JP2017043140A - ラック軸 - Google Patents

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邦晃 三井
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Abstract

【課題】ラック歯の強度の低減を抑制しつつストロークレシオの設定の自由度を向上させることができるラック軸を提供する。
【解決手段】ラック軸6は、ピニオン軸5のピニオン歯と噛み合う複数のラック歯11が軸方向Xに並んで形成されたラック歯形成領域12を有する。ラック歯形成領域12は、軸方向Xにおける中央領域Aと、軸方向Xにおいて中央領域Aよりも外側に位置する外側領域Bとを含む。中央領域Aにおけるラック歯11Aは、第1圧力角を有する第1部分21と、歯すじ方向WAから第1部分21に隣接し、第1圧力角よりも大きい第2圧力角を有する第2部分22とを含む。ラック歯11Bは、第2圧力角よりも大きい第3圧力角を有する。ストロークレシオは、ラック歯11Aがピニオン歯10に噛み合っているときよりも、ラック歯11Bがピニオン歯10に噛み合っているときにおいて大きい。
【選択図】図2

Description

この発明は、ラック軸に関する。
下記特許文献1に記載されたラックシャフトは、ラック歯がピニオン歯と噛み合うことにより、ピニオンシャフトの回転に応じて移動する。ラックシャフトは、ラック歯を所定のストローク領域に有している。ストローク領域の端部位置を含む端部領域におけるラック歯は、ストローク領域の中央位置を含む中央領域におけるラック歯よりも大きい圧力角を有している。
下記特許文献2に記載されたバリアブル・ギアレシオを備えたラック・ピニオン運動変換機構では、ラック移動端(ストロークエンド)において発生する衝撃を吸収するために、ラック軸のラック歯が、ラック軸の軸方向における中央部分では通常のピッチで形成され、ストロークエンド付近ではピッチが細かくなるように形成されている。
下記特許文献3に記載されたラック軸には、複数のラック歯が形成されている。ラック軸の軸方向の中央部分におけるラック歯と、ラック軸の軸方向の両端部分におけるラック歯とでは、ねじれ角、ピッチ、圧力角、歯厚等が異なっている。
特開2013−184597号公報 特開2004−182138号公報 特開2009−125775号公報
特許文献1〜3のラック軸では、ピニオン軸の回転量に対するラック軸の移動量の度合いであるストロークレシオが、ラック軸におけるピニオン軸との噛み合い位置に応じて変化する。ストロークレシオは、ラック軸においてピニオン歯に噛み合うラック歯の圧力角が大きければ大きくなり、ピニオン歯に噛み合うラック歯の圧力角が小さければ小さくなる。ストロークレシオの設定の自由度を向上させるために、ラック歯の強度低下を抑制しつつ、ラック歯の圧力角を広い範囲で設定できることが望ましい。
この発明は、かかる背景のもとでなされたものであり、ラック歯の強度の低下を抑制しつつストロークレシオの設定の自由度を向上させることができるラック軸を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、ピニオン軸(5)とともにラックアンドピニオン機構(13)を構成し、前記ピニオン軸のピニオン歯(10)と噛み合う複数のラック歯(11)が所定方向(X)に並んで形成されたラック歯形成領域(12)を有するラック軸(6)であって、前記ラック歯形成領域は、前記所定方向における中央領域(A)と、前記所定方向において前記中央領域よりも外側に位置する外側領域(B)とを含み、前記中央領域における前記ラック歯(11A)は、第1圧力角(α)を有する第1部分(21)と、当該ラック歯の歯すじ方向(WA)から前記第1部分に隣接し、前記第1圧力角よりも大きい第2圧力角(β)を有する第2部分(22)とを含み、前記外側領域における前記ラック歯(11B)は、前記第2圧力角よりも大きい第3圧力角(γ)を有し、前記ピニオン軸の回転量(θ)に対する前記ラック軸の前記所定方向へのストローク量の度合いを示すストロークレシオ(R)が、前記中央領域における前記ラック歯が前記ピニオン歯に噛み合っているときよりも、前記外側領域における前記ラック歯が前記ピニオン歯に噛み合っているときにおいて大きい、ラック軸である。
請求項2に記載の発明は、前記ラック歯形成領域における前記ピニオン歯との噛み合い位置が前記第1部分から前記外側領域における前記第3圧力角の前記ラック歯まで変化したときにおける前記ストロークレシオの変化量(RC)と同じ変化量(RC1)が得られるように、前記噛み合い位置を前記第2部分から前記外側領域における前記ラック歯まで変化させたときの前記外側領域の前記ラック歯に設定される圧力角を第4圧力角(δ)とした場合に、前記第3圧力角は、前記第4圧力角以下である、請求項1に記載のラック軸である。
請求項3に記載の発明は、前記第2圧力角は、前記ピニオン歯の圧力角(ε)と等しい、請求項1または2に記載のラック軸である。
なお、上記において、括弧内の数字等は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
請求項1に記載の発明によれば、ピニオン軸とともにラックアンドピニオン機構を構成するラック軸は、ピニオン軸のピニオン歯と噛み合う複数のラック歯が所定方向に並んで形成されたラック歯形成領域を有する。ラック歯の圧力角とは、ラック軸の軸方向に直交する線とラック歯の歯形の接線とのなす角度のことである。
ラック歯形成領域の中央領域におけるラック歯は、第1圧力角を有する第1部分と、第1圧力角よりも大きい第2圧力角を有する第2部分とを含み、ラック歯形成領域の外側領域におけるラック歯は、第2圧力角よりも大きい第3圧力角を有する。また、ピニオン軸の回転量に対するラック軸の所定方向へのストローク量の度合いを示すストロークレシオは、中央領域におけるラック歯がピニオン歯に噛み合っているときよりも、外側領域におけるラック歯がピニオン歯に噛み合っているときにおいて大きい。この場合、最も小さい第1圧力角によってストロークレシオの範囲の下限が決定され、最も大きい第3圧力角によってストロークレシオの範囲の上限が決定される。
ラックアンドピニオン機構がステアリング装置に適用される場合には、ラック歯形成領域におけるピニオン歯との噛み合い位置が中央領域である場合、ストロークレシオが相対的に小さいことから、ピニオン軸に連結される操舵部材がぶれにくくなるので、車両の直進安定性を確保できる。また、一方、噛み合い位置が外側領域である場合、ストロークレシオが相対的に大きいことから、ラック軸を操舵部材の操作に敏感に反応させてクイックに動かすことができるので、車両の旋回性を向上させることができる。
第1部分には、第1部分よりも圧力角が大きい第2部分が歯すじ方向から隣接しているため、中央領域におけるラック歯の全体の強度の低下が抑制されている。そのため、中央領域におけるラック歯全体の圧力角は、第1圧力角を小さく設定しても、当該ラック歯全体の強度が十分に確保される。したがって、第1圧力角を小さく設定することによって、ストロークレシオの範囲の下限を低くすることができる。
その結果、ラック歯の強度の低下を抑制しつつストロークレシオの設定の自由度を向上させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、ラック歯形成領域におけるピニオン歯との噛み合い位置が第1部分から外側領域における第3圧力角のラック歯まで変化したときにおけるストロークレシオの変化量と同じ変化量が得られるように、噛み合い位置を第2部分から外側領域におけるラック歯まで変化させたとする。このときの外側領域のラック歯に設定される圧力角を第4圧力角とした場合に、第3圧力角は、第4圧力角以下である。
第3圧力角を第4圧力角と等しくなるように設定すると、ストロークレシオの範囲の上限を高くすることができるので、ストロークレシオの設定の自由度をさらに向上させることができる。また、第3圧力角を第4圧力角よりも低くなるように設定しても、噛み合い位置を中央領域から外側領域におけるラック歯まで変化させたときに必要なストロークレシオの変化量を確保できる。
請求項3に記載の発明のように、第2圧力角は、ピニオン歯の圧力角と等しくてもよい。
図1は、本発明の一実施形態に係るラック軸を備えるステアリング装置の概略正面図である。 図2は、ラック軸のラック歯形成領域の周辺を拡大した図である。 図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。 図4は、図2のIV−IV線に沿った断面図である。 図5は、図2のV−V線に沿った断面図である。 図6は、ピニオン軸の回転量に対するストロークレシオの変化を示したグラフ図である。 図7は、本実施形態のストロークレシオと参考例のストロークレシオとを比較するためのグラフ図である。
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るラック軸6を備えるステアリング装置1の概略正面図である。
図1を参照して、ステアリング装置1は、操舵部材2と、ステアリングシャフト3と、中間軸4と、ピニオン軸5と、ラック軸6と、ラックハウジング7とを主に含んでいる。
操舵部材2として、たとえば、ステアリングホイールを用いることができる。操舵部材2には、ステアリングシャフト3の一端が連結されている。ステアリングシャフト3の他端と中間軸4の一端とが自在継手8によって連結されている。また、中間軸4の他端とピニオン軸5の一端とが自在継手9によって連結されている。ピニオン軸5の他端の外周面には複数のピニオン歯10が一体的に設けられている。
ラック軸6は、車両の幅方向である図1の左右方向に延びる略円柱状である。ここで、図1においてラック軸6が延びる左右方向を、所定方向としての軸方向Xとする。以下では、図1のステアリング装置1の姿勢を基準として、図1の左側を軸方向Xの一方側X1といい、図1の右側を軸方向Xの他方側X2という。また、軸方向Xに対して直交する方向のうち、図1の紙面の上下に延びる方向を直交方向Yとする。図1以外の各図において図1の軸方向X、一方側X1、他方側X2および直交方向Yに対応する方向には、図1と同じ符号を付している。ラック軸6は、ラックハウジング7に収容されている。ラックハウジング7は、車体(図示せず)に固定されている。
ラック軸6は、複数のラック歯11が軸方向Xに並んで形成されたラック歯形成領域12を有している。ラック歯11は、ピニオン歯10と噛み合っている。ラック軸6は、ピニオン軸5とともにラックアンドピニオン機構13を構成している。
軸方向Xに関するラック軸6の両端は、それぞれ、ラックハウジング7から突出しており、ボールジョイント等の継手部材14およびタイロッド15等を介して転舵輪16に連結されている。
ピニオン軸5は、ステアリングシャフト3および中間軸4を介して操舵部材2の回転が伝達されることによって回転する。ピニオン軸5に伝達された回転は、ピニオン歯10とラック歯11との噛み合いによってラック軸6の軸方向Xへの移動に変換される。ラック軸6が軸方向Xに移動することで、転舵輪16が転舵される。
車両が直進しているときのステアリング装置1の状態を、操舵中立状態ということにする。また、軸方向Xにおけるラック軸6の位置をストローク位置とし、操舵中立状態におけるラック軸6のストローク位置を中立位置とする。また、ラック軸6が中立位置から軸方向Xへ移動し、ストッパ等(図示せず)に当接することによって当該移動が規制されたときのラック軸6のストローク位置をストロークエンド位置とする。
図2は、ラック軸6のラック歯形成領域12の周辺を拡大した図である。
図2を参照して、ラック歯形成領域12は、軸方向Xにおける中央領域Aと、軸方向Xにおいて中央領域Aよりも外側に位置する一対の外側領域Bと、中央領域Aと外側領域Bとの間に位置する中間領域Cとを含む。中央領域Aにおけるラック歯11AのピッチPAは、外側領域Bにおけるラック歯11BのピッチPBよりも小さい。また、直交方向Yに対するラック歯11Aの歯すじ方向WAの交差角度である捩れ角aは、ラック歯11Bの歯すじ方向WBについての捩れ角bよりも小さい。
図2では、中間領域Cにおけるラック歯11の図示を省略しているが、中間領域Cのラック歯11では、ピッチ、捩れ角および圧力角(後述する)のそれぞれが中央領域Aのラック歯11Aよりも大きく設定されており、ラック歯形成領域12において軸方向Xの外側のラック歯11へ向かうにしたがって大きくなるように設定されている。
図2において二点鎖線で囲った部分の拡大図を参照して、ラック軸6が中立位置にあるときの軸方向Xにおけるピニオン軸5の位置を一点鎖線で図示している。中立位置付近にあるときのラック軸6の中央領域Aにおけるラック歯11Aは、ピニオン歯10と接触する第1部分21と、第1部分21にラック歯11Aの歯すじ方向WAから隣接する第2部分22とを一体的に含む。
第1部分21は、中央領域Aのラック歯11Aにおいて破線で囲った部分である。直交方向Yにおけるラック歯形成領域12の幅Hが例えば20mmの場合、直交方向Yにおける第1部分21の幅hは、4mm程度である。
ラック軸6が中立位置にあるときに歯すじ方向WAにおけるラック歯11とピニオン歯10とが接触する位置がラック歯11毎に異なることに応じて、第1部分21は、歯すじ方向WAにおける位置がラック歯11A毎に異なっていてもよい。ピニオン歯10は、中央領域Aにおけるラック歯11Aの2〜3枚と同時に噛み合う。例えば、本実施形態のように中央領域Aにラック歯11Aが3つ配置されている場合、これらの3つのうちの中央のラック歯11Aでは、歯すじ方向WAにおける略中央に第1部分21が位置している。
また、これらの3つのラック歯11Aのうち軸方向Xの両側に配置された2つのラック歯11Aでは、歯すじ方向WAにおける端部付近に第1部分21が位置している。詳しくは、当該2つのラック歯11Aでは、一方側X1のラック歯11Aの第1部分21が歯すじ方向WAにおける一端側(図2の紙面の下側)に位置しており、他方側X2のラック歯11Aの第1部分21が歯すじ方向WAにおける他端側(図2の紙面の上側)に位置している。
図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。図3では、実際にはピニオン軸5およびピニオン歯10は現れないが、説明の便宜上、中央領域Aのラック歯11Aに噛み合った状態のピニオン歯10とピニオン軸5とを二点鎖線で図示している(後述する図4も同様)。
図3を参照して、以下では、ラック歯11の圧力角とは、ラック軸6の径方向RDに延びる直線Lと、ピッチ点P1におけるラック歯11の歯面の接線とのなす鋭角の角度のことである。ここで、ピッチ点P1とは、ピニオン歯10の歯面とラック歯11とが接する点のことである。また、ピニオン歯10の圧力角εとは、ピニオン軸5の中心からピニオン軸5の径方向に延びる半径線RLと、ピッチ点P1におけるピニオン歯10の歯面の接線TLとのなす鋭角の角度のことである。
中央領域Aにおけるラック歯11Aの第1部分21は、第1圧力角αを有する。第1圧力角αは、ピニオン歯10の圧力角εよりも小さい。例えば、ピニオン歯10の圧力角εが、一般的にJIS等において標準値として規定された20°であるとき、第1圧力角αは15°である。
図2のIV−IV線に沿った断面図である図4を参照して、中央領域Aにおけるラック歯11Aの第2部分22(図2も参照)は、第1圧力角α(図3参照)よりも大きい第2圧力角βを有する。第2圧力角βは、ピニオン歯10の圧力角ε以上の角度であり、例えば圧力角εと等しい。
ここで、ラック歯11において、歯厚とは、軸方向Xにおける歯元25の幅のことである。ラック歯11の圧力角が大きければ歯厚が大きくなる。第2圧力角βは、第1圧力角αよりも大きいので、第2部分22におけるラック歯11Aの歯厚T2は、第1部分21におけるラック歯11Aの歯厚T1(図3参照)よりも大きい。そのため、ラック歯11Aの歯元25の強度(歯元強度)は、第1部分21よりも第2部分22において高い。
図2のV−V線に沿った断面図である図5を参照して、外側領域Bにおけるラック歯11Bは、ピニオン歯10(図3参照)と噛み合う部分の全域において第3圧力角γを有する。第3圧力角γは、第2圧力角β(図4参照)よりも大きい。ラック歯11Bの歯厚T3は、ラック歯11Aの第2部分22の歯厚T2(図4参照)よりも大きい。
図6は、ピニオン軸5の回転量に対するストロークレシオRの変化を示したグラフ図である。ストロークレシオRとは、ピニオン軸5(図1参照)の回転量に対する軸方向Xへのラック軸6(図1参照)のストローク量の度合いである。詳しくは、ストロークレシオRは、ピニオン軸5の単位回転量当たりにラック軸6が軸方向Xへストロークした量を示す指標であり、ピニオン軸5の回転量に対するラック軸6のストローク量の比率である。ストロークレシオRは、ピニオン歯10とラック歯11との間のギヤ比に相当する。
図6の横軸は、ピニオン軸5の回転量を示す回転角θを示している。ここでは、ラック軸6が中立位置にあるときの回転角θをθ=0として、ラック軸6のストローク位置が中立位置よりも一方側X1である場合のピニオン軸5の回転角を「+」で示し、ストローク位置が中立位置よりも他方側X2である場合のピニオン軸5の回転角を「−」で示している。ラック軸6がストロークエンド位置にあるときのピニオン軸5の回転角をそれぞれ「+θE」および「−θE」とする。また、図6の横軸の下には、回転角θのときにピニオン歯10(図2参照)に噛み合うラック歯11(図2参照)が形成されている領域(中央領域A、外側領域Bおよび中間領域Cのいずれか)の符号をそれぞれ示している。図6の縦軸は、ストロークレシオRを示している。
図2および図6を参照して、θ=0付近では中央領域Aにおけるラック歯11Aの第1部分21がピニオン歯10に噛み合っており、θ=+θEおよびθ=−θE付近では、外側領域Bにおけるラック歯11Bがピニオン歯10に噛み合っている。
ピニオン軸5が回転してθ=0からθ=+θEまたはθ=−θEに変化する間、ピニオン歯10は、ラック歯11Aの第2部分22や中間領域Cにおけるラック歯11と噛み合う状態を介して、ラック歯11Aの第1部分21に接触している状態から外側領域Bのラック歯11Bに噛み合う状態まで変化する。
ストロークレシオRは、ピニオン歯10に噛み合うラック歯11の圧力角が大きくなれば大きくなり、ピニオン歯10に噛み合うラック歯11の圧力角が小さくなれば小さくなる。
中間領域Cにおけるラック歯11の圧力角は、たとえば、中央領域Aから外側領域Bへ向かうにしたがって大きくなる。そのため、ピニオン歯10が中間領域Cにおけるラック歯11と噛み合った状態で回転角θが大きくなると、ストロークレシオRが徐々に大きくなる。また、中央領域A、中間領域Cおよび外側領域Bのそれぞれの境界においてストロークレシオRが急に変動しないように、当該境界におけるラック歯11の圧力角の値を設定してもよい。
図6に示すように、ストロークレシオRは、中央領域Aにおけるラック歯11Aがピニオン歯10に噛み合っているときよりも、外側領域Bにおけるラック歯11Bがピニオン歯10に噛み合っているときにおいて大きい。
中央領域Aにおけるラック歯11Aの第1部分21がピニオン歯10に接触しているときのストロークレシオRをストロークレシオR1とし、外側領域Bにおけるラック歯11Bがピニオン歯10に噛み合っているときのストロークレシオRをストロークレシオR3とする。ストロークレシオRでは、ストロークレシオR3が最も高く、ストロークレシオR1が最も低い。
ストロークレシオRの範囲の下限は、最も小さい第1圧力角α(図3参照)によって決定され、ストロークレシオRの範囲の上限は、最も大きい第3圧力角γ(図5参照)によって決定される。
ラック歯形成領域12におけるピニオン歯10との噛み合い位置が中央領域Aにおけるラック歯11Aの第1部分21から外側領域Bにおけるラック歯11Bまで変化すると、ストロークレシオRが所定の変化量RCだけ変化する。変化量RCは、ストロークレシオR3とストロークレシオR1との差に相当する。ちなみに、大きな変化量RCを得るために、(R3−R1)/R1で現わされるストロークレシオRの変化率は、25%以上であることが好ましく、30%以上であることが一層好ましい。
以上のように、ラックアンドピニオン機構13(図1参照)は、ラック歯形成領域12内における位置によってストロークレシオRが異なる、いわゆるVGR(Variable Gear Ratio)のラックアンドピニオン機構である。VGRのラックアンドピニオン機構では、ピニオン歯10とラック歯11との間のギヤ比が操舵部材2の操舵角の増加(ピニオン軸5の回転角θの絶対値の増加)に応じて大きくなる。
VGRのラックアンドピニオン機構では、ラック歯形成領域12におけるピニオン歯10との噛み合い位置が中央領域Aである場合、ストロークレシオRが相対的に小さいことから、ピニオン軸5に連結される操舵部材2がぶれにくく車両の直進安定性を確保できる。また、一方、噛み合い位置が外側領域Bである場合、ストロークレシオRが相対的に大きいことから、ラック軸6を操舵部材2の操作に敏感に反応させてクイックに動かすことができるので、車両の旋回性を向上させることができる。
本実施形態によれば、第1圧力角αよりも大きい第2圧力角βを有する第2部分22が、ラック歯11Aの歯すじ方向WAから第1部分21に隣接しているため、中央領域Aにおけるラック歯11の全体の強度の低下が抑制されている。そのため、中央領域Aにおけるラック歯11A全体の圧力角が第1圧力角αを、例えば、ピニオン歯10の圧力角εよりも小さい角度に設定しても、ラック歯11A全体の強度が十分に確保される。したがって、第1圧力角αを小さく設定することによって、ストロークレシオRの範囲の下限を低くすることができる。また、ストロークレシオRの変化率を向上させることもできる。
その結果、ラック歯11の強度の低下を抑制しつつラック軸6のストロークレシオRの設定の自由度を向上させることができる。
また、ラック歯11Aでは、第1部分21以外の部分、すなわち第2部分22の第2圧力角βを小さくする必要がないことから、ラック歯11Aの歯厚T2の減少が抑制されるのでラック歯11の歯元強度の低下も抑制できる。さらに、第2圧力角βを小さくする必要がないので、ラック歯11を加工する際に工具によって歯元25付近が削り取られる切下げ(いわゆるアンダーカット)が発生しにくくなるため、歯元強度のさらなる向上を図れる。
次に、ラック歯形成領域12におけるピニオン歯10との噛み合い位置を第2部分22から外側領域Bにおけるラック歯11Bまで変化させたときに、ストロークレシオRが所定の変化量RCと等しい変化量RC1だけ変化する参考例のラック軸を想定する。
図7は、本実施形態のストロークレシオRと参考例のストロークレシオRとを比較するためのグラフ図である。図7では、参考例のラック軸をステアリング装置1(図1参照)に適用した場合のストロークレシオRを二点鎖線で示している。また、図7では、説明の便宜上、θ=0からθ=+θEの範囲のみを図示している。
図7では、参考例のラック軸において、中央領域Aにおけるラック歯11Aの第2部分22がピニオン歯10に接触しているときのストロークレシオRをストロークレシオR2とし、外側領域Bにおけるラック歯11Bがピニオン歯10に噛み合っているときのストロークレシオRをストロークレシオR4として図示している。
図2および図7を参照して、参考例のラック軸では、外側領域Bのラック歯11Bは、第4圧力角δを有している。外側領域Bにおけるラック歯11Bの第3圧力角γは、第4圧力角δ以下である。例えば、第4圧力角δが40°である場合、第3圧力角γは、35°である。
本実施形態のラック軸6において、第3圧力角γを第4圧力角δと等しくなるように設定すると、ストロークレシオRの範囲の上限を高くすることができるので、ストロークレシオRの設定の自由度をさらに向上させることができる。また、第4圧力角δよりも低くなるように第3圧力角γを設定しても、噛み合い位置を中央領域Aにおけるラック歯11Aから外側領域Bにおけるラック歯11Bまで変化させたときに必要なストロークレシオRの変化量RC1を確保できる。
外側領域Bの第3圧力角γを低減することで、ピニオン軸5がラック軸6を軸方向Xに移動させ易くなるので、ピニオン軸5を駆動するためのトルクが低減される。一方、ラック軸6がピニオン軸5から受ける反力のうち直交方向Yの成分(離間力)は小さくなるので、ステアリング装置1において直交方向Yからラック軸6をピニオン軸5に付勢するために設けられるラックガイド(図示せず)用のばね(図示せず)を小型化および軽量化することができる。
第3圧力角γを低減することによって、外側領域Bにおけるラック歯11Bの捩れ角bも低減することができるので、捩れ角bに起因してラック軸6に対してピニオン軸5が揺動することによって発生する揺動モーメントを低減できる。また、前述した離間力や揺動モーメントを低減することによってピニオン軸5の振動やラック歯11とピニオン歯10との接触による異音の発生を抑制できる。
なお、離間力や揺動モーメントを低減することで、ラック歯11の歯元25の破損が抑制される。そのため、ラック軸6がストロークエンド位置でストッパ(図示せず)に当接した際に破損しない程度の強度でラック歯11Bを設計すれば足りる。
また、第3圧力角γおよび捩れ角bが低減されることにより、ピニオン歯10とラック歯11とが深く噛み合うことができるので、ピニオン歯10と同時に噛み合うラック歯11の枚数を示す噛み合い率の低下を抑制できる。
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内において種々の変更が可能である。
5…ピニオン軸、6…ラック軸、10…ピニオン歯、11…ラック歯、11A…ラック歯、11B…ラック歯、12…ラック歯形成領域、13…ラックアンドピニオン機構、21…第1部分、22…第2部分、A…中央領域、B…外側領域、R…ストロークレシオ、RC…変化量、RC1…変化量、WA…歯すじ方向、X…軸方向、α…第1圧力角、β…第2圧力角、γ…第3圧力角、δ…第4圧力角、ε…圧力角、θ…回転角

Claims (3)

  1. ピニオン軸とともにラックアンドピニオン機構を構成し、前記ピニオン軸のピニオン歯と噛み合う複数のラック歯が所定方向に並んで形成されたラック歯形成領域を有するラック軸であって、
    前記ラック歯形成領域は、前記所定方向における中央領域と、前記所定方向において前記中央領域よりも外側に位置する外側領域とを含み、
    前記中央領域における前記ラック歯は、第1圧力角を有する第1部分と、当該ラック歯の歯すじ方向から前記第1部分に隣接し、前記第1圧力角よりも大きい第2圧力角を有する第2部分とを含み、
    前記外側領域における前記ラック歯は、前記第2圧力角よりも大きい第3圧力角を有し、
    前記ピニオン軸の回転量に対する前記ラック軸の前記所定方向へのストローク量の度合いを示すストロークレシオが、前記中央領域における前記ラック歯が前記ピニオン歯に噛み合っているときよりも、前記外側領域における前記ラック歯が前記ピニオン歯に噛み合っているときにおいて大きい、ラック軸。
  2. 前記ラック歯形成領域における前記ピニオン歯との噛み合い位置が前記第1部分から前記外側領域における前記第3圧力角の前記ラック歯まで変化したときにおける前記ストロークレシオの変化量と同じ変化量が得られるように、前記噛み合い位置を前記第2部分から前記外側領域における前記ラック歯まで変化させたときの前記外側領域の前記ラック歯に設定される圧力角を第4圧力角とした場合に、前記第3圧力角は、前記第4圧力角以下である、請求項1に記載のラック軸。
  3. 前記第2圧力角は、前記ピニオン歯の圧力角と等しい、請求項1または2に記載のラック軸。
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