以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
<<1.第一の実施形態>>
<1−1.第一の実施形態の概要>
まず、図1、2を参照しながら、本発明の第一の実施形態に係る情報処理システムの概要を説明する。図1は、本発明の第一の実施形態に係る情報処理システム1のシステム構成例を示す説明図である。
情報処理システム1は、環境情報を取得し、取得された環境情報に基づいて、地震や火災等の災害が発生時に、避難誘導や救助活動等のための情報を防災対策要員に提供するシステムである。図1に示すように、本発明の第一の実施形態に係る情報処理システム1は、情報処理装置10−1A〜Dと、集中管理装置22を備える集中管理センター20と、情報表示端末30と、通信網40と、を有する。
情報処理装置10−1A〜Dは、所定の建物の内部等に分散配置される情報処理装置である。情報処理装置10−1A〜Dは、情報処理装置10−1A〜Dが有するセンサ(図1において不図示)により環境情報を取得し、通信網40を介して、取得した環境情報や、環境情報に基づいて生成される解析環境情報を集中管理装置22に送信する。なお、情報処理装置10−1A〜Dの構成の詳細については後述する。
集中管理センター20は、災害に関する情報の集約や、災害状況の解析、情報の配信等を行う施設である。集中管理センター20に備えられる集中管理装置22は、通信網40を介して、情報処理装置10−1A〜D(複数の情報処理装置)から、環境情報、または解析環境情報を受信する情報処理装置である。受信された環境情報は、集中管理センター20に存在するユーザ、または、集中管理装置22によって解析されて、解析環境情報が生成されてもよい。
受信された、または生成された解析環境情報は、集中管理装置22から情報表示端末30に配信(提供)される。なお、集中管理装置22と情報表示端末30とは、図1に示したように無線通信技術により直接的に接続されてもよいし、後述する通信網40等の伝送路を経由して接続されてもよい。また、解析環境情報の詳細については後述するが、解析環境情報は、例えば火災等の災害が発生した災害現場の位置の情報や、環境情報から検出された人物(避難者)に関する人物情報等を含んでもよい。
情報表示端末30は、集中管理装置22から解析環境情報を受信し、受信した解析環境情報、または解析環境情報に基づく情報を表示する情報処理装置である。例えば、防災対策要員が情報表示端末30を所有し、防災対策要員は、情報表示端末30に表示された情報に基づき、避難誘導や救助活動等を行ってもよい。
通信網40は、通信網40に接続されている装置から送信される情報の有線、または無線の伝送路である。例えば、通信網40は、インターネット、電話回線網、衛星通信網などの公衆回線網や、Ethernet(登録商標)を含む各種のLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などを含んでもよい。また、通信網40は、IP−VPN(Internet Protocol−Virtual Private Network)などの専用回線網を含んでもよい。
以上、情報処理システム1のシステム構成例について説明した。上述した情報処理システム1によれば、情報処理装置10−1A〜Dにより取得された情報が集中管理センター20に集約され、防災対策要員は情報表示端末30を介して、集中管理センター20から避難誘導や救助活動等のための情報を受け取ることが可能である。
情報処理システム1において、上述した機能が正常に動作するためには、情報処理装置10−1A〜Dと集中管理センター20の間の通信、及び集中管理センター20と情報表示端末30の間の通信が保たれている必要がある。しかし、例えば災害が発生した際に、災害の影響で通信障害が生じ、情報処理装置10−1A〜Dと集中管理装置22の間の通信、または集中管理装置22と情報表示端末30の間の通信が切断される場合がある。
図2は、通信網40と集中管理センター20の間で通信障害が発生し、情報処理装置10−1A〜Dと集中管理装置22の間の通信が切断された状況を模式的に示す説明図である。
図2に示すように、情報処理装置10−1A〜Dと集中管理装置22の間の通信が切断された場合、集中管理装置22は当該切断の以後に情報処理装置10−1A〜Dにより取得された情報を受信することが出来ない。その結果、情報表示端末30も当該切断の以後の情報を受信することが出来ず、防災対策要員は最新の状況に基づいた避難誘導や救助活動を行うことが困難になってしまう。
そこで、本実施形態にかかる情報処理装置10−1A〜Dは、当該情報処理装置と集中管理装置22との通信が切断された場合に、動作モードを、集約モード(第一の動作モード)から直接配信モード(第二の動作モード)に動作モードを切り替える。動作モードについては後述するが、情報処理装置10−1A〜Dは、集約モードにおいて、集中管理装置22に、環境情報または解析環境情報を送信し、直接配信モードにおいて、情報表示端末30に解析環境情報を送信する。なお、情報処理装置10−1A〜Dは、直接配信モードにおいて、通信可能な範囲に情報表示端末30が存在した場合に、情報表示端末30に解析環境情報を送信してもよい。
例えば、図2に示す例では、通信網40と集中管理センター20の間の通信障害に伴い、情報処理装置10−1Dは直接配信モードで動作し、また、情報処理装置10−1Dと通信可能な範囲に情報表示端末30が存在しているとする。そして、図2に示すように、情報処理装置10−1Dは、情報表示端末30と接続され、情報表示端末30に解析環境情報を送信する。
係る構成によれば、情報処理システム1は、通信障害に対してより頑健に、防災対策要員への情報提供を行うことが可能である。以下、このような効果を有する本実施形態の構成についてより詳細に説明する。
<1−2.第一の実施形態の構成>
以上、本実施形態による情報処理システム1の概要について説明した。続いて、本実施形態による情報処理システム1が備える、情報処理装置10−1の構成について詳細に説明する。
図3は、情報処理装置10−1の構成例を示す説明図である。図3に示すように、情報処理装置10−1は、環境情報取得部12、制御部14、記憶部16、及び通信部18を備える。
環境情報取得部12は、周囲環境(情報処理装置10−1の周囲の環境)の環境情報を取得するセンサである。例えば、環境情報取得部12は、カメラセンサや、煙検知センサ、温度センサ等を含んでもよい。本実施形態に係る環境情報取得部12は、少なくとも、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を用いて撮像を行うカメラセンサを含む。また、本実施形態に係る環境情報取得部12が取得する環境情報は、少なくともカメラセンサの撮像により取得される画像情報を含む。なお、本実施形態において、画像情報とは、静止画像の情報に限定されず、例えば動画像の情報を含んでもよい。
制御部14は、情報処理装置10−1の各構成を制御する機能を有する。具体的には、本実施形態に係る制御部14は、図3に示すように、主制御部142、通信制御部144、及び環境情報解析部146として機能する。
主制御部142は、情報処理装置10−1の全体を制御する。例えば、主制御部142は、情報処理装置10−1における情報の入出力を制御する。主制御部142は、環境情報取得部12から提供される環境情報や、後述する環境情報解析部146により生成される解析環境情報を記憶部16に記憶させてもよい。
また、主制御部142は、動作モードの制御を行う。例えば、主制御部142は、情報処理装置10−1は、通信制御部144から、図1,2を参照して説明した集中管理装置22との接続に関する接続情報を受け取り、当該接続情報に基づいて動作モードの制御を行う。本実施形態に係る主制御部142は、情報処理装置10−1と集中管理装置22の間の接続が確立されている場合には、動作モードを集約モード(第一の動作モード)に設定してもよい。また、本実施形態に係る主制御部142は、情報処理装置10−1と集中管理装置22との接続が切断された場合に、集約モード(第一の動作モード)から直接配信モード(第二の動作モード)に動作モードを切り替えてもよい。
上述した集約モードと直接配信モードの切り替えにより、通信部18の動作が切り替えられる。例えば、集約モードにおいて、集中管理装置22に、環境情報または解析環境情報が送信され、直接配信モードにおいて、情報表示端末30に解析環境情報が送信される。係る構成によれば、情報処理装置10−1と集中管理装置22との接続が切断された場合であっても、情報表示端末30に、解析環境情報の提供を行うことが可能である。
通信制御部144は、通信部18による通信の制御を行う。例えば、通信制御部144は、集約モードにおいて、集中管理装置22に、環境情報または解析環境情報を送信させ、直接配信モードにおいて、情報表示端末30に、解析環境情報を送信させる。また、通信制御部144は、集中管理装置22との接続に関する接続情報を主制御部142に提供する。
環境情報解析部146は、環境情報取得部12により取得された環境情報を解析して、解析環境情報を生成する。例えば、環境情報解析部146は、環境情報取得部12が取得した環境情報に含まれる画像情報を解析して、人物を検出し、検出された人物に関する人物情報を含む解析環境情報を生成してもよい。係る構成によれば、防災対策要員は、情報処理装置10−1の周囲で検出された人物の情報を把握することが可能であり、当該人物の情報を避難誘導や救助活動に役立てることが出来る。なお、生成された解析環境情報は、後述する記憶部16に記憶される。
また、環境情報解析部146により生成される人物情報は、検出された人物の移動方向を示す移動方向情報を含んでもよい。例えば、移動方向情報は、検出された人物の位置を環境情報解析部146が時系列的に追跡することで生成されてもよい。係る構成によれば、防災対策要員は、情報表示端末30を介して、情報処理装置10−1の周囲で検出された人物の移動方向を把握することが可能であり、例えば、当該情報に基づいて当該人物が正しい経路で避難しているか否かを判断することが出来る。
また、環境情報解析部146により生成される人物情報は、検出された人物の人数を示す人数情報を含んでもよい。係る構成によれば、防災対策要員は、情報処理装置10−1の周囲で検出された人物の人数を把握することが可能であり、例えば、当該情報に基づいて救助すべき人物の人数を把握することが出来る。
また、環境情報解析部146により生成される人物情報は、当該人物が検出された時刻を示す時刻情報を含んでもよい。係る構成によれば、防災対策要員は、情報処理装置10−1の周囲で検出された人物が情報処理装置10−1の周囲に存在した時刻を把握することが可能であり、例えば、当該情報に基づいて当該人物がまだ近辺に居るか否かを判断する際に役立てることが出来る。
また、環境情報解析部146により生成される人物情報は、検出された人物の顔画像情報を含んでもよい。係る構成によれば、防災対策要員は、情報処理装置10−1の周囲で検出された人物の顔を把握することが可能であり、例えば、救助活動において当該人物を捜索する際の手掛かりとして当該情報を役立てることが出来る。
また、環境情報解析部146により生成される人物情報は、検出された人物の属性を示す属性情報を含んでもよい。属性情報は、例えば、性別、年齢等の情報を含んでもよい。係る構成によれば、防災対策要員は、情報処理装置10−1の周囲で検出された人物の属性(上述した性別、年齢等)を把握することが可能であり、例えば、救助活動において当該人物を捜索する際の手掛かりとして当該情報を役立てることが出来る。
また、環境情報解析部146により生成される人物情報は、検出された人物を識別するための識別情報を含んでもよい。識別情報は、例えば、氏名、社員番号、学生証番号等の情報を含んでもよい。係る構成によれば、防災対策要員は、情報処理装置10−1の周囲で検出された人物を識別するための情報を把握することが可能であり、例えば、救助活動において当該人物を捜索する際の手掛かりとして当該情報を役立てることが出来る。
なお、環境情報解析部146による人物検出、及び人物追跡は、例えば、画像特徴量の統計的学習手法に基づいた周知の画像処理技術により行われてもよい。例えば、環境情報解析部146は、人物形状(画像特徴量の一例)を事前に学習し、環境情報に含まれる画像情報から学習した人物形状を検出することで、人物検出を行ってもよい。また、環境情報解析部146は、検出した人物の位置や、人物領域に含まれる色に基づいて、時系列方向で人物の対応付けを行うことで、人物追跡を行い、人物の移動方向を示す移動方向情報を取得してもよい。また、人物の検出と同様にして、顔の検出を行うことで、上述した顔画像情報が取得されてもよい。また、同様に、画像特徴量の統計的学習手法に基づいた周知の画像処理技術により、性別や年齢等の属性情報が取得されてもよい。また、予め用意された、情報処理装置10−1が設置された建物内に存在する人物(例えば、当該建物内に勤務する従業員や、当該建物に通う学生)のデータベースに含まれる顔画像と、上記で検出された顔画像情報の照合により、上述した識別情報が生成されてもよい。ここで、上記のデータベースには、顔画像と識別情報が対応付けられて格納されていてもよく、当該データベースは、例えば後述する記憶部16に記憶されていてもよい。
また、環境情報解析部146は、顔認識技術等の人物照合技術により、同一人物が複数回検出されたことを認識した場合、記憶部16が記憶する当該人物に関する人物情報は、最新の情報によって更新されてもよい。係る構成によれば、例えば、一度検出され、移動した人物が戻ってきて、再度検出された場合に、当該人物に関する最新の情報のみが防災対策要員に提供され、効率的に情報を把握することが可能となる。
なお、環境情報解析部146が生成する解析環境情報は上述した人物情報に限定されない。例えば、環境情報取得部12が煙検知機能を有する場合、環境情報解析部146は、検知した煙の量に基づいて火災の発生を検知し、当該火災に関する情報を含む解析環境情報を生成してもよい。
記憶部16は、制御部14が上記各処理を実行するためのプログラムや、様々なデータを記憶する。例えば、記憶部16は、環境情報解析部146により生成される解析環境情報を記憶する。また、記憶部16は、情報処理装置10−1が設置された建物内に存在する人物のデータベースを記憶してもよい。なお、記憶部16は、直近の所定時間分の解析環境情報を記憶し、所定時間経過した解析環境情報を記憶しなくてもよい。
通信部18は、図3に示すように、有線通信部182(第一の通信部)と、無線通信部184(第二の通信部)を有する。
有線通信部182は、図1を参照して説明した通信網40に有線で接続され、通信網40を介して、集中管理装置22との通信を行う。例えば、有線通信部182は、集約モード(第一の動作モード)において、図1を参照して説明した集中管理装置22に、環境情報または解析環境情報を送信する、第一の通信部としての機能を有する。
上述したように、有線通信部182は、集中管理装置22に環境情報を送信してもよいし、解析環境情報を送信してもよいし、環境情報と解析環境情報の両方を送信してもよい。有線通信部182が環境情報を送信する場合、集中管理装置22は、複数の情報処理装置から受信した環境情報を複合的に解析することで、例えば、より詳しく災害状況を把握することが可能となる。一方、有線通信部182が解析環境情報を送信する場合、情報処理装置10−1と集中管理装置22の間の通信コストを削減しやすいという効果がある。これは、取得されたそのままのデータ(例えば、動画像データ等)である環境情報よりも、必要な情報が解析により抽出された解析環境情報(例えば、検出された人物の移動方向等)の方が、データ量が小さい場合が多いためである。また、有線通信部182が解析環境情報を送信する場合、集中管理装置22は既に解析された情報を受け取るため、集中管理装置22が行う解析処理や、集中管理センター20のユーザが行う解析等に伴う、処理負荷や人的コストを削減することも可能である。なお、以下では、有線通信部182は、集中管理装置22に解析環境情報を送信する例を説明する。
無線通信部184は、図1、2を参照して説明した情報表示端末30との無線通信を行う。例えば、無線通信部184は、直接配信モード(第二の動作モード)において、情報表示端末30に解析環境情報を送信する第二の通信部としての機能を有する。
<1−3.第一の実施形態の動作例>
以上、本実施形態に係る情報処理装置10−1の構成について説明した。続いて、本実施形態の動作について説明する。以下では、図4を参照して本実施形態の動作概要について説明した後、図5,6を参照して本実施形態の具体的な動作例(具体例)について説明する。
(動作概要)
図4は、本実施形態に係る情報処理システム1の動作概要を示すシーケンス図である。図4に示すように、まず、情報処理装置10−1は周囲環境の環境情報を取得する(S102)。続いて、情報処理装置10−1は、環境情報を解析して、解析環境情報を生成する(S104)。
情報処理装置10−1が集中管理装置22に接続可能である場合(S106においてYES)、情報処理装置10−1の動作モードは集約モード(第一の動作モード)のまま維持され、情報処理装置10−1は集中管理装置22に解析環境情報を送信する(S108)。解析環境情報を受信した集中管理装置22は、情報表示端末30に解析環境情報を送信する(S110)。なお、ステップS110において、集中管理装置22は、情報処理装置10−1を含む複数の情報処理装置から受信した解析環境情報をまとめて情報表示端末30に送信してもよい。情報処理装置10−1が集中管理装置22に接続可能である間は、上述したステップS102〜S110が繰り返される。
一方、情報処理装置10−1が集中管理装置22に接続不可能である(集中管理装置22との接続が切断された)場合(S106においてNO)、動作モードが集約モード(第一の動作モード)から直接配信モード(第二の動作モード)に切り替えられる(S112)。
続いて、情報表示端末30から情報処理装置10−1に情報の要求が送信されると(S114)、情報処理装置10−1は、情報表示端末30に解析環境情報を送信する(S116)。解析環境情報を受信した情報表示端末30は、解析環境情報、または解析環境情報に基づいて災害等に関する情報を表示する(S118)。
なお、図4には、複数の情報処理装置のうち、情報処理装置10−1の動作についてのみ示されているが、他の情報処理装置も、図4に示す情報処理装置10−1と同様の動作を行ってもよい。
(具体例)
以上、本実施形態に係る情報処理システム1の動作概要を説明した。続いて、図5,6を参照して本実施形態の具体的な動作例(具体例)について説明する。以下では、災害発生後に本実施形態に係る情報処理装置10−1と集中管理装置22の間の通信が切断された場合を想定して説明を行う。図5は、ある建物における災害発生時の状況を模式的に示す説明図である。
図5に示すように、建物内には複数の情報処理装置(情報処理装置10−1A,10−1B)が設置され、当該情報処理装置は環境情報の取得と解析を行っている。本具体例では、情報処理装置10−1A,10−1Bは、災害が発生したことや災害の発生現場(災害現場)の位置の情報を集中管理装置22に送信した(図4のステップS108)後に、集中管理装置22との通信が切断されたものとする。
ここで、図5に示す符号R1は防災対策要員を示し、符号H11、H12は避難者を示している。また、点線で表された矢印は、避難者H11,H12の移動軌跡を示している。また、符号E1〜E4は出口を示し、符号D1は災害現場を示している。図5に示す状況において、避難者H11,H12は、災害現場D1に近くて危険な出口E3へ移動してしまっているため、防災対策要員R1は避難者H11,H12を安全な出口(例えば、出口E1、E2、またはE4へ)避難誘導することが望ましい。
しかし、情報処理装置10−1A,10−1Bと集中管理装置22との通信が切断され、集中管理装置22から情報表示端末30への情報提供が途絶えてしまっているため、防災対策要員R1は、上記の通信切断後の状況を把握していない。そこで、最新の状況を把握して避難誘導や救助活動を行うため、例えば、図5に示す防災対策要員R1は情報処理装置10−1Aに近づき、情報表示端末30を操作して情報処理装置10−1Aに最新の情報を要求する(図4のステップS114)。情報表示端末30から情報処理装置10−1Aに要求される情報は、例えば、図5に示す方向W1〜W4の各方向に移動した人物に関する移動情報を含む人物情報であってもよい。
情報の要求を受けた情報処理装置10−1Aは、情報表示端末30に、上記の人物情報を含む解析環境情報を送信する(図4のステップS116)。なお、情報処理装置10−1Aは、情報処理装置10−1A自身の設置位置や姿勢、設置されている空間(マップ)等に関する情報を用いて、画像情報における人物の移動方向を図5に示す方向W1〜W4に変換してもよい。
人物情報を含む解析環境情報を受信した情報表示端末30は、受信した情報を表示する(図4のステップS118)。図6は、本実施形態に係る情報表示端末30により表示される画面例を示す説明図である。
図6に示すように、情報表示端末30に表示される画面G1は、情報表示端末30の現在位置を示す現在位置アイコンP11、災害現場を示す災害現場アイコンD11、方向を示す方向アイコンW11〜W14、避難者を示す顔アイコンF11、F12を含む。なお、情報表示端末30が災害現場アイコンD11を表示するための情報は、例えば集中管理装置22から取得されてもよい。
図6に示す方向アイコンW11,W12,W13,W14は、それぞれ図5に示した方向W1,W2,W3,W4と対応している。また、顔アイコンF11,F12は、当該顔アイコンが示す避難者の移動方向を示す方向アイコンW11と対応付けて表示されている。また、顔アイコンは、図6に示すように、避難者の人数に応じた数表示されてもよい。係る構成によれば、防災対策要員R1は画面G1を見ることで、避難者が2名、災害現場アイコンD11が示す災害現場に向かう誤った避難経路で移動していることを把握し、避難者に対して適切な避難誘導や救助活動を行うことが可能である。
<1−4.第一の実施形態の効果>
以上、第一の実施形態について説明した。本実施形態によれば、通信障害に対してより頑健に、防災対策要員への情報提供を行うことが可能である。その結果、例えば、防災対策要員は、通信障害が発生した状況においても、避難者等の情報を入手することが可能であり、避難者に対して適切な避難誘導や救助活動を行うことが可能であり、また、さらに、防災対策要員の二次被害をも抑制することが可能である。
<<2.第二の実施形態>>
上述した第一の実施形態に係る情報処理システムは、各情報処理装置自身が環境情報を解析して取得した解析環境情報を情報表示端末30に提供する。これに対し、以下では、第二の実施形態として、情報処理装置が、他の情報処理装置から解析環境情報を受信し、他の情報処理装置から受信した解析環境情報をさらに情報表示端末30に提供する、情報処理システムの例を説明する。
<2−1.第二の実施形態の概要>
本発明の第二の実施形態に係る情報処理システムは、図1,2を参照して説明した情報処理システム1と一部において同様の構成を有するが、情報処理装置の構成が一部異なる。以下では、図7を参照して、本発明の第二の実施形態に係る情報処理システムの概要について説明する。
図7は、本発明の第二の実施形態に係る情報処理システムの概要を示す説明図である。図7に示すように本実施形態に係る情報処理システムは、情報処理装置10−2A〜Dと、集中管理装置22を備える集中管理センター20と、情報表示端末30と、通信網40と、を有する。なお、上記の内、集中管理装置22、集中管理センター20、情報表示端末30、及び通信網40の構成は、図1を参照して説明した集中管理装置22、集中管理センター20、情報表示端末30、及び通信網40の構成と同様であるため説明を省略する。また、図7は、図2と同様に通信網40と集中管理センター20の間で通信障害が発生し、情報処理装置10−2A〜Dと集中管理装置22の間の通信が切断された状況を模式的に示す説明図である。
図7に示すように、本実施形態に係る情報処理装置10−2A〜Dは、他の情報処理装置との通信を行う。例えば、本実施形態に係る情報処理装置10−2A〜Dは、他の情報処理装置に解析環境情報を送信し、また、他の情報処理装置から受信した解析環境情報を、自身が生成した解析環境情報と共に情報表示端末30に送信する。係る構成によれば、情報表示端末30は、情報要求先の情報処理装置以外によって取得・生成された解析環境情報をも受け取ることが可能であり、例えば情報表示端末30を所有する防災対策要員は、より広域の状況を把握することが可能である。
なお、情報処理装置10−2A〜Dは、当該情報処理装置の最も近くに存在する他の情報処理装置に解析環境情報を送信してもよいし、当該情報処理装置が通信可能な範囲に存在するすべての他の情報処理装置に解析環境情報を送信してもよい。
また、情報処理装置10−2A〜Dは、他の情報処理装置から受信した解析環境情報を当該他の情報処理装置以外の他の情報処理装置に送信してもよい。係る構成によれば、情報処理装置10−2A〜Dは、より多数の他の情報処理装置により生成された解析環境情報を情報表示端末30に提供することが可能である。
以下、上述の効果を有する本実施形態の構成についてより詳細に説明する。
<2−2.第二の実施形態の構成>
以上、本発明の第二の実施形態による情報処理システムの概要について説明した。続いて、本実施形態による情報処理システムが備える、情報処理装置10−2の構成について詳細に説明する。図8は、本実施形態に係る情報処理装置10−2Aの構成例を示す説明図である。図8に示すように、情報処理装置10−2Aは、環境情報取得部12、制御部15、記憶部16、及び通信部19を備える。また、図8に示すように、制御部15は主制御部152、通信制御部154、及び環境情報解析部156としての機能を有し、また通信部19は有線通信部192(第一の通信部)、及び無線通信部194(第二の通信部)としての機能を有する。
情報処理装置10−2Aが備える上記構成のうち、環境情報取得部12、主制御部152、環境情報解析部156、記憶部16、有線通信部192の構成は、図3を参照して説明した環境情報取得部12、主制御部142、環境情報解析部146、記憶部16、有線通信部182の構成と同様であるため、ここでの説明は省略する。
通信制御部154は、図3を参照して説明した通信制御部144と同様に、通信部19による通信の制御を行う。例えば、通信制御部154は、集約モードにおいて、集中管理装置22に、環境情報または解析環境情報を送信させ、直接配信モードにおいて、情報表示端末30に、解析環境情報を送信させる。また、通信制御部154は、無線通信部194を制御して、解析環境情報をさらに情報処理装置10−2B(他の情報処理装置の一例)に送信させる。また、通信制御部154は、無線通信部194を制御して、情報処理装置10−2B(他の情報処理装置の一例)から、当該情報処理装置10−2Bにより生成された解析環境情報を受信させる。また、通信制御部154は、集中管理装置22との接続に関する接続情報を主制御部152に提供する。
無線通信部194は、図8に示すように、情報表示端末30、及び他の情報処理装置との無線通信を行う。例えば、無線通信部194は、図3を参照して説明した無線通信部184と同様に、直接配信モード(第二の動作モード)において、情報表示端末30に解析環境情報を送信する第二の通信部としての機能を有する。
また、無線通信部194は、解析環境情報をさらに情報処理装置10−2B(他の情報処理装置の一例)に送信する第二の通信部としての機能を有する。また、無線通信部194は、情報処理装置10−2B(他の情報処理装置の一例)から、当該情報処理装置10−2Bにより生成された解析環境情報を受信する第二の通信部としての機能を有する。なお、上述した情報処理装置10−2Bとの通信は、直接配信モード(第二の動作モード)において行われてもよいし、集約モード(第一の動作モード)、及び直接配信モード(第二の動作モード)の両方の動作モードにおいて行われてもよい。
また、無線通信部194は、直接配信モード(第二の動作モード)において、上述の情報処理装置10−2Bにより生成された解析環境情報を、さらに情報表示端末30に送信する。
係る構成によれば、情報表示端末30は、情報要求先の情報処理装置以外によって取得・生成された解析環境情報をも受け取ることが可能であり、例えば情報表示端末30を所有する防災対策要員は、より広範囲の状況を把握することが可能である。
また、無線通信部194は、情報処理装置10−2Bから受信した解析環境情報を情報処理装置10−2B以外の他の情報処理装置に送信してもよい。係る構成によれば、無線通信部194は、より多数の他の情報処理装置により生成された解析環境情報を情報表示端末30に提供することが可能である。
<2−3.第二の実施形態の動作例>
以上、本実施形態に係る情報処理装置10−2Aの構成について説明した。続いて、本実施形態の動作について説明する。以下では、図9を参照して本実施形態の動作概要について説明した後、図10,11を参照して本実施形態の具体的な動作例(具体例)について説明する。
(動作概要)
図9は、本実施形態に係る情報処理システムの動作概要を示すシーケンス図である。図9に示すように、まず情報処理装置10−2A,及び情報処理装置10−2Bは、周囲環境の環境情報を取得する(S202、S204)。続いて、情報処理装置10−2A,及び情報処理装置10−2Bは、環境情報を解析して、解析環境情報を生成する(S206、S208)。
情報処理装置10−2Aが集中管理装置22に接続可能である場合(S210においてYES)、情報処理装置10−2Aの動作モードは集約モードのまま維持され、情報処理装置10−2Aは集中管理装置22に解析環境情報を送信する(S212)。同様に、情報処理装置10−2Bが集中管理装置22に接続可能である場合(S214においてYES)、情報処理装置10−2Bの動作モードは集約モードのまま維持され、情報処理装置10−2Bは集中管理装置22に解析環境情報を送信する(S216)。解析環境情報を受信した集中管理装置22は、情報表示端末30に解析環境情報を送信する(S218)。なお、ステップS218において、集中管理装置22は、情報処理装置10−2A,及び情報処理装置10−2Bを含む複数の情報処理装置から受信した解析環境情報をまとめて情報表示端末30に送信してもよい。情報処理装置10−2A,及び情報処理装置10−2Bが集中管理装置22に接続可能である間は、上述したステップS202〜S218が繰り返される。
一方、情報処理装置10−2Aが集中管理装置22に接続不可能である場合(S210においてNO)、情報処理装置10−2Aの動作モードが集約モード(第一の動作モード)から直接配信モード(第二の動作モード)に切り替えられる(S220)。同様に、情報処理装置10−2Bが集中管理装置22に接続不可能である場合(S214においてNO)、情報処理装置10−2Bの動作モードが集約モード(第一の動作モード)から直接配信モード(第二の動作モード)に切り替えられる(S222)。
続いて、情報処理装置10−2A、及び情報処理装置10−2Bは、自身が生成した解析環境情報を相互に送受信する(S224)。その後、例えば、情報表示端末30から情報処理装置10−2Aに情報の要求が送信されると(S226)、情報処理装置10−2Aは、情報表示端末30に解析環境情報を送信する(S228)。なお、ステップS228において、情報処理装置10−2Aは、情報処理装置10−2Aにより生成された解析環境情報と、情報処理装置10−2Bにより生成された解析環境情報の両方を情報表示端末30に送信する。解析環境情報を受信した情報表示端末30は、解析環境情報、または解析環境情報に基づいて災害等に関する情報を表示する(S230)。
なお、図9には、複数の情報処理装置のうち、情報処理装置10−2A,及び情報処理装置10−2Bの動作についてのみ示されているが、他の情報処理装置も、図9に示す情報処理装置10−2A,及び情報処理装置10−2Bと同様の動作を行ってもよい。
(具体例)
以上、本実施形態に係る情報処理システムの動作概要を説明した。続いて、図10,11を参照して本実施形態の具体的な動作例(具体例)について説明する。以下では、災害発生後に本実施形態に係る情報処理装置10−2A、及び情報処理装置10−2Bと集中管理装置22の間の通信が切断された場合を想定して説明を行う。図10は、ある建物における災害発生時の状況を模式的に示す説明図である。
図10に示すように、建物内には複数の情報処理装置(情報処理装置10−2A,10−2B)が設置され、当該情報処理装置は環境情報の取得と解析を行っている。本具体例では、情報処理装置10−2A,10−2Bは、災害が発生したことや災害の発生現場(災害現場)の位置の情報を集中管理装置22に送信した(図9のステップS212、S214)後に、集中管理装置22との通信が切断されたものとする。
ここで、図10に示す符号R2は防災対策要員を示し、符号H21、H22、H23は避難者を示している。また、点線で表された矢印は、それぞれ避難者H21、H22、H23の移動軌跡を示している。また、図5の例と同様に図10に示す符号E1〜E4は出口を示し、符号D1は災害現場を示している。図10に示す状況において、避難者H21は、災害現場D1に近くて危険な出口E3へ移動してしまっているため、防災対策要員R2は避難者H21を安全な出口(例えば、出口E1、E2、またはE4へ)避難誘導することが望ましい。また、図10に示す状況において、避難者H23は、情報処理装置10−2Aと情報処理装置10−2Bの間の通路で倒れており、防災対策要員R2は避難者H23の救助活動を行うことが望ましい。
しかし、情報処理装置10−2A,10−2Bと集中管理装置22との通信が切断され、集中管理装置22から情報表示端末30への情報提供が途絶えてしまっているため、防災対策要員R2は、上記の通信切断後の状況を把握していない。そこで、最新の災害状況を把握して避難誘導や救助活動を行うため、例えば、図10に示す防災対策要員R2は情報処理装置10−2Aに近づき、情報表示端末30を操作して情報処理装置10−2Aに最新の情報を要求する(図9のステップS226)。情報表示端末30から情報処理装置10−2Aに要求される情報は、例えば、図10に示す方向W1〜W4の各方向、及び方向W5〜7の各方向に移動した人物に関する移動情報を含む人物情報であってもよい。
情報の要求を受けた情報処理装置10−2Aは、情報表示端末30に、情報処理装置10−2Aにより生成された人物情報と、情報処理装置10−2Bにより生成された人物情報と、を含む解析環境情報を送信する(図9のステップS228)。なお、情報処理装置10−2A、及び情報処理装置10−2Bは、各情報処理装置自身の設置位置や姿勢、設置されている空間(マップ)等に関する情報を用いて、画像情報における人物の移動方向を図10に示す方向W1〜W7に変換してもよい。
人物情報を含む解析環境情報を受信した情報表示端末30は、受信した情報を表示する(図9のステップS230)。図11は、本実施形態に係る情報表示端末30により表示される画面例を示す説明図である。
図11に示すように、情報表示端末30に表示される画面G2は、情報表示端末30の現在位置を示す現在位置アイコンP11、災害現場を示す災害現場アイコンD11、方向を示す方向アイコンW11〜W17、避難者を示す顔アイコンF21、F22、F23、F24、F25を含む。なお、情報表示端末30が災害現場アイコンD11を表示するための情報は、例えば集中管理装置22から取得されてもよい。
図11に示す方向アイコンW11,W12,W13,W14,W15,W16,W17は、それぞれ図11に示した方向W1,W2,W3,W4,W5,W6,W7と対応している。また、顔アイコンF21、F22、F23、F24、F25は、それぞれ、各顔アイコンが示す避難者の移動方向を示す方向アイコンと対応付けて表示されている。例えば、顔アイコンF21、F22,F23は方向アイコンW12と、顔アイコンF24は方向アイコンW15と、顔アイコンF25は方向アイコンW16と、それぞれ対応付けて表示されている。また、顔アイコンは、図6に示すように、避難者の人数に応じた数表示されてもよい。係る構成によれば、防災対策要員R2は画面G2を見ることで、避難者が1名、災害現場アイコンD11が示す災害現場に向かう誤った避難経路で移動していることを把握し、避難者H21に対して適切な避難誘導を行うことが可能である。また、防災対策要員R2は画面G2を見ることで、避難者が1名、情報処理装置10−2Aと情報処理装置10−2Bの間の通路に存在する可能性が高いことを把握し、効率的に避難者の捜索や救助活動を行うことが可能である。
<2−4.第二の実施形態の効果>
以上、第二の実施形態について説明した。本実施形態に係る情報処理システムは、第一の実施形態の効果に加え、より広域の情報を防災対策要員に提供することが可能であるという効果を奏する。その結果、例えば、防災対策要員は、複数の情報処理装置に情報の要求を行う必要がなく、また、離れた位置の情報を取得できるため、より効率的に避難誘導や救助活動を行うことが可能である。
<<3.変形例>>
以上、本発明の各実施形態を説明した。以下では、各実施形態の幾つかの変形例を説明する。なお、以下に説明する各変形例は、単独で各実施形態に適用されてもよいし、組み合わせで各実施形態に適用されてもよい。また、各変形例は、各実施形態で説明した構成に代えて適用されてもよいし、各実施形態で説明した構成に対して追加的に適用されてもよい。
<3−1.変形例1>
上記では、情報表示端末30により表示される画面として、図6、図11に示したような画面を例に説明したが、本発明は係る例に限定されず、多様な画面が情報表示端末30に表示されてもよい。
例えば、図6、図11に示した顔アイコンの代わりに、検出された人物の顔画像が表示されてもよい。係る構成によれば、防災対策要員は、避難者の顔を把握することが可能であり、例えば、救助活動において当該人物を捜索する際の手掛かりとして当該情報を役立てることが出来る。
また、当該移動方向に移動した人物の人数と同数の顔アイコンの代わりに、当該移動方向に移動した人物の人数が数字で表示されてもよい。
また、顔アイコンに対応付けて、当該顔アイコンが示す避難者が検出された時刻が表示されてもよい。係る構成によれば、防災対策要員は、避難者が当該位置を通過した時刻を把握することが可能であり、例えば、当該情報に基づいて当該人物がまだ近辺に居るか否かを判断する際に役立てることが出来る。
また、図6、図11に示したような、地図上に情報が表示される画面でなくてもよい。例えば、情報表示端末30に表示される画面は、文字列を表示する画面でもよく、例えば「北方向に2名」等の文字列が表示されてもよい。また、周知のAR(Augmented Reality)技術が適用されて、情報表示端末30が有するカメラにより撮影された空間の画像に解析環境情報が重畳されて表示されてもよい。
<3−2.変形例2>
また、上記第二の実施形態において、無線通信部194は、他の情報処理装置により生成された解析環境情報を、そのまま情報表示端末30に送信する例を説明したが、本発明は係る例に限定されない。
例えば、環境情報解析部156は、環境情報解析部156により生成された解析環境情報と、他の情報処理装置により生成された解析環境情報とに基づいて、複合解析環境情報を生成してもよい。そして、無線通信部194(第二の通信部)は、直接配信モード(第二の動作モード)において、上記複合解析環境情報を、さらに情報表示端末30に送信してもよい。
例えば、図10,11に示した例において、環境情報解析部156は、環境情報解析部156により生成された移動情報と、情報処理装置10−2Bにより生成された移動情報に基づいて、1名の避難者(避難者H23)が、情報処理装置10−2Aと情報処理装置10−2Bの間の通路に存在することを示す複合解析環境情報を生成してもよい。また、当該複合解析環境情報を受信した情報表示端末30は、避難者が情報処理装置10−2Aと情報処理装置10−2Bの間の通路に存在することを示す文章やアイコンを表示してもよい。
また、例えば、図10,11に示した例において、環境情報解析部156は、環境情報解析部156により生成された人物情報と、情報処理装置10−2Bにより生成された人物情報に基づいて、各情報処理装置で検出された人物を対応付けた複合解析環境情報を生成してもよい。また、当該複合解析環境情報を受信した情報表示端末30は、例えば、顔アイコンF21と顔アイコンF24、及び顔アイコンF22と顔アイコンF25を、対応付けて表示してもよい。
係る構成によれば、防災対策要員は、より正確に状況を把握することが可能となる。
<3−3.変形例3>
また、上記では、情報処理装置と集中管理装置との通信が切断された場合に、動作モードの切り替えが行われる例を説明したが、本発明は係る例に限定されない。
例えば、情報表示端末からの切り替え指示を無線通信部(第二の通信部)が受信した場合に、集約モード(第一の動作モード)から直接配信モード(第二の動作モード)に動作モードが切り替えられてもよい。
係る構成によれば、例えば、通信障害により、集中管理装置と情報処理端末の間の通信が切断された場合であっても、情報表示端末が情報処理装置に切り替え指示を送信することで、情報表示端末は、情報処理装置から解析環境情報を取得することが可能となる。
<<4.ハードウェア構成例>>
以上、本発明の実施形態と各変形例を説明した。上述した動作モード切り替え処理、通信制御処理、環境情報解析処理等の情報処理は、ソフトウェアと以下に説明する情報処理装置10(情報処理装置10−1、及び情報処理装置10−2)のハードウェアとの協働により実現されてもよい。
図12は、情報処理装置10のハードウェア構成例を示す説明図である。図12に示すように、情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)1001と、ROM(Read Only Memory)1002と、RAM(Random Access Memory)1003と、入力装置1004と、出力装置1005と、ストレージ装置1006と、有線通信装置1007と、無線通信装置1007とを備える。
CPU1001は、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置10内の動作全般を制御する。また、CPU1001は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM1002は、CPU1001が使用するプログラムや演算パラメータなどを記憶する。RAM1003は、CPU1001の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータなどを一時記憶する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバスにより相互に接続されている。主に、CPU1001、ROM1002及びRAM1003とソフトウェアとの協働により、制御部14、制御部15等の機能が実現される。
入力装置1004は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチ及びレバーなどユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU1001に出力する入力制御回路などから構成されている。情報処理装置10のユーザは、該入力装置1004を操作することにより、情報処理装置10に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
出力装置1005は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED装置及びランプなどの表示装置を含む。さらに、出力装置1005は、スピーカ及びヘッドホンなどの音声出力装置を含む。例えば、表示装置は、撮像された画像や生成された画像などを表示する。一方、音声出力装置は、音声データなどを音声に変換して出力する。
ストレージ装置1006は、データ格納用の装置である。ストレージ装置1006は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置及び記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでもよい。ストレージ装置1006は、例えば、CPU1001が実行するプログラムや各種データを格納する。なお、ストレージ装置1006は、図3を参照して説明した記憶部16に対応する。
有線通信装置1007は、例えば、通信網40に接続するための通信デバイスなどで構成された通信インタフェースである。また、有線通信装置1007は有線による通信を行うワイヤー通信装置、なお、有線通信装置1007は、図3、8を参照して説明した有線通信部182、有線通信部192に対応する。
無線通信装置1008は、例えば、情報表示端末30に接続するための通信デバイスなどで構成された通信インタフェースである。また、無線通信装置1008無線LAN(Local Area Network)対応通信装置、LTE(Long Term Evolution)対応通信装置、またはブルートゥース通信装置を含んでもよい。なお、無線通信装置1008は、図3、8を参照して説明した無線通信部184、無線通信部194に対応する。
なお、上記では情報処理装置10のハードウェア構成を説明したが、集中管理装置22、情報表示端末30も、情報処理装置10と同様に、CPU1001、ROM1002及びRAM1003等に相当するハードウェアを有する。そして、例えば、情報表示端末30のハードウェアとソフトウェアとの協働により、情報表示機能などが実現される。
<<5.むすび>>
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、通信障害に対してより頑健に、情報提供を行うことが可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、第一の通信部が有線通信部であり、第二の通信部が無線通信部である例を説明したが、本発明は上記に限定されない。例えば、第一の通信部が無線通信部であり、第二の通信部が有線通信部でもよい。また、第一の通信部、及び第二の通信部が同一の通信部であってもよく、例えば、第一の通信部、及び第二の通信部の両方が有線通信部、または無線通信部であってもよい。
また、上記では環境情報取得部12がカメラセンサを含む例を説明したが、本発明は上記に限定されない。例えば、環境情報取得部12は、レーザセンサや、赤外センサ等のセンサを含んでもよい。例えば、環境情報取得部12は上記のセンサを複数含み、環境情報解析部が上記の複数センサの情報を組み合わせて解析を行うことで、より高精度な解析環境情報を取得することが可能である。
また、上記では、本発明に係る情報処理システムが災害に係る情報の取得、解析、配信を行う例を説明したが、本発明は係る例に限定されない。例えば、本発明は、災害に限定されず、事故や事件等、様々な異常状態の情報取得、解析、配信を行う情報処理システムに適用されてもよい。
また、上記実施形態における各ステップは、必ずしもシーケンス図として記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、上記実施形態の処理における各ステップは、シーケンス図として記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
また、上述した情報処理装置10、集中管理装置22、情報表示端末30等に内蔵されるCPU1001、ROM1002及びRAM1003などのハードウェアに、上述した情報処理装置10、集中管理装置22、情報表示端末30等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。例えば、情報表示端末30がコンピュータプログラムをダウンロード及びインストールすることにより、情報表示端末30に環境情報解析部146の機能が実装されてもよい。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
また、上記実施形態では、防災対策要員が情報表示端末を利用する構成を説明したが、本システムの利用者は防災対策要員に限定されない。例えば、スマートフォンやタブレット端末等の無線通信が可能な情報通信端末に対応する所定のアプリケーションを一般に公開しておき、緊急時等の所定の状況において、当該アプリケーションがインストールされた情報通信端末を上述した情報表示端末として利用可能にすることで、一般の避難者等も本システムを利用することが可能である。