JP2017044568A - 電池状態測定方法及び電池状態測定装置 - Google Patents

電池状態測定方法及び電池状態測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】二次電池におけるメモリ効果の状態を複素インピーダンス解析を用いて測定することのできる電池状態測定方法、及び電池状態測定装置を提供する。【解決手段】電池状態測定装置は、電池1におけるメモリ効果の状態を測定する。電池状態測定装置は、電池1における拡散抵抗領域に対応する複素インピーダンスを取得するナイキスト線図作成部42と、複素インピーダンスに基づく値とメモリ効果の状態との関係を保持する記憶部20と、取得した複素インピーダンスから該複素インピーダンスに基づく値を算出する特徴値の取得部43と、保持する複素インピーダンスに基づく値とメモリ効果の状態との関係に、算出した複素インピーダンスに基づく値を適用する演算を行ってメモリ効果の状態を測定するメモリ量演算部45とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、二次電池におけるメモリ効果の状態を測定する電池状態測定方法及び電池状態測定装置に関する。
従来、二次電池に対して複素インピーダンス解析を行うことにより、二次電池の状態を評価する技術が提案されている。この方法によれば、二次電池を破壊することなく電池状態を評価できるので、評価した後の二次電池をそのまま利用することも可能である。
複素インピーダンス解析方法により電池の状態を評価する技術の一例として、二次電池における正極及び負極の容量比が所望の値からずれているか否かを判定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、二次電池に対し、周波数を段階的に変化させながら交流電圧を印加することによって複素インピーダンスを測定し、この測定したインピーダンスのナイキストプロットを得る。そして、ナイキストプロットのうち、拡散抵抗領域に対応する部分に含まれる、互いに異なる周波数に対応する2つの点を結ぶ線分の傾きが閾値よりも小さい場合に、二次電池における正極及び負極の容量比が所望の値からずれている旨を判定する。
国際公開WO2013/115038号公報
ところで、二次電池に求められる評価の一つにメモリ効果がある。メモリ効果は、二次電池が長期間に亘って使用されたときには、使用頻度が高かったSOC(State of Charge:充電状態)の近傍における起電力が変化する現象である。このメモリ効果は二次電池の劣化の要因となるため、二次電池の状態を測定、評価する上では、このメモリ効果の量などの状態を測定することが望ましい。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、二次電池におけるメモリ効果の状態を複素インピーダンス解析を用いて測定することのできる電池状態測定方法、及び電池状態測定装置を提供することにある。
上記課題を解決する電池状態測定方法は、二次電池におけるメモリ効果の状態を測定する電池状態測定方法であって、前記二次電池における拡散抵抗領域に対応する複素インピーダンスを取得するインピーダンス取得工程と、予め求められた前記複素インピーダンスに基づく値とメモリ効果の状態との関係に前記取得された複素インピーダンスに基づく値を適用する演算を行ってメモリ効果の状態を求める演算工程と、が実行されることに基づいて前記メモリ効果の状態を測定することを要旨とする。
上記課題を解決する電池状態測定装置は、二次電池におけるメモリ効果の状態を測定する電池状態測定装置であって、前記二次電池における拡散抵抗領域に対応する複素インピーダンスを取得するインピーダンス取得部と、前記複素インピーダンスに基づく値とメモリ効果の状態との関係を保持する保持部と、前記取得した複素インピーダンスから該複素インピーダンスに基づく値を算出する算出部と、前記保持する複素インピーダンスに基づく値とメモリ効果の状態との関係に前記算出した複素インピーダンスに基づく値を適用する演算を行って前記メモリ効果の状態を測定する測定部とを備えることを要旨とする。
このような方法又は構成によれば、拡散抵抗領域に対応する複素インピーダンスを取得し、複素インピーダンスに基づく値とメモリ効果の状態とに適用して演算することに基づいてメモリ効果の状態が演算される。これにより、二次電池におけるメモリ効果の状態が複素インピーダンス解析を用いて測定されるようになる。
好ましい方法として、前記複素インピーダンスに基づく値とメモリ効果の状態との関係を前記複素インピーダンスの虚数値とメモリ効果の量との関係とし、前記演算工程では、前記取得した複素インピーダンスの虚数値を予め設定された前記複素インピーダンスの虚数値とメモリ効果の量との関係に適用する演算を行って前記メモリ効果の状態を求める。
このような方法によれば、複素インピーダンスの虚数値からメモリ効果の量が測定できるようになる。
好ましい方法として、前記複素インピーダンスに基づく値とメモリ効果の状態との関係を前記複素インピーダンスの傾きとメモリ効果の量との関係とし、前記演算工程では、前記取得した複素インピーダンスの傾きを予め設定された前記複素インピーダンスの傾きとメモリ効果の量との関係に適用する演算を行って前記メモリ効果の状態を求める。
このような方法によれば、複素インピーダンスの傾きからメモリ効果の量が測定できるようになる。
好ましい方法として、前記拡散抵抗領域に対応する複素インピーダンスを、0.01Hz以上、かつ、0.1Hz以下の周波数範囲から取得する。
メモリ効果を生じた二次電池は、0.01Hz以上、かつ、0.1Hz以下の周波数帯における複素インピーダンスの変化が顕著となる。そこで、このような方法によれば、測定対象の二次電池における0.01Hz以上、かつ、0.1Hz以下の複素インピーダンスを取得し、該取得した複素インピーダンスに基づき二次電池におけるメモリ効果の状態を測定するようにした。これにより、メモリ効果の状態をより高精度に測定することができる。
好ましい方法として、前記複素インピーダンスに基づく値とメモリ効果の状態との関係には電池蓄電量の残容量を示すSOCが対応付けられており、前記対応付けられたSOCに近似された二次電池から前記複素インピーダンスを取得する。
複素インピーダンスに基づく値とメモリ効果の状態との関係は電池蓄電量の残容量を示すSOCに応じて相違する。そこで、このような方法によれば、測定された複素インピーダンスが取得されるときの二次電池が、これを適用する複素インピーダンスに基づく値とメモリ効果の状態との関係に対応するSOCに対応付けされる。これにより、メモリ効果の量をより高精度に測定することができる。
好ましい方法として、前記二次電池がニッケル水素蓄電池である。
このような方法によれば、長期間に亘って使用したときにメモリ効果が比較的生じやすい二次電池であるニッケル水素蓄電池についてメモリ効果の有無を測定することにより、ニッケル水素蓄電池を適正に再利用することができるようになる。
この電池状態測定方法及び電池状態測定装置によれば、二次電池におけるメモリ効果の状態を複素インピーダンス解析を用いて測定することができる。
電池状態測定装置を具体化した第1の実施形態について、その概略構成を示すブロック図。 二次電池における充放電量とメモリ量との関係を示すグラフ。 同実施形態において、複素インピーダンスの虚数値からメモリ量を算出する手順を示すフローチャート。 二次電池の複素インピーダンスについて説明するグラフ。 二次電池における複素インピーダンスとメモリ量との関係を示すグラフ。 同実施形態において、複素インピーダンスの虚数値とメモリ量との関係を一次式で示すグラフ。 同実施形態において、複素インピーダンスの虚数値及びメモリ量の関係を示す一次式とSOCとの関係について説明するグラフであって、(a)は一次式の傾きを示すグラフ、(b)は一次式の切片を示すグラフ。 電池状態測定装置を具体化した第2の実施形態について、その概略構成を示すブロック図。 同実施形態において、複素インピーダンスの傾きからメモリ量を算出する手順を示すフローチャート。 同実施形態において、複素インピーダンスの傾きとメモリ量との関係を一次式で示すグラフ。 同実施形態において、複素インピーダンスの傾き及びメモリ量の関係を示す一次式とSOCとの関係について説明するグラフであって、(a)は一次式の傾きを示すグラフ、(b)は一次式の切片を示すグラフ。 電池状態測定装置を具体化したその他の実施形態について、複素インピーダンスの虚数値又は傾きからメモリ量を算出する手順を示すフローチャート。
(第1の実施形態)
電池状態測定方法及び電池状態測定装置を具体化した第1の実施形態について、図1〜図7に従って説明する。
図1に示すように、この電池状態測定方法及び電池状態測定装置は、二次電池などの電池1のメモリ効果の量、具体的にはメモリ効果によって二次電池に生じる電圧の変化量の測定に用いられる。ここで電池1は、例えば、車両に電源として搭載される電池などであり、車両などにおいてはその充電や放電が図示しない電池制御装置によって制御される。なお本実施形態では、電池1はニッケル水素二次電池である。
まず、電池1のSOC(State of Charge:充電状態)、及び、メモリ効果について説明する。
一般に、二次電池は、過放電や過充電が行われると、電池性能が劣化してしまうという問題がある。このため、車両に搭載などされた二次電池は、その時々のSOCが測定される。詳述するとSOCは、電池1に充電可能な電気量である充電容量に対する実際に充電されている電気量である残容量の割合を示す。そこで、このSOCの測定に基づいて二次電池の充放電制御が行われる。ところで、二次電池は、メモリ効果が発生すると、SOCの測定精度が低下し、二次電池に対する充放電制御が適切に行えなくなるおそれがある。そこで、二次電池に生じたメモリ効果をメモリ効果の量として取得し、この取得したメモリ効果の量を考慮してSOCを算出することが行われる。
一般に、メモリ効果は、二次電池へ繰り返し充放電することにより、該二次電池の起電圧が充電中は上昇し、かつ、放電中の電圧が降下して、見かけ上の電池容量が低下する現象である。二次電池にメモリ効果が生じることで、例えば、二次電池の使用できる時間が短くなる。メモリ効果は、正極板の活物質である水酸化ニッケルNi(OH)が結晶構造変化を起こすために生じると考えられている。すなわち、メモリ効果は、負極の状態よりも、正極の状態に高い相関性があるものと考えられている。メモリ効果の量は充電しているときと、放電しているときとで相関性があることから、以下では、二次電池を充電しているときのメモリ効果による電圧の変化量について説明する。つまり、電圧の変化量の正負を反転させることで、充電時と同様に放電時のメモリ効果についても説明できる。
図2に示すように、メモリ効果は、使用開始時の電池1の充電容量に対する電圧である開始時電圧M1と、メモリ効果が生じる程度使用した後の電池1の充電容量に対する電圧である使用後電圧M2との間に電圧の差として現れる。つまり、メモリ効果は、その変化量が開始時電圧M1と使用後電圧M2との間の電圧の差の値として取得でき、これの電圧の差をメモリ効果の量(以下、メモリ量)ΔV[V]とする。図2では、電池1が、例えば、満充電されたときのSOCが「Cx」で示される。メモリ量ΔVは、電池1のSOCに応じた値がそれぞれ得られるが、説明の便宜上、以下では、メモリ量ΔVを、電池1のSOCが「60%」になるように充電されたときの開始時電圧M1と使用後電圧M2との間の電圧の差とする。
図1に示すように、ニッケル水素二次電池からなる電池1には、電池1にインピーダンス測定用の交流電流を供給する電源供給部2と、電池1の電極間の交流電圧を測定する電圧測定器5と、電源供給部2と電池1との間に流れる交流電流を測定する電流測定器6とが接続されている。また、図1に示すように、電池1のメモリ量を測定する測定装置10が電源供給部2と、電圧測定器5と、電流測定器6とに接続されている。本実施形態では、電池状態測定装置は、測定装置10を含み構成される。
電源供給部2は、測定装置10からの指示に応じて所定の周波数の交流電流を生成し、この生成した交流電流を電池1の電極間に供給する。交流電流は、例えば、正弦波波形の電流である。また、電源供給部2は、交流電流の周波数を変化させることが可能である。電源供給部2は、電流の大きさと周波数範囲とが設定されると、この設定された大きさ振幅の交流電流を、同設定された周波数の範囲内で周波数を順次変化させて出力させることができる。設定される周波数の範囲としては、例えば、高周波数側を「100kHz」、低周波数側を「1mHz」とすることが挙げられるが、これに限られるものではなく、高周波数の値や低周波数の値はこれよりも高くなったり低くなったりしてもよい。本実施形態では、例えば、高周波数側を「1kHz」とし、低周波数側を「0.01Hz」とする。
電源供給部2は、出力している交流電流の設定電流及び設定周波数に関する各信号を測定装置10に出力する。また、電源供給部2は、測定装置10から入力される出力の開始及び停止の信号に応じて交流電流を出力及び停止させる。
電圧測定器5は、測定した電池1の電極間の交流電圧に対応する電圧信号を測定装置10に出力する。
電流測定器6は、電源供給部2と電池1との間で測定した電流に対応する電流信号を測定装置10に出力する。
測定装置10は、電池1のメモリ量ΔVを測定する。測定装置10は、算出したメモリ量ΔVを電池SOCの算出に利用させたり、外部に出力させたりすることができる。測定装置10は、電圧測定器5から入力される電圧信号から電圧を取得し、電流測定器6から入力される電流信号から電流を取得する。測定装置10は、電源供給部2から入力される信号から交流電流の設定電流及び設定周波数を取得してもよい。
また、測定装置10は、測定対象である電池1の周波数特性を測定するFRA(Frequency Response Analyzer:周波数特性分析器)部30を備える。測定装置10は、メモリ量ΔVを算出する処理を行う処理部40と、メモリ量ΔVの算出に用いられるデータを保持する保持部としての記憶部20とを備える。
FRA部30は、正弦波信号を被測定物に与えて、その周波数応答を求める。FRA部30は、周波数特性の測定に必要な正弦波信号を出力するように電源供給部2に指示信号を出力し、当該指示信号に対応する交流電流を電源供給部2から出力させる。また、FRA部30は、電圧測定器5から電圧信号を入力して電池1の電極間の交流電圧を算出し、電流測定器6から電流信号を入力して電池1との間に流れる交流電流を算出する。よって、FRA部30は、電圧測定器5から電流が供給される電池1について、その端子間電圧と入出力される電流とを取得する。そして、FRA部30は、電池1に供給した正弦波の大きさと周波数、及び、電池1の端子間電圧と入出力電流などの情報に基づいて、電池1の周波数特性を分析したり、取得したりする。例えば、FRA部30は、供給する交流電流の周波数毎に応答ゲインと位相を算出する。こうして電池1の周波数特性が得られ、例えば、周波数特性を示す周波数、ゲイン、及び、位相の情報からボード線図やナイキスト線図などの作図が可能になる。
本実施形態では、FRA部30は、取得した電圧及び電流に基づいて電池1の複素インピーダンスZを測定する。複素インピーダンスZの単位は[Ω](オーム)であり、ベクトル成分である実数成分Zr[Ω]及び虚数成分Zi[Ω]によって下記式(1)のように表される。なお、「j」は虚数単位である。以下、単位[Ω]は省略する。
そして、FRA部30は、算出した複素インピーダンスZなどの周波数特性を示す情報を処理部40へ出力する。
処理部40は、コンピュータを含み構成されており、演算装置、揮発性メモリ、不揮発性メモリなどを備える。また処理部40は、FRA部30及び記憶部20のそれぞれとの間でのデータの授受がそれぞれ可能になっている。
記憶部20は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶装置であり、各種データを保持する。すなわち記憶部20には、メモリ量ΔVの演算に必要とされるパラメータなどが記憶されている。
記憶部20には、複素インピーダンスに基づく値とメモリ効果の状態との関係を示す相関データとして、複素インピーダンスの拡散抵抗領域における虚数値とメモリ量ΔVとの関係を示す虚数値−メモリ量相関データ21が設定、保持されている。虚数値−メモリ量相関データ21は、複素インピーダンスの虚数値を適用することによりメモリ量ΔVを算出することができるデータ、ここでは関数式である。また、虚数値とメモリ量との相関は、電池1のSOCに応じて相違するため、虚数値−メモリ量相関データ21は、電池1のSOCの別に相関データを有している。
処理部40は、電池1のSOCを入力するSOC入力部41と、複素インピーダンスを取得してナイキスト線図を作成するインピーダンス取得部としてのナイキスト線図作成部42とを備える。また、処理部40は、複素インピーダンスから特徴値(虚数値)を取得する算出部としての特徴値の取得部43とを備える。さらに、処理部40は、記憶部20に設定、保持された複素インピーダンスに基づく値とメモリ効果の状態との関係に、処理部40で取得した複素インピーダンスに基づく値を適用する演算を行ってメモリ量を求める測定部としてのメモリ量演算部45とを備える。
SOC入力部41は、電池1の充放電を制御する制御装置などにより測定されたSOCを入力する。なお、測定装置10は、取得した電池1の電圧や電流、もしくは周波数特性の情報などから電池1のSOCを算出してもよい。
ナイキスト線図作成部42は、FRA部30から複素インピーダンスZなどの周波数特性に関する情報を取得する(インピーダンス取得工程)。ナイキスト線図作成部42は、複数の周波数において測定された複素インピーダンスZに含まれるベクトル成分である実数成分Zrの値と虚数成分Ziの値とに基づいて、ナイキスト線図を作成する。よって、ナイキスト線図として複素平面にインピーダンス曲線L1(図4参照)が作成される。
特徴値の取得部43は、ナイキスト線図作成部42で作成したインピーダンス曲線L1から虚数成分Ziの値を虚数値として取得する。なお、測定された複素インピーダンスZに含まれるベクトル成分から虚数成分Ziの値を虚数値として取得してもよい。
メモリ量演算部45は、特徴値の取得部43で算出した虚数値と、SOC入力部41で入力したSOCと、虚数値−メモリ量相関データ21とを参照して、取得された複素インピーダンスZに対応するメモリ量ΔVを算出する(演算工程)。
次に、図3を参照して、測定装置10において、電池状態測定方法及び電池状態測定装置のメモリ量ΔVを測定する手順について説明する。電池状態測定は、メモリ量ΔVの算出が必要になるに応じて開始される。
電池状態の測定が開始されると、測定装置10は、処理部40のSOC入力部41でSOCを取得し(ステップS10)、FRA部30にて拡散領域の周波数でインピーダンスを測定する(ステップS11)。SOCは、外部から取得してもよいし、測定装置10にて算出してもよい。インピーダンスは、FRA部30にて測定されたインピーダンスが処理部40に入力される。測定装置10は、処理部40の特徴値の取得部43でインピーダンスZから虚数値を抽出する(ステップS20)。測定装置10は、処理部40のメモリ量演算部45で、記憶部20に保持される虚数値とメモリ量との関係式を参照し(ステップS21)、この参照した関係式に抽出した虚数値を適用してメモリ量ΔVを算出する(ステップS22)。虚数値とメモリ量との関係式はSOC毎に関係式が設定されていることから、測定装置10は、取得したSOCに基づいて、当該SOCに対応する関係式を参照する。これにより、インピーダンスの虚数値からメモリ量ΔVが算出、すなわちメモリ量ΔVが測定される。そして、メモリ量ΔVの測定が終了される。
続いて、インピーダンスの虚数値からメモリ量ΔVを算出することができることについて説明する。
まず、図4及び図5を参照して、ナイキスト線図に描かれるインピーダンス曲線と正極との関係、及び、インピーダンス曲線とメモリ量との関係について順に説明する。
図4は、複素平面に電池1のインピーダンス曲線L1と、正極のインピーダンス曲線L2と、負極のインピーダンス曲線L3とを示している。ここで、正極のインピーダンス曲線L2と負極のインピーダンス曲線L3とは、電池1に参照電極を設けることで測定される値であって、作成されなくてもよい。
インピーダンス曲線L1は、複素インピーダンスZの実数成分Zr及び虚数成分Ziの大きさを複素平面にプロットしたものを模式化して示している。横軸は実数成分Zr、縦軸は虚数成分Ziである。このインピーダンス曲線L1は、電源供給部2から電池1に供給される交流電流の周波数fを変化させて測定されている。複素インピーダンスが測定された周波数fは、例えば点f1では「0.01Hz」、点f2では「0.1Hz」、点f3では「1.0Hz」、点f4では「10Hz」、点f5では「100Hz」、点f6では「1kHz」である。なお、負極のインピーダンス曲線L3に含まれる、点f0は周波数「1mHz」である。ところで、インピーダンス曲線L1は、SOCの値によって変化する。また、ニッケル水素二次電池やリチウムイオン二次電池といった電池種別によっても変化する。さらに、同じ電池種別でもセル数や容量等が異なる場合には変化する。本実施形態では、メモリ量ΔVを測定するとき、電池種別はニッケル水素二次電池であって、電池1のSOCの値、セル数や容量等の条件なども同様であるものとする。
電池1のインピーダンス曲線L1は、4つの領域に区分することができる。4つの領域は、高周波数側から回路抵抗に対応する領域a、溶液抵抗に対応する領域b、反応抵抗に対応する領域c、及び略直線状の拡散抵抗に対応する領域(拡散抵抗領域)dからなる。回路抵抗は、活物質や集電体内の接触抵抗などからなる配線等のインピーダンス等である。溶液抵抗は、セパレータ内の電解液内のイオンが移動する際の抵抗等の電子の移動抵抗である。反応抵抗は、電極反応における電荷移動の抵抗等である。拡散抵抗は、物質拡散が関与したインピーダンスである。なお、各抵抗は相互に影響を及ぼし合うため、各領域a,b,c,dを各抵抗のみの影響を受ける部分のみに区分することは困難であるが、少なくともインピーダンス曲線L1の各領域a,b,c,dは、それぞれが最も大きな影響を受ける抵抗によってその曲線の挙動が対応付けられる。
ところで、電池1のインピーダンス曲線L1は、正極のインピーダンス曲線L2と負極のインピーダンス曲線L3との合成により得られる。つまり、拡散抵抗に対応する領域dに含まれる点f1〜f2の周波数範囲「0.01Hz」以上、かつ、「0.1Hz」以下において、正極のインピーダンス曲線L2の変化は大きい一方、負極のインピーダンス曲線L3の変化は小さい。このことから、インピーダンス曲線L1の拡散抵抗に対応する領域dは、正極のインピーダンス曲線L2の影響が大きい領域であると言える。つまり、拡散抵抗に対応する領域dには、正極の状態が反映されている。一方、反応抵抗に対応する領域cに含まれる点f2〜f5の周波数範囲において、負極のインピーダンス曲線L3の変化は大きい一方、正極のインピーダンス曲線L2の変化は小さい。このことから、電池1のインピーダンス曲線L1の反応抵抗に対応する領域cは、負極のインピーダンス曲線L3の影響が大きい領域であると言える。つまり、反応抵抗に対応する領域cには、負極の状態が反映されている。
このことから、発明者らは、正極の状態を要因とするメモリ量ΔVは、電池1のインピーダンス曲線L1の拡散抵抗に対応する領域dにおける複素インピーダンスに相関性があることを見出した。すなわち、メモリ量ΔVと電池1のインピーダンス曲線L1の拡散抵抗に対応する領域dにおける複素インピーダンスZとの間に相関性があることを見出した。なお、メモリ効果は、正極のインピーダンス曲線L2にも相関性を有することにもなるが、前述のように、正極のインピーダンス曲線L2を測定するためには電池1を解体して電槽内に参照電極を設置する必要があるため、メモリ量ΔVを測定された電池1の再利用が難しいなどの課題があった。一方、本実施形態に説明するように、電池1のインピーダンス曲線L1は電池1を解体せずに作成できることから、電池1のインピーダンス曲線L1を利用してメモリ量ΔVを算出することで、メモリ量ΔVの算出後にも電池1の使用が可能であるなど、電池1の利用可能性を維持しつつメモリ効果の状態が取得できるようになる。
また、図5には、初期の電池1における開始時電圧M1の複素インピーダンスに基づくインピーダンス曲線L11と、メモリ効果発生時の電池1における使用後電圧M2の複素インピーダンスに基づくインピーダンス曲線L12とが示されている。開始時電圧M1の複素インピーダンス、及び、使用後電圧M2の複素インピーダンスはそれぞれ、例えば、電池SOCが「60%」において測定されている。各インピーダンス曲線L11,L12は、点f1の周波数「0.01Hz」から点f2の周波数「0.1Hz」までの直線状の部分が「拡散抵抗に対応する領域d」に含まれており、正極のインピーダンス曲線L2の影響を大きく受けている。よって、さらに発明者は、各インピーダンス曲線L11,L12の直線状の部分に、電池1の使用状態とメモリ量ΔVとの相関が現れることを見出した。
詳述すると、使用後電圧M2に対応するインピーダンス曲線L12の虚数値と、開始時電圧M1に対応するインピーダンス曲線L11の虚数値との間の差は、点f1の周波数「0.01Hz」のときの虚数値の差に比べて点f2の周波数「0.1Hz」のときの虚数値の差の方が小さい。よって、点f1の周波数「0.01Hz」において、開始時電圧M1に対応するインピーダンス曲線L11の虚数値に比較して使用後電圧M2に対応するインピーダンス曲線L12の虚数値の方が小さい値(絶対値は大きい値)になる。
このように、電池1は、使用されるほど、使用後電圧M2に対応するインピーダンス曲線L12の虚数値が、開始時電圧M1に対応するインピーダンス曲線L11の虚数値に比べて小さくなることが分かった。また、図2に示すように、電池1は、使用されるほど、使用後電圧M2が開始時電圧M1に比べて上昇し、メモリ量ΔVが大きくなる。そして、メモリ量ΔVが、各インピーダンス曲線L11,L12の虚数値の小ささに応じて大きくなる相関関係があることが明らかになった。
すなわち、図6に示すように、虚数値とメモリ量ΔVとの関係として、虚数値が小さくなるとメモリ量ΔVが大きくなる、グラフLv1のような一次関数の関係が得られた。よって、メモリ量ΔVは、グラフLv1の傾きを傾きa1とし、グラフLv1の切片を切片b1とすると、下記式(2)のように表される。
このとき、メモリ量ΔVは、SOCの大きさに関係する。
すなわち、図7(a)に示すように、SOCと式(2)の傾きa1との関係は、グラフLA1に示されるように、SOCが大きくなると傾きa1も大きくなる関係にあることが明らかになった。また、図7(b)に示すように、SOCと式(2)の切片b1との関係は、グラフLB1に示されるように、SOCが大きくなると切片b2も大きくなる関係にあることが明らかになった。
つまり、本実施形態では、虚数値−メモリ量相関データ21には、上述した式(2)が保持されているとともに、SOCに応じて式(2)に適用される傾きa1と切片b1とが保持されている。なお、虚数値−メモリ量相関データ21は、メモリ量ΔVを算出可能なデータが保持されるのであれば、そのデータが、関数として保持されていても、マップデータや表などの形式で保持されていてもよい。
以上説明したように、本実施形態の電池状態測定方法、及び、電池状態測定装置によれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)拡散抵抗領域dに対応する複素インピーダンスを取得し、複素インピーダンスに基づく値とメモリ効果の状態とに適用して演算することに基づいてメモリ効果の状態(メモリ量ΔV)が演算される。これにより、二次電池である電池1におけるメモリ効果の状態が複素インピーダンス解析を用いて測定されるようになる。
(2)複素インピーダンスに基づく値とメモリ効果の状態との関係を複素インピーダンスの虚数値とメモリ効果の量とすることで複素インピーダンスの虚数値からメモリ効果の量(メモリ量ΔV)が測定できるようになる。
(3)メモリ効果を生じた電池1は、0.01Hz以上、かつ、0.1Hz以下の周波数帯における複素インピーダンスの変化が顕著となる。そこで、測定対象の電池1における0.01Hz以上、かつ、0.1Hz以下の複素インピーダンスを取得し、該取得した複素インピーダンスに基づき電池1におけるメモリ効果の状態を測定するようにした。これにより、メモリ効果の状態をより高精度に測定することができる。
(4)複素インピーダンスに基づく値とメモリ効果の状態との関係は電池蓄電量の残容量を示すSOCに応じて相違する。そこで、測定された複素インピーダンスが取得されるときの電池1を、これを適用する複素インピーダンスに基づく値とメモリ効果の状態との関係に対応するSOCに対応付けた。これにより、メモリ効果の量をより高精度に測定することができる。
(5)電池1をニッケル水素蓄電池としたことで、長期間に亘って使用したときにメモリ効果が比較的生じやすい電池1であるニッケル水素蓄電池についてメモリ効果の有無を測定することにより、ニッケル水素蓄電池を適正に再利用することができる。
(第2の実施形態)
図8〜図11に従って、電池状態測定方法、及び、電池状態測定装置を具体化した第2の実施形態について説明する。本実施形態では、複素インピーダンスの傾きに基づいてメモリ量を算出する点が、第1の実施形態と相違する。そこで、以下では、主に第1の実施形態と相違する構成について詳細に説明することとし、説明の便宜上、同様の構成については同じ符号を付して詳細な説明を割愛する。
図8に示すように、本実施形態では、記憶部20には、複素インピーダンスに基づく値とメモリ効果の状態との関係を示す相関データとして、複素インピーダンスの傾きとメモリ量との関係を示す傾き−メモリ量相関データ22が設定、保持されている。つまり、第1の実施形態の虚数値−メモリ量相関データ21に替えて、傾き−メモリ量相関データ22が保持されている。
処理部40は、第1の実施形態の特徴値の取得部43に替えて、複素インピーダンスから複素インピーダンスの傾きを算出する算出部としての傾き算出部44を備える。
傾き算出部44は、ナイキスト線図作成部42で作成したインピーダンス曲線L1の傾き取得する。例えば、拡散抵抗に対応する領域dに含まれる2つの相違する測定周波数における各インピーダンスの測定に基づいて、これら測定された2つのインピーダンスを結ぶ線分の実数軸に対する傾きを算出する。なお、FRA部30からは、測定周波数の異なる複数のインピーダンスを取得することができる。
メモリ量演算部45は、傾き算出部44で算出したインピーダンスの傾きと、SOC入力部41で入力したSOCと、傾き−メモリ量相関データ22とを参照して、取得された複素インピーダンスZに対応するメモリ量ΔVを算出する。
次に、図9を参照して、測定装置10において、電池状態測定方法及び電池状態測定装置のメモリ量を測定する手順について説明する。電池状態測定は、メモリ量ΔVの算出が必要になるに応じて開始される。
電池状態の測定が開始されると、測定装置10は、SOCを取得し(ステップS10)、拡散領域の周波数でインピーダンスを測定する(ステップS11)。測定装置10は、処理部40の傾き算出部44で複数のインピーダンスZからインピーダンス曲線L1の直線部の傾きを算出する(ステップS30)。測定装置10は、処理部40のメモリ量演算部45で、記憶部20に保持される傾きとメモリ量との関係式を参照し(ステップS31)、この参照した関係式にインピーダンス曲線L1の傾きを適用してメモリ量ΔVを算出する(ステップS32)。傾きとメモリ量との関係式はSOC毎に関係式が設定されていることから、測定装置10は、取得したSOCに基づいて、当該SOCに対応する関係式を参照する。これにより、インピーダンスの傾きからメモリ量ΔVが算出、すなわちメモリ量ΔVが測定される。そして、メモリ量の測定が終了される。
続いて、インピーダンスの傾きからメモリ量ΔVを算出することができることについて説明する。
ここで、傾き−メモリ量相関データ22の内容について説明する。
第1の実施形態の図5には、初期の電池1におけるインピーダンス曲線L11と、メモリ効果発生時の電池1におけるインピーダンス曲線L12とが示されている。第1の実施形態では、拡散抵抗領域dにおける複素インピーダンスの虚数値とメモリ量ΔVとの間には相関があり、その相関が図6のように示されることを説明した。加えて、本実施形態では、本発明者らは、拡散抵抗領域dにおける上述した複素インピーダンスの虚数値は、拡散抵抗領域dで周波数が相違する2点の複素インピーダンスの値を結んだ線の傾きにも相関があり、その相関が図5に示す拡散抵抗領域dにおける線の角度として示されることが多いことも見出した。よって、このような場合、複素インピーダンスの虚数値の代わりに、2つの複素インピーダンスの値を結んだ線の傾きをメモリ量の算出に用いることができる。
具体的には、電池1は使用されるほど、上述した傾きが負に大きくなる。つまり、使用後電圧M2に対応するインピーダンス曲線L12の傾き(−θ2°)が、開始時電圧M1に対応するインピーダンス曲線L11の傾き(−θ1°)に比べて小さくなる(負に大きくなる)。
すなわち、図10に示すように、インピーダンスの傾きとメモリ量ΔVとの関係として、傾き[deg](°)が小さくなるとメモリ量ΔVが大きくなる、グラフLv2のような一次関数となる関係が得られた。よって、メモリ量ΔVは、グラフLv2の傾きを傾きa2とし、グラフLv2の切片を切片b2とすると、下記式(3)のように表される。
このとき、メモリ量ΔVは、SOCの大きさに関係する。
すなわち、図11(a)に示すように、SOCと式(3)の傾きa2との関係は、グラフLA2に示されるように、SOCが大きくなると傾きa2も大きくなる関係にあることが明らかになった。また、図11(b)に示すように、SOCと式(3)の切片b2との関係は、グラフLB2に示されるように、SOCが大きくなると切片b2も大きくなる関係にあることが明らかになった。
つまり、本実施形態では、傾き−メモリ量相関データ22には、上述した式(3)が保持されているとともに、SOCに応じて式(3)に適用される傾きa2と切片b2とが保持されている。なお、傾き−メモリ量相関データ22は、メモリ量ΔVを算出可能なデータが保持されるのであれば、そのデータが、関数として保持されていても、マップデータや表などの形式で保持されていてもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る電池状態測定方法及び電池状態測定装置は、上記第1の実施形態にて記載した(1)〜(5)の効果に加えて、以下に記す効果を有する。
(6)複素インピーダンスに基づく値とメモリ効果の状態との関係を複素インピーダンスの傾きとメモリ効果の量との関係とすることで、複素インピーダンスの傾きからメモリ効果の量が測定できるようになる。
(その他の実施形態)
なお上記各実施形態は、以下の態様で実施することもできる。
・上記第1の実施形態では、0.01Hzの虚数値とメモリ量ΔVの関係を利用してメモリ効果の状態を測定したが(図6参照)、それ以外の周波数(例えば、0.1Hz)の虚数値を利用してもよい。0.01Hzのように低い周波数であれば、メモリ効果発生の前後で虚数値の差が大きく得られるため、精度の面で好ましい。一方、0.1Hzのように高い周波数であれば、測定時間が短くできるため、実用性の面で好ましい。
・上記第1の実施形態では、測定装置10はメモリ量ΔVをインピーダンスの虚数値から算出し、上記第2の実施形態では、測定装置10はメモリ量ΔVをインピーダンスの傾きから算出する場合について例示した。しかしこれに限らず、メモリ量ΔVを測定することができるのであれば、測定装置は、メモリ量ΔVをインピーダンスの虚数値から算出する構成と、インピーダンスの傾きから算出する構成とを備えていてもよい。このとき、例えば、記憶部20には、虚数値−メモリ量相関データ21と、傾き−メモリ量相関データ22とを備え、処理部40には、算出部を構成する特徴値の取得部43と、算出部を構成する傾き算出部44とを備えればよい。そして、メモリ量演算部45は、特徴値の取得部43が算出した虚数値、又は、傾き算出部44が算出した傾きのいずれかに対応するデータを記憶部20のデータのうちから参照しメモリ量ΔVを算出すればよい。
図12を参照して、測定装置10において、電池状態測定方法及び電池状態測定装置のメモリ量を測定する手順について説明する。電池状態の測定が開始されると、測定装置10は、SOCを取得し(ステップS10)、拡散領域の周波数でインピーダンスを測定する(ステップS11)。そして、条件に応じて、特徴値の取得部43にて虚数値を算出するか、傾き算出部44にて傾きを算出するか判定する。本実施形態では、測定装置10は、測定周波数の異なるインピーダンスの取得点数が2つ未満であるか否かを判定する(ステップS12)。例えば、メモリ量ΔVを短時間で測定したいときには虚数値からメモリ量ΔVを算出できるようになり、複数の周波数に対する複素インピーダンスを測定できるときには傾きからメモリ量ΔVを算出できるようにすることができる。なお、こうした条件は、その時々に適したメモリ量ΔVの算出方法が選択されるように条件を設定することができる。そして測定周波数の異なるインピーダンスの取得点数が2つ未満であると判定された場合(ステップS12でYES)、測定装置10は、虚数値からメモリ量ΔVを算出する(ステップS20〜S22)。一方、測定周波数の異なるインピーダンスの取得点数が2つ未満ではないと判定された場合(ステップS12でNO)、測定装置10は、傾きからメモリ量ΔVを算出する(ステップS30〜S32)。これにより、インピーダンスの虚数値又は傾きからメモリ量ΔVが算出(測定)されるようになる。
・上記各実施形態において、電池1は組電池であっても、単電池であってもよい。
・上記各実施形態では、電源供給部2は測定装置10から入力される電流値や周波数範囲に応じた交流電流を出力する場合について例示した。しかしこれに限らず、測定装置からの指示によらず、所定の交流電流を所定の周波数範囲で変化させて出力してもよい。
・上記各実施形態では、電源供給部2が交流電流を出力する場合について例示した。しかしこれに限らず、電源供給部は交流電圧を出力してもよい。この場合、電源供給部は測定装置との間で電圧に関する信号を授受すればよい。
・上記各実施形態では、電池1は電池状態測定装置以外の接続先については例示していないが、例えば、モータなどの負荷、又は、電源や回生装置などの充電器に接続されていてもよい。例えば、車載された電池に電池状態測定装置を設けるような構成とすることもできる。負荷は電池SOCを減少させるときに用いることができ、充電器は電池SOCを増加させるときに用いることができる。また、電池からの回路の途中に開閉器を設けることで、必要に応じて電池と電池状態測定装置、負荷や充電器等との接続を開閉することもできる。これにより、電池SOCの測定を適切に行えるようにすることができるようにもなる。
・上記各実施形態では、電池1はニッケル水素二次電池である場合について例示した。しかしこれに限らず、電池は、ニッケルカドミウム二次電池やリチウムイオン二次電池などの二次電池(蓄電池)であってもよい。なお、リチウムイオン二次電池は、ニッケル水素二次電池などに比べて発生するメモリ効果の量は少ないものの、こうしたメモリ効果に対しても上記構成を利用してメモリ効果の量を測定することが可能である。
・上記各実施形態では、電池1が車両に搭載される場合について例示した。この車両としては、電気自動車やハイブリッド自動車の他、バッテリーを搭載するガソリン自動車やディーゼル自動車なども含まれる。また、電池は、電源として必要とされるのであれば、自動車以外の移動体や、固定設置される電源として用いられてもよいし、モータ以外の電源として用いられてもよい。例えば、自動車以外の電源としては、鉄道、船舶、航空機やロボットなどの移動体や、情報処理装置などの電気製品の電源などが挙げられる。
1…電池、2…電源供給部、5…電圧測定器、6…電流測定器、10…測定装置、20…記憶部、30…FRA部、40…処理部、41…SOC入力部、42…ナイキスト線図作成部、43…特徴値の取得部、44…傾き算出部、45…メモリ量演算部。

Claims (7)

  1. 二次電池におけるメモリ効果の状態を測定する電池状態測定方法であって、
    前記二次電池における拡散抵抗領域に対応する複素インピーダンスを取得するインピーダンス取得工程と、
    予め求められた前記複素インピーダンスに基づく値とメモリ効果の状態との関係に前記取得された複素インピーダンスに基づく値を適用する演算を行ってメモリ効果の状態を求める演算工程と、が実行されることに基づいて前記メモリ効果の状態を測定する
    ことを特徴とする電池状態測定方法。
  2. 前記複素インピーダンスに基づく値とメモリ効果の状態との関係を前記複素インピーダンスの虚数値とメモリ効果の量との関係とし、
    前記演算工程では、前記取得した複素インピーダンスの虚数値を予め設定された前記複素インピーダンスの虚数値とメモリ効果の量との関係に適用する演算を行って前記メモリ効果の状態を求める
    請求項1に記載の電池状態測定方法。
  3. 前記複素インピーダンスに基づく値とメモリ効果の状態との関係を前記複素インピーダンスの傾きとメモリ効果の量との関係とし、
    前記演算工程では、前記取得した複素インピーダンスの傾きを予め設定された前記複素インピーダンスの傾きとメモリ効果の量との関係に適用する演算を行って前記メモリ効果の状態を求める
    請求項1に記載の電池状態測定方法。
  4. 前記拡散抵抗領域に対応する複素インピーダンスを、0.01Hz以上、かつ、0.1Hz以下の周波数範囲から取得する
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の電池状態測定方法。
  5. 前記複素インピーダンスに基づく値とメモリ効果の状態との関係には電池蓄電量の残容量を示すSOCが対応付けられており、前記対応付けられたSOCに近似された二次電池から前記複素インピーダンスを取得する
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の電池状態測定方法。
  6. 前記二次電池がニッケル水素蓄電池である
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の電池状態測定方法。
  7. 二次電池におけるメモリ効果の状態を測定する電池状態測定装置であって、
    前記二次電池における拡散抵抗領域に対応する複素インピーダンスを取得するインピーダンス取得部と、
    前記複素インピーダンスに基づく値とメモリ効果の状態との関係を保持する保持部と、
    前記取得した複素インピーダンスから該複素インピーダンスに基づく値を算出する算出部と、
    前記保持する複素インピーダンスに基づく値とメモリ効果の状態との関係に前記算出した複素インピーダンスに基づく値を適用する演算を行って前記メモリ効果の状態を測定する測定部とを備える
    ことを特徴とする電池状態測定装置。
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