JP2022003633A - 温度推定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄電池のオーミック抵抗に基づいて蓄電池の温度を精度よく推定できる温度推定装置を提供すること。【解決手段】蓄電池14を備える電源システム100に適用され、蓄電池のオーミック抵抗に基づいて蓄電池の温度を推定する温度推定装置30であって、蓄電池の通電時において、蓄電池に所定周波数の交流電流又は交流電圧を印加し、蓄電池のオーミック抵抗を通電時抵抗として算出する抵抗算出部と、蓄電池の通電時において、蓄電池のSOCを通電時容量として算出する容量算出部と、通電時容量と通電時抵抗とに基づいて、蓄電池の通電時における蓄電池の温度を推定する温度推定部と、を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、蓄電池の温度を推定する温度推定装置に関する。
従来、車両に搭載される蓄電池の温度を推定する装置として、蓄電池のオーミック抵抗を用いるものが知られている(例えば、特許文献1)。この装置では、複数の周波数の交流電圧を蓄電池に印加し、それら各周波数で蓄電池のインピーダンスを算出する。それらインピーダンスのうち、インピーダンスの虚数成分がゼロとなるオーミック抵抗を選出し、このオーミック抵抗に基づいて蓄電池の温度を推定する。
特開2018−190502号公報
オーミック抵抗は、蓄電池のSOC(State Of Charge)の影響を受けにくいため、オーミック抵抗に基づいて蓄電池の温度を推定することで、SOCが変化する蓄電池の通電時において蓄電池の温度を推定することができる。しかし、蓄電池のオーミック抵抗に基づいて蓄電池の温度を推定する技術については、未だ改善の余地がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、蓄電池のオーミック抵抗に基づいて蓄電池の温度を精度よく推定できる温度推定装置を提供することにある。
上記課題を解決するための第1の手段は、蓄電池を備える電源システムに適用され、前記蓄電池のオーミック抵抗に基づいて前記蓄電池の温度を推定する温度推定装置であって、前記蓄電池の通電時において、前記蓄電池に所定周波数の交流電流又は交流電圧を印加し、前記蓄電池のオーミック抵抗を通電時抵抗として算出する抵抗算出部と、前記蓄電池の通電時において、前記蓄電池のSOCを通電時容量として算出する容量算出部と、前記通電時容量と前記通電時抵抗とに基づいて、前記蓄電池の通電時における前記蓄電池の温度を推定する温度推定部と、を備える。
蓄電池のオーミック抵抗に基づいて蓄電池の温度を推定する温度推定装置では、オーミック抵抗を用いることで、蓄電池のSOCの影響を受けにくくすることができるが、その影響はゼロではない。そのため、蓄電池の通電時において、通電に伴う蓄電池のSOCの変化により、抵抗と温度との相関を示す特性のずれが生じ、蓄電池の温度の推定精度が低下する。
その点、上記構成では、蓄電池の通電時において通電時抵抗と通電時容量とを算出し、これらに基づいて蓄電池の通電時における温度を推定するようにした。通電時容量を用いて通電時抵抗におけるSOCの影響を抑制することができる。そのため、通電時抵抗と通電時容量とに基づいて蓄電池の温度を推定することで、SOCの影響を抑制して蓄電池の温度を精度よく推定することができる。
第2の手段では、前記容量算出部は、前記蓄電池の通電開始時における前記SOCを開始時容量として算出し、前記通電時容量と前記開始時容量との差分容量に基づいて、前記通電時抵抗を補正する補正部を備え、前記温度推定部は、前記補正部による補正後の前記通電時抵抗に基づいて、前記蓄電池の温度を推定する。
上記構成では、蓄電池の通電開始時における開始時容量を算出し、通電時容量と開始時容量との差分容量に基づいて通電時抵抗を補正するようにした。蓄電池の通電時では、通電開始時からの蓄電池のSOCの変化量に依存した特性のずれが生じる。そのため、差分容量に基づいて通電時抵抗を補正することで、補正後の通電時抵抗に基づいて蓄電池の温度を精度よく推定することができる。
第3の手段では、前記蓄電池の複数のSOCについて、SOC毎に前記蓄電池のオーミック抵抗と温度との関係を示す相関情報が記憶された記憶部と、前記開始時容量に対応する前記相関情報を、前記記憶部に記憶された複数の前記相関情報から取得する情報取得部と、を備え、前記補正部は、前記差分容量に基づいて、補正後の前記通電時抵抗が、前記情報取得部により取得された前記相関情報に対応するオーミック抵抗となるように、前記通電時抵抗を補正する。
蓄電池の通電時では、蓄電池の温度及びSOCに変化が生じ、通電時抵抗及び通電時容量に応じた通電時抵抗が算出される。しかし、蓄電池の通電時におけるオーミック抵抗と温度との関係は、開始時容量に基づいて決定されるため、算出された通電時抵抗は、通電開始時からの蓄電池のSOCの変化量により、開始時容量に対応する相関情報からずれたものとなる。
その点、上記構成では、通電時容量と開始時容量との差分容量に基づいて、補正後の通電時抵抗が、開始時容量に対応する相関情報におけるオーミック抵抗となるように通電時抵抗を補正するようにした。そのため、補正後の通電時抵抗を開始時容量に対応するオーミック抵抗とすることができ、開始時容量に対応する相関情報に基づいて蓄電池の温度を精度よく推定することができる。
第4の手段では、前記補正部は、前記差分容量及び前記蓄電池の劣化度合いに基づいて、前記通電時抵抗を補正する。
蓄電池が劣化すると、抵抗と温度との相関を示す特性にずれが生じる。この点、上記構成では、差分容量に加えて蓄電池の劣化度合いに基づいて、通電時抵抗を補正するようにした。そのため、蓄電池の劣化度合いを考慮して、蓄電池の温度を推定することができる。
第5の手段では、前記蓄電池の周辺温度を取得する温度取得部と、前記周辺温度に基づいて前記所定周波数を設定する周波数設定部と、を備える。
蓄電池のオーミック抵抗に基づいて蓄電池の温度を推定する温度推定装置では、オーミック抵抗を算出する場合に蓄電池に印加する交流電流又は交流電圧の所定周波数が、蓄電池の温度により変化する。この場合、蓄電池の温度が変化し得る温度範囲に対応させた交流電流又は交流電圧の全周波数帯において複数の周波数の交流電流又は交流電圧を蓄電池に印加し、それら各周波数で蓄電池のインピーダンスを算出することが考えられる。この場合、算出されるインピーダンスに含まれるオーミック抵抗に基づいて蓄電池の温度を推定できるものの、その推定が遅れる。
その点、上記構成では、蓄電池の周辺温度を取得し、その周辺温度に基づいて所定周波数を設定するようにした。そのため、オーミック抵抗を算出する場合に蓄電池に印加する周波数の数を減らすことができ、蓄電池の温度を早期に推定することができる。
第6の手段では、前記容量算出部は、前記蓄電池の通電開始時における前記蓄電池のSOCを開始時容量として算出し、前記周波数設定部は、前記開始時容量が大きいほど前記蓄電池に印加する前記所定周波数が低くなるようにする。
上記構成では、蓄電池のオーミック抵抗を算出する場合に、開始時容量が大きいほど蓄電池に印加する交流電流又は交流電圧の周波数が低くなるようにした。そのため、開始時容量を考慮して蓄電池のオーミック抵抗を算出することができ、これにより蓄電池の温度を精度よく推定することができる。
第7の手段では、前記補正部による補正後の前記通電時抵抗に基づいて、前記蓄電池におけるハイレート劣化の劣化度合いを推定する劣化推定部を備える。
オーミック抵抗は、蓄電池におけるハイレート劣化の劣化度合いと相関する。上記構成では、補正後の通電時抵抗に基づいてハイレート劣化の劣化度合いを推定するため、SOCの影響を抑制してハイレート劣化の劣化度合いを精度よく推定することができる。
第8の手段では、蓄電池を備える電源システムに適用され、前記蓄電池に所定周波数の交流電流又は交流電圧を印加して前記蓄電池のオーミック抵抗を算出するとともに、算出したオーミック抵抗に基づいて前記蓄電池の温度を推定する温度推定装置であって、前記蓄電池の周辺温度を取得する温度取得部と、前記周辺温度に基づいて前記所定周波数を設定する周波数設定部と、を備える。
電源システムの全体構成図。 内部抵抗の等価回路モデルと、インピーダンスの周波数特性とを示す図。 第1実施形態における温度推定処理の手順を示すフローチャート。 バッテリの充電時における温度推定処理を示す図。 温度推定処理により推定されるバッテリ温度の推移を示す図。 バッテリ温度とオーミック抵抗との関係を示すグラフ。 バッテリ温度と周波数との関係を示すグラフ。 バッテリのSOCと周波数との関係を示すグラフ。 第2実施形態における温度推定処理の手順を示すフローチャート。 オーミック抵抗とハイレート劣化度との関係を示すグラフ。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る温度推定装置を車載の電源システム100に適用した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、電源システム100は、回転電機10及び電気負荷12との間で電力の伝達を行うシステムである。電源システム100は、蓄電池としてのバッテリ14と、発信装置16と、電流計18と、温度センサ20と、電圧計22と、温度推定装置としての制御装置30と、を備えている。
回転電機10は、力行駆動及び回生駆動の機能を有し、具体的には、MG(Motor Generator)である。回転電機10は、バッテリ14との間で電力の入出力を行うものである。具体的には、回転電機10は、力行駆動時には、バッテリ14から入力される電力により駆動し、車両に推進力を付与し、回生駆動時には、車両の減速エネルギを用いて発電を行い、バッテリ14に電力を出力する。
電気負荷12は、定電圧要求負荷と一般負荷とを含む。ここで定電圧要求負荷は、供給電力の電圧が概ね一定、又は少なくとも所定範囲内で変動するよう安定していることが要求される負荷であり、一般負荷は、定電圧負荷以外の負荷である。
発信装置16は、バッテリ14と、回転電機10及び電気負荷12との間の接続点PVに接続されており、この接続点PVに所定の周波数Fの交流電圧を出力する。交流電圧は、例えば正弦波電圧や矩形波電圧である。
電流計18は、接続点PVと、回転電機10及び電気負荷12との間の接続経路LVに接続されており、発信装置16が交流電圧を出力した時に接続経路LVに流れる電流を検出する。温度センサ20は、バッテリ14周囲の周辺温度TSを検出する。電圧計22は、発信装置16に並列接続されており、接続点PVの電圧を検出する。電圧計22は、例えばロックインアンプである。電流計18、温度センサ20及び電圧計22の検出値は、制御装置30に入力される。
バッテリ14は、充放電可能な蓄電池であり、複数の電池セルが直列接続された組電池である。バッテリ14は、例えばリチウムイオン蓄電池である。バッテリ14は、電池セルの集合体24とともに、内部抵抗26を有している。
制御装置30は、発信装置16を介して接続点PVに所定の周波数Fの交流電圧を出力させ、電流計18及び電圧計22から入力される検出値に基づいて、バッテリ14の内部抵抗26を算出する。また、制御装置30は、IGスイッチ32及び報知部34に接続されている。IGスイッチ32は、車両の起動スイッチである。制御装置30は、IGスイッチ32の開閉状態を監視する。報知部34は、視覚または聴覚的にドライバに報知する装置であり、例えば車室内に設置されたディスプレイやスピーカである。
制御装置30は、バッテリ14からの電力供給により作動し、バッテリ14の内部抵抗26やIGスイッチ32の開閉状態に基づいて車両を制御する。制御装置30は、CPU、ROM、RAM、フラッシュメモリ等からなる周知のマイクロコンピュータを備えている。CPUは、ROM内の演算プログラムや制御データを参照して、車両を制御するための種々の機能を実現する。
図2の上側に、内部抵抗26の等価回路モデルを示す。本実施形態において、等価回路モデルは、オーミック抵抗モデル、反応抵抗モデル及び拡散抵抗モデルの各抵抗モデルの直列列接続体として表されている。オーミック抵抗モデルは、バッテリ14を構成する電極や電解液での通電抵抗を表すものであり、コイル成分LXと第1抵抗成分RAとの直列接続体として表される。反応抵抗モデルは、電極における電極界面反応による抵抗を表すものであり、第2抵抗成分RBと容量成分CXとの並列接続体として表される。拡散抵抗モデルは、電極表面に塗布された電極活物質内部へのリチウムイオンの拡散に伴う抵抗を表すものであり、第2抵抗成分RBに直列接続された第3抵抗成分RCとして表される。つまり、バッテリ14は、内部抵抗26の等価回路モデルの回路成分として、抵抗成分RA〜RC、コイル成分LX及び容量成分CXを有しており、これらの成分により内部抵抗26の値は複素インピーダンス(以下、単にインピーダンス)ZAとして表される。制御装置30は、バッテリ14のインピーダンスZAを算出する。
図2の下側に、インピーダンスZAの周波数特性を示す。インピーダンスZAは、接続点PVに印加する交流電圧の周波数Fにより変化し、インピーダンスZAの実数成分ZRは、印加する周波数Fが低くなるほど大きくなる。インピーダンスZAの虚数成分ZIは、第1特定周波数Ftg1でゼロとなる。第1特定周波数Ftg1よりも高い周波数範囲では、オーミック抵抗モデルが支配的となり、印加する周波数Fが高くなるほど虚数成分ZIが小さくなる。
虚数成分ZIが第1特定周波数Ftg1よりも低い周波数範囲において、虚数成分ZIは第2特定周波数Ftg2において極小値となる。第1特定周波数Ftg1よりも低く第2特定周波数Ftg2よりも高い周波数範囲では、反応抵抗モデルが支配的となり、印加する周波数Fが低くなるのに伴って、増加した後に減少する。また、第2特定周波数Ftg2よりも低い周波数範囲では、拡散抵抗モデルが支配的となり、印加する周波数Fが低くなるほど虚数成分ZIが大きくなる。
ところで、第1特定周波数Ftg1のインピーダンスZAに基づいてバッテリ温度TEが推定可能であることが知られている。以下、第1特定周波数Ftg1のインピーダンスZAをオーミック抵抗RHという(図2参照)。ここでバッテリ温度TEは、バッテリ14の内部温度であり、バッテリ14周囲の周辺温度TSとは必ずしも等しくない。バッテリ温度TEは、例えばバッテリ14の凍結や過充法電などのバッテリ14の状態を表す。そのため、電源システム100に温度センサ20が設けられている場合でも、バッテリ温度TEの推定が実施されており、この推定に用いられるオーミック抵抗RHが算出される。
オーミック抵抗RHは、バッテリ14のSOC(State Of Charge)の影響を受けにくいため、オーミック抵抗RHに基づいてバッテリ温度TEを推定することで、SOCが変化するバッテリ14の通電(充放電)期間においてバッテリ温度TEを推定することができる。本発明者らは、オーミック抵抗RHはSOCの依存性は低いものの、オーミック抵抗RHとSOCとが相関することを見出した。本発明者らは、この点に着目し、オーミック抵抗RHとSOCとに基づいてバッテリ温度TEを推定することで、バッテリ14の通電時において精度よくバッテリ温度TEを推定できるとの知見を得た。
上記知見に基づいて、本実施形態では、バッテリ14の通電時においてオーミック抵抗RHとSOCとを算出し、これらに基づいてバッテリ14の通電時におけるバッテリ温度TEを推定する温度推定処理を実施するようにした。この温度推定処理では、SOCを用いてオーミック抵抗RHにおけるSOCの影響を抑制することができる。したがって、オーミック抵抗RHとSOCとに基づいてバッテリ温度TEを推定することで、バッテリ温度TEを精度よく推定することができる。
図3に、本実施形態の温度推定処理のフローチャートを示す。制御装置30は、IGスイッチ32が閉状態に切り替えられると、所定の制御周期毎に温度推定処理を繰り返し実施する。
温度推定処理を開始すると、まずステップS10において、バッテリ14の通電が開始されたか否かを判定する。例えば電流計18から取得される電流値の絶対値が所定の通電閾値よりも小さい場合には、バッテリ14が通電していないため、ステップS10で否定判定する。この場合、ステップS12において、バッテリ14の通電開始前(通電開始時)におけるオーミック抵抗RHを開始時抵抗RHAとして算出されているか否かを判定する。
ステップS12で肯定判定すると、温度推定処理を終了する。一方、ステップS12で否定判定すると、ステップS14において、通電開始時におけるバッテリ14のSOCを開始時容量SAとして算出する。開始時容量SAは、例えば通電開始前に電圧計22から取得される電圧値である開路電圧OCVに基づいて算出することができる。
ステップS16では、通電開始時におけるバッテリ温度TEを開始時温度TAとして取得する。通電開始時において、バッテリ温度TEとバッテリ14周囲の周辺温度TSとは略等しい。そのため、ステップS16では、温度センサ20を用いて開始時温度TA(周辺温度TS)を取得する。なお、本実施形態において、ステップS16の処理が「温度取得部」に相当する。
ステップS18では、開始時抵抗RHAを算出するために接続点PVに印加する交流電圧の周波数Fを設定する。開始時抵抗RHAの算出では、第1特定周波数Ftg1を含む所定周波数範囲の周波数Fを接続点PVに印加する必要があり、その周波数Fは開始時容量SA及び開始時温度TAにより変動する。ステップS18では、ステップS14で取得した開始時温度TA、つまり周辺温度TSに基づいて周波数Fを設定するとともに、開始時容量SAが大きいほどバッテリ14に印加する周波数Fが低くなるように周波数Fを設定する。なお、本実施形態において、ステップS18の処理が「周波数設定部」に相当する。
ステップS20では、ステップS18で設定した周波数Fの交流電圧を接続点PVに印加して、開始時抵抗RHAを算出し、温度推定処理を終了する。
一方、電流計18から取得される電流値の絶対値が通電閾値よりも大きい場合には、バッテリ14が通電しているため、ステップS10で否定判定する。この場合、ステップS32において、バッテリ14の通電時におけるオーミック抵抗RHを通電時抵抗として算出する。ステップS32では、その処理の実施時に設定されている周波数Fを用いて通電時抵抗を算出する。続くステップS34では、ステップS32で算出した通電時抵抗とステップS20で算出した開始時抵抗RHAとの差分値である抵抗差ΔRHを算出する。なお、本実施形態において、ステップS32の処理が「抵抗算出部」に相当する。
ステップS36では、通電時におけるバッテリ14のSOCを通電時容量として算出する。通電時容量は、例えば通電時に電流計18から取得される電流値の時間積分値である電流積算値及び開始時容量SAを用いて算出することができる。続くステップS38では、ステップS36で算出した通電時容量とステップS14で算出した開始時容量SAとの差分容量である容量差ΔSOCを算出する。なお、本実施形態において、ステップS36の処理が「容量算出部」に相当する。
ステップS40では、相関情報を取得する。ここで相関情報は、バッテリ14のオーミック抵抗RHとバッテリ温度TEとの関係を示す情報であり、例えばマップ情報や相関式である。相関情報は、バッテリ14のSOC毎に設定されており、制御装置30の記憶部36には、バッテリ14の複数のSOCについて、SOC毎に相関情報が記憶されている。各相関情報において、オーミック抵抗RHとバッテリ温度TEとは線形比例しており、オーミック抵抗RHに対するバッテリ温度TEの傾きをθとすると、SOCが大きくなるほど、対応する相関情報における傾きθが小さくなるように設定されている。
ステップS40では、記憶部36に記憶された複数の相関情報から、ステップS14で算出された開始時容量SAに対応する相関情報を取得する。具体的には、記憶部36に開始時容量SAに対応する相関情報が記憶されている場合には、その相関情報を取得する。記憶部36に開始時容量SAに対応する相関情報が記憶されていない場合には、記憶部36に記憶された複数の相関情報を用いて、線形補間等により開始時容量SAに対応する相関情報を算出する。なお、本実施形態において、ステップS40の処理が「情報取得部」に相当する。
続くステップS42では、ステップS38で算出した容量差ΔSOCに基づいて抵抗差ΔRHを補正する。上述したように、オーミック抵抗RHはバッテリ14のSOCに対する依存性が低いものの、オーミック抵抗RHとSOCとは相関する。ステップS34で算出した抵抗差ΔRHでは、その算出に用いた通電時抵抗及び開始時抵抗RHAにおいて相関するSOCが相違するため、この相違により、オーミック抵抗RHとバッテリ温度TEとの相関を示す特性のずれが生じる。具体的には、通電時抵抗に相関するSOCは通電時容量であり、開始時抵抗RHAに対応するSOCは開始時容量SAであり、相関するSOCの差分容量である容量差ΔSOCに対応する特性のずれが生じる。
ステップS42では、容量差ΔSOCに基づいて通電時抵抗を補正することで、容量差ΔSOCに基づいて抵抗差ΔRHを補正する。これにより、通電時抵抗は、通電時容量に相関するものから開始時容量SAに相関するものに補正され、補正後の通電時抵抗が、ステップS40で取得された相関情報に対応するオーミック抵抗RHとなる。具体的には、補正前の通電時抵抗をRHとし、補正後の通電時抵抗をRHRとすると、補正後の通電時抵抗RHRは、容量差ΔSOC及び所定の比例定数Aを用いて、以下の(式1)のように表される。なお、本実施形態において、ステップS42の処理が「補正部」に相当する。
RHR=RH×A×ΔSOC・・・(式1)
なお、補正後の通電時抵抗RHRから開始時抵抗RHAを引いたものが補正後の抵抗差ΔRHRとなる。
ここで比例定数Aは、バッテリ14の劣化度合いに基づいて可変に設定される定数である。制御装置30の記憶部36には、例えばバッテリ14の工場出荷時における出荷時抵抗が記憶されており、記憶部36に記憶された出荷時抵抗とステップS32で算出した通電時抵抗との比からバッテリ14の劣化度合いを算出し、この劣化度合いに基づいて比例定数Aを設定する。そのため、ステップS42では、容量差ΔSOCとともにバッテリ14の劣化度合いに基づいて通電時抵抗を補正する。
ステップS46では、ステップS42で算出した補正後の抵抗差ΔRHR、つまり補正後の通電時抵抗RHRに基づいて、通電時におけるバッテリ温度TEとして通電時温度を推定する。具体的には、補正後の抵抗差ΔRHRにステップS42で取得された相関情報の傾きθを掛け、その積にステップS16で取得した開始時温度TAを加算することで通電時温度を推定する。通電時温度をTEとすると、通電時温度TEは、以下の(式2)のように表される。なお、本実施形態において、ステップS46の処理が「温度推定部」に相当する。
TE=ΔRHR×θ+TA=(RHR−RHA)×θ+TA・・・(式2)
続くステップS48では、ステップS38で推定された容量差ΔSOC及びステップS46で推定された通電時温度に基づいて周波数Fを変更し、温度推定処理を終了する。そのため、次回温度推定処理を実施する場合には、前回の温度推定処理における通電時温度TEに基づいて設定された周波数Fを用いて、通電時抵抗が算出される。
続いて、図4〜図8に、温度推定処理の一例を示す。図4は、バッテリ14の充電時における温度推定処理を示しており、温度推定処理のうち、容量差ΔSOCに基づいて通電時抵抗を補正する補正処理を示している。
図4において、第1直線LAは、第1容量SAに対応する相関情報を示す。第2直線LBは、第1容量SAよりも大きい第2容量SBに対応する相関情報を示す。第3直線LCは、第2容量SBよりも大きい第3容量SCに対応する相関情報を示す。ここでは、一例として第1容量SAを開始時容量SAとし、第2、第3容量SB,SCを通電時容量として説明する。第1〜第3容量SA〜SCに対応する相関情報は互いに異なっているため、第1〜第3直線LA〜LCは互いに異なっている。
図4に点PAで示すように、充電開始時において、バッテリ14のオーミック抵抗RHは開始時抵抗RHAである第1抵抗RHAであり、バッテリ温度TEは開始時温度TAである第1温度TAである。充電開始時において、バッテリ14のSOCは第1容量SAであるため、点PAは第1直線LA上に位置する。
バッテリ14の充電に伴って、バッテリ14のSOCは第2容量SB、第3容量SCの順に増加するとともに、バッテリ温度TEが上昇する。本実施形態では、バッテリ14の充電時に伴って、バッテリ14の状態が点PB、点PCに示す状態に変化する。ここで点PBは、バッテリ14のSOCが第2容量SBである状態であり、バッテリ14のオーミック抵抗RHは第1抵抗RHAよりも大きい第2抵抗RHBであり、バッテリ温度TEは第1温度TAよりも大きい第2温度TBである。また、点PCは、バッテリ14のSOCが第3容量SBである状態であり、バッテリ14のオーミック抵抗RHは第2抵抗RHBよりも大きい第3抵抗RHCであり、バッテリ温度TEは第2温度TBよりも大きい第3温度TCである。なお、第2抵抗RHB及び第3抵抗RHBは通電時抵抗に相当し、第2温度TB及び第3温度TCは通電時温度に相当する。
点PBにおけるバッテリ14のSOCは第2容量SBであるため、点PAは第2直線LB上に位置する。そのため、点PBにおける第2抵抗RHBから第2温度TBを推定する場合には、第2直線LBに示す第2容量SBの相関情報が必要となる。しかし、第2容量SBなどの通電時容量は、通電時における電流積算値を用いて算出されるため、開路電圧OCVに基づいて算出される第1容量SAよりも算出精度が低く、点PBに対応する相関情報を適正に取得しづらい。そのため、第1容量SAの相関情報を用いて、第2抵抗RHBから第2温度TBを推定することが望まれる。つまり、バッテリ14の通電時におけるオーミック抵抗RHとバッテリ温度TEとの関係は、開始時容量SAに基づいて決定する必要がある。
この場合に、点PBが、第1直線LAにおいて点PBにおける第2抵抗RHBを有する点である点PWであると擬制し、点PWにおける温度TWを推定することが考えられる。つまり、第2抵抗RHBを補正せずに、この第2抵抗RHBから温度TWを推定することが考えられる。しかし、推定される温度TWは、第2温度TBと異なり、バッテリ温度TEを精度よく推定することができない。
そこで本実施形態では、点PBが、第1直線LAにおいて点PBにおける第2温度TBを有する点である点PXとなるように補正し、点PXにおける第2温度TBを推定するようにした。つまり、点PBにおける第2抵抗RHBを補正して、補正後の第2抵抗RHBが第1直線LA上の点PXの抵抗RHXとなるようにした。具体的には、第1直線LAに対応する第1容量SAと第2直線LBに対応する第2容量SBとの容量差ΔSOCである差分容量(SB−SA)に基づいて、第2抵抗RHBを補正するようにした。これにより、バッテリ温度TEを精度よく推定することができる。
また、点PCにおけるバッテリ14のSOCは第3容量SCであるため、点PCは第3直線LB上に位置する。そのため、点PCにおける第3抵抗RHCから第3温度TCを推定する場合には、第3直線LCに示す第3容量SCの相関情報が必要となる。しかし、第3容量SCなどの通電時容量は、通電時における電流積算値を用いて算出されるため、開路電圧OCVに基づいて算出される第1容量SAよりも算出精度が低く、点PCに対応する相関情報を適正に取得しづらい。そのため、第1容量SAの相関情報を用いて、第3抵抗RHCから第3温度TCを推定することが望まれる。
この場合に、点PCが、第1直線LAにおいて点PCにおける第3抵抗RHCを有する点である点PYであると擬制し、点PYにおける温度TYを推定することが考えられる。つまり、第3抵抗RHCを補正せずに、この第3抵抗RHCから温度TYを推定することが考えられる。しかし、推定される温度TYは、第3温度TCと異なり、バッテリ温度TEを精度よく推定することができない。
そこで本実施形態では、点PCが、第1直線LAにおいて点PCにおける第3温度TCを有する点である点PZとなるように補正し、点PZにおける第3温度TCを推定するようにした。つまり、点PCにおける第3抵抗RHCを補正して、補正後の第3抵抗RHCが第1直線LA上の点PZの抵抗RHZとなるようにした。具体的には、第1直線LAに対応する第1容量SAと第3直線LCに対応する第3容量SCとの容量差ΔSOCである差分容量(SC−SA)に基づいて、第3抵抗RHCを補正するようにした。これにより、バッテリ温度TEを精度よく推定することができる。
図5は、バッテリ14の充電時において、温度推定処理により推定されるバッテリ温度TEの推移を示す。図5に破線で示すように、バッテリ温度TEを推定する場合に、通電時抵抗を補正せずに、補正前の通電時抵抗からバッテリ温度TEを推定すると、推定されるバッテリ温度TEと、図5に一点鎖線で示す真のバッテリ温度TEとの乖離が大きくなる。本実施形態では、バッテリ温度TEを推定する場合に、容量差ΔSOCに基づいて通電時抵抗を補正し、補正後の通電時抵抗からバッテリ温度TEを推定する。そのため、図5に実線で示すように、推定されるバッテリ温度TEと、真のバッテリ温度TEとの乖離を小さくすることができ、バッテリ温度TEを精度よく推定することができる。
本実施形態では、バッテリ温度TEを精度よく推定できるため、このバッテリ温度TEに基づいて、バッテリ14の凍結や過充法電などのバッテリ14の状態を適正に監視することができる。また、バッテリ温度TEに基づいて、温度推定処理において通電時抵抗を算出する場合の周波数Fを適正に設定することができる。
図6は、バッテリ温度TEとオーミック抵抗RHとの関係を示すグラフであり、図7は、バッテリ温度TEと周波数Fとの関係を示すグラフである。図6に示すように、オーミック抵抗RHは、バッテリ温度TEが高くなるほど小さくなる。これに対応して、図7に示すように、周波数Fは、バッテリ温度TEが高くなるほど低くなる。図6,図7に示す関係を利用して、温度推定処理において通電時抵抗を算出する場合の周波数Fを適正に設定することで、通電時温度を精度よく算出することができるとともに、周波数Fに対応する所定周波数範囲を狭く設定することができ、通電時温度を早期に算出することができる。
また、図6,図7に示す関係を利用して、温度推定処理において開始時抵抗RHAを算出する場合の周波数Fを適正に設定することができる。具体的には、温度センサ20を用いて取得した開始時温度TAに基づいて周波数Fを設定することで、開始時温度TAを精度よく算出することができるとともに、開始時温度TAを早期に算出することができる。
なお、温度推定処理においてオーミック抵抗RHを算出する場合の周波数Fは、バッテリ14のSOCにも相関する。図8は、バッテリ14のSOCと周波数Fとの関係を示すグラフである。図8に示すように、周波数Fは、SOCが大きくなるほど低くなる。図8に示す関係を利用して、温度推定処理においてオーミック抵抗RHを算出する場合の周波数Fを適正に設定することで、オーミック抵抗RHを精度よく算出することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
・本実施形態では、バッテリ14のインピーダンスZAのうち、オーミック抵抗RHに基づいてバッテリ温度TEを推定する。オーミック抵抗RHを含むオーミック抵抗モデルでは、反応抵抗モデル及び拡散抵抗モデルに比べて抵抗モデルに電流が流れるのに要する時間である緩和時間が短い。そのため、オーミック抵抗RHを用いることで、バッテリ14に所定の周波数Fの交流電圧を印加した場合に、その交流電圧によりバッテリ14に流れる電流の変化を、交流電圧の変化に追従させることができる。そのため、バッテリ14に交流電圧を印加する形式によりオーミック抵抗RHを算出することができ、オーミック抵抗RHに基づいてバッテリ温度TEを推定することができる。
・また、バッテリ温度TEを推定する場合に、オーミック抵抗RHを用いることで、バッテリ14のSOCの影響を受けにくくすることができる。しかし、オーミック抵抗RHに対するSOCの影響はゼロではない。そのため、バッテリ14の通電時において、通電に伴うバッテリ14のSOCの変化により、オーミック抵抗RHとSOCとの相関を示す特性のずれが生じ、バッテリ温度TEの推定精度が低下する。
その点、本実施形態では、バッテリ14の通電時において通電時抵抗と通電時容量とを算出し、これらに基づいてバッテリ温度TEを推定するようにした。通電時容量を用いて通電時抵抗におけるSOCの影響を抑制することができる。そのため、通電時抵抗と通電時容量とに基づいて通電時におけるバッテリ温度TEを推定することで、SOCの影響を抑制してバッテリ温度TEを精度よく推定することができる。
・具体的には、バッテリ14の通電開始時における開始時抵抗RHAを算出し、通電時容量と開始時抵抗RHAとの容量差ΔSOCに基づいて通電時抵抗を補正するようにした。バッテリ14の通電時では、通電開始時からのバッテリ14のSOCの変化量に依存した特性のずれが生じる。そのため、容量差ΔSOCに基づいて通電時抵抗を補正することで、補正後の通電時抵抗に基づいてバッテリ温度TEを精度よく推定することができる。
・バッテリ14の通電時では、バッテリ温度TE及びバッテリ14のSOCに変化が生じ、通電時抵抗及び通電時容量に応じた通電時抵抗が算出される。しかし、バッテリ14の通電時におけるオーミック抵抗RHとバッテリ温度TEとの関係は、開始時容量SAに基づいて決定されるため、算出された通電時抵抗は、通電開始時からのバッテリ14のSOCの変化量により、開始時容量SAに対応する相関情報からずれたものとなる。
その点、本実施形態補正後の通電時抵抗が、通電時容量と開始時容量SAとの容量差ΔSOCに基づいて、開始時容量SAに対応する相関情報におけるオーミック抵抗RHとなるように通電時抵抗を補正するようにした。そのため、補正後の通電時抵抗を開始時容量SAに対応するオーミック抵抗RHとすることができ、開始時容量SAに対応する相関情報に基づいてバッテリ温度TEを精度よく推定することができる。
・バッテリ14が劣化すると、オーミック抵抗RHとSOCとの相関を示す特性にずれが生じる。この点、本実施形態では、通電時容量と開始時容量SAとの容量差ΔSOCに加えてバッテリ温度TEの劣化度合いに基づいて、通電時抵抗を補正するようにした。そのため、バッテリ温度TEの劣化度合いを考慮して、バッテリ温度TEを推定することができる。
・バッテリ14のオーミック抵抗RHに基づいてバッテリ温度TEを推定する場合に、バッテリ14に印加する交流電圧の所定の周波数Fが、バッテリ温度TEにより変化する。この場合、バッテリ温度TEが変化し得る温度範囲に対応させた交流電流又は交流電圧の全周波数帯において複数の周波数Fの交流電流又は交流電圧をバッテリ14に印加し、それら各周波数Fでバッテリ14のインピーダンスZAを算出することが考えられる。この場合、算出されるインピーダンスZAに含まれるオーミック抵抗RHに基づいてバッテリ温度TEを推定できるものの、その推定が遅れる。
その点、本実施形態では、温度センサ20を用いてバッテリ14周囲の周辺温度TSを取得し、その周辺温度TSに基づいて周波数Fを設定するようにした。そのため、オーミック抵抗RHを算出する場合にバッテリ14に印加する周波数Fの数を減らすことができ、バッテリ温度TEを早期に推定することができる。
・本実施形態では、バッテリ14のオーミック抵抗RHを算出する場合に、開始時容量SAが大きいほどバッテリ14に印加する交流電流又は交流電圧の周波数Fが低くなるようにした。そのため、開始時容量SAを考慮してバッテリ14のオーミック抵抗RHを算出することができ、これによりバッテリ温度TEを精度よく推定することができる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図9,図10を参照しつつ説明する。
本実施形態では、温度推定処理において、補正後のオーミック抵抗RHを用いて、バッテリ14におけるハイレート劣化の劣化度合いを示すハイレート劣化度HFを推定する処理を実施する点で、第1実施形態と異なる。ここでハイレート劣化とは、バッテリ14に高負荷状態が続いた場合に、電解質の塩濃度分布に偏りが生じ、それによりバッテリ14の内部抵抗26が増加する劣化である。また、ハイレート劣化度HFは、塩濃度分布の偏りが大きくなるほど大きくなるように設定されたパラメータである。
図9に、本実施形態の温度推定処理のフローチャートを示す。図9において、先の図3に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
本実施形態の温度推定処理では、ステップS42で抵抗差ΔRHを補正すると、ステップS50において、ステップS42で算出した補正後の抵抗差ΔRHR、つまり補正後の通電時抵抗RHRに基づいて、ハイレート劣化度HFを推定する。図10は、オーミック抵抗RHとハイレート劣化度HFとの関係を示すグラフである。図10に示すように、ハイレート劣化度HFはオーミック抵抗RHに比例し、通電時抵抗に基づいてハイレート劣化度HFを推定することができる。ステップS50では、補正後の通電時抵抗RHRに基づいてハイレート劣化度HFを推定するため、SOCの影響を抑制してハイレート劣化の劣化度合いを精度よく推定することができる。なお、本実施形態において、ステップS32の処理が「劣化推定部」に相当する。
ステップS52では、ステップS50で算出したハイレート劣化度HFが、所定の劣化閾値Hthよりも大きいか否かを判定する。ハイレート劣化度HFが劣化閾値Hthよりも小さく、バッテリ14のハイレート劣化が進行していない場合には、ステップS52で否定判定する。この場合、ステップS46に進む。
一方、ハイレート劣化度HFが劣化閾値Hthよりも大きく、バッテリ14のハイレート劣化が進行している場合には、ステップS52で肯定判定する。この場合、ステップS54において、報知部34を用いて車両のドライバに報知し、温度推定処理を終了する。この報知は、バッテリ14のハイレート劣化が進行していることをドライバに知らせるとともに、ドライバにバッテリ14の交換を促すものである。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
・オーミック抵抗RHは、バッテリ14におけるハイレート劣化の劣化度合いと相関し、通電時抵抗に基づいてハイレート劣化度HFを推定することができる。本実施形態では、補正後の通電時抵抗に基づいてハイレート劣化の劣化度合いを示すハイレート劣化度HFを推定するため、SOCの影響を抑制してハイレート劣化の劣化度合いを精度よく推定することができる。
(その他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、次のように実施されてもよい。
・蓄電池は、リチウムイオン蓄電池に限られず、鉛蓄電池やニッケル水素蓄電池であってもよい。
・上記実施形態では、発信装置16が、回転電機10及び電気負荷12との間の接続点PVに、所定の周波数Fの交流電圧を出力する例を示したが、例えばリップル電流など、所定の周波数Fの交流電流を出力してもよい。
・上記実施形態では、通電時容量と通電時抵抗とに基づいてバッテリ14の通電時におけるバッテリ温度TEを推定する方法として、通電時容量と開始時容量SAとの容量差ΔSOCに基づいて、通電時抵抗を補正する方法を例示したが、これに限られず、以下の方法であってもよい。
・例えば、通電時容量に対応する相関情報を取得し、この相関情報と通電時抵抗とに基づいてバッテリ14の通電時におけるバッテリ温度TEを推定してもよい。
・また例えば、開始時容量に対応する相関情報を取得し、この相関情報と通電時抵抗とに基づいて暫定的な温度TW,TY(図4参照)を推定する。そして、この暫定的な温度TW,TYを容量差ΔSOCに基づいて補正して、バッテリ14の通電時におけるバッテリ温度TEを推定してもよい。
・上記第1実施形態では、温度推定処理を、バッテリ14の充電時に適用する例について説明したが、バッテリ14の放電時に適用されてもよい。この場合に、バッテリ14の充電時と放電時において、同じ相関情報を用いるようにしてもよければ、異なる相関情報を用いるようにしてもよい。例えば、制御装置30の記憶部36に、充電時の相関情報と放電時の相関情報とが別々に記憶させておき、バッテリ14の通電状態(充電状態又は放電状態)によって、使用する相関情報を切り替えるようにしてもよい。
・上記第2実施形態では、バッテリ14のハイレート劣化が進行している場合に車両のドライバに報知する例について説明したが、これに限られない。例えばバッテリ14のハイレート劣化が進行している場合に、バッテリ14を所定条件で充電又は放電を継続させ、ハイレート劣化の進行を抑制するようにしてもよい。
・本開示に記載の制御装置及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御装置及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御装置及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
14…バッテリ、30…制御装置、100…電源システム。

Claims (8)

  1. 蓄電池(14)を備える電源システム(100)に適用され、前記蓄電池のオーミック抵抗に基づいて前記蓄電池の温度を推定する温度推定装置(30)であって、
    前記蓄電池の通電時において、前記蓄電池に所定周波数の交流電流又は交流電圧を印加し、前記蓄電池のオーミック抵抗を通電時抵抗として算出する抵抗算出部と、
    前記蓄電池の通電時において、前記蓄電池のSOCを通電時容量として算出する容量算出部と、
    前記通電時容量と前記通電時抵抗とに基づいて、前記蓄電池の通電時における前記蓄電池の温度を推定する温度推定部と、を備える温度推定装置。
  2. 前記容量算出部は、前記蓄電池の通電開始時における前記SOCを開始時容量として算出し、
    前記通電時容量と前記開始時容量との差分容量に基づいて、前記通電時抵抗を補正する補正部を備え、
    前記温度推定部は、前記補正部による補正後の前記通電時抵抗に基づいて、前記蓄電池の温度を推定する請求項1に記載の温度推定装置。
  3. 前記蓄電池の複数のSOCについて、SOC毎に前記蓄電池のオーミック抵抗と温度との関係を示す相関情報が記憶された記憶部(36)と、
    前記開始時容量に対応する前記相関情報を、前記記憶部に記憶された複数の前記相関情報から取得する情報取得部と、を備え、
    前記補正部は、前記差分容量に基づいて、補正後の前記通電時抵抗が、前記情報取得部により取得された前記相関情報に対応するオーミック抵抗となるように、前記通電時抵抗を補正する請求項2に記載の温度推定装置。
  4. 前記補正部は、前記差分容量及び前記蓄電池の劣化度合いに基づいて、前記通電時抵抗を補正する請求項2又は3に記載の温度推定装置。
  5. 前記蓄電池の周辺温度を取得する温度取得部と、
    前記周辺温度に基づいて前記所定周波数を設定する周波数設定部と、を備える請求項2から4までのいずれか一項に記載の温度推定装置。
  6. 前記容量算出部は、前記蓄電池の通電開始時における前記蓄電池のSOCを開始時容量として算出し、
    前記周波数設定部は、前記開始時容量が大きいほど前記蓄電池に印加する前記所定周波数が低くなるようにする請求項5に記載の温度推定装置。
  7. 前記補正部による補正後の前記通電時抵抗に基づいて、前記蓄電池におけるハイレート劣化の劣化度合いを推定する劣化推定部を備える請求項2から6までのいずれか一項に記載の温度推定装置。
  8. 蓄電池(14)を備える電源システム(100)に適用され、前記蓄電池に所定周波数の交流電流又は交流電圧を印加して前記蓄電池のオーミック抵抗を算出するとともに、算出したオーミック抵抗に基づいて前記蓄電池の温度を推定する温度推定装置(30)であって、
    前記蓄電池の周辺温度を取得する温度取得部と、
    前記周辺温度に基づいて前記所定周波数を設定する周波数設定部と、を備える温度推定装置。
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