JP2017041352A - 電極の製造方法及び電極の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ加工による活物質層への熱影響を抑えることができ、かつロータリーダイカッタの刃先に付着物が付着することを抑制することができる電極の製造方法、及び電極の製造装置を提供すること。【解決手段】電極中間体50から正極電極を切り出す工程は、切断予定線のうち、第2の前駆体54bに位置する部位に脆弱部59を形成する脆弱部形成工程と、脆弱部形成工程で形成された脆弱部59を切断する切断工程と、を備える。脆弱部形成工程における脆弱部59の形成をロータリーダイカッタ71で行い、切断工程における脆弱部59の切断、及び露出部の切断をレーザ照射装置81で行う。【選択図】図3
Description
本発明は、電極の製造方法及び電極の製造装置に関する。
従来から、EV(Electric Vehicle)やPHV(Plug in Hybrid Vehicle)などの車両には、電装品で使用される電力を蓄えるための蓄電装置が搭載されている。このような蓄電装置としては、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池といった二次電池が知られている。二次電池は、正極及び負極の電極を備えているとともに、電極は、金属箔と、活物質を含有している活物質層と、活物質層が存在せず、露出した金属箔だけの未塗工部と、を備えている。
このような電極の製造は、一例として、活物質、導電剤、溶媒及びバインダを混合した活物質ペーストを帯状金属箔の表面に塗布する。次に、活物質ペーストを乾燥させて活物質層の前駆体を形成し、帯状金属箔と活物質層の前駆体とを有する長尺状の電極中間体を形成する。次に、電極中間体における帯状金属箔及び活物質層の前駆体を電極の形状に切断して、電極中間体から電極を切り出す。
電極中間体から電極を切り出す方法として、レーザ照射装置から照射されたレーザで電極中間体を電極の形状に切断する方法がある。しかし、電極は、活物質層と金属箔との積層構造の部分と、金属箔だけの未塗工部の部分とが共存しており、積層構造の部分をレーザで切断するために、積層構造の部分に合わせたレーザ出力とすると、活物質層の端面が熱影響を受けて垂れ下がった形状になってしまい、電池容量が低下してしまう。
そこで、レーザによる熱影響が活物質層に及ぶのを抑制するために、電極中間体をロータリーダイカッタで切断する方法が考えられる。ロータリーダイカッタとしては、例えば、特許文献1に開示のロータリーダイカッタが挙げられる。特許文献1のロータリーダイカッタは、外周面から径方向外側に向けて突出した刃型を有するダイカットロールと、外周面が平滑に形成されたアンビルロールとを備える。そして、特許文献1に開示のロータリーダイカッタを用いて電極中間体から電極を切り出す場合は、ダイカットロールとアンビルロールとの間に電極中間体を挿通する。すると、刃型によって電極中間体が電極の形状に切り抜かれ、電極中間体から電極が切り出される。刃型によって活物質層の前駆体が切り抜かれるため、活物質層の端面が熱影響によって垂れ下がることがない。
ところで、ロータリーダイカッタの刃型によって電極中間体を切り抜いて電極を製造する場合には、非常に薄い金属箔を刃型によって切り抜く。この際、切り抜き部分での金属箔の物理・化学的変化により、金属箔の一部が刃先に付着してしまう。この付着物は硬く、付着物によって刃型の切断性能が低下してしまうため、付着物が付着しないようにするために刃型の刃先の観察を定期的に実施するなど管理が必要となる。また、付着が確認された刃先には研磨が必要となり、刃型の刃先の全てに上記管理を実施することは非常に困難である。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、レーザ加工による活物質層への熱影響を抑えることができ、かつロータリーダイカッタの刃先に付着物が付着することを抑制することができる電極の製造方法、及び電極の製造装置を提供することにある。
上記問題点を解決するための電極の製造方法は、電極の製造方法であって、金属箔と、前記金属箔の少なくとも片面を覆っている活物質層の前駆体と、前記金属箔のうち前記前駆体と重なっていない領域に存在する前記金属箔の露出部と、を備えた電極中間体を切断することにより、予め定めた形状の前記電極を前記電極中間体から切り出す工程を備えており、前記電極を切り出す工程は、前記予め定めた形状に沿って切断が予定されている切断予定部位のうち、前記前駆体に位置する部位に脆弱部を形成する脆弱部形成工程と、前記脆弱部形成工程で形成された前記脆弱部を切断する切断工程と、を備え、前記脆弱部形成工程における前記脆弱部の形成をダイカッタで行い、前記切断工程における前記脆弱部の切断、及び前記切断予定部位のうち前記露出部に位置する部位の切断をレーザ照射装置で行う、又は前記脆弱部形成工程における前記脆弱部の形成、及び前記切断予定部位のうち前記露出部に位置する部位の切断をレーザ照射装置で行い、前記切断工程における前記脆弱部の切断をダイカッタで行うことを要旨とする。
これによれば、電極を電極中間体から切り出す工程を行うにあたり、ダイカッタによって脆弱部の形成、又は脆弱部の切断が行われる。このため、ダイカッタ単独で薄い金属箔のみを切断することはなく、ダイカッタの刃先に金属箔の一部が付着してしまうことが抑制される。
また、脆弱部形成工程及び切断工程のいずれでも露出部の切断はレーザ照射装置から照射されたレーザで行う。そして、脆弱部形成工程でレーザを照射する場合は脆弱部を形成する場合であり、切断工程でレーザを照射する場合は脆弱部を切断する場合である。このため、レーザ出力は、金属箔のみを切断でき、かつ脆弱部の形成や脆弱部の切断が可能であればよく、金属箔と活物質層の前駆体との積層構造の部分を切断するのに必要なレーザ出力より低出力とすることができる。このため、レーザ照射装置を使用しても、レーザ加工による活物質層への熱影響を抑えることができる。
また、電極の製造方法について、前記金属箔は長尺な帯状金属箔であり、前記ダイカッタはロータリーダイカッタであって、前記電極を切り出す工程を前記帯状金属箔の長手方向に沿って連続的に行ってもよい。
これによれば、ロータリーダイカッタの回転によって、帯状金属箔に対して、連続的に脆弱部の形成、又は脆弱部の切断を行うことができ、電極を切り出す工程を連続的に行うことが可能になり、電極の生産性が向上する。
また、電極の製造方法について、前記レーザ照射装置は、レーザを発生させるレーザ発振器と、前記レーザを走査させる光学制御機器を有するスキャニング装置とを備えていてもよい。
これによれば、スキャニング装置により、レーザ発振器で発生させたレーザを切断予定部位に沿って走査させることができる。
また、電極の製造方法について、前記脆弱部形成工程を前記電極中間体の一方の面から行い、前記切断工程を前記電極中間体の他方の面から行う。
また、電極の製造方法について、前記脆弱部形成工程を前記電極中間体の一方の面から行い、前記切断工程を前記電極中間体の他方の面から行う。
これによれば、電極中間体は両面から切り込まれることになる。各切れ込みは、例えば、V字のように電極組立体の厚み方向に進むほど狭くなる。よって、電極中間体から切り出された電極において、活物質層の端縁を面取りされた状態とすることができる。
また、電極の製造方法について、前記脆弱部においては、前記金属箔が切断されており、かつ前記電極中間体から前記電極として切り出される部分と、前記電極として切り出される部分とは異なる部分とが、前記片面を覆っている前記前駆体のみで繋がっている。
これによれば、切断予定部位のうち、脆弱部においては、電極中間体が完全には切断されていない。このため、電極として切り出される部分の電極中間体での変位が抑制され、電極中間体の中に、電極として切り出される部位の位置決めが簡単にできる。
また、電極の製造方法について、前記脆弱部形成工程を前記ダイカッタで行った後、前記切断工程を前記レーザ照射装置で行うのが好ましい。
これによれば、ダイカッタで脆弱部を形成した後、レーザ照射装置によって脆弱部及び露出部を切断して電極を電極中間体から切り出す。レーザ照射装置は、位置制御可能であるため、レーザの照射位置を切断予定部位に併せやすく、電極を所定の形状に切り出しやすい。
これによれば、ダイカッタで脆弱部を形成した後、レーザ照射装置によって脆弱部及び露出部を切断して電極を電極中間体から切り出す。レーザ照射装置は、位置制御可能であるため、レーザの照射位置を切断予定部位に併せやすく、電極を所定の形状に切り出しやすい。
上記問題点を解決するための電極の製造装置は、金属箔と、前記金属箔の少なくとも片面を覆っている活物質層の前駆体と、前記金属箔のうち前記前駆体と重なっていない領域に存在する前記金属箔の露出部と、を備えた電極中間体を切断することにより、予め定めた形状の電極を前記電極中間体から切り出す電極の製造装置であって、予め定めた形状に沿って切断が予定されている切断予定部位のうち、前記前駆体に位置する部位への脆弱部の形成、該脆弱部の切断、及び前記露出部に位置する部位の切断を行うために、ダイカッタとレーザ照射装置とを備えることを要旨とする。
これによれば、電極を電極中間体から切り出して製造するにあたり、ダイカッタ又はレーザ照射装置によって、前駆体に脆弱部の形成を行うことにより、ダイカッタ単独で薄い金属箔のみを切断することはなく、ダイカッタの刃先に金属箔の一部が付着してしまうことが抑制される。
また、ダイカッタで脆弱部を形成した場合は、レーザ照射装置で脆弱部の切断を行い、レーザ照射装置で脆弱部を形成した場合は、ダイカッタで脆弱部の切断を行う。さらに、露出部の切断はレーザ照射装置から照射されたレーザで行う。レーザ出力は、金属箔のみを切断でき、かつ脆弱部の切断が可能であればよく、金属箔と活物質層の前駆体との積層構造の部分を切断するのに必要なレーザ出力より低出力とすることができる。このため、レーザ照射装置を使用しても、レーザ加工による活物質層への熱影響を抑えることができる。
また、電極の製造装置について、前記金属箔は長尺な帯状金属箔であり、前記ダイカッタはロータリーダイカッタであってもよい。
これによれば、ロータリーダイカッタの回転によって、帯状金属箔を用いた電極中間体に対して、連続的に脆弱部の形成、又は脆弱部の切断を行うことができ、電極を切り出す工程を連続的に行うことが可能になり、電極の生産性が向上する。
これによれば、ロータリーダイカッタの回転によって、帯状金属箔を用いた電極中間体に対して、連続的に脆弱部の形成、又は脆弱部の切断を行うことができ、電極を切り出す工程を連続的に行うことが可能になり、電極の生産性が向上する。
また、電極の製造装置について、前記レーザ照射装置は、レーザを発生させるレーザ発振器と、前記レーザを走査させる光学制御機器を有するスキャニング装置とを備えていてもよい。
これによれば、スキャニング装置により、レーザ発振器で発生させたレーザを切断予定部位に沿って走査させることができる。
また、電極の製造装置について、前記ダイカッタは前記電極中間体の一方の面側に配置され、前記レーザ照射装置は前記電極中間体の他方の面側に配置されているのが好ましい。
また、電極の製造装置について、前記ダイカッタは前記電極中間体の一方の面側に配置され、前記レーザ照射装置は前記電極中間体の他方の面側に配置されているのが好ましい。
これによれば、電極中間体は、ダイカッタとレーザ照射装置によって、両面から切り込まれることになる。各切れ込みは、例えば、V字のように電極組立体の厚み方向に進むほど狭くなる。よって、電極中間体から切り出された電極において、活物質層の端縁を面取りされた状態とすることができる。
また、電極の製造装置について、前記レーザ照射装置を覆う被覆部を備えていてもよい。
これによれば、レーザ照射に伴い電極中間体から生じた切り粉やスパッタが、レーザ照射装置の周囲に飛散することを被覆部によって抑制することができる。
これによれば、レーザ照射に伴い電極中間体から生じた切り粉やスパッタが、レーザ照射装置の周囲に飛散することを被覆部によって抑制することができる。
また、電極の製造装置について、前記被覆部の内側に気流を発生させる気流発生装置を備えていてもよい。
これによれば、気流発生装置は、送風装置と吸引装置を備える。そして、送風装置から空気を送り、かつ吸引装置によって被覆部内を吸引することで、被覆部内には、送風装置から吸引装置に向かう気流が発生する。レーザ照射位置から生じた切り粉やスパッタは、発生した気流に乗って吸引装置に吸引される。このため、レーザ照射によって生じた異物が、被覆部内で浮遊し続けることを抑制することができる。
これによれば、気流発生装置は、送風装置と吸引装置を備える。そして、送風装置から空気を送り、かつ吸引装置によって被覆部内を吸引することで、被覆部内には、送風装置から吸引装置に向かう気流が発生する。レーザ照射位置から生じた切り粉やスパッタは、発生した気流に乗って吸引装置に吸引される。このため、レーザ照射によって生じた異物が、被覆部内で浮遊し続けることを抑制することができる。
本発明によれば、レーザ加工による活物質層への熱影響を抑えることができ、かつロータリーダイカッタの刃先に付着物が付着することを抑制することができる。
以下、電極の製造方法及び製造装置を具体化した一実施形態を図1〜図7にしたがって説明する。
最初に、蓄電装置としての二次電池について説明する。
最初に、蓄電装置としての二次電池について説明する。
図1に示すように、二次電池10は、例えばリチウムイオン二次電池である。二次電池10は、電極組立体20と、図示しない電解液と、電極組立体20及び電解液を収容しているケース30と、電極組立体20と電気を授受するための2つの端子40と、を備えている。
図2に示すように、電極組立体20は、電極としての複数の正極電極21と、電極としての複数の負極電極22と、複数のセパレータ26と、を備えている。電極組立体20は、正極電極21と負極電極22がセパレータ26によって相互に絶縁された状態で層状に重なった構造を備えている。
正極電極21及び負極電極22は、シート状の金属箔23を備えている。金属箔23は、第1の面23aと、第1の面23aと平行な第2の面23bと、を備えている。正極電極21の金属箔23は、例えばアルミニウム箔である。負極電極22の金属箔23は、例えば銅箔である。
金属箔23は、四角形の本体部23cと、本体部23cの縁部23dから突出した形状のタブ部25と、を備えている。正極電極21及び負極電極22は、金属箔23の縁部23dに沿う部分を除いて第1の面23a及び第2の面23bを覆う活物質層24を備えている。また、正極電極21及び負極電極22は、縁部23dに沿って金属箔23の露出した未塗工部23eを備え、未塗工部23eは、金属箔23において活物質層24によって覆われていない部位であり、タブ部25も含む。
正極電極21における縁部23dに沿う長さL1は、負極電極22における縁部23dに沿う長さL2より短い。また、正極電極21において、縁部23dに直交する短辺に沿う長さM1は、負極電極22において、縁部23dに直交する短辺に沿う長さM2より短い。
活物質層24は、それぞれの極性用の活物質、バインダ、及び導電助剤などを含有している。活物質層24は、二次電池10としての出力密度を向上させることを目的として、活物質の密度が高められている。セパレータ26は、多孔質な絶縁体である。
次に、電極の製造装置60について説明する。
図3(a)又は図4に示すように、製造装置60は、帯状の電極中間体50を切断し、予め定めた形状の正極電極21又は負極電極22を切り出す工程を行うための装置である。以下、正極電極21の製造について説明する。製造装置60には、電極中間体50が供給される。
図3(a)又は図4に示すように、製造装置60は、帯状の電極中間体50を切断し、予め定めた形状の正極電極21又は負極電極22を切り出す工程を行うための装置である。以下、正極電極21の製造について説明する。製造装置60には、電極中間体50が供給される。
搬送方向D1は、製造装置60において、電極中間体50が搬送される方向を示している。搬送方向D1は、電極中間体50の長手方向と一致する。また、幅方向D2は、電極中間体50の面に沿う方向のうち、搬送方向D1と直交する方向を示している。
ここで、電極中間体50について説明する。
図3(b)又は図4に示すように、帯状の電極中間体50は、シート状の金属箔23を形成し得る、金属箔としての帯状金属箔53を備えている。帯状金属箔53は、第1の面53aと、第1の面53aと平行な面である第2の面53bと、を備えている。なお、帯状金属箔53の第1の面53aは、正極電極21となったときに金属箔23の第1の面23aを構成し、帯状金属箔53の第2の面53bは、正極電極21となったときに金属箔23の第2の面23bを構成する。帯状金属箔53は、搬送方向D1に延びる第1の長縁部E1と、第1の長縁部E1の対辺に沿う第2の長縁部E2と、を備えている。
図3(b)又は図4に示すように、帯状の電極中間体50は、シート状の金属箔23を形成し得る、金属箔としての帯状金属箔53を備えている。帯状金属箔53は、第1の面53aと、第1の面53aと平行な面である第2の面53bと、を備えている。なお、帯状金属箔53の第1の面53aは、正極電極21となったときに金属箔23の第1の面23aを構成し、帯状金属箔53の第2の面53bは、正極電極21となったときに金属箔23の第2の面23bを構成する。帯状金属箔53は、搬送方向D1に延びる第1の長縁部E1と、第1の長縁部E1の対辺に沿う第2の長縁部E2と、を備えている。
電極中間体50は、帯状金属箔53の第1の面53aを覆う第1の前駆体54a及び第2の面53bを覆う第2の前駆体54bを備えている。第1の前駆体54a及び第2の前駆体54bは、それぞれ正極電極21が電極中間体50から切り出された際に、活物質層24となる部位である。第1及び第2の前駆体54a,54bは、電極中間体50の長手方向に沿って、帯状に一定の幅で延びている。
また、帯状金属箔53は、両方の長縁部E1,E2に沿って露出部56を備える。各露出部56は、帯状金属箔53の長手方向に沿って一定幅で露出している。露出部56は、帯状金属箔53と各前駆体54a,54bとが重なっていない部位であり、帯状金属箔53が露出した部分である。そして、各露出部56は、正極電極21が電極中間体50から切り出された際に、未塗工部23eとなる部位である。
続けて、製造装置60について詳しく説明する。
図3(a)又は図4に示すように、製造装置60は、電極中間体50を供給する中間体供給部61を備えている。中間体供給部61は、ロール状に捲回された電極中間体50を支持するホルダ62を備えている。ホルダ62は、電極中間体50の搬送速度にあわせて、電極中間体50を送出する。製造装置60は、電極中間体50を搬送する円柱状の搬送ロール63を備えている。搬送ロール63の軸心は、幅方向D2に沿って延びている。搬送ロール63は、軸心まわりで回転できるように支持されている。
図3(a)又は図4に示すように、製造装置60は、電極中間体50を供給する中間体供給部61を備えている。中間体供給部61は、ロール状に捲回された電極中間体50を支持するホルダ62を備えている。ホルダ62は、電極中間体50の搬送速度にあわせて、電極中間体50を送出する。製造装置60は、電極中間体50を搬送する円柱状の搬送ロール63を備えている。搬送ロール63の軸心は、幅方向D2に沿って延びている。搬送ロール63は、軸心まわりで回転できるように支持されている。
製造装置60は切断機構70を備える。切断機構70は、電極中間体50を、正極電極21の外形に沿って予め決められた切断予定部位としての切断予定線50aで切断することにより、予め定めた形状の正極電極21を電極中間体50から切り出す機構である。切断予定線50aは、電極中間体50において、切断が予定されている部位である。この実施形態において、切断予定線50aは、予め定めた形状である正極電極21の輪郭と同一の形状であり、閉環状である。
この実施形態の切断機構70は、ダイカッタとしてのロータリーダイカッタ71と、レーザ照射装置81と、を備え、ロータリーダイカッタ71は、電極中間体50の一方の面である第1の面53aから脆弱部形成工程を行い、レーザ照射装置81は、電極中間体50の他方の面である第2の面53bから切断工程を行う。
ロータリーダイカッタ71は、ロータリーダイ72と、アンビルロール73とを備える。ロータリーダイカッタ71の軸心及びロータリーダイ72の軸心は、幅方向D2に沿って延び、かつ互いに平行である。また、本実施形態では、ロータリーダイ72は、アンビルロール73の下方に配置され、ロータリーダイ72は電極中間体50の第1の前駆体54aに対向配置されている。
ロータリーダイ72及びアンビルロール73は、軸心まわりで回転できるように支持されている。切断機構70は、図示しないモータなどの駆動装置を備えている。この駆動装置によって、ロータリーダイ72及びアンビルロール73は回転する。
ロータリーダイカッタ71は、刃型71aを外周面に備える。刃型71aは、ロータリーダイカッタ71の軸心の中間点を通過し、かつ周方向に延びる第1刃部71cと、ロータリーダイカッタ71の軸心の延びる方向へ直線状に延びる複数の第2刃部71dと、を含む。第1刃部71cにおいて、ロータリーダイカッタ71の周方向に隣り合う第2刃部71d間の長さは、正極電極21の縁部23dに沿う長さL1と同じである。また、ロータリーダイカッタ71の軸心の延びる方向に沿った、各第2刃部71dの長さは、電極中間体50の幅と同じである。
そして、ロータリーダイ72とアンビルロール73の間に電極中間体50を通過させるとき、幅方向D2に沿った電極中間体50の中間位置に第1刃部71cが位置するように電極中間体50を通過させる。すると、電極中間体50の第1の前駆体54aには、刃型71aによって切れ込み部58が形成される。切れ込み部58は、電極中間体50を幅方向に二等分する位置で直線状に延びる第1直線部58aと、電極中間体50の幅方向に沿って第1の前駆体54aの幅方向全体に亘って直線状に延びる複数の第2直線部58bと、を備える。第2直線部58bは、電極中間体50の長手方向に沿って等間隔おきに形成されている。
電極中間体50の長手方向に隣り合う第2直線部58b同士の間隔は、正極電極21の縁部23dの長さL1と同じである。また、電極中間体50の幅方向に沿う第2直線部58bの長さは、正極電極21の短辺の長さM1の2倍の長さである。
図3(b)に示すように、ロータリーダイ72の外周面からの刃型71aの突出量は、刃型71aが電極中間体50に押し付けられたとき、電極中間体50の厚さ方向に貫通していない切れ込み部58が形成されるように設定されている。
図5(a)に示すように、切れ込み部58は、電極中間体50において、第1の前駆体54aの表面に開口しているとともに、その第1の前駆体54a及び帯状金属箔53を貫通して、第2の前駆体54bに到達したV字型の溝である。切れ込み部58では、帯状金属箔53が切断されているが、第2の前駆体54bは切断されていない。よって、ロータリーダイ72とアンビルロール73とは、刃型71aが、電極中間体50の第1の前駆体54a及び帯状金属箔53を貫通するが、第2の前駆体54bを貫通しない位置に支持されている。
図5(a)及び図5(b)に示すように、切れ込み部58では、切断予定線50aより内側の正極電極21として切り出される部分と、切断予定線50aより外側の正極電極21として切り出される部分とは異なる部分とが、第2の前駆体54bのみで繋がっている。よって、電極中間体50における第2の前駆体54bは、切断予定線50aより内側の部分と外側の部分とを繋いでいるが、切れ込み部58が形成された部位は、電極中間体50のその他の部位より厚みが薄く、脆弱な部分である。よって、電極中間体50は、第2の前駆体54bのうち、切れ込み部58の形成によって残った部位に脆弱部59を備える。
図3(a)又は図6に示すように、切断機構70のレーザ照射装置81は、搬送方向D1において、ロータリーダイ72の下流にある。レーザ照射装置81は、切断予定線50aの全体にレーザ81aを照射する。また、レーザ照射装置81は、電極中間体50に対し、第2の前駆体54b側からレーザ81aを照射する。そして、レーザ照射装置81は、切断予定線50aのうち、第2の前駆体54bに形成された脆弱部59となる部分、及び露出部56における未塗工部23eの外形に沿う部分にレーザ81aを照射し、第2の前駆体54bにある脆弱部59、及び露出部56を切断する。
なお、レーザ照射装置81は、第1の長縁部E1寄りの露出部56と、第2の長縁部E2寄りの露出部56との両方にレーザ81aを照射し、両方の露出部56に未塗工部23eを形成する。このとき、第1の長縁部E1側の露出部56において、その第1の長縁部E1にタブ部25の先端縁が位置するようにレーザ81aが走査され、第2の長縁部E2側の露出部56において、その第2の長縁部E2にタブ部25の先端縁が位置するようのレーザ81aが走査される。
なお、レーザ81aはパルスレーザであり、レーザ81aの出力は、脆弱部59を厚み方向に切断できる値に設定されている。また、レーザ81aの出力は、露出部56に照射された場合、帯状金属箔53を厚さ方向に切断できる値に設定されている。よって、レーザ81aの出力は、帯状金属箔53と、第1の前駆体54aと、第2の前駆体54bの3層構造の部分を切断できる値が必要なく、脆弱部59として残った第2の前駆体54bの一部だけ、及び帯状金属箔53を切断できる値で足り、比較的低出力である。また、レーザ照射装置81は、レーザ81aを発生させるレーザ発振器81b、及びレーザ81aを走査させる光学制御機器を有するスキャニング装置81cを備える。
図3(a)に示すように、製造装置60は、レーザ照射装置81、及び分離用吸着ロール82を覆う被覆部77を備える。被覆部77は、有蓋筒状であり、蓋部77aと、蓋部77aの周縁に一体の筒状の壁部77bとを有する。被覆部77の壁部77bには、電極中間体50を通過させる入口77c及び出口77dが存在する。入口77c及び入口77cは、電極中間体50の厚みに、電極中間体50搬送時の振幅を加味した開口幅(上下幅及び左右幅)を有する。
製造装置60は、被覆部77内に気流発生装置78を備える。気流発生装置78は、蓋部77aの内面に一体化された送風装置78aと、壁部77bの下部のうち、分離用吸着ロール82より下方となる位置に一体化された吸引装置78bとを備える。そして、送風装置78aによって、被覆部77内に空気を送るとともに、吸引装置78bによって被覆部77内を吸引することにより、被覆部77内に、送風装置78aから吸引装置78bに向かう気流を発生させることができる。
図7(a)及び図7(b)に示すように、レーザ照射装置81によって脆弱部59が第2の前駆体54b側から切断される。レーザ81aによる切断端面は、電極中間体50において、第2の前駆体54bの表面に開口しているとともに、その第2の前駆体54bを貫通して、切れ込み部58に到達したV字型の溝である。このため、電極中間体50から切り出された正極電極21において、活物質層24の端縁は、第1の前駆体54aの表面及び第2の前駆体54bの表面から金属箔23に向かうに従い、正極電極21の厚みを薄くするテーパ状であり、面取りが施された形状である。
図3(a)に示すように、製造装置60は、切れ込み部58の位置を撮像するカメラ79を備え、カメラ79はレーザ照射装置81に信号接続されている。そして、レーザ照射装置81は、カメラ79の撮像したデータに基づき、スキャニング装置81cによって切れ込み部58に合わせてレーザ81aを走査させる。
製造装置60は、円柱状の分離用吸着ロール82を備えている。分離用吸着ロール82の軸心は、幅方向D2に沿って延びている。分離用吸着ロール82は、軸心まわりで回転できるように支持されている。分離用吸着ロール82は、正極電極21が分離された電極中間体50の残部である廃棄中間体52を吸着して、搬送方向D1とは異なる搬送方向D3へ案内する。この実施形態において、廃棄中間体52は、切断予定線50aより外側の部分にあたる。製造装置60は、電極中間体50から分離された正極電極21を搬送方向D1へ搬送する搬送装置65を備える。
本実施形態の製造装置60は、電極中間体50を切断することにより、予め定めた形状の正極電極21を電極中間体50から切り出す装置である。そして、本実施形態の製造装置60は、電極の中間体供給部61と、搬送ロール63と、切断機構70(ロータリーダイカッタ71及びレーザ照射装置81)と、被覆部77と、気流発生装置78と、カメラ79と、分離用吸着ロール82と、搬送装置65とを含む。
次に、電極の製造方法における正極電極21を切り出す工程について、その作用とともに説明する。正極電極21を切り出す工程は、電極中間体50から予め定めた形状の正極電極21を電極中間体50から切り出す工程である。この正極電極21を切り出す工程は、切断予定線50aのうち、第2の前駆体54bに脆弱部59を形成する脆弱部形成工程と、脆弱部形成工程で形成された脆弱部59を切断する切断工程とを含む。
さて、中間体供給部61から切断機構70のロータリーダイカッタ71に電極中間体50が送られると、まず、脆弱部形成工程が行われる。脆弱部形成工程では、ロータリーダイ72の刃型71aによって、電極中間体50の第1の前駆体54a側から切れ込み部58が形成されると同時に、第2の前駆体54bで形成された脆弱部59が形成される。切れ込み部58は、電極中間体50における第1及び第2の前駆体54a,54bのある部分だけに形成される。
脆弱部形成工程の後、脆弱部59を切断する切断工程が被覆部77内で行われる。切断工程では、脆弱部形成工程後の電極中間体50が、入口77cから被覆部77内に入り込むと、電極中間体50において、ロータリーダイカッタ71を通過した部分に対し、レーザ照射装置81からレーザ81aが切断予定線50aに沿って走査される。レーザ81aにより、脆弱部59が切断されるとともに、露出部56が未塗工部23eの外形に沿って切断される。その結果、電極中間体50の幅方向の両側に正極電極21が製造される。
被覆部77内では、気流発生装置78によって気流が生じており、電極中間体50へのレーザ81a照射に伴って生じた異物は、気流に乗って吸引装置78bに吸引されている。
その後、出口77dから被覆部77外へ電極中間体50が出ると、廃棄中間体52は分離用吸着ロール82に吸着され、搬送方向D3へ案内される。これにより、正極電極21と廃棄中間体52とが分離され、正極電極21は搬送装置65によって搬送方向D1へ搬送される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)脆弱部形成工程では、ロータリーダイカッタ71によって電極中間体50に第2の前駆体54bの一部だけの脆弱部59が形成され、切断工程では、レーザ照射装置81によって脆弱部59の切断及び露出部56の切断が行われる。このため、帯状金属箔53のみをロータリーダイカッタ71単独で切断することはなく、刃型71aの刃先に帯状金属箔53の一部(付着物)が付着してしまうことが抑制される。その結果として、付着物によって刃型71aの切断性能が低下することが抑制されるとともに、付着物が刃型71a付着しないようにするための管理や、刃型71aの研磨も必要ない。
(1)脆弱部形成工程では、ロータリーダイカッタ71によって電極中間体50に第2の前駆体54bの一部だけの脆弱部59が形成され、切断工程では、レーザ照射装置81によって脆弱部59の切断及び露出部56の切断が行われる。このため、帯状金属箔53のみをロータリーダイカッタ71単独で切断することはなく、刃型71aの刃先に帯状金属箔53の一部(付着物)が付着してしまうことが抑制される。その結果として、付着物によって刃型71aの切断性能が低下することが抑制されるとともに、付着物が刃型71a付着しないようにするための管理や、刃型71aの研磨も必要ない。
また、レーザ照射装置81は、正極電極21の未塗工部23eを製造するために露出部56の切断を行うとともに、脆弱部59の切断を行う。このため、レーザ照射装置81のレーザ出力は、露出部56と脆弱部59を切断できるような低出力でよく、得られた正極電極21における活物質層24の端面がレーザ照射の際に熱影響を受けることを抑制できる。
(2)ロータリーダイカッタ71とレーザ照射装置81とを併用することで、レーザ照射装置81のレーザ出力を低出力とすることができる。よって、レーザ照射装置81のレーザ出力を、帯状金属箔53と両前駆体54a,54bとの3層構造部分を切断するためのレーザ出力とする場合と比べて、レーザ照射装置81による切断作業に要する時間を短縮でき、正極電極21の生産性を高めることができる。
(3)脆弱部形成工程が完了した状態では、正極電極21となる部分と、廃棄中間体52となる部分とが、脆弱部59及び露出部56で繋がっている。そして、切断工程で脆弱部59及び露出部56をレーザ81aで切断したとき、正極電極21と廃棄中間体52が分離される。このため、切断工程が終了する前まで正極電極21が電極中間体50に位置決めされており、レーザ照射装置81によって切断予定線50aが切断しやすい。
(4)製造装置60は、切断機構70より下流に分離用吸着ロール82を備える。そして、切断機構70によって、電極中間体50から正極電極21が切り出されると、分離用吸着ロール82によって廃棄中間体52を吸着することができる。その結果、正極電極21の搬送方向D1へ廃棄中間体52が送られることを抑制することができる。
(5)ロータリーダイカッタ71により、電極中間体50の第1の前駆体54a側に切れ込み部58が形成され、切れ込み部58はV字型である。また、レーザ照射装置81から電極中間体50にレーザ81aが照射されると、脆弱部59は、第2の前駆体54b側からV字型に切断される。このため、製造された正極電極21において、活物質層24の端面は、面取りされた形状になる。よって、製造された正極電極21の端面に突起等が形成されず、その突起がセパレータ26を突き破ってしまうことが起こりにくく、突起を介して正極電極21と負極電極22が短絡することを抑制できる。
(6)ロータリーダイカッタ71で第1の前駆体54a及び帯状金属箔53をカットして脆弱部59を作った後、レーザ照射装置81によって脆弱部59及び露出部56を切断して正極電極21を製造する。レーザ照射装置81は、スキャニング装置81cによってレーザ81aの走査位置の制御が可能であるため、レーザ81aの照射位置を切断予定線50aに併せやすく、正極電極21を所定の形状に切り出しやすい。
(7)ロータリーダイカッタ71とレーザ照射装置81とを併用することで、レーザ照射装置81のレーザ81aをパルスレーザとすることができる。よって、レーザ81aで露出部56を切断した際、スパッタが発生しにくく、また、未塗工部23eの縁部に金属箔の溶融したものが固化した異物が付着することを抑制できる。
(8)製造装置60は、レーザ照射装置81を含めてレーザ照射位置付近を覆う被覆部77を備える。このため、脆弱部59の切断の際や、露出部56の切断の際に生じた切り粉や、スパッタがレーザ加工の周辺に飛散することを被覆部77で抑制することができる。
(9)製造装置60は、被覆部77内に気流発生装置78を備える。そして、気流発生装置78により、送風装置78aから吸引装置78bに向かう気流を発生させることにより、脆弱部59の切断の際や、露出部56の切断の際に生じた切り粉や、スパッタを気流に乗せて吸引装置78bに向けて流し、吸引装置78bによって吸引することができる。このため、レーザ照射装置81によって切り出された正極電極21の下方に、切り粉やスパッタの異物が浮遊し続けたり、飛散することを抑制することができる。
(10)正極電極21の製造は、帯状金属箔53に第1及び第2の前駆体54a,54bを設けた電極中間体50を用いて行われる。そして、脆弱部の形成は、ロータリーダイカッタ71によって行われる。よって、ロータリーダイカッタ71の回転によって、長尺な電極中間体50に対し連続的に脆弱部59の形成を行うことができ、正極電極21を切り出す工程を連続的に行うことが可能になり、正極電極21の生産性が向上する。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態では、ロータリーダイカッタ71によって脆弱部59を形成した後(脆弱部形成工程を行った後)、レーザ照射装置81によって切断工程を行い、脆弱部59及び露出部56を切断して正極電極21を製造したが、これに限らない。
○ 実施形態では、ロータリーダイカッタ71によって脆弱部59を形成した後(脆弱部形成工程を行った後)、レーザ照射装置81によって切断工程を行い、脆弱部59及び露出部56を切断して正極電極21を製造したが、これに限らない。
製造装置60において、搬送方向D1における搬送ロール63の下流側にレーザ照射装置81が配置され、そのレーザ照射装置81の下流側にロータリーダイカッタ71が配置されているとする。この場合、レーザ照射装置81から照射されたレーザ81aによって脆弱部形成工程を行い、脆弱部59を形成するとともに、露出部56を切断予定線50aに沿って切断し、未塗工部23eを切り出す。次に、ロータリーダイカッタ71によって切断工程を行い、脆弱部59のみを切断して、電極中間体50から正極電極21を切り出すようにしてもよい。
このように構成した場合、脆弱部形成工程では、レーザ照射装置81によって電極中間体50に第2の前駆体54bの一部だけの脆弱部59が形成されるとともに、露出部56の切断が行われる。切断工程では、ロータリーダイカッタ71によって脆弱部59の切断が行われる。このため、帯状金属箔53のみをロータリーダイカッタ71単独で切断することはなく、刃型71aの刃先に帯状金属箔53の一部が付着してしまうことが抑制される。その結果として、付着物によって刃型71aの切断性能が低下することが抑制されるとともに、付着物が刃型71a付着しないようにするための管理や、刃型71aの研磨も必要ない。
また、レーザ照射装置81は、正極電極21の未塗工部23eを製造するために露出部56の切断を行うとともに、脆弱部59の形成を行う。このため、レーザ照射装置81のレーザ出力は、露出部56と脆弱部59の形成を行うことができるような低出力でよく、得られた正極電極21における活物質層24の端面がレーザ照射の際に熱影響を受けることを抑制できる。
○ レーザ照射装置81のレーザ81aの出力は、脆弱部59を切断でき、かつ露出部56から未塗工部23eを切り出すことができれば、適宜変更してもよい。
○ 上記実施形態では、パルスレーザで加工を実施しているが、連続発振方式のレーザでもよい。
○ 上記実施形態では、パルスレーザで加工を実施しているが、連続発振方式のレーザでもよい。
○ 脆弱部59について、切断工程で脆弱部59を切断することができれば、脆弱部59は、第2の前駆体54bだけでなく帯状金属箔53が含まれた2層構造でもよいし、第1の前駆体54aも含まれた3層構造でもよい。
○ 電極中間体50は、帯状金属箔53と、帯状金属箔53の第1の面53aだけに存在する第1の前駆体54aとで構成されていてもよい。
○ 切断予定線50aは、電極中間体50の長手方向に隣り合う切断予定線50a同士で離れるように構成されていてもよい。
○ 切断予定線50aは、電極中間体50の長手方向に隣り合う切断予定線50a同士で離れるように構成されていてもよい。
○ 分離用吸着ロール82を吸着機能を有しない送りロールに変更してもよい。この場合、送りロールによる廃棄中間体52の吸着機能はないが、正極電極21の搬送方向と、廃棄中間体52の搬送方向が相互に異なっておればよい。
○ 脆弱部59は、電極中間体50を厚さ方向に貫通しており、かつミシン目のように断続的な切れ込みを有していてもよく、連続的な切れ込み部58とミシン目のような切れ込みとが混在していてもよい。
○ 電極中間体50において、第1の前駆体54a及び第2の前駆体54bの幅は、電極中間体50の幅方向において1枚の正極電極21(又は負極電極22)が切り出せるように、正極電極21(又は負極電極22)の短辺に沿う長さと同じであってもよい。
○ ロータリーダイカッタ71による脆弱部形成工程を、第2の前駆体54b側から行い、レーザ照射装置81による切断工程を、第1の前駆体54a側から行ってもよい。
○ 実施形態では、レーザ照射装置81をレーザ発振器81bとスキャニング装置81cとで構成したが、レーザ発振器とロボットアーム等のレーザ照射位置移動機構とで構成してもよい。
○ 実施形態では、レーザ照射装置81をレーザ発振器81bとスキャニング装置81cとで構成したが、レーザ発振器とロボットアーム等のレーザ照射位置移動機構とで構成してもよい。
○ 製造装置60において、被覆部77内に気流発生装置78は無くてもよい。
○ 製造装置60の気流発生装置78について、送風装置78a及び吸引装置78bの位置は適宜変更してもよい。例えば、送風装置78aを蓋部77aではなく、壁部77bの上部に設置し、吸引装置78bも壁部77bにおける送風装置78aの下方であれば設置位置を適宜変更してもよい。
○ 製造装置60の気流発生装置78について、送風装置78a及び吸引装置78bの位置は適宜変更してもよい。例えば、送風装置78aを蓋部77aではなく、壁部77bの上部に設置し、吸引装置78bも壁部77bにおける送風装置78aの下方であれば設置位置を適宜変更してもよい。
○ 被覆部77は、レーザ照射装置81、及び分離用吸着ロール82だけでなく、ロータリーダイカッタ71も覆ってもよいし、中間体供給部61を覆っていてもよい。
○ 製造装置60において、被覆部77は無くてもよい。
○ 製造装置60において、被覆部77は無くてもよい。
○ 製造装置60は、負極用の電極中間体50を切断して負極電極22を製造する装置であってもよい。
○ 例えばキャパシタなど、二次電池以外の蓄電装置にも適用できる。
○ 例えばキャパシタなど、二次電池以外の蓄電装置にも適用できる。
○ 活物質層及び形成する電極より所定分、例えば、一回り大きな枚葉の金属箔を備えた電極中間体から電極を切り出してもよい。この場合、ダイカッタとしては、ロータリーダイカットを用いてもよいし、平板状のフラットダイカッタを用いてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記レーザ照射装置から発生させるレーザはパルスレーザである電極の製造方法。
(イ)前記レーザ照射装置から発生させるレーザはパルスレーザである電極の製造方法。
(ロ)前記切断工程では、前記脆弱部を含めた前記切断予定部位全体を切断する電極の製造方法。
21…電極としての正極電極、22…電極としての負極電極、24…活物質層、50…電極中間体、50a…切断予定部位としての切断予定線、53…金属箔としての帯状金属箔、54a,54b…前駆体、56…露出部、59…脆弱部、60…製造装置、71…ダイカッタとしてのロータリーダイカッタ、77…被覆部、78…気流発生装置、81…レーザ照射装置、81a…レーザ、81b…レーザ発振器、81c…スキャニング装置。
Claims (12)
- 電極の製造方法であって、
金属箔と、
前記金属箔の少なくとも片面を覆っている活物質層の前駆体と、
前記金属箔のうち前記前駆体と重なっていない領域に存在する前記金属箔の露出部と、を備えた電極中間体を切断することにより、予め定めた形状の前記電極を前記電極中間体から切り出す工程を備えており、
前記電極を切り出す工程は、
前記予め定めた形状に沿って切断が予定されている切断予定部位のうち、前記前駆体に位置する部位に脆弱部を形成する脆弱部形成工程と、
前記脆弱部形成工程で形成された前記脆弱部を切断する切断工程と、を備え、
前記脆弱部形成工程における前記脆弱部の形成をダイカッタで行い、前記切断工程における前記脆弱部の切断、及び前記切断予定部位のうち前記露出部に位置する部位の切断をレーザ照射装置で行う、
又は前記脆弱部形成工程における前記脆弱部の形成、及び前記切断予定部位のうち前記露出部に位置する部位の切断をレーザ照射装置で行い、前記切断工程における前記脆弱部の切断をダイカッタで行うことを特徴とする電極の製造方法。 - 前記金属箔は長尺な帯状金属箔であり、前記ダイカッタはロータリーダイカッタであって、前記電極を切り出す工程を前記帯状金属箔の長手方向に沿って連続的に行う請求項1に記載の電極の製造方法。
- 前記レーザ照射装置は、レーザを発生させるレーザ発振器と、前記レーザを走査させる光学制御機器を有するスキャニング装置とを備える請求項1又は請求項2に記載の電極の製造方法。
- 前記脆弱部形成工程を前記電極中間体の一方の面から行い、前記切断工程を前記電極中間体の他方の面から行う請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の電極の製造方法。
- 前記脆弱部においては、前記金属箔が切断されており、かつ前記電極中間体から前記電極として切り出される部分と、前記電極として切り出される部分とは異なる部分とが、前記片面を覆っている前記前駆体のみで繋がっている請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の電極の製造方法。
- 前記脆弱部形成工程を前記ダイカッタで行った後、前記切断工程を前記レーザ照射装置で行う請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の電極の製造方法。
- 金属箔と、
前記金属箔の少なくとも片面を覆っている活物質層の前駆体と、
前記金属箔のうち前記前駆体と重なっていない領域に存在する前記金属箔の露出部と、を備えた電極中間体を切断することにより、予め定めた形状の電極を前記電極中間体から切り出す電極の製造装置であって、
予め定めた形状に沿って切断が予定されている切断予定部位のうち、前記前駆体に位置する部位への脆弱部の形成、該脆弱部の切断、及び前記露出部に位置する部位の切断を行うために、ダイカッタとレーザ照射装置とを備える電極の製造装置。 - 前記金属箔は長尺な帯状金属箔であり、前記ダイカッタはロータリーダイカッタである請求項7に記載の電極の製造装置。
- 前記レーザ照射装置は、レーザを発生させるレーザ発振器と、前記レーザを走査させる光学制御機器を有するスキャニング装置とを備える請求項7又は請求項8に記載の電極の製造装置。
- 前記ダイカッタは前記電極中間体の一方の面側に配置され、前記レーザ照射装置は前記電極中間体の他方の面側に配置されている請求項7〜請求項9のうちいずれか一項に記載の電極の製造装置。
- 前記レーザ照射装置を覆う被覆部を備える請求項7〜請求項10のうちいずれか一項に記載の電極の製造装置。
- 前記被覆部の内側に気流を発生させる気流発生装置を備える請求項11に記載の電極の製造装置。
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