JP2017112208A - 電極の製造方法、及び、電極の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属箔に生じるバリやヒゲを除去すること。【解決手段】製造装置は、ロータリーダイカッターと、レーザ照射装置71とを備えている。ロータリーダイカッターは、刃を電極中間体30の塗布部34に対して第1の面31aから第2の面31bに向けて進入させることで塗布部34を切断する。レーザ照射装置71は、帯状金属箔31の中心位置よりも第2の面31b側を焦点位置Fとしてレーザ72を照射する。【選択図】図6
Description
本発明は、電極の製造方法、及び、電極の製造装置に関する。
従来から、EV(Electric Vehicle)やPHV(Plug in Hybrid Vehicle)などの車両には、電装品で使用される電力を蓄えるための蓄電装置が搭載されている。このような蓄電装置としては、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池といった二次電池が知られている。二次電池は、正極及び負極の電極を備えているとともに、電極は、金属箔と、活物質を含有している活物質層と、活物質層が存在せず、露出した金属箔だけの未塗工部と、を備えている。
このような電極の製造は、一例として、活物質、導電剤、溶媒及びバインダを混合した活物質ペーストを帯状金属箔の表面に塗布する。次に、活物質ペーストを乾燥させて活物質層の前駆体を形成し、帯状金属箔と活物質層の前駆体とを有する長尺状の電極中間体を形成する。次に、電極中間体における帯状金属箔及び活物質層の前駆体を電極の形状に切断して、電極中間体から電極を切り出す。
電極中間体から電極を切り出す方法として、レーザ照射装置から照射されたレーザで電極中間体を電極の形状に切断する方法がある。しかし、電極は、活物質層と金属箔との積層構造の部分と、金属箔だけの未塗工部の部分とが共存しており、積層構造の部分をレーザで切断するために、積層構造の部分に合わせたレーザ出力とすると、活物質層の端面が熱影響を受けて、断面に広範囲にダレが生じ、電池容量が低下してしまう。
一方で、電極中間体を切断する方法として、ダイカッターで切断する方法が考えられる。ダイカッターとしては、例えば、特許文献1に開示のロータリーダイカッターが挙げられる。特許文献1のロータリーダイカッターは、外周面から径方向外側に向けて突出した刃を有するダイカットロールと、外周面が平滑に形成されたアンビルロールとを備える。そして、特許文献1に開示のロータリーダイカッターを用いて電極中間体から電極を切り出す場合は、ダイカットロールとアンビルロールとの間に電極中間体を通過させる。すると、刃によって電極中間体が電極の形状に切り抜かれ、電極中間体から電極が切り出される。刃によって活物質層の前駆体が切り抜かれるため、活物質層の端面に熱影響によって広範囲にダレが生じることがない。
ところで、ダイカッターによって電極中間体を切断すると、活物質層の端面に広範囲にダレが生じることがない反面、金属箔の端面にバリやヒゲが生じる。
本発明の目的は、金属箔に生じるバリやヒゲを除去することができる電極の製造方法、及び、電極の製造装置を提供することにある。
本発明の目的は、金属箔に生じるバリやヒゲを除去することができる電極の製造方法、及び、電極の製造装置を提供することにある。
上記課題を解決する電極の製造方法は、第1の面及び前記第1の面とは反対の第2の面を有する金属箔の少なくとも片面に活物質層の前駆体を有し、前記前駆体と前記金属箔とが重なり合う塗布部と、前記前駆体の存在しない露出部とを備える電極中間体から、予め定めた形状の電極を得る電極の製造方法であって、少なくとも前記塗布部に対して、ダイカッターの刃を前記第1の面から前記第2の面に向けて進入させることで前記塗布部を切断し、前記ダイカッターによって切断された切断部位に対して、前記金属箔の厚みの中心位置よりも前記第2の面側を焦点位置としてレーザを照射する。
ダイカッターにより電極中間体の切断が行われると、ダイカッターの刃によって金属箔が第1の面から第2の面に向けて押され、バリやヒゲは金属箔の厚みの中心位置よりも第2の面側に生じやすい。レーザの焦点位置を、金属箔の厚みの中心位置よりも第2の面側にすることで、レーザの焦点位置を金属箔の厚みの中心位置に合わせる場合に比べて、レーザの焦点位置がバリやヒゲの位置に近くなる。レーザのエネルギー密度は、焦点位置が最も高いため、レーザの焦点位置がバリやヒゲの位置に近くなることで、レーザによってバリやヒゲが除去されやすい。また、塗布部はダイカッターによって切断されているため、切断部位に照射されるレーザの出力を、レーザのみで塗布部を切断するのに要するレーザの出力よりも低くすることができる。このため、レーザを照射することによる前駆体への熱影響を低減させることができる。
上記電極の製造方法について、前記電極の輪郭に沿って前記レーザを走査させ、前記露出部を前記レーザによって切断してもよい。
これによれば、レーザによる切断部位のバリやヒゲの除去とともに、露出部をレーザによって切断することができる。
これによれば、レーザによる切断部位のバリやヒゲの除去とともに、露出部をレーザによって切断することができる。
上記電極の製造方法について、前記レーザの前記焦点位置でのエネルギー密度は、前記金属箔の切断に要するエネルギー密度より高く、前記切断部位に前記レーザを照射するときの前記焦点位置と、前記露出部に前記レーザを照射するときの前記焦点位置とを同一位置としてもよい。
これによれば、露出部を切断するときには金属箔の厚みの中心位置とレーザの焦点位置とが一致していなくても、レーザによって露出部を切断することができる。このため、切断部位のバリやヒゲを除去するためにレーザを照射するときと、露出部を切断するためにレーザを照射するときで、焦点位置を同一位置にすることができる。したがって、切断部位のバリやヒゲを除去するときと、露出部を切断するときとで、焦点位置を変更する必要がなく、容易に切断部位のバリやヒゲの除去と、露出部の切断を行うことができる。
上記電極の製造方法について、前記露出部を切断するときの前記焦点位置は、前記金属箔の厚みの中心位置であってもよい。
これによれば、切断部位のバリやヒゲを除去するためにレーザを照射するときと、露出部を切断するためにレーザを照射するときで、焦点位置を異なる位置にすることができる。このため、露出部を切断するときには、レーザの焦点位置でのエネルギー密度が露出部を切断することができるエネルギー密度になっていればよく、レーザの出力を抑えることができる。
これによれば、切断部位のバリやヒゲを除去するためにレーザを照射するときと、露出部を切断するためにレーザを照射するときで、焦点位置を異なる位置にすることができる。このため、露出部を切断するときには、レーザの焦点位置でのエネルギー密度が露出部を切断することができるエネルギー密度になっていればよく、レーザの出力を抑えることができる。
上記課題を解決する電極の製造装置は、第1の面及び前記第1の面とは反対の第2の面を有する金属箔の少なくとも片面に活物質層の前駆体を有し、前記前駆体と前記金属箔とが重なり合う塗布部と、前記前駆体の存在しない露出部とを備える電極中間体から、予め定めた形状の電極を得る電極の製造装置であって、少なくとも前記塗布部に対して、前記第1の面から前記第2の面に向けて刃を進入させることで前記塗布部を切断するダイカッターと、前記ダイカッターによって切断された切断部位に対して、前記金属箔の厚みの中心位置よりも前記第2の面側を焦点位置としてレーザを照射するレーザ照射装置と、を備える。
これによれば、上記した電極の製造方法と同様の効果を得ることができる。
本発明によれば、金属箔に生じるバリやヒゲを除去することができる。
以下、電極の製造方法、及び、電極の製造装置の一実施形態について説明する。
図1に示すように、二次電池10は、例えばリチウムイオン二次電池である。二次電池10は、電極組立体20と、図示しない電解液と、電極組立体20及び電解液を収容しているケース11と、電極組立体20と電気を授受するための2つの端子12と、を備えている。
図1に示すように、二次電池10は、例えばリチウムイオン二次電池である。二次電池10は、電極組立体20と、図示しない電解液と、電極組立体20及び電解液を収容しているケース11と、電極組立体20と電気を授受するための2つの端子12と、を備えている。
図2に示すように、電極組立体20は、電極としての複数の正極電極21と、電極としての複数の負極電極22と、複数のセパレータ26と、を備えている。電極組立体20は、正極電極21と負極電極22がセパレータ26によって相互に絶縁された状態で層状に重なった構造を備えている。
正極電極21及び負極電極22は、シート状の金属箔23を備えている。金属箔23は、第1の面23aと、第1の面23aと平行な第2の面23bと、を備えている。正極電極21の金属箔23は、例えばアルミニウム箔である。負極電極22の金属箔23は、例えば銅箔である。
金属箔23は、四角形の本体部23cと、本体部23cの縁部23dから突出した形状のタブ部25と、を備えている。正極電極21及び負極電極22は、金属箔23の縁部23dに沿う部分を除いて第1の面23a及び第2の面23bを覆う活物質層24を備えている。また、正極電極21及び負極電極22は、縁部23dに沿って金属箔23の露出した未塗工部23eを備え、未塗工部23eは、金属箔23において活物質層24によって覆われていない部位であり、タブ部25も含む。
活物質層24は、それぞれの極性用の活物質、バインダ、及び導電助剤などを含有している。活物質層24は、二次電池10としての出力密度を向上させることを目的として、活物質の密度が高められている。セパレータ26は、多孔質な絶縁体である。
次に、電極の製造装置40について説明する。
図3(a)又は図4に示すように、製造装置40は、帯状の電極中間体30を切断し、予め定めた形状の正極電極21又は負極電極22を切り出す工程を行うための装置である。以下、正極電極21の製造について説明する。製造装置40には、電極中間体30が供給される。
図3(a)又は図4に示すように、製造装置40は、帯状の電極中間体30を切断し、予め定めた形状の正極電極21又は負極電極22を切り出す工程を行うための装置である。以下、正極電極21の製造について説明する。製造装置40には、電極中間体30が供給される。
搬送方向D1は、製造装置40において、電極中間体30が搬送される方向を示している。搬送方向D1は、電極中間体30の長手方向と一致する。また、幅方向D2は、電極中間体30の面に沿う方向のうち、搬送方向D1と直交する方向を示している。電極中間体30の長手方向、及び、短手方向に直交する方向が厚み方向となる。
ここで、電極中間体30について説明する。
図3(b)又は図4に示すように、帯状の電極中間体30は、シート状の金属箔23を形成し得る、金属箔としての帯状金属箔31を備えている。帯状金属箔31は、第1の面31aと、第1の面31aとは反対の面である第2の面31bと、を備えている。なお、帯状金属箔31の第1の面31aは、正極電極21となったときに金属箔23の第1の面23aを構成し、帯状金属箔31の第2の面31bは、正極電極21となったときに金属箔23の第2の面23bを構成する。帯状金属箔31は、搬送方向D1に延びる第1の長縁部E1と、第1の長縁部E1の対辺に沿う第2の長縁部E2と、を備えている。
図3(b)又は図4に示すように、帯状の電極中間体30は、シート状の金属箔23を形成し得る、金属箔としての帯状金属箔31を備えている。帯状金属箔31は、第1の面31aと、第1の面31aとは反対の面である第2の面31bと、を備えている。なお、帯状金属箔31の第1の面31aは、正極電極21となったときに金属箔23の第1の面23aを構成し、帯状金属箔31の第2の面31bは、正極電極21となったときに金属箔23の第2の面23bを構成する。帯状金属箔31は、搬送方向D1に延びる第1の長縁部E1と、第1の長縁部E1の対辺に沿う第2の長縁部E2と、を備えている。
電極中間体30は、帯状金属箔31の第1の面31aを覆う第1の前駆体32及び第2の面31bを覆う第2の前駆体33を備えている。第1の前駆体32及び第2の前駆体33は、それぞれ正極電極21が電極中間体30から切り出された際に、活物質層24となる部位である。各前駆体32,33は、電極中間体30の長手方向に沿って、帯状に一定の幅で延びている。電極中間体30において、帯状金属箔31と各前駆体32,33とが重なり合う部位を塗布部34とする。
また、電極中間体30は、両方の長縁部E1,E2に沿って露出部35を備える。各露出部35は、帯状金属箔31の長手方向に沿って一定幅で露出している。露出部35は、各前駆体32,33が存在しない部位であり、帯状金属箔31が露出した部分である。そして、露出部35は、正極電極21が電極中間体30から切り出された際に、未塗工部23eとなる部位である。
続けて、製造装置40について詳しく説明する。
図3(a)又は図4に示すように、製造装置40は、電極中間体30を供給する中間体供給部41を備えている。中間体供給部41は、ロール状に捲回された電極中間体30を支持するホルダ42を備えている。ホルダ42は、電極中間体30の搬送速度にあわせて、電極中間体30を送出する。製造装置40は、電極中間体30を搬送する円柱状の搬送ロール43を、電極中間体30を挟んで一対備えている。搬送ロール43の軸心は、幅方向D2に沿って延びている。搬送ロール43は、軸心まわりで回転できるように支持されている。
図3(a)又は図4に示すように、製造装置40は、電極中間体30を供給する中間体供給部41を備えている。中間体供給部41は、ロール状に捲回された電極中間体30を支持するホルダ42を備えている。ホルダ42は、電極中間体30の搬送速度にあわせて、電極中間体30を送出する。製造装置40は、電極中間体30を搬送する円柱状の搬送ロール43を、電極中間体30を挟んで一対備えている。搬送ロール43の軸心は、幅方向D2に沿って延びている。搬送ロール43は、軸心まわりで回転できるように支持されている。
製造装置40は切断機構50を備える。切断機構50は、電極中間体30を、正極電極21の外形に沿って予め決められた切断予定線30aで切断することにより、予め定めた形状の正極電極21を電極中間体30から切り出す機構である。切断予定線30aは、電極中間体30において、切断が予定されている部位である。この実施形態において、切断予定線30aは、予め定めた形状である正極電極21の輪郭と同一の形状であり、閉環状である。
この実施形態の切断機構50は、ダイカッターとしてのロータリーダイカッター61と、レーザ照射装置71と、を備え、ロータリーダイカッター61は、電極中間体30の塗布部34の切断を行い、レーザ照射装置71は、電極中間体30の露出部35の切断を行う。
ロータリーダイカッター61は、ロータリーダイ62と、アンビルロール63とを備える。ロータリーダイ62の軸心、及び、アンビルロール63の軸心は、幅方向D2に沿って延び、かつ互いに平行である。また、本実施形態では、ロータリーダイ62は、アンビルロール63の上方に配置され、ロータリーダイ62は電極中間体30の第1の前駆体32に対向配置されている。
ロータリーダイ62及びアンビルロール63は、軸心まわりで回転できるように支持されている。切断機構50は、図示しないモータなどの駆動装置を備えている。この駆動装置によって、ロータリーダイ62及びアンビルロール63は回転する。
ロータリーダイカッター61は、ロータリーダイ62の外周面に刃64を備える。刃64はロータリーダイ62の周方向に離れて二つ設けられている。
刃64は、ロータリーダイ62の外周面に沿って周方向に延びる第1刃部65と、第1刃部65の両端からロータリーダイ62の軸心が延びる方向に沿って延びる二つの第2刃部66とを有している。二つの第2刃部66は、同一形状であり、ロータリーダイ62の周方向に互いに対向している。
刃64は、ロータリーダイ62の外周面に沿って周方向に延びる第1刃部65と、第1刃部65の両端からロータリーダイ62の軸心が延びる方向に沿って延びる二つの第2刃部66とを有している。二つの第2刃部66は、同一形状であり、ロータリーダイ62の周方向に互いに対向している。
ロータリーダイ62の周方向に沿う第1刃部65の長さは、正極電極21の活物質層24における縁部23dに沿う長さL1(図2参照)と同じである。また、ロータリーダイ62の軸心の延びる方向に沿う第2刃部66の長さは、正極電極21の活物質層24における縁部23dに直交する短辺に沿う長さM1(図2参照)と同じである。各刃部65,66のロータリーダイ62からの突出量は一定である。
ロータリーダイ62とアンビルロール63の間に電極中間体30を通過させるとき、ロータリーダイ62の軸心の延びる方向での第2刃部66の両端部のうち、第1刃部65とは反対側の端部が塗布部34と露出部35との境界に位置するように電極中間体30を通過させる。すると、ロータリーダイカッター61の刃64は、第1の面31aから第2の面31bに向けて塗布部34に進入され、切断予定線30aのうち電極中間体30の塗布部34を切断する。そして、切断予定線30aのうち露出部35のみが電極中間体30から切断されていない状態となる。
図5に示すように、ロータリーダイカッター61によって塗布部34が切断されると、切断部位34aにはバリ、ヒゲ36が生じる。バリ、ヒゲ36のうち、例えば、バリは、ロータリーダイカッター61の刃64の刃先によって帯状金属箔31が押し切られる際に生じ、第2の面31b側へ押し出される。
図3(a)又は図6に示すように、切断機構50のレーザ照射装置71は、搬送方向D1において、ロータリーダイカッター61の下流にある。レーザ照射装置71は、レーザ72を走査させるスキャニング装置74、及び、レーザ72が入射するレンズ75を備える。本実施形態では、スキャニング装置74には光学系を介して、レーザ72を発生させる図示しないレーザ発振器が連結されている。スキャニング装置74は、ガルバノミラーなどの光学制御機器を含み、レーザ72の焦点距離を変更可能である。なお、本実施形態では、レーザ72としてパルスレーザが照射される。
レーザ照射装置71は、ロータリーダイカッター61に切断された切断部位34aを含む切断予定線30aの全体にレーザ72を照射する。また、レーザ照射装置71は、電極中間体30に対し、第1の面31a側からレーザ72を照射する。
図6に示すように、レーザ照射装置71は、帯状金属箔31の厚みの中心位置(以下、帯状金属箔31の中心位置という)よりもレーザ72の焦点位置Fが第2の面31b側となるようにレーザ72を照射する。レーザ72のエネルギー密度は、焦点位置Fが最も高く、焦点位置Fから離れるに従い低くなる。レーザ照射装置71は、レーザ72の焦点位置Fでのエネルギー密度が、帯状金属箔31を切断することができるエネルギー密度よりも高くなるような出力でレーザ72を照射する。また、焦点位置Fでのエネルギー密度は、帯状金属箔31、第1の前駆体32、第2の前駆体33の3層構造の部分を切断できるエネルギー密度よりも低い。帯状金属箔31の厚み方向において、帯状金属箔31の中心位置と同一位置でのレーザ72のエネルギー密度は、帯状金属箔31の切断することができるエネルギー密度になっている。
図3(a)に示すように、製造装置40は、レーザ照射装置71、及び電極搬送用吸着コンベア81を覆う被覆部82を備える。被覆部82は、有蓋筒状であり、電極中間体30を通過させる入口83及び出口84を有している。入口83及び出口84は、電極中間体30の厚みに、電極中間体30搬送時の振幅を加味した開口幅(上下幅及び左右幅)を有する。
製造装置40は、被覆部82内に気流発生装置85を備える。気流発生装置85は、送風装置86と吸引装置87とを備える。そして、送風装置86によって、被覆部82内に空気を送るとともに、吸引装置87によって被覆部82内を吸引することにより、被覆部82内に、送風装置86から吸引装置87に向かう気流を発生させることができる。
電極中間体30は、電極搬送用吸着コンベア81上で吸着されながら搬送される。製造装置40は、搬送方向D1において、電極搬送用吸着コンベア81の下流に円柱状の分離用ロール88を備え、分離用ロール88は、正極電極21が分離された電極中間体30の残部である廃棄中間体52を、搬送方向D1とは異なる搬送方向D3へ案内する。この実施形態において、廃棄中間体52は、切断予定線30aより外側の部分にあたる。製造装置40は、電極中間体30から分離された正極電極21を搬送方向D1へ搬送する搬送装置90を備える。
次に、電極の製造方法における正極電極21を切り出す工程について、その作用とともに説明する。正極電極21を切り出す工程は、予め定めた形状の正極電極21を電極中間体30から切り出す工程である。
さて、中間体供給部41から切断機構50のロータリーダイカッター61に電極中間体30が送られると、まず、塗布部34の切断が行われる。ロータリーダイカッター61の刃64は電極中間体30の塗布部34に第1の面31aから第2の面31bに向けて進入され、この刃64が塗布部34を貫通することで塗布部34の切断が行われる。この際、図5に示すように、塗布部34の切断部位34aにはバリ、ヒゲ36が生じる。
次に、塗布部34の切断部位34aに生じたバリ、ヒゲ36の除去と露出部35の切断が行われる。電極中間体30が、入口83から被覆部82内に入り込むと、レーザ照射装置71からレーザ72が切断予定線30aに沿って走査される。露出部35は、切断予定線30aに沿ってレーザ72によって切断される。また、塗布部34の切断部位34aにレーザ72が照射されることで、図7に示すように、切断部位34aのバリ、ヒゲ36が除去される。切断部位34aのバリ、ヒゲ36は、第2の面31b側に突出しているが、焦点位置Fを帯状金属箔31の中心位置よりも第2の面31b側とすることで、帯状金属箔31の中心位置を焦点位置Fとする場合に比べて、焦点位置Fがバリ、ヒゲ36に近くなる。レーザ72のエネルギー密度は、焦点位置Fに近いほど高くなるため、焦点位置Fとバリ、ヒゲ36が近くなることで、バリ、ヒゲ36が除去されやすい。
レーザ72によって塗布部34の切断部位34aのバリ、ヒゲ36が除去されるとともに、露出部35が切断されることで、正極電極21が電極中間体30から切り出され、正極電極21が製造される。
被覆部82内では、気流発生装置85によって気流が生じており、レーザ72によって除去されたバリ、ヒゲ36は、微細な粒子状となって吸引装置87に吸引される。
その後、出口84から被覆部82外へ電極中間体30が出ると、廃棄中間体52は分離用ロール88によって搬送方向D3へ案内される。これにより、正極電極21と廃棄中間体52とが分離され、正極電極21は搬送装置90によって搬送方向D1へ搬送される。
その後、出口84から被覆部82外へ電極中間体30が出ると、廃棄中間体52は分離用ロール88によって搬送方向D3へ案内される。これにより、正極電極21と廃棄中間体52とが分離され、正極電極21は搬送装置90によって搬送方向D1へ搬送される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ロータリーダイカッター61によって塗布部34を切断し、切断部位34aに生じたバリ、ヒゲ36をレーザ72によって除去している。レーザ72の焦点位置Fを帯状金属箔31の中心位置よりも第2の面31b側とすることで、第2の面31b側に生じるバリ、ヒゲ36の除去を行いやすい。また、レーザ72の出力は、帯状金属箔31と、第1の前駆体32と、第2の前駆体33の3層構造の部分を切断できる値が必要なく、バリ、ヒゲ36を除去することができる値で足りる。このため、レーザ72の出力を抑えることができる。
(1)ロータリーダイカッター61によって塗布部34を切断し、切断部位34aに生じたバリ、ヒゲ36をレーザ72によって除去している。レーザ72の焦点位置Fを帯状金属箔31の中心位置よりも第2の面31b側とすることで、第2の面31b側に生じるバリ、ヒゲ36の除去を行いやすい。また、レーザ72の出力は、帯状金属箔31と、第1の前駆体32と、第2の前駆体33の3層構造の部分を切断できる値が必要なく、バリ、ヒゲ36を除去することができる値で足りる。このため、レーザ72の出力を抑えることができる。
(2)レーザ照射装置71によって切断部位34aのバリ、ヒゲ36の除去とともに露出部35の切断を行っているため、バリ、ヒゲ36の除去と露出部35の切断とを一括で行うことができる。
(3)レーザ72の焦点位置Fでのエネルギー密度は、帯状金属箔31を切断することができるエネルギー密度よりも高く、帯状金属箔31の厚み方向において、帯状金属箔31の中心位置と同一位置でのレーザ72のエネルギー密度は、帯状金属箔31の切断することができるエネルギー密度になっている。このため、切断部位34aのバリ、ヒゲ36を除去するときと、露出部35を切断するときでレーザ72の焦点位置Fを変える必要がなく、容易に切断部位34aのバリ、ヒゲ36の除去と露出部35の切断を行うことができる。
(4)ロータリーダイカッター61によって塗布部34を切断している。レーザ72によって塗布部34を切断する場合、バリ、ヒゲ36を除去する場合に比べて長時間レーザ72を照射する必要があるが、ロータリーダイカッター61によって塗布部34を切断することで、レーザ照射装置71によるレーザ72の照射時間を短くすることができる。このため、正極電極21の生産性を向上させることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○切断部位34aのバリ、ヒゲ36を除去するときには焦点位置Fを帯状金属箔31の中心位置よりも第2の面31b側とし、露出部35を切断するときには、焦点位置Fを金属箔の中心位置に合わせてもよい。この場合、レーザ72の出力は、レーザ72の焦点位置Fで帯状金属箔31を切断することができるエネルギー密度となるような値であればよく、帯状金属箔31を切断することができるエネルギー密度よりも高くする必要がない。したがって、レーザ72の焦点位置Fが帯状金属箔31の中心位置よりも第2の面31b側に位置している状態で露出部35の切断を行う場合に比べて、レーザ72の出力を低くすることができる。なお、レーザ72の焦点位置Fの変更は、スキャニング装置74によって行われてもよいし、ロボットハンドなど、レーザ照射装置71の位置を変更することができる装置で行われてもよい。
○切断部位34aのバリ、ヒゲ36を除去するときには焦点位置Fを帯状金属箔31の中心位置よりも第2の面31b側とし、露出部35を切断するときには、焦点位置Fを金属箔の中心位置に合わせてもよい。この場合、レーザ72の出力は、レーザ72の焦点位置Fで帯状金属箔31を切断することができるエネルギー密度となるような値であればよく、帯状金属箔31を切断することができるエネルギー密度よりも高くする必要がない。したがって、レーザ72の焦点位置Fが帯状金属箔31の中心位置よりも第2の面31b側に位置している状態で露出部35の切断を行う場合に比べて、レーザ72の出力を低くすることができる。なお、レーザ72の焦点位置Fの変更は、スキャニング装置74によって行われてもよいし、ロボットハンドなど、レーザ照射装置71の位置を変更することができる装置で行われてもよい。
○図8(a)及び図8(b)に示すように、レーザ照射装置71は、帯状金属箔31の中心位置よりも第2の面31b側を焦点位置Fとしてレーザ72を照射した後に、帯状金属箔31の中心位置よりも第1の面31a側を焦点位置Fとしてレーザ72を照射してもよい。レーザ72を照射する際に、製造装置40の振動などによって、バリ、ヒゲ36の位置が帯状金属箔31の厚み方向に対してずれるおそれがあるため、焦点位置Fを異ならせてレーザ72を照射することで、バリ、ヒゲ36が残留することを抑制することができる。
○ロータリーダイカッター61によって塗布部34とともに露出部35も切断してもよい。この場合、露出部35にもバリ、ヒゲ36が生じることになり、レーザ照射装置71によって塗布部34の切断部位34a、及び、露出部35の切断部位にレーザ72を照射する。
○ロータリーダイ62は、アンビルロール63の下方に配置されていてもよい。この場合、ロータリーダイ62と対向する面(刃64が進入される面)が帯状金属箔31の第1の面となる。すなわち、実施形態における第2の面31bが第1の面となる。
○上記実施形態では、パルスレーザで加工を実施しているが、連続発振方式のレーザでもよい。
○電極中間体30は、帯状金属箔31と、帯状金属箔31の第1の面31aだけに存在する第1の前駆体32とで構成されていてもよい。
○電極中間体30は、帯状金属箔31と、帯状金属箔31の第1の面31aだけに存在する第1の前駆体32とで構成されていてもよい。
○分離用ロール88を吸着機能を有するロールに変更してもよい。この場合、ロールによる廃棄中間体52の吸着機能があり、正極電極21の搬送方向と、廃棄中間体52の搬送方向が相互に異なっているため廃棄中間体52が確実に分離される。
○製造装置40において、被覆部82内に気流発生装置85は無くてもよい。
○被覆部82は、レーザ照射装置71、及び電極搬送用吸着コンベア81だけでなく、ロータリーダイカッター61も覆ってもよいし、中間体供給部41を覆っていてもよい。
○被覆部82は、レーザ照射装置71、及び電極搬送用吸着コンベア81だけでなく、ロータリーダイカッター61も覆ってもよいし、中間体供給部41を覆っていてもよい。
○製造装置40において、被覆部82は無くてもよい。
○製造装置40は、負極用の電極中間体30を切断して負極電極22を製造する装置であってもよい。
○製造装置40は、負極用の電極中間体30を切断して負極電極22を製造する装置であってもよい。
○例えばキャパシタなど、二次電池以外の蓄電装置にも適用できる。
○活物質層及び形成する電極より所定分、例えば、一回り大きな枚葉の金属箔を備えた電極中間体30から電極を切り出してもよい。この場合、ダイカッターとしては、ロータリーダイカッターを用いてもよいし、平板状のフラットダイカッターを用いてもよい。
○活物質層及び形成する電極より所定分、例えば、一回り大きな枚葉の金属箔を備えた電極中間体30から電極を切り出してもよい。この場合、ダイカッターとしては、ロータリーダイカッターを用いてもよいし、平板状のフラットダイカッターを用いてもよい。
○ロータリーダイ62の外周面に設けられる刃64の数は、適宜変更してもよい。また、刃64の形状は、正極電極21の形状に合わせて適宜変更してもよい。
○レーザ照射装置71は、電極中間体30に対して、第2の面31b側からレーザ72を照射してもよい。
○レーザ照射装置71は、電極中間体30に対して、第2の面31b側からレーザ72を照射してもよい。
F…焦点位置、21…正極電極、22…負極電極、24…活物質層、30…電極中間体、31…帯状金属箔、31a…第1の面、31b…第2の面、32…第1の前駆体、33…第2の前駆体、34…塗布部、34a…切断部位、35…露出部、36…バリ、ヒゲ、40…製造装置、61…ロータリーダイカッター、64…刃、71…レーザ照射装置、72…レーザ。
Claims (5)
- 第1の面及び前記第1の面とは反対の第2の面を有する金属箔の少なくとも片面に活物質層の前駆体を有し、前記前駆体と前記金属箔とが重なり合う塗布部と、前記前駆体の存在しない露出部とを備える電極中間体から、予め定めた形状の電極を得る電極の製造方法であって、
少なくとも前記塗布部に対して、ダイカッターの刃を前記第1の面から前記第2の面に向けて進入させることで前記塗布部を切断し、
前記ダイカッターによって切断された切断部位に対して、前記金属箔の厚みの中心位置よりも前記第2の面側を焦点位置としてレーザを照射する電極の製造方法。 - 前記電極の輪郭に沿って前記レーザを走査させ、前記露出部を前記レーザによって切断する請求項1に記載の電極の製造方法。
- 前記レーザの前記焦点位置でのエネルギー密度は、前記金属箔の切断に要するエネルギー密度より高く、
前記切断部位に前記レーザを照射するときの前記焦点位置と、前記露出部に前記レーザを照射するときの前記焦点位置とを同一位置とする請求項2に記載の電極の製造方法。 - 前記露出部を切断するときの前記焦点位置は、前記金属箔の厚みの中心位置である請求項2に記載の電極の製造方法。
- 第1の面及び前記第1の面とは反対の第2の面を有する金属箔の少なくとも片面に活物質層の前駆体を有し、前記前駆体と前記金属箔とが重なり合う塗布部と、前記前駆体の存在しない露出部とを備える電極中間体から、予め定めた形状の電極を得る電極の製造装置であって、
少なくとも前記塗布部に対して、前記第1の面から前記第2の面に向けて刃を進入させることで前記塗布部を切断するダイカッターと、
前記ダイカッターによって切断された切断部位に対して、前記金属箔の厚みの中心位置よりも前記第2の面側を焦点位置としてレーザを照射するレーザ照射装置と、を備える電極の製造装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2018043444A1 (ja) * | 2016-08-31 | 2018-03-08 | 三洋電機株式会社 | 二次電池用電極及びその製造方法、並びに二次電池及びその製造方法 |
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-
2015
- 2015-12-16 JP JP2015245206A patent/JP2017112208A/ja active Pending
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