JP2017043905A - 耐火柱及びこれを備えた耐力壁 - Google Patents

耐火柱及びこれを備えた耐力壁 Download PDF

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Abstract

【課題】鉄骨柱の外周を耐火材、不燃材で容易に覆うことができる耐火柱及びこれを備えた耐力壁を提供する。【解決手段】鉄骨柱28の外周は、耐火部材38によって覆われている。耐火部材38には、孔部38Aが形成されており、孔部38Aを介して、鉄骨柱28に接合されたラチス材32の連結部34が露出している。孔部38Aによって、ラチス材32の連結部34との干渉が回避される。【選択図】図4

Description

本発明は、耐火柱及びこれを備えた耐力壁に関する。
下記特許文献1には、角柱状を成す鉄骨柱の外周を鉄骨柱の各側壁に対応して分割された板状の耐火材、不燃材でそれぞれ被覆することによって耐火柱を形成する技術が開示されている。
特開2008−248646号公報
しかしながら、この先行技術では、鉄骨柱の各側壁に耐火材、不燃材をそれぞれ被覆するため、作業工数が増えてしまう。
本発明は上記事実を考慮し、鉄骨柱の外周を耐火材、不燃材で容易に覆うことができる耐火柱及びこれを備えた耐力壁の提供を目的とする。
第1の態様に係る耐火柱は、鉄骨柱と、耐火性を有し、前記鉄骨柱の高さ方向に沿って分割線が形成され当該鉄骨柱の外周を覆う一対の耐火材と、を備えている。
第1の態様に係る耐火柱では、鉄骨柱の外周は、耐火性を有する一対の耐火材によって覆われているため、当該鉄骨柱は、その外周が耐火材によって覆われていない鉄骨柱と比較して、高い耐火性を得ることができる。また、本発明では、鉄骨柱の外周を覆う一対の耐火材において、鉄骨柱の高さ方向に沿って分割線が形成されている。換言すると、当該一対の耐火材は、分割線で互いに接合させることによって一体化される。そして、本発明では、このように、一体化された耐火材(耐火部材)によって鉄骨柱の外周が覆われることになる。これにより、耐火性を有する鉄骨柱(耐火柱)が形成される。また、本発明では、一対の耐火材を分割線で互いに接合させることで鉄骨柱の外周を耐火材で容易に覆うことができるため、作業性が良い。なお、一対の耐火材が一体化されたものを以下「耐火部材」という。
第2の態様に係る耐火柱は、第1の態様に係る耐火柱において、前記一対の耐火材のうち、少なくとも一方の耐火材は複数の板材で構成されている。
第2の態様に係る耐火柱では、耐火材が複数の板材で構成されるため、例えば、耐火材として綿材を用いた場合と比較して、耐火材は定形とされ当該耐火材を鉄骨柱に固定させる際の作業性が良い。
第3の態様に係る耐火柱は、第1の態様又は第2の態様に係る耐火柱において、前記耐火材は3枚の板材で構成され、前記3枚の板材は第1固定具で固定されて一体化されている。
第3の態様に係る耐火柱では、3枚の板材を第1固定具で固定して一体化させるため、予め工場で耐火材を製作することができる。このため、現場では、工場で製作された一対の耐火材を互いに分割線で接合させればよいため、作業性が良く、現場での作業を削減することができる。さらに、3枚の板材が一体化された耐火材で鉄骨柱の外周を覆うことで耐火柱自体を工場内で生産することができる。これにより、現場での作業をさらに削減することができる。
第4の態様に係る耐火柱は、第1の態様〜第3の態様の何れか1の態様に係る耐火柱において、前記耐火材は、平面視でコ字状を成し互いに対向する壁部同士を繋ぐ側壁部が第2固定具によって前記鉄骨柱に固定されることで当該鉄骨柱に固定されている。
第4の態様に係る耐火柱では、平面視でコ字状を成す耐火材の側壁部が第2固定具によって鉄骨柱に固定されることで当該耐火材は鉄骨柱に固定されるため、耐火材の各壁部を鉄骨柱の各側壁に固定する場合と比較して、第2固定具の数量は減り、その分作業工数を削減することができる。
第5の態様に係る耐力壁は、複数の鉄骨柱と、前記鉄骨柱に接合される連結部が形成され、前記連結部を介して、互いに対向して配置された鉄骨柱と鉄骨柱を繋ぐラチス材と、耐火性を有し、前記鉄骨柱の高さ方向に沿って分割線が形成されると共に前記連結部との干渉を回避する切欠き部が形成され、当該鉄骨柱の外周を覆う一対の耐火材と、を備えている。
第5の態様に係る耐力壁では、耐力壁が複数の鉄骨柱及びラチス材を備えている。ラチス材には、鉄骨柱に接合される連結部が形成されており、ラチス材の連結部が鉄骨柱に接合された状態で、当該連結部を介して、互いに対向して配置された鉄骨柱と鉄骨柱の間がラチス材によって繋がれる。
一方、鉄骨柱の外周は、耐火性を有する一対の耐火材によって覆われている。つまり、当該鉄骨柱は、外周が耐火材によって覆われていない鉄骨柱と比較して、高い耐火性を得ることができる。また、本発明では、鉄骨柱の外周を覆う一対の耐火材において、鉄骨柱の高さ方向に沿って分割線が形成されている。換言すると、当該一対の耐火材は、分割線で互いに接合させることによって一体化され(耐火部材)、これにより、鉄骨柱の外周が覆われることになる。このように、本発明では、一対の耐火材を分割線で互いに接合させることで鉄骨柱の外周を耐火材で容易に覆うことができるため、作業性が良い。
また、耐火材には切欠き部が形成されており、当該切欠き部によって、ラチス材の連結部との干渉が回避される。このように、耐火材に切欠き部が形成されることによって、連結部を避けて鉄骨柱の外周を耐火材で覆うことができると共に、ラチス材の連結部周りも耐火性を確保することができる。
なお、ここでの「干渉」は、ラチス材の連結部が当接することによって鉄骨柱の表面を耐火材で覆うことができない状態を意味しており、切欠き部が単に連結部に接触する、当る等の状態を含むものではない。
第6の態様に係る耐力壁は、第5の態様に係る耐力壁において、前記一対の耐火材は前記切欠き部を含んで分割され互いに同じ形状を成している。
第6の態様に係る耐力壁では、一対の耐火材は互いに同じ形状を成しているため、異なる形状の耐火材を製作するよりも生産性が向上する。
第7の態様に係る耐力壁は、第5の態様又は第6の態様に係る耐力壁において、前記一対の耐火材のうち、少なくとも一方の耐火材は複数の板材で構成されている。
第7の態様に係る耐力壁では、耐火材が複数の板材で構成されるため、例えば、耐火材として綿材を用いた場合と比較して、耐火材は定形とされ当該耐火材を鉄骨柱に固定させる際の作業性が良い。
第8の態様に係る耐力壁は、第5の態様〜第7の態様の何れか1の態様に係る耐力壁において、前記耐火材は3枚の板材で構成され、前記3枚の板材は第1固定具で固定されて一体化されている。
第8の態様に係る耐力壁では、3枚の板材を第1固定具で固定して一体化させるため、予め工場で耐火材を製作することができる。このため、現場では、工場で製作された一対の耐火材を互いに分割線で接合させればよいため、作業性が良く、現場での作業を削減することができる。さらに、3枚の板材が一体化された耐火材で鉄骨柱の外周を覆うことで耐火柱自体を工場内で生産することができる。これにより、現場での作業をさらに削減することができる。
第9の態様に係る耐力壁は、第5の態様〜第8の態様の何れか1の態様に係る耐力壁において、前記耐火部材は、平面視でコ字状を成し互いに対向する壁部同士を繋ぐ側壁部が第2固定具によって前記鉄骨柱に固定されることで当該鉄骨柱に固定されている。
第9の態様に係る耐力壁では、平面視でコ字状を成す耐火材の側壁部が第2固定具によって鉄骨柱に固定されることで当該耐火材は鉄骨柱に固定されるため、耐火材の各壁部を鉄骨柱の各側壁に固定する場合と比較して、第2固定具の数量は減り、その分作業工数を削減することができる。
以上説明したように、本発明に係る耐火柱及びこれを備えた耐力壁は、鉄骨柱の外周を耐火材、不燃材で容易に覆うことができる、という優れた効果を有する。
本発明の実施形態に係る耐力壁が用いられた建物の躯体構造を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る耐力壁を示す正面図である。 本発明の実施形態に係る耐力壁としてのラチス柱の要部を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る耐力壁としてのラチス柱の要部を示す分解斜視図である。 図3において5−5線に沿って切断したときの断面図である。 (A)は、本発明の実施形態に係る耐力壁を構成する耐火部材を示す分解斜視図であり、(B)は、本発明の実施形態に係る耐力壁を構成する耐火部材を示す斜視図である。 (A)、(B)は、本発明の実施形態に係る耐力壁としてのラチス柱の変形例を示す正面図である。 本発明の実施形態に係る耐火柱を示す斜視図である。
以下、図1〜図6を用いて、本発明の実施の形態に係る建物について説明する。
図1には、本実施形態に係る耐力壁としてのラチス柱10を備えた鉄骨軸組み工法による2階建の建物12の躯体構造が図示されており、基礎14と一階部分16と二階部分18と図示しない屋根部分で構成されている。
図1に示される建物12の躯体は、所定箇所に立設された複数本の鉄骨柱20と、ラチス柱10と、当該鉄骨柱20或いはラチス柱10の上端部間に掛け渡された複数本の天井大梁24と、当該鉄骨柱20或いはラチス柱10の下端部間に掛け渡された複数本の床大梁26と、を含んで構成されている。
(耐力壁の構造)
ここで、本実施の形態に係る耐力壁の構造について説明する。
図2に示されるように、耐力壁としてのラチス柱10は、一定の間隔を設けて互いに対向して配置された一対の鉄骨柱28、30を備えている。なお、鉄骨柱28、30は前述した鉄骨柱20と同じものであるが、説明の便宜上符号を変えて説明する。
本実施形態では、鉄骨柱28、30はそれぞれ角型状を成しており、互いに対向する対向壁28Aと対向壁30Aの間には、建物12(図1参照)の高さ方向に沿ってジグザグ形状に形成されたラチス材32が設けられている。
ラチス材32は、鉄骨で形成された丸棒状を成しており、ジグザグ形状の山部32A、谷部32Bに相当する部分は、建物12の高さ方向に沿ってそれぞれ直線状に形成されており、当該山部32A、谷部32Bがそれぞれ連結部34、36とされている。連結部34は、鉄骨柱28の対向壁28Aに対して溶接等により接合されており、連結部36は、鉄骨柱30の対向壁30Aに対して溶接等により接合されている。
また、連結部34の上部からは斜め上方側へ向かって傾斜部32Cが延出されており、連結部34の下部からは斜め下方へ向かって傾斜部32Dが延出されている。そして、傾斜部32Cと傾斜部32Dは、連結部34を中心として、上下対称となるように形成されている。
ここで、図3及び図5に示されるように、鉄骨柱28の表面(外周)は、耐火部材38によって覆われている。以下、当該耐火部材38について具体的に説明する。なお、この耐火部材38は、鉄骨柱28と鉄骨柱30(図2参照)とで仕様が同じであるため、鉄骨柱28側についてのみ説明を行い、鉄骨柱30側については説明を省略する。
耐火部材38は、例えば、耐火材、不燃材による耐火性ボードによって形成された、一対の耐火材40、42によって構成されている。耐火材40と耐火材42は略同じ形状とされており、それぞれ平面視で略コ字状を成している。
図4に示されるように、耐火材40、42は、当該耐火材40、42によって外周が覆われる鉄骨柱28の対向壁28Aを覆う板材としての対向壁(壁部)44と、当該対向壁44と対向する板材としての背壁(壁部)46と、当該背壁46と対向壁44とを繋ぐ板材としての側壁(側壁部)48と、をそれぞれ備えている。
図4及び図6(A)に示されるように、対向壁44と背壁46と側壁48とは別々に形成されており、それぞれ矩形板状を成している。なお、図6(A)、(B)では、耐火材40側のみ図示されているが、耐火材42も耐火材40と略同じであるため、図示を省略している。
そして、図4及び図6(B)に示されるように、側壁48は、第1固定具としての釘やビス50によって対向壁44、背壁46の幅方向の一端部に固定されるようになっており、側壁48が対向壁44、背壁46に固定された状態で、これらの部材は一体化される(耐火材40、42)。
図3及び図5に示されるように、耐火材40と耐火材42が互いに接合された状態で、耐火部材38は平面視で略正方形状を成し、鉄骨柱28の外周を覆うようになっている。一例として具体的に説明すると、耐火材40、42の側壁48の内面には、図示はしないが接着用のパテが塗布されており、鉄骨柱28の対向壁28Aと対向壁28Bを繋ぐ側壁28Cの表面に当該側壁48を接着した状態で、第2固定具としての釘やビス52(図3参照)によって、耐火材40、42を鉄骨柱28に固定する。なお、ビス52の表面には腐食防止かつ耐火性を有するパテが塗布される。
ここで、耐火部材38には、鉄骨柱28の対向壁28Aの幅方向の略中央部に相当する部分において、当該耐火部材38の高さ方向に沿って分割線Pが形成される。なお、鉄骨柱28の対向壁28Aと対向する壁28B側には分割線Qが形成される。分割線P、Qを基準に耐火材40と耐火材42が合わさった状態で、これらの分割線P、Qに沿って接着用のパテが塗布される。これにより耐火材40と耐火材42とが一体化され、鉄骨柱28の外周が耐火部材38によって覆われる。
図3及び図4に示されるように、耐火材40、42には、分割線Pが形成される側において、高さ方向に沿って所定の間隔で切欠き部40A、42Aがそれぞれ形成されている。切欠き部40A、42Aは、それぞれ矩形波形状を成しており、耐火材40と耐火材40とが互いに接合された状態で、切欠き部40Aと切欠き部42Aとで矩形状の孔部38Aが形成される。
孔部38Aは、耐火部材38によって鉄骨柱28の外周が覆われた状態で、耐火部材38が鉄骨柱28に接合されたラチス材32の連結部34と干渉しないよう回避するために形成されており、連結部34を中心に切欠き部40Aと切欠き部42Aとで2分割されるようになっている。
なお、本実施形態における「干渉」は、ラチス材32の連結部34が当接することによって鉄骨柱28の表面を耐火部材38で覆うことができない状態を意味しており、切欠き部40A、42Aの内縁部が単に連結部34に接触する、当る等の状態を含むものではない。
また、本実施形態では、鉄骨柱28の対向壁28Aにラチス材32の連結部34が直接接合された状態について説明したが、例えば、図示はしないが、ラチス材32の連結部34に予め板状のブラケットを接合させ、当該ブラケットを鉄骨柱28の対向壁28Aに接合させるようにしても良い。なお、この場合、切欠き部40A、42Aの内縁部とブラケットとの干渉が対象となる。
また、本実施形態では、耐火材40と耐火材42が互いに接合された状態で、ラチス材32の連結部34との干渉を回避する孔部38Aが形成されればよい。このため、耐火材40、42に切欠き部40A、42Aがそれぞれ形成される必要はない。例えば、図示はしないが、一方の耐火材側にのみ切欠き部が形成されてもよい。但し、この場合、図示はしないが、分割線Pの位置が鉄骨柱28の対向壁28Aの幅方向の中央部に対してズレた位置に形成されることになる。
(耐力壁の作用・効果)
次に、本実施の形態に係る耐力壁の作用・効果について説明する。
図2に示されるように、本実施形態では、耐力壁としてのラチス柱10は鉄骨柱28、30及びラチス材32によって構成されている。ラチス材32は、大きな外力(横荷重)が作用すると、ラチス材32に形成された連結部34、36のコーナー部34A、36Aの塑性変形によって、その角度を変えて引張り材及び圧縮材としての役割を果たす。
このため、鉄骨柱28の対向壁28Aと鉄骨柱30の対向壁30Aの間にブレース(図示省略)を用いた場合よりも、より大きな外力に耐えることができる。つまり、この耐力壁は、ブレースを用いた場合よりもエネルギ吸収量を大きくすることができる。
このように、耐力壁をラチス柱10で構成することで、耐力壁をブレースで構成した場合よりもエネルギ吸収量を増大させることができるため、建物12全体で耐力壁の数を減らすことができ、設計の自由度が広がる。なお、このラチス柱10はデザイン性を兼ね備えているため、室内に露出させた状態で用いることもでき、さらに設計の自由度が広がる。
上述のように、本実施形態では、ラチス材32には、連結部34、36が形成されており、これらの連結部34、36が鉄骨柱28の対向壁28A、鉄骨柱30の対向壁30Aにそれぞれ接合されている。そして、鉄骨柱28、30の外周は、耐火部材38によってそれぞれ覆われている。これにより、当該鉄骨柱28、30はいわゆる耐火柱となり、外周が耐火部材38によって覆われていない鉄骨柱と比較して、高い耐火性を得ることができる。
ここで、図2〜図5に示されるように、耐火部材38において、耐火材40と耐火材42が互いに接合される接合部に生じる分割線Pは、鉄骨柱28、30の高さ方向に沿って形成されている。そして、耐火部材38には、孔部38Aが形成されており、当該孔部38Aを介して、鉄骨柱28、30に接合されたラチス材32の連結部34、36が露出している。
つまり、当該孔部38Aによって、ラチス材32の連結部34、36との干渉が回避される。このように、鉄骨柱28、30とラチス材32との連結部34、36との干渉を回避する孔部38Aが耐火部材38に形成されることによって、ラチス柱10のように複雑な柱構造であっても鉄骨柱28、30の外周を耐火部材38で容易に覆うことができる。
また、本実施形態では、耐火部材38に孔部38Aを形成し、当該孔部38Aを通じてラチス材32の連結部34、36を露出させることによって、連結部34、36周りも耐火性を確保することができる。
さらに、本実施形態では、耐火材40、42に切欠き部40A、42Aをそれぞれ形成することによって、当該切欠き部40A、42Aによって連結部34、36が挿通される孔部38Aを形成し、連結部34、36を中心に切欠き部40Aと切欠き部42Aとで2分割されるようにしている。
例えば、ラチス材32の連結部34、36との干渉を回避するに当って、図示はしないが、連結部34の水平方向に沿って分割線を設け、耐火部材38を連結部34の上部側及び下部側で分割させた場合、耐火部材38の高さ方向に沿ってラチス材32の連結部34、36が複数設けられているため、その分分割線が増えてしまう。したがって、耐火材の点数は増え、作業工数も増大し、作業性が悪くなってしまう。
これに対して、本実施形態では、耐火部材38が、ラチス材32の連結部34、36を中心に鉄骨柱28、30の高さ方向に沿って切欠き部40Aと切欠き部42Aとで2分割されるようにしている。つまり、耐火部材38を構成する一対の耐火材40、42を分割線P、Qで互いに接合させることで、切欠き部40A、42Aがラチス材32の連結部34、36との干渉を回避した状態で、鉄骨柱28、30の外周を耐火部材38で容易に覆うことができる。このため、本実施形態によれば、作業性が良い。
さらに、本実施形態では、耐火部材38において、耐火材40と耐火材42が互いに接合される分割線Pが鉄骨柱28、30の高さ方向に沿って形成され、切欠き部40Aと切欠き部42Aとで2分割されるようにしている。これにより、耐火材40と耐火材42を同じ形状とすることができる。これにより、本実施形態によれば、異なる形状の耐火部材をそれぞれ製作するよりも生産性が向上する。
ところで、耐火材40、42は、板材としての対向壁44、背壁46及び側壁48によって構成されており、側壁48をビス50によって対向壁44、背壁46の幅方向の一端部に固定させることでこれらの部材が一体化されるようになっている。このように、耐火材40、42が複数の板材で構成されることによって、例えば、耐火材として綿材を用いた場合と比較して、耐火材40、42は定形とされ、当該耐火材40、42を鉄骨柱28、30に固定させる際の作業性が良い。
また、本実施形態では、予め工場で耐火材40、42を製作することができる。このため、現場では、工場で製作された一対の耐火材40、42を互いに分割線P、Qで接合させればよいため、作業性が良く、現場での作業を削減することができる。さらに、3枚の板材(対向壁44、背壁46及び側壁48)が一体化された耐火材40、42で鉄骨柱28、30の外周を覆うことで耐火柱53自体を工場内で生産することができる。これにより、現場での作業をさらに削減することができる。
さらに、本実施形態では、耐火材40、42の側壁48をビス52(図3参照)によって鉄骨柱28に固定した後、耐火材40と耐火材42の分割線P、Qに沿って接着用のパテを塗布することによって耐火材40と耐火材42とが一体化され、鉄骨柱28の外周が耐火部材38によって覆われるようになっている。
したがって、本実施形態では、図示はしないが、耐火材40、42の各壁部を鉄骨柱28の各側壁に固定する場合と比較して、ビス52の数量は減り、その分作業工数を削減することができる。
(その他の実施形態)
本実施形態では、図2に示されるように、耐力壁として、2本の鉄骨柱28、30とジグザグ形状を成す1つのラチス材32によるラチス柱10について説明したが、これに限るものではない。例えば、耐力壁として、図7(A)に示されるように、2本の鉄骨柱28、30とX形状を成すラチス材54によるラチス柱56を用いても良い。また、耐力壁として、図7(B)に示されるように、3本の鉄骨柱28、30、31と、2つのラチス材32によるラチス柱58を用いても良い。なお、図7(A)、(B)では、耐火部材38の図示を省略している。
また、以上の実施形態では、図3に示されるように、耐力壁について説明したが、本実施形態に係る鉄骨柱28、30は必ずしも耐力壁に適用されるものではない。つまり、本発明は、ラチス材32が接合されない耐火柱としての鉄骨柱60についても適用可能である。但し、この場合、図8に示されるように、鉄骨柱60の外周を覆う耐火部材61を構成する耐火材62、64には、それぞれ切欠き部は形成されない。
なお、この耐火材62、64において、ここでは鉄骨柱60の幅方向の略中央部に分割線P、Qが設けられているが、分割線P、Qの位置は必ずしも鉄骨柱60の幅方向の略中央部である必要はなく、また、分割線Pと分割線Qとで鉄骨柱60の幅方向でその位置が異なっていてもよい。
さらに、本実施形態では、図4及び図6(A)に示されるように、耐火材40及び耐火材42は、対向壁44、背壁46及び側壁48の3枚の板材でそれぞれ構成されているが、板材の数は3枚に限るものではない。また、耐火材40、42のうち、少なくとも一方の耐火材40、42が複数の板材で構成されていればよい。さらに、本実施形態では、上記3枚の部材がビス50によって互いに固定されるようになっているが、当該ビス50に代えて接着剤が用いられても良い。
以上、本発明を実施するための一形態として一実施例を用いて説明したが、本発明はこうした一実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、上述した一実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
10 ラチス柱(耐力壁)
12 建物
28 鉄骨柱(耐力壁、耐火柱)
30 鉄骨柱(耐力壁、耐火柱)
32 ラチス材(耐力壁)
34 連結部
36 連結部
38 耐火部材(耐火材、耐力壁、耐火柱)
40 耐火材(耐力壁、耐火柱)
42 耐火材(耐火柱)
44 対向壁(壁部。板材)
46 背壁(壁部、板材)
48 側壁(側壁部、板材)
50 ビス(第1固定具)
52 ビス(第2固定具)
53 耐火柱(耐力壁)
54 ラチス材(耐力壁)
56 ラチス柱(耐力壁)
58 ラチス柱(耐力壁)
60 鉄骨柱(耐火柱)
61 耐火部材(耐火材、耐火柱)
62 耐火部材(耐火柱)
64 耐火部材(耐火柱)
P 分割線
Q 分割線

Claims (9)

  1. 鉄骨柱と、
    耐火性を有し、前記鉄骨柱の高さ方向に沿って分割線が形成され当該鉄骨柱の外周を覆う一対の耐火材と、
    を備えた耐火柱。
  2. 前記一対の耐火材のうち、少なくとも一方の耐火材は複数の板材で構成されている請求項1に記載の耐火柱。
  3. 前記耐火材は3枚の板材で構成され、前記3枚の板材は第1固定具で固定されて一体化されている請求項1又は請求項2に記載の耐火柱。
  4. 前記耐火材は、平面視でコ字状を成し互いに対向する壁部同士を繋ぐ側壁部が第2固定具によって前記鉄骨柱に固定されることで当該鉄骨柱に固定されている請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の耐火柱。
  5. 複数の鉄骨柱と、
    前記鉄骨柱に接合される連結部が形成され、前記連結部を介して、互いに対向して配置された鉄骨柱と鉄骨柱を繋ぐラチス材と、
    耐火性を有し、前記鉄骨柱の高さ方向に沿って分割線が形成されると共に前記連結部との干渉を回避する切欠き部が形成され、当該鉄骨柱の外周を覆う一対の耐火材と、
    を備えた耐力壁。
  6. 前記一対の耐火材は、前記切欠き部を含んで分割され互いに同じ形状を成している請求項5に記載の耐力壁。
  7. 前記一対の耐火材のうち、少なくとも一方の耐火材は複数の板材で構成されている請求項5又は請求項6に記載の耐力壁。
  8. 前記耐火材は3枚の板材で構成され、前記3枚の板材は第1固定具で固定されて一体化されている請求項5〜請求項7の何れか1項に記載の耐力壁。
  9. 前記耐火材は、平面視でコ字状を成し互いに対向する壁部同士を繋ぐ側壁部が第2固定具によって前記鉄骨柱に固定されることで当該鉄骨柱に固定されている請求項5〜請求項8の何れか1項に記載の耐力壁。

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