JP2017044841A - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】表示輝度の低下を好適に抑制することができ、かつ、表示ムラを好適に低減することができる技術を提供する。
【解決手段】本発明の画像処理装置は、入力画像データから輝度特徴量を取得する取得手段と、前記取得手段で取得された前記輝度特徴量に基づいて、第1の閾値以上の輝度を有する前記入力画像データの画像領域である高輝度領域のサイズに関する情報を生成する生成手段と、前記入力画像データに基づく画像を表示部の画面に表示した際に前記画面に生じる輝度と色の少なくとも一方のムラを低減するムラ低減処理を、前記入力画像データに施す処理手段と、を有し、前記処理手段は、前記生成手段で生成された前記情報に基づいて、前記高輝度領域のサイズが大きいほど大きく前記ムラを低減するムラ低減処理を、前記入力画像データに施す。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像処理装置および画像処理方法に関する。
近年、広いダイナミックレンジを有する画像データが扱われる機会が増している。例えば、撮影装置では、撮影装置の受光性能の向上に伴い、広いダイナミックレンジを有する画像データを生成可能な撮影装置が扱われるようになってきている。広いダイナミックレンジを有する画像データは、「HDR(ハイダイナミックレンジ)画像データ」と呼ばれる。そして、HDR画像データのデータフォーマットとして、輝度の増加に対して階調値が対数的に増加する階調特性(Log特性)を有するデータフォーマットが提案されている。例えば、映画製作現場では、データフォーマットとして、ダイナミックレンジが広いフィルムの特性に基づいて定められたCineon Logが使用されている。
また、画像表示装置の表示性能の向上に伴い、数十万対一の広いコントラストの表示、数千カンデラの輝度の表示、等が行われるようになってきている。例えば、液晶表示装置においては、液晶パネルに光を照射するバックライトを用いたローカルディミング制御により、広いコントラストの表示が実現できる。また、バックライトの発光輝度を高めることで、高輝度の表示が実現できる。
そして、高コントラストかつ高輝度の表示を実現可能な画像表示装置にHDR画像データに基づく画像を表示するための画像制作ワークフローの検討が進んでいる。従来は、画像データを画像表示装置に伝送するための伝送規格として、Rec.709などが使用されていた。しかしながら、従来の伝送規格では、ダイナミックレンジが狭いレンジに制限されており、輝度が低い輝度に制限されている。そのため、従来は、ダイナミックレンジを狭めるレンジ圧縮を伴った画像編集により、画像データがRec.709の画像データに変換され、変換後の画像データが画像表示装置に伝送されていた。そして、画像表示装置では、画像表示装置の性能の一部のみを使用して画像が表示されていた。即ち、伝送規格の制限により、画像データのダイナミックレンジにロスが生じていた。
そこで、HDR画像データのダイナミックレンジを維持する伝送方式の検討が進んでいる。HDR画像データのダイナミックレンジを維持する伝送方式では、例えば、図10,11に示すような変換が行われる。まず、図10に示すように、HDR画像データの各階調値が輝度[cd]に変換される。なお、階調値を輝度に変換する際の変換特性は、図10に示す変換特性に限らない。例えば、画像編集時に、画像制作者が、各階調値をどのような輝度で表示すべきか検討し、検討結果に基づいて、階調値を輝度に変換する際の変換特性を決定する。次に、図11に示すように、HDR画像データの各輝度が階調値に変換される。なお、輝度を階調値に変換する際の変換特性は、図11に示す変換特性に限らない。例えば、視覚特性の輝度弁別能に基づいて、輝度を階調値に変換する際の変換特性が決定される。
また、画像表示装置では、画像を画面に表示した際に、画面に輝度と色の少なくとも一方のムラ(表示ムラ)が生じる。そのため、画像表示装置では、表示ムラを低減するムラ低減処理が行われる。例えば、輝度ムラが、測定器を用いて予め測定される。また、図12に示すように、画面の領域を構成する複数の分割領域が予め定められる。そして、測定結果に基づいて、輝度が高い分割領域の輝度を、輝度が低い分割領域の輝度まで低減する処理が、ムラ低減処理として行われる。
しかしながら、一般的なムラ低減処理は、表示輝度(画面上の輝度)の低下を招く。例えば、上述したムラ低減処理では、輝度が高い分割領域の輝度が、輝度が低い分割領域の輝度まで低減されるため、表示輝度が低下する。そのため、ムラ低減処理により、表示輝度の上限値が低い値に制限され、画像データの輝度を忠実に再現できない階調値(階調レンジ)が発生する。
そこで、ムラ低減処理による表示ムラの低減度合いを、階調値が高いほど小さい値に低減することで、表示輝度の上限値を維持する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2008−310261号公報
特許文献1の技術は、表示ムラが或る程度目立たない画像データに対しては、好適に用いることができる。しかしながら、輝度ムラが大きく目立つ画像データに対して特許文献1の技術を用いると、高階調領域(階調値が高い領域)の表示ムラが十分に低減されず、高階調領域の表示ムラが目立つことがある。階調値が高い領域は輝度が高い領域でもあるため、高階調領域は「高輝度領域」とも言える。一般的に、同程度の階調値を有する画素からなる領域のサイズが大きいほど、表示ムラは目立つ。そのため、特許文献1の技術では、高階調領域のサイズが大きい場合に、高階調領域の表示ムラが十分に低減されず、高階調領域の表示ムラが目立つ。
図13は、画像の一例を示す図である。図13の例では、中央に大きいサイズの高階調領域(高輝度領域)が存在し、高階調領域の周りに小さいサイズの中階調領域(中輝度領域)が存在する。中階調領域は、階調値が高くも低くもない領域である。図13の画像を画面に表示した場合、高輝度領域のサイズが大きいため、高輝度領域の輝度ムラは目立つ。一方、中輝度領域のサイズは小さいため、中輝度領域の輝度ムラはそれほど目立たない。
図13の画像を表示する際に特許文献1の技術を用いると、高輝度領域の表示ムラの低減度合いが低減されるため、ムラ低減処理後にも高輝度領域の表示ムラが目立つ。画質向上の観点において、サイズが大きい高輝度領域に対しては、表示輝度を維持することよりも、表示ムラを十分に低減することの方が好ましい。また、高輝度領域のサイズの増加に伴い、ユーザーが感じる眩しさが増加し、画像の視認性が低下する。そのため、視認性向上の観点においても、サイズが大きい高輝度領域に対しては、表示輝度を維持することよりも、表示ムラを十分に低減することの方が好ましい。一方で、サイズが小さい高輝度領域の輝度ムラは目立たない。そのため、画質向上の観点において、サイズが小さい高輝度領域に対しては、表示ムラを十分に低減することよりも、表示輝度を維持することの方が好ましい。
そこで、本発明は、表示輝度の低下を好適に抑制することができ、かつ、表示ムラを好適に低減することができる技術を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、
入力画像データから輝度特徴量を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得された前記輝度特徴量に基づいて、第1の閾値以上の輝度を有する
前記入力画像データの画像領域である高輝度領域のサイズに関する情報を生成する生成手段と、
前記入力画像データに基づく画像を表示部の画面に表示した際に前記画面に生じる輝度と色の少なくとも一方のムラを低減するムラ低減処理を、前記入力画像データに施す処理手段と、
を有し、
前記処理手段は、前記生成手段で生成された前記情報に基づいて、前記高輝度領域のサイズが大きいほど大きく前記ムラを低減するムラ低減処理を、前記入力画像データに施すことを特徴とする画像処理装置である。
本発明の第2の態様は、
入力画像データから輝度特徴量を取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得された前記輝度特徴量に基づいて、第1の閾値以上の輝度を有する前記入力画像データの画像領域である高輝度領域のサイズに関する情報を生成する生成ステップと、
前記入力画像データに基づく画像を表示部の画面に表示した際に前記画面に生じる輝度と色の少なくとも一方のムラを低減するムラ低減処理を、前記入力画像データに施す処理ステップと、
を有し、
前記処理ステップでは、前記生成ステップで生成された前記情報に基づいて、前記高輝度領域のサイズが大きいほど大きく前記ムラを低減するムラ低減処理を、前記入力画像データに施す
ことを特徴とする画像処理方法である。
本発明の第3の態様は、
入力画像データから輝度特徴量を取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得された前記輝度特徴量に基づいて、第1の閾値以上の輝度を有する前記入力画像データの画像領域である高輝度領域のサイズに関する情報を生成する生成ステップと、
前記入力画像データに基づく画像を表示部の画面に表示した際に前記画面に生じる輝度と色の少なくとも一方のムラを低減するムラ低減処理を、前記入力画像データに施す処理ステップと、
をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記処理ステップでは、前記生成ステップで生成された前記情報に基づいて、前記高輝度領域のサイズが大きいほど大きく前記ムラを低減するムラ低減処理を、前記入力画像データに施す
ことを特徴とするプログラムである。
本発明によれば、表示輝度の低下を好適に抑制することができ、かつ、表示ムラを好適に低減することができる。
実施例1に係る画像表示装置の機能構成の一例を示すブロック図 実施例1に係る変換特性パラメータの一例を示す図 実施例1に係る輝度ヒストグラムの一例を示す図 実施例1に係る表示輝度と補正パラメータの関係の一例を示す図 実施例1に係る高輝度サイズ率と輝度低下量との関係の一例を示す図 実施例2に係る画像表示装置の機能構成の一例を示すブロック図 実施例2に係る画像の一例を示す図 実施例2に係る輝度差のヒストグラムの一例を示す図 実施例2に係る減算結果と輝度低下量との関係の一例を示す図 HDR画像データを輝度に変換する際の変換特性の一例を示す図 輝度をHDR画像データに変換する際の変換特性の一例を示す図 分割領域の一例を示す図 画像の一例を示す図
<実施例1>
以下、本発明の実施例1に係る画像処理装置および画像処理方法について説明する。なお、以下では、本実施例に係る画像処理装置が画像表示装置に設けられている例を説明するが、本実施例に係る画像処理装置は画像表示装置とは別体の装置であってもよい。
図1は、本実施例に係る画像表示装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、画像表示装置100は、制御部106、階調特性変換部102、輝度変換部103、輝度ヒストグラム生成部104、高輝度サイズ判断部105、補正パラメータ変更部107、表示ムラ補正部108、ガンマ変換部109、及び、表示パネル110を有する。なお、本実施例に係る画像処理装置が画像表示装置とは別体の装置である場合には、表示パネル110が画像処理装置ではなく画像表示装置に設けられていてもよい。さらに、ガンマ変換部109が画像処理装置ではなく画像表示装置に設けられていてもよい。
入力画像データ101は、画像表示装置100に入力された画像データである。入力画像データ101のダイナミックレンジと階調特性は特に限定されない。例えば、広いダイナミックレンジを有する画像データであるHDR(ハイダイナミックレンジ)画像データ)が、入力画像データ101として、画像表示装置100に入力される。輝度の増加に対して階調値が非線形に増加する階調特性を有する画像データである非線形画像データが、入力画像データ101として、画像表示装置100に入力されてもよい。本実施例では、入力画像データ101は、図11に示すように、輝度の増加に対して階調値が対数的に増加する階調特性(Log特性)を有するHDR画像データである。入力画像データ101の伝送方法、画素値、及び、ビット数も特に限定されない。本実施例では、SDI(シリアル・デジタル・インターフェース)伝送より、ビット数が10ビットであり、かつ、画素値がRGB値(R値、G値、及び、B値の組み合わせ)である画像データが、入力画像データ101として、画像表示装置100に入力される。R値は赤色に対応する階調値であり、G値は緑色に対応する階調値であり、B値は青色に対応する階調値である。
制御部106は、各機能部で使用するパラメータを設定する。例えば、制御部106は、画像表示装置100の起動時に、各パラメータの初期値を不図示の不揮発性メモリから読み出し、読み出した各パラメータを設定する。また、制御部106は、パラメータの設定値を変更することもできる。例えば、制御部106は、ユーザーからの指示に応じて、パラメータの設定値を変更する。
階調特性変換部102は、制御部106によって設定された変換特性パラメータ128を用いて、入力画像データ101の階調特性を変換する。具体的には、階調特性変換部102は、非線形画像データである入力画像データ101を、輝度の増加に対して階調値が線形に増加する階調特性(線形特性)を有する画像データである線形画像データ120に変換する。そして、階調特性変換部102は、線形画像データ120を輝度変換部103と表示ムラ補正部108に出力する。線形画像データ120を「入力画像データ」と呼ぶこともできる。
変換特性パラメータ128は、入力画像データ101の階調値と、線形画像データ120の階調値との対応関係を示す。入力画像データ101の階調値と、線形画像データ120の階調値との対応関係は、入力画像データ101の階調特性に基づいて予め決定することができる。本実施例では、図2に示すように、変換特性パラメータ128の変換特性(入力画像データ101の階調値の変化に対する、線形画像データ120の階調値の変化の特性)は、Log特性の逆特性を有する。図2の変換特性は、図11の階調特性に基づいて予め決定することができる。また、線形画像データ120の画素値とビット数も特に限定されない。本実施例では、ビット数が14ビットであり、かつ、画素値がRGB値である画像データが、線形画像データ120として生成される。
なお、画像表示装置100が階調特性変換部102を有していなくてもよい。例えば、入力画像データ101の階調特性が線形特性である場合には、階調特性変換部102は不要である。また、入力画像データ101の階調特性に関する情報を画像表示装置100が記憶している場合には、入力画像データ101の階調特性を考慮して、上述する種々の処理を好適に行うことができる。
輝度変換部103と輝度ヒストグラム生成部104により、入力画像データから輝度特徴量が取得される。本実施例では、線形画像データ120から、線形画像データ120の各画素の輝度値が、輝度特徴量として取得される。また、本実施例では、画像表示装置100の画面の領域を構成する複数の分割領域のそれぞれについて、その分割領域に対応する画像データから輝度特徴量が取得される。なお、複数の分割領域に対応する複数の輝度特徴量ではなく、画面全体に対応する1つの輝度特徴量が取得されてもよい。
分割領域の一例を図12に示す。図12には、6行10列の60個の分割領域により、画面の領域が構成されている。なお、分割領域の数、配置、及び、サイズは特に限定されない。例えば、分割領域の数は、60個より多くても少なくてもよい。千鳥格子状に並んだ複数の分割領域によって画面の領域が構成されてもよい。
輝度変換部103は、線形画像データ120の各画素について、その画素値(RGB値)を輝度値(Y値)に変換する。それにより、輝度データ121が生成される。そして、輝度変換部103は、輝度データ121を輝度ヒストグラム生成部104に出力する。
輝度ヒストグラム生成部104は、輝度データ121から輝度ヒストグラムを生成する。そして、輝度ヒストグラム生成部104は、生成した輝度ヒストグラムを表す情報を、輝度ヒストグラム情報122として、高輝度サイズ判断部105に出力する。本実施例では、複数の分割領域のそれぞれについて、その分割領域に対応する輝度データから輝度ヒストグラムが生成される。
高輝度サイズ判断部105は、線形画像データ120の輝度特徴量に基づいて、第1の閾値以上の輝度を有する線形画像データ120の画素である高輝度画素の数に関する情報を、高輝度サイズ情報124として生成する。高輝度サイズ情報124は、「第1の閾値以上の輝度を有する線形画像データ120の画像領域である高輝度領域のサイズに関する情報」と言うこともできる。本実施例では、複数の分割領域のそれぞれについて、その分割領域に対応する高輝度サイズ情報124が生成される。具体的には、複数の分割領域のそれぞれについて、その分割領域に対して取得された輝度特徴量に基づいて、当該分割領域に対応する高輝度サイズ情報124が生成される。そして、高輝度サイズ判断部105は、高輝度サイズ情報124を補正パラメータ変更部107に出力する。
高輝度サイズ判断部105の処理について、より具体的に説明する。本実施例では、制御部106によって、第1の閾値に対応する輝度値(Y値)以上の輝度値のレンジ(範囲
)が、高輝度レンジ123として設定される。そして、高輝度サイズ判断部105は、高輝度レンジ123に属す輝度値を有する画素が高輝度画素であるとして、複数の分割領域に対応する複数の高輝度サイズ情報124を生成する。具体的には、高輝度サイズ判断部105は、輝度ヒストグラム情報122に基づいて、高輝度サイズ率を算出する。高輝度サイズ率は、高輝度レンジ123における輝度ヒストグラムの総度数の、レンジ全体における輝度ヒストグラムの総度数(分割領域に対応する画像データの総画素数)の割合である。高輝度サイズ判断部105は、複数の分割領域のそれぞれについて、その分割領域に対応する輝度ヒストグラム情報122に基づいて、当該分割領域に対応する高輝度サイズ率を算出する。そして、高輝度サイズ率を示す情報が、高輝度サイズ情報124として生成される。
なお、高輝度レンジ123の決定方法は特に限定されない。例えば、高輝度レンジ123は、メーカーによって予め決定された固定レンジであってもよいし、ユーザーが変更可能なレンジであってもよいし、画像表示装置100によって決定および変更されるレンジであってもよい。高輝度レンジ123の代わりに、第1の閾値に対応する輝度値である高輝度閾値が使用されてもよい。高輝度閾値以上の輝度値を有する画素が高輝度画素であるとして、高輝度サイズ情報124が生成されてもよい。第1の閾値は、メーカーによって予め決定された固定値であってもよいし、ユーザーが変更可能な値であってもよいし、画像表示装置100によって決定および変更される値であってもよい。
なお、高輝度サイズ情報124は上記情報に限らない。例えば、高輝度サイズ率は、高輝度レンジ123における輝度ヒストグラムの総度数の、線形画像データ120の総画素数(画面全体における総画素数)の割合であってもよい。高輝度画素の数を示す情報が、高輝度サイズ情報124として生成されてもよい。また、高輝度サイズ情報124の生成方法は上記方法に限らない。例えば、画面全体に対応する1つの輝度特徴量から、複数の分割領域に対応する複数の高輝度サイズ情報124が生成されてもよい。画面全体に対応する1つの輝度特徴量として、上述した輝度データ121が取得されてもよい。画面全体に対応する輝度データ121から、複数の分割領域に対応する複数の高輝度サイズ情報124(高輝度画素の数や割合)を生成することができる。また、複数の分割領域に対応する複数の高輝度サイズ情報124ではなく、画面全体に対応する1つの高輝度サイズ情報124が生成されてもよい。
補正パラメータ変更部107と表示ムラ補正部108により、入力画像データ(線形画像データ120)にムラ低減処理が施される。ムラ低減処理は、入力画像データ(線形画像データ120)に基づく画像を表示パネル110の画面に表示した際に画面に生じる輝度と色の少なくとも一方のムラ(表示ムラ)を低減する画像処理である。具体的には、補正パラメータ変更部107と表示ムラ補正部108により、高輝度サイズ情報124に基づいて、高輝度画素の数が多いほど大きく表示ムラを低減するムラ低減処理が、線形画像データ120に施される。本実施例では、複数の分割領域のそれぞれについて、その分割領域に対して生成された高輝度サイズ情報124に基づいて、当該分割領域に対応する画像データにムラ低減処理が施される。
補正パラメータ変更部107は、高輝度サイズ情報124に基づいて補正パラメータ125を変更し、変更後の補正パラメータを、変更補正パラメータ129として表示ムラ補正部108に出力する。補正パラメータは、ムラ低減処理で使用されるパラメータであり、表示ムラを低減するパラメータである。本実施例では、複数の分割領域のそれぞれについて、その分割領域に対して生成された高輝度サイズ情報124に基づいて、当該分割領域に対応する変更補正パラメータ129が決定される。補正パラメータ125は、制御部106によって設定される。補正パラメータ125は、メーカーによって予め定められた固定値であってもよいし、ユーザーが変更可能な値であってもよい。表示ムラの発生パタ
ーンは、表示パネルに依存する。そのため、各表示パネルに対して個別に補正パラメータ125が生成されることが望ましい。
補正パラメータ125の生成方法の一例を説明する。まず、階調値が均一な画像データに基づく画像(ベタ画像)を画面に表示した状態で、各分割領域における表示輝度を、測定器を用いて測定する。表示輝度は、画面上の輝度である。測定器により、分割領域における表示輝度の平均が測定される。ベタ画像は、例えば、全画素の画素値が白色の画素値である白色画像である。
次に、表示輝度の測定値に基づいて、各分割領域の表示輝度が均一になるように、各分割領域の補正パラメータ125を決定する。ここでは、分割領域における画像データの各階調値に乗算する係数が、補正パラメータ125として決定される。具体的には、複数の分割領域の間で表示輝度の測定値が不均一である場合に、画面に輝度ムラ(輝度のムラ)が発生する。そこで、測定された表示輝度が高い分割領域の表示輝度が、測定された表示輝度の最小値に一致するように、複数の分割領域に対応する複数の係数を決定する。このような係数を用いたムラ低減処理では、少なくとも一部の表示輝度を低減することで輝度ムラが低減される。そのため、画面全体の表示輝度が低下する。
表示ムラ補正部108は、変更補正パラメータ129を用いたムラ低減処理を線形画像データ120に施すことにより、補正画像データ126を生成する。具体的には、表示ムラ補正部108は、複数の分割領域のそれぞれについて、その分割領域に対応する変更補正パラメータ129(係数)を、当該分割領域における画像データの各階調値に乗算する。それにより、補正画像データ126が生成される。そして、表示ムラ補正部108は、補正画像データ126をガンマ変換部109に出力する。
なお、ムラ低減処理の方法は特に限定されない。表示ムラを低減することができれば、どのような方法で表示ムラが低減されてもよい。例えば、分割領域単位ではなく、画素単位で輝度を調整するムラ低減処理が行われてもよい。補正パラメータとして、階調値に加算するオフセット値が使用されてもよい。
ガンマ変換部109は、表示パネル110の表示特性(ガンマ値)に基づくガンマ変換処理を補正画像データ126に施すことにより、表示画像データ127を生成する。本実施例では、制御部106によって設定されたガンマ特性パラメータ(ガンマカーブ)を用いたガンマ変換処理が行われる。表示パネル110のガンマ値は、例えば、1/2.2である。そして、ガンマ変換部109は、表示画像データ127を表示パネル110に出力する。表示パネル110の表示特性は、例えば、表示パネル110に入力される階調値と、表示パネル110の表示素子の状態との対応関係に関する特性である。表示パネル110が液晶パネルである場合、表示素子の状態は、表示素子の透過率である。表示パネル110の表示素子が自発光型の素子(有機EL素子、プラズマ素子、等)である場合には、表示素子の状態は、表示素子の発光輝度である。表示パネル110の表示特性は、例えば、表示素子の種類に依存する。
表示パネル110は、表示パネル110に入力された画像データに基づく画像を画面に表示する表示部である。本実施例では、表示画像データ127が表示パネル110に入力される。表示パネル110としては、液晶パネル、有機ELパネル、プラズマパネル、等を使用することができる。
次に、画像表示装置100の処理の一例について詳しく説明する。まず、高輝度サイズ情報124の具体的な生成方法について説明する。階調特性変換部102は、10ビットのビット数を有する入力画像データ101の階調特性を、Log特性から線形特性に変換
する。それにより、14ビットのビット数を有する線形画像データ120が生成される。輝度変換部103は、線形画像データ120の各画素値(RGB値)を輝度値(Y値)に変換する。それにより、輝度データ121が生成される。例えば、式1を用いてY値が算出される。Y値のビット数は特に限定されないが、ここでは14ビットのY値が算出される。

Y値=0.299×R値+0.587×G値+0.114×B値 ・・・(式1)
輝度ヒストグラム生成部104は、輝度データ121から、各分割領域の輝度ヒストグラムを生成する。ここでは、図3に示すように、輝度データ121の階調値(Y値)のレンジが、カテゴリ0〜カテゴリ31の32個のカテゴリに分けられる。そして、32個のカテゴリのそれぞれについて、そのカテゴリに属すY値を有する画素(輝度データ121の画素)の数がカウントされる。それにより、輝度ヒストグラムが生成される。輝度データ121が、高いY値を有する画素を多く含む場合には、図3に示すように、高いY値に対応するカテゴリの度数(画素数)として、大きい値が得られる。そして、輝度ヒストグラム生成部104は、生成した輝度ヒストグラム(各カテゴリの度数)を表す情報を、輝度ヒストグラム情報122として出力する。
高輝度サイズ判断部105は、複数の分割領域のそれぞれについて、その分割領域に対応する輝度ヒストグラム情報122に基づいて、当該分割領域に対応する高輝度サイズ率を算出する。そして、高輝度サイズ判断部105は、高輝度サイズ率を示す情報を、高輝度サイズ情報124として生成する。上述したように、高輝度サイズ率は、高輝度レンジ123における輝度ヒストグラムの総度数の、レンジ全体における輝度ヒストグラムの総度数の割合である。ここでは、高輝度レンジ123は、補正パラメータ125を用いたムラ低減処理による表示輝度の低下量に対応するレンジである。
ここで、補正パラメータ125を用いたムラ低減処理により、画面全体の表示輝度が8%低下する例を説明する。図4は、表示輝度の測定値と、補正パラメータ125(係数)との対応関係の一例を示す。ここでは、表示輝度の上限値が100cdであるとする。図4の対応関係を用いて補正パラメータ125を決定することにより、各分割領域の補正パラメータ125として、画面全体の表示輝度を8%低下させる補正パラメータ125が得られる。図4の対応関係によれば、100cdの表示輝度が測定された分割領域に対しては、補正パラメータ125として0.92が得られ、92cdの表示輝度が測定された分割領域に対しては、補正パラメータ125として1.0が得られる。
なお、表示輝度が8%低下する例を説明したが、表示輝度の低下量は、表示ムラの発生パターンに依存して変化する。即ち、表示輝度の測定値と、補正パラメータ125との対応関係は、図4の対応関係に限らない。表示輝度の測定値と、補正パラメータ125との対応関係は、表示ムラの発生パターンに依存して変化する。
高輝度サイズ率の具体的な算出方法について説明する。まず、高輝度サイズ判断部105は、高輝度レンジ123から、高輝度レンジ123に対応するカテゴリを高輝度カテゴリとして決定する。ここでは、補正パラメータ125を用いたムラ低減処理により、画面全体の表示輝度が8%低下する。そのため、14ビットの輝度値(Y値)のレンジの上位8%のレンジである14336以上かつ16383以下のレンジが、高輝度レンジ123として設定される。そして、14336以上かつ16383以下のレンジに対応するカテゴリ(図3の上位4つのカテゴリ)が、高輝度カテゴリとして決定される。
次に、高輝度サイズ判断部105は、上記4つの高輝度カテゴリの度数の総和(第1の
総和)を算出する。そして、高輝度サイズ判断部105は、全カテゴリの度数の総和(第2の総和)で第1の総和を除算することにより、高輝度サイズ率を算出する。第2の総和は、分割領域に対応する画像データの総画素数である。例えば、第1の総和が800であり、かつ、第2の総和が100である場合には、高輝度サイズ率として0.8が算出される。高輝度カテゴリに属す画素の数が多いほど大きい値が、高輝度サイズ率として算出される。換言すれば、補正パラメータ125を用いたムラ低減処理によって輝度が低下する画素の数が多いほど大きい値が、高輝度サイズ率として算出される。
次に、変更補正パラメータ129の具体的な算出方法について説明する。補正パラメータ変更部107は、高輝度サイズ情報124によって示された高輝度サイズ率に応じて、補正パラメータ125を変更する。上述したように、補正パラメータ125を用いたムラ低減処理により、画面全体の表示輝度が8%低下する。補正パラメータ変更部107では、このような表示輝度の低下が抑制されるように、高輝度サイズ率に応じて補正パラメータ125が変更される。
高輝度画素の数が少ないほど、高輝度画素からなる領域(高輝度領域)の表示ムラは目立ちにくい。具体的には、高輝度領域のサイズが小さいほど、高輝度領域の表示ムラは目立ちにくい。そして、高輝度サイズ率が小さいほど、高輝度領域のサイズが小さい(高輝度画素の数が少ない)と考えられる。即ち、高輝度サイズ率が小さいほど、高輝度領域の表示ムラは目立ちにくいと考えられる。
ここでは、高輝度サイズ率0.2に対応するサイズ以下のサイズを有する高輝度領域で、表示ムラ(表示ムラによる画質劣化)が目立たないものとする。そして、表示ムラが目立たない高輝度領域では、表示ムラの低減よりも、表示輝度の維持を優先すべきである。そのため、図5に示すように、高輝度サイズ率が0.2以下である場合には、補正パラメータ変更部107は、ムラ低減処理による表示輝度の低下量が0%となるように、補正パラメータ125を変更する。具体的には、補正パラメータ変更部107は、係数1.0を変更補正パラメータ129として決定する。
一方、表示ムラが目立つ高輝度領域では、表示輝度の維持よりも表示ムラの低減を優先すべきである。ここでは、高輝度サイズ率0.8に対応するサイズ以上のサイズを有する高輝度領域で、表示ムラが大きく目立つものとする。そのため、高輝度サイズ率が0.8以上である場合には、補正パラメータ変更部107は、補正パラメータ125を変更補正パラメータ129として決定する。図5は、表示輝度を8%低下させる補正パラメータ125が決定され場合の例を示す。そのため、図5では、ムラ低減処理による表示輝度の低下量が8%となるように、変更補正パラメータ129が決定される。
図5の例では、0.2から0.8までの高輝度サイズ率が算出された場合には、高輝度サイズ率の増加に伴い、1.0から補正パラメータ125と同じ値まで変更補正パラメータ129が増加するように、変更補正パラメータ129が決定される。
なお、変更補正パラメータ129の決定方法は上記方法に限らない。高輝度画素の数が多いほど大きく表示ムラを低減するムラ低減処理が実現されれば、どのような方法で変更補正パラメータ129が決定されてもよい。図5では、表示輝度の低下量が変化しない高輝度サイズ率のレンジ(0〜0.2および0.8〜1)が設定されている。しかしながら、高輝度サイズ率の全レンジにおいて、高輝度サイズ率の増加に伴い、変更補正パラメータ129が増加してもよい。変更補正パラメータ129の上限値は、補正パラメータ125より大きくても小さくてもよい。高輝度画素の数が多いほど大きく表示ムラを低減するムラ低減処理が実現されれば、表示輝度の低下量と、高輝度サイズ率との対応関係は特に限定されない。
また、補正パラメータを変更するのではなく、高輝度サイズ情報124に基づいてムラ補正処理の方法を変更することにより、高輝度画素の数が多いほど大きく表示ムラを低減するムラ低減処理が実現されてもよい。
以上述べたように、本実施例によれば、高輝度画素の数が多いほど大きく表示ムラを低減するムラ低減処理が行われる。それにより、表示輝度の低下を好適に抑制することができ、かつ、表示ムラを好適に低減することができる。具体的には、表示ムラが目立つ場合に、表示輝度の維持よりも表示ムラの低減を優先したムラ低減処理を行うことができる。そして、表示ムラが目立たない場合に、表示ムラの低減よりも表示輝度の維持を優先したムラ低減処理を行うことができる。
なお、本実施例では、輝度特徴量として各画素の輝度値を取得する例を説明したが、輝度特徴量はこれに限らない。例えば、複数の分割領域のそれぞれについて、その分割領域に対応する輝度特徴量として、当該分割領域に対応する画像データの平均輝度値が取得されてもよい。その場合には、平均輝度値が高いほど高輝度領域のサイズが大きいと考えたり、平均輝度値が高いほど高輝度画素の数が多いと考えたりすることができる。そのため、平均輝度値が輝度特徴量として取得される場合には、平均輝度値が高いほど高輝度画素の数が多いことを示す高輝度サイズ情報が生成されればよい。例えば、平均輝度値が高いほど大きい高輝度サイズ率が算出されればよい。
なお、本実施例では、補正パラメータ125に基づいて高輝度レンジ123が決定される例を説明したが、高輝度レンジ123の決定方法は特に限定されない。例えば、ユーザー操作に応じた画像表示装置100の設定に応じて、高輝度レンジ123が決定されてもよい。
なお、高輝度領域以外の領域では、表示輝度の維持よりも、表示ムラの低減の方が重要であることが多い。そのため、高輝度領域以外の領域に対して、高輝度画素の数に拘らず表示ムラを大きく低減するムラ低減処理が行われてもよい。例えば、高輝度領域以外の領域に対するムラ低減処理では、高輝度画素の数に拘らず補正パラメータ125が使用されてもよい。そして、高輝度領域に対して、高輝度画素の数が多いほど大きく表示ムラを低減するムラ低減処理が行われてもよい。
<実施例2>
以下、本発明の実施例2に係る画像処理装置および画像処理方法について説明する。本実施例では、表示輝度の低下をより好適に抑制することができ、かつ、表示ムラをより好適に低減することができる例を説明する。なお、実施例1と同様の構成や処理についての説明は省略する。
図7(A),7(B)は、入力画像データによって表された画像の一例を示す図である。図7(A),7(B)において、白色の領域は、高輝度領域である。図7(A)に示すように、高輝度画素の数が多く、かつ、複数の高輝度画素が一部の領域に集中して存在する場合には、高輝度領域の表示ムラが目立つ。しかし、高輝度画素の数が多くても、図7(B)に示すように、複数の高輝度画素が分散して存在する場合には、高輝度領域の表示ムラは目立ちにくい。
実施例1では、高輝度サイズ率のみに基づいて補正パラメータが決定されるため、高輝度領域の表示ムラが目立ちにくい画像データに対して、過剰に表示ムラを低減するムラ低減処理が施されることがある。例えば、図7(B)のような画像データに対して、過剰に表示ムラを低減するムラ低減処理が施されることがある。
そこで、本実施例では、高輝度画素の分散の度合いをさらに考慮して、補正パラメータを決定する。それにより、高輝度画素の数を一定とした場合に高輝度画素の分散の度合いが低いほど大きく表示ムラを低減するムラ低減処理を実現する。その結果、表示輝度の低下をより好適に抑制することができ、かつ、表示ムラをより好適に低減することができる。例えば、図7(B)のような画像を表す画像データに対して、表示ムラの低減よりも表示輝度の維持を優先したムラ低減処理を施すことができる。
図6は、本実施例に係る画像表示装置200の機能構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、画像表示装置200は、実施例1の画像表示装置100が有する機能部の他に、分散度合い判断部111をさらに有する。
本実施例では、高輝度サイズ判断部105と分散度合い判断部111とにより、高輝度画素の数と、高輝度画素の分散度合いとに関する情報が生成される。具体的には、実施例1と同様に、高輝度サイズ判断部105によって、高輝度サイズ情報124が生成される。そして、分散度合い判断部111によって、高輝度画素の分散度合いに関する情報が、分散情報130として生成される。
分散度合い判断部111は、輝度データ121と高輝度レンジ123とに基づいて、分散情報130を生成する。そして、分散度合い判断部111は、分散情報130を補正パラメータ変更部107に出力する。
分散度合い判断部111の処理について詳しく説明する。まず、分散度合い判断部111は、高輝度レンジ123に基づいて、輝度データ121から高輝度画素を検出する。高輝度レンジ123に属す輝度値を有する画素が、高輝度画素として検出される。
次に、分散度合い判断部111は、隣接する画素との間の輝度差(Y値の差分)が第2の閾値以上の高輝度画素であるエッジ高輝度画素の数をカウントする。具体的には、分散度合い判断部111は、図8に示すように、輝度差のレンジを32個のカテゴリ(差分カテゴリ)に分ける。そして、分散度合い判断部111は、32個の差分カテゴリのそれぞれについて、その差分カテゴリに属す輝度差を有する画素(輝度データ121の画素)の数をカウントする。そして、分散度合い判断部111は、第2の閾値以上のレンジに対応する差分カテゴリの度数の総和(第3の総和)を、エッジ高輝度画素の数として算出する。本実施例では、これらの処理が、複数の分割領域のそれぞれについて行われる。隣接する画素との間の輝度差が第2の閾値以上である画素は、高輝度領域のエッジを構成する画素である可能性が高い。第2の閾値は、メーカーによって予め決定された固定値であってもよいし、ユーザーが変更可能な値であってもよいし、画像表示装置100によって決定および変更される値であってもよい。
なお、1つの画素には複数の画素が隣接する。第2の閾値と比較される輝度差として、1つの方向に隣接する画素との間の輝度差が使用されてもよいし、そうでなくてもよい。複数の方向のそれぞれについて、その方向に隣接する画素との間の輝度差が算出されてもよい。そして、複数の輝度差の代表値(最大値、最小値、中間値、最頻値、平均値、等)が、第2の閾値と比較されてもよい。
そして、分散度合い判断部111は、エッジ高輝度画素の数に関する情報を、分散情報130として生成する。本実施例では、複数の分割領域のそれぞれについて、分散情報130が生成される。具体的には、分散度合い判断部111は、全差分カテゴリの度数の総和(第4の総和)で第3の総和を除算することにより、高輝度エッジ率を算出する。第4の総和は、分割領域に対応する画像データの総画素数である。そして、分散度合い判断部
111は、高輝度エッジ率を示す情報を、分散情報130として生成する。
例えば、第3の総和が80であり、かつ、第4の総和が100である場合には、高輝度エッジ率として0.8が算出される。エッジ高輝度画素の数が多いほど、複数の高輝度画素の分散度合いが大きい可能性が高い。そのため、エッジ高輝度画素の数に関する情報を分散情報130として用いることができる。本実施例では、エッジ高輝度画素の数が多いほど大きい値が、高輝度エッジ率として算出される。
なお、分散情報130は上記情報に限らない。例えば、高輝度エッジ率は、エッジ高輝度画素の数の、線形画像データ120の総画素数(画面全体における総画素数)の割合であってもよい。エッジ高輝度画素の数を示す情報が、分散情報130として生成されてもよい。また、画面全体に対応する1つの分散情報130が生成されてもよい。エッジ高輝度画素の分散度合いに関する情報であれば、どのような情報が分散情報130として生成されてもよい。エッジ高輝度画素の検出結果から、様々な定義の分散情報130を生成することができる。
補正パラメータ変更部107は、高輝度サイズ情報124と分散情報130とに基づいて補正パラメータ125を変更することにより、変更補正パラメータ129を生成する。本実施例では、高輝度画素の数を一定とした場合に高輝度画素の分散の度合いが低いほど大きく表示ムラを低減するムラ低減処理が行われるように、変更補正パラメータ129が生成される。具体的には、高輝度画素の数を一定とした場合にエッジ高輝度画素の数が少ないほど大きく表示ムラを低減するムラ低減処理が行われるように、変更補正パラメータ129が生成される。
補正パラメータ変更部107の処理について詳しく説明する。まず、補正パラメータ変更部107は、高輝度サイズ情報124によって示された高輝度サイズ率から、分散情報130によって示された高輝度エッジ率を減算する。そして、補正パラメータ変更部107は、減算結果に基づいて補正パラメータ125を変更することにより、変更補正パラメータ129を生成する。例えば、減算結果と、ムラ低減処理による表示輝度の低下量との対応関係が図9の対応関係となるように、変更補正パラメータ129が生成される。図9は、表示輝度を8%低下させる補正パラメータ125が決定され場合の例を示す。本実施例では、これらの処理が各分割領域について行われる。
なお、変更補正パラメータ129の決定は上記方法に限らない。高輝度画素の数を一定とした場合に高輝度画素の分散の度合いが低いほど大きく表示ムラを低減するムラ低減処理が実現されれば、どのような方法で変更補正パラメータ129が決定されてもよい。例えば、実施例1と同様の方法で補正パラメータ125を変更した後、変更後の補正パラメータを分散情報130に基づいてさらに補正することにより、変更補正パラメータ129が決定されてもよい。また、補正パラメータを変更するのではなく、高輝度サイズ情報124と分散情報130とに基づいてムラ補正処理の方法を変更することにより、上述したムラ低減処理が実現されてもよい。
以上述べたように、本実施例によれば、高輝度画素の数を一定とした場合に高輝度画素の分散の度合いが低いほど大きく表示ムラを低減するムラ低減処理が行われる。それにより、表示輝度の低下をより好適に抑制することができ、かつ、表示ムラをより好適に低減することができる。
<その他の実施例>
本発明は、上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおけ
る1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
103:輝度変換部 104:輝度ヒストグラム生成部
105:高輝度サイズ判断部 107:補正パラメータ変更部
108:表示ムラ補正部

Claims (19)

  1. 入力画像データから輝度特徴量を取得する取得手段と、
    前記取得手段で取得された前記輝度特徴量に基づいて、第1の閾値以上の輝度を有する前記入力画像データの画像領域である高輝度領域のサイズに関する情報を生成する生成手段と、
    前記入力画像データに基づく画像を表示部の画面に表示した際に前記画面に生じる輝度と色の少なくとも一方のムラを低減するムラ低減処理を、前記入力画像データに施す処理手段と、
    を有し、
    前記処理手段は、前記生成手段で生成された前記情報に基づいて、前記高輝度領域のサイズが大きいほど大きく前記ムラを低減するムラ低減処理を、前記入力画像データに施すことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記取得手段は、前記輝度特徴量として、前記入力画像データの各画素の輝度値を取得する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記取得手段は、前記画面の領域を構成する複数の分割領域のそれぞれについて、その分割領域に対応する輝度特徴量として、当該分割領域に対応する画像データの平均輝度値を取得する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記生成手段は、前記画面の領域を構成する複数の分割領域のそれぞれについて、その分割領域に対応する高輝度領域のサイズに関する情報を生成する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記高輝度領域のサイズに関する情報は、前記第1の閾値以上の輝度を有する前記入力画像データの画素である高輝度画素の数に関する情報である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記生成手段は、前記高輝度画素の数と、前記高輝度画素の分散の度合いとに関する情報を生成し、
    前記処理手段は、前記高輝度画素の数を一定とした場合に前記高輝度画素の分散の度合いが低いほど大きく前記ムラを低減するムラ低減処理を、前記入力画像データに施す
    ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 前記生成手段は、前記高輝度画素の数と、隣接する画素との間の輝度差が第2の閾値以上の高輝度画素であるエッジ高輝度画素の数とに関する情報を生成し、
    前記処理手段は、前記高輝度画素の数を一定とした場合に前記エッジ高輝度画素の数が少ないほど大きく前記ムラを低減するムラ低減処理を、前記入力画像データに施す
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の画像処理装置。
  8. 前記取得手段は、前記画面の領域を構成する複数の分割領域のそれぞれについて、その分割領域に対応する画像データから輝度特徴量を取得し、
    前記生成手段は、前記複数の分割領域のそれぞれについて、その分割領域に対して取得された前記輝度特徴量に基づいて、当該分割領域に対応する高輝度領域のサイズに関する情報を生成し、
    前記処理手段は、前記複数の分割領域のそれぞれについて、その分割領域に対して生成された前記情報に基づいて、当該分割領域に対応する画像データにムラ低減処理を施す
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  9. 輝度の増加に対して階調値が非線形に増加する画像データである非線形画像データを、輝度の増加に対して階調値が線形に増加する画像データである線形画像データに変換する変換手段をさらに有し、
    前記取得手段は、前記線形画像データから輝度特徴量を取得し、
    前記処理手段は、前記線形画像データに前記ムラ低減処理を施す
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  10. 入力画像データから輝度特徴量を取得する取得ステップと、
    前記取得ステップで取得された前記輝度特徴量に基づいて、第1の閾値以上の輝度を有する前記入力画像データの画像領域である高輝度領域のサイズに関する情報を生成する生成ステップと、
    前記入力画像データに基づく画像を表示部の画面に表示した際に前記画面に生じる輝度と色の少なくとも一方のムラを低減するムラ低減処理を、前記入力画像データに施す処理ステップと、
    を有し、
    前記処理ステップでは、前記生成ステップで生成された前記情報に基づいて、前記高輝度領域のサイズが大きいほど大きく前記ムラを低減するムラ低減処理を、前記入力画像データに施す
    ことを特徴とする画像処理方法。
  11. 前記取得ステップでは、前記輝度特徴量として、前記入力画像データの各画素の輝度値を取得する
    ことを特徴とする請求項10に記載の画像処理方法。
  12. 前記取得ステップでは、前記画面の領域を構成する複数の分割領域のそれぞれについて、その分割領域に対応する輝度特徴量として、当該分割領域に対応する画像データの平均輝度値を取得する
    ことを特徴とする請求項10に記載の画像処理方法。
  13. 前記生成ステップでは、前記画面の領域を構成する複数の分割領域のそれぞれについて、その分割領域に対応する高輝度領域のサイズに関する情報を生成する
    ことを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  14. 前記高輝度領域のサイズに関する情報は、前記第1の閾値以上の輝度を有する前記入力画像データの画素である高輝度画素の数に関する情報である
    ことを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  15. 前記生成ステップでは、前記高輝度画素の数と、前記高輝度画素の分散の度合いとに関する情報を生成し、
    前記処理ステップでは、前記高輝度画素の数を一定とした場合に前記高輝度画素の分散の度合いが低いほど大きく前記ムラを低減するムラ低減処理を、前記入力画像データに施す
    ことを特徴とする請求項14に記載の画像処理方法。
  16. 前記生成ステップでは、前記高輝度画素の数と、隣接する画素との間の輝度差が第2の閾値以上の高輝度画素であるエッジ高輝度画素の数とに関する情報を生成し、
    前記処理ステップでは、前記高輝度画素の数を一定とした場合に前記エッジ高輝度画素の数が少ないほど大きく前記ムラを低減するムラ低減処理を、前記入力画像データに施す
    ことを特徴とする請求項14または15に記載の画像処理方法。
  17. 前記取得ステップでは、前記画面の領域を構成する複数の分割領域のそれぞれについて、その分割領域に対応する画像データから輝度特徴量を取得し、
    前記生成ステップでは、前記複数の分割領域のそれぞれについて、その分割領域に対して取得された前記輝度特徴量に基づいて、当該分割領域に対応する高輝度領域のサイズに関する情報を生成し、
    前記処理ステップでは、前記複数の分割領域のそれぞれについて、その分割領域に対して生成された前記情報に基づいて、当該分割領域に対応する画像データにムラ低減処理を施す
    ことを特徴とする請求項10〜16のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  18. 輝度の増加に対して階調値が非線形に増加する画像データである非線形画像データを、輝度の増加に対して階調値が線形に増加する画像データである線形画像データに変換する変換ステップをさらに有し、
    前記取得ステップでは、前記線形画像データから輝度特徴量を取得し、
    前記処理ステップでは、前記線形画像データに前記ムラ低減処理を施す
    ことを特徴とする請求項10〜17のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  19. 入力画像データから輝度特徴量を取得する取得ステップと、
    前記取得ステップで取得された前記輝度特徴量に基づいて、第1の閾値以上の輝度を有する前記入力画像データの画像領域である高輝度領域のサイズに関する情報を生成する生成ステップと、
    前記入力画像データに基づく画像を表示部の画面に表示した際に前記画面に生じる輝度と色の少なくとも一方のムラを低減するムラ低減処理を、前記入力画像データに施す処理ステップと、
    をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記処理ステップでは、前記生成ステップで生成された前記情報に基づいて、前記高輝度領域のサイズが大きいほど大きく前記ムラを低減するムラ低減処理を、前記入力画像データに施す
    ことを特徴とするプログラム。
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