JP2017044786A - 現像装置及び現像装置を備える画像形成装置 - Google Patents

現像装置及び現像装置を備える画像形成装置 Download PDF

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【課題】現像剤担持体から剥離された現像剤が対向壁と摺擦することを防止することのできる現像装置及び現像装置を備える画像形成装置を提供すること。【解決手段】現像装置21は、現像ローラー32に担持される現像剤を現像ローラー32から剥離させる剥離極53と、現像ローラー32の外周面において剥離極53によって磁力が最大となる最大磁力位置を通る接線が鋭角で交差するように前記接線より大きな傾きで傾斜し、前記最大磁力位置で現像ローラー32の外周面に対向する対向壁部422Aとを備え、前記対向壁のうち前記剥離極の剥離作用によって前記現像剤担持体の外周面から剥離されて飛翔する前記現像剤が衝突する第1領域の弾性率が、前記第1領域以外の第2領域の弾性率よりも小さい。【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真方式によりシート部材に画像を形成する画像形成装置に備えられる現像装置及び現像装置を備える画像形成装置に関する。
現像装置は、予め定められた回転方向へ回転する現像剤担持体と、現像剤担持体の外周面上の現像剤を現像剤担持体から剥離させる剥離極とを備える。前記現像剤担持体は、現像剤を貯留する貯留部よりも上側の位置で予め定められた回転方向へ回転可能に設けられる。そして、前記現像剤担持体は、予め定められた受取位置で受け取って外周面に担持した前記現像剤を、回転により前記回転方向の下流側に予め定められた供給位置へ搬送する。前記剥離極は、前記回転方向において前記供給位置から前記受取位置に至るまでの間の位置に設けられる。具体的に、前記剥離極は、前記外周面のうち最上位置よりも現像剤担持体の回転方向において下流側の位置であって前記現像剤担持体の回転中心よりも上側の位置で、現像剤を現像剤担持体から剥離させる(特許文献1参照)。剥離された現像剤は、前記現像剤に働いている遠心力の作用により飛翔する。その飛翔方向は、前記現像剤担持体の外周面のうち前記剥離極に最も接近する剥離位置からこの剥離位置を通る前記外周面の接線が延びる方向である。すなわち、剥離した現像剤は、斜め下向きに飛翔する。そして、飛翔した現像剤は、前記現像剤に働く重力により落下していく。
ところで、現像装置ハウジングの一部が前記剥離位置で現像剤担持体の外周面に対向する対向壁となるように延在している場合がある。ここで、前記ハウジングの一部が前記接線に対して大きな傾きで傾斜している場合、その傾斜角度によっては、前記現像剤担持体の剥離極から剥離した現像剤が前記対向壁に衝突する場合がある。
特開2014−063023号公報
ところが、前記現像剤が前記対向壁に衝突した場合、その現像剤の少なくとも一部は、慣性によって前記対向壁に沿って前記対向壁と摺擦しながら下方へ向かう。前記現像剤が前記対向壁に摺擦すると、前記現像剤と対向壁との摩擦によって前記現像剤が劣化する。例えば、前記現像剤に外添剤が添加されている場合、前記現像剤に含まれるトナー粒子に付着した外添剤がトナー粒子から脱落して前記現像剤が劣化する場合がある。
本発明の目的は、現像剤担持体から剥離された現像剤が対向壁と摺擦することを防止することのできる現像装置及び現像装置を備える画像形成装置を提供することである。
本発明の一の局面に係る画像形成装置は、筐体と、現像剤担持体と、剥離極と、対向壁とを有する。前記筐体は、現像剤を貯留する貯留部を有する。前記現像剤担持体は、前記筐体内において前記貯留部よりも上側の位置で予め定められた回転方向へ回転可能に設けられ、予め定められた受取位置で受け取って外周面に担持した前記現像剤を、回転により前記回転方向の下流側に予め定められた供給位置へ搬送する。前記剥離極は、前記回転方向において前記供給位置から前記受取位置に至るまでの間の位置であって前記外周面のうち最上位置よりも前記回転方向において下流側の位置且つ前記現像剤担持体の回転中心よりも上側の位置で、前記現像剤担持体に担持される前記現像剤を前記現像剤担持体から剥離させる。前記対向壁は、前記現像剤担持体の外周面において前記剥離極によって磁力が最大となる最大磁力位置を通る接線が鋭角で交差するように前記接線より大きな傾きで傾斜し、前記最大磁力位置で前記現像剤担持体の外周面に対向する。そして、前記対向壁のうち前記剥離極の剥離作用によって前記現像剤担持体の外周面から剥離されて飛翔する前記現像剤が衝突する第1領域の弾性率が、前記第1領域以外の第2領域の弾性率よりも小さい。
本発明の一の局面に係る画像形成装置は、前記現像装置を備える。
本発明によれば、現像剤担持体から剥離された現像剤が対向壁と摺擦することを防止することのできる現像装置及び現像装置を備える画像形成装置を提供することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の構成を示す模式図である。 図2は、現像装置の構成を示す模式図である。 図3は、現像ローラー及びその支持構造を示す断面図である。 図4は、現像スリーブに内包されている複数の磁極の磁束分布を示す模式図である。 図5は、第1の実施形態における特徴部分の説明図である。 図6は、第2の実施形態における特徴部分の説明図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。なお、以下の説明で、図1で示される上下方向501、左右方向502、及び前後方向503を用いることがある。
[第1の実施形態]
図1及び図2を参照しつつ、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置1Aの構成について説明する。画像形成装置1Aは、電子写真方式の画像形成装置である。画像形成装置1Aは、筐体7内に、シート供給部2、シート搬送部3、画像形成部4、光走査部5、定着部6、及びトナー補給部8などを備える。
画像形成装置1Aは、タンデム型画像形成装置であり、カラープリンターである。そのため、画像形成部4は、中間転写ベルト9、クリーニング装置10及び二次転写装置11をさらに備える。
また、画像形成部4は、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各色に対応した複数の画像形成ユニット4Aを備える。さらに、画像形成装置1Aは、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各色のトナーを後述する現像装置21各々の貯留部35(図2参照)に供給する複数のトナー補給部8を備える。トナー補給部8は、画像形成装置1Aの筐体7に対して取り外し可能に装着される。本実施形態では、トナー補給部8は、画像形成部4の上方位置に装着される。
なお、画像形成装置1Aは、コピー機、ファクシミリー、又はプリンター機能、ファクシミリー機能、スキャン機能などを併せ持つ複合機などであってもよい。
シート供給部2は、シート受部12及びシート送出部13を備えている。シート受部12は、複数の記録シート14を重ねて載置可能である。記録シート14は、紙、コート紙、ハガキ、封筒、及びOHPシートなどのシート状の画像形成媒体である。
シート送出部13は、記録シート14に接して回転することにより、記録シート14をシート受部12から搬送路15へ向けて送り出す。
シート搬送部3は、レジストローラー16、搬送ローラー17及び排出ローラー18などを備える。レジストローラー16及び搬送ローラー17が、シート供給部2から供給される記録シート14を画像形成部4の二次転写装置11へ向けて搬送する。さらに、排出ローラー18が画像形成後の記録シート14を搬送路15の排出口から排出トレイ26上へ排出する。
中間転写ベルト9は、環状に形成された無端の帯状部材である。中間転写ベルト9は、2つのローラーに架け渡された状態で回転する。画像形成部4において、画像形成ユニット4A各々は、回転する中間転写ベルト9の表面に各色の画像を形成する。これにより、各色の画像が重ねられたカラー画像が中間転写ベルト9に形成される。
二次転写装置11は、中間転写ベルト9に形成されたトナー像を記録シート14に転写する。クリーニング装置10は、中間転写ベルト9における二次転写装置11を経た後の部分に残存するトナーを中間転写ベルト9の表面から除去して中間転写ベルト9を清掃する。
画像形成ユニット4A各々は、トナー像を担持する感光ドラム19、帯電装置20、現像装置21、一次転写装置22及びクリーニング装置23などを備える。感光ドラム19は、光走査部5から画像データに基づくレーザー光を感光ドラム19の軸方向に繰り返しライン状に露光走査する露光処理が実行されることにより前記静電潜像が形成される。現像装置21は、前記トナーを感光ドラム19に供給することによって前記静電潜像を現像する現像処理を実行する。一次転写装置22及び二次転写装置11は、感光ドラム19に形成された前記トナー像を記録シート14に転写する。クリーニング装置23は、一次転写装置22によって実行される転写処理の後に感光ドラム19に残留する前記トナーを感光ドラム19から取り除くクリーニング処理を実行する。また、不図示の除電器が、感光ドラム19表面の残留電荷を除去する除電処理を実行する。
感光ドラム19各々は、中間転写ベルト9の周速度(移動速度)に応じた周速度で回転する。感光ドラム19としては、例えば、感光ドラム19がアモルファスシリコン(a−Si)感光体、或いは有機感光体が採用可能である。
画像形成ユニット4A各々において、感光ドラム19が回転し、帯電装置20が感光ドラム19の表面を一様に帯電させる。さらに、光走査部5がレーザー光を走査することにより帯電した感光ドラム19の表面に静電潜像を形成する。
現像装置21は、感光ドラム19にトナーを供給することにより、トナーを用いて前記静電潜像を現像する。現像装置21は、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤を撹拌することによってトナーを帯電させ、帯電した前記トナーを感光ドラム19に供給する。
帯電装置20は、感光ドラム19における前記静電潜像が書き込まれる前の部分を帯電させる帯電ローラー25を備える。
画像形成装置1Aは、他の通信機器と通信可能に接続されている。前記他の通信機器は、例えばパーソナルコンピューターである。画像形成装置1Aは、前記他の通信機器から要求される画像形成ジョブを実行する。前記画像形成ジョブのジョブ情報には、前記画像形成モードの種類及び記録シート14の種類などの情報が含まれている。記録シート14は、普通紙及び厚紙などの種類がある。
図2に示されるように、現像装置21は、現像装置21の装置本体である筐体30を有する。筐体30は、前後方向503に長尺の形状を有する。また、現像装置21は、現像ローラー32、2つの撹拌部材33及び規制ブレード34を備える。現像ローラー32、撹拌部材33及び規制ブレード34は、筐体30と同様、前後方向503に長尺の形状を有する。現像ローラー32、撹拌部材33及び規制ブレード34は、筐体30内に設けられている。現像ローラー32及び撹拌部材33は、互いに平行な回転軸芯を中心として回転可能に筐体30に支持されている。また、2つの撹拌部材33は、予め定められた距離を隔てて左右方向502に並設されている。右側に位置する方の撹拌部材33に対して予め定められた距離を隔てて右斜め上に現像ローラー32が配置されている。現像ローラー32の右斜め上に感光ドラム19が配置されている。現像ローラー32は、本発明の現像剤担持体の一例である。
筐体30は、樹脂を材料として構成されており、下部フレーム41と、上部フレーム42と、第1プレート43と、第2プレート44(図3参照)と、第3プレート45(図3参照)とを有する。なお、これらの部材は、互いに隣接するもの同士がねじ止め、係合、接着等により連結されている。或いは、第2プレート44及び第3プレート45は、下部フレーム41に一体成型されていてもよい。第2プレート44及び第3プレート45は、貯留部35の図2の紙面に直交する方向の両端に設けられている。本実施形態では、上部フレーム42と第1プレート43とは別部材であるが、上部フレーム42と第1プレート43とが一体形成されていてもよい。
下部フレーム41は、筐体30の下側の部分を構成しており、その内側に二成分現像剤を貯留する貯留部35を形成する。貯留部35は、第1貯留室35Aと第2貯留室35Bとを有する。具体的に、下部フレーム41は、湾曲部41Aと、湾曲部41Bと、壁部41Cとを有する。湾曲部41Aは、断面円弧状に下方に湾曲して第1貯留室35Aを形成する。湾曲部41Bは、断面円弧状に下方に湾曲して第2貯留室35Bを形成する。湾曲部41Aと湾曲部41Bとは、前記円弧の端部41Eにおいて連結されている。
貯留部35に貯留される二成分現像剤に含まれるトナーは、トナー補給部8(図1参照)からトナーが供給される。具体的に、トナー補給部8から供給される前記トナーは、まず、第1貯留室35Aに供給される。その後、前記トナーが後述する撹拌部材33により搬送されつつ第2貯留室35Bに供給される。前記トナーは樹脂からなり、前記キャリアは磁性材料からなる。また、前記トナーの粒径は、前記キャリアの粒径より小さい。前記トナーは、前記キャリアに比べて重量が小さい。前記キャリアは、フェライト等からなる磁性粒子である。後述するようにトナーと混合された状態で撹拌されることにより前記トナーと前記キャリアとの摩擦で生じる静電気によってトナーを帯電させる。前記キャリアの存在によって、前記二成分現像剤は、トナーのみからなる一成分現像剤と比べて前記トナーを帯電させやすく、画像の高品質化を図ることができる。ただし、貯留部35に収容される現像剤は一成分現像剤でもよい。一成分現像剤は、本発明の現像剤の一例である。また、前記二成分現像剤には、外添剤が添加されており、前記トナーの表面には外添剤が付着している。前記外添剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、或いは酸化マグネシウムなどの金属酸化物が挙げられる。
壁部41Cは、湾曲部41Aと湾曲部41Bとの連結部から上方に延出する部分であり、第1貯留室35Aの上部空間と第2貯留室35Bの上部空間とを仕切る。壁部41Cは、第1貯留室35Aと第2貯留室35Bとを連通させる不図示の連通孔を有し、第1貯留室35Aに貯留される二成分現像剤は、前記連通孔を通じて第2貯留室35Bに供給される。
上部フレーム42は、下部フレーム41の上側に設けられている。上部フレーム42は、カバー部421と、カバー部422とを有する。カバー部421は、第1貯留室35Aに設けられた撹拌部材33の外周部に沿って、第1貯留室35Aを上方から覆うように延在する。カバー部422は、第2貯留室35Bを上方から覆い、且つ、現像ローラー32を設置するためのスペースS1を区画するように、カバー部421の右端から左右方向502における右側へ斜め上方に向かって延び、湾曲部41Bの右側の上端部415の上方に達する。このような上部フレーム42の形状により、湾曲部41Bの上端部415の上方には、スペースS1のうち図2の縦方向におけるスペースが設けられている。
第1プレート43は、湾曲部41Bに対して左右方向502の右側の位置に設けられている。第1プレート43は、現像ローラー32から落下してくるトナーを受け止めて、前記トナーを第2貯留室35Bに戻すための部材である。
第1プレート43は、カバー部43Aと、座部43Bと、延設部43Cとを有する。カバー部43Aは、略鉛直方向に延在する。カバー部43Aの上端部431は、現像ローラー32の周面のうち右側部分に対して対向する。座部43Bは、カバー部43Aと交差し、カバー部43Aの下端部432から湾曲部41B側に延在する。これにより、湾曲部41Bの上端部415の上方には、スペースS1のうち左右方向502(図2の横方向)におけるスペースが設けられている。上部フレーム42及び第1プレート43によって湾曲部41Bの上端部415よりも上側にスペースS1が設けられ、そのスペースS1に現像ローラー32が設けられている。延設部43Cは、カバー部43Aの内側面から湾曲部41B側に延在する。延設部43Cは、カバー部43Aの内側面から湾曲部41B側へ延びた先の先端部から下方に折れ曲がった形状を有し、その折れ曲がった部分が湾曲部41Bの右側の上端部415と係合する。延設部43Cは、カバー部43Aの内側面から湾曲部41B側へ延びる部分に挿通口71を有する。挿通口71には、規制ブレード34が挿通される。
上部フレーム42の上端部42Aと第1プレート43のカバー部43Aにおける上端部431とが隔てられており、筐体30の右斜め上の部分に開口30Aが形成されている。上部フレーム42の上端部42Aは、開口30Aの上側縁部を画定し、上端部431は、開口30Aの下側縁部を画定する。そして、開口30Aを通じて、現像ローラー32の周面の一部が筐体30から露出し、且つ、露出した部分と感光ドラム19とが対向する。
撹拌部材33は、第1貯留室35A及び第2貯留室35Bの内部に回転可能に設けられている。撹拌部材33は、第1貯留室35A及び第2貯留室35B内の二成分現像剤を撹拌する。撹拌部材33は、本実施形態ではスクリュー部材である。撹拌部材33は、図2の紙面に直交する方向に沿って延びる長尺状の部材である。なお、撹拌部材33は、樹脂を材料として構成されている。撹拌部材33は、第2プレート44及び第3プレート45に回転可能に支持されている。図2に示される回転軸心Q3は、第2貯留室35Bの二成分現像剤を撹拌する撹拌部材33の回転軸心を示している。撹拌部材33が回転することにより、貯留部35内の二成分現像剤が移動しつつ撹拌される。この撹拌により発生する静電気によって前記トナーが予め定められた極性に帯電する。
現像ローラー32は、筐体30内のスペースS1に配置され回転可能に設けられている。すなわち、現像ローラー32は、第2貯留室35B及び湾曲部41Bの上端部415の上側に位置する。現像ローラー32は、撹拌部材33によって撹拌された前記二成分現像剤を第2貯留室35Bから磁力によって引き寄せて受け取りその表面で担持する。
図2、図3に示されるように、現像ローラー32は、現像スリーブ48と、磁極部54とを有する。
図3に示されるように、現像スリーブ48は、スリーブ本体48Aと、軸部材48Bとを有する。スリーブ本体48Aは、円筒形状を有する部位であり、現像ローラー32の表面を構成する。軸部材48Bは、スリーブ本体48Aの軸方向における両端部に設けられている。軸部材48Bは、スリーブ本体48Aの両端の開口に嵌め込まれて固定される嵌合部481と、嵌合部481の外側面に設けられた円柱状の回転軸部482とを有する。回転軸部482は、嵌合部481の前記外側面の中心から前記外側面と直交する方向に延びる部位である。回転軸部482の突出方向に直交する断面の中心が、現像スリーブ48の回転軸心Q1(図2参照)となる。
現像スリーブ48は、第2プレート44及び第3プレート45に回転可能に支持されている。具体的に、第2プレート44の内側面441と第3プレート45の内側面451とは互いに対向する。そして、第2プレート44の内側面441には現像ローラー32の回転軸部482の軸方向に突出するボス部442が形成されている。また、第3プレート45の内側面451には現像ローラー32の回転軸部482の軸方向に突出するボス部452が形成されている。ボス部442、452には、突出端部から前記軸方向に窪んだ凹部443、453が形成されている。換言すると、ボス部442、452は、円筒状を有している。ボス部442とボス部452とは互いに対向する。
ボス部442の凹部443には、ボールベアリング80が嵌め込まれており、ボス部452の内側の凹部453には、ボールベアリング81が嵌め込まれている。すなわち、ボス部442、452に形成されている凹部443、453の径は、ボールベアリング80、81の外径とほぼ同じである。そして、ボス部442は、ボールベアリング80に外嵌し、ボス部452は、ボールベアリング81に外嵌する。このように、ボールベアリング80、81は、第2プレート44及び第3プレート45に固定されている。
現像スリーブ48の軸部材48Bにおける回転軸部482は、ボールベアリング80、81に内嵌する。これにより、現像スリーブ48の回転軸部482は、ボールベアリング80、81を通じて、第2プレート44及び第3プレート45に回転可能に支持されている。現像スリーブ48は、現像ローラー32が前記静電潜像を現像する現像期間、図2における回転方向X1(図2において反時計周りの方向)へ回転駆動される。
図2に示されるように、磁極部54は、現像スリーブ48の内部に設けられた複数の磁極を有する。複数の磁極は、汲上規制極49、搬送極50、主極51、搬送極52及び剥離極53であり、周方向に所定の間隔を隔てて並設されている。これらの磁極49〜53の位置は、現像スリーブ48の内部において固定されている。すなわち、磁極部54は、回転しない。各磁極49〜53は、例えば、磁力を発生する永久磁石で構成されている。
本実施形態では、磁極49〜53の現像スリーブ48側の磁極は、磁極49、51、53がS極であり、磁極50、52がN極である(図4参照)。磁極49〜53による現像スリーブ48の法線方向における磁束密度の分布を図4に示す。
図4の二点鎖線で示されている曲線W1は現像スリーブ48の表面における法線方向の磁束密度の大きさを示す。すなわち、図4において、現像スリーブ48の表面における法線方向の磁束密度の大きさが曲線W1の起伏によって示されている。図4に示されるように、磁束密度は、磁極49〜53各々の現像スリーブ48側の磁極に近接する現像スリーブ48の表面上の位置で最大となり、その位置から前記スリーブ460の周方向に離れるに従って小さくなる。
汲上規制極49は、第2貯留室35Bに設けられる撹拌部材33との対向位置及び規制ブレード34の後述する先端部34Aとの対向位置にピーク磁力を生じさせる磁極である。汲上規制極49によって前記二成分現像剤が現像スリーブ48の表面上に磁力によって引き寄せられて吸着される。これにより、前記二成分現像剤が現像スリーブ48の表面に担持される。また、汲上規制極49は、規制ブレード34を磁化させる。これにより、規制ブレード34の先端部34Aと汲上規制極49との間の隙間には、磁界が形成される。汲上規制極49は、現像スリーブ48の表面に付着した前記二成分現像剤が隙間を通過するときに、前記二成分現像剤が前記磁界により隙間で磁気的に拘束されつつ、前記二成分現像剤の層厚が規制ブレード34の先端部34Aによって規制される。これにより、現像スリーブ48の表面には均一な層厚を有する現像剤層が形成される。そして、この状態で現像スリーブ48が回転されることによって、二成分現像剤が下流側へ運ばれる。図2における位置P1は、第2貯留室35Bに収容された二成分現像剤が現像スリーブ48に転移する転移位置を示しており、本発明における受取位置の一例である。
搬送極50は、汲上規制極49より回転方向X1の下流側で汲上規制極49と隣り合う位置に設けられている。搬送極50は、現像スリーブ48に前記二成分現像剤を担持させて周方向へ運ぶ。
主極51は、感光ドラム19に対面する位置に設けられており、感光ドラム19と対面する位置にピーク磁力を生じさせる磁極である。主極51は、位置P2で前記トナーが感光ドラム19に転移した後に現像ローラー32に残留する前記トナーを現像スリーブ48に引き付けておく。
現像ローラー32各々には電圧が印加されている。これによって、現像ローラー32と感光ドラム19に形成されている前記静電潜像との間には電位差が生じる。この電位差により、現像ローラー32に担持される前記二成分現像剤のうちのトナーが感光ドラム19に転移する。図2における位置P2は、現像ローラー32に担持される前記トナーが感光ドラム19に転移する転移位置を示している。この位置P2は、感光ドラム19が現像ローラー32から前記トナーを受け取る位置といえる。位置P2は、本発明における供給位置の一例である。
このように、現像ローラー32の現像スリーブ48は、筐体30内における貯留部35よりも上側の位置で、回転可能に支持されている。そして、現像スリーブ48は、回転方向X1へ回転することにより、位置P1において表面でトナーを担持し、前記トナーを現像ローラー32に渡す位置P2に前記トナーを搬送する。
搬送極52は、主極51より回転方向X1の下流側で主極51と隣り合う位置に設けられている。搬送極50は、主極51により現像ローラー32に引き付けられた前記トナーを現像スリーブ48に担持させて周方向へ運ぶ。
剥離極53は、現像ローラー32の回転方向において位置P2から位置P1に至るまでの間の位置であって前記外周面のうち最上位置H1よりも前記回転方向において下流側の位置且つ現像ローラー32の回転中心よりも上側の位置で、現像ローラー32に担持される二成分現像剤を現像ローラー32から剥離させる磁極である。剥離極53は、現像スリーブ48において実質的に磁束密度が零の剥離領域R1を形成する磁極である。この剥離領域R1に二成分現像剤が運ばれると、現像スリーブ48がトナーを磁力吸着する力が失われて、二成分現像剤が剥離領域R1から剥離される。このように、剥離極53は、現像スリーブ48から剥離させる剥離作用を前記二成分現像剤に及ぼす。剥離された二成分現像剤は、その下方に位置する第2貯留室35Bに落下する。
第2貯留室35Bに落下した二成分現像剤は、撹拌部材33によって撹拌、搬送された後、再び適正なトナー濃度で均一に帯電されたトナーとして汲上規制極49により再び現像スリーブ48上に汲み上げられる。
現像ローラー32は、感光ドラム19に形成された静電潜像を現像する場合、汲上規制極49の磁力により位置P1で第2貯留室35Bから前記二成分現像剤を受け取り、回転方向X1への現像スリーブ48の回転によって前記二成分現像剤を搬送する。前記二成分現像剤が位置P2まで搬送されると、現像ローラー32と感光ドラム19との間の電位差によって、前記二成分現像剤に含まれるトナーが感光ドラム19に転移する。このとき、現像スリーブ48の表面には、転移前よりキャリアの割合が多い二成分現像剤90が残留する。
現像ローラー32は、回転方向X1への現像スリーブ48の更なる回転によって、現像スリーブ48の表面に残留する残留トナーを含む二成分現像剤を下流側へ搬送する。そして、現像ローラー32は、前記二成分現像剤を剥離領域R1まで搬送すると、前記二成分現像剤を現像ローラー32から剥離させていく。これにより、剥離した二成分現像剤は、下方の第2貯留室35Bに落下する。
規制ブレード34は、現像ローラー32の表面が担持する前記二成分現像剤の層厚を規制する板状の部材である。規制ブレード34は、図2の位置P4において、規制ブレード34が前記二成分現像剤の層厚を規制する。位置P4は、現像ローラー32の外周のうち位置P2よりも回転方向X1における上流側の位置である。また、位置P4は、位置P1よりも回転方向X1における下流側の位置である。
規制ブレード34は、現像ローラー32の軸方向に沿って長尺な板状の部材である。規制ブレード34は、現像ローラー32の外周がなす円のうち位置P4に対向する位置における法線に沿った姿勢で配置されている。すなわち、規制ブレード34の先端部34Aは、位置P4において現像ローラー32の現像スリーブ48の表面に対し隙間を隔てて対向し、規制ブレード34は、先端部34Aから前記円の径方向外方に延びる。
現像ローラー32は、感光ドラム19に形成された静電潜像を現像する場合、感光ドラム19の回転方向X2と反対の回転方向X1へ回転する。これにより、感光ドラム19及び現像ローラー32の表面における相互に対向する部分はそれぞれ同方向へ移動する。
このように、前記トナーは前記静電潜像を現像する場合に消費される。そのため、前記トナーは、トナー補給部8から貯留部35に補給され、前記消費分が補われる。
ところで、本実施形態では、図5に示されるように、カバー部422の一部が、前記最接近位置で現像ローラー32の外周面に対向する対向壁部422Aとなるように延在している。また、カバー部422の一部が、接線Z1に対して大きな傾きで傾斜している。
一方、剥離極53で剥離した前記二成分現像剤は,前記二成分現像剤に働いている遠心力の作用により飛翔する。その飛翔方向は、現像ローラー32の外周面のうち剥離極53に最も接近する最接近位置からこの最接近位置を通る前記外周面の接線Z1の方向(図5参照)である。接線Z1は、対向壁部422Aと鋭角で交差する。すなわち、剥離した前記二成分現像剤は、斜め下向きに飛翔する。そして、飛翔した前記二成分現像剤は、前記二成分現像剤に作用する重力により下方の第2貯留室35Bへ向けて落下していく。前記最接近位置は、本発明の最大磁力位置に相当する。そのため、剥離極53から剥離した前記二成分現像剤の少なくとも一部が対向壁部422Aに衝突する。そして、前記二成分現像剤は対向壁部422Aに衝突した後、慣性によって対向壁部422Aを伝いながら第2貯留室35B側へ落下していく。対向壁部422Aは、本発明の対向壁の一例である。
ここで、前記二成分現像剤は対向壁部422Aを伝うときに対向壁部422Aと摺擦しながら下方へ向かう。前記二成分現像剤が対向壁部422Aに摺擦すると、前記二成分現像剤と対向壁部422Aとの摩擦によって前記二成分現像剤が劣化する。例えば、前記二成分現像剤に外添剤が添加されている場合、前記二成分現像剤に含まれるトナー粒子に付着した外添剤がトナー粒子から脱落して前記二成分現像剤が劣化する。これに対し、本実施形態では、以下のように、現像ローラー32から剥離された二成分現像剤が対向壁部422Aと摺擦することを防止することができる。
本実施形態においては、図5に示されるように、対向壁部422Aのうち現像ローラー32の外周面から飛翔する前記二成分現像剤が衝突する衝突領域E1の弾性率が前記第2領域の弾性率よりも小さい。具体的に、衝突領域E1には、エネルギー吸収部材500が設けられている。エネルギー吸収部材500は、例えば弾性を有する弾性シートである。つまり、衝突領域E1には、前記弾性シートが貼付されている。前記弾性シートの材料としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、アクリル、ナイロン、ポリカーボネイト等の樹脂、ポリウレタン、シリコン、NBR及びSBR等のゴム等が挙げられる。衝突領域E1は、本発明の第1領域の一例である。
なお、エネルギー吸収部材500は、低反発弾性フォームでもよい。前記低反発弾性フォームは、ポリオールとポリイソシアネ―トを主成分として、発泡剤、整泡剤、触媒等を撹拌混合して発泡したものであり、例えば変性ポリウレタン樹脂である。エネルギー吸収部材500は、繊維状のブラシ部材でもよい。
このように、衝突領域E1の弾性率を第2領域と比べて低くすることで、前記二成分現像剤が対向壁部422Aに衝突した時の前記二成分現像剤の運動エネルギーが、エネルギー吸収部材500の弾性変形によって吸収される。換言すると、現像ローラー32の外周面から飛翔する前記二成分現像剤に作用している慣性力が吸収される。よって、前記二成分現像剤の運動速度が低下し、前記二成分現像剤が対向壁部422Aを伝うのを防止することができる。その結果、前記二成分現像剤が対向壁部422Aと摺擦することを防止することができる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、衝突領域E1の構成が第1の実施形態と異なるのみで、それ以外の点については、第1の実施形態と同様であるため、第1の実施形態との相違点についてのみ説明する。
図6に示されるように、本実施形態では、衝突領域E1の表面粗さが、衝突領域E1以外の領域(以下、第2領域という)の表面粗さに比べて粗くなっている。前記表面粗さは、周知の算術平均粗さRaである。以下、算術平均粗さRaを単に表面粗さRaという。本実施形態では、衝突領域E1は、前記第2領域の20倍の表面粗さRaを有する。具体的に、前記第2領域の表面粗さRaが1μmであるのに対し、衝突領域E1の表面粗さRaは、その20倍の20μmである。
衝突領域E1は、接線Z1と対向壁部422Aとの交点T1を基準として、対向壁部422Aが傾斜する方向に所定幅を有するように定められた領域である。すなわち、衝突領域E1は、現像ローラー32の外周面から飛翔する前記二成分現像剤の大部分が衝突する領域である。本実施形態では、所定幅は、10mmである。
前記二成分現像剤と対向壁部422Aとの間に作用する付着力には、静電気力に加えて、ファンデルワールス力などの非静電的な力が含まれていることが知られている。ここで、衝突領域E1の表面粗さRaを、前記第2領域の表面粗さRa、すなわち従来の表面粗さRaに比べて粗くする表面処理を施すことで、従来よりも前述の非静電的な力、すなわち付着力が小さくすることが可能となる。これにより、前記二成分現像剤が対向壁部422Aに付着して、慣性力により対向壁部422Aを伝って前記二成分現像剤が対向壁部422Aと摺擦することを防止することができる。
なお、画像形成装置1Aに搭載される現像装置は、これに限られるものではない。すなわち、画像形成装置1Aに搭載される現像装置は、磁気ローラーを具備し、磁気ローラーが、貯留部35に収容されている二成分現像剤を受け取り、前記トナーを現像ローラー32に供給するタイプの現像装置であってもよい。
30;筐体
35:貯留部
32:現像ローラー(現像剤担持体)
53:剥離極
422A:対向壁部
E1:衝突領域(第1領域)

Claims (5)

  1. 現像剤を貯留する貯留部を有する筐体と、
    前記筐体内において前記貯留部よりも上側の位置で予め定められた回転方向へ回転可能に設けられ、予め定められた受取位置で受け取って外周面に担持した前記現像剤を、前記受取位置よりも前記回転方向の下流側に予め定められた供給位置へ回転によって搬送する現像剤担持体と、
    前記回転方向において前記供給位置から前記受取位置に至るまでの間の位置であって前記外周面のうち最上位置よりも前記回転方向において下流側の位置且つ前記現像剤担持体の回転中心よりも上側の位置で、前記現像剤担持体に担持される前記現像剤を前記現像剤担持体から剥離させる剥離極と、
    前記現像剤担持体の外周面において前記剥離極によって磁力が最大となる最大磁力位置を通る接線が鋭角で交差するように前記接線より大きな傾きで傾斜し、前記最大磁力位置で前記現像剤担持体の外周面に対向する対向壁と、
    を備え、
    前記対向壁のうち前記剥離極の剥離作用によって前記現像剤担持体の外周面から剥離されて飛翔する前記現像剤が衝突する第1領域の弾性率が、前記第1領域以外の第2領域の弾性率よりも小さい現像装置。
  2. 前記第1領域は、前記接線と前記対向壁との交点を基準として、前記対向壁が傾斜する方向に所定幅を有するように定められた領域である請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記筐体は、樹脂で構成されており、
    前記第1領域は、弾性シート、低反発弾性フォーム、及び繊維状ブラシ部材の何れかで構成されている請求項1又は2に記載の現像装置。
  4. 前記対向壁は、前記筐体の一部を構成する請求項1乃至3の何れか一項に記載の現像装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の現像装置を備える画像形成装置。
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