、半導体発光素子100を構成する各層の材質等について説明する。本実施の形態に係る半導体発光素子100は、光学基材10の上面に設けられた微細凹凸構造20が前記所定の範囲を満たすことで、内部量子効率IQE及び光取り出し効率LEEの両者を向上させた半導体発光素子100となる。このため、この効果を発揮する限り、各半導体層の材料、状態、層数又は厚み、電極の材料、層数、配置又は厚み、発光半導体層の材料、層数又は厚み、成長基材の材料、面方位又は厚み等は適宜選択することができ、特に限定されない。
(第1半導体層30)
第1半導体層30としては、半導体発光素子(LED)に適したn型半導体層として使用できるものであれば、特に制限はない。例えば、シリコン、ゲルマニウム等の元素半導体、及び、III−V族、II−VI族、VI−VI族等の化合物半導体に適宜、種々の元素をドープしたものを適用できる。
第1半導体層30としては、半導体発光素子(LED)に適したn型半導体層として使用できるものであれば、特に制限はない。例えば、シリコン、ゲルマニウム等の元素半導体、及び、III−V族、II−VI族、VI−VI族等の化合物半導体に適宜、種々の元素をドープしたものを適用できる。
また、微細凹凸構造20がナノオーダーであることより、第1半導体層30で微細凹凸構造20を平坦化するために必要な厚みが薄くなる。このため、発光半導体層40からの光を吸収する半導体層が薄くなることで、光取り出し効率LEEの更なる向上が見込まれると共に、第1半導体層30、並びにその上に順次積層される発光半導体層40及び第2半導体層50の反りを抑制することが可能となり、従来よりも大面積の半導体発光素子100とすることができる。このため、第1半導体層30の厚みは、5μm以下が好ましく、4μm以下がより好ましく、3.5μm以下が更に好ましく、2.5μm以下がより一層好ましく、1.5μm以下が最も好ましい。
(発光半導体層40)
発光半導体層40としては、半導体発光素子(例えば、LED)として発光特性を有するものであれば、特に限定されない。例えば、発光半導体層40として、AsP、GaP、AlGaAs、InGaN、GaN、AlGaN、ZnSe、AlHaInP、ZnO等の半導体層を適用できる。また、発光半導体層40には、適宜、特性に応じて種々の元素をドープしてもよい。
発光半導体層40としては、半導体発光素子(例えば、LED)として発光特性を有するものであれば、特に限定されない。例えば、発光半導体層40として、AsP、GaP、AlGaAs、InGaN、GaN、AlGaN、ZnSe、AlHaInP、ZnO等の半導体層を適用できる。また、発光半導体層40には、適宜、特性に応じて種々の元素をドープしてもよい。
(第2半導体層50)
第2半導体層50としては、半導体発光素子(例えば、LED)に適したp型半導体層として使用できるものであれば、特に制限はない。例えば、シリコン、ゲルマニウム等の元素半導体、及び、III−V族、II−VI族、VI−VI族等の化合物半導体に適宜、種々の元素をドープしたものを適用できる。
第2半導体層50としては、半導体発光素子(例えば、LED)に適したp型半導体層として使用できるものであれば、特に制限はない。例えば、シリコン、ゲルマニウム等の元素半導体、及び、III−V族、II−VI族、VI−VI族等の化合物半導体に適宜、種々の元素をドープしたものを適用できる。
(光学基材10)
光学基材10の材質は、半導体発光素子用基板として使用できるものであれば特に制限はない。サファイア、SiC、SiN、GaN、W−Cu、シリコン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化マンガン亜鉛鉄、酸化マグネシウムアルミニウム、ホウ化ジルコニウム、酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化リチウムガリウム、酸化リチウムアルミニウム、酸化ネオジウムガリウム、酸化ランタンストロンチウムアルミニウムタンタル、酸化ストロンチウムチタン、酸化チタン、ハフニウム、タングステン、モリブデン、GaP、GaAs等の基板を用いることができる。
光学基材10の材質は、半導体発光素子用基板として使用できるものであれば特に制限はない。サファイア、SiC、SiN、GaN、W−Cu、シリコン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化マンガン亜鉛鉄、酸化マグネシウムアルミニウム、ホウ化ジルコニウム、酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化リチウムガリウム、酸化リチウムアルミニウム、酸化ネオジウムガリウム、酸化ランタンストロンチウムアルミニウムタンタル、酸化ストロンチウムチタン、酸化チタン、ハフニウム、タングステン、モリブデン、GaP、GaAs等の基板を用いることができる。
中でも半導体層との格子マッチングの観点から、サファイア、GaN、GaP、GaAs、SiC基板、Si基板、スピネル基板等を適用することが好ましい。更に、単体で用いてもよく、これらを用いた基板本体上に別の基板を設けたヘテロ構造の基板としてもよい。例えば、光学基材10に、C面(0001)を主面とするサファイア基板を用いることができる。
(透明導電膜60)
本実施の形態に係る半導体発光素子100においては、透明導電膜60の材質は、例えば、LEDに適した透明導電膜60として使用できるものであれば、特に制限はない。例えば、Ni/Au電極等の金属薄膜や、ITO、ZnO、In2O3、SnO2、IZO、IGZO等の導電性酸化物膜等を適用できる。特に、透明性、導電性の観点からITOが好ましい。
本実施の形態に係る半導体発光素子100においては、透明導電膜60の材質は、例えば、LEDに適した透明導電膜60として使用できるものであれば、特に制限はない。例えば、Ni/Au電極等の金属薄膜や、ITO、ZnO、In2O3、SnO2、IZO、IGZO等の導電性酸化物膜等を適用できる。特に、透明性、導電性の観点からITOが好ましい。
(反射層90)
反射層90の材質は発光波長での反射率が高ければ特に限定されない。例えば金属ではAg、Al又はその合金などが、例えば反射率や光学基材10との密着性などから選択される。或いは、より高い反射率とするために、誘電体多層膜を形成しても良い。反射率が所望の範囲で有れば膜厚及び層数は特に限定されず、例えば高屈折率層としてチタン酸化物、ジルコニウム酸化物、ニオブ酸化物、タンタル酸化物、窒化アルミ、低屈折率層としてシリコン酸化物を用いることができる。また、誘電体多層膜を形成した後、金属を成膜しても良い。
反射層90の材質は発光波長での反射率が高ければ特に限定されない。例えば金属ではAg、Al又はその合金などが、例えば反射率や光学基材10との密着性などから選択される。或いは、より高い反射率とするために、誘電体多層膜を形成しても良い。反射率が所望の範囲で有れば膜厚及び層数は特に限定されず、例えば高屈折率層としてチタン酸化物、ジルコニウム酸化物、ニオブ酸化物、タンタル酸化物、窒化アルミ、低屈折率層としてシリコン酸化物を用いることができる。また、誘電体多層膜を形成した後、金属を成膜しても良い。
また、光学基材10との密着性を改善するために、光学基材10と反射層90の間に密着層を設けても良い。密着層は例えばシリコン酸化物を用いることができる。
以下、本発明の効果を明確にするために実施した実施例により本発明を詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
LED用基板を作成し、当該LED用基板にCVD成膜を行い、第1半導体層成膜後、表面粗さをAFMにより測定した。また、ダイオードの特性として逆電流を測定し、リーク電流が以下で記載する値より小さいものを合格品とし、その割合を歩留りとした。更に、素子としての発光効率を比較した。
まず、LED用基板を作製した。LED用基板のパターンは、ナノ加工シートを使用して作成した。ナノ加工シートについては後述する。2インチの片面鏡面のc面サファイアを準備し、洗浄した。続いて、サファイアを120℃のホットプレート上に配置した。次に、ナノ加工シートを、120℃に加温したラミネートロールを使用して、サファイアに貼り合わせた。貼り合わせは、0.5MPaの圧力で、線速50mm/秒にて行った。ナノ加工シートの貼り合わせされたサファイアに対して、サファイア越しに紫外線を照射した。紫外線は、波長365nmのUV−LED光源より照射されたもので、積算光量が1500mJ/cm2になるように設定した。次に、120℃に加熱した2枚の並行平板で、ナノ加工シートとサファイアを挟み込んだ。挟み込みの圧力は0.3MPaとし、時間は10秒とした。続いて、空冷にて室温まで冷却し、ナノ加工シートをサファイアより、50mm/秒の速度で剥離した。以上の操作により、サファイアの主面上に、2層レジスト層を転写付与した。レジスト層の表面には凹凸構造が設けられている。この凹凸構造の形状及び配列、2層レジストの層構成、そして以下に記載のドライエッチング条件によりLED用基板のパターンを制御した。
ナノ加工シートは、貼合操作及び剥離操作で、被処理体上に加工マスクを転写付与できる成形体である。構成としては、樹脂製のモールド、第1レジスト層、及び第2レジスト層である。樹脂モールドは、表面に凹凸構造を有し、当該凹凸構造の凹部の内部に、第1レジスト層が充填される。そして、樹脂モールドの凹凸構造と第1レジスト層と、を平坦化するように第2レジスト層が配置される。
まず、樹脂製のモールドを、ロール・ツー・ロールの光ナノインプリント法を使用して、製造した。幅は500mm、長さは180mである。層構成としては、厚み50μmのPETフィルムの易接着面上に厚み1.5μmの転写層がある構成であり、転写層の表面に光ナノインプリント法にて転写された凹凸構造がある。また、樹脂モールドの凹凸構造面に対する水滴の接触角は140°〜153°の間であった。
次に、樹脂モールドの凹凸構造に対して、第1レジスト層を、ダイコート法にて成膜した。第1レジスト層は、チタン含有有機無機複合レジストである。チタン含有有機無機複合レジストは、表面張力が24.0mN/m以下の溶剤Aと、表面張力が27.0mN/m以上の溶剤Bと、を混合した混合溶剤にて希釈し、塗布液とした。ダイコート法にて塗布する際に、ダイリップの上流側を減圧した。塗布の速度は10m/分とし、吐出量を制御することで、第1レジスト層の充填量を制御した。塗布後、120℃のエアを吹き付け乾燥させ、その後、巻き取り回収した。ここで、第1レジスト層を成膜した樹脂モールドを解析し、第1レジスト層の状態を把握した。解析は、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡、及びエネルギー分散型X線分光法を併用した。第1レジスト層は、樹脂モールドの凹凸構造の凹部の内部に充填されていた。一方で、樹脂モールドの凹凸構造の凸部の上面には、数ナノメートルオーダーの第1レジスト層の残渣(凝集物)が観察されることはあったが、当該上面に、第1レジスト層が厚く成膜されることはなかった。また、ダイコート成膜に関し、塗液の吐出量を変化させることで、第1レジスト層の充填量が変化し、これに伴い、第1レジスト層の充填径が変化することを確認した。
次に、第1レジスト層の充填された樹脂モールドに対して、第2レジスト層を成膜した。成膜方法は、第1レジスト層の場合と同様に行った。第2レジスト層は、アクリロイル基を側鎖に具備するノボラック樹脂であり、表面張力が25.0mN/m以下の溶剤にて希釈し、塗液とした。乾燥は、105℃にて行った。乾燥後、ヘーズ(濁度)が10%以下のPE/EVA保護フィルムを貼り合わせ、巻き取り、回収した。ここで、製造したナノ加工シートを解析し、第1レジスト層及び第2レジスト層の状態を把握した。解析は、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡、及びエネルギー分散型X線分光法を併用した。第1レジスト層については、第2レジスト層の成膜前後で変化はなかった。第2レジスト層は、樹脂モールドの凹凸構造及び第1レジスト層を平坦化するように成膜できていた。また、成膜厚は、ダイコート成膜の吐出量を変化させることで、制御可能であることを確認した。即ち、ダイコート成膜の吐出量を制御して、第1レジスト層の充填径及び第2レジスト層の膜厚を変化させた。
製造したナノ加工シートを使用して、既に説明したように、サファイアの主面上に、第1レジスト層及び第2レジスト層からなる2層レジスト層を転写付与した。次に、レジスト層を加工するエッチングと、サファイアを加工するエッチングを同一チャンバー内で連続して行った。レジスト層のエッチングには、酸素ガスを使用した。ここでは、第1レジスト層が第2レジスト層のエッチングマスクとして機能し、第2レジスト層をサファイアの主面が部分的に露出するまでエッチングした。エッチング条件は、処理ガス圧1Pa、処理電力300Wの条件とした。続いて、BCl3ガスとCl2ガスと、の混合ガスを使用した反応性イオンエッチングを行い、サファイアをエッチングした。ここでは、第2レジスト層をエッチングマスクとして、サファイアをエッチングした。処理条件としては、ICP:150W、BIAS:50W、圧力0.2Paとした。
エッチング加工したサファイアを取り出し、硫酸及び過酸化水素水を2:1の重量比にて混合した溶液にて洗浄した。この時、処理液の温度は、100℃以上に制御した。
製造したサファイアの主面には、パターンが形成されていた。このパターンの形状(凸部底部の径φ、高さH)は、ナノ加工シートの第1レジスト層の充填径及び第2レジスト層の膜厚、及びドライエッチングの処理条件により、任意に調整できた。
得られたサファイア基材上に、バッファー層としてAlxGa1−xN(0≦x≦1)の低温成長バッファー層を100Å成膜した。なお、参照として平坦なサファイア基板も含めて以降の成膜は行った。次に、非ドープ第1半導体層として、アンドープのGaNを成膜した。
この状態で基板を取出し、得られた半導体層の表面平坦性を、AFMによって200μmの視野で観察し、その際の自乗平均面粗さ(RMS)を測定して比較評価を行った。
その後、得られた基板にドープ第1半導体層として、SiドープのGaNを成膜した。続いて歪吸収層を設け、その後、発光半導体層として、多重量子井戸の活性層(井戸層、障壁層=アンドープのInGaN、SiドープのGaN)をそれぞれの膜厚を(60Å、250Å)として井戸層が6層、障壁層が7層となるように交互に積層した。発光半導体層上に、第2半導体層として、エレクトロブロッキング層を含むようにMgドープのAlGaN、アンドープのGaN、MgドープのGaNを積層し、積層半導体層を得た。
その後、透明導電膜としてITOを成膜し、電極形成工程の後、リーク電流の測定を行った。2インチのサファイア基板上に得られたLED素子3000個以上に対して、オートプローバを用いてp電極パッドとn電極パッドの間に―5V(逆バイアス)印加した際のリーク電流(Ir)を測定した。その際のリーク電流が、0.23μA未満であった素子の割合(%)を、歩留り(%)として測定した。
内部量子効率IQEはPL強度より決定した。内部量子効率IQEは、(単位時間に発光半導体層より発せられるフォトンの数/単位時間に半導体発光素子に注入される電子の数)により定義される。本実施例においては、上記内部量子効率IQEを評価する指標として、(300Kにて測定したPL強度/10Kにて測定したPL強度)を採用した。表1及び表2より、ナノオーダーの微細凹凸構造とすることで、市販の平坦基板よりもIQEが高くなり、即ち結晶性が向上していることがわかった。
その後、実装工程を行った。サファイア基材を厚さ160μmまで研磨して裏面に反射層を設けた。反射層は、Ag−Pd−Cu系の合金を成膜した。その後、裁断工程を経て得られた半導体発光素子について、前記3000個の半導体発光素子のうち、20個について実装を行い、平均を求めた。金メッキTO缶にAgペーストで接合し、ワイヤボンディングすることでp電極パッドとn電極パッドの間に電流を流し発光出力を測定した。なお、チップの大きさは350μm四方、電流は20mAとし、発光波長は450nmであった。発光出力は正六方配列のものを1として規格化した。
表1は、平均ピッチが700nmの場合である。群を構成するドット数Gを変化させてLEDの歩留り、発光効率を比較した。表1には、微細凹凸構造を形成しないものを比較例0として掲載した。
実施例1は、PxとPyを以下に示す式(2)に従って変化させた。PxについてはP0を700nm、Cを0.1、L0を2100nmとし、PyについてはP0を606nm、Cを0.1、L0を1818nmとした。この場合、Pxでは760nmのピッチを有する区間が、平均ピッチ700nmの1.06倍以上の長さを有する。Pyも同様に考えることができ、群を構成するドット数Gは9となった。六方配列である比較例1と比較すると、IQEがほぼ同じであり、発光出力が向上していることから、光取出し効率が向上していることがわかった。また平坦基板と同様に、半導体層の表面粗さも問題ない範囲で、高い歩留りを示していることがわかった。
比較例2では、群を構成するドット数Gが4の場合であった。具体的には、Pxを760nm、640nm、Pyを660nm、550nmとした。ピッチは長、短が交互となり、長の部分で区切られる為、群を構成するドット数Gは4であった。このとき、六方配列の比較例1と同様の高い歩留りを示しているが、群を構成するドット数Gが小さい為に光取出し効率の向上が小さいことがわかった。
比較例3では、群を構成するドット数Gが16の場合であった。具体的には、Px、Pyを、式(2)に従って変化させた。PxについてはP0を700nm、Cを0.1、L0を2800nmとし、PyについてはP0を606nm、Cを0.1、L0を2424nmとした。この時、例えばPxは770nmの区間によって区切られる。光取出し効率は比較例1よりも向上しているが、表面粗さが他の実施例、比較例よりも大きく、また歩留りも低下していることがわかった。以下の表2は、表1と同じ配列で、平均ピッチを500nmとした場合である。
実施例2は、PxとPyを前記の式(2)に従って変化させた。なお、PxについてはP0を500nm、Cを0.1、L0を1500nmとし、PyについてはP0を433nm、Cを0.1、L0を1299nmとした。この場合、Pxでは540nmのピッチを有する区間が、平均ピッチ500nmの1.06倍以上の長さを有する。Pyも同様に考えることができ、群を構成するドット数Gは9となった。六方配列である比較例4と比較すると、IQEがほぼ同じであり、発光出力が向上していることから、光取出し効率が向上していることがわかった。また平坦基板と同様に、半導体層の表面粗さも問題ない範囲で、高い歩留りを示していることがわかった。
比較例5では、群を構成するドット数Gが4の場合であった。具体的には、Pxを540nm、460nm、Pyを470nm、400nmとした。ピッチは長、短が交互となり、長の部分で区切られる為、群を構成するドット数Gは4であった。このとき、六方配列の比較例1と同様の高い歩留りを示しているが、群を構成するドット数Gが小さい為に光取出し効率の向上が小さいことがわかった。
比較例6では、群を構成するドット数Gが16の場合であった。具体的には、Px、Pyを、式(2)に従って変化させた。PxについてはP0を500nm、Cを0.1、L0を2000nmとし、PyについてはP0を433nm、Cを0.1、L0を1732nmとした。この時、例えばPxは550nmの区間によって区切られる。光取出し効率は比較例1よりも向上しているが、表面粗さが他の実施例、比較例よりも大きく、また歩留りも低下していることがわかった。
上記より、表1と同様に、群を構成するドット数Gが所定の範囲内にあることで、光取出し効率の向上と、半導体層成膜時の歩留り向上の両者が達成されていることがわかった。
実施例3ではPxを760nm、640nmと長、短の交互とし、Pyについては実施例1と同様に、P0を606nm、Cを0.1、L0を1818nmとした。この場合、Pxでは760nmのピッチを有する区間が、平均ピッチ700nmの1.06倍以上の長さを有する。Pyも同様に考えることができ、群を構成するドット数Gは6となった。
実施例4では、Pxについては、P0を700nm、Cを0.1、L0を2800とし、Pyについては実施例1と同様に、P0を606nm、Cを0.1、L0を1818nmとした。この場合、Pxでは770nmのピッチを有する区間が、平均ピッチ700nmの1.06倍以上の長さを有する。Pyも同様に考えることができ、群を構成するドット数Gは12となった。
いずれの実施例においても、所定の範囲を満たしていることで、光取出し効率が向上していることがわかった。また平坦基板と同様に、半導体層の表面粗さも問題ない範囲で、高い歩留りを示していることがわかった。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、図面に図示されている大きさや形状等については、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。
本発明は、例えば、発光ダイオード(LED)等の半導体発光素子に好適に適用することが可能である。
10 光学基材
20 微細凹凸構造
21 ドット
30 第1半導体層
40 発光半導体層
50 第2半導体層
100 半導体発光素子
20 微細凹凸構造
21 ドット
30 第1半導体層
40 発光半導体層
50 第2半導体層
100 半導体発光素子
Claims (3)
- 表面の一部又は全面に微細凹凸構造が形成された光学基材であって、
前記微細凹凸構造は、複数のドット列から構成され、
前記ドット列は、基材主面内の第1方向において、複数のドットがピッチPxで配列され、
前記基材主面内の前記第1方向に直交する第2方向において、前記ドット列がピッチPyで配列されており、
前記第1方向において、前記ドット列には、平均ピッチPxavの1.06倍より大きいピッチを有する区間を有し、前記区間に隣接した区間のピッチは、前記平均ピッチPxavの1.06倍より小さくされており、
前記第2方向には、ドット列間の平均ピッチPyavの1.06倍より大きいピッチを有する区間を有し、前記区間に隣接した区間のピッチは、前記平均ピッチPyavの1.06倍より小さくされており、
前記平均ピッチPxavの1.06倍より大きいピッチを有する区間の中点からなる点群のうち、最近接の点同士を結んで構成される直線群と、前記平均ピッチPyavの1.06倍より大きいピッチを有する区間における二等分線と、で囲まれる領域に含まれる前記ドットの個数Gが、5以上15以下であることを特徴とする光学基材。 - 前記微細凹凸構造の前記平均ピッチPxav及び前記平均ピッチPyavが、夫々、200nm以上1500nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学基材。
- 請求項1又は2に記載の光学基材の上に、少なくとも第一半導体層、発光半導体層、第二半導体層を積層して得られることを特徴とする半導体発光素子。
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